JPH07128091A - 光学式エンコーダ - Google Patents

光学式エンコーダ

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JPH07128091A
JPH07128091A JP15238594A JP15238594A JPH07128091A JP H07128091 A JPH07128091 A JP H07128091A JP 15238594 A JP15238594 A JP 15238594A JP 15238594 A JP15238594 A JP 15238594A JP H07128091 A JPH07128091 A JP H07128091A
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JP15238594A
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Hiroyuki Uchida
裕之 内田
Mitsuyuki Taniguchi
満幸 谷口
Yoshihito Tanabe
由仁 田辺
Masato Aochi
正人 青地
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Fanuc Corp
Original Assignee
Fanuc Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 受光部から出力される検出信号の有効出力領
域を増加させ得る原点信号出力機構を備え、精度劣化を
生じ難い光学式エンコーダを提供する。 【構成】 光学式エンコーダ10は、軸14に連結さ
れ、光源16からの光を透過させるスリット群18,2
0を有した回転円板12を備える。円経路C2のスリッ
ト20は、軸14の中心を通る半径線に関し異なる角度
に延びて1箇所に集結配置される一対の移動スリット要
素20a,20bからなる。静止部材24は、移動スリ
ット要素20a,20bと同一の形状及び相対配置を有
し、回転円板12の回転中に所定位置で軸方向へ相互に
重畳する一対の固定スリット要素26a,26bを備え
る。受光部22は、両スリット要素20a,20b,2
6a,26bを透過した光を1つの受光素子28で受
け、回転円板12の1回転の間に1パルスを生じる原点
信号を生成するための正弦波状検出信号を出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学式エンコーダに関
し、特に、回転部材が1回転する間に1パルスを生じる
原点信号の出力機構を有したインクレメンタル形の光学
式エンコーダに関する。
【0002】
【従来の技術】光学式エンコーダでは、光源から放射さ
れた光が、軸(被検体)に伴って回転する回転部材(例
えば回転円板)に設けたスリット群を透過して受光部に
達すると、受光部が光の明暗をまず正弦波状の電気信号
(例えば電圧信号)に変換し、さらにコンパレータで矩
形波に整形して出力する。したがって、回転角度の変化
量を出力信号におけるパルス数として計測し、以て軸の
回転位置及び回転速度を検出するインクレメンタル形の
光学式エンコーダでは、軸の回転中にスリット数に対応
する所定周期のパルス信号を連続して出力するために、
回転部材に、軸を中心とする1つの円経路の全周に亙っ
て等間隔に複数の移動スリットが配置される。さらに、
この円経路と同心円を構成する他の円経路には、軸の絶
対位置を規定する原点(Z相)信号を出力するための1
つの移動スリットが配置される。
【0003】なお、本明細書で使用する『スリット』と
いう用語は、その周辺領域よりも光の透過性を局部的に
増加させた光透過部のことを示し、例えば、不透明に塗
装されたガラス板の塗装を落とした部分や、金属板を打
ち抜いて形成された穴等を含むものである。
【0004】光源から放射された光は複数の移動スリッ
トを同時に透過するので、そのままでは受光部に達する
光が明暗を表示することは困難である。そこで一般にイ
ンクレメンタル形の光学式エンコーダでは、光源からの
光が移動スリットの回転位置に正確に対応した輪郭を有
して受光部に達するようにするために、受光部に受光輪
郭形成手段を設けている。一般に受光輪郭形成手段は、
回転部材の複数の移動スリットの各々と同一形状及び同
一位置関係を有する所定個数の固定スリットからなり、
それらの固定スリットを備えた静止部材が、両スリット
が軸方向へ相互に重畳可能なように光源と受光部との間
で回転部材に対向して固定的に配置される。或いは、1
回転当たりのパルス数が少ない簡易型エンコーダでは、
固定スリットを備えた静止部材を使用せず、回転部材の
複数の移動スリットの各々と略同一形状の所定個数の受
光素子を同一位置関係で受光部に配置する場合もある。
このような受光輪郭形成手段は、連続パルス信号を出力
するための複数の移動スリット、及び原点(Z相)信号
を出力するための1つの移動スリットの双方に対して設
けられる。特に、原点(Z相)信号用の移動スリットに
おいては、このような受光輪郭形成手段を用いることに
より、受光部が出力する1パルスの原点検出信号の波長
を短くすることができる。
【0005】受光部で出力された正弦波状の検出信号
は、コンパレータによって矩形波に整形されるが、その
ときの検出信号に対する基準信号として、回転部材の回
転中、常時一定出力の信号を得る必要がある。そのため
に、従来のインクレメンタル形の光学式エンコーダは、
例えば回転部材のさらに他の同心円経路に沿って環状に
延びるスリットを設け、この環状スリットを常に透過す
る光を受けるもう1つの受光素子を受光部に配置してい
る。受光部で出力される検出信号及び基準信号、並びに
それらの信号から得られるパルス信号の関係を、図14
に概略的に示す。図14は、例として原点(Z相)信号
