JPH07123996A - 精製組み換えhcv e2/ns1蛋白質およびその製法 - Google Patents

精製組み換えhcv e2/ns1蛋白質およびその製法

Info

Publication number
JPH07123996A
JPH07123996A JP5296065A JP29606593A JPH07123996A JP H07123996 A JPH07123996 A JP H07123996A JP 5296065 A JP5296065 A JP 5296065A JP 29606593 A JP29606593 A JP 29606593A JP H07123996 A JPH07123996 A JP H07123996A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
protein
hcv
recombinant
vaccinia virus
gene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5296065A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichi Funahashi
真一 舟橋
Emiko Miyake
恵美子 三宅
Shintaro Yagi
慎太郎 八木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tonen General Sekiyu KK
Original Assignee
Tonen Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tonen Corp filed Critical Tonen Corp
Priority to JP5296065A priority Critical patent/JPH07123996A/ja
Publication of JPH07123996A publication Critical patent/JPH07123996A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 HCV E2/NS1蛋白質をコードする遺
伝子を発現可能なように含有する組み換えワクシニアウ
イルスを感染させるか又は、この組み換えウイルスとR
NAポリメラーゼ遺伝子を発現可能なように含有する別
の組み換えワクシニアウイルスとで重感染させた動物細
胞の培養物から生産されるHCV E2/NS1蛋白
質、その製造方法、並びにこれら組み換えワクシニアウ
イルスベクター。 【効果】 天然HCV E2/NS1蛋白質に対する抗
体との間で良好な免疫学的反応性を示す組み換え蛋白質
を効率よく産生できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、組み換えHCV E2
/NS1蛋白質およびその製法に関する。さらに詳しく
は、本発明は、HCV E2/NS1蛋白質をコードす
る遺伝子を発現可能なように含有する組み換えワクシニ
アウイルスを感染させるか又は、この組み換えウイルス
とRNAポリメラーゼ遺伝子を発現可能なように含有す
る別の組み換えワクシニアウイルスとを重感染させた動
物細胞の培養物から得られる精製組み換えHCV E2
/NS1蛋白質に関する。
【0002】さらに、本発明は、該E2/NS1蛋白質
の産生に使用するこれら組み換えワクシニアウイルスベ
クターにも関する。
【0003】
【従来の技術】肝炎ウイルスのうち、A型肝炎ウイルス
とB型肝炎ウイルスが発見された後もAでもBでもない
ウイルス(非A非B型)が存在することが知られてい
た。非A非B型肝炎は、発症後慢性化しやすく、高率に
肝硬変から肝癌に移行するといわれており、その病因ウ
イルスの分離同定が急がれていた。1989年、遺伝子
工学の技術を使用することで、非A非B型肝炎患者の血
清と特異的に反応する蛋白質を発現する遺伝子がクロー
ニングされ、その遺伝子をもつウイルスがC型肝炎ウイ
ルス(HCV)と名付けられた。まず、米国カイロン社
によってHCVの非構造領域(NS)であるNS3 およ
びNS4 がコードする蛋白質(C100-3)に対する抗体(C1
00-3抗体)を測定する方法が開発された(Kuoら,Scienc
e 244, 362-364 (1989)) 。しかし、カイロン社のHC
V診断システムに使用されているNS4 前半(C100-3)の
領域は、慢性肝炎患者では70%程度の抗体検出率しか示
さない。したがって、C100-3抗体陰性であるにも拘ら
ず、HCV−RNA陽性例の存在が知られるようにな
り、C100-3抗体ではC型肝炎の診断および輸血後肝炎の
予防は不十分であることがわかった。その後カイロン社
をはじめとする、いくつかの研究グループによってHC
V遺伝子の全貌が明らかにされてきた(Chooら,Proc.
Natl. Acad. Sci. USA 88, 2451-2455 (1991); Inchau
spe ら, Proc. Natl.Acad. Sci. USA 88, 10292-10296
(1991); Katoら, Proc. Natl. Acad. Sci.USA 87, 95
24-9528 (1990); Takamizawaら,J. Virol. 65, 1105-1
113 (1991);Tanakaら,Virus Research 23, 39-53 (19
92); Okamoto ら, J. gen. Virol.72, 2697-2704 (199
1); および Okamotoら, Virology 188, 331-341 (199
2))。
【0004】前述のC100-3抗体はHCV遺伝子の非構造
領域であるNS3 後半からNS4 前半をコードする蛋白
質に対する抗体であって、HCV構造蛋白質に対する抗
体ではないということ、米国型のHCVよりクローニン
グされたこと等が原因となり検出感度が充分ではないと
考えられる。この問題を改善するため、構造蛋白質をコ
ードするHCVコア蛋白質に対する抗体の検出系や、構
造領域と非構造領域の両者を混合使用した第2世代HC
V抗体検出系の開発が進められてきた。
【0005】構造蛋白質のうちエンベロープ蛋白質を構
成する蛋白質にはE1 蛋白質とE2/NS1蛋白質があ
る。E1 蛋白質に対する抗体は検出頻度が低く、E1 蛋
白質が抗体産生の標的となりにくいか、あるいはE1 蛋
白質が変異に富んでいることに起因してE1 蛋白質に対
する抗体の検出率が低い。もう一つのエンベロープ蛋白
質であるE2/NS1蛋白質については、フラビウイル
スの遺伝子構造との比較から非構造蛋白質をコードする
NS1 遺伝子として提唱されたが、糖鎖付加部位の存在
からエンベロープ蛋白質をコードするE2 遺伝子に相当
