JPH07135073A - 調理器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高温調理を行っても天板あるいは調理器本体
の上面が割れるのを防止し、調理器からの漏電を防止す
る。 【構成】 鍋等の被加熱物が載せられる天板１２は、下
ボデー１４とともに調理器本体を構成する上ボデー１３
に載せられている。上ボデー１３の上部には、天板１２
の外側下面と接する周縁面１８及びこの周縁面１７より
も天板１２の中心側に位置する凹面１９が設けられてい
る。凹面１９は周縁面１８よりも低くしており、またシ
リコンゴム系の接着剤が塗着されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、被加熱物が載せられる
天板を調理器本体に接着してなる調理器に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の調理器は図５および図６
のようになっていた。１は結晶化ガラスから成る天板、
２は樹脂から成る上ボデー、３は上ボデー２とともに調
理器本体を構成する下ボデー、４は操作部、５は加熱コ
イル、６は冷却ファンである。天板１は調理器本体の上
面に設けられている開口部７を塞ぐように載せられてお
り、また上ボデー２の上面には溝８が施されている。溝
８の外側にある上ボデー２の上面９と溝８の内側にある
上ボデー２の上面１０とは同一高さの面であり、上ボデ
ー２の上面１０に接着剤１１を塗布し天板１上側から加
圧して天板１と上ボデー２とを固定している。溝８は接
着剤１１が外側に広がり天板１からはみ出して外観が損
なわれるのを防ぐためのものである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし上記従来の構成
では、揚げ物や焼き物のように高温になる調理を行った
場合、結晶化ガラスからなる天板１はほとんど寸法変化
しないが、樹脂からなる上ボデー２の上面１０は図６に
破線で示すように著しく膨脹しようとするため、天板１
には曲げ応力が、上ボデー２の上面１０には圧縮応力が
それぞれ発生し、この応力が著しくなると天板１が割れ
たり、あるいは上ボデー２の天板１との接触部付近にひ
び割れが生じ、これにより調理器が漏電をおこし使用者
に感電させる恐れがあるという課題があった。

【０００４】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、高温調理を行っても天板あるいは調理器本体の上面
に生じる応力を低く抑えて天板あるいは調理器本体の上
面が割れるのを防止し、これらからの漏電を防止できる
調理器の実現を第１の目的とする。

【０００５】また、天板あるいは調理器本体の上面に生
じる応力の抑制を確実にすることを第２の目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記第１の目的を達成す
るために本発明の調理器は、被加熱物が載せられる天板
と、前記天板が載せられる樹脂製の調理器本体とを備
え、前記調理器本体は前記天板の外側下面と接する周縁
面と、前記周縁面より低くするとともに、前記周縁面よ
りも前記天板の中心側に配置されかつ前記天板との接着
剤が塗着される凹面とを有するものである。

【０００７】また上記第２の目的を達成するために本発
明の調理器は、凹面に溝を設けてこの溝に接着剤を塗着
したものである。

【０００８】

【作用】上記構成により、天板と調理器本体の凹面には
隙間が形成されるので、天板上で揚げ物や焼き物などの
高温調理を行い、調理器本体の凹面が熱膨張して上向き
に変形しても、天板と調理器本体の凹面とは離れた状態
を保つ。

【０００９】また、凹面に溝を備え、この溝に接着剤を
塗着してなるものは、接着剤の広がりが溝幅程度に抑え
られ、また接着剤の厚みも溝の深さ分だけ厚くなり、こ
れにより接着剤が伸縮しやすくなる。

【００１０】

【実施例】

（実施例１）以下本発明の第一の実施例について、図面
を参照しながら説明する。

【００１１】図１において１２は結晶化ガラスからなる
天板、１３は樹脂からなる上ボデー、１４は樹脂からな
り上ボデー１２とともに調理器本体を構成する下ボデ
ー、１５は誘導加熱コイル、１６は冷却ファンである。
天板１１は調理器本体の上面に設けられている開口部１
７を塞ぐように載せられており、また上ボデー１３の上
側には、天板１２の外端部下面が接触する周縁面１８及
びこの周縁面１８よりも天板１２の中心側に配されかつ
周縁面１８より低くしてなる凹面１９が設けられてい
る。凹面１９にはシリコンゴム系の接着剤２０が塗布さ
れこの接着剤２０により天板１２と上ボデー１３とを固
定した構成となっている。ここで周縁面１８と凹面１９
との段差ｂは０．３mm〜２mmである。

