JPH07116916B2 - 小口径管地中埋設機の掘削ヘッド - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は小口径管を地中へ埋設する小口径管地中埋設
機の掘削ヘッドに関する。

（従来の技術） 従来推進工法により地中へ小口径管を埋設する小口径管
地中埋設機は，第４図に示すように発進立坑ａに設置し
た推進機ｂによりまずパイロット管ｃを到達立坑ｄへ向
けて推進させた後，パイロット管ｃの後端に掘削ヘッド
ｅを介して小口径管ｆを接続し，掘削ヘッドｅにより掘
削しながら推進機ｂにより小口径管ｆに推進させて，小
口径管ｆの埋設を行っている。

また掘削ヘッドｅが掘削した土砂は、パイロット管ｃ内
に配設された給水管ｇの介して供給された水によりスラ
リー化して，到達立坑ｄ内に設置したサンドポンプｈに
より土砂タンクｉを経て地上に設置した土砂分離タンク
ｊへと汲み上げ，土砂分離タンクｊにより水と土砂を分
離した後，水ポンプｋにより水のみを再び掘削ヘッドｅ
へ供給して，掘削した土砂のスラリー化に供している。

上記のような小口径管地中埋設機では，埋設すべき小口
径管ｆの体積に応じて掘削した土砂を取込む必要があ
り、必要以上に土砂を取込むと，掘削ヘッドｅの上方に
空洞が生じて，掘削ヘッドｅを推進させる際掘削ヘッド
ｅがせり上り，計画線に沿って精度よく小口径管ｆか埋
設できなくなる。

特に滞水砂層帯での工事に際しては，水圧により自然に
掘削ヘッドｅ内へ土砂が流れ込むことから，土砂の取込
み過ぎによる埋設精度の低下が生じやすい。

このため従来ではスラリー流量計測装置ｌとサンドポン
プｈの間の制御弁ｍを設けて，この制御弁ｍを開閉する
ことにより，地山の水圧＝カッタヘッドの内圧＝スラリ
ー管抵抗＋制御弁抵抗−ノズル押圧となるように制御し
ていた。

なおノズル押圧は掘削ヘッドｅ内へ噴出される清水噴出
圧である。

（発明が解決しようとする問題点） しかし乍ら，従来の小口径管地中埋設機に用いられる掘
削ヘッドｅは，第５図及び第６図に示すように掘削ヘッ
ドｅの前面にカッタプレートｎを介してカッタｏを取付
けた構造を採用していた。

このためカッタｏの後方ｐにカッタｏの厚み分の空隙ｑ
が生じて，この空隙ｑより掘削ヘッドｅ内に土砂が流入
し，地山の水圧と掘削ヘッドｅの内圧がバランスするよ
う制御弁ｍを制御しても，空隙ｑより流入する土砂によ
って必要以上の土砂が掘削ヘッドｅ内に取込まれ，その
結果掘削ヘッドｅの上方に空洞が生じて，小口径管の埋
設精度を低下させる不具合があった。

（問題点を解決するための手段及び作用） この発明は上記不具合を改善する目的でなされたもの
で，埋設すべき小口径管の先端に取付けられて地中へ推
進される掘削ヘッドにより小口径管の前方を掘削すると
共に，掘削ヘッドで掘削された土砂をスラリー化して地
上へ排出する小口径管理設機において，上記掘削ヘッド
の前面に取付けられたカッタ後方に、カッタの厚みによ
り生じる空隙をなくすようにプレートを取付たことによ
り，掘削中上記空隙より土砂が流入するのを防止し，掘
削ヘッド内に必要以上の土砂が取込まれないようにした
小口径管地中埋設機の掘削ヘッドを提供しようとするも
のである。

（実施例） この発明の一実施例を図面を参照して詳述すると，図に
おいて１は発進立坑２内に設置された推進機で，地上に
設置された油圧ユニット３より制御ユニット４を介して
供給された油圧により，パイロット管５及び小口径管６
を地中へ推進させるようになっている。

小口径管６の埋節に当っては，まず上記推進機１により
パイロット管５を到達立坑７へ向けて推進させて，パイ
ロット管５の埋設を行い，パイロット管５の埋設後に，
パイロット管５の後端に掘削ヘッド８を介して小口径管
６を接続し，掘削ヘッド８により掘削しながら推進機１
により小口径管６を推進させて小口径管６の埋設を行う
ようになっている。

また到達立坑７側の地上には，土砂分離タンク装置10及
び水ポンプ11が設置されていて，土砂分離タンク装置10
内の水が水ポンプ11より給水管12を経て掘削ヘッド８内
へと供給されるようになっており，掘削ヘッド８により
掘削されて掘削ヘッド８内に取込まれた土砂は，水と混
合されてスラリー化された後，スラリー管13より到達立
坑７内に設置されたスラリー流量制御装置14を介して土
砂タンク15内へ流入され，さらにサンドポンプ16を介し
て上記土砂分離タンク装置10へ汲み上げられるようにな
っている。

なお図中17は流量自動計測装置を示す。

一方上記掘削ヘッド８は第２図及び第３図に示すように
本体8aの前部にカッタドラム8bを有していて，このカッ
タドラム8bの前面にカッタプレート20を介してカッタ21
が取付けられている。

上記カッタプレート20は環状をなしていて，上面に複数
のカッタ21が間隔的にボルトなどの固着具22により着脱
自在に取付けられていると共に，上記各カッタ21の取付
け部を除くカッタプレート20の上面（第３図斜線部分）
にはプレート23がボルト締めまたは溶接などの手段で固
着されている。

上記プレート23は地山を掘削する際カッタ21の後方に生
じる空隙をなくして土砂の流入を防止するためのもの
で，カッタ21よりやや薄い板体により構成されていて，
カッタ21の上面とプレート23の上面との間に段差ｈが形
成されるようになっている。

なおこの段差ｈはカッタドラム8bの１回転当りの掘削量
にカッタ21の摩耗量を加えた大きさに設定されている。

（発明の効果） この発明は以上詳述したように，埋設すべき小口径管６
の先端に取付けられて小口径管６前方の地山を掘削する
掘削ヘッド８の前面に，カッタ21の厚みによりカッタ21
の後方に生じる空隙をなくすようにプレート23を取付け
たことから，掘削中上記空隙より土砂が必要以上に流入
するのを防止することができる。

これによって土砂の取込み過ぎにより掘削ヘッド８の上
方に空洞が生じ，この空洞により掘削ヘッド８の推進時
掘削ヘッド８がせり上って小口径管の埋設精度が低下す
る不具合を解消することができる。

また掘削ヘッド８の前面にプレート23の取付けるだけで
よいことから容易かつ安価に実施することもできる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明の一実施例を示し，第１図は小口径管地
中埋設機の全体図，第２図は掘削ヘッドの拡大断面図，
第３図は同正面図，第４図ないし第６図は従来の説明図
である。 ６……小口径管,8……掘削ヘッド,21……カッタ,23……
プレート。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 馬場 博 埼玉県上尾市原市649−５ (56)参考文献 実開 昭60−165596（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】埋設すべき小口径管６の先端に取付けられ
   て地中へ推進される掘削ヘッド８により小口径管６の前
   方を掘削すると共に，掘削ヘッド８で掘削された土砂を
   スラリー化して地上へ排出する小口径管地中埋設機にお
   いて，上記掘削ヘッド８の前面に取付けられたカッタ21
   の後方に，カッタ21の厚みにより生じる空隙をなくすよ
   うにプレート23を取付けてなる小口径管地中埋設機の掘
   削ヘッド。