JPH07118479A - 塩化ビニル系樹脂組成物、これを用いた枠体付きガラス板およびその製造方法 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂組成物、これを用いた枠体付きガラス板およびその製造方法

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JPH07118479A
JPH07118479A JP26717093A JP26717093A JPH07118479A JP H07118479 A JPH07118479 A JP H07118479A JP 26717093 A JP26717093 A JP 26717093A JP 26717093 A JP26717093 A JP 26717093A JP H07118479 A JPH07118479 A JP H07118479A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】本発明は射出成形時の樹脂材料の流動性に優
れ、かつ表面外観を損なわず、ヒケの発生を抑えること
のできる塩化ビニル系樹脂組成物、これを用いた枠体付
きガラス板およびこの製造方法を提供する。 【構成】この塩化ビニル系樹脂組成物は塩化ビニル系樹
脂 100重量部に対し、粒径が10〜50μm のシリコーンゴ
ム粒子 0.5〜10重量部を配合してなるもので、これを用
いた枠体付きガラス板は、ガラス板の周縁部を金型で囲
み、ガラス板の周縁部と金型の内壁とによって形成され
るキャビティ内に、上記塩化ビニル系樹脂組成物を注入
して、ガラス板の周縁部に塩化ビニル系樹脂製枠体を一
体成形することにより得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両の窓等に用いられる
塩化ビニル系樹脂製枠体付きガラス板、その製造方法、
およびこれを得るための塩化ビニル系樹脂組成物に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車のリア、フロント、クォ
ーターウィンド等の窓材に使用される枠体としてはゴ
ム、塩化ビニル系樹脂が用いられている。従来、これら
の窓材はガラス板をシール材を介して車体に嵌め込んだ
後、枠体を取り付ける方式によって車体に装着されてい
た。しかし、この方法では手作業が主体の上、工数も多
く経済的でなかった。この問題の解決のために、例え
ば、特開昭56-99817号、同62-68992号、特開平2-60722
号各公報等に記載されている、ガラス・塩化ビニル樹脂
一体成形方式(これを一般にモジュールアッシーウィン
ド方式と呼んでいる)が提案された。この成形法はガラ
ス板を射出成形機の金型に密着し、ガラス板の周縁部と
金型の内壁によって形成されたキャビティ内に、塩化ビ
ニル系樹脂組成物を射出・固化するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、射出成形に
用いられる塩化ビニル系樹脂としては、一般に重合度 8
00〜1300の塩化ビニル単独重合体に可塑剤を添加したも
のが使用されている。しかし、この樹脂は射出成形時の
流動性が悪いため、ガラス板周縁部を塩化ビニル樹脂で
完全に覆うには射出圧や型締め圧を高くしなければなら
ず、その結果、ガラス板が強い圧力で押されることから
破損し易くなるほか、流動長が短いためにゲート数を多
くしなければならず、ウェルドが多くなって外観を損ね
る欠点があった。そこで、この流動性を向上させるため
に、重合度 500〜 800の低重合度の塩化ビニル系樹脂を
用いる方法や、特開平4-68004号公報に記載されている
塩化ビニル単量体と炭素数2〜30のα−オレフィン系単
量体との共重合体を使用する方法等が試みられたが、こ
れらの方法では流動性は向上するものの、ヒケが発生し
たり、表面性、シール性が悪いなどの問題があった。他
方、ヒケの発生を防ぐために、無機充填剤の多量添加や
発泡剤の添加などの方法が採られたが、前者は効果が小
さい割りに流動性が悪くなってしまい、ガラス板の破損
を起こしたり機械的強度の低下のために安全上の問題を
起こし、後者は効果は認められるものの、射出成形が安
定せずフラッシュなどの外観不良が発生し歩留を低下さ
せるなどの欠点があった。したがって、本発明の目的は
射出成形時の樹脂材料の流動性に優れ、かつ表面外観を
損なわず、ヒケの発生を抑えることのできる塩化ビニル
系樹脂組成物、これを用いた枠体付きガラス板およびこ
