JPH07126436A - 天然ゴム用接触刺激アレルギー低減化剤、この低減化剤を用いる接触刺激アレルギー低減化天然ゴムの製造方法、接触刺激アレルギー低減化天然ゴムおよびこの天然ゴムを用いたゴム製品 - Google Patents

天然ゴム用接触刺激アレルギー低減化剤、この低減化剤を用いる接触刺激アレルギー低減化天然ゴムの製造方法、接触刺激アレルギー低減化天然ゴムおよびこの天然ゴムを用いたゴム製品

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JPH07126436A JP5274021A JP27402193A JPH07126436A JP H07126436 A JPH07126436 A JP H07126436A JP 5274021 A JP5274021 A JP 5274021A JP 27402193 A JP27402193 A JP 27402193A JP H07126436 A JPH07126436 A JP H07126436A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 天然ゴムラテックスから接触刺激アレルギー
を起こすアレルゲンを低減するのに充分な量の酵素と少
なくとも1種の界面活性剤とからなる天然ゴム用接触刺
激アレルギー低減化剤であり、この低減化剤で処理され
た天然ゴムラテックスは受身的皮膚アナフィラキシー反
応試験において、惹起動物に対する抗原の投与による感
作性が実質的に陰性である程度にまで天然ゴムラテック
スから接触刺激アレルギーを起こすアレルゲンが低減さ
れている。 【効果】 天然ゴムによる接触刺激アレルギーの発生を
解消することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、天然ゴムのアレルギー
低減方法およびこれを用いて製造された低アレルギー天
然ゴムに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、天然ゴムは、自動車用タイヤ、ベルト、粘接着剤な
どの工業用品から手袋などの家庭用品まで幅広く利用さ
れている。これらの天然ゴム製品は、通常、天然ゴムラ
テックスからゴム分を凝固させて生ゴム(クレープゴム
またはスモークドシートゴム)を得、この生ゴムから素
練り、配合剤の配合、成形、加硫の各工程を経て製造さ
れる。
【0003】ところが、近時、天然ゴム製品を使用した
手術用手袋や各種カテーテル、麻酔用マスク等の医療用
具が原因で患者が呼吸困難、アナフィラキシー様症状
(血管性浮腫、じんましん、虚脱、チアノーゼ等)を起
こすことが米国で報告された。また、アレルギーの既往
症をもつ女性が天然ゴムからつくった家庭用ゴム手袋を
使用した際、手の痛み、じんましん、眼の周囲の血管性
浮腫が現れた等の症例も報告されている。
【0004】そのため米国の食品医薬局(FDA)は天
然ゴム製品の製造業者に対し、アレルギーを低減するよ
うに働きかけている。従って、天然ゴムによる接触刺激
アレルギーを低減することが必要である。従来のアレル
ギー低減方法としては、天然ゴム製品を温水で洗浄した
り、洗浄タンクに適当な時間浸す操作を行ったり、ある
いは天然ゴム製品の表面を塩素その他の薬品で処理する
方法が用いられているが、現状では、アレルギーの発生
を低減するには至っていない。
【0005】従って本発明の主たる目的は、皮膚などへ
の接触によって起こる接触刺激アレルギーを低減化する
ことができる天然ゴム用接触刺激アレルギー低減化剤、
この低減化剤を用いる接触刺激アレルギー低減化天然ゴ
ムの製造方法、接触刺激アレルギー低減化天然ゴムおよ
びこの天然ゴムを用いたゴム製品を提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段および作用】本発明者ら
は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、
所定量の酵素と少なくとも1種の界面活性剤とで天然ゴ
ムラテックスを処理することにより、天然ゴムから接触
刺激アレルギーを起こすアレルゲンが低減され、接触刺
激アレルギーのない天然ゴムが得られるという新たな事
実を見出し、本発明を完成するに到った。
【0007】すなわち、本発明は、天然ゴムラテックス
から接触刺激アレルギーを起こすアレルゲンを低減する
のに充分な量の酵素と少なくとも1種の界面活性剤とか
らなる天然ゴム用接触刺激アレルギー低減化剤を提供す
るものである。本発明によれば、天然ゴムラッテクスを
酵素と少なくとも1種の界面活性剤とで処理して、天然
