JPH0711258A - クレゾール酸供給源の処理方法 - Google Patents

クレゾール酸供給源の処理方法

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JPH0711258A
JPH0711258A JP16411593A JP16411593A JPH0711258A JP H0711258 A JPH0711258 A JP H0711258A JP 16411593 A JP16411593 A JP 16411593A JP 16411593 A JP16411593 A JP 16411593A JP H0711258 A JPH0711258 A JP H0711258A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 天然のクレゾール酸分留物内に見られる不純
物を除去する方法を提供すること。 【構成】 タールベース及び中性油の両方又は何れか一
方が除去されていない天然のクレゾール酸供給源の分留
により誘導された純粋でないクレゾール酸蒸留分留物を
多価アルコール抽出剤を用いて抽出蒸留し、続いてクレ
ゾール酸分留物の分離を行う。抽出蒸留によりタールベ
ース、中性油、望ましくないフェノール物質、硫黄化合
物、色形成不純物及び臭気を発する不純物が除去され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、天然クレゾール酸の処
理に係る。
【0002】クレゾール酸(C6 〜C9 アルキルフェノ
ール)混合物より蒸留によって得られた個々の分留分よ
り不純物が除去される。多価アルコールによる抽出蒸留
によってフェノール、オルトクレゾール、メタ/パラク
レゾール、2,4/2,5−キシレノール、高沸点キシ
レノール(HBX)とエチルフェノールとC9 フェノー
ルの混合物等の生のクレゾール酸分留物内に見られる全
ての不純物を殆ど除去することができる。
【0003】
【従来の技術】所謂天然のクレゾール酸供給源(フェノ
ール、クレゾール、エチルフェノール、エキシレノー
ル、C9 フェノール酸を含む)は全て石炭或いは石油の
処理過程から得られる。石油製油所に於ける「使用済み
アルカリ物質」は製油所の留出物よりフェノール及びチ
オフェノール(僅かの天然油とタールベースの混入を含
む)をカ性ソーダ水溶液にて抽出する過程にて得られ
る。本明細書を通じて中性油とは天然のクレゾール酸供
給源に固有の有機不純物のことであり、その各々はイン
デン、インダン、ケトン、ナフタリンの如く酸でもなく
アルカリでもないものである。本明細書を通じてタール
ベースとは、天然のクレゾール酸供給源に固有の有機不
純物であり、その各々はピリジン、アルキルピリジン、
アニリン、アルキルアニリンの如く塩基性物質として作
用する窒素含有化合物である。
【0004】使用済みアルカリ物質を精製されたクレゾ
ール酸に処理することは通常2又は3のステップよりな
る。その第一はフェノールより硫黄成分を分離すること
であり、第二のステップ(時として省略されてよい)は
中性油物質及びタールベースに水蒸気を通す水蒸気分留
過程によりこれらをアルカリ性溶液より分離する過程で
あり、最後の第三の過程(常に行われる)はクレゾール
酸ナトリウムを酸又は酸の蒸気にて中和しフェノールが
油相として分離し易くすることである。こうして精製さ
れたクレゾール酸混合物は乾燥されピッチ分を除去され
た後製品として販売されるか或いはフェノール、オルト
クレゾール、メタ/パラクレゾール、2,4/2,5−
キシレノール、高沸点キシレノール/エチルフェノール
/C9 フェノール混合物の如き種々の製品に分解蒸留さ
れる。
【0005】かかるプロセスにより、上記のタールベー
ス及び中性油を除去する水蒸気処理の過程が省略される
か或いは軽減されるときには、本発明の主題をなすプロ
セスに適用される生のクレゾール酸供給源が得られる。
ここで本明細書を通じて上記の「生の」なる語はタール
ベースと中性油とが除去されていない乾燥されピッチを
除去された物質を指す。
【0006】石炭より得られる供給源はコークス生成、
ガス生成その他の石炭より揮発分を揮発させる種々の石
炭処理プロセスより生ずるものである。かかる石炭処理
プロセスは少なくとも二つの凝縮物の流れを生ずる。そ
の一つはコールタールオイルであり、他の一つはフェノ
ールに富んだ凝縮水である。これらの物質は何れも石炭
を加熱し蒸発したガス状物質を冷却することにより生じ
た凝縮物である。
【0007】コールタールオイルはなかんずくクレゾー
ル酸を製造するための供給源として有用である。典型的
なコールタールオイルは湿分(2〜5%)、ナフサ(5
〜10%)、カーボリックオイル留出物或いはタールオ
イル留出物としても知られるミドルオイル留出物(30
〜40%)、クレオソートに似た蒸留残留物(残りパー
セント)を含んでいる。
【0008】ミドルオイル(カーボリックオイル)留出
物はクレゾール酸の製造に有用であり、フェノール酸成
分(30〜40%)、中性炭化水素(約60〜70
%)、タールベース(1〜3%)よりなる。この物質は
種々に技術の何れかにより精製されたクレゾール酸混合
物或いは生の精製されていないクレゾール酸混合物の何
れかに処理され得るものである。
【0009】これらの技術の最も古いものは1800年
代の終りに開発された。この方法は中性炭化水素オイル
よりフェノールの抽出するために水酸化ナトリウム溶液
を用いる。アルカリにより抽出された物質は中性炭化水
素の大部分より上澄みとして除去される。この場合、中
性油物質の幾分かとミドルオイル中に存在するタールベ
ースの殆どがアルカリ性溶液中に抽出される。このフェ
ノールのアルカリ性溶液は次いで二つの不純物、即ち中
性油とタールベース、を水蒸気蒸留するために加熱され
る。実際にはこの水蒸気蒸留過程はこれら不純物の全て
を除去する迄十分に行われたことはなかった。かくして
精製されたフェノール酸ナトリウムの水溶液は燃焼ガス
を溶液中に吹込むことにより二酸化炭素と反応される。
二酸化炭素はフェノールのナトリウム塩と反応して遊離
したクレゾール酸(油相)と炭酸ナトリウム溶液(水
相)を形成する。この水相はデカンテーションにより遊
離したフェノールより分離され、次いで生石灰と反応さ
れ水酸化ナトリウムを再生する。この水酸化ナトリウム
は再循環される。分離したフェノールは湿分を分留する
ことにより乾燥され、蒸留によって先の水蒸気による蒸
留過程にて生じたピッチ状の物質を除去されて精製され
たクレゾール酸が分離される。
【0010】この過程により得られた製品は、精製され
たクレゾール酸として有用であり、或いは更に分留され
精製されたクレゾール酸分留製品とされてもよい。
【0011】もし上記のタールベースと残りの中性油と
を除去する上記水蒸気分留過程が省略され或いは軽減さ
れるときには、これによって分離され乾燥されピッチを
除去された生のクレゾール酸は本発明の方法の対象とな
る供給源として適したものとなるであろう。
【0012】上記の最古の技術は幾つかの重大な欠点を
有している。それは処理装置が嵩ばり、エネルギ消費量
が大きく、有害で廃棄処理が困難な廃棄水蒸気及びその
他の物質を生ずる。そのため化学者やエンジニヤはフェ
ノール物質より中性油を分離するために溶剤抽出技術を
開発する方向へ進んだ。この溶剤抽出技術は上記の最古
の技術に比して少なくとも一つの点に於て劣っている。
それは溶剤抽出技術が中性油とタールベースの両方を一
緒に分離することである。
【0013】最初の溶剤抽出技術から更に多くの溶剤抽
出技術が開発されたが、その多くは中性油(ミドルオイ
ル)よりフェノールを抽出するのに単一の溶剤を用いて
いた。この場合、グリコール、エタノールアミン、アン
モニア、酢酸、エチルアミン、サリチル酸ナトリウム、
メタノールの如き多数の溶剤の水溶液が用いられた。熱
水も又用いられた単一の溶剤の一つであった。これらの
溶剤は通常蒸留により抽出混合物より除去され、プロセ
スの入口へ再循環されていた。これらの技術は全て十分
なクレゾール酸濃度を得る点に於て問題であった。これ
らの技術によって分離されたフェノールはかなりの量の
残留中性油及びタールベースを含んでいた。この問題は
高い回収率を得んとするとき特に重大であった。高い回
収率を得ようとすればフェノール抽出物(溶剤)の相中
に多量の中性油とタールベースなる不純物が混在するこ
とが不可避となる。これらの単一溶剤を用いる方法は何
れも更に分留されれば本発明による方法の適用に適した
未精製の、留出物を得ることができる程度の生のクレゾ
ール酸を得ることができるものである。
【0014】かかる単一溶剤を用いる方法に於ける純度
と収率の間の問題に鑑み、化学者やエンジニヤは更に二
つの溶剤を用いる技術(分留的対向流による抽出)の開
発へ向かった。これらの技術は一つはフェノールを溶か
す極性溶剤であり、他の一つは中性油を溶かす無極性溶
剤の如き一対の溶剤を用いることにより一度に高い純度
と高い収率の両方を得ることができた。極性溶剤の例は