の製造方法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、1)少なくと
も塩化ビニル系樹脂と粒径が10〜50μm のシリコーンゴ
ム粒子とが配合された塩化ビニル系樹脂組成物であっ
て、塩化ビニル系樹脂 100重量部に対し、シリコーンゴ
ム粒子が 0.5〜10重量部であることを特徴とする枠体付
きガラス板用塩化ビニル系樹脂組成物、2)ガラス板の
周縁部に塩化ビニル系樹脂枠体を一体に成形してなる枠
体付きガラス板であって、前記塩化ビニル系樹脂枠体
は、少なくとも塩化ビニル系樹脂と粒径が10〜50μm の
シリコーンゴム粒子とが配合されていて、塩化ビニル系
樹脂 100重量部に対してシリコーンゴム粒子が 0.5〜10
重量部である塩化ビニル系樹脂組成物を材料とすること
を特徴とする枠体付きガラス板、および3)ガラス板の
周縁部を金型で挟持してガラス板を金型に装着し、ガラ
ス板の周縁部と金型の内壁とによって形成されるキャビ
ティ空間内に塩化ビニル系樹脂材料を射出して、ガラス
板の周縁部に塩化ビニル系樹脂枠体を成形する枠体付き
ガラス板の製造方法において、前記塩化ビニル系樹脂材
料は、少なくとも塩化ビニル系樹脂と粒径が10〜50μm
のシリコーンゴム粒子とが配合された塩化ビニル系樹脂
組成物からなり、塩化ビニル系樹脂 100重量部に対し、
シリコーンゴム粒子が 0.5〜10重量部であることを特徴
とする枠体付きガラス板の製造方法に係るものである。
【0005】以下、本発明を、その第1の発明である枠
体付きガラス板用塩化ビニル系樹脂組成物より詳細に説
明する。この塩化ビニル系樹脂組成物において、第1成
分として用いられる塩化ビニル系樹脂には、塩化ビニル
ホモポリマー、それぞれ塩化ビニルを50重量%以上含有
する、これと共重合可能なビニル系単量体との共重合
体、塩化ビニルと各種重合体またはポリ塩化ビニルとビ
ニル系単量体とのグラフト重合体、後塩素化塩化ビニル
重合体およびこれらの混合物が包含され、これらは塊状
重合、懸濁重合、乳化重合、溶液重合などのいずれの方
法によって製造されたものも含まれる。この共重合また
はグラフト重合に用いられるビニル系単量体としては、
エチレン、プロピレン、ブチレンなどのα−オレフィン
類;塩化ビニリデン、フッ化ビニル等の塩化ビニルを除
くハロゲン化オレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニルなどのビニルエステル類;ブチルビニルエーテ
ル、セチルビニルエーテルなどのアルキルビニルエーテ
ル類;アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ルなどのアクリル酸またはそのエステル類;メタクリル
酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸フェニルなどのメタクリル酸またはそのエステル
類;マレイン酸またはそのエステル類;スチレン、α−
メチルスチレンなどの芳香族ビニル類;無水マレイン
酸、アクリロニトリルなどのアクリル系誘導体;N−フ
ェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなど
のN−置換マレイミド類が挙げられ、これらは単独また
は2種以上の組合せで用いられる。
【0006】また塩化ビニルとグラフト重合し得る重合
体としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン
−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体、エチレン−アクリ
ル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル−一
酸化炭素共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重
合体、エチレン−プロピレン共重合体、アクリロニトリ
ル−ブタジエン共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化
ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリブタジエン−スチ
レン−メチルメタクリレート、ポリブタジエン−アクリ
ロニトリル−(α−メチル)スチレン、ポリブチルアク
リレート、ブチルゴム、ポリスチレン、スチレン−ブタ
ジエン共重合体、架橋アクリルゴム等が例示され、これ
らは単独または2種以上の組合せで用いられる。上記共
重合体の構成は上述の通りであるが、共重合体中の塩化
