JPH07114004B2 - 磁気ヘッドコアおよびその製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 「技術分野」 本発明は、例えばVTRの消去ヘツドに用いられる磁気ヘ
ツドコアおよびその製造方法に関する。

「従来技術およびその問題点」 VTR、オーデイオ機器等の消去ヘツドに適用される磁気
ヘツドコアとして従来、第６図に示すような構造が知ら
れている。この磁気ヘツドコアは、フエライト等の酸化
物磁性体からなるフロントコア１とバツクコア２からな
り、フロントコア１には、コアブロツク3,4の間に挾着
したガラス等の非磁性材から磁気ギヤツプ５が形成され
ている。バツクコア２には、コイル６が巻かれている。

第７図はこの磁気ヘツドコアの従来の製造方法を示すも
ので、フロントコア１となる磁性体ブロツク1Aに対し、
ギヤツプ溝７と船型溝８を加工し、次にこれらの溝7,8
に非磁性材としてのガラス９を接触させ、熱処理により
ギヤツプ溝７内に溶融ガラス９を流し込んで、ギヤツプ
５を形成する。この磁性体ブロツク1Aは、磁気テープと
の摺接面の研摩加工を行い、バツクコア２と接合したの
ち、磁気コアブロツクの切出工程を経て、第６図のヘツ
ドコアを形成する。また、第８図は他の方法を示すもの
で、一対のコアブロック3,4及びガラス９を用意し、治
具によつてこれらをコアブロツク3,4及びガラス９を所
定間隔に配置した後、熱処理又は接着剤を用いて一体化
する。

「発明が解決しようとする課題」 しかしながら、このような従来技術の前者の方法におい
ては、ギヤツプ５となるギヤツプ溝７の加工を研摩加工
すなわち研削砥石で行うため、研削砥石の摩耗等によ
り、形成するギヤツプ幅Ｗが±10μｍ以上ばらつきが生
じると共に加工時に割れや段差が発生する。また、研削
砥石幅を薄くするにも限界があり、50μｍ以下のギヤツ
プ幅Ｗはギヤツプ溝７が蛇行したり、加工が困難となつ
ていた。更にガラス９を溶融するとき泡が介在してこれ
がそのまま残ることがあり、消去効率の信頼性が低下す
るなどの問題点がある。

また、後者の方法では、一体化工程時ギヤツプずれやコ
アずれが生じ易いので、寸法精度が低下してしまう。結
局、いずれの方法においても信頼性に欠けるという問題
がある。

本発明は、従来の磁気ヘツドコアおよびその製造方法に
ついての問題点を解決し、ギヤツプ部の気泡の発生を防
止しかつ、割れや段差が発生せず、しかも、50μｍ以下
の狭ギヤツプの磁気ヘツドコアを容易に得ることを目的
とする。

「問題点を解決するための手段」 上記の問題点を解決するため本発明では、フロントコア
を酸化物磁性体と金属磁性体との２層からなる一対のコ
アブロツクを構成するとともに、磁気ギヤツプを非磁性
シートで形成し、前記一対のコアブロックの金属磁性体
間に非磁性シートを挾み、コアブロックと非磁性シート
とを焼結したものである。また方法は酸化物磁性体に金
属磁性体を付着させたコアブロツクと非磁性シートとを
交互に配列し、所定の雰囲気中で熱加圧処理をしてコア
ブロツクと、非磁性シートとを一体化しフロントコアブ
ロツクを形成する工程と、フロントコアブロツクを上記
配列方向と直交する方向に切断して多数のフロントコア
ブロツクに分離する工程と、フロントコアブロツクに非
磁性シートを挾んで両金属磁性体にまたがる船型溝を形
成する工程と、フロントコアにバツクコアを接合する工
程とからなることを特徴とする。

「作用」 酸化物磁性体に金属磁性膜を付着したコアブロツクと非
磁性シートとを交互に配列し所定の雰囲気中で熱加圧処
理を行い一体化してフロントコアブロツクを形成し、こ
のフロントコアブロツクを切断加工を施すだけでフロン
トコアを製造できるので、ギヤツプ幅を精度良く形成で
き磁気ヘツドの信頼性を向上させることができる。