を電圧で示すものであり、検出信号に生じるノイズを拾
わない限界の最低電圧レベルの基準信号1とそれから得
られるパルス信号1、及び検出信号との交点を得ること
ができる限界の最大電圧レベルの基準信号2とそれから
得られるパルス信号2を示す。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の基準信号は、例
えば周囲の温度変化によって、光源からの放射光量が変
動したり回転部材上での回転検出用スリット群と環状ス
リットとの相対位置や受光部における各受光素子の配置
が移動したりすると、例えば図14に示す基準信号1と
基準信号2との関係のように出力電圧が変動してしま
う。それとともに、正弦波状検出信号と基準信号との交
点位置がずれ、その結果、整形されたパルス信号1とパ
ルス信号2との間で例えば立ち上がり位置の誤差dが生
じる。誤差dが所望の許容範囲にあるようなパルス信号
を生成できる正弦波状検出信号の出力電圧領域を、本明
細書では有効出力領域と称する。図14の例では、便宜
的に基準信号1と基準信号2との間の出力電圧領域を有
効出力領域として示す。
【0007】図14から分かるように、基準信号の変動
が大きく正弦波状検出信号との交点が得られなくなった
場合には矩形波への整形が困難となるので、基準信号の
大幅な変動を許容するために検出信号の振幅をある程度
大きくすることが考えられる。光学式エンコーダでは、
受光部で出力される正弦波状検出信号の振幅は、受光部
が検出する光量、すなわち回転部材の回転検出用スリッ
トの面積に略比例する。従来の光学式エンコーダでは、
回転検出用スリットは、連続パルス信号用及び原点(Z
相)信号用のいずれの円経路においても、半径方向へ延
びる略矩形の形状を有していた。したがって、エンコー
ダ自体又はエンコーダを取着する被検出装置に外形寸法
の制約がある場合、スリットの面積を増やすためにはス
リットの周方向寸法を拡大することになる。しかしなが
ら、スリットの周方向寸法を拡大すると振幅が大きくな
ると共に必然的に検出信号の波長が長くなり、基準信号
の変動が正弦波状検出信号と基準信号との交点位置のず
れに及ぼす影響が大きくなる。したがって、検出信号の
振幅を大きくしても、結果的に有効出力領域が増加しな
い場合が生じる。また、特に原点(Z相)信号におい
て、1回転中で1パルスを生じる立ち上がり位置のずれ
はエンコーダの回転検出精度に悪影響を及ぼすので、検
出信号の波長、すなわち回転部材上のスリットの周方向
寸法は可及的に小さくすることが好ましい。
【0008】本発明の目的は、光学式エンコーダの原点
(Z相)信号の出力機構において、コンパレータで整形
されたパルス信号の位置精度の劣化を防止しつつ、受光
部から出力される正弦波状検出信号の有効出力領域を増
加させることができる新規な出力機構を備え、以て、温
度変化等の外的要因による検出精度の劣化を生じ難い光
学式エンコーダを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、軸に連結される回転部材の、軸を中心と
する複数の同心円経路上の所定位置に光透過部と光遮断
部とを交互に設け、光源から放射された光を、軸に伴っ
て回転する回転部材の光透過部により断続的に透過して
受光部で受け、複数の経路上の光透過部の配置に対応し
て受光部から出力される複数種類の電気信号を処理する
ことにより軸の回転を検出する光学式エンコーダにおい
て、回転部材の1つの経路内で、光透過部は、光遮断部
を介して1箇所に集結配置される形状の異なる複数の移
動スリット要素からなり、受光部は、複数の移動スリッ
ト要素と同一の形状及び相対配置を有して固定的に配置
される複数の受光輪郭形成要素を具備し、回転部材の所
定の回転位置で複数の受光輪郭形成要素と複数の移動ス
リット要素とが軸方向へ重畳し、以て受光部が、回転部
材の複数の移動スリット要素を透過しかつ受光部の複数
の受光輪郭形成要素によって輪郭付けされた光を受け
て、複数種類の電気信号のうち、回転部材の1回転の間
に1パルスを生じる信号を出力することを特徴とする光
学式エンコーダを提供する。
【0010】本発明の好適な実施例によれば、複数の移
動スリット要素は、軸の中心を通る所定の半径線に関し
異なる角度を呈する方向へ延びて1箇所に集結配置され
る構成が提供される。
【0011】或いは、複数の移動スリット要素は、軸の
中心を通る所定の半径線に略平行に延びて異なる周方向
寸法を有し、異形状の移動スリット要素間の光遮断部の
周方向寸法が小さい方の移動スリット要素の周方向寸法
以上となるように1箇所に集結配置される構成とするこ
ともできる。
【0012】その代わりに、複数の移動スリット要素
は、軸の中心を通る所定の半径線に略平行に延びて異な
る周方向寸法を有した複数の移動スリット要素をそれぞ
れに備える複数のスリット群を具備し、複数のスリット
群の間の光遮断部の周方向寸法が最小寸法の移動スリッ
ト要素の周方向寸法以上となるように1箇所に集結配置
される構成とすることもできる。
【0013】また、受光部の複数の受光輪郭形成要素
は、回転部材の複数の移動スリット要素と同一の形状及
び相対配置を有する複数の固定スリット要素からなり、
複数の固定スリット要素を備えた静止部材が、移動スリ
ット要素の各々と固定スリット要素の各々とが軸方向へ
重畳可能なように、光源と受光部との間で回転部材に対
向して固定的に配置され、受光部は、複数の移動スリッ
ト要素と複数の固定スリット要素とを透過した光を受け
る構成とすることができる。
【0014】或いは、受光部の複数の受光輪郭形成要素
は、回転部材の複数の移動スリット要素と同一の形状及
び相対配置を有して、移動スリット要素と相互に軸方向
へ重畳可能に固定的に配置される複数の受光素子からな
り、それら受光素子の各々が複数の移動スリット要素を
透過した光を受ける構成とすることもできる。
