JPH07136454A - 硫化水素含有ガスの脱硫方法および装置 - Google Patents

硫化水素含有ガスの脱硫方法および装置

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JPH07136454A
JPH07136454A JP5286667A JP28666793A JPH07136454A JP H07136454 A JPH07136454 A JP H07136454A JP 5286667 A JP5286667 A JP 5286667A JP 28666793 A JP28666793 A JP 28666793A JP H07136454 A JPH07136454 A JP H07136454A
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gas
oxygen
water
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JP5286667A
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Tadao Takeuchi
忠雄 竹内
Akio Oyama
昭男 大山
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Kurita Water Industries Ltd
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Kurita Water Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 硫化水素含有ガスを生物脱硫塔において脱硫
するに際し、処理ガス中への酸素の混入を少なくして、
低コストで効率よく脱硫し、しかも固体イオウの析出に
よる充填材層の目詰りも防止する。 【構成】 硫化水素を酸化する微生物が付着した充填材
層2a、2bおよび散水装置8a、8bを有する生物脱
硫塔1a、1bと、被処理ガス導入路3a、3bと、酸
素含有ガス導入路4a、4b、各生物脱硫塔に導入する
被処理ガスおよび酸素含有ガスを切替えるバルブ11、
12、13、14、23、24、25、26と、ガス取
出路6a、6bと、ドレン排出路5a、5bとを備えた
脱硫装置において、バルブを切替えることにより、硫化
水素の除去および除去した硫化水素の微生物酸化を別々
の工程として交互に繰返して行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、硫化水素を含有するガ
スから硫化水素を脱硫するための硫化水素含有ガスの脱
硫方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】下水、し尿、産業排水等の排水、または
汚泥、ゴミ等の固形廃棄物などの有機性物質の処理法と
して、嫌気性処理が行われている。嫌気性処理では、メ
タン発酵により、消化ガス(バイオガス)が発生する。
この消化ガス中には、メタンのほかに、二酸化炭素およ
び硫化水素などのガスが含まれている。このような消化
ガスは、通常エネルギー回収の目的で、ボイラーまたは
焼却炉の燃料などとして有効利用される場合が多いが、
焼却装置の腐食防止および大気汚染防止の観点から、燃
焼に利用する前に硫化水素の除去(脱硫)が行われる。
消化ガス中には、通常0.05〜2v/v%程度の硫化
水素が含まれているが、この濃度はメタン発酵処理を受
ける排水または廃棄物中の硫酸イオン濃度により変化す
る。このほか石油系ガス等にも硫化水素が含まれてい
る。
【0003】従来、このような硫化水素含有ガスを脱硫
するために、微生物を利用する生物脱硫法として、硫化
水素を酸化分解する微生物が付着している充填材層を充
填した生物脱硫塔に消化ガスを通気して硫化水素を分解
する方法がある(特開平2−26615号)。
【0004】この生物脱硫法は硫化水素を選択的に効率
よく分解除去でき、脱硫に伴って新たに廃液を生じない
などの点で優れた方法であるが、消化ガス中には酸素が
含まれていないため、硫化水素を酸化するのに必要な空
気または酸素ガスを消化ガスとともに生物脱硫塔に供給
する必要がある。