することが判明し、従ってE2/NS1蛋白質と呼称さ
れている。
【0006】井上ら(J.gen.Virol.(1992)73, 2151-215
4 )は、C型肝炎ウイルスのNS1領域を含むアミノ酸
番号382番目から559番目を含む蛋白質をカイコ多
角体病ウイルスを用いてSf9細胞中で発現させてい
る。彼らが発現させたN1520蛋白は糖鎖付加がな
く、慢性の非A非B型肝炎患者の血清との反応性もイム
ノブロッティングにより13.4%と低い。また、精製方法
については具体的に提示されていない。D.Y. Chienら
(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89, p.10011-10015)
は、257アミノ酸からなるE2抗原をバキュロウイル
スを使用しSf細胞にて分泌蛋白質として得ているが、
その反応性は慢性非A非B肝炎患者に対しても61%と
低い。これは用いた遺伝子領域によってコードされる蛋
白質の抗原性が低いか、もしくはバキュロウイルスの糖
鎖構造が反応性を阻害していることが考えられる。
【0007】スパッテら(R.Spaete; Virology(1992) 1
88,819-830)は、発現ベクターとしてサイトメガロウイ
ルスプロモーターを有するベクターを使用し、CHO細
胞によってC型肝炎ウイルスのNS1 領域としてアミノ
酸番号1番目のMet から917番目のGly を含む細胞株
#62、アミノ酸番号406番目のGly から661番目
のGlu を含む細胞株#70(また70−14−8)、ア
ミノ酸番号383番目のAla から661番目のGlu を含
む細胞株#22(または22−40−32)を得てい
る。彼らは細胞株#70、#22においてtpa シグナル
シークエンスをNS1 遺伝子の5′−末端に結合させた
形で発現を行い71kDa の蛋白質を分泌させている。し
かしながら、C型肝炎ウイルスの抗原蛋白質であるE2
/NS1蛋白質の回収方法については述べていない。
【0008】
【発明が解決しようとする問題点】E2/NS1蛋白質
はC型肝炎ウイルスのエンベロープ蛋白質の一つと考え
られ、C型肝炎ウイルス感染による抗体の有無を確認す
る上で、構造蛋白質であるエンベロープ蛋白質に対する
抗体を検出することには意義がある。しかし、E2/N
S1蛋白質は糖蛋白質であるため、C型肝炎ウイルスの
感染によるE2/NS1蛋白質に対する抗体を検出する
ための抗原蛋白質としてはより天然型に近い糖鎖構造を
有するE2/NS1蛋白質を用いることが望ましい。こ
れまで、E2/NS1抗原は、昆虫細胞(Y. Matsuura
ら,J. Virology 66, 1425-1431 (1992);バキュロウイ
ルス使用)、CHO細胞(スパッテら、上掲)、酵母
(Kuo ら,(1991) in “Viral Hepatitis and Liver Di
sease ” pp.347-349, Williamsand Wilkins, Baltimor
e, MD.; Spaete ら,Virology 188, 819-830 (1992))
による発現が報告されている。しかし、酵母、昆虫細胞
では、大量に安定した抗原が得られる反面、糖鎖構造や
蛋白質の高次構造がヒト体内で発現している抗原とは異
なっていることが考えられる。CHO細胞ではヒト体内
で発現している抗原と似た糖鎖構造を有する蛋白質が得
られると期待されるが、発現量が少なく、抗原の大量精
製が困難である。
【0009】患者血清中のC型肝炎ウイルスE2/NS
1蛋白質に対する抗体を正確に検出するためには、C型
肝炎ウイルス感染者の体内でウイルスが発現しているE
2/NS1蛋白質と同様の折りたたみ様式(folding )
や糖鎖付加等の修飾を受けている抗原を多量に得ること
が必要である。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような状況下で、本
発明者らは、広範囲の動物細胞への感染が可能であるワ
クシニアウイルスをベクターとして用いることによっ
て、天然HCV E2/NS1蛋白質に対する抗体と免
疫学的に良好に反応することができるHCV E2/N
S1蛋白質を動物細胞内で効率よく発現分泌させ得るこ
とを見出し、本発明を完成させた。
【0011】したがって、本発明は、HCV E2/N
S1蛋白質をコードする遺伝子を発現可能なように含有
する組み換えワクシニアウイルスにより感染させた動物
細胞の培養物から生産される、天然HCV E2/NS
1蛋白質に対する抗体と免疫学的に反応する精製組み換
えHCV E2/NS1蛋白質を提供する。
【0012】HCV E2/NS1蛋白質をコードする
遺伝子のヌクレオチド配列及び該蛋白質の推定アミノ酸
配列は、例えば国際特許出願公開第WO90/1108
9号公報(カイロン社)、Takamizawaら,J. Virol. 6
5: 1105-1113 (1991)、Katoら,Proc. Natl. Acad. Sc
i. USA, 87: 9524-9528 (1990)、Inchauspe ら,Proc.N
atl. Acad. Sci. USA, 88: 10292-10296 (19991) 、Tan
akaら,Virus Research, 23: 39-53 (1992)、Okamoto
ら,J. gen. Virol., 72: 2697-2704 (1991)、Okamoto
ら,Virology, 188: 331-341 (1992) 、本出願人による
特願平4−88140号(平成4年3月12日出願)等
に記載されており、従って、本発明の組み換え蛋白質
は、これらの文献等に記載される、変異体を含む任意の
HCV E2/NS1配列及びその部分配列を使用し、
本発明方法を用いて得ることができる。具体的には、後
記配列表中の配列番号:1に示される全アミノ酸配列又
はその部分配列をコードする遺伝子である。ここで、
「部分配列」は、配列番号:1に示されるアミノ酸番号
21〜298の配列又はその部分配列を指す。
【0013】なお、本明細書中「免疫学的に反応する」
なる用語は、抗原抗体反応することを意味する。
【0014】本発明の組み換え蛋白質は糖鎖を含んでい
てもよいし又は含まなくてもよいが、良好な免疫学的反
応性を得るためには糖鎖を含むのが好ましい。
【0015】本発明の組み換えE2/NS1蛋白質は、
下記の2つの方法によって製造することができる。
【0016】第1の製法は、HCV E2/NS1蛋白
質をコードする遺伝子を組み換えワクシニアウイルスプ
ロモーターの制御下に配置して含む組み換えワクシニア
ウイルスを作製し、該組み換えワクシニアウイルスで動
物細胞を感染させ、得られた感染細胞を適当な条件下で
培養し、この間に該細胞内のワクシニアウイルス由来の
RNAポリメラーゼを利用して該遺伝子を発現し、分泌
された組み換えHCVE2/NS1蛋白質を回収し、こ
