JPH0715323U - ブレーカープレート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ブレーカープレートを流れる溶融樹脂の速度
の均一化を図り、もって溶融樹脂が熱分解することのな
いブレーカープレートを提供すること。 【構成】 押出機のバレル先端部に付設して用いられる
ブレーカープレートであって、ブレーカープレート本体
の板状体の樹脂流入側及び樹脂流出側の両面の中央部
に、先細り状の突起が設けられ、この突起の周囲の板状
体には複数個の貫通孔が設けられている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、押出機のバレル先端部に付設して用いられるブレーカープレート に関する。

【０００２】

【従来の技術】

ブレーカープレートは、溶融樹脂材料のダイへの流れを整流化するとともに、 ダイ内の背圧を高めて混練状態を向上させるのに用いられるものであって、押出 機のバレル先端部に取り付けられて使用される。 ところで、従来のブレーカープレートは、通常、円板状体に複数個の貫通孔が ほぼ同密度に穿設されているため、周辺部の貫通孔を流れる溶融樹脂は、中央部 の貫通孔を流れる溶融樹脂よりも遅く流れる傾向があり、そのため熱履歴が多く なって熱分解し易いという問題があった（特公昭５８−９８１号公報参照）。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

この考案は、上記の点に鑑み、ブレーカープレートを流れる溶融樹脂の速度の 均一化を図り、もって溶融樹脂が熱分解することのないブレーカープレートを提 供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

この考案のブレーカープレートは、板状体の両面の中央部に先細りの突起が設 けられ、この突起の周囲の板状体には複数個の貫通孔が設けられていることを特 徴としている。

【０００５】 上記板状体は、通常、円板からなり、その両面の中央部に設ける先細りの突起 としては、円錐状体、先端部が円錐状とされた円柱状体などがあげられる。 この突起は、板状体に対して、一体に形成されていてもよいし、着脱可能に設 けられもよい。 また、貫通孔は、溶融樹脂の流路であって、通常、ほぼ同一径のものが、板状 体の突起の周囲にほぼ等間隔で穿設される。

【０００６】

【作用】

この考案のブレーカープレートにおいては、以上のとおり、中央部に先細りの 突起が設けられているので、押出機のバレル先端部の中央を流れる溶融樹脂は、 突起により板状体の周囲に導かれて貫通孔を流れることになるので、貫通孔を流 れる溶融樹脂の速度は均一化され。 また、ブレーカープレートの貫通孔から流出した溶融樹脂は、先細りの突起に 誘導され、整流化された溶融樹脂が乱されることがなく、ダイに流れ込み所定形 状に賦形される。

【０００７】 したがって、ブレーカープレートにおいて、周辺部の貫通孔を流れる溶融樹脂 がその流れ速度が遅くなって熱履歴を長く受けるようなことがなく、樹脂の熱劣 化の発生が防止される。

【０００８】

【実施例】

以下、この考案の実施例を図面を参照して説明する。

【０００９】 図１は、この考案のブレーカープレートの実施例を示すものであり、（イ）は 正面図、（ロ）は（イ）のＡ−Ａ線の断面図である。 図１において、１はブレーカープレート全体を示し、１１は円板状体、１２及 び１３は突起、１４は貫通孔をそれぞれ示している。 突起１２、１３は、先端が先鋭な円錐体からなり、円板状体１１の両面の中央 部に一体に突設されている。貫通孔１４は溶融樹脂の流路であって、突起１２、 １３の周囲の円板状体１１に複数個穿設されている。この貫通孔１４の孔の大き さ、孔密度等は従来のブレーカープレートにおける貫通孔と特に変わらない。

【００１０】 このブレーカープレート１は、図２及び図３に示すとおり、押圧機２のバレル ２１の先端とダイ３との間に取り付けられて使用される。 すなわち、樹脂原料は、押圧機２のバレル２１内で加熱されるとともに、スク リュー２２によって混練され、バレル２１の先端から、ブレーカープレート１を 経てダイ３に送られ、所定形状に賦形される。