【0005】このため、消化ガス中に空気または酸素ガ
スが残留するとともに、二酸化炭素も生成するので、消
化ガスの主成分であるメタンガスの含有率が低下し、利
用価値が低下するという問題点がある。また供給する酸
素量を少なくすると、硫化水素の酸化が不完全となっ
て、一部が硫酸にまで酸化されないで固体イオウとな
り、このイオウが充填材層の目詰りを引起すので運転管
理が難しいという問題点がある。
【0006】また特開平5−68849号には、消化ガ
スを洗浄液で洗浄して硫化水素を吸収させ、この硫化水
素を含む洗浄液を好気性酸化装置に導入し、好気性微生
物により酸化して脱硫する脱硫方法および装置が開示さ
れている。この方法では、脱硫処理した消化ガス中への
酸素の混入は完全に防止されるが、好気性酸化装置があ
る場合にしか適用できないという問題点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点を解決するため、処理ガス中への酸素の混入を少
なくして、低コストで効率よく硫化水素を除去すること
ができ、しかも固体イオウによる充填材層の目詰りも防
止することができる硫化水素含有ガスの脱硫方法および
装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は次の硫化水素含
有ガスの脱硫方法および装置である。 (1)硫化水素を酸化する微生物が付着した充填材層に
硫化水素含有ガスを接触させて、ガス中の硫化水素を充
填材層に吸収させる硫化水素吸収工程と、硫化水素を吸
収した充填材層を酸素含有ガスと接触させて、硫化水素
を微生物により酸化する硫化水素酸化工程とを、交互に
繰返して硫化水素の吸収と酸化を行い、前記充填材層に
連続的または間欠的に給水して洗浄することを特徴とす
る硫化水素含有ガスの脱硫方法。 (2)硫化水素を酸化する微生物が付着した充填材層、
およびこの充填材層に給水する給水装置を有する複数の
生物脱硫塔と、前記複数の生物脱硫塔にそれぞれ硫化水
素含有ガスを導入する硫化水素含有ガス導入手段、およ
び酸素含有ガスを導入する酸素含有ガス導入手段と、前
記複数の生物脱硫塔に交互に硫化水素含有ガスおよび酸
素含有ガスを導入するように切替える導入ガス切替手段
と、前記複数の生物脱硫塔からそれぞれ処理ガスおよび
酸素含有排ガスを排出する排ガス手段と、前記給水装置
から給水して洗浄を行ったドレンを生物脱硫塔から排出
するドレン排出手段とを備えたことを特徴とする硫化水
素含有ガスの脱硫装置。
【0009】本発明の処理方法および装置において、処
理の対象となる硫化水素含有ガス(被処理ガス)は、硫
化水素を含有するガスであれば特に制限されず、例えば
下水、し尿、産業排水等の排水または汚泥、ゴミ等の固
形廃棄物などの有機性物質を嫌気性消化した際に発生す
る消化ガスの他、石油系ガスなどがあげられる。これら
の硫化水素含有ガスは、酸素ガスが含まれていないもの
が好ましいが、場合によっては酸素ガス、炭酸ガス、そ
の他のガスが含まれていてもよい。
【0010】本発明の脱硫方法では、硫化水素含有ガス
から硫化水素を除去する硫化水素吸収工程と、この工程
で除去した硫化水素を微生物により酸化する硫化水素酸
化工程とを、別々の工程として交互に繰返して行い、硫
化水素含有ガス中の硫化水素を吸収および酸化して除去
する。
【0011】硫化水素吸収工程では、例えば硫化水素を
酸化する微生物が付着した充填材層を備えた生物脱硫塔
に硫化水素含有ガスを通気して、充填材層に硫化水素含
有ガスを接触させ、ガス中の硫化水素を充填材層に吸収
させる。この工程は酸素含有ガスを通気しないで行うの
が好ましく、これにより固体イオウの生成や処理ガス中
への酸素その他のガスの混入が避けられるが、これらが
問題にならない場合には、例えば酸素が残留しない範囲
で酸素含有ガスを通気してもよい。
【0012】硫化水素含有ガスは、充填材層が水を保持
した状態で、気相中で充填材層と接触させるのが好まし
いが、場合によっては液相中で接触させてもよい。すな
わち後述するように、充填材層は連続的または間欠的に
給水して洗浄するとともに水を含浸させるが、硫化水素
吸収工程では水は給水しないで、硫化水素酸化工程で給
水した水を気相中で充填材層が保持した状態、すなわち
洗浄に用いた水の液面が充填材層の下にある状態で硫化