ビニル以外の構成の単位の含有量は多くなると最終的に
得られる成形体の機械物性が低下するので40重量%以下
が好ましい。上記塩化ビニル系樹脂の平均重合度は、小
さくなると最終的に得られる成形体の機械的物性が低下
し、大きくなると射出成形時の塩化ビニル系樹脂組成物
の流動性が低下するので 500〜 800が好ましい。
【0007】一方、第2成分として用いられるシリコー
ンゴム粒子は、通常粒子径の測定に用いられる篩分け
法、光学顕微鏡法、液相沈降法、透過法などにより、粒
径が10μm 未満では二次凝集を起こして分散性が低下
し、50μm を超えるとフラッシュ状の表面不良が発生す
るので、粒径が10〜50μm の範囲のものが必要である。
粒子の形状は真球状でも不定形でも差し支えないが、効
果の安定性の点から真球状の方が好ましい。また、この
シリコーンゴム粒子は、エポキシ基やアミノ基やビニル
基などの官能基の導入されたシリコーンゴムからなるも
のでもよい。本発明の塩化ビニル系樹脂組成物における
シリコーンゴム粒子の配合量は、少な過ぎるとヒケ防止
効果が得られず、多過ぎるとフラッシュ状の表面不良や
機械的物性の低下が起こるため、上記塩化ビニル系樹脂
100重量部に対して 0.5〜10重量部であることが必要で
ある。
【0008】本発明の塩化ビニル系樹脂組成物には必要
に応じて上記塩化ビニル系樹脂と相溶性のある可塑剤を
配合することができる。この可塑剤には、例えばフタル
酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ−2−エチ
ルヘキシル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジイ
ソデシルなどのフタル酸エステル類、アジピン酸ジブチ
ル、アジピン酸ジ−n−ヘキシルなどのアジピン酸エス
テル類、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−n−エチ
ルヘキシルなどのリン酸エステル類、トリメリット酸ト
リブチル、トリメリット酸トリ−2−n−エチルヘキシ
ルなどのトリメリット酸エステル類、塩素化パラフィ
ン、ポリエステル系可塑剤などが挙げられ、これらは単
独または2種以上の組み合わせで使用される。塩化ビニ
ル系樹脂組成物中の可塑剤の含有量が少な過ぎると流動
性が低下し、多くなると成形体表面にタック性が現れる
ので、可塑剤の添加量は上記塩化ビニル系樹脂 100重量
部に対し、20〜 150重量部が好ましい。
【0009】本発明の塩化ビニル系樹脂組成物には、さ
らに必要に応じてブチル錫マレート、オクチル錫マレー
ト等の錫系安定剤、ステアリン酸カルシウム、ステアリ
ン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛等の有機金属塩系安定
剤、金属石鹸系安定剤、エポキシ化大豆油、エポキシ化
アマニ油等の有機エポキシ化合物安定剤等の熱安定剤;
ポリエチレンワックス、パラフィンワックス等の脂肪族
炭化水素系滑剤、ステアリルアルコールなどの高級脂肪
族アルコール系滑剤、脂肪酸アミド系滑剤、脂肪酸エス
テル系滑剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ハロゲン
系難燃剤、リン系難燃剤等の難燃剤;炭酸カルシウム、
クレー、マイカ等の充填剤、酸化チタン、カーボンブラ
ック等の顔料等を添加してもよい。これらの各種成分を
配合して得られた本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、
スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ブレンダー等
の混合機に供給し、90℃まで昇温しながら撹拌した後、
冷却し、40℃以下まで冷却して取り出す。得られた配合
物は、バレルからダイスにかけて 110〜 150℃に加熱・
設定した単軸または二軸押出機に供給して溶融混練し、
ホットカットにてカッティングしてペレット状の塩化ビ
ニル系樹脂材料とする。また、好ましい押出機は単軸押
出機である。
【0010】つぎに、この樹脂材料を用いて枠体付きガ
ラス板とする方法の一例を示した図1にしたがって説明
する。ガラス板1の周縁部を金型2の下型22上に装着
し、上型21によってガラス板1を挟持し、金型2の内壁
とガラス板1の周縁部によってキャビティ10を形成す
る。ついで金型2のスプール23からキャビティ10内に、
射出温度 160〜 220℃とするのが好ましく、上記樹脂材