れを精製することを包含する。
【0017】第2の製法は、HCV E2/NS1蛋白
質をコードする遺伝子をT7プロモーターの制御下に配
置して、この遺伝子がT7RNAポリメラーゼの存在時
のみ発現できるようにした第1の組み換えワクシニアウ
イルスを作製し、さらにこれとは別個に、T7RNAポ
リメラーゼ遺伝子をワクシニアウイルスプロモーターの
制御下に配置して、T7RNAポリメラーゼを発現する
ことができるように第2の組み換えワクシニアウイルス
を作製し、これらの組み換えワクシニアウイルスで動物
細胞を重感染させ、得られた感染細胞を適当な条件下で
培養してHCVE2/NS1蛋白質をコードする遺伝子
を発現し、分泌された組み換えHCVE2/NS1蛋白
質を回収し、これを精製することを包含する。
【0018】本発明範囲に含まれる上記2つの製法は、
RNAポリメラーゼを利用して目的蛋白質をコードする
遺伝子を発現する点で共通性を有するが、RNAポリメ
ラーゼ自体の発現の仕方が異なる。すなわち、前者の方
法では、ワクシニアウイルス由来のRNAポリメラーゼ
を利用するのに対し、後者の方法では、細胞内に外来R
NAポリメラーゼ遺伝子を導入し、その発現産物を利用
する。
【0019】上記のいずれの製法によって発現させても
発現産物においてはその性状については変わりがなく、
同様の方法によってHCV E2/NS1蛋白質を培養
産物から精製することができる。
【0020】ワクシニアウイルスとしては、Liste
r株、WR株、LC16mO株、LC16m8株(in V
accinia Viruses as Vectors for Vaccinia Antigens,
p.87-99 (Elsevier))等を使用しうる。また、作製した
組み換えワクシニアウイルスを感染させる動物細胞とし
ては、ワクシニアウイルスが感染し易い全ての細胞、好
ましくは哺乳類由来の細胞、例えば癌細胞(例えば、H
eLa−s3(ATCC CCL 2.2))、肝臓由来の細胞(例
えば、HepG2(ATCC HB 8065))、血液由来の細胞
(例えば、K−562(ATCC CCL 243))等が挙げられ
る。培養条件は、使用する細胞の種類に応じて任意に選
択し得る。
【0021】組み換えワクシニアウイルスの作製、ウイ
ルスの培養については、Current Protocol in Molecula
r Biology ,第2巻,第15章“Protein Expression”
(1989年)(Willey Interscience )に記載の方法
を使用して実施し得る。
【0022】1種類の組み換えワクシニアウイルスを用
いる方法において使用可能なワクシニアウイルスプロモ
ーターの具体例として、牛痘ウイルス由来のATIプロ
モーター(特開昭61−222194号公報、J. Viro
l., 65:5584-5588 (1991))、複合ウイルスプロモータ
ー(特開平2−186992号公報、本出願人による特
願平5−8424号(平成5年1月21日出願)、ワク
シニアウイルスp7.5プロモーター(J. Virol., 54:
30-37 (1985))を挙げることができる。組み換えワクシ
ニアウイルスは、ワクシニアウイルスプロモーターとワ
クシニアウイルス遺伝子(例えば、HA遺伝子)を保有
するプラスミドにHCV E2/NS1遺伝子を挿入し
て得られる発現ベクターを制限的に線状化し、得られた
線状ベクターDNAをワクシニアウイルス感染細胞にト
ランスフェクトすることによって得ることができる。そ
の具体例として、後述の実施例4に記載の組み換えワク
シニアウイルスLO−SF2 B38−J11を挙げるこ
とができる。
【0023】一方、T7RNAポリメラーゼを利用した
2種類の組み換えワクシニアウイルスを重感染する方法
においては、HCV E2/NS1遺伝子の発現を有効
に行わしめるためにはT7遺伝子10のプロモーター
(DunnとStudier, J. Mol. Biol., 166:47-534 (1983)
)が好ましいが、T7RNAポリメラーゼが認識する
プロモーターであればその種類を問わない。さらに、必
要に応じてターミネーター領域、例えばT7遺伝子10
のターミネーター領域(DunnとStudier ,上掲)等を含
んでもよい。
【0024】上記第1の組み換えワクシニアウイルスベ
クターは、T7プロモーター領域とワクシニアウイルス
遺伝子(例えば、HA遺伝子)を保有するプラスミドに
HCV E2/NS1遺伝子を挿入して得られる発現ベ
クターを制限的に線状化し、得られた線状ベクターDN
Aをワクシニアウイルス感染細胞にトランスフェクトす
ることによって得ることができる。このようなプラスミ
ドの具体例は図1に記載のpHA−T7であり、これ
は、T7プロモーターとT7ターミネーター領域を含む
pGEMEX−1(Promega製)とワクシニアウ
イルスHA遺伝子を含むプラスミドpHA13.1(EM
BO J. 6:339-3384 (1987) )とを用いて図1に示す手順
で作製することができる。次に、pHA−T7のEcoR
I−HindIII にE2/NS1遺伝子領域のアミノ酸番
号364(ヌクレオチド番号1412;NcoI部位)か
らアミノ酸番号661(ヌクレオチド番号2305;S
acI部位)からなるNcoI−SacI断片(図2のLO−
J11;配列番号:1に示される全アミノ酸配列)を挿
入することによってE2/NS1遺伝子発現ベクターp
J11ΔUTRとすることができる。この発現ベクター
を線状化した後、ワクシニアウイルス感染細胞にトラン
スフェクトすることによって組み換えワクシニアウイル
スLO−J11ΔUTRを得ることができる。
【0025】一方、第2の組み換えワクシニアウイルス
ベクターは、T7RNAポリメラーゼ遺伝子の発現をT
7プロモーターの存在下で操作的に可能にする発現ベク
ターを線状化した後、ワクシニアウイルス感染細胞にト
ランスフェクトすることによって得ることができる。こ
のような発現ベクターは例えば、T7−1遺伝子(T7
RNAポリメラーゼ遺伝子を含むプラスミドpAR1
219(J. Mol. Biol. 189: 113〜130 )からT7−1
遺伝子を制限的に切り出し、この遺伝子断片を、ワクシ
ニアウイルスHA遺伝子のNruI認識部位にワクシニ
アウイルスp7.5プロモーターが組み込まれているp
VRI(特開昭61−222194号公報)に連結する
ことによって得ることができる(後述の実施例1のpV
R−T7−1)。さらに、このpVR−T7−1から組
み換えワクシニアウイルスLO−T7−1を得ることが
できる。
【0026】上記の組み換えワクシニアウイルスLO−
J11ΔUTR及びLO−T7−1もまた本発明の範囲
に含まれる。
【0027】トランスフェクション法としては、この業
界で慣用の方法、例えばリン酸カルシウム法(EMBO J.