水素を吸収させるのが好ましい。硫化水素吸収工程の期
間中に充填材層に給水すると、硫化水素を含有するドレ
ンが生じることになり、その処理が必要となる。また洗
浄に用いた水の液面が充填材層より上にある状態で、液
相中に通気すると、気相中に通気する場合に比べて、圧
力損失が大きくなり、また硫化水素の除去率が低下す
る。
【0013】硫化水素吸収工程では、硫化水素は充填材
層に保持されている水に溶解し、水に溶解した硫化水素
がさらに充填材に付着している微生物に取込まれ、被処
理ガスから除去される。このため単に水で洗浄する場合
よりも硫化水素の除去効率はよくなる。
【0014】硫化水素酸化工程では、硫化水素含有ガス
の通気を停止した後、酸素含有ガスを生物脱硫塔に通気
して充填材層と接触させ、前記硫化水素吸収工程で充填
材層に吸収させた硫化水素を、充填材に付着している微
生物により硫酸にまで酸化する。この場合、硫化水素の
酸化に必要な十分な量の酸素を通気することができるの
で、硫化水素は硫酸にまで酸化され、これにより固体イ
オウが析出して充填材層が目詰りを起こすことはない。
硫化水素酸化工程も充填材層が水を保持した状態で行う
のが好ましい。
【0015】充填材層への給水は、硫化水素吸収工程お
よび硫化水素酸化工程の任意の期間中、連続的または間
欠的に行うことができ、例えば硫化水素吸収工程では給
水は行わず、硫化水素酸化工程では連続的に給水するこ
ともできるが、硫化水素吸収工程では給水は行わず、硫
化水素酸化工程において硫化水素が完全に硫酸にまで酸
化された時点で給水し、硫酸が充填材層に残留しないよ
うに洗浄するのが好ましい。このように給水および洗浄
することにより、脱硫処理に伴って硫化水素を含むドレ
ンは発生せず、吸収された硫化水素は硫酸として回収さ
れる。また次工程の硫化水素吸収工程において硫化水素
の吸収を効率的に行うことができる。充填材層への給水
は充填材層の上部から散水して行い、これにより、生成
した硫酸を洗浄するとともに、充填材層に水を含浸さ
せ、ドレンを生物脱硫塔の下部から排出する。この場
合、ドレンの液面が充填材層の下に位置するように行う
のが好ましい。
【0016】充填材層を形成し、硫化水素を酸化する微
生物を付着させる充填材としては、微生物が付着しやす
いものであれば特に限定されないが、例えばピート、多
孔性焼結物、ゼオライト、コークスおよびスポンジな
ど、微生物の付着性があり、保水性、排水性および通気
性を有するものがあげられる。
【0017】このような充填材に微生物を付着させるに
は、下水処理場の生物処理水を通液して植菌した後、硫
化水素を含む下水処理場の臭気を通気して微生物を馴養
する方法などが採用できる。このようにして微生物を付
着させることにより、硫化水素を好気的に酸化するイオ
ウ酸化細菌等が付着する。これらのイオウ酸化細菌は硫
化水素を栄養源にできるので、他の栄養源の供給は必要
ない。
【0018】本発明の脱硫方法による脱硫は一つの生物
脱硫塔で行うこともできるが、複数の生物脱硫塔を組合
せて行うのが好ましい。一つの生物脱硫塔で行う場合
は、被処理ガスを間欠的に処理することになるが、複数
の生物脱硫塔を組合せる場合は、ある生物脱硫塔におい
て硫化水素吸収工程を行い、別の生物脱硫塔において硫
化水素酸化工程を行うようにすると、脱硫処理全体とし
ては二つの工程を同時に行うことができるので、被処理
ガスを連続的に処理できる。
【0019】本発明の脱硫装置は複数の生物脱硫塔を組
合せた装置であり、硫化水素含有ガスから硫化水素を除
去する工程と、この除去した硫化水素を微生物により硫
酸にまで酸化する工程とを、生物脱硫塔において別々に
交互に繰返して行うように構成されている。各生物脱硫
塔は、硫化水素を酸化する微生物が付着した充填材層お
よびこの充填材層に給水する給水装置を備えている。
【0020】
【作用】本発明の脱硫装置においては、硫化水素含有ガ
ス導入手段により硫化水素含有ガスを生物脱硫塔に導入
し、また酸素含有ガス導入手段により酸素含有ガスを導
入する。このとき、導入ガス切替手段により、各生物脱
硫塔に導入する硫化水素含有ガスと酸素含有ガスとを切
替える。これにより、各塔において硫化水素吸収工程と
硫化水素酸化工程とが別々の工程として交互に繰返して
