JPH07172242A - 自動車の小物入れボックス構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 小物類の収納性、整理性の向上と車室内の冷
暖房効果に影響を及ぼすことなくカップの冷却又は保温
を行えるカップホルダ付きの小物入れボックスの提供を
図る。 【構成】 インストルメントパネル１に設けた小物入れ
ボックス３は下段にメイン小物入れ部４と上段に奥行き
の深いサブ小物入れ部５を併設してあり、メイン小物入
れ部４の下側にダクト部６を形成してある。メイン小物
入れ部４の底壁４ａに開口部１１を設けてあると共に該
底壁４ａにカップホルダ孔１４を形成したテーブル１２
を格納、引き出し自在に設けてある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は自動車の小物入れボック
ス構造に関し、とりわけ、冷却、保温機能を有するカッ
プホルダ付きの小物入れボックス構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】自動車の中には、例えば実開平１−１７
５９１７号公報に示されているように、車室内の空調用
空気の吹出し口にカップホルダ孔を形成した筒状のホル
ダ部を格納、引き出し自在に装着し、ホルダ部を吹出し
口から引き出してカップホルダ孔に飲料容器、カップ等
（以下単にカップと称する）を挿入保持させることによ
り、該カップを吹出し口から吹出される空調用空気で冷
却又は保温できるようにしたものが知られている。

【０００３】また、この他実開昭６２−４６２０８号公
報に示されているように、インストルメントパネルの助
手席側に設けたグローブボックスに、空調用の空気を導
入して、グローブボックス内に収容したカップを空調用
空気で冷却又は保温できるようにしたものが知られてい
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】前者の構造ではホルダ
部に保持したカップで空調用空気の吹出し口を塞ぐよう
になるため、車室内の冷暖房効果が損なわれるおそれが
あり、また、後者の構造にあってはグローブボックス内
にカップを収容するため、グローブボックス内への小物
類の収納性および整理性を損なってしまうおそれがあ
る。

【０００５】そこで、本発明は小物類の収納性および整
理性を損なうことなくカップを保持できて、該カップを
冷却又は保温することができる自動車の小物入れボック
ス構造を提供するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】請求項１にあっては、車
室内の任意の部位に、下段にメイン小物入れ部と上段に
奥行きの深いサブ小物入れ部とを併設した小物入れボッ
クスを形成し、前記メイン小物入れ部の下側にその底壁
を境にダクト部を形成して、該ダクト部をインストルメ
ントパネルの内側に配設したベントダクトに接続する一
方、前記底壁の後部に開口部を形成すると共に、該底壁
に格納位置で前記開口部を閉塞するテーブルを、小物入
れボックス内の格納位置と車室内の使用位置とに格納、
引き出し自在に配設すると共に、該テーブルにその使用
位置で前記開口部を通してダクト部に連通し、カップを
ダクト部内に突出させて保持するカップホルダ孔を形成
してある。

【０００７】請求項２にあっては、ダクト部をメイン小
物入れ部の底部面積と略同一に扁平状に形成してある。

【０００８】

【作用】請求項１によれば、テーブルを使用位置に引き
出すと、テーブルのカップホルダ孔がメイン小物入れ部
の後部の開口部に位置してダクト部に連通するから、該
カップホルダ孔にカップを挿入保持させれば、該カップ
がダクト部内に突出して配置されて、ダクト部を流通す
る空調用の空気で冷却又は保温することができる。

【０００９】このカップホルダ使用状態では、カップは
メイン小物入れ部の底壁後部に存在するため、メイン小
物入れ部の収容物品の邪魔になることはなく、また、長
尺の小物類は上段のサブ小物入れ部に収納されるので、
その収納性を損なうことはなく、しかも、カップの取り
出し、保持操作に邪魔になることはない。

【００１０】請求項２によれば、ダクト部がメイン小物
入れ部の底部面積と略同一に扁平状に形成されていて、
ダクト部内にカップが突出しても流通面積を確保できる
から、ダクト部後流の吹出し空気流量を十分に確保する
ことができる。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面と共に詳述す
る。