6: 3370〜3384 (1987) )及びエレクトロポレーション
法(P. Guoら,J. Virol. 63: 4189〜4198(1989))が使
用され得る。また、組み換えワクシニアウイルスのスク
リーニングは、先ず赤血球吸着試験(HA試験)(Shid
a, H., Virology, 150:451-462, 1986)によりHA
(−)の組み換えウイルス候補株を取得し、次いで発現
ベクターに挿入した目的遺伝子をプローブとするプラー
クハイブリダイゼーションによって陽性クローンを検出
する手法により実施し得る。
【0028】本発明のE2/NS1蛋白質は、上記1種
類又は2種類の組み換えワクシニアウイルスを培養細胞
に感染させることで発現し、特に、HCV由来のシグナ
ル配列を含んだ形で発現させるときには培養上清に分泌
する蛋白質として得ることができる。得られた蛋白質は
例えば、その培養上清を塩析し、得られた沈殿物を透析
等で脱塩した後、レンチルレクチンを結合させたアフィ
ニティカラムを用いて糖蛋白質として精製することがで
き、さらに、HCV E2/NS1蛋白質と免疫学的反
応性を示すマウスモノクローナル抗体等の特異抗体を結
合させたアフィニティカラムを用いて純化することがで
きる(図3参照)。上記のLO−J11ΔUTR及びL
O−T7−1を重感染したHeLa−S3(ATCC
CCL2.2)細胞において発現して得られる糖蛋白質
(J11)は、配列番号:1に示されるアミノ酸番号2
1〜298のアミノ酸配列を有し、かつ、SDSポリア
クリルアミドゲル電気泳動上約40000〜約5500
0ダルトンの分子量を有している。
【0029】本発明の組み換えE2/NS1蛋白質は、
酵素抗体法等の免疫学的方法で測定することによって、
検体中のHCV抗体の検出及び定量化に使用することが
できる。
【0030】
【実施例】
実施例1 2種類ワクシニアウイルス作製用発現ベクタ
ーの構築 ベクターの構築は図1のようにして行なった。以下に概
略を説明する。T7 プロモーターとT7 ターミネーター
領域はpGEMEX-1(Promega製) のものを利用した。まず、
プラスミド pGEMEX-1 DNA 3μgを制限酵素 XbaI 10
ユニットで37℃にて2時間、反応液H(50mM Tris-HC
l (pH7.5) 、 10mM MgCl2 、1mM ジチオスレイトール、
100mM NaCl)中にて消化して、T7 遺伝子 10 とマルチ
クローニングサイトを含むヌクレオチド番号30から9
42を除去した。得られたプラスミドpGEMEX-1ΔXbaI D
NA3μgを制限酵素 XbaI, HindIII各10ユニットを含
む反応液H 中にて37℃2時間で消化し、そこへ制限酵
素EcoRI とNcoIの認識部位を有するENH リンカーを挿入
した。ENH リンカーは、 ENH-1: 5′-CTAGGAATTCCCATGGAAGCTTAGCTAGGT- 3′ ENH-2: 5′-AGCTACCTAGCTAAGCTTCCATGGGAATTC- 3′ の2種のオリゴヌクレオチド各1μgを94℃から室温
まで保温することで生成されたアニール生成物からな
る。ENH リンカーを挿入したベクターをpA13-1と命名し
た。
【0031】プラスミド pA13-1 DNA 10μgを制限酵
素BglII とAccIII各30ユニットで反応液H中37℃2
時間消化し、アガロースゲル電気泳動により分離した約
610bp のDNA 断片 Genecleanキット(BIO 101 社製)を
用いてマニュアルに従って精製した。反応液1(10mM T
ris-HCl(pH8.0)、5mM MgCl2 1mM dATP, dCTP, dGTP,dTT
P、2 unit klenow 断片)にて Klenow 断片によるDNA
断片の平滑末端化を行なった。ワクシニアウイルスHA遺
伝子を含んだプラスミドの作製については、先ず、HA
(ヘマグルチニン)遺伝子を含むベクター pHA13.1(EM
BO J. 6; 3379-3384 (1987) )DNA 3μgを制限酵素Hi
ndIII で10ユニットを用いて反応液H中にて37℃、
2時間消化した後、前記の反応液1にて Klenow 断片に
よる DNAの平滑末端化し、DNA ライゲーションキット
(宝酒造(株)製)を用いて連結し、次に、得られたプ
ラスミド3μgはさらに制限酵素EcoRI とSalI各10ユ
ニットを含む反応液Hにて37℃2時間の二重消化後、
反応液1中にて Klenow 断片を用いて DNAを平滑末端化
し、DNA ライゲーションキットを用いて連結した。得ら
れたプラスミドはpUC 由来のマルチクローニングサイト
を欠失しており、pA10-1と名付けた。プラスミド pA10-
1 DNA 3μgを制限酵素 NruI にて反応液2(150mM KC
l 、6mM Tris-HCl(pH7.5) 、6mM MgCl2 、6mM 2-メルカ
プトエタノール)中にて37℃2時間反応後、前記61
0bpの平滑末端化したBglII-AccIII DNAとともにDNA
ライゲーションキットにて連結反応を行った。HA遺伝
子の方向と逆方向にT7 プロモーターの配置したプラス
ミドpHA-T7を得た。この pHA-T7 3μgを制限酵素EcoR
I とHindIII を各10ユニット含む反応液Hで消化した
ものをフェノール/クロロホルム抽出後に反応液1にて
Klenow断片により平滑末端化した。図2に示すC型肝炎
ウイルスのNS1遺伝子領域を含む本出願人による特願
平4−88140号(平成4年3月12日出願)記載の
CP−4(微工研菌寄第12786号(平成4年2月2
4日付寄託)5μgから NcoI-SacI断片を切り出すため
に制限酵素SacI 20ユニットとともに反応液L(10
mM Tris-HCl(pH7.5)、 10mM MgCl2 、1mM ジチオスレイ
トール)にて37℃2時間インキュベートした後、塩濃
度が100mMになるように 5M NaClを添加し、さらに制
限酵素 NcoI を20ユニット反応液に加えて、37℃4
時間消化した。フェノール/クロロホルム抽出後、DNA
ブランティングキット(宝酒造(株)製)を用いてマニ
ュアルに従い、DNA 断片を平滑末端化した。得られたプ
ラスミド pJ11 ΔUTR をE2/NS1遺伝子領域発現ベ
クターとして用いた。このベクターではE2/NS1蛋
白質のC末に存在する疎水性領域を除いたアミノ酸36
4番目から661番目のアミノ酸(後記配列表中の配列
番号:1に示される全アミノ酸に相当する)からなる蛋
白質を発現することができ、シグナル配列としてC型肝
炎ウイルス由来のアミノ酸364番目から383番目の
20アミノ酸(配列番号:1に示されるアミノ酸番号1