【0015】
【作用】回転部材上で1箇所に集結配置される異形状の
複数の移動スリット要素の各々は、回転部材の回転中
に、複数の受光輪郭形成要素の各々と相互に軸方向へ重
畳する位置を通る。このとき、複数の受光輪郭形成要素
は複数の移動スリット要素と同一の形状及び相対配置を
有するので、回転部材は、全ての移動スリット要素と全
ての受光輪郭形成要素とが完全に整合して重畳する所定
の回転位置に至るまでに、互いに異なる形状を有した1
つの移動スリット要素と1つの受光輪郭形成要素とが重
畳する回転位置を必ず通る。そのような回転位置では、
当然ながら重畳部分の面積は移動スリット要素又は受光
輪郭形成要素の全面積には到らない。回転部材が引き続
き回転すると、異なる形状の移動スリット要素と受光輪
郭形成要素とが重畳状態から徐々に相互離間される一方
で、同一形状の移動スリット要素と受光輪郭形成要素と
が重畳し始める。この間、検出信号の振幅は完全重畳時
の最大振幅に比べて低レベルで推移する。その後、回転
部材の所定の回転位置で、全ての移動スリット要素と全
ての受光輪郭形成要素とが完全に整合して重畳すると、
受光部は一気に最大光量の光を受け、受光部から出力さ
れる信号が最大振幅を呈する。このようにして得られる
検出信号は、最大振幅の前後で急勾配に変化する曲線を
描くので、有効出力領域が大きく、波形整形時の基準信
号の変動の影響を受け難い信号となる。
【0016】複数の移動スリット要素が、軸の中心を通
る所定の半径線に関し異なる角度を呈する方向へ延びて
1箇所に集結配置される場合は、互いに異なる方向へ延
びる1つの移動スリット要素と1つの受光輪郭形成要素
とがまず重畳し、回転部材の回転に従って徐々に重畳部
分が変位する。この間、互いに異なる方向へ延びる要素
同士が重畳するので、各要素の周方向寸法を小さく設定
すれば重畳部分の面積は小さくなり、また大きくは変化
せず、したがって検出信号の振幅は低レベルで推移す
る。その後、回転部材が、全ての移動スリット要素と全
ての受光輪郭形成要素とが完全に重畳する所定の回転位
置に到ると、受光部から出力される信号が急勾配に変化
して最大振幅を呈する。
【0017】複数の移動スリット要素が、異なる周方向
寸法を有して軸の中心を通る所定の半径線に平行に延び
て1箇所に集結配置される場合は、互いに異なる周方向
寸法を有した1つの移動スリット要素と1つの受光輪郭
形成要素とがまず重畳し、回転部材の回転に従って徐々
に重畳部分が変位する。この間、異なる周方向寸法の要
素同士が重畳するので、各要素の周方向寸法を小さく設
定すれば重畳部分の面積は小さくなり、また大きくは変
化しない。また、移動スリット要素間の光遮断部の周方
向寸法が小さい方の移動スリット要素の周方向寸法以上
であるので、回転部材は小さい方の受光輪郭形成要素が
移動スリット要素間の光遮断部に完全に覆われる位置を
必ず通る。したがって検出信号の振幅は低レベルで推移
する。その後、回転部材が、全ての移動スリット要素と
全ての受光輪郭形成要素とが完全に重畳する所定の回転
位置に到ると、受光部から出力される信号が急勾配に変
化して最大振幅を呈する。
【0018】複数の移動スリット要素が、軸の中心を通
る所定の半径線に平行に延びて異なる周方向寸法を有し
た複数の移動スリット要素をそれぞれに備える複数のス
リット群を具備して1箇所に集結配置される場合も、同
様に、異なる周方向寸法の要素同士が重畳する間は検出
信号の振幅が低レベルで推移する。その後、回転部材
が、全ての移動スリット要素と全ての受光輪郭形成要素
とが完全に重畳する所定の回転位置に到ると、受光部か
ら出力される信号が急勾配に変化して最大振幅を呈す
る。
【0019】複数の受光輪郭形成要素が、回転部材の複
数の移動スリット要素の各々と同一の形状及び同一の相
対配置を有する複数の固定スリット要素からなる場合、
受光部は、複数の移動スリット要素と複数の固定スリッ
ト要素とを透過した光を受ける。複数の固定スリット要
素は、光源と受光部との間で回転部材に対向して固定的
に配置された静止部材に担持され、幾つかの移動スリッ
ト要素を同時に透過した光を両スリット要素の重畳部分
の形状に対応して輪郭付けする。それにより受光部は、
回転部材の回転に従って変化する重畳部分の面積に正確
に対応した光を検出する。
【0020】複数の受光輪郭形成要素が、回転部材の複
数の移動スリット要素の各々と同一の形状及び同一の相
対配置を有する複数の受光素子からなる場合、受光部は
各受光素子によって複数の移動スリット要素を透過した
光を受ける。それにより受光部は、回転部材の回転に従
って変化する重畳部分の面積に正確に対応した光を検出
する。
【0021】
【実施例】以下、添付図面を参照して、本発明を好適な
実施例に基づきさらに詳細に説明する。各図面におい
て、同一又は類似の構成要素には共通の参照符号を付
す。図1は、本発明の実施例による光学式エンコーダ1
0を示す。図1(a)に概略で示すように、光学式エン
コーダ10は、回転検出の対象となる被検体と共に、又
は一定の連動関係で回転する回転部材である回転円板1
2を備える。回転円板12は、軸14を介して図示しな
い適当な軸受手段により回転自在に保持される。軸14
は例えば電動機の出力軸であってもよく、その場合、光
学式エンコーダ10を電動機に直接に組み込むことがで
きる。
【0022】回転円板12の一方の面から適正距離離れ
た位置には、例えば発光ダイオード等の光源16が固定
的に配置され、光源16から光が連続的に回転円板12
に投射される。回転円板12の板面には、図1(b)に
示すように、軸14を中心とする複数(図では2つ)の
同心円経路C1,C2上の所定位置に、それぞれ光透過
部として複数のスリット18,20が形成される。回転
円板12の他方の面から適正距離の位置には、例えばフ
ォトダイオード等の複数の受光素子を備えた受光部22