【００１２】図１〜３において、１はインストルメント
パネル、２はインストルメントパネル１の中央部分に形
成したセンターコンソール部で、その下側部に後部を開
放した小物入れボックス３を組込み装着してある。

【００１３】小物入れボックス３は、乗員の身の回り品
等の小物類を収納し得るに十分な容積のメイン小物入れ
部４を下段に形成し、その上段に地図帳や車検証等のよ
うに比較的長尺な書籍類等の小物類Ｍを収納し得る奥行
きの深いサブ小物入れ部５を併設してある。

【００１４】６はメイン小物入れ部４の下側にその底壁
４ａを境にして形成したダクト部で、本実施例にあって
は、該ダクト部６をメイン小物入れ部４の底部面積と略
同一に扁平状に形成してある。

【００１５】このダクト部６は前、後部にそれぞれ接続
口６ａ，６ｂを形成してあり、前部の接続口６ｂにはイ
ンストルメントパネル１の内側に配設した図外のベント
ダクトから分岐したベント分岐ダクト７のセンター部７
ａを接続してあり、ベント分岐ダクト７のサイド部７ｂ
はセンターコンソール部２の下部両側に形成したフロア
側吹出し口８に連通接続するようにしてある。

【００１６】他方、ダクト部６の後部の接続口６ｂは、
本実施例にあってはセンターコンソール部２に連なるフ
ロアコンソール部９の後面に形成した後部吹出し口９ａ
に連なるダクトエクステンション１０を接続してある。

【００１７】前記メイン小物入れ部４の底壁４ａの後部
中央部分には開口部１１を形成してあると共に、該底壁
４ａにテーブル１２を配設してある。

【００１８】底壁４ａは本実施例では、開口部１１を形
成した部分から後方部分を前方部分よりもテーブル１２
の板厚分一段低く形成してある。

【００１９】テーブル１２はこの底壁４ａの後方部分上
から、開口部１１を水平に前後方向に横切って、底壁４
ａの前方部分の下面両側に形成したガイドレール部１３
に沿って前後方向に摺動自在に組付けてあって、小物入
れボックス３内の格納位置と車室内に引き出した使用位
置とに格納、引き出し自在としてある。

【００２０】また、このテーブル１２は前記格納位置で
底壁４ａの開口部１１を閉塞するもので、該テーブル１
２には車室内に引き出した使用位置で、前記開口部１１
を通してダクト部６に連通し、カップＣをダクト部６内
に突出させて保持する２つのカップホルダ孔１４を形成
してある。

【００２１】以上の実施例構造によれば、小物入れボッ
クス３は下段にメイン小物入れ部４を、および上段に奥
行きの深いサブ小物入れ部５を併設してあるから、乗員
の身の回り品等はメイン小物入れ部４に収納し、書籍等
の長尺の小物類Ｍはサブ小物入れ部５に収納することに
よって整理性を良好にすることができる。

【００２２】そして、テーブル１２を図１の実線で示す
使用位置に引き出すと、テーブル１２のカップホルダ孔
１４が開口部１１に位置してダクト部６に連通するか
ら、該カップホルダ孔１４にカップＣを挿入保持させれ
ば、該カップＣがダクト部６内に突出して配置され、ダ
クト部６を流通する空調用の空気で冷却又は保温するこ
とができる。

【００２３】このようにテーブル１２を引き出してカッ
プホルダ孔１４にカップＣを挿入保持させたカップホル
ダ使用状態では、カップＣはメイン小物入れ部４の底壁
４ａの後部側に存在するため、メイン小物入れ部４に収
納した収容物品の邪魔になることはない。

【００２４】また、長尺の小物類Ｍは前述のように上段
のサブ小物入れ部５に収納されるので、その収納性を些
かも損なうことはなく、しかも、カップＣの取り出し、
保持操作に邪魔になることはない。

【００２５】更に、テーブル１２は前述のように小物入
れボックス３内から車室内へ引き出されるため、乗員の
手元近くに位置して、テーブル１２の使用性が向上し、
かつ、不使用時は小物入れボックス３内に格納されるの
で、車室内に占有スペースをとることもない。