〜20に相当する)を利用することにより、分泌蛋白質
として発現することが可能となった。
【0032】一方、T7-1 遺伝子(T7 RNA ポリメラー
ゼ遺伝子)については、プラスミドpAR1219(J. Mol. B
iol. 189, p.113-130)を primer T7-I5′ 5′- GGATCCCGGGTAAATGAACACGATTAAC-
3′ primer T7-I3′ 5′- GGCCGAATTCATTACGCGAACGCGAA-3′ の2つのプライマー 100 pmoles とAmpliTaq(宝酒造
(株)製)5ユニットを用いて、 Gene Amp PCR Reagen
t キットのプロトコールに従い、PCR により約2.7kb の
T7-1 遺伝子を増幅した。増幅した T7-1 遺伝子を含む
DNA 断片0. 5μgは制限酵素EcoRI とSmaIを各20ユ
ニット含む反応液3(20mM Tris-酢酸、10mM酢酸マグネ
シウム、 50mM 酢酸カリウム、1mM ジチオスレイトール
(pH7.9 ,25℃)にて37℃、6時間インキュベートし
た。 pUC119 DNA 3μgを反応液3中にて制限酵素 Sma
I, EcoRI各10ユニットで4時間反応した生成物と前記
T7-1遺伝子を含むDNA 断片をDNA ライゲーションキッ
トにより連結反応を行った。得られたプラスミドpUC119
-T7-1 5μgを制限酵素SmaI, EcoRI 各20ユニットで
4時間上記と同様に反応させた後、T7-1 遺伝子を含む
2.7kbの SmaI-EcoRI 断片を制限酵素 SmaI, EcoRI
各10ユニットで反応液3にて消化した3μgのpVR1
(特開昭61-222194 号公報)へ連結反応を行った。得ら
れたプラスミドpVR1-T7-1 から組換えワクシニアウイル
スを構築した。pVR1はワクシニアウイルスHA遺伝子のNr
uI認識部位にワクシニアウイルスP7.5プロモーターが組
み込まれており、このプロモーターによりT7-1 遺伝子
が発現されることになる。
【0033】実施例2 組み換えワクシニアウイルスの
構築 上記のようにして得られた発現ベクターからの組み換え
ワクシニアウイルスの構築は EMBO J.6, 3379-3384 (19
87) にあるリン酸カルシウム法によるDNA 沈殿をワクシ
ニアウイルス感染細胞にトランスフェクトすることによ
り得られる。P.Guo ら(J. Virol. 63: 4189〜4198(198
9))のエレクトロポレーションを用いる方法からも得ら
れる。後者の方法により組み換えウイルスを作製したの
で具体的に操作手順について以下に述べる。
【0034】ワクシニアウイルスLister株をm.o.i.(mu
ltiplicity of infection )10でウサギ腎細胞RK13
細胞(ATCC CCL 37 ) 1×107 細胞に感染させ、37
℃、5%CO2 にて1時間保温後、PBS(−)にて洗
浄したのち、トリプシン−EDTA(GIBCO 社製)にて細胞
を培養ボトルからはがし、800rpm 、5分間の遠心操
作により、細胞を回収した。細胞は20mlの 1×HeBS
(20mM Hepes pH 7.05, 137mM NaCl, 5mM KCl, 0,7mM
Na2 HPO4 , 6mM デキストロース)に懸濁後、同じ遠心
操作により細胞を回収した。沈殿となっている細胞を1m
l の 1×HeBSに懸濁し、そのうち0.7mlを0.4mm 幅の
Genepulser キュベット(Bio Rad 社製)に移した。あ
らかじめ25μgのDNA を制限酵素 ScaI 100 ユニット
を含む反応液H200μlにて4時間37℃でインキュ
ベートして直鎖状にした。フェノール/クロロホルム抽
出後、エタノール沈殿により回収した直鎖状DNA はTE
(10mM Tris-HCl pH8.0, 1mM EDTA )0.1 mlに溶解し、
細胞懸濁液が入った上記Genepulserキュベットに加え
た。氷中10分間放置したのち、 Bio Rad Genepulser
により200V、960μFのパルスを加えた。再び氷
中にて10分間放置後、 4×106 のRK1 3細胞に感染
させ、感染24時間後に細胞を回収し、志田らの方法
(EMBO J. 6, 3379-3384(1987))により血球凝集能が消
失した組み換えワクシニアウイルスを分離した。得られ
た組み換えワクシニアウイルスは pJ11 ΔUTR から得た
ウイルスを LO-J11 ΔUTR, pVR-T7-1 から得たウイルス
を LO-T7-1と名付けた。
【0035】実施例3 E2/NS1蛋白質(J11 蛋白
質)の精製 E2/NS1蛋白質として LO-J11 ΔUTR, LO-T7-1 を
重感染した細胞において発現される蛋白質(以下J11 蛋
白質と呼ぶ)を培養上清から回収する方法について述べ
る。
【0036】組み換えワクシニアウイルス LO-J11 ΔUT
R はT7 プロモーターの発現制御のもとにE2/NS1
遺伝子を発現することができるウイルスであるので、T
7 RNA ポリメラーゼを発現する組み換えワクシニアウイ
ルス LO-T7-1 と重感染させることによりE2/NS1
遺伝子の発現が得られる。
【0037】ここでは、HeLa-S3 細胞からのJ11 蛋白質
の回収、精製方法について述べる(図3参照)。J11 蛋
白質は、HeLa-S3(ATCC CCL 2.2) に重感染することによ
り感染後24時間から48時間において培養上清中に分
泌される。ヌンク175cm2ボトル5本にHeLa-S3 細胞
をコンフルエントになるように培養し、培養液(Opti-M
EM(GIBCO 社製)/3% NBS)を除いた後、各ウイルスの
感染 m.o.i. が10になるように、つまり1細胞あたり
LO-T7-1 と LO-J11 ΔUTR のそれぞれ10ウイルス粒子
が感染するように調製したウイルス液(Opti-MEM)2ml
をそれぞれの培養ボトルに加え、37℃、5% CO2
1時保温した。1時間後、 Opti-MEM を18ml各ボトル
に加え、さらに感染48時間後まで保温した。感染細胞
は培養液とともに400 mlの遠沈ボトルに移し、 4000 rp
m 10分間の遠心操作の後、上清をファルコン 200mlチュ
ーブに移した。上清には飽和硫安濃度が40%となるよ
うに硫安(NH4 2 SO4 を加え、4℃にて1晩放置し
た。5000rpm 30分間の遠心操作から得られた上清にさ
らに硫安を加えて飽和硫安濃度が60%になるようにし
て1晩4℃にて放置した。再び同様の遠心操作により得
られた沈殿物よりJ11蛋白質の精製を行った。濃縮され