料をガラス板が割れない程度の圧力、好ましくは50〜30
0kgf/cm2で射出して固化させた後、ガラス板1を金型2
から取り出すと、本発明による図2に示す枠体付きガラ
ス板が得られる。
【0011】ここで用いられる枠体とは、板状体のまわ
りに形成されるガスケット、モールディング、ウェザー
ストリップあるいはシールゴム等を総称したものであ
り、その位置も板状体の全周に設けたもの、周囲に断続
的に設けたもの、一辺または数辺に設けたものなどのい
ずれでもよい。他方、ガラス板としては、形状的には平
板状または湾曲状のもの、構成的には普通単板ガラス、
強化ガラス、複層ガラス、合わせガラス、金属線入りガ
ラスなど、材質的には無機ガラスのほか、ポリカーボネ
ート類、ポリスチレン類、ポリメチルメタクリレート類
等のいわゆる有機透明樹脂ガラス、これらの単独または
2種以上の積層物等を用いることができる。また、これ
らのガラス板と上記枠体との接着性を向上させるため
に、あらかじめガラス板の周縁部に、ウレタン系、アミ
ド系、アクリル系、フェノール系、ポリエステル系、シ
ラン系等の接着剤によりプライマー処理を施しておくの
が好ましい。
【0012】
【実施例】以下、本発明の具体的態様を実施例および比
較例により説明するが、本発明はこれに限定されるもの
ではない。なお、各例中の「部」はすべて「重量部」を
意味する。 実施例1 重合度 700、エチレン量2%のエチレン−塩化ビニル共
重合体 100部、粒径10〜20μm のシリコーンゴム粒子1
部、重質炭酸カルシウム10部、フタル酸ジ−2−エチル
ヘキシル(表中DOPとする)65部、エポキシ化大豆油
3部およびバリウム−亜鉛系安定剤3部を、ヘンシェル
ミキサーに供給し、90℃まで昇温しながら撹拌した後、
冷却し、40℃以下まで冷却して配合物を取り出した。得
られた配合物をバレルからダイスにかけて 110〜 150℃
に設定した単軸押出機に供給して溶融混練し、ホットカ
ットにてカッティングしてペレット状の塩化ビニル系樹
脂組成物を得た。一方、自動車のサイドウィンド用ガラ
ス板1を図1に示すように金型2に装着し、ガラス板1
の周縁部を金型2の内壁によってキャビティ10を形成し
た後、上記塩化ビニル系樹脂組成物を射出温度 190℃に
てキャビティ10内にガラス板が割れない程度の圧力であ
る150kgf/cm2で射出して固化させ、枠体付きガラス板を
得た。得られた枠体付きガラス板の枠体の外観について
検査を行った結果、ヒケ性、表面性共に問題なく、良好
な外観であった。
【0013】実施例2 実施例1において粒径10〜20μm のシリコーンゴム粒子
の添加量を5部としたほかは同様にして塩化ビニル系樹
脂組成物を調製し、これを用いて同様にガラス板の周縁
部に射出成形して枠体付きガラス板を得た。得られた枠
体付きガラス板の枠体の外観はヒケ性、表面性共に良好
であった。
【0014】実施例3 実施例1において粒径10〜20μm のシリコーンゴム粒子
の添加量を10部としたほかは同様にして塩化ビニル系樹
脂組成物を調製し、これを用いて同様にガラス板の周縁
部に射出成形して枠体付きガラス板を得た。得られた枠
体付きガラス板の枠体の外観はヒケ性、表面性共に良好
であった。
【0015】比較例1 実施例1において粒径10〜20μm のシリコーンゴム粒子
を加えなかったほかは同様にして塩化ビニル系樹脂組成
物を調製し、これを用いて同様にガラス板の周縁部に射
出成形して枠体付きガラス板を得た。得られた枠体付き
ガラス板の枠体の外観は表面性は良好であったが、枠体
にはヒケが発生していた。
【0016】比較例2 実施例1において粒径10〜20μm のシリコーンゴム粒子
の添加量を 0.5部としたほかは同様にして塩化ビニル系
樹脂組成物を調製し、これを用いて同様にガラス板の周
縁部に射出成形して枠体付きガラス板を得た。得られた
枠体付きガラス板の枠体の外観は表面性は良好であった
が、枠体にはヒケが発生していた。
【0017】比較例3 実施例1において粒径10〜20μm のシリコーンゴム粒子
の添加量を20部としたほかは同様にして塩化ビニル系樹
脂組成物を調製し、これを用いて同様にガラス板の周縁
部に射出成形して枠体付きガラス板を得た。得られた枠
体付きガラス板の枠体の外観はヒケの発生はなかったが
表面性は良好でなかった。
【0018】比較例4 実施例1においてシリコーンゴム粒子を粒径5μm 、添
加量5部としたほかは同様にして塩化ビニル系樹脂組成
物を調製し、これを用いて同様にガラス板の周縁部に射
出成形して枠体付きガラス板を得た。得られた枠体付き
ガラス板の枠体の外観は表面性は良好であったが、枠体