【００１１】 溶融樹脂はブレーカープレート１の貫通孔１４を流れることになるが、ブレー カープレート１の中央部には円錐状突起１２が設けられているので、バレル２１ 内の中央部を流れる溶融樹脂は、突起１３の周面に誘導されて板状体１１の周辺 部の貫通孔１４に到達し、ほぼ同一速度で複数個の貫通孔１４を流れて整流化さ れる。通孔孔１４を出た溶融樹脂は、円錐状突起１３の周面に沿って内方にも誘 導されるので整流化した溶融樹脂の流れが乱されることなく、ダイ３の入口部分 の樹脂流路をほぼ均一速度で流れることになる。

【００１２】 溶融樹脂は、ダイ３において、外型３１とマンドレル３２との間に形成された 環状の樹脂流路を通ることにより所定形状に賦形される。ダイ３から押出された 成形体Ｐは、フォーミングダイ４で外径規制され、冷却水槽５にて冷却される。 なお、６は引取機、７は切断装置である。

【００１３】 図４はブレーカープレートの他の実施例を示すものであり、（イ）は正面図、 （ロ）は（イ）のＢ−Ｂ線の断面図である。 この実施例のブレーカープレート１ａにおいては、板状体１１ａの両面に図１ に示すものと同様の円錐状の突起１２ａ、１３ａが設けられ、その周囲に円弧状 長孔の貫通孔１４ａが４個穿設されている。 この貫通孔１４ａの入口部及び出口部は、図４で示されるとおり開口側に拡径 しており、このことにより溶融樹脂がスムースに流れ込んだり、流れ出るように なっている。

【００１４】 図５は、図１のブレーカープレート１の溶融樹脂の流出側の突起１３の形状を 異なるものとした実施例の断面図である。 このブレーカープレート１ｂにおいては、溶融樹脂の下流側に設けられた突起 １３ｂは円柱体の先端部を先鋭にした形状とされている。それ以外の溶融樹脂の 流入側の突起１２ｂ、貫通孔１４ｂ等は図１のブレーカープレート１のものとほ ぼ同様とされている。 この突起１３ｂと同形の突起を、溶融樹脂の上流側に設けることは可能である し、また、図３に示すブレーカープレート１ａの突起にも適用できる。

【００１５】

【考案の効果】

この考案のブレーカープレートにおいては、上記したとおり、貫通孔を流れる 溶融樹脂の速度は均一化されて整流化される結果、従来のブレーカープレートの ように周辺部の貫通孔を流れる樹脂速度が遅れるようなことがなく、熱履歴が多 くなって樹脂が分解するような恐れがない。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案のブレーカープレートの実施例を示す
ものであり、（イ）は正面図、（ロ）は（イ）のＡ−Ａ
断面図である。

【図２】図１に示すブレーカープレートの使用態様を示
す説明図である。

【図３】図２の要部の縦断面図である。

【図４】この考案のブレーカープレートの他の実施例を
示すものであり、（イ）は正面図、（ロ）は（イ）のＢ
−Ｂ断面図である。

【図５】この考案のブレーカープレートの更に別の実施
例を示す縦断面図である。

【符号の説明】

１、１ａ、１ｂ ブレーカープレート １１、１１ａ、１１ｂ 板状体 １２、１２ａ、１２ｂ （樹脂流入側）突起 １３、１３ａ、１３ｂ （樹脂流出側）突起 ２ 押圧機 ２１ バレル ２２ スクリュ ３ ダイ ３１ 外型 ３２ マンドレル ４ フォーミングダイ ５ 冷却槽 Ｐ 成形体

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 板状体の両面の中央部に先細りの突起が
   設けられ、この突起の周囲の板状体には複数個の貫通孔
   が設けられていることを特徴とするブレーカープレー
   ト。