メタノール、アンモニア、アセトアミド、酢酸、エタノ
ール、モノエチルアミン、スルフォン酸のナトリウム塩
等を含む多数の溶剤の水溶液であり、無極性溶剤の例は
ヘキサン、ヘプタン、石油エーテル、ディーゼル油その
他種々の非芳香性ナフサ等である。蒸留プロセスは極性
溶剤及び無極性溶剤の両者を再生して再循環させる要領
にて行われた。
【0015】しかし単一溶剤を用いる技術と同様に、こ
れらの二つの溶剤を用いる技術の何れもフェノールより
タールベースを良好に分離することを達成することがで
きなかった。中性油のみは分離できた。かかる二つの溶
剤を用いた方法により得られたクレゾール酸物質は混合
クレゾール酸製品として販売され或いは更に分留処理さ
れる製品として使用される前にそれよりタールベースを
除去する処理を必要とした。
【0016】二つの溶剤を用いるこれらの技術の何れも
本発明による方法の対象として適した生のクレゾール酸
を得るのには使用できると思われる。実際これらの方法
の何れも本発明の目的に対しては中性油が完全に除去さ
れなくてもよく、大量の物質を容易に処理してよいの
で、非常に経済的な要領にて実施可能である。
【0017】これ迄に開発された二つの溶剤を用いる方
法の他のものはPhenoraffin法と称されるも
のであり、又これに類似のものも開発されている。この
方法に於ては、クレゾール酸ナトリウムの飽和水溶液が
極性溶剤として用いられ、第二の抽出行程に於てトルエ
ン(或いは同様もの)が無極性溶剤に相当するものとし
て用いられている。このクレゾール酸ナトリウム溶液が
フェノールを溶解して過飽和溶液となったものがトルエ
ン及び第一の抽出過程に於て除去されなかった中性油の
幾分かを蒸気蒸留すべく煮沸される。次いでジイソプロ
ピルエーテルの如き溶剤がクレゾール酸ナトリウム溶液
より分離したフェノールを抽出すべく用いられ、プロセ
スの入口へ再循環される。フェノールのイソプロピルエ
ーテル溶液は次いで硫酸水溶液にてタールベースを除去
すべく抽出され、最後にエーテルが蒸留されて再循環さ
れ、残る精製されたフェノールが蒸留残留物として得ら
れる。このフェノールは乾燥されピッチが除去される。
【0018】この方法は、もし中性油の全ては除去しな
いような最も経済的な要領にて行われ、又もし硫酸にて
処理する過程が省略されるならば、本発明の方法の対象
に適した生のクレゾール酸混合物を生成する。
【0019】東ドイツにて開発された方法はクレゾール
混合物の精製のために水酸化カルシウムを用いることを
基本としている。クレゾールが水と混合され、加熱さ
れ、次いで水酸化カルシウムと反応されてクレゾール酸
カルシウムの塩(水溶性)が形成される。東ドイツのL
euna Werkeプラントがクレゾールより中性油
を除去するそのような方法について1962年に英国特
許第895119号を得ている。この水溶性の塩は濾過
され、次いで更に水によって希釈され、中性油が溶液よ
り黒い油性の液体として分離するようになる(中性油は
クレゾール酸カルシウムの水溶液中にはその濃度が高い
ときより希釈されたときの方が溶けにくい)。かくして
得られたクレゾール酸溶液は次いで塩化水素酸にて酸性
とされ、クレゾールを分離させ、クレゾールを乾燥させ
てピッチを除去することを容易にする。
【0020】かかる方法が非常に経済的な態様にて行わ
れるためには、中性油、即ち黒い油性の液体、を分離さ
せるべくクレゾール酸カルシウム溶液を希釈するのに用
いられる水の量が少なくされ或いは全く省略されなけれ
ばならない。この場合精製されるクレゾールの濃度はよ
り低くなるが、本発明の方法の対象としての生のクレゾ
ールとしては十分適している。
【0021】これ迄の技術の殆どはタールベースを除去
することができなかったので、多数のタールベース除去
プロセスが開発された。そのうちの最も基本的なもの
(そして恐らく最も一般的なもの)は酸フラッシュ蒸留
法と称されてよいものである。これは硫酸(或いは希に
燐酸)がクレゾール酸(或いは或る場合にはその分留
物)に添加され、この混合物がバッチ式或いは連続式フ
ラッシュドラムにて蒸留される。この場合タールベース
は硫酸により塩が形成されることによって非蒸発性とな
り、残留物として収集される。溢出物の方は殆どタール
ベースを含まない物質として得られる。
【0022】東ドイツに於けるLeuna Werke
プラントは1984年にメタ/パラクレゾールよりグア
ヤコールを除去する方法としてグリコールを用いた抽出
蒸留を行う方法について特許を得ており、更に1984
年に独特の酸フラッシュ法について特許を得ている。こ
れらの方法によれば、分留塔に硫酸を加えることにより
フェノールからタールベースを除去することができる。
この方法はクレゾール酸から作られるメタ/パラクレゾ
ールの如き蒸留物質を分留するのに用いられる。
【0023】酸フラッシュ法の他の一つの変形例がポー
ランドにて開発されている。この方法は伝統的な酸フラ
ッシュ法が連続的に行われる方法に非常に類似している
が、ただ蒸留に水が用いられ、プロセスの温度を制御
し、かくしてフェノールがタール状の残留物に劣化する
ことを制限する点に於て異っている。
【0024】タールベースを除去する或る初期の西独特
許には、クレゾール酸の分留物が強酸及び幾分かのトル
エン(或いはその他の芳香族物質)と混合され、或る時
間煮沸されることが記載されている。これに次いで蒸留
が行われ、ここで溢流物であるクレゾール酸が活性化さ
れたアルミナにて処理される。タールベースとトルエン
の凝縮物は残留物として除去される。
【0025】東インドに於ける解離抽出法の一つに於て
は、クレゾール酸がクロルベンゼン或いは2−エチルヘ
キサノールの如き溶剤に溶解され、該溶液が塩化水素酸
の水溶液と対流によって抽出される。溶剤はフェノール
より蒸留され、再循環される。タールベースは抽出塔よ
り塩酸塩として除去される。
【0026】クレゾール酸よりタールベースを除去する
強力な酸性陽イオン交換樹脂を用いることについて幾つ
かの特許が与えられている。同様にクレゾール酸より残
留するタールベースを除去するために酸性粘土を用いる
ことについて日本特許が与えられている。
【0027】上記のタールベース除去技術の全ては中性
油除去過程を補う補助過程として開発されたものであ
る。
【0028】中性油及びタールベースの除去に関する上
記のプロセスの全ては、ここではタールオイル及び中性
油(ミドルオイル)の蒸留処理との関係に於て引用され
たものである。
【0029】上述の如くガス化された石炭の蒸発成分を
冷却することにより得られた水性の凝縮物はフェノール
を多分に溶解したものである。かかる水性凝縮物はこの
技術の分野に於ては周知の通り水よりフェノールを抽出
すべく一般に溶剤による抽出プロセスが施される。この
溶剤はその後フェノールより蒸留により除去され再循環
される。かかる処理技術の典型的なものは、Pheno
solvan法であり、これは抽出溶剤としてジイソプ
ロピールエーテル或いは同様の溶剤を用いるものであ
る。
【0030】典型的なPhenosolvan法による
フェノールの抽出混合物(クルードフェノールとして知
られている)は通常約60〜75%のモノハイドリック
フェノール(クレゾール酸)、ジハイドリックフェノー
ル(カテコール)及びピッチ(20〜25%)、中性油
(1〜4%)、タールベース(1〜3%)、水(2〜6
%)を含んでいる。
【0031】かかる排水より得られたフェノール抽出物
の処理は先ずジハイドリックフェノールとピッチよりモ
ノハイドリックフェノールを除去する過程を含んでいる
べきである。かかる分離は典型的には蒸留(ピッチ除
去)過程により達成される。最初のプロセスは蒸留によ
り水を分離するための乾燥過程を含んでいるべきであ
る。モノハイドリックフェノール分離物はミドルオイル
分留物に比してかなり純粋な物質であり、タールベース
は1.5〜4%、中性油は1.5〜5%含むだけであ
る。かかる物質はタールベースや中性油の純度の遥かに
低い分留物に対して設計された最初に記載した中性油及
びタールベース除去技術の何れによっても処理されてよ
く、或いはタールオイル分留物と混合され同様に最初に
記載した技術の何れかによって処理されてよい。
【0032】過去に於けるクレゾール酸工業は天然のク
レゾール酸混合物(石炭及び石油から得られたもの)に
固有の二つの多きな不純物である中性油とタールベース
を含まない物質を得るための広い沸点範囲のフェノール
混合物(C6 〜C9 )を処理する精製技術に専ら集中し
ていた。これらの不純物が除去されれば、クレゾール酸
混合物はそのような物質として販売されるか或いはこれ
より更に分留物を製造すべく分解蒸留され、その後販売
されていた。また時としてそのような分留物は更に程度
を上げるべく処理されていた。
【0033】天然のクレゾール酸混合物からの個々の蒸
留物を更に上級化する処理はフェノール物質を通常の分
留技術によっては達成されない個々の物質に更に分ける
ことに専ら集中していた。そのようなフェノール性物質
の分離技術を適用される供給源はタールベース及び中性