行われ、硫化水素吸収工程で吸収した硫化水素を、硫化
水素酸化工程で硫酸に酸化する。
【0021】生物脱硫塔に導入したガスは、処理ガスま
たは酸素含有排ガスとして排ガス手段から取出す。一
方、給水装置から充填材層上に給水することにより、充
填材に水を含浸させて微生物の活動を可能にするととも
に、硫化水素吸収工程における硫化水素の吸収を可能に
し、また硫化水素酸化工程における酸化により生成した
硫酸を洗浄する。洗浄により生成したドレンはドレン排
出手段により系外に排出する。
【0022】
【実施例】次に本発明を実施例により説明する。図1は
実施例の脱硫装置を示す系統図であり、2個の生物脱硫
塔を備えた例を示している。
【0023】図において、1a、1bは生物脱硫塔であ
り、各塔内には硫化水素を酸化する微生物が付着した充
填材層2a、2bがそれぞれ形成されている。各塔の下
部にはそれぞれ被処理ガス導入路3a、3bおよび酸素
含有ガス導入路4a、4bが接続するとともに、ドレン
排出路5a、5bが水封構造で接続している。また各塔
の上部にはそれぞれガス取出路6a、6bが接続してい
るほか、給水路7a、7bが接続しており、この給水路
7a、7bに接続する散水装置8a、8bが充填材層2
a、2bに散水できるように設けられている。
【0024】各被処理ガス導入路3a、3b、酸素含有
ガス導入路4a、4bおよび給水路7a、7bにはそれ
ぞれバルブ11、12、13、14、15、16が設け
られている。各ガス取出路6a、6bは処理ガス回収路
21a、21bおよび排ガス路22a、22bに分岐
し、各処理ガス回収路21a、21bおよび排ガス路2
2a、22bにはそれぞれバルブ23、24、25、2
6が設けられている。
【0025】31は生物脱臭塔であり、塔内には硫化水
素を酸化する微生物が付着した充填材層32が形成され
ている。生物脱臭塔31の下部には排ガス路22a、2
2bが接続するほか、ドレン排出路33が水封構造で接
続している。生物脱臭塔31の上部には、バルブ34を
有する給水路35が接続し、この給水路35に接続する
散水装置36が充填材層32に散水できるように設けら
れている。また生物脱臭塔31の上部には脱臭ガス排出
路37が接続している。
【0026】図1の脱硫装置により消化ガス等の硫化水
素含有ガス(被処理ガス)を脱硫するには、バルブ1
1、23を開の状態にし、バルブ12、13、25を閉
の状態にし、被処理ガスを被処理ガス導入路3aから生
物脱硫塔1aに導入して充填材層2aと接触させる。こ
れにより被処理ガス中の硫化水素は、充填材層2aに保
持されている水および微生物に吸収されて除去される。
硫化水素が除去された脱硫ガスはガス取出路6aから処
理ガス回収路21aを通して回収する。
【0027】次に、バルブを切替えて生物脱硫塔1aに
空気を導入するとともに、生物脱硫塔1bに被処理ガス
を導入する。すなわち、バルブ11、14、23、26
を閉の状態、バルブ12、13、24、25を開の状態
に切替え、酸素含有ガス導入路4aから空気を生物脱硫
塔1aに導入して充填材層2aと接触させるとともに、
被処理ガス導入路3bから被処理ガスを生物脱硫塔1b
に導入する。
【0028】これにより、生物脱硫塔1aでは、充填材
層2aに酸素が供給され、充填材に付着している微生物
により充填材層2aに吸収された硫化水素が硫酸に酸化
される。酸化に使用した空気はガス取出路6aから排ガ
ス路22aを通して生物脱臭塔31に送る。空気の代り
に、酸素または酸素含有ガスを用いることもできる。
【0029】硫化水素が硫酸に酸化された時点で、バル
ブ15を開の状態にし、給水路7aから給水し、散水装
置8aから充填材層2aに散水して洗浄を行う。硫酸を
含むドレンはドレン排出路5aから排出する。
【0030】この間生物脱硫塔1bでは被処理ガスが充
填材層2bに接触して、硫化水素が吸収される。生物脱
硫塔1aにおける洗浄が終了した後、再度バルブを切替
える。このときバルブ11、14、23、26を開の状
態にし、バルブ12、13、24、25を閉の状態にす
る。これにより生物脱硫塔1aに被処理ガスを導入して
脱硫を行うとともに、生物脱硫塔1bに酸素含有ガスを
導入して、吸収された硫化水素を酸化する。以後、この
操作を繰返すことにより、1つの生物脱硫塔において被