【００１２】以上のように構成された調理器についてそ
の作用を説明すると、天板１２上で揚げ物や焼き物など
の高温調理を行った場合、凹面１９は上向きに変形する
が、天板１２と凹面１９には隔間ｂがあるので、天板１
２と凹面１９とは接触せずに離れたままであり、これに
より天板１２に生じる曲げ応力あるいは上ボデー１３に
生じる圧縮応力を低くすることができ、天板１２の割れ
や上ボデー１２のひび割れを防ぐことができる。

【００１３】尚、上記実施例では凹面を周縁面より段差
ｂだけ低い面としたが、これに限るものでなく、図２の
ように周縁面１８から天板１２の中心に向かうにつれて
傾斜させても、同様の効果を得ることができる。

【００１４】以下本発明の第二の実施例について図面を
参照しながら説明する。図３において、２１は結晶化ガ
ラスから成る天板、２２は樹脂からなる上ボデー、２３
は樹脂からなり上ボデー２２とともに調理器本体を構成
する下ボデー、２４は誘導加熱コイル、２５は冷却ファ
ン、２６は周縁面、２７は凹面、２８は接着剤、段差ｂ
は０．３mm〜２mmとし、以上は図１の構成と同様なもの
である。図１の構成と異なるのは、凹面２７に２重の第
一の溝２９と第二の溝３０とを備え、内側の第一の溝２
９に接着剤２８を塗布した点である。

【００１５】以上のように構成された誘導加熱調理器に
ついて、以下その動作を説明する。接着剤２８の厚みｃ
は隙間ｂより第一の溝２９の深さ分だけ厚くなるので接
着剤２８の広がり幅ｄは第一の溝２９の幅ｅより若干広
い程度に抑えられ接着剤が伸縮しやすくなり、これによ
り凹面２７が熱くなって熱変形しても接着剤２８が容易
に伸縮するので、凹面２７が変形をおこしても、天板２
１に生じる曲げ応力あるいは上ボデー２２に生じる圧縮
応力を確実に低くすることができる。

【００１６】また本実施例では第一の溝２９の外側に第
二の溝３０が設けられているので、万一接着剤の量が多
くなっても第二の溝３０が接着剤の外側への広がりを防
止して接着剤幅を一定以下に抑えることができ、上ボデ
ー２２の凹面２７の変形を抑制することができる。

【００１７】尚、本実施例では調理器本体のみの場合を
示したがこれに限るものでなく、図４のように天板２１
外径と同程度の専用鍋３１を備えた場合も含み、この場
合には天板２１外周付近すなわち接着部付近の温度上昇
は著しいので、より一層の熱変形を抑制する効果を得る
ことができる。

【００１８】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明
は、調理器本体を、前記天板の外側下面と接する周縁面
と、周縁面より低くするとともに、この周縁面よりも天
板の中心側に配置されかつ前記天板との接着剤が塗着さ
れる凹面とから構成するものとしたので、高温調理を行
って調理器本体の凹面が上向きに変形しても、天板と凹
面とは接触せずに離れたままであり、これにより天板あ
るいは調理器本体に生じる応力を低くしてこの天板ある
いは調理器本体が割れるのを防止でき、その結果これら
からの漏電を防止できるものとなる。

【００１９】また、調理器本体の凹面に溝を設けこの溝
に接着剤を塗着した場合には、接着剤は溝の周囲には広
がりにくいためこの接着剤を介して凹面と接する天板の
面積は小さく、よってこの接着剤を介して天板に作用す
る応用は小さくなり、上記効果をさらに高めるものとな
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例における調理器の断面
図。

【図２】本発明の第１の実施例における調理器の凹面を
傾斜させた場合の断面図。

【図３】本発明の第２の実施例における調理器の断面
図。

【図４】本発明の第２の実施例における調理器の天板に
鍋を載せた場合の断面図。

【図５】従来の調理器の外観斜視図。

【図６】従来の調理器の断面図。

【符号の説明】

１２、２１ 天板 １３、２２ 上ボデー １４、２３ 下ボデー １８、２６ 周縁面 １９、２７ 凹面 ２０、２８ 接着剤 ２９ 第一の溝

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 南田 孝二 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 被加熱物が載せられる天板と、前記天板
   が載せられる樹脂製の調理器本体とを備え、前記調理器
   本体は前記天板の外側下面と接する周縁面と、前記周縁
   面より低くするとともに前記周縁面よりも前記天板の中
   心側に配置されかつ前記天板との接着剤が塗着される凹
   面とを有する調理器。
2. 【請求項２】 接着剤の塗着箇所に溝が設けられた凹面
   を有する請求項１記載の調理器。