油を含まないフェノール混合物より得られた分留物であ
った。
【0034】Consolidation Coal
(後にPitt−Consol)はメタ/パラクレゾー
ル(クレゾール酸より得られた一つの分留物)より好ま
しくないフェノール物質である2,6−キシレノールを
除去するグリコール抽出蒸留について特許を得ている。
この方法は1967年の米国特許第3331755号に
記載されている。
【0035】Pitt−Consolはフェノールの広
い沸点範囲の混合物よりメタ/パラクレゾール分留物を
分離する分留に先立ってタールベースを除去するために
酸フラッシュプロセスを用いている。それ以前にはCo
nsolidation Coalの名称の下に彼等は
石炭より得られたミドルオイル蒸留物(広範囲の沸点の
混合物)より中性油を除去するために米国特許第266
6796号及び同第3079326号に記載された二つ
の溶剤を用いる方法を使用していた。(Pitt−Co
nsolは後にクレゾール酸より得られる製油所の使用
済みアルカリ物を処理するのに同様の二つの溶剤を用い
た方法を使用していることに注目されたい。(米国特許
第2767220号及び同第2789145号参照)米
国特許第3331755号に記載されたメタ/パラクレ
ゾールは従ってタールベース及び中性油を含まないもの
であった。
【0036】クレゾール酸分留物をグリコールにて抽出
分留することはメタ/パラクレゾールよりグリコール抽
出分留にてグアヤコールを除去する方法としてLeun
aWerkeプラントに付与された東ドイツ特許第DD
204474号に記載されている。この特許にもメタ/
パラクレゾールよりオルトエチルフェノールを部分的に
除去することが記載されている。既に記載した通り、L
euna Werkeはクレゾールより中性油を除去す
る技術としてカルシウム塩技術の特許を得ており、また
彼等は分留の際その場でタールベースを除去するために
硫酸を用いることについても特許を得ている。これらの
特許に基き東ドイツ特許第DD204474号に記載さ
たれメタ/パラクレゾールは従ってタールベースと中性
油を含まないものである。
【0037】
【発明の要約】グリコールの如き多価アルコール或いは
他の機能的に類似の物質を用いた抽出蒸留が天然のクレ
ゾール酸供給源より取出された物質を精製する方法とし
てこれ迄に記載された方法より遥かに有用である。従来
技術はそれによってメタ/パラクレゾール(天然のクレ
ゾール酸よりの分留物)よりグアヤコール及び2,6−
キシレノールが除去できること及び同物質よりオルトエ
チルフェノールが部分的に除去できることを教示してい
る。
【0038】我々は、本方法が、天然クレゾール酸の分
留物の何れからもタールベースと中性油を除去すること
もできることを見出した。クレゾール酸からの分留物の
何れに於てもフェノール物質がグリコールやその他の多
価アルコールの如きジオールと水素結合する傾向がある
ことによりこれらのフェノール物質の揮発性が低下す
る。(本明細書を通じて「フェノール」と「フェノール
物質」とは相互に置換えられてよいものとして使用され
ている。)例外なく不純物としてのタールベース及び不
純物としての中性油は多価アルコール(ポリオール)と
の水素結合性に於てその結合性は遥かに低く、従ってポ
リオールによる抽出蒸留中のそれらの蒸発性はフェノー
ルよりも遥かに影響されない。このことによってこれら
の不純物を分留物として除去することができる。フェノ
ールは抽出蒸留プロセスより残留物としてポリオールと
共に除去され、次いで蒸留によりポリオールと分離さ
れ、ポリオールは再循環されて使用され、純化されたフ
ェノール分留物は最終製品とされる。
【0039】全てのタールベースと中性油の相対的蒸発
性が高まることは多価アルコールの分留モル比の増大と
関連している。タールベース及び中性油よりなる不純物
の正確な化学的同定を行うこと(従ってそのモル構造を
同定すること)はこれら不純物の除去精度にのみ大きく
影響するが、このことはタールベース或いは中性油不純
物が限定的にしか分離できないということに決定的な影
響を与えるものではない。この方法は、天然クレゾール
酸工業に於て、タールベース及び中性油として知られる
物質を含まないクレゾールとキシレノールの合成混合物
を除き、供給源の出所に拘らず任意のクレゾール酸分留
物よりタールベース及び中性油として知られる不純物を
除去するのに適用可能である。
【0040】ポリオールによる抽出蒸留の技術はフェノ
ール物質がより豊富な元の分留物よりフェノール物質の
濃度がより低いクレゾール酸分留物の分離にも有効に用
いられる。フェノール物質とポリオールの間に形成され
た水素結合の強度が増大するにつれてフェノール物質の
蒸発性が低下する度合は増大する。強力な水素結合を形
成する傾向はフェノール基(ハイドロキシ基)の周りに
あるアルキル或いはアルコキシ物質による立体障害の度
合が小さいフェノール物質に於て最も顕著に現われる。
この原理により四つの主たるクレゾール及びキシレノー
ル分留物(オルトクレゾール、メタ/パラクレゾール、
2,4/2,5−キシレン及びHBX)の何れからもメ
タ/パラクレゾールより2,6−キシレノール、オルト
エチルフェノール及びグアヤコールが除去される度合を
越えて好ましからざる多数のフェノール物質を除去する
ことが可能である。任意の自然の供給源より得られるク
レゾール及びキシレノール分留物はこのフェノール分離
技術の適用により利益を受けることができる。何故なら
ば、そのようなフェノール分留物の多くは少なくともこ
こで考えられている好ましからざるフェノール物質の幾
らかを含む可能性があるからである。
【0041】我々は多価アルコール抽出蒸留が天然のク
レゾール酸より作られる蒸留物より顕著な量の硫酸を含
む物質を除去することができることを見出した。かかる
精製物の匂いもまた明確に改善される。更にかかる精製
物の色は従来の技術により得られたものよりも長期間の
貯蔵に亙って遥かに安定している。貯蔵中の製品の色を
安定化させるために従来行われていたのは添加物を用い
ることであった。多価アルコール抽出蒸留により得られ
た製品にはそのような添加物は必要ではない。何故なら
ば、この場合得られた製品は従来の殆どの精製技術によ
り得られた製品の性質が黒ずんだ色に変色することに対
比して無期限に非常に明るいベージュ色に止まるからで
ある。
【0042】
【発明の紹介】本発明は、合成されたクレゾール酸の処
理ではなく、天然のクレゾール酸の処理に係る。これら
両者は含まれる不純物の性質と量に関して著しく異な
る。
【0043】本発明以前に開発されたクレゾール酸技術
は、全て種々の蒸留精製物を分離する分留過程に先立っ
て中性油を除去する過程を含んでいる。分留に適したク
レゾール酸は0.25%以上の中性油不純物を含むこと
は希であり、多くの場合それ以下である。分留に先立っ
て中性油を完全に除去する必要は、製品の使用によって
指定されている。コールタールミドルオイル蒸留物(こ
れは通常フェノールよりも多くの量の中性油を含んでい
る)の如き供給源の場合には、中性油を除去する過程は
非常に重要である。Phenosolvan抽出により
得られたモノハイドリックフェノール分留物(これは約
1〜4%の中性油を含むだけである)の如き供給源の場
合には、中性油の除去過程はさほど必要ではないがやは
り好ましい。
【0044】本発明の方法は、公知の天然クレゾール酸
処理法に比して、ミドルオイルの蒸留が分留に先立って
中性油成分を除去するために安価な「ラフカット」プロ
セスを施されればよく、完全な除去は必要とされない点
に於て異なっている。本発明の方法は、他のPheno
solvan抽出物(これは中性油成分がかなり低い)
からのモノハイドリックフェノール分留物の如き供給源
が分留に先立って何らの中性油除去過程を施される必要
が無い点に於て異っている。
【0045】上記の「ラフカット」プロセスの場合或い
は全く処理を施さない場合、クレゾール酸の分留により
得られる五つの分留物(フェノール、オルトクレゾー
ル、メタ/パラクレゾール、2,4/2,5−キシレノ
ール、高沸点キシレノール)は各々かなりの量(10%
迄或いは場合によって20%)の中性油不純物を含んで
いる。しかしこのことは、これらの分留物の各々が本発
明による抽出蒸留プロセスを施され、これによってかか
る不純物が除去されるので問題とならない。
【0046】全ての公知の天然クレゾール処理法は、中
性油の除去に加えて、分留に先立って或いは分留中にタ
ールベースの除去も必要とする。本発明の方法は、かか
る従来技術に対比してタールベース除去過程が除去され
てよい点に於て異っている。中性油のかなりの量の除去
に加えてタールベースもまた多価アルコールによる抽出
蒸留により除去される。
【0047】従って本発明の方法が従来技術より異る重
要な事項の一つは広範囲の沸点を有するフェノール、ク
レゾール、エチルフェノール、キシレノール、C9 フェ
ノールの精製を意図するものではない点にある。この方
法は広い範囲の混合物の分留により得られた狭い沸点範