ゴムラテックスから接触刺激アレルギーを起こすアレル
ゲンが低減された天然ゴムが製造される。この場合のア
レルゲンの低減は、被検動物を感作して行う受身的皮膚
アナフィラキシー反応試験において、惹起動物に対する
抗原の投与による感作性が実質的に陰性である程度にま
で行われる。
【0008】このように受身的皮膚アナフィラキシー反
応試験において実質的に陰性である程度にまで、天然ゴ
ムラテックスから接触刺激アレルギーを起こすアレルゲ
ンを低減した天然ゴムは、ゴム手袋、コンドーム、ゴム
長靴をはじめ、ゴム製の人工臓器や手術用のゴム製カテ
ーテルなどのように、直接人体に接触する種々のゴム製
品に好適に用いられ、接触刺激によるアレルギーの発生
を防止することができる。
【0009】前記接触刺激アレルギーには、皮膚接触は
もちろん、手術切開時の体内接触などによって起こるア
レルギーも包含される。本発明に用いられる酵素として
は、例えばアルカリプロテアーゼがあげられるが、これ
に限定されるものではない。また、プロテアーゼの由来
としては、細菌由来のもの、糸状菌由来のもの、酵母由
来のもののいずれでも構わないが、これらの中で細菌由
来のプロアーゼを使用するのが好ましい。
【0010】本発明に用いられる界面活性剤としては、
例えば1種以上の陰イオン界面活性剤および/または1
種以上の非イオン界面活性剤があげられる。陰イオン界
面活性剤としては、例えばカルボン酸系、スルホン酸
系、硫酸エステル系、リン酸エステル系などの界面活性
剤がある。カルボン酸系界面活性剤としては、例えば炭
素数が6〜30である脂肪酸塩、多価カルボン酸塩、ロ
ジン酸塩、ダイマー酸塩、ポリマー酸塩、トール油脂肪
酸塩等が挙げられ、好ましくは炭素数が10〜30のカ
ルボン酸塩である。炭素数が6以下では機械的安定度の
改善が不十分であり、炭素数が30以上では水に分散し
難くなる。
【0011】スルホン酸系界面活性剤としては、例えば
アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸
塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスル
ホン酸塩、ジフェニルエーテルスルホン酸塩等があげら
れる。硫酸エステル系界面活性剤としては、例えばアル
キル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキル硫
酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニル
エーテル硫酸塩、トリスチレン化フェノール硫酸エステ
ル塩、ポリオキシアルキレンジスチレン化フェノール硫
酸エステル塩等があげられる。
【0012】リン酸エステル系界面活性剤としては、例
えばアルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレン
リン酸エステル塩等があげられる。これらの化合物の塩
としては、例えば金属塩(Na、K、Ca、Mg、Zn
等)、アンモニア塩、アミン塩(トリエタノールアミン
塩等)などがあげられる。本発明に用いられ非イオン界
面活性剤には、例えばポリオキシアルキレンエーテル
系、ポリオキシアルキレンエステル系,糖脂肪酸エステ
ル系,アルキルポリグルコシド系などの界面活性剤があ
げられる。
【0013】ポリオキシアルキレンエーテル系の非イオ
ン界面活性剤としては、例えばポリオキシアルキレンア
ルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニ
ルエーテル、ポリオキシアルキレンポリオールアルキル
エーテル、ポリオキシアルキレンスチレン化フェノール
エーテル、ポリオキシアルキレントリスチレン化フェノ
ールエーテルなどがあげられる。前記のポリオールとし
ては、炭素数2〜12の多価アルコールが挙げられ、例
えばプロピレングリコール、グリセリン、ソルビトー
ル、グルコ−ス、シュクロース、ペンタエリスリトー
ル、ソルビタンなどがあげられる。
【0014】ポリオキシアルキレンエステル系の非イオ
ン界面活性剤としては、例えばポリオキシアルキレン脂
肪酸エステルなどがあげられる。多価アルコール脂肪酸
エステル系の非イオン界面活性剤としては、炭素数2〜
12の多価アルコールの脂肪酸エステルまたはポリオキ
シアルキレン多価アルコールの脂肪酸エステルがあげら
れる。より具体的には、例えばソルビトール脂肪酸エス
テル、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセラ
イド、脂肪酸ジグリセライド、ポリグリセリン脂肪酸エ