が固定的に配置される。さらに、回転円板12と受光部
22との間には、回転円板12の複数のスリット18,
20と同一の形状及び相対配置を有する複数のスリット
を備えた静止部材24が配置される。受光部22は、軸
14に伴って回転する回転円板12のスリット群18,
20と、固定された静止部材24のスリット群とを透過
した光源16からの光を受け、各経路C1,C2におけ
るスリット群18,20の配置に対応して、複数種類の
電気信号を出力する。
【0023】回転円板12は、例えば黒色塗膜を被着し
たガラス板からなり、エッチング等の手段によって部分
的に塗膜を剥がすことによって各スリット18,20を
形成することができる。或いは、ステンレス等の金属板
からなる回転円板12に、打ち抜き加工等の機械加工に
よって各スリット18,20を形成してもよい。したが
って各図面において、回転円板12上の各スリット1
8,20以外の部分は、光遮断部となっている。
【0024】回転円板12の経路C1に設けた複数のス
リット18は、経路C1の全周に亙って等間隔に形成さ
れる。軸14の回転中に、受光部22は、スリット18
と静止部材24の対応のスリット(図示せず)とを透過
した光を2つの受光素子(図示せず)で受けて、スリッ
ト18の個数に対応した所定周期の2つの信号を所定の
位相差で連続して出力する。各スリット18は、半径方
向へ延びる略矩形輪郭を有する。このようなスリット1
8に関する構造は、被検体の回転角及び回転方向を検出
するための周知構造であり、これ以上の説明は省略す
る。
【0025】回転円板12の経路C2に設けたスリット
20は、経路C2内で、軸14の中心を通る所定の半径
線に関し異なる角度を呈する方向へ延びて1箇所に集結
配置される一対の移動スリット要素20a,20bから
なる。図2(a)に拡大して示すように、各移動スリッ
ト要素20a,20bは、半径線RLに関してそれぞれ
異なる角度α,−αだけ傾斜した略平行四辺形の輪郭を
有し、その1つの頂点Vで互いに接触している。なお、
移動スリット要素20a,20bは略同一の面積を有す
る。
【0026】静止部材24に設けた対応のスリット26
は、図1(b)に概略で示すように、一対の移動スリッ
ト要素20a,20bと同一の形状及び相対配置を有す
る一対の固定スリット要素26a,26bからなる。な
お回転円板12のスリット18に対応するスリット(図
示せず)及びスリット20に対応するスリット26以外
の静止部材24の部分は、光遮断部となっている。移動
スリット要素20a,20bと固定スリット要素26
a,26bとは、回転円板12の回転中に所定位置で軸
方向へ整列かつ重畳する。受光部22は、移動スリット
要素20a,20bと固定スリット要素26a,26b
とを透過した光を1つの受光素子28で受け、回転円板
12の1回転の間に1パルスを生じる原点信号を生成す
るための正弦波状検出信号を出力する。
【0027】図2(b)に示すように、回転円板12す
なわち移動スリット要素20a,20bが図示矢印Q方
向に回転するに従って、互いに異なる方向へ延びる1つ
の移動スリット要素20aと1つの固定スリット要素2
6bとがまず重畳し、回転円板12の回転に従って、こ
の重畳部分Pが変位する。異なる方向へ延びる両スリッ
ト要素20a,26bが重畳している間は、図示のよう
に重畳部分Pの面積は比較的小さく、かつその変化量も
少なく、その結果、受光部22で出力される検出信号の
振幅は低レベルで推移する。その後、所定の回転位置
で、各移動スリット要素20a,20bと各固定スリッ
ト要素26a,26bとが完全に重畳すると、一気に最
大光量が両スリット20,26を透過して、受光部22
から出力される信号が最大振幅を呈する。このようにし
て得られた検出信号を、図2(c)に示す。図示の検出
信号は、最大振幅Aの前後で急勾配に傾斜する曲線を描
くので、有効出力領域が大きく、波形整形時の基準信号
の変動の影響を受け難い信号となっている。
【0028】上記のような原点信号出力機構による効果
を明確にするために、比較例として、図15(a)に従
来の略矩形輪郭を有するスリットSを、図15(b)に
スリットSから得られる検出信号を示す。なお、スリッ
トSと移動スリット要素20a,20bを含むスリット
20とは略同一面積を有し、したがって両検出信号の最
大振幅Aは略同一であるとする。図15(b)の検出信
号において、コンパレータで波形整形する際の基準信号
の変動を許容するパルス信号の立ち上がり位置の誤差範
囲をDとし、それに対応する有効出力領域をEとする。
図2(c)の検出信号では、同じ誤差範囲Dに対応する
有効出力領域が約2Eとなり、本発明の原点信号出力機
構による有効出力領域の増大効果が明確に示される。
【0029】図3は、本発明の他の実施例による光学式
エンコーダ30を示す。図3(a)に示すように、光学
式エンコーダ30は、図1の光学式エンコーダ10の構
造を簡略化して、静止部材24を省略したものである。
したがって、光源16から放射され、回転円板12の移
動スリット要素20a,20bを透過した光を正確に検
出するために、受光部32は、移動スリット要素20
a,20bと略同一の形状及び相対配置を有する例えば
フォトダイオード等の一対の受光素子32a,32bを
備える(図3(b))。
【0030】受光素子32a,32bは、回転円板12
の回転中に所定位置で、移動スリット要素20a,20
bと相互に軸方向へ整列かつ重畳して、移動スリット要
素20a,20bを透過した光を受け、それにより受光
部32が原点信号を生成するための正弦波状検出信号を
出力する。このとき、前述の移動スリット要素20a,
20bと固定スリット要素26a,26bとの関係と同
様に、回転円板12が回転するに従って、互いに異なる
方向へ延びる1つの移動スリット要素20aと1つの受
光素子32bとがまず重畳し、低レベルで推移する検出