囲を有する分留物の精製に用いられるものである。直ち
に得られる二つの利点はタールベース除去過程を適宜省
略できることと中性油除去過程の度合を大きく低減し或
いは完全に無くすることである。これら両者は天然クレ
ゾール酸の分留に先立って普通は必要とされるものであ
る。各分留物に多価アルコールによる抽出蒸留を適用す
ることにより各分留物の所要の成分は従来の方法により
得られる純度か或いはそれより大きい純度にて回収され
る。
【0048】
【発明の詳細】本明細書を通じて「クレゾール酸」と
は、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、キシ
レノール、C9 フェノールの混合物を指し、また天然ク
レゾール酸とは合成クレゾール酸との差を明確に表すも
のである。
【0049】本発明の方法のための供給源は、例えば油
蒸留所或いはクルードフェノールより得られる物質(P
henosolvan抽出物)である。タールオイル蒸
留物が供給源である場合、本発明の方法はフェノール物
質より多量の中性物を分離するための単一又は二つの溶
剤による処理(或いは更に他のプロセス)を行うことを
含んでいるが、そのような大量分離処理は、その作動の
限界迄行われる必要はない。何故ならば、多価アルコー
ル抽出蒸留過程により分留物より残る中性油の殆どの量
が分離されるからである。クルードフェノールのモノハ
イドリックフェノール分留物の場合には、分流に先立っ
て中性油を概略分離する過程は必要ではない。
【0050】本発明の方法の一つの実施例によれば、例
えばタールオイル蒸留物の単一又は二つの溶剤による処
理によって得られた生のクレゾール酸は、フェノールを
分離する分留処理を施される。同様のことはピッチを除
去され脱水されたクルードフェノールのフェノール分留
物(モノハイドリックフェノール分留物)を分離するの
にも行われる。タールオイル蒸留物より得られたフェノ
ール分留物はカルボキシール酸による分離過程を含むよ
う個別に処理される。かかる処理はこのフェノール分留
物をPhenosolvan抽出に先立ってガス液に溶
かす簡単な操作によって行われる。カルボキシール酸は
ガス液よりイソプロピールエーテル中へは容易に抽出さ
れないので、タールオイル蒸留物からのフェノールはよ
り高い純度にてクルードフェノールよりフェノールと共
に回収される。或いはかかるフェノールよりカルボキシ
ール酸を回収するのに従来の公知の技術が用いられても
よい。これら二のつのフェノール分留過程からの残留物
は互いに混ぜ合される。この混合物は次いで分留され、
分留物は多価アルコール抽出蒸留を施される。
【0051】本発明の方法は、これら二つの残留物を混
合したものに限られるものではなく、各残留物は個別に
処理され、或いはその一方又は他方は全く処理されなく
てもよい。
【0052】本発明の方法は、グアヤコール及びメチル
にて置換されたグアヤコール(MSG′s)として知ら
れる不純物を含むクレゾール酸に限られない。石炭或い
は石油或いは両者の混合物から得られた非フェノール汚
染物であるタールベース及び中性油のみを含む生のクレ
ゾール酸物質も又本発明による多価アルコール抽出蒸留
法により大きな利益を受けることができる。以下に本発
明の方法により得られる利点を五つの天然クレゾール酸
分留物の各々に対して説明する。(1)石炭より得られ
る液体からのフェノール分留物はケトン、アニソール、
ベンゾフラン、インデン、インダン、ナフタリン、芳香
族炭化水素の如き天然油汚染物及びトリメチルピロール
の如きタールベース成分を含んでいる(但しこれらの全
て或いは一部が分留に先立って除去されない場合であ
る)。石油より導き出された供給源より得られたフェノ
ール分留物もタールベース及び中性油汚染物を含んでい
る(但し分留に先立って除去されていない場合であ
る)。不純なフェノール分留物をジエチレングリコール
(好ましいアルコール)にて抽出蒸留することにより全
体としてこれらの物質を10〜15ppmだけ含む製品
が得られる。ジエチレングリコールの他に多数の他の物
質がジエチレングリコールと機能的に類似の作動を行う
ことができ、これらの物質は本発明による精製技術にと
って有効なものである。石炭より導かれたクレゾール酸
の分留により得られたオルトクレゾールはピリジン、ア
ニリンの如きタールベース不純物と多くの場合ナフタリ
ン及びケトンの如き炭化水素を含む中性油不純物を含ん
でいる。石油より導かれた供給源より得られたオルトク
レゾールも又タールベース及び中性油にて汚染されてい
る(但し分留に先立ってこれらが除去されない場合であ
る)。これらの物質の全ては多価アルコール抽出蒸留に
よりオルトクレゾールより容易に除去可能である。
【0053】クレゾール酸工業に於ては僅かに沸点の高
い2,6−キシレノールからオルトクレゾールを分離す
るのに通常の分留が広く用いられている。これは多数の
理論的なステージを必要とする困難な分離工程であり、
しかも実際には通常2,6−キシレノールの全ては除去
されない(高度に完全な分離が望まれる場合でもそうで
ある)。この分離を達成するための還流比の選択は工業
的に実行可能な程度に制限される。オルトクレゾールは
分離に於て溢流物であるという事実によって妥当な生産
率を許容する還流率が制限される。この第一の分留過程
を溢流物中に含まれる2,6−キシレノールの許容量を
より大きくする方法にて行うことがより実用的である。
そうすることによりより低い還流率が採用でき、分留工
程がより効率的となる。
【0054】我々は後の多価アルコールによる抽出蒸留
過程に於て2,6−キシレノールを分離するのがより実
用的であることを見出した。オルトクレゾールと2,6
−キシレノールの間の蒸発率の差は、例えばグリコール
について適当なモル率が与えられると、通常の分留に於
ける大きさかそれに近いものとなる。2,6−キシレノ
ールが多価アルコール抽出蒸留によりタールベース及び
中性物と共に溢流物として除去されることの利点は緩や
かな還流率を用いることができることである。このこと
によって溢流物である不純物が供給原料の僅かの部分し
か占めないという利点が得られる。或る種の分留塔につ
いては高い還流率も生産性を余りに低くすることなく用
いることができる。通常の分留について実用的である以
上の高い程度に2,6−キシレノールの除去を達成する
ためには、この方法を用いることが有効である。
【0055】オルトクレゾール精製のための好ましい多
価アルコールはジエチレングリコールであるが、他の多
数の多価アルコールも機能的にジエチレングリコールと
同様に作用し、本発明による精製技術にとって同様に有
効である。石炭より導かれたクレゾール酸からのメタ/
パラクレゾール蒸留物はアルキルピリジン及びアルキル
アニリンの如きタールベースを含み、また多くの場合ナ
フタリン、ベンゾニトリル、ケトン、アルキルベンゾフ
ラン、アルキルインデン、部分的に飽和したアルキルイ
ンデン、アルキルナフタリンの如き中性油を含んでい
る。
【0056】先行する分留過程に於て2,6−キシレノ
ールがオルトクレゾールにて除去されない限り、メタ/
パラクレゾールを得るために用いられる供給源は2,6
−キシレノールを含む。通常の分留過程にて完全に除去
されないオルトクレゾールが通常含まれる。メタ/パラ
クレゾール分留物はまたメタ/パラクレゾールよりも僅
かに高い沸点を有するオルトメチルフェノールを通常の
分留により経済的な分離が行われる許容限度に非常に近
い程度迄含んでいる。メタ/パラクレゾールはまた一般
に通常に分留過程にて完全に分離されない少量の2,4
/2,5−キシレノールを含んでいる。North D
akota亜炭より導かれたメタ/パラクレゾールはグ
アヤコール及びフェノール不純物を含んでいる。これは
またグリコール抽出蒸留法によりメタ/パラクレゾール
より除去された不純物が検査される迄殆ど明らかでなか
った極く少量の他のフェノール不純物(未だ同定されて
いない)を含んでいる。
【0057】メタ/パラクレゾールの或る種の最終的用
途にとっては、メタ/パラクレゾール分留物中に見出さ
れる上記のフェノール異性体の一つ或いはそれ以上(或
いは全て)は不純物と見倣される。石油より導かれた供
給源より得られたメタ/パラクレゾール分留物はまたタ
ールベース及び中性油を含んでおり(但し分留に先立っ
てこれらが除去されない場合)、また同様にオルトエチ
ルフェノール及び他の上述の沸点の近いフェノール異性
体(オルトクレゾール及び2,4/2,5−キシレノー
ル)が分離できないとい問題をはらんでいる。それらは
少量のグアヤコールを含んでいることもありまた含んで
いないこともある。
【0058】2,6−キシレノール及びグアヤコールは
グリコール抽出蒸留によりメタ/パラクレゾール分留物
より分離できる。オルトエチルフェノール成分が同じ方
法により除去できることも知られている。本発明によれ
ば、タールベース、中性油及び溶解しない僅かの量のオ
ルトクレゾール(メタ/パラクレゾール分留物を分離す
る第一の分離過程より残留している)が多価アルコール