ステルなどがあげられる。また、これらのポリアルキレ
ンオキサイド付加物(例えばポリオキシアルキレンソル
ビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリセリ
ン脂肪酸エステルなど)も使用可能である。
【0015】糖脂肪酸エステルの非イオン界面活性剤と
しては、例えばショ糖、グリコース、マルトース、フラ
クトース、多糖類の脂肪酸エステルなどが挙げられ、こ
れらのポリアルキレンオキサイド付加物も使用可能であ
る。アルキルポリグリコシド系の非イオン界面活性剤と
しては、例えばアルキルグルコシド、アルキルポリグル
コシド、ポリオキシアルキレンアルキルグルコシド、ポ
リオキシアルキレンアルキルポリグルコシドなどが挙げ
られ、これらの脂肪酸エステル類もあげられる。また、
これらのポリアルキレンオキサイド付加物も使用可能で
ある。
【0016】これらの界面活性剤におけるアルキル基と
しては、例えば炭素数4〜30のアルキル基があげられ
る。また、ポリオキシアルキレン基としては、炭素数2
〜4のアルキレン基を有するものが挙げられ、例えば酸
化エチレンの付加モル数が1〜50モル程度のものがあ
げられる。また、前記脂肪酸としては、例えば炭素数4
〜30の直鎖または分岐した飽和または不飽和脂肪酸が
あげられる。
【0017】また、本発明では、前記陰イオン界面活性
剤および/または非イオン界面活性剤に代えて、または
これらの界面活性剤と共に、両性界面活性剤を使用して
もよい。かかる両性界面活性剤としては、例えばアミノ
酸型、ベタイン型、アミンオキサイド型等の界面活性剤
があげられる。本発明における酵素および界面活性剤の
使用量は、天然ゴムのラテックス重量に対して、酵素が
0.0001〜20重量%、界面活性剤が0.001〜
20重量%の割合である。
【0018】また、酵素を添加するにあたり、他の添加
剤、例えばpH調整剤としてリン酸第一カリウム、リン
酸第二カリウム、リン酸ナトリウム等の燐酸塩や酢酸カ
リウム、酢酸ナトリウム等の酢酸塩、さらに硫酸、酢
酸、塩酸、硝酸、クエン酸、コハク酸等の酸類またはそ
の塩、あるいはアンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等を併
用しても構わない。また、酵素としてリパ−ゼ、エステ
ラ−ゼ、アミラ−ゼ、ラッカ−ゼ、セルラ−ゼ等の酵素
と併用することができる。
【0019】さらに、必要に応じてスチレンスルホン酸
共重合物、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、リ
グニンスルホン酸、多環型芳香族スルホン酸共重合物、
アクリル酸または無水マレイン酸のホモポリマ−もしく
は共重合物、イソブチレン−アクリル酸、イソブチレン
−無水マレイン酸共重合物等の分散剤を併用することが
できる。
【0020】酵素による処理時間は特に限定されない
が、数分から1週間程度処理を行うことが好ましい。ま
た、ラテックスは攪拌しても良いし、静置でもかまわな
い。また、必要に応じて温度調節を行っても良く、適当
な温度としては、5℃〜90℃、好ましくは20℃〜6
0℃ある。処理温度が90℃を超えると酵素の失活が早
く、5℃未満では酵素の反応が進行し難くなる。
【0021】また、界面活性剤はラテックス重量に対し
0.001〜20重量%の割合で添加する。本発明にお
いて、界面活性剤は、酵素処理後に添加してもよく、あ
るいは同時に添加して処理してもよい。天然ゴムの処理
後、酵素と界面活性剤とを除去する方法としては、例え
ば遠心分離やラテックス粒子を凝集させて分離する方法
などがあげられ、特に限定されるものではない。
【0022】本発明に用いられる天然ゴムラテックスと
しては、新鮮なフィールドラテックスでも成熟したラテ
ックスでも、アンモニア処理されたラテックスでも使用
できる。上述した処理がなされた本発明の天然ゴムは、
被検動物を感作して行う受身的皮膚アナフィラキシー反
応試験において、惹起動物に対する抗原の投与による感
作性が実質的に陰性である程度にまで天然ゴムラテック
スから接触刺激アレルギーを起こすアレルゲンが低減さ
れている。
【0023】前記アレルゲンとしては、天然ゴムに付着
している蛋白質またはその類縁物質であろうと推測され
るが、充分な解明はなされていない。本発明における受
身的皮膚アナフィラキシー反応試験(Passive cutaneous
anaphylaxis reaction test) とは、抗原を投与して被
検動物を感作した後、この感作動物の血液から血清を分
離し、この血清を別の惹起動物に投与し、所定時間(通