た沈殿物は、NP40溶解バッファー(0.5% Nonidet P-40,
20mM Tris-HCl(pH 8.0), 150mM NaCl, 1mM PMSF)に溶
解した後、脱塩するために透析を行った。脱塩したNS
1 蛋白質を含む画分は、次に糖蛋白質の濃縮の際に常用
されるレンチル−レクチン Sepharose 4B カラム(Pharm
acia) にかけた。10% メチル−α−D−マンノピラノシ
ドを含む NP40 溶解バッファーにより溶出を行った。さ
らに、抗NS1 抗体(E2-917 )を用いたアフィニティ
カラムにかけ、図4に示すようにJ11 蛋白質をかなり純
度の高いものとして1.25×108 の細胞培養上清あたりピ
アス社のBCA 蛋白質アッセイキットを用いて蛋白量を定
量したところ約120μgのJ11 蛋白質(アミノ酸配
列:配列番号1の21〜298、分子量:約40,000〜5
5,000)を精製することができた。
【0038】実施例4 1種類ワクシニアウイルス作製
用発現ベクターの構築 プラスミド pSF2 B38-16(本出願人による特願平5−8
424号(平成5年1月21日出願))DNA3μgを
制限酵素SmaI 10ユニットを含む反応液S(10mM T
ris-HCl (pH7.5), 7mM MgCl2 , 20mM KCl, 7mM 2−メ
ルカプトエタノール,100μg/ml BSA)にて
37℃6時間インキュベートした後、フェノール/クロ
ロホルム抽出後エタノール沈殿により精製した。C型肝
炎ウイルスのNS1遺伝子領域を含む特願平4−881
40号(平成4年3月12日出願)記載のCP−4(微
工研菌寄第12786号(平成4年2月24日付寄
託))5μgから NcoI-SacI断片を切り出すために制限
酵素SacI 20 ユニットとともに反応液L(10mM Tris-HC
l(pH7.5), 10mM MgCl2 , 1mM ジチオスレイトール)に
て37℃2時間インキュベートした後、塩濃度が100
mMとなるように5MNaClを添加し、さらに制限酵
素NcoIを20ユニット反応液に加えて、37℃4時間
消化した。フェノール/クロロホルム抽出後、DNAブ
ランティングキット(宝酒造(株)製)を用いてマニュ
アルに従い、DNA断片を平滑末滑化した。得られたプ
ラスミド pSF2 B38-16-J11をE2/NS1遺伝子領域発
現ベクターとして用いた。
【0039】組換えウイルスの作製、J11蛋白質の精
製については、2種類の組換えウイルスにおける方法
(それぞれ実施例2及び3参照)に準じて行ない組み換
えワクシニアウイルスLO−SF2 B38−J11を作
製し、同様の結果を得た。動物細胞へはこのウイルスの
みをmoi 10で感染することで発現産物を得た。
【0040】実施例5 酵素抗体法による非A非B型慢
性肝炎患者血清中の抗体の検出 精製した抗原を2μg/mlの濃度になるように0.1M燐
酸緩衝液(pH7.5)で希釈した。希釈した抗原をヌ
ンク社のマルチモジュールプレートにウェルあたり 100
μl のせ、室温に2時間静置した。抗原希釈液を除いた
後、ウェルあたり100 μl のブロッキング液( 0.5%カ
ゼイン、150mM NaCl, 2.5mM EDTA, 0.1M燐酸緩衝液(pH
7.0))を加え室温に2時間静置した。ウェルを 0.1% Tw
een 20を含むPBSで洗浄した後、検体希釈液( 0.5%
カゼイン、0.5M NaCl, 2.5mM EDTA, 0.1M 燐酸緩衝液(p
H 7.0))によって11倍に希釈した非A非B型慢性肝炎
患者血清100 μl を加え、45分静置した。ウェルを
0.1% Tween 20を含むPBSで洗浄した後、100 μl の
ホースラディッシュパーオキシダーゼによって標識され
た抗ヒトIgG 抗体を加え、45分静置した。ウェルを
0.1% Tween 20を含むPBSで洗浄した後、常法に従
い、発色法により酵素活性を計測した。その結果を表1
にまとめて示す。17例の非A非B慢性肝炎患者血清
中、13例の患者血清においてJ11蛋白質と反応する
抗体を検出することができた。
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】本発明により、C型肝炎ウイルスの構造
蛋白質と考えられる天然E2/NS1蛋白質に対する抗
体との間で良好な免疫学的反応性を示す蛋白質、好まし
くは糖蛋白質を効率よく産生することが可能である。得
られる蛋白質は組換えワクシニアウイルスを感染させる
培養細胞の種類によってそれぞれ異なる糖鎖が付与され
た蛋白質として得ることができる。得られた糖蛋白質
は、HCV関連抗体の診断薬の抗原として有用である。
例えば、酵素抗体法を用いて患者血清と反応させ、C型
肝炎ウイルス感染の診断を行なうことができる。
【0043】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ : 298 配列の型 : アミノ酸 トポロジー : 直鎖状 配列の種類 : タンパク質 起源 生物名 : C型肝炎ウイルス 配列の特徴 特徴を表す記号 : sig peptide 存在位置 : 1 … 20 特徴を決定した方法 : S 配 列 Met Val Gly Asn Trp Ala Lys Val Leu Ile Val Met Leu Leu Phe Ala 1 5 10 15 Gly Val Asp Gly Gly Thr His Val Ser Gly Gly Ser Ala Ala Gln Thr 20 25 30 Thr Ser Gly Leu Ala Ser Leu Phe Thr Ser Gly Ser Ala Gln Asn Ile 35 40 45 Gln Leu Val Asn Thr Asn Gly Ser Trp His Ile Asn Arg Thr Ala Leu 50 55 60 Asn Cys Asn Asp Ser Leu Lys Thr Gly Phe Leu Ala Ala Leu Phe Tyr 65 70 75 80 Thr Arg Lys Phe Asn Ser Ser Gly Cys Pro Glu Arg Met Ala Ser Cys 85 90 95 Arg Pro Ile Asp Lys Phe Ala Gln Gly Trp Gly Pro Ile Thr His Val 100 105 110 Glu Pro His Ile Ser Asp Gln Arg Pro Tyr Cys Trp His Tyr Ala Pro 115 120 125 Arg Pro Cys Gly Ile Val Pro Ala Ser Gln Val Cys Gly Pro Val Tyr 130 135 140 