抽出蒸留によりメタ/パラクレゾールより検出限界に近
い値乃至それ以下になる迄容易に分離される。更に最初
の分留過程に於て溶解しなかった少量の2,4/2,5
−キシレノールがメタ/パラクレゾールより除去でき
る。これら二つのキシレノール物質のメタ/パラクレゾ
ールに対する相対的蒸発性は工業的観点から実用的であ
り且経済的である程度のグリコールのモル分率の場合有
効限度ぎりぎりであるが、高い還流率が経済的に使用で
きる。オルトクレゾールよりグリコール抽出蒸留により
不純物が除去される場合の如く不純物の堆積量が供給材
料に比して小さいことと、それらが溢出物であることに
より、高い還流率の実際的な有効性が得られる。
【0059】メタ/パラクレゾール精製のための好まし
い多価アルコールはジエチレングリコールであるが、他
の多数の物質が機能的にジエチレングリコールと同様の
作用を行うことができ、これらの物質も又本発明よる精
製技術にとって有効なものである。
【0060】メタ/パラクレゾール分留物にはポリオー
ル抽出蒸留により除去できないような検出不可能なター
ルベース、中性油或いは好ましからざるフェノール異性
体は存在しない。設計の如何に拘らず100%に近いメ
タ/パラクレゾール製品を得るために多価アルコール抽
出蒸留を用いることは本発明の技術を分留物に関して伝
統的に遭遇する問題に適応する際に主たる利益をもたら
す。
【0061】石炭より導かれたクレゾール酸より得られ
た2,4/2,5−キシレノール分留物は多数のアルキ
ルピリジン及びアルキルアニリン(トルイジン)を含ん
でいる。かかる分留物中にしばしば見出される多くの中
性油物質の中にはメチルベンゾニトリル、アルキルジハ
イドロナフタリン、アルキルテトラハイドロナフタリン
及び多数のケトンがある。
【0062】石油より導かれた供給源から得られた2,
4/2,5−キシレノール分留物はタールベース及び中
性油汚染物を含んでいる(但し分留に先立ってそれらが
除去されない場合)。2,4/2,5−キシレノール分
留物中に見出されるタールベース及び中性油不純物は全
て多価アルコール抽出蒸留によりこのキシレノール分留
物より容易に除去される。注意深く分留された製品とし
て得られるNorthDakota亜炭より導かれた
2,4/2,5−キシレノール分留物はタールベース及
び中性油に加えてフェノール不純物を含んでいる。それ
らの二つはメチル置換されたグアヤコール(MSG′
s)であると考えられる。グリコール抽出蒸留はこれら
の物質を除去することができる。
【0063】2,4/2,5−キシレノール分留物に於
てはメタ/パラクレゾール及び2,3キシレノールの何
れも通常の分留によってそれぞれ0.5%以下の如き低
い値に制限できる。こうすることによりグリコール抽出
蒸留により検出限界近傍或いはそれ以下のレベルのター
ルベース及び中性油を含みまた低い設計濃度にて存在す
るMSG′sを有する最低99%の2,4/2,5−キ
シレノール製品を得ることが可能である。
【0064】2,4/2,5−キシレノールの精製のた
めに好ましい多価アルコールはジエチレングリコール或
いはトリエチレングリコールであるが、その他の多数の
物質が機能的にこれらのグリコールと同じ作用をなすこ
とができ、従ってこれらの物質もまた本発明による精製
技術にとって有用なものである。これらの物質にはテト
ラエチレン、ジプロピレン、トリプロピレン、ジエタノ
ールアミンの如きジアルカノールアミン、トリエタノー
ルアミンの如きトリアルカノールアミン、チオジグリコ
ール、グリコール、これら多価アルコールの混合物があ
る。これらの多価アルコールの各々はここに記載される
その他の抽出蒸留にとっても有用である。多価アルコー
ル抽出剤に関する唯一の実用上の制限は元のクレゾール
酸分留物より後で抽出物を分離することができるようそ
れがクレゾール酸分留物の沸点より十分高い沸点を有し
ていなければならないということである。
【0065】石炭より導かれたクレゾール酸供給源より
得られた高沸点のキシレノール分留物(HBX)は2,
3−キシレノール、3,5−キシレノール、パラエチル
フェノール、メタエチルフェノール3,4−キシレノー
ル、4−(n−プロピール)フェノール、その他幾つか
のトリメチルフェノール及び他のC9 フェノール物質よ
りなっている。この分留物はアルキルピリジン及び他の
高沸点タールベースに富んでおり、またメチルナフタリ
ン、メチルベンゾニトリル、アセトフェノンの如き中性
油物質にも富んでいる。石油より導かれた供給源より得
られたHBX分留物はタールベース及び中性油不純物に
て汚染されている(但し分留前に除去されていない場
合)。HBX分留物中に見出されるタールベース及び中
性油不純物は全て多価アルコール抽出蒸留により容易に
除去される。
【0066】亜炭より導かれたHBXは更にメチルにて
置換されたグアヤコール(MSG)物質を含んでいる。
グリコール抽出蒸留はこれらの物質をも除去することが
できる。HBX分留物はグリコール抽出蒸留によりター
ルベースと中性油成分が検出限界近く或いはそれ以下で
ありまたMSG′sが設計の如何に拘らず低い濃度に存
在する状態にて得られる。
【0067】HBXの浄化のための好ましい多価アルコ
ールはトリエチレングリコールであるが、他の多数のポ
リオールが機能的にトリエチレングリコールと同様の作
用を行うことができ、従ってこれらの物質もまた本発明
による浄化技術にとって有用な物質である。
【0068】
【従来技術との比較】フェノールをカ性ソーダ中に抽出
させ、タールベースと中性油物質を除去すべく蒸気によ
るストリッピングを行う最も古いクレゾール酸精製技術
が一つの工程にて両物質を除去できる唯一の従来技術で
ある。アルカリの精製のためにカルシウムをベースとす
るシステムを含むこの方法は多きなスペースとエネルギ
消費を必要とする。工程をより流れ作業的にしまたエネ
ルギ効率を高めるべく、その後の技術は全てこれら二種
類の不純物を除去するのに二つの別々のプロセスを用い
ることに依存していた。
【0069】中性油物質を分離する多くの技術は種々の
形式の液体抽出に頼っていた。これらの技術の殆どは中
性油に富んだタールオイル分留物に適応されていた。単
一溶剤による方法と二つの溶剤を用いる方法とが採用さ
れた。これらの溶剤による方法の何れもタールベースを
十分に除去することはできなかった。これらの方法の全
ては作動の限界迄実行されても中性油不純物の殆どの極
性物質(或いは好ましい分布状態にない中性油物質)を
効率よく除去することはできなかった。そのためこれら
の方法はかなりの量の残留中性油(500〜2000p
pm)を含むクレゾール酸混合物を生成する傾向にあっ
た。仕上がりクレゾール酸製品に対する仕様が近年次第
に厳しくなってきている。かかる仕様に適合するために
は、上記の如き溶剤による技術はかなり厳しい条件にて
実行されなければならない。
【0070】本発明の技術の目的のためにはこれらの液
/液分離技術の何れもタールオイル分留物中に於けるフ
ェノール物質より中性油を大まかに分離するために有効
である。これらの物質の分留により得られたフェノール
分留物は20%程度の中性油を含んでおり、本発明によ
る抽出分留プロセスにとっては尚許容できる供給源であ
る。しかし好ましい供給源としては中性油成分は10%
以上ではなく、5%程度のものが有利である。本発明の
プロセスは例えば少なくとも0.3重量%或いはそれ以
下の中性油を含む供給源を有利に処理することができ
る。
【0071】タールオイル分留物型の物質より中性油を
除去することに関しては、本発明の技術は、(1)最初
の中性油分離過程が従来の技術に於て行われなければな
らなかった程その作動限界迄実行される必要がないこ
と、(2)これ迄記載されなかったタイプの工程である
中性油製品を「磨く」技術を含んでいること、(3)得
られた中性油含有量(10〜50ppm或いは任意の設
計値)が従来技術の何れについて記載された値よりも遥
かに低いこと(従来技術に於ける典型的な中性油仕様は
0.25%以下或いは0.1%以下であった)、(4)
本発明の技術は分留に先立って広範囲の沸点のフェノー
ル混合物を処理する技術ではなく分留後の物質を処理す
る技術であり、中性油除去技術の中では全く特異なもの
であること、に於て新規である。
【0072】排水から抽出された混合物より得られたモ
ノハイドリックフェノールはここに開示された本発明に
よる技術にとって有望な材料である。何故ならば、それ
は中性油成分に於て十分低いからである(1〜5%)。
この値はタールオイル分留物よりかなり低いが、直接的
分留によって販売価値のあるクレゾール酸製品を製造す
るには十分高い値である。従ってこれらの物質は過去に
於てはタールベース及び中性油を除去するためにアルカ
リ化され水蒸気処理されるか或いは二つのプロセスの多
数の組合せの何れかを施されていた。そのようなプロセ
スの組合せはタールベースの残留量を非常に低くするこ
とができるが、多くの場合容易に検出できる程度の残留
中性油汚染物を含む製品に終っていた。
【0073】そのようなモノハイドリック分留物が供給