【００２６】一方、このようなカップホルダ使用状態で
も、ダクト部６はもともと図外の空調ユニットのベント
吹出し口とは別に設けられていて、しかも、メイン小物
入れ部４の底部面積と略同一に扁平状に形成してあっ
て、ダクト部６内にカップＣが突出していても流通面積
を確保できるから、ダクト部６後流の吹出し空気量、即
ち、フロアコンソール部９の後部吹出し口９ａからの吹
出し空気量を十分に確保できて、車室内の冷暖房効果を
損なうことはない。

【００２７】他方、テーブル１２を小物入れボックス３
内の格納位置へ格納すれば、開口部１１は該テーブル１
２によって閉塞されるため、該開口部１１からの空気の
洩れはなく、ダクト部６を流通する空気の全量を前記後
部吹出し口９から吹出させることができる。

【００２８】なお、前記実施例では小物入れボックス３
として後部開放タイプのものを示したが、リッド付設タ
イプに構成することも勿論可能であり、また、小物入れ
ボックス３をセンターコンソール部２の下側部内に組込
みタイプとすることなく、小物入れボックス３自体でセ
ンターコンソール部２の下側部を構成するようにしても
よい。

【００２９】更に、本実施例ではインストルメントパネ
ル１のセンターコンソール部２に本発明を適用した場合
を例示したが、インストルメントパネル１の助手席側に
設けられたグローブボックス１５の他、リヤサイド部の
小物入れ部に本発明を適用することもできる。

【００３０】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、小物入れ
ボックスを下段にメイン小物入れを上段に奥行きの深い
サブ小物入れ部とを併設した構造としてあるから、これ
らメイン、サブ小物入れに小物類を区分けして収容して
整理性を向上できることは勿論、テーブルを使用位置に
引き出すと、テーブルのカップホルダ孔がメイン小物入
れ部の後部の開口部に位置してダクト部に連通するか
ら、該カップホルダ孔にカップを挿入保持させれば、該
カップがダクト部内に突出して配置されて、ダクト部を
流通する空調用の空気で冷却又は保温することができ
る。

【００３１】このようなカップホルダ使用状態では、カ
ップはメイン小物入れ部の底壁後部に存在するから、メ
イン小物入れ部の収容物品の邪魔になることはなく、長
尺の小物類は前述のように上段のサブ小物入れ部に収納
されるので、その収納性を損なうことはなく、しかも、
カップの取り出し、保持操作に邪魔になることもない。

【００３２】更に、ダクト部はもともと空調ユニットの
ベント吹出し口とは別に設けられていて、しかも、メイ
ン小物入れ部の底部面積と略同一に扁平状に形成してダ
クト流通面積を大きくしてあるから、カップによって空
気の流通が遮ぎられることはなくダクト部後流の吹出し
空気量を十分に確保することができて、車室内の冷暖房
効果を些かも損なうことはないという実用上多大な効果
を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す断面説明図。

【図２】同実施例の全体構造を示す斜視図。

【図３】小物入れボックスの斜視図。

【符号の説明】

１ インストルメントパネル ３ 小物入れボックス ４ メイン小物入れ部 ４ａ 底壁 ５ サブ小物入れ部 ６ ダクト部 ７ ベントダクト １１ 開口部 １２ テーブル １４ カップホルダ孔

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車室内の任意の部位に、下段にメイン小
   物入れ部と上段に奥行きの深いサブ小物入れ部とを併設
   した小物入れボックスを形成し、前記メイン小物入れ部
   の下側にその底壁を境にダクト部を形成して、該ダクト
   部をインストルメントパネルの内側に配設したベントダ
   クトに接続する一方、前記底壁の後部に開口部を形成す
   ると共に、該底壁に格納位置で前記開口部を閉塞するテ
   ーブルを、小物入れボックス内の格納位置と車室内の使
   用位置とに格納、引き出し自在に配設すると共に、該テ
   ーブルにその使用位置で前記開口部を通してダクト部に
   連通し、カップをダクト部内に突出させて保持するカッ
   プホルダ孔を形成したことを特徴とする自動車の小物入
   れボックス構造。
2. 【請求項２】 ダクト部をメイン小物入れ部の底部面積
   と略同一に扁平状に形成したことを特徴とする請求項１
   記載の自動車の小物入れボックス構造。