Cys Phe Thr Pro Ser Pro Val Val Val Gly Thr Thr Asp Arg Phe Gly 145 150 155 160 Val Pro Thr Tyr Lys Trp Gly Glu Asn Glu Thr Asp Val Leu Leu Leu 165 170 175 Asn Asn Thr Arg Pro Pro Gln Gly Asn Trp Phe Ser Cys Thr Trp Met 180 185 190 Asn Ser Thr Gly Phe Thr Arg Thr Cys Gly Gly Pro Pro Cys Asn Ile 195 200 205 Gly Gly Thr Gly Asn Asp Thr Leu Thr Cys Pro Thr Asp Cys Phe Arg 210 215 220 Lys His Pro Glu Ala Thr Tyr Ala Lys Cys Gly Ser Gly Pro Trp Leu 225 230 235 240 Thr Pro Arg Cys Leu Val Asp Tyr Pro Tyr Arg Leu Trp His Cys Pro 245 250 255 Cys Thr Val Asn Phe Thr Ile Phe Lys Val Arg Met Tyr Val Gly Gly 260 265 270 Val Glu His Arg Leu Asp Ala Ala Cys Asn Trp Thr Arg Gly Glu Arg 275 280 285 Cys Asp Leu Glu Asp Arg Asp Arg Ser Glu 290 295
【図面の簡単な説明】
【図1】E2/NS1遺伝子発現ベクターを作製するた
めの、ワクシニアウイルスHA遺伝子とT7プロモータ
ーを配置したプラスミドpHA−T7構築方法を示す図
である。
【図2】HCVゲノムと組み換えワクシニアウイルス発
現遺伝子領域を示す図である。
【図3】J11蛋白質の精製工程を示す図である。
【図4】図3に示すJ11蛋白質の各精製工程で得られ
るサンプルのSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動写
真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 15/09 //(C12P 21/02 C12R 1:91) (C12N 15/09 C12R 1:91) C12R 1:91)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然のC型肝炎ウイルス(HCV)E2
    /NS1蛋白質に対する抗体と免疫学的に反応すること
    ができる精製組み換えHCV E2/NS1蛋白質の製
    造方法であって、 HCV E2/NS1蛋白質をコードする遺伝子をワク
    シニアウイルスプロモーターの制御下に配置して含む組
    み換えワクシニアウイルスを作製し、 該組み換えワクシニアウイルスで動物細胞を感染させ、 得られた感染細胞を適当な条件下で培養し、この間に該
    細胞内のワクシニアウイルス由来のRNAポリメラーゼ
    を利用して該遺伝子を発現し、 分泌された組み換えHCV E2/NS1蛋白質を回収
    し、これを精製することを包含する前記方法。
  2. 【請求項2】 前記HCV E2/NS1蛋白質をコー
    ドする遺伝子が配列番号:1に示される全アミノ酸配列
    又はその部分配列をコードするヌクレオチド配列から構
    成される、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 天然のHCV E2/NS1蛋白質に対
    する抗体と免疫学的に反応することができる精製組み換
    えHCV E2/NS1蛋白質の製造方法であって、 HCV E2/NS1蛋白質をコードする遺伝子をT7
    プロモーターの制御下に配置して、この遺伝子がT7R
    NAポリメラーゼの存在時のみ発現できるようにした第
    1の組み換えワクシニアウイルスを作製し、 さらに、T7RNAポリメラーゼ遺伝子をワクシニアウ
    イルスプロモーターの制御下に配置して、T7RNAポ
    リメラーゼを発現することができるようにした第2の組
    み換えワクシニアウイルスを作製し、 該第1及び第2の組み換えワクシニアウイルスで動物細
    胞を重感染させ、 得られた感染細胞を適当な条件下で培養してHCV E
    2/NS1蛋白質をコードする遺伝子を発現し、 分泌された組み換えHCV E2/NS1蛋白質を回収
    し、これを精製することを包含する前記方法。
  4. 【請求項4】 前記HCV E2/NS1蛋白質をコー
    ドする遺伝子が配列番号:1に示される全アミノ酸配列
    又はその部分配列をコードするヌクレオチド配列から構
    成される、請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一項に記載の方
    法によって製造された、天然のHCV E2/NS1抗
    体と免疫学的に反応することができる精製組み換えHC
    V E2/NS1蛋白質。
  6. 【請求項6】 配列番号:1に示されるアミノ酸番号2
    1〜298のアミノ酸配列を有しかつ分子量約40,0
    00〜約55,000ダルトンの糖蛋白質である、請求
    項5記載の精製組み換えHCV E2/NS1蛋白質。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の方法で使用し得る組み換
    えワクシニアウイルスLO−SF2 B38−J11。
  8. 【請求項8】 請求項3記載の方法で使用し得る組み換
    えワクシニアウイルスLO−J11ΔUTR。
  9. 【請求項9】 請求項3記載の方法で使用し得る組み換
    えワクシニアウイルスLO−T7−1。
JP5296065A 1993-11-01 1993-11-01 精製組み換えhcv e2/ns1蛋白質およびその製法 Pending JPH07123996A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5296065A JPH07123996A (ja) 1993-11-01 1993-11-01 精製組み換えhcv e2/ns1蛋白質およびその製法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5296065A JPH07123996A (ja) 1993-11-01 1993-11-01 精製組み換えhcv e2/ns1蛋白質およびその製法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07123996A true JPH07123996A (ja) 1995-05-16