源として使用される場合、本発明の方法は上記の理由
2、3及び4に於て新規である。
【0074】初期のアルカリ水蒸気処理法とは別に、タ
ールベースを除去するための種々の方法は酸とフェノー
ルの混合物よりフェノールを蒸留し或いはタールベース
を溶剤中のフェノールの溶液から酸の水溶液中へ抽出さ
せ、或いは強い酸性の陽イオン交換樹脂にてフェノール
を処理する如き種々の方法による鉱酸の使用に依存して
いた。これらのプロセスはタールオイル分留物より導き
出された生のクレゾール酸物質及びPhenosolv
an抽出物からのモノハイドリック分留物の何れか或い
はこれら両者の混合物に適用された。タールベースを除
去するのに酸性処理を用いることに於て遭遇する最も大
きな困難は酸性のタール或いは酸性の排水が生ずること
であり、これらは処理や廃棄が困難であり、またこれよ
り副産物としてのタールベースを除去することがより一
層困難なことである。またこれらの方法に於てしばしば
遭遇する他の一つの問題はフェノールによる酸の蒸留中
に生ずる好ましからざる随伴反応により製品(フェノー
ル)が失われ或いは希釈された酸水溶液(抽出物或いは
再生物)へのフェノールの溶解性が失われることであ
る。多価アルコール抽出蒸留はタールベースを除去する
手段としてはタール或いは鉱酸により汚染されない副産
物を生じ、タールベースに関してはこれを有効なタール
ベース製品として容易に回収できるに十分な濃度を与え
るものであり、従来技術の何れの方法によっても得られ
ない利益を与えるものでる。
【0075】タールベースを除去するために酸に基づく
技術を用いることに関してこれ迄技術者は高い代償を払
って来たが、それは最古の技術から離れて溶剤による抽
出技術に進むに当って必要なものであった。最古の技術
(フェノールのアルカリ溶液の蒸気による蒸留)はター
ルベースと中性油の両方を分離したが、それはタールベ
ースを副産物として回収することのできない形に於て与
えるものであり、環境を汚染する虞れがあり、アルカリ
溶液中にてフェノールを加熱することによりフェノール
が反応することによってフェノールの重合化が生じまた
その分離性が失われることにより製品の収率を下げる結
果になっていた。
【0076】タールベースを除去する本発明による技術
は、(1)タールベースが同じプロセスに於て残留する
中性油として除去されること、(2)酸が使用されない
こと(タールベース塩が形成されない)、(3)タール
ベースが濃縮された形にて与えられ、変質しない形にて
与えられることにより環境上もまたタールベースを副産
物として回収する点でもその処理が容易なこと、(4)
他の全てのタールベース除去技術に於て多く生ずる随伴
反応によるフェノールの損失が微少であること、に於て
新規である。
【0077】元の分留物より好ましからざるフェノール
を分離することに関しては、天然のクレゾール工業に於
ける従来技術は幾つかの技術に集中していたが、それら
の二つのみがグリコール抽出蒸留に基づいており、それ
らはメタ/パラクレゾール分留物の精製に向けられてい
た。その一つは2,6−キシレノールを除去するもので
あり(Consolidation Coal特許)、
他の1つはグアヤコールを除去することであった(Le
una Werke)。
【0078】元のフェノール分留物より好ましからざる
フェノールを除去することに関ては、本発明の技術は
(1)2,6−キシレノールがオルトクレゾールより分
離可能であると分っていること、(2)MSG′sが
2,4/2,5−キシレノール及びHBXより分離可能
であることが分っていることに於て新規である。
【0079】本発明の技術は好ましからざる三種の物
質、即ち中性油、タールベース及び好ましからざるフェ
ノールを一つのプロセスにて除去する唯一の技術であ
る。合成クレゾールの精製は本発明の技術とは容易に見
分けがつく。何故ならば、合成物質に於ける不純物は何
れも天然のクレゾール酸中に見出される数百の不純物の
何れとも同じではないからである(知られている唯一の
例外は石炭より導かれるフェノール分留物中に存在する
数ダースノ中性油物質の一つであるメチルベンゾフラン
であり、これは合成フェノール中に多分存在する数ダー
スの不純物の一つでもあり、その他の不純物は全て天然
フェノール中の不純物とは異なる物質である)。
【0080】クレゾール酸の脱硫に関しては、すべての
従来技術は液/液抽出法、陰イオン交換樹脂技術或いは
空気、過酸化水素或いはその他の酸化剤による酸化より
なるものである。何れの文献にもイオウを含む物質を除
去するための技術として多価アルコール抽出蒸留を用い
ることは記載されていない。
【0081】クレゾール酸製品の色安定性については、
全ての従来技術は色を安定させる添加物を用いること或
いは活性化された粘土にて処理することよりなってい
る。長期間の貯蔵に於けるクレゾール酸製品の色安定性
を高めるためにこの技術を用いることはどこにも記載さ
れていない。クレゾール酸製品の匂いの問題について
は、ポリオール抽出蒸留がかかる製品の匂いを改善する
ことができることについて何れの文献にも記載はない。
【0082】メタ/パラクレゾールより2,6−キシレ
ノール及びグアヤコールを除去するためにグリコール抽
出蒸留を用いることはこれ迄に行われていたが、天然の
供給源より導き出されたC6 〜C9 クレゾール酸希釈分
留物の何れかよりタールベース或いは中性油を除去する
ために多価アルコール抽出蒸留を用いることはこれ迄に
行われなかった。オルトクレゾールより2,6−キシレ
ノールを除去するため、メタ/パラクレゾールよりオル
トクレゾール及び2,4/2,5−キシレノールを除去
するため、2,4/2,5−キシレノールより分留され
た分留物よりMSG′s或いは他のフェノール不純物を
除去するため、或いは高沸点のキシレノール分留物より
MSG′sを除去するために多価アルコール抽出蒸留を
用いることは何れの文献にも見出されない。
【0083】以下の各例は種々のクレゾール酸分留物の
抽出蒸留にグリコールを用いることを示す。ここに選択
されたグリコールは上に説明した多価アルコールの何れ
によって任意に置換えられてもよい。フェノール、オル
トクレゾール及びメタ/パラクレゾール分留物の精製に
好ましいアルコールはジエレングリコールであり、2,
4/2,5−キシレノール及びHBX分留物の精製に好
ましいグリコールはトリエチレングリコールである。
【0084】これらの例はフェノール供給源に50モル
%の多価アルコールの濃度のものを用いるものである
が、この濃度は10モル%から90モル%の間で任意に
変えられてよく、特に好ましいのは50モル%から75
モル%の間である。
【0085】好ましい作動圧力は100mmHg〜20
0mmHgであるが、これより低い圧力(真空値迄)に
よっても顕著な利益が得られる。高圧もまた好ましく、
大気圧以上であってよいが、余り高い圧力では所要の分
離が容易に行えなくなる。
【0086】例1:フェノール Phenosolvan抽出物より得られた生のクレゾ
ール酸がフェノール成分を分離すべく従来の技術により
分留された。このフェノール分留物は分析の結果表1に
示す成分を有していた。
【0087】表1:生フェノール組成 物 質 重量% 中性油群1 0.020 中性油群2 0.102 中性油群3 0.098 中性油群4 0.030 トリメチルピロール 0.04 フェノール 99.37 オルトクレゾール 0.17 有機硫黄化合物 0.0048 水 0.15 上記の分析に当ってはこの物質中に存在する数ダースの
中性油物質は四つの群に分けられた。各群に於ける物質
の各々はフェノール/ジエチレングリコール系に於てフ
ェノールに対して同様の相対的蒸発性を有している。こ
れらの中性油群はフェノールからの分離の容易性の順に
番号をつけられており、群1の物質はフェノールからの
分離の容易度が最も低く、群4の物質は最も容易に分離
みできるものである。
【0088】5ドラムの量のかかる物質(全体で225
0ポンド(102kg))が直径6インチ(15.2c
m)のパイロットプラントの連続的に抽出を行う蒸留塔
の供給タンクへ装填され、この物質は1時間当り39.
8ポンド(18.1kg)の流量にて50の理論的ステ
ージを有する塔構造の第30番目のステージへ供給され
た。ジエチレングリコール(DEG)がフェノール供給
スタージに於て50モル%DEGを維持すべく1時間当
り170ポンド(77.1kg)の割合にて第46番目
のステージに供給された。充填構造を横切る圧力プロフ
ィルは、溢流圧力が99mmHgであり、1時間当り3
3000BTU(8316kcal)の溢流凝縮物を得
るための熱負荷を生ずる蒸発率の場合に再蒸発圧力は1
05mmHgであった。溢流システムに於ける液体のレ
ベルが自然に形成される迄溢流物質に吸引力は加えられ
ず、還流率は346に調整された。油相を塔に還流する
に先立って下相の水が除去された。還流が確立された
後、1時間当り0.21ポンド(0.095kg)の溢
流物が引出され、1時間当り209.6ポンド(95.