信号を出力する。その後、所定の回転位置で、移動スリ
ット要素20a,20bと受光素子32a,32bとが
完全に重畳すると、一気に最大光量が受光素子32a,
32bによって検出され、受光部32から出力される信
号が最大振幅を呈する。このようにして得られた検出信
号は、図2(c)に示す信号と略同一であり、やはり有
効出力領域が大きく、波形整形時の基準信号の変動の影
響を受け難い信号となる。
【0031】図4〜図7は、図1及び図3の各実施例に
おいて回転円板12の経路C2に設けられたスリット2
0の、多様な変形例を示す。なお、静止部材24の固定
スリット要素26a,26b、又は受光部32の受光素
子32a,32bは、以下に示すスリット20の変形例
のそれぞれに対応する形状に変形される。図4(a)に
示すスリット34は、経路C2内で、半径線RLに関し
てそれぞれ異なる角度α,−αだけ傾斜して延びる略平
行四辺形輪郭の一対の移動スリット要素34a,34b
と、それら移動スリット要素34a,34bの間で半径
方向へ延びる略矩形輪郭の移動スリット要素34cとか
らなる。各移動スリット要素34a,34b,34c
は、頂点V1,V2でそれぞれに接触する。なお、移動
スリット要素34a,34b,34cは略同一の面積を
有する。スリット34の総面積を図15(a)のスリッ
トSの面積の1.5倍とした場合の、スリット34から
得られる検出信号を図4(b)に示す。この検出信号で
は、最大振幅が1.5Aであり、しかもパルス信号の立
ち上がり位置の許容誤差範囲Dに対応する有効出力領域
が約2.3Eとなる。
【0032】図5(a)に示すスリット36は、経路C
2内で、半径線RLに関してそれぞれ異なる角度α1,
α2だけ傾斜した略平行四辺形輪郭の一対の移動スリッ
ト要素36a,36bからなる。移動スリット要素36
a,36bは相互に接触しないが、経路C2内で1箇所
に集結配置される。なお、移動スリット要素36a,3
6bは略同一の面積を有する。スリット36の総面積を
図15(a)のスリットSの面積に等しくした場合の、
スリット36から得られる検出信号を図5(b)に示
す。この検出信号では、最大振幅がAであり、パルス信
号の立ち上がり位置の許容誤差範囲Dに対応する有効出
力領域が約2Eとなる。
【0033】図6(a)に示すスリット38は、経路C
2内で、半径線RLに関してそれぞれ異なる角度β,
γ,−β,−γだけ傾斜した略平行四辺形輪郭の4つの
移動スリット要素38a,38b,38c,38dから
なる。各移動スリット要素38a,38b,38c,3
8dはそれぞれ頂点V1,V2,V3で接触する。な
お、移動スリット要素38a,38b,38c,38d
は略同一の面積を有する。スリット38の総面積を図1
5(a)のスリットSの面積の1.5倍とした場合の、
スリット38から得られる検出信号を図6(b)に示
す。この検出信号では、最大振幅が1.5Aであり、パ
ルス信号の立ち上がり位置の許容誤差範囲Dに対応する
有効出力領域が約2.3Eとなる。
【0034】図7(a)に示すスリット40は、経路C
2内で、半径線RLに関してそれぞれ異なる角度α,−
αだけ傾斜して相互に交差する略平行四辺形輪郭の一対
の移動スリット要素40a,40bからなる。各移動ス
リット要素40a,40bの寸法を、図2の移動スリッ
ト要素20a,20bと略同一とした場合の、スリット
40から得られる検出信号を図7(b)に示す。この検
出信号では、最大振幅A′がAより僅かに小さくなるも
のの、パルス信号の立ち上がり位置の許容誤差範囲Dに
対応する有効出力領域は約1.6Eとなる。
【0035】回転円板12の経路C2の移動スリット要
素は、上記の各変形例以外にもさらに多様な形状及び配
置を有することができる。しかしながら、所定の半径線
に関する各移動スリット要素の傾斜角度を必要以上に大
きくすると、光源16からの光量が各移動スリット要素
の全体に行き渡らない危惧が生じる。その点、図7に示
すような交差配置のスリットは、各移動スリット要素を
1箇所に集中させやすいので、そのような不具合が生じ
難いという利点がある。
【0036】図8は、本発明のさらに他の実施例による
光学式エンコーダ42を示す。図8(a)に概略で示す
ように、光学式エンコーダ42は、図1の光学式エンコ
ーダ10に類似した構成を有するものであり、軸14に
固定される回転円板44と、回転円板44の一方の面か
ら適正距離離れた位置に配置される光源16と、回転円
板44の他方の面から適正距離離れた位置に配置される
受光部22と、回転円板44と受光部22との間に配置
される静止部材46とを備える。
【0037】回転円板44の板面には、図8(b)に示
すように、軸14を中心とする複数(図では2つ)の同
心円経路C1,C2上の所定位置に、それぞれ光透過部
として複数のスリット18,48が形成される。回転円
板44上の各スリット18,48以外の部分は、光遮断
部となっている。静止部材46は、回転円板44の複数
のスリット18,48と同一の形状及び相対配置を有す
る複数のスリットを備える。受光部22は、軸14に伴
って回転する回転円板44のスリット群18,48と、
固定された静止部材46のスリット群とを透過した光源
16からの光を受け、各経路C1,C2におけるスリッ
ト群18,48の配置に対応して、複数種類の電気信号
を出力する。
【0038】回転円板44の経路C2に設けたスリット
48は、経路C2内で、軸14の中心を通る所定の半径
線に略平行に延びる異なる周方向寸法を有した一対の移
動スリット要素48a,48bからなる。図9(a)に
拡大して示すように、各移動スリット要素48a,48
bは、それぞれ所定の半径線RL1 ,RL2 に略平行に
延びる略矩形の輪郭を有し、両移動スリット要素48
a,48bの間の光遮断部50の周方向最小寸法が、小
さい方の移動スリット要素48aの周方向寸法より大き
くなるように1箇所に集結配置される。大きい方の移動