処理ガスから硫化水素を除去する工程と、除去した硫化
水素の酸化工程とを別々に交互に繰返して行う。
【0031】このため生物脱硫塔1aにおいて吸収した
硫化水素を酸化している期間は、生物脱硫塔1bでは被
処理ガスを導入して脱硫を行い、生物脱硫塔1aにおい
て脱硫を行っている期間は、生物脱硫塔1bでは吸収し
た硫化水素を酸化する。
【0032】生物脱硫塔1bで脱硫する場合は、脱硫ガ
スはガス取出路6bから処理ガス回収路21bを通して
回収する。また生物脱硫塔1bで硫化水素の酸化を行う
場合は、酸素含有ガス導入路4bから空気を導入し、ガ
ス取出路6bから排ガス路22bを通して排ガスを生物
脱臭塔31に送る。また硫化水素が硫酸に酸化された時
点で、バルブ16を開の状態にして給水路7bから給水
し、散水装置8bから充填材層2bに散水して洗浄を行
い、ドレン排出路5bからドレンを排出する。
【0033】排ガス路22a、22bから排出される排
ガスは生物脱臭塔31に導入し、充填材層32を通過さ
せて、微量に残留する硫化水素を充填材層32に吸収さ
せて除去するとともに、微生物により硫酸にまで酸化す
る。ここでは排ガス中に残留する酸素により、硫化水素
の酸化が行われる。充填材層32には連続的または間欠
的に散水装置36から散水し、ドレンはドレン排出路3
3から系外へ排出する。硫化水素が除去された空気は脱
臭ガス排出路37から系外へ排出する。
【0034】このようにして脱硫する被処理ガス中の硫
化水素濃度は250〜1000ppmであることが好ま
しいが、250ppm未満または1000ppmを超え
る高濃度の場合でも処理することができる。被処理ガス
を生物脱硫塔1a、1bに導入する際の空間速度は50
〜200hr-1、1回の工程の通気時間は5〜20分間
とするのが好ましい。また空気を生物脱硫塔1a、1b
に導入する際の空間速度は100〜400hr-1、通気
時間は5〜20分間とするのが好ましい。
【0035】通常、硫化水素濃度が高濃度になるほど、
被処理ガスの空間速度をより遅くするか、または通気時
間をより短くするように条件を選択する。このように条
件を選択して、「硫化水素濃度×被処理ガスの空間速
度」で表される負荷が、装置の処理能力を超えないよう
に運転する。例えば、硫化水素濃度が500ppm、被
処理ガスの空間速度が100hr-1の条件において処理
可能な装置では、この条件と負荷が同一となる硫化水素
濃度が2000ppm、空間速度が25hr-1の条件
や、あるいは硫化水素濃度が100ppm、空間速度が
500hr-1の条件においても運転可能である。
【0036】各生物脱硫塔1a、1bの充填材層2a、
2bに散水する水は工業用水、下水処理水など、任意の
ものが使用でき、pH調整の必要はない。メタンガスを
分解する微生物は、pHが中性付近で最も活性が高く、
メタンガスを分解して汚泥を発生させ、充填材層の目詰
りを起こす可能性は残るが、実装置において中性付近の
水を散水して脱硫を行ってもメタンガスは分解しにくい
ことが確認されているので、中性付近の水を用いても処
理可能である。
【0037】上記実施例においては、硫化水素が硫酸に
酸化された時点で給水して洗浄する場合について説明し
たが、給水は連続的に、または任意の時点でもしくは任
意の時間間隔で間欠的に行うこともできる。給水間隔が
長すぎたり、また給水量が少なすぎる場合には、硫化水
素の除去率が低下するので、硫化水素の除去率が低下し
ないように給水間隔および給水量を決定する。給水間
隔、給水量の一応の目安としては、給水間隔が10〜4
0分間、給水量が10〜40 liter/m3−充填
材層が適当である。
【0038】なお、図1の脱硫装置では2個の生物脱硫
塔を備えた装置について説明したが、3個以上の生物脱
硫塔を設けることもできる。また生物脱臭塔31は省略
することもできるし、他の方法の脱臭装置で代替するこ
ともできる。さらに消化ガス以外の硫化水素含有ガスも
同様にして脱硫することができる。
【0039】以上のような脱硫装置においては、バルブ
を切替えるだけで被処理ガスから硫化水素を除去する工
程とこの硫化水素を硫酸にまで酸化する工程とを別々の
工程として実施できるので、処理ガス中への酸素の混入
は防止できる。しかも硫化水素の酸化処理には必要十分
な酸素を供給できるので、固体イオウが析出して充填材