にはヒケが発生していた。
【0019】比較例5 実施例1においてシリコーンゴム粒子を粒径 100〜 150
μm 、添加量5部としたほかは同様にして塩化ビニル系
樹脂組成物を調製し、これを用いて同様にガラス板の周
縁部に射出成形して枠体付きガラス板を得た。得られた
枠体付きガラス板の枠体の外観はヒケの発生はなかった
が表面性は良好でなかった。
【0020】以上の結果を表1に示した。なお、各例の
枠体の評価に当たっては、ガラス周縁部に成形された塩
化ビニル系樹脂製枠体を観察して、表面が平滑でヒケの
ない状態で存在するものを、ヒケ性に関して良好として
○をつけ、表面が波打ちヒケ状態で存在するものを、ヒ
ケ性に関して良好でないとして×をつけた。同様の観察
で、表面が平滑でフラッシュのない状態で存在するもの
を、表面性に関して良好として○をつけ、表面がフラッ
シュ状態で存在するものを、表面性に関して良好でない
として×をつけた。さらに、ヒケ性に関しては、PVT
テスター(東洋精機社製、商品名)を用いて、 180℃で
200kgf/cm2中での枠体の比容積を、70℃の大気中での枠
体の比容積と比較することによって、定量的な評価も行
った。
【0021】
【表1】
【0022】
【発明の効果】従来、枠体に厚肉部を形成する場合に、
樹脂材料をガラス板が割れないような圧力で射出成形す
ると、成形された枠体にはヒケが顕著に現れてしまい、
またヒケが現れないように圧力を高くすると、ガラス板
が割れてしまったが、本発明によればガラス板が割れな
い程度の圧力で射出成形した場合でも、成形された枠体
にヒケが発生せず外観の良好な枠体付きガラス板を得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による枠体付きガラス板の製造方法の一
例を示す断面説明図である。
【図2】本発明による枠体付きガラス板の一例を示す断
面説明図である。
【符号の説明】
1:ガラス板、 2:金型、 10:キャビテ
ィ、 21:上型、22:下型、 23:スプル
ー、 30:枠体。
フロントページの続き (72)発明者 玉井 宣行 愛知県知多郡武豊町字旭1番地 旭硝子株 式会社愛知工場内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも塩化ビニル系樹脂と粒径が10〜
    50μm のシリコーンゴム粒子とが配合された塩化ビニル
    系樹脂組成物であって、塩化ビニル系樹脂 100重量部に
    対し、シリコーンゴム粒子が 0.5〜10重量部であること
    を特徴とする枠体付きガラス板用塩化ビニル系樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】ガラス板の周縁部に塩化ビニル系樹脂枠体
    を一体に成形してなる枠体付きガラス板であって、前記
    塩化ビニル系樹脂枠体は、少なくとも塩化ビニル系樹脂
    と粒径が10〜50μm のシリコーンゴム粒子とが配合され
    ていて、塩化ビニル系樹脂 100重量部に対してシリコー
    ンゴム粒子が 0.5〜10重量部である塩化ビニル系樹脂組
    成物を材料とすることを特徴とする枠体付きガラス板。
  3. 【請求項3】ガラス板の周縁部を金型で挟持してガラス
    板を金型に装着し、ガラス板の周縁部と金型の内壁とに
    よって形成されるキャビティ空間内に塩化ビニル系樹脂
    材料を射出して、ガラス板の周縁部に塩化ビニル系樹脂
    枠体を成形する枠体付きガラス板の製造方法において、
    前記塩化ビニル系樹脂材料は、少なくとも塩化ビニル系
    樹脂と粒径が10〜50μm のシリコーンゴム粒子とが配合
    された塩化ビニル系樹脂組成物からなり、塩化ビニル系
    樹脂 100重量部に対し、シリコーンゴム粒子が 0.5〜10
    重量部であることを特徴とする枠体付きガラス板の製造
    方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012515101A (ja) * 2009-01-15 2012-07-05 ピルキントン グループ リミテッド 成形プロセスのための動的シール及びその使用方法
JP2016539026A (ja) * 2013-11-22 2016-12-15 サン−ゴバン グラス フランス 輸送手段用ガラス封止部材の形成方法、輸送手段の窓ガラス及び金型

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