スリット要素48bは、小さい方の移動スリット要素4
8aの約2倍の周方向寸法を有する。
【0039】静止部材46に設けた対応のスリット52
は、図8(b)に示すように、一対の移動スリット要素
48a,48bと同一の形状及び相対配置を有する一対
の固定スリット要素52a,52bからなる。なお回転
円板44のスリット18に対応するスリット(図示せ
ず)及びスリット48に対応するスリット52以外の静
止部材46の部分は、光遮断部となっている。移動スリ
ット要素48a,48bと固定スリット要素52a,5
2bとは、回転円板44の回転中に所定位置で軸方向へ
整列かつ重畳する。受光部22は、移動スリット要素4
8a,48bと固定スリット要素52a,52bとを透
過した光を1つの受光素子28で受け、回転円板44の
1回転の間に1パルスを生じる原点信号を生成するため
の正弦波状検出信号を出力する。
【0040】図9(b)に示すように、回転円板44す
なわち移動スリット要素48a,48bが図示矢印Q方
向に回転するに従って、互いに異なる周方向寸法を有し
た1つの移動スリット要素48aと1つの固定スリット
要素52bとがまず重畳し、回転円板44の回転に従っ
てこの重畳部分Pが徐々に変位する。異なる周方向寸法
の両スリット要素48a,52bのみが重畳する間は、
重畳部分Pの最大面積は小寸法の移動スリット要素48
aの面積となる。さらに回転円板44が回転すると、移
動スリット要素48aと固定スリット要素52bとが重
畳状態から徐々に相互離間される一方で、同一形状の移
動スリット要素48bと固定スリット要素52bとが重
畳し始める。
【0041】このとき、両移動スリット要素48a,4
8bの間の光遮断部50の周方向寸法が小さい方の移動
スリット要素48aの周方向寸法より大きい、すなわち
両固定スリット要素52a,52bの間の光遮断部の周
方向寸法が小さい方の固定スリット要素52aの周方向
寸法より大きいので、回転円板44は小さい方の移動ス
リット要素48aが固定スリット要素52a,52b間
の光遮断部に完全に重畳する位置を必ず通る(図9
(b))。したがってこの間、検出信号の振幅は完全重
畳時の最大振幅に比べて低レベルで推移する。その後、
回転円板44が、各移動スリット要素48a,48bと
各固定スリット要素52a,52bとが完全に重畳する
所定の回転位置に到ると、一気に最大光量が両スリット
48,52を透過して、受光部から出力される信号が急
勾配に変化して最大振幅を呈する。
【0042】スリット48の総面積を図15(a)のス
リットSの面積に等しくした場合の、スリット48から
得られる検出信号を、図9(c)に示す。図示の検出信
号は、最大振幅Aの前後で急勾配に傾斜する曲線を描く
ので、パルス信号の立ち上がり位置の許容誤差範囲Dに
対応する有効出力領域が約1.5Eに拡大され、波形整
形時の基準信号の変動の影響を受け難い信号となってい
る。
【0043】上記実施例による原点信号出力機構では、
一対の移動スリット要素48a,48bが相互に異なる
周方向寸法を有し、かつ両移動スリット要素48a,4
8bの間の光遮断部50の周方向最小寸法が、小さい方
の移動スリット要素48aの周方向寸法以上であること
によって、上記のような極めて有利な検出信号を出力で
きる。この効果をさらに明確にするために、比較例とし
て図10(a)に、所定の半径線RL1 ,RL2 に略平
行に延びる略矩形輪郭を有した同一寸法の移動スリット
要素54a,54bを示す。これらの移動スリット要素
54a,54bの間の光遮断部56の周方向最大寸法
は、移動スリット要素54a,54bの周方向寸法より
小さくなっている。図10(b)は、移動スリット要素
54a,54bから得られる検出信号を示す。なお、移
動スリット要素54a,54bの総面積は図15(a)
のスリットSの面積に等しい。図10(b)の検出信号
では、最大振幅Aの前後で急勾配に傾斜する曲線が描か
れるが、そのさらに前後で信号がA/2のピークを形成
しているので、実際の有効出力領域はほぼEのままであ
って改善されない。
【0044】図11〜図13は、図8の実施例において
回転円板44の経路C2に設けられたスリット48の、
多様な変形例を示す。なお、静止部材46の固定スリッ
ト要素52a,52bは、以下に示すスリット48の変
形例のそれぞれに対応する形状に変形される。図11
(a)に示すスリット58は、経路C2内で、所定の半
径線RL1 ,RL2 に略平行に延びる異なる周方向寸法
を有した一対の移動スリット要素58a,58bからな
る第1スリット群と、所定の半径線RL3 ,RL4 に略
平行に延びる異なる周方向寸法を有した一対の移動スリ
ット要素58c,58dからなる第2スリット群とを備
える。移動スリット要素58aと移動スリット要素58
c、及び移動スリット要素58bと移動スリット要素5
8dは、それぞれ同一の周方向寸法を有する。また、大
きい方の移動スリット要素58b,58dは、小さい方
の移動スリット要素58a,58cの約2倍の周方向寸
法を有する。
【0045】各スリット群における両移動スリット要素
58a,58b及び両移動スリット要素58c,58d
の間の光遮断部60は、小さい方の移動スリット要素5
8a,58cに略等しい周方向寸法を有する。また、両
スリット群の間、すなわち移動スリット要素58bと移
動スリット要素58cとの間の光遮断部62の周方向寸
法は、小さい方の移動スリット要素58a,58cの周
方向寸法より大きくなっている。スリット58の総面積
を図15(a)のスリットSの面積に等しくした場合
の、スリット58から得られる検出信号を図11(b)
に示す。この検出信号では、最大振幅がAであり、パル
ス信号の立ち上がり位置の許容誤差範囲Dに対応する有
効出力領域が約1.6Eとなる。
【0046】図12(a)に示すスリット64は、経路