常、24時間)経過後に惹起動物に惹起抗原と色素液
(例えば1%エバンス・ブルー(Evans blue)) とを投与
して、惹起動物の体表面に色素漏出斑が出現するものを
陽性、出現しないものを陰性とそれぞれ判定することを
いう。このとき、感作動物に投与する抗原と、惹起動物
に投与する惹起抗原とが同じである場合と、異なる場合
がある。異なる場合としては、例えば感作動物に投与す
る抗原として未処理の天然ゴムラテックスを使用し、惹
起動物に投与する抗原として本発明の処理を行った天然
ゴムラテックスを使用する場合があげられる。これは交
差反応性と呼ばれる。
【0024】上記受身的皮膚アナフィラキシー反応試験
は主に即時型アレルギー反応のうち、とくにI型(アナ
フィラキシー型)アレルギーを試験するためのものであ
って、この型に属する疾患には、アナフィラキシーショ
ック、腸管アレルギー、喘息、鼻炎、じんましん等があ
る。接触刺激アレルギーを起こすアレルゲンが低減され
た本発明の天然ゴムラテックスは、通常の天然ゴムラテ
ックスと同様にして、種々のゴム製品の製造に使用する
ことができる。
【0025】次に、実施例および比較例をあげて本発明
を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限
定されるものではない。
【0026】
【実施例】
実施例1〜14 天然ゴムのハイアンモニアラテックスをゴム分で30%
になるように希釈し、これに表1〜表3に示す酵素と界
面活性剤とを同表に示す配合量(ただし、天然ゴムラテ
ックスの重量に対する割合で示している)で同時に添加
し、40℃で24時間静置し、10000rpmで30
分間遠心分離した。ついで、分離してくる上層のクリ−
ム部分を取り出し、同量の水に再分散して同一条件で遠
心分離を行った。分離してくる上層のクリ−ム部分を適
量の水に分散し、1M NaH2PO4 溶液でpHを中
性付近に調整し、最終的にゴム固形分が40%になるよ
う水で希釈し、アレルギー評価用の被験物質とした。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】比較例1〜5 実施例1〜14と同様に天然ゴムのハイアンモニアラテ
ックスをゴム分30%になるように希釈し、表4に示す
処理剤を使用して、実施例1〜14と同様にして処理を
行い、これをゴム固形分40%のアレルギー評価用被験
物質とした。
【0031】
【表4】
【0032】各実施例および比較例で得た被験物質を使
用して、以下のアレルギー性評価試験を行った。 1.即時型アレルギー性評価 各実施例および比較例で得た被験物質35gに、レオド
ールTWL−120(花王株式会社製)0.35gおよ
び1M Na2 HPO4 水溶液12.3gを混合して被
験物質調整液を調製した。ついで、ハートレー系モルモ
ット雌にこの被験物質調整液0.2mlを0,1,2,
3,4日目、さらに13,14,15,16,17日目
にそれぞれ皮内投与して感作を行い、感作21日目に感
作動物から採血し、これから血清を分離し、この血清
0.1mlを別のハートレー系モルモット雌に皮内接種
した。
【0033】一方、被験物質をシャーレに1.5ml秤
りとり、乾燥させた。乾燥後、生理食塩水5mlを加
え、24時間室温で放置し、この浸出液を惹起抗原とし
て被検動物1匹当たり0.5mlの投与量で使用した。
すなわち、前記血清の接種から24時間後、前記浸出液
0.5mlに1%エバンス・ブルー(Evans blue)溶液
0.5mlを混合した溶液1mlを静脈内投与し、30
分後に体表面に色素漏出斑が出現するか否かを観察し、
色素漏出斑が出現したものを陽性(+)とし、出現しな
かったものを陰性(−)と判定した。
【0034】なお、感作用のモルモットとして使用した
5匹のうち、一匹でも陽性であるものを+として判定し
た。また、対照として、未処理の天然ゴムラテックスも
アレルギー性感作を行ったが、感作液として用いる際に
ゴム固形分とpHは実施例のそれと同じに調整した。さ
らに、卵白アルブミンおよび生理食塩水についても同様
にして試験した。それらの試験結果を表5に示す。
【0035】
【表5】
【0036】表5に示すように、本発明の処理を行った
ラテックスでは即時型アレルギー性の感作性はすべて陰
性であった。 2.交差反応性評価 即時型アレルギー評価方法において、感作液に未処理の
天然ゴムラテックスを用いたほかは、即時型アレルギー
評価方法と同様にして、ハートレー系モルモット雌を感
作し、これから採取した血清を感作血清として惹起動物
に皮内投与した後、惹起抗原として各実施例および比較
例で得た天然ゴムラテックスを前記即時型アレルギー評