1kg)の底部残留物が引出された。溢流物の組成は表
2に示す通りであった。
【0089】表2:溢流物組成 物 質 重量% 中性油群1 3.62 中性油群2 19.9 中性油群3 19.0 中性油群4 5.89 トリメチルピロール 7.79 フェノール 13.9 オルトクレゾール 0.04 有機硫黄化合物 0.55 水 29.2 底部残留物は平衡状態にある間ドラムに集められ、その
後DEGより精製されたフェノールを除去すべく50の
理論的ステージを有する塔構造の第30番目のステージ
へ供給された。その送り量は1時間当り210ポンド
(95.3kg)に設定された。充填構造を横切る圧力
プロフィルは、溢流圧力が99mmHgであり、1時間
当り20000BTU(5040kcal)の溢流凝縮
物を生ずる熱負荷に相当する蒸発率のとき再蒸発圧力が
105mmHgであるようにされた。還流率は1とされ
た。平衡に達した後、溢流物と底部残留物の供給タンク
への再循環が停止された。1時間当り39.6ポンド
(18.0kg)の溢流物が集められ、1時間当り17
0ポンド(77.1kg)の底部残留物が集められた。
溢流物の組成は表3に示す通りであった。
【0090】表3:溢流物組成 物 質 重量% 中性油群1 0.0010 中性油群2 <0.0001 中性油群3 <0.0001 中性油群4 <0.0001 トリメチルピロール <0.0001 フェノール 99.8 オルトクレゾール 0.17 有機硫黄化合物 0.0019 水 極く少量 これらの試験結果は中性油の完全な除去と硫酸成分の部
分的除去が上記の抽出蒸留条件により容易に達成されて
いることを示す。
【0091】例2:オルトクレゾール 生のクレゾール酸がオルトクレゾール分を分離すべく従
来の連続送りによる技術によって分留された。オルトク
レゾール分留法の典型として2,6−キシレノールが先
ず溢流物より除去された。その大部分は底部残留物内に
止まっていた。オルトクレゾール溢流物の分析結果は表
4に示す通りであった。
【0092】表4:生オルトクレゾール組成 物 質 重量% オルトクレゾール 96.0 フェノール 0.20 2,6−キシレノール 0.30 ナフタリン 0.20 ピリジン 1.65 アニリン 1.35 ケトン 0.20 有機硫黄化合物 0.0421 かかる物質の5ドラム分(全体で2250ポンド(10
2kg))が6インチ(15.2cm)のパイロットプ
ラント連続抽出蒸留塔の供給タンクへ装填され、この物
質が65の理論的ステージの塔構造の第40番目のステ
ージへ1時間当り20ポンド(9.1kg)の割合にて
供給された。ジエチレングリコールがオルトクレゾール
供給ステージに於て50モル%グリコールを維持すべく
1時間当り67ポンド(30.4kg)の割合にて第6
0番目のステージに供給された。充填構造を横切る圧力
プロフィルは、溢流圧力が100mmHgであり、1時
間当り19000BTU(4788kcal)の溢流凝
縮物を生ずる熱負荷となる蒸発率のとき再蒸発圧力が1
06mmHgとなるよう定められた。還流率は74であ
った。平衡に達した後、溢流物は1時間当り0.91ポ
ンド(0.41kg)の割合にて引出され、底部残留物
は1時間当り86.1ポンド(37.0kg)の割合に
て引出された。溢流物の組成は表5に示す通りであっ
た。
【0093】表5:溢流物組成 物 質 重量% オルトクレゾール 20.0 フェノール 0.02 2,6−キシレノール 4.69 ナフタリン 4.38 ピリジン 29.6 アニリン 36.2 DEG 無 ケトン 4.38 有機硫黄化合物 0.58 底部残留物は平衡状態である間ドラムに集められ、その
後ジエチレングリコールより精製されたオルトクレゾー
ルを分離するため65の理論的ステージ塔構造体の第4
0番目のステージへ供給された。その供給率は1時間当
り86ポンド(39.0kg)であった。充填構造を横
切る圧力プロフィルは、溢流物の圧力が100mmHg
であり、1時間当り9000BTU(2268kca
l)の溢流物を生ずる熱負荷の蒸発率のとき再蒸発圧力
が106mmHgとなるよう設定された。還流率は1.
5であった。平衡に達した後、溢流物と底部残留物の供
給タンクへの再循環は停止され、1時間当り19.0ポ
ンド(8.62kg)の溢流物が収集され、1時間当り
67.1ポンド(30.4kg)の底部残留物(99.
9%DEG)が収集された。溢流物の組成は表6に示す
通りであった。
【0094】表6:溢流物組成 物 質 重量% 中性油 0.0005 タールベース <0.0001 フェノール 0.21 オルトクレゾール 99.7 2,6−キシレノール 0.09 有機硫黄化合物 0.0157 これらの試験結果は上記の抽出蒸留条件により中性油及
びタールベースが完全に除去されていること及び2,6
−キシレノール及び硫黄化合物が部分的に除去されてい
ることを示す。
【0095】例3:オルトクレゾール 生のクレゾール酸がオルトクレゾール成分を分離すべく
従来の連続供給型分留装置を用いて分留された。通常の
オルトクレゾール分留技術と異り、溢流物中には2,6
−キシレノールが主として含まれ、そのほんの僅かの量
が底部残留物中に含まれていた。このようなやり方は従
来のやり方よりも低い還流率でよいことが見出され、分
留装置の生産性を上げることができることが分った。こ
の分留により得られたオルトクレゾール溢流物の分析結
果は表7に示す通りであった。
【0096】表7:生オルトクレゾール組成 物 質 重量% オルトクレゾール 93.2 フェノール 0.20 2,6−キシレノール 2.99 ナフタリン 0.40 ピリジン 1.65 アニリン 1.35 ケトン 0.20 有機硫黄化合物 0.0403 この例は以下の抽出蒸留条件を除いて例2に類似のもの
である。この場合の抽出蒸留条件はより多くの量の2,
6−キシレノールの分離を行わせるものであり、生のオ
ルトクレゾールは1時間当り同じく20ポンド(9.1
kg)にて供給されたが、DEGはオルトクレゾール供
給ステージに於て50モル%を維持すべく1時間当り9
7ポンド(44.0kg)にて供給された。溢流凝縮物
の熱負荷は1時間当り26000BTU(6552kc
al)であり、還流率は71であり、溢流物の流量は1
時間当り1.63ポンド(0.739kg)であり、底
部残留物の取出し量は1時間当り115.4ポンド(5
2.3kg)であった。溢流物の組成は表8に示す通り
であった。
【0097】表8:溢流物組成 物 質 重量% オルトクレゾール 20.1 フェノール 0.02 2,6−キシレノール 35.4 ナフタリン 4.90 ピリジン 20.3 アニリン 16.5 ケトン 2.45 有機硫黄化合物 0.326 底部残留物は平衡状態の間集められ、後に上の例に於け
る如く回収のため同様に塔に供給されたが、その供給量
は1時間当り115.4ポンド(52.3kg)であ
り、溢流物の熱負荷は1時間当り11000BTU(2
772kcal)であり、還流率は2.1であり、溢流
物は1時間当り18.3ポンド(8.30kg)にて集
められ、底部残留物は1時間当り97.1ポンド(4
4.0kg)にて集められた。溢流物の組成は表9に示
す通りであった。
【0098】表9:溢流物組成 物 質 重量% 中性油 0.0004 タールベース <0.0001 フェノール 0.21 オルトクレゾール 99.6 2,6−キシレノール 0.13 有機硫黄化合物 0.0137 これらの試験結果はかなりの量の2,6−キシレノール
を含むオルトクレゾールが本発明による抽出蒸留プロセ
スに用いられるときには同様の量の製品が得られること
を示している。塔の条件は緩やかな影響を受けるのみで
ある。
【0099】例4:メタ/パラクレゾール 生のフェノール(石炭処理に於ける排水からの抽出混合
物)をピッチ除去及び脱水することにより得られた生の
クレゾール酸がメタ/パラクレゾール分を除去すべく従
来の技術により分留された。その結果の分析は表10に
示す通りであった。
【0100】表10:生メタ/パラクレゾール組成 物 質 重量% ケトン1 0.25 ケトン2 0.10 2−ピコリン 0.20 2,6−ルチジン 1.06 コリジン 0.23 アニリン 0.20 トルイジン 0.04 ナフタリン 0.50 グアヤコール 5.57 オルトクレゾール 0.79 2,6−キシレノール 1.17 メタ/パラクレゾール 87.1 未知のフェノール不純物 0.03 オルトエチルフェノール 2.55 2,4/2,5−キシレノール 0.12 有機硫黄化合物 0.0480 5ドラム分のこの材料(全体で2250ポンド(102
kg))がパイロットプラントの連続的に抽出を行う蒸
留塔の供給タンクへ装填された。この材料は65の理論
的ステージの塔構造の第40番目のステージへ1時間当
り20ポンド(9.1kg)の割合にて供給された。ジ
エチレングリコールがメタ/パラクレゾール供給ステー
ジに於て50モル%グリコールを維持すべく第60番目
のステージに1時間当り52ポンド(23.6kg)の
割合にて供給された。充填構造を横切る圧力プロフィル
は、溢流圧力が100mmHgであり、溢流物の熱負荷
が1時間当り15000BTU(3780kcal)で
あるような蒸発率のとき再蒸発圧力が106mmHgと
なるように定められた。還流率は28.5であった。平
衡に達した後、溢流物が1時間当り2.54ポンド
(1.15kg)の割合にて取出され、底部残留物が1
時間当り69.5ポンド(31.5kg)の割合にて取
出された。溢流物の組成は表11に示す通りであった。
【0101】表11:溢流物組成 物 質 重量% ケトン1 1.97 ケトン2 0.79 2−ピコリン 1.57 2,6−ルチジン 8.25 コリジン 1.97 アニリン 1.57 トルイジン 0.39 ナフタリン 3.93 グアヤコール 43.6 オルトクレゾール 6.29 2,6−キシレノール 9.04 メタ/パラクレゾール 10.0 未知のフェノール不純物 0.39 オルトエチルフェノール 9.65 2,4/2,5−キシレノール 0.40 有機硫黄化合物 0.2245 平衡状態にあるとき集められた底部残留物の一部はその
後ジエチレングリコールより精製されたメタ/パラクレ
ゾールを分離すべく65の理論的ステージの塔構造に於
ける第40番目のステージへ供給された。その供給率は
1時間当り69.6ポンド(31.6kg)に設定され
た。充填構造を横切る圧力プロフィルは、溢流圧力が1
00mmHgであり、溢流凝縮物の熱負荷が1時間当り
19000BTU(4788kcal)となる蒸発率の
とき再蒸発圧力が106mmHgとなるよう設定され
た。還流率は4.0であった。平衡に達した後、溢流物
と底部残留物の再循環は停止され、溢流物は1時間当り
17.6ポンド(7.98kg)の割合にて集められ、
底部残留物(99.99%ジエチレングリコール)は1
時間当り52.0ポンド(23.6kg)の割合にて集
められた。溢流物の組成は表12に示す通りであった。
【0102】表12:溢流物組成 物 質 重量% 中性油 0.0012 タールベース 0.0007 グアヤコール 0.0024 オルトクレゾール 0.0006 2,6−キシレノール <0.0001 メタ/パラクレゾール 98.4 オルトエチルフェノール 1.52 未知のフェノール不純物 0.0004 2,4/2,5−キシレノール 0.06 有機硫黄化合物 0.0195 これらのデータは上記の抽出蒸留条件にて中性油、ター
ルベース、オルトクレゾール、2,6−キシレノール、
グアヤコール、未知のフェノール不純物が除去されるこ
とを示す。
【0103】例5:メタ/パラクレゾール この例はオルトエチルフェノール及び2,4/2,5−
キシレノールがより完全に除去されるよう以下の抽出蒸
留条件が用いられたことを除き先の例と同じである。D
EG供給率はメタ/パラクレゾール供給トレイに於て5
0モル%DEGを与えるべく1時間当り65ポンド(2
9.5kg)とされ、メタ/パラクレゾールの供給率は
1時間当り20ポンド(9.1kg)とされ、溢流凝縮
物の熱負荷は1時間当り19000BTU(4788k
cal)とされ、還流率は31.6とされ溢流物は1時
間当り3.0ポンド(1.36kg)にて取出され、底
部残留物は1時間当り82ポンド(37.2kg)にて
取出された。溢流物の組成は表13に示す通りであっ
た。
【0104】表13:溢流物組成 物 質 重量% ケトン1 1.67 ケトン2 0.67 2−ピコリン 1.33 2,6−ルチジン 7.00 コリジン 1.67 アニリン 1.33 トルイジン 0.33 ナフタリン 3.33 グアヤコール 37.3 オルトクレゾール 5.33 2,6−キシレノール 7.66 メタ/パラクレゾール 19.0 未知のフェノール不純物 0.33 オルトエチルフェノール 12.62 2,4/2,5−キシレノール 0.51 有機硫黄化合物 0.231 平衡状態にあるとき集められた底部残留物の一部はその
後先の例に於けると同じく回収のため同様の要領にて塔
へ供給された。但しこの例に於けるその供給率は1時間
当り82ポンド(37.2kg)であり、溢流凝縮物の
熱負荷は1時間当り21000BTU(5292kca
l)であり、溢流物は1時間当り16.9ポンド(7.