C2内で、所定の半径線RL1 ,RL2 に略平行に延び
る異なる周方向寸法を有した一対の移動スリット要素6
4a,64bからなる第1スリット群と、所定の半径線
RL3 ,RL4 に略平行に延びる異なる周方向寸法を有
した一対の移動スリット要素64c,64dからなる第
2スリット群とを備える。移動スリット要素64aと移
動スリット要素64c、及び移動スリット要素64bと
移動スリット要素64dは、それぞれ同一の周方向寸法
を有する。また、大きい方の移動スリット要素64b,
64dは、小さい方の移動スリット要素64a,64c
の約2倍の周方向寸法を有する。
【0047】各移動スリット要素の間の光遮断部66
は、小さい方の移動スリット要素64a,64cに略等
しい周方向寸法を有する。スリット64の総面積を図1
5(a)のスリットSの面積に等しくした場合の、スリ
ット64から得られる検出信号を図12(b)に示す。
この場合、両スリット群の間、すなわち移動スリット要
素64bと移動スリット要素64cとの間の光遮断部6
6が、移動スリット要素64a,64cに略等しい周方
向寸法を有するので、図11のスリット58よりは有効
出力領域の拡大効果が乏しい。したがって検出信号は、
最大振幅がAであり、パルス信号の立ち上がり位置の許
容誤差範囲Dに対応する有効出力領域が約1.2Eとな
る。
【0048】図13(a)に示すスリット68は、経路
C2内で、所定の半径線RL1 ,RL2 に略平行に延び
る異なる周方向寸法を有した一対の移動スリット要素6
8a,68bからなる第1スリット群と、所定の半径線
RL3 ,RL4 に略平行に延びる異なる周方向寸法を有
した一対の移動スリット要素68c,68dからなる第
2スリット群とを備える。移動スリット要素68aと移
動スリット要素68d、及び移動スリット要素68bと
移動スリット要素68cは、それぞれ同一の周方向寸法
を有する。また、大きい方の移動スリット要素68a,
68dは、小さい方の移動スリット要素68b,68c
の約2倍の周方向寸法を有する。
【0049】各スリット群における両移動スリット要素
68a,68b及び両移動スリット要素68c,68d
の間の光遮断部70は、小さい方の移動スリット要素6
8b,68cに略等しい周方向寸法を有する。また、両
スリット群の間、すなわち移動スリット要素68bと移
動スリット要素68cとの間の光遮断部72の周方向寸
法は、小さい方の移動スリット要素68b,68cの周
方向寸法より大きくなっている。このようなスリット6
8の構成は、図11(a)のスリット58の第1スリッ
ト群における移動スリット要素58a,58bの配置を
逆にしたものである。スリット68の総面積を図15
(a)のスリットSの面積に等しくした場合の、スリッ
ト68から得られる検出信号を図13(b)に示す。こ
の検出信号では、最大振幅がAであり、パルス信号の立
ち上がり位置の許容誤差範囲Dに対応する有効出力領域
が約1.6Eとなる。図11(b)の検出信号に比べ
て、最大振幅Aの前後でのピークが際立った形状となっ
ているが、同等の有効出力領域拡大効果が得られる。
【0050】なお、図9(a)及び図11(a)〜図1
3(a)に示す移動スリット要素を備えた回転円板44
は、図3(a)に示すような静止部材46を省略した簡
易形の光学式エンコーダに適用することもできる。その
場合、受光部22には、各移動スリット要素と略同一の
形状及び相対配置を有する複数の受光素子が配置され
る。そのような構成においても、図9(c)及び図11
(c)〜図13(c)に示す信号と略同一の検出信号が
得られる。
【0051】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、光学式エンコーダの原点(Z相)信号出力機
構において、コンパレータで整形されたパルス信号の位
置精度の劣化を防止しつつ、受光部から出力される正弦
波状検出信号の有効出力領域を増加させることが可能と
なる。したがって、温度変化等の外的要因による精度劣
化を生じ難い光学式エンコーダが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による光学式エンコーダの図
で、(a)主要構造の概略側面図、及び(b)説明のた
め静止部材と受光部とを並置して示す回転円板の部分正
面図、である。
【図2】図1の光学式エンコーダにおける原点信号出力
機構の図で、(a)回転円板のスリットの拡大図、
(b)回転円板と静止部材との各スリットの重畳作用を
説明する図、及び(c)受光部から出力される検出信号
波形図、である。
【図3】本発明の他の実施例による光学式エンコーダの
図で、(a)主要構造の概略側面図、及び(b)説明の
ため受光部を並置して示す回転円板の部分正面図、であ
る。
【図4】図2の原点信号出力機構の変形例の図で、
(a)回転円板のスリットの拡大図、及び(b)受光部
から出力される検出信号波形図、である。
【図5】図2の原点信号出力機構の他の変形例の図で、
(a)回転円板のスリットの拡大図、及び(b)受光部
から出力される検出信号波形図、である。
【図6】図2の原点信号出力機構のさらに他の変形例の
図で、(a)回転円板のスリットの拡大図、及び(b)
受光部から出力される検出信号波形図、である。
【図7】図2の原点信号出力機構のもう1つの変形例の
図で、(a)回転円板のスリットの拡大図、及び(b)
受光部から出力される検出信号波形図、である。
【図8】本発明のさらに他の実施例による光学式エンコ
ーダの図で、(a)主要構造の概略側面図、及び(b)
説明のため静止部材と受光部とを並置して示す回転円板
の部分正面図、である。
【図9】図8の光学式エンコーダにおける原点信号出力
機構の図で、(a)回転円板のスリットの拡大図、
(b)回転円板と静止部材との各スリットの重畳作用を
説明する図、及び(c)受光部から出力される検出信号
波形図、である。