「実施例」 第１図ないし第５図は本発明の一実施例の磁気ヘツドコ
アの製造方法を示す斜視図である。以下工程順に説明す
る。

先ず第１図のように、Mn−Znから成る酸化物磁性体11に
Fe−Al−Si合金、パーマロイ、非昌質合金等の金属磁性
材料を蒸着、スパツタリングし、金属磁性体12を形成し
コアブロツク13を形成する。このコアブロツク13とステ
ンレスをシート状に形成した非磁性シート15とを交互に
配列し所定雰囲気中で1200℃〜1350℃の温度で焼成処理
して一体化しフロントコアブロツク14を形成する。尚、
コアブロツク13と非磁性シート15との焼成を行う場合、
コアブロツク13の接着面にあらかじめ低い温度で溶融す
るペースト状のガラス16を塗布して置く。その後、点線
Ｌのように配列方向に切断し、第２図のように多数のブ
ロツクを形成する。ここで、非磁性シート15の幅Ｗは磁
気ヘツドのギヤツプ５寸法に形成する。次に、第３図の
ようにブロツクに非磁性シート15を介して両金属磁性体
12,12にまたがるように船型溝17を形成し、続いて点線
Ｌのように配列方向及びギヤツプ５に平行方向Ｌに切断
する。これによつて第４図に示すにような個々のフロン
トコア18が多数形成される。

続いて第５図のようにフロントコア18に対してバツクコ
ア19を接合することにより、磁気ヘツドコア20が得られ
る。このような製造方法によれば、予め酸化物磁性体11
に金属磁性体12を設けたコアブロツク13と非磁性シート
15とが一体化されたフロントコアブロツク14を形成し、
このフロントコアブロツク14に対して例えば３回の切断
加工を施すだけでフロントコア18を形成することがで
き、製造工程数を減らしてコストダウンを図ることがで
きる。

また、従来のようにガラスを溶着する工程は不要なの
で、泡が発生することはない。

さらにまたフロントコアブロツク14に対して切断を施す
ので、研摩加工時フロントコア18のカケあるいはギヤツ
プずれコアずれが生ずることもない。従つて信頼性に富
んだ磁気ヘツドを提供することができる。

「発明の効果」 以上述べたように本発明によれば、酸化物磁性体に金属
磁性体を付着したコアブロツクと非磁性シートとを交互
に配列し所定の雰囲気中で熱加圧処理を行い一体化しフ
ロントコアブロツクを形成し、このフロントコアブロツ
クを切断するだけでフロントコアを製造できるので、多
数の磁気ヘツドコアを少ない工数で製造して製造工程数
を減らすことができ、同時に信頼性を向上させることが
できる。また、従来のガラスボンデイングの工程では、
困難である50μｍ以下の狭ギヤツプの形成が、金属磁性
体の間に非磁性シートを挾みこむことによりでき磁気特
性の良好な磁気ヘツドコアを製造することができる。ま
たギヤツプ幅の寸法は非磁性シートの寸法精度で決まる
ため寸法精度の高いギヤツプを形成できるなどの効果を
奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第５図は本発明実施例の磁気ヘツドコアの
製造工程を示す斜視図、第６図は従来の磁気ヘツドコア
を説明するための斜視図、第７図及び第８図は従来例の
製造方法を示す斜視図である。 11…酸化物磁性体 12…金属磁性体 13…コアブロツク 14…フロントコアブロツク 15…非磁性シート 16…ガラス 17…船型溝 18…フロントコア 19…バツクコア

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】磁気ギャップを有するフロントコアと、バ
   ックコアとを接合してなる磁気ヘッドコアにおいて、前
   記フロントコアを酸化物磁性体と金属磁性体との２層か
   らなる一対のコアブロックから構成するとともに、前記
   磁気ギャップを非磁性材で形成し、前記一対のコアブロ
   ックの金属磁性体間に前記非磁性材を挾み、前記コアブ
   ロックと非磁性材とを焼結形成をしたことを特徴とする
   磁気ヘッドコア。
2. 【請求項２】特許請求の範囲第１項において、酸化物磁
   性体をMn−Znフェライトで形成し、金属磁性体をFe−Al
   −Si合金またはパーマロイまたは、非昌質合金で形成し
   たことを特徴とする磁気ヘッドコア。
3. 【請求項３】酸化物磁性体に金属磁性体を付着したコア
   ブロックと非磁性材とを交互に配列し、所定の雰囲気中
   で熱加圧処理してコアブロックと非磁性材とを一体化し
   フロントコアブロクを形成する工程と、 フロントコアブロックを上記配列方向と直交する方向に
   切断して多数のフロントコアブロックに分離する工程
   と、 フロントコアブロックに非磁性材を挾んで両金属磁性体
   にまたがる舟型溝を形成する工程と、 フロントコアブロックを配列方向に切断して個々のフロ
   ントコアを形成する工程と、 フロントコアにバックコアを接合する工程とからなるこ
   とを特徴とする 磁気ヘッドコアの製造方法。