価方法と同様にして投与して、色素漏出斑が出現するか
否かを観察した。その結果を表6に示す。なお、比較の
ため未処理の天然ゴムラテックスも惹起動物に投与し抗
体の活性を確認した。
【0037】
【表6】
【0038】表6に示すように、本発明の天然ゴムラテ
ックスを惹起に用いたところ、即時型アレルギー性は陰
性で交差反応はまったく認められなかった。 製造例(手袋) 実施例1で得られたアレルギー評価用の感作液と同じ天
然ゴムラテックス(固形分は60%に調整)を用い、下
記の配合にて手袋を製造した。
【0039】
【表7】
【0040】表中の分散体は以下の組成を有する。 (成 分) (重量部) コロイド硫黄 1.0 酸化亜鉛 1.0 加硫促進剤 1.0 デモールN 0.0226 エマルゲン106 0.0135 イオン交換水 4.464 但し、デモールNおよびエマルゲン106は花王株式会
社製の界面活性剤である。
【0041】前記の組成にて配合したラテックスは40
℃で24時間熟成した。一方、陶器製の手袋型を、凝着
剤としての硝酸カルシウムの10%水溶液に浸漬し、風
乾した。これを、熟成した前記ラテックスに30秒間浸
漬した後、引き上げ、100℃で30分間乾燥した。そ
の結果、手袋型上にゴム被膜が形成された。これを型か
ら外し、50℃前後の湯に1時間程度浸漬して水溶性成
分を抽出し、乾燥して手袋を得た。
【0042】この手袋は、前記の処理をしない通常の天
然ゴムラテックスを用いて作製した手袋と同程度の強度
や伸びを示し、かつ風合いも良好であった。また、実施
例2〜14で処理したラテックスを用いた場合も、実施
例1と同様に、伸び、強度および風合いに優れた手袋が
得られた。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、酵素と界面活性剤とで
天然ゴムラテックスを処理するため、天然ゴム中のアレ
ルゲンを低減することができ、そのため天然ゴムによる
接触刺激アレルギーの発生を解消する上できわめて有効
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 89:00) (72)発明者 鈴木 尋之 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606−6 花王市 貝社宅4号棟405号 (72)発明者 永吉 貴子 栃木県芳賀郡市貝町市塙4594 花王城見寮 E棟408号 (72)発明者 鹿島 久美子 栃木県宇都宮市豊郷台2−12−4 (72)発明者 市川 直哉 兵庫県明石市魚住町清水41番地の1 住友 ゴム魚住寮 (72)発明者 榊 俊明 兵庫県加古川市尾上町養田1314番地の1

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】天然ゴムラテックスから接触刺激アレルギ
    ーを起こすアレルゲンを低減するのに充分な量の酵素と
    少なくとも1種の界面活性剤とからなる天然ゴム用接触
    刺激アレルギー低減化剤。
  2. 【請求項2】天然ゴムのラテックス重量に対して、前記
    酵素が0.0001〜20重量%、前記界面活性剤が
    0.001〜20重量%の割合である請求項1記載の天
    然ゴム用接触刺激アレルギー低減化剤。
  3. 【請求項3】天然ゴムラッテクスを酵素と少なくとも1
    種の界面活性剤とで処理して、天然ゴムラテックスから
    接触刺激アレルギーを起こすアレルゲンを低減すること
    を特徴とする接触刺激アレルギー低減化天然ゴムの製造
    方法。
  4. 【請求項4】被検動物を感作して行う受身的皮膚アナフ
    ィラキシー反応試験において、惹起動物に対する抗原の
    投与による感作性が実質的に陰性である程度にまで天然
    ゴムラテックスから接触刺激アレルギーを起こすアレル
    ゲンを低減したことを特徴とする接触刺激アレルギー低
    減化天然ゴム。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の接触刺激アレルギー低減
    化天然ゴムを用いたことを特徴とするゴム製品。
JP27402193A 1993-11-02 1993-11-02 天然ゴム用接触刺激アレルギー低減化剤、この低減化剤を用いる接触刺激アレルギー低減化天然ゴムの製造方法、接触刺激アレルギー低減化天然ゴムおよびこの天然ゴムを用いたゴム製品 Expired - Lifetime JP3322734B2 (ja)

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