層が目詰りを起こすようなトラブルは発生せず、運転管
理は容易である。
【0040】試験例1 図1の脱硫装置により、次のようにして消化ガスを脱硫
した。内径400mm、高さ1000mmのアクリル製
生物脱硫塔1a、1bに繊維状ピートを500mmの高
さに充填し、充填材層2a、2bを形成した。この充填
材層2a、2bに硫化水素を含む下水処理場の臭気を通
気し、微生物の馴養を行った。
【0041】次いで、下水汚泥の嫌気性消化処理により
得られた消化ガス(硫化水素濃度500ppm)を10
5 liter/分(空間速度100hr-1)の流速で
10分間1aの生物脱硫塔に通気し、消化ガス中から硫
化水素を除去した。その後、バルブを切替えて空気を2
10 liter/分(空間速度200hr-1)の流速
で10分間通気し、硫化水素を硫酸にまで酸化した。充
填材層2aには散水装置8aから20分おきに、充填材
1m3当り15 literの水を散水した。1bの生
物脱硫塔においては、1aの生物脱硫塔とは硫化水素の
除去工程および除去した硫化水素の酸化工程とを逆にし
た以外は同様の条件で処理を行った。
【0042】その結果、消化ガス中の硫化水素は99%
除去され、除去された硫化水素のほとんどは硫酸にまで
酸化され、ドレン中に排出された。通気した空気の排ガ
スには硫化水素が約1ppm含まれていたが、生物脱臭
塔31で処理(空間速度200hr-1)された後は0.
001ppm以下になった。
【0043】
【発明の効果】本発明の脱硫方法によれば、硫化水素吸
収工程と硫化水素酸化工程とを別々の工程として繰返し
て行うようにしたので、処理ガス中への酸素の混入を少
なくして、低コストで効率よく硫化水素を除去すること
ができ、しかも硫化水素の酸化に必要な十分な量の酸素
を供給できるので、固体イオウの析出を防止できる。
【0044】また本発明の脱硫装置は、生物脱硫塔に導
入する硫化水素含有ガスと酸素含有ガスとの切替手段を
備えているので、処理ガスへの酸素の混入は少なくな
り、低コストで効率よく脱硫でき、しかも固体イオウに
よる充填材層の目詰りも防止されるので、運転管理が容
易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の脱硫装置を示す系統図である。
【符号の説明】
1a、1b 生物脱硫塔 2a、2b、32 充填材層 3a、3b 被処理ガス導入路 4a、4b 酸素含有ガス導入路 5a、5b、33 ドレン排出路 6a、6b ガス取出路 7a、7b、35 給水路 8a、8b、36 散水装置 11、12、13、14、15、16、23、24、2
5、26、34 バルブ 21a、21b 処理ガス回収路 22a、22b 排ガス路 31 生物脱臭塔 37 脱臭ガス排出路

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硫化水素を酸化する微生物が付着した充
    填材層に硫化水素含有ガスを接触させて、ガス中の硫化
    水素を充填材層に吸収させる硫化水素吸収工程と、 硫化水素を吸収した充填材層を酸素含有ガスと接触させ
    て、硫化水素を微生物により酸化する硫化水素酸化工程
    とを、 交互に繰返して硫化水素の吸収と酸化を行い、 前記充填材層に連続的または間欠的に給水して洗浄する
    ことを特徴とする硫化水素含有ガスの脱硫方法。
  2. 【請求項2】 硫化水素を酸化する微生物が付着した充
    填材層、およびこの充填材層に給水する給水装置を有す
    る複数の生物脱硫塔と、 前記複数の生物脱硫塔にそれぞれ硫化水素含有ガスを導
    入する硫化水素含有ガス導入手段、および酸素含有ガス
    を導入する酸素含有ガス導入手段と、 前記複数の生物脱硫塔に交互に硫化水素含有ガスおよび
    酸素含有ガスを導入するように切替える導入ガス切替手
    段と、 前記複数の生物脱硫塔からそれぞれ処理ガスおよび酸素
    含有排ガスを排出する排ガス手段と、 前記給水装置から給水して洗浄を行ったドレンを生物脱
    硫塔から排出するドレン排出手段とを備えたことを特徴
    とする硫化水素含有ガスの脱硫装置。
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