【図10】比較例による原点信号出力機構の図で、
(a)回転円板のスリットの拡大図、及び(b)受光部
から出力される検出信号波形図、である。
【図11】図9の原点信号出力機構の変形例の図で、
(a)回転円板のスリットの拡大図、及び(b)受光部
から出力される検出信号波形図、である。
【図12】図9の原点信号出力機構の他の変形例の図
で、(a)回転円板のスリットの拡大図、及び(b)受
光部から出力される検出信号波形図、である。
【図13】図9の原点信号出力機構のさらに他の変形例
の図で、(a)回転円板のスリットの拡大図、及び
(b)受光部から出力される検出信号波形図、である。
【図14】光学式エンコーダの検出信号の波形整形過程
を示す図である。
【図15】従来の光学式エンコーダにおける原点信号出
力機構の図で、(a)回転円板のスリットの拡大図、及
び(b)受光部から出力される検出信号波形図、であ
る。
【符号の説明】
10,30,42…光学式エンコーダ 12,44…回転円板 14…軸 16…光源 18,20,26,34,36,38,40,48,5
2,58,64,68…スリット 20a,20b,34a,34b,34c,36a,3
6b,38a,38b,38c,38d,40a,40
b,48a,48b,58a,58b,58c,58
d,64a,64b,64c,64d,68a,68
b,68c,68d…移動スリット要素 22,32…受光部 24,46…静止部材 26a,26b,52a,52b…固定スリット要素 28,32a,32b…受光素子 50,60,62,66,70,72…光遮断部
フロントページの続き (72)発明者 田辺 由仁 山梨県南都留郡忍野村忍草字古馬場3580番 地 ファナック株式会社内 (72)発明者 青地 正人 山梨県南都留郡忍野村忍草字古馬場3580番 地 ファナック株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸に連結される回転部材の、軸を中心と
    する複数の同心円経路上の所定位置に光透過部と光遮断
    部とを交互に設け、光源から放射された光を、軸に伴っ
    て回転する該回転部材の該光透過部により断続的に透過
    して受光部で受け、該複数の経路上の該光透過部の配置
    に対応して該受光部から出力される複数種類の電気信号
    を処理することにより軸の回転を検出する光学式エンコ
    ーダにおいて、 前記回転部材の1つの前記経路内で、前記光透過部は、
    前記光遮断部を介して1箇所に集結配置される形状の異
    なる複数の移動スリット要素からなり、 前記受光部は、前記複数の移動スリット要素と同一の形
    状及び相対配置を有して固定的に配置される複数の受光
    輪郭形成要素を具備し、前記回転部材の所定の回転位置
    で該複数の受光輪郭形成要素と前記複数の移動スリット
    要素とが軸方向へ重畳し、 以て前記受光部が、該回転部材の前記複数の移動スリッ
    ト要素を透過しかつ該受光部の前記複数の受光輪郭形成
    要素によって輪郭付けされた光を受けて、前記複数種類
    の電気信号のうち、該回転部材の1回転の間に1パルス
    を生じる信号を出力することを特徴とする光学式エンコ
    ーダ。
  2. 【請求項2】 前記複数の移動スリット要素は、軸の中
    心を通る所定の半径線に関し異なる角度を呈する方向へ
    延びて1箇所に集結配置される請求項1に記載の光学式
    エンコーダ。
  3. 【請求項3】 前記複数の移動スリット要素は、軸の中
    心を通る所定の半径線に略平行に延びて異なる周方向寸
    法を有し、異形状の該移動スリット要素間の前記光遮断
    部の周方向寸法が小さい方の該移動スリット要素の周方
    向寸法以上となるように1箇所に集結配置される請求項
    1に記載の光学式エンコーダ。
  4. 【請求項4】 前記複数の移動スリット要素は、軸の中
    心を通る所定の半径線に略平行に延びて異なる周方向寸
    法を有した複数の該移動スリット要素をそれぞれに備え
    る複数のスリット群を具備し、該複数のスリット群の間
    の前記光遮断部の周方向寸法が最小寸法の該移動スリッ
    ト要素の周方向寸法以上となるように1箇所に集結配置
    される請求項1に記載の光学式エンコーダ。
  5. 【請求項5】 前記受光部の前記複数の受光輪郭形成要
    素は、前記回転部材の前記複数の移動スリット要素と同
    一の形状及び相対配置を有する複数の固定スリット要素
    からなり、該複数の固定スリット要素を備えた静止部材
    が、該移動スリット要素の各々と該固定スリット要素の
    各々とが軸方向へ重畳可能なように、前記光源と前記受
    光部との間で前記回転部材に対向して固定的に配置さ
    れ、該受光部は、前記複数の移動スリット要素と前記複
    数の固定スリット要素とを透過した光を受ける請求項1
    〜4のいずれか1つに記載の光学式エンコーダ。
  6. 【請求項6】 前記受光部の前記複数の受光輪郭形成要
    素は、前記回転部材の前記複数の移動スリット要素と同
    一の形状及び相対配置を有して、該移動スリット要素と
    相互に軸方向へ重畳可能に固定的に配置される複数の受
    光素子からなり、該受光素子の各々が前記複数の移動ス
    リット要素を透過した光を受ける請求項1〜4のいずれ
    か1つに記載の光学式エンコーダ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP2650654A1 (en) 2012-04-11 2013-10-16 Mitutoyo Corporation Encoder
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