Family

ID=17828657

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5296065A Pending JPH07123996A (ja) 1993-11-01 1993-11-01 精製組み換えhcv e2/ns1蛋白質およびその製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07123996A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Fischer et al. The internal open reading frame within the nucleocapsid gene of mouse hepatitis virus encodes a structural protein that is not essential for viral replication
Kuo et al. Retargeting of coronavirus by substitution of the spike glycoprotein ectodomain: crossing the host cell species barrier
Watanabe et al. Mechanism for inhibition of influenza virus RNA polymerase activity by matrix protein
Surjit et al. The ORF2 protein of hepatitis E virus binds the 5′ region of viral RNA
AU2005275713B2 (en) Modified human hepatitis C virus genomic RNA having autonomous replicative competence
Hsu et al. Characterization of hepatitis C virus structural proteins with a recombinant baculovirus expression system
NL9002779A (nl) Viraal middel.
Hsu et al. Varied assembly and RNA editing efficiencies between genotypes I and II hepatitis D virus and their implications
Hirowatari et al. Two proteinase activities in HCV polypeptide expressed in insect cells using baculovirus vector
Forsell et al. Structure-function relation of the NH2-terminal domain of the Semliki Forest virus capsid protein
Martin et al. Identification and analysis of three myristylated vaccinia virus late proteins
Lee et al. Large hepatitis delta antigen in packaging and replication inhibition: role of the carboxyl-terminal 19 amino acids and amino-terminal sequences
Acosta-Rivero et al. Characterization of the HCV core virus-like particles produced in the methylotrophic yeast Pichia pastoris
Chang et al. Functional domains of delta antigens and viral RNA required for RNA packaging of hepatitis delta virus
Bisht et al. Expression and purification of dengue virus type 2 envelope protein as a fusion with hepatitis B surface antigen in Pichia pastoris
JP3184906B2 (ja) 改善されたhcv診断試薬
JPH05344899A (ja) C型肝炎ウイルス外被タンパク質の産生法
Acosta-Rivero et al. In vitro self-assembled HCV core virus-like particles induce a strong antibody immune response in sheep
CA2070952A1 (en) Gene of hepatitis c virus or fragment thereof, polypeptide encoded by the same
US7838002B2 (en) HCV core+1 protein, methods for diagnosis of HCV infections, prophylaxis, and for screening of anti-HCV agents
Ito et al. Rabies virus M protein expressed in Escherichia coli and its regulatory role in virion-associated transcriptase activity
JPH07123996A (ja) 精製組み換えhcv e2/ns1蛋白質およびその製法
US6960659B1 (en) Mosaic protein and restriction endonuclease assisted ligation method for making the same
JP3472319B2 (ja) 非a非b型肝炎ウイルス抗原のアミノ酸配列を含む組換えポリペプチド及び該ポリペプチドを用いた非a非b型肝炎ウイルス抗体の検出方法
JP4815091B2 (ja) 遺伝子送達のための改変ノダウイルスrna