66kg)にて集められ、底部残留物は1時間当り65
ポンド(29.5kg)にて集められた。溢流物の組成
は表14に示す通りであった。
【0105】表14:溢流物組成 物 質 重量% 中性油 0.0008 タールベース 0.0003 グアヤコール 0.0001 オルトクレゾール <0.0001 メタ/パラクレゾール 99.2 オルトエチルフェノール 0.77 未知のフェノール不純物 <0.0001 2,4/2,5−キシレノール 0.02 有機硫黄化合物 0.0187 例6:コールタールオイより得られたメタ/パラクレゾ
ール コールタールオイルより導かれた生のクレゾール酸の通
常の分留により分離されたメタ/パラクレゾール分留物
はオルトメチルフェノール含有量がかなり高い。この例
は処理条件の厳しさを程々に高めることによりそのよう
な生のメタ/パラクレゾール分留物より99%強のメタ
/パラクレゾールが作れることを示すものである。この
例に使用した生のメタ/パラクレゾールの組成は表15
に示す通りであった。
【0106】表15:生メタ/パラクレゾール組成 物 質 重量% ケトン1 0.40 ケトン2 0.15 2−ピコリン 2.38 2,6−ルチジン 1.95 コリジン 0.48 アニリン 0.22 トルイジン 0.07 ナフタリン 0.60 グアヤコール 7.00 オルトクレゾール 0.26 2,6−キシレノール 0.20 メタ/パラクレゾール 78.9 未知のフェノール不純物 0.05 オルトエチルフェノール 5.40 2,4/2,5−キシレノール 1.80 有機硫黄化合物 0.0387 この例は抽出蒸留条件が以下の通りでる点を除き先の例
に類似である。DEGの供給率はメタ/パラクレゾール
供給トレイに於て50モル%DEGを与えるべく1時間
当り78ポンド(35.4kg)とされ、メタ/パラク
レゾールの供給率は1時間当り20ポンド(9.1k
g)とされ、溢流凝縮物の熱負荷は1時間当り2500
0BTU(6300kcal)とされ、還流率は26.
5とされ、溢流物は1時間当り4.64ポンド(2.1
0kg)にて取出され、底部残留物は1時間当り93.
36ポンド(42.35kg)にて取出された。溢流物
の組成は表16に示す通りであった。
【0107】表16:溢流物組成 物 質 重量% ケトン1 1.72 ケトン2 0.65 2−ピコリン 10.3 2,6−ルチジン 8.40 コリジン 2.15 アニリン 0.86 トルイジン 0.22 ナフタリン 2.58 グアヤコール 30.2 オルトクレゾール 1.08 2,6−キシレノール 0.86 メタ/パラクレゾール 12.00 未知のフェノール不純物 0.22 オルトエチルフェノール 21.1 2,4/2,5−キシレノール 7.54 有機硫黄化合物 0.0984 平衡状態にて集められた底部残留物の一部は先の例に於
ける如く回収のため同様の要領にて塔へ供給された。但
しこの場合の供給率は1時間当り93.4ポンド(4
2.4kg)であり、溢流凝縮物の熱負荷は1時間当り
21000BTU(5292kcal)であり、還流率
は5.8であり、溢流物は1時間当り15.26ポンド
(6.92kg)にて集められ、底部残留物は1時間当
り78ポンド(35.4kg)にて集められた。溢流物
の組成は表17に示す通りであった。
【0108】表17:溢流物組成 物 質 重量% 中性油 0.0017 タールベース 0.0009 グアヤコール <0.0001 オルトクレゾール <0.0001 メタ/パラクレゾール 99.1 オルトエチルフェノール 0.67 未知のフェノール不純物 <0.0001 2,4/2,5−キシレノール 0.20 有機硫黄化合物 0.0159 コールタールオイルより導かれた生のメタ/パラクレゾ
ールであって中性油、タールベース及びオルトメチルフ
ェノール含有量の高いメタ/パラクレゾールはかくして
99%強の純度にもたらされた。
【0109】例7:2,4/2,5−キシレノール 生のクレゾール酸が2,4/2,5−キシレノール成分
を分離すべく従来技術にて分留された。この従来の分留
過程に供給された材料はメタ/パラクレゾール分留より
得られた底部残留物であった。この先行するメタ/パラ
クレゾール分留過程にはメタ/パラクレゾールを完全に
除去しまた2,4/2,5−キシレノールの分留のため
に殆どメタ/パラクレゾールのない供給源を与えるべく
100の理論的ステージの連続供給分留塔が用いられ
た。この100の理論的ステージを有する塔は2,4/
2,5−キシレノールステージに於てそれを高沸点キシ
レノール及びエチルフェノールより完全に分離すべく使
用された。2,4/2,5−キシレノール溢出物の分析
結果は表18に示す通りであった。
【0110】表18:生2,4/2,5−キシレノール
組成 物 質 重量% 種々の中性油炭化水素 0.56 2,4/3,4−ルチジン 0.06 3−,4−,5−ピコリン 0.29 2,4/2,5−ルチジン 0.26 アニリン 0.56 トルイジン 0.43 グアヤコール 0.17 メタ/パラクレゾール 1.17 2,4/2,5−キシレノール 95.0 2,3−キシレノール 0.06 MSG1 0.24 MSG2 1.08 有機硫黄化合物 0.0820 4ドラム分のこの物質(全体で1800ポンド(81
6.5kg))が6インチ(15.2cm)のパイロッ
トプラントの連続的抽出蒸留塔の供給タンクへ装填さ
れ、この物質は65の理論的ステージの塔構造の第40
番目のステージへ1時間当り20ポンド(9.1kg)
の供給率にて供給された。トリエチレングリコール(T
EG)が2,4/2,5−キシレノール供給ステージに
於て50モル%のトリエチレングリコールを維持すべく
1時間当り127ポンド(57.6kg)の割合にて第
60番目のステージに供給された。充填構造を横切る圧
力プロフィルは、溢流圧力が100mmHgであり、溢
流凝縮物の熱負荷が1時間当り14000BTU(35
28kcal)であるよう蒸発率が設定されたとき再蒸
発圧力が106mmHgとなるよう設定された。還流率
は55であった。平衡状態に達した後、溢流物は1時間
当り1.29ポンド(0.585kg)にて取出され、
底部残留物は1時間当り145.7ポンド(66.09
kg)にて取出された。溢流物の組成は表19に示す通
りであった。
【0111】表19:溢流物組成 物 質 重量% 種々の中性炭化水素 8.56 2,4/3,4−ルチジン 0.78 3−4,4−5−ピコリン 4.66 2,4/2,5−ピコリン 3.89 アニリン 8.56 トルイジン 7.00 メタ/パラクレゾール 0.02 グアヤコール 2.34 2,4/2,5−キシレノール 42.6 2,3−キシレノール 無 MSG1 3.67 MSG2 17.1 有機硫黄化合物 0.826 平衡状態にて集められた底部残留物の一部はその後トリ
エチレングリコールより精製された2,4/2,5−キ
シレノールを分離すべく65の理論的ステージの塔構造
に於ける第40番目のステージへ供給された。その供給
率は1時間当り146ポンド(66.2kg)とされ
た。充填構造を横切る圧力プロフィルは、溢流圧力が1
00mmHgであり、溢流凝縮物の熱負荷が1時間当り
21000BTU(5292kcal)であるよう蒸発
率が設定されたとき再蒸発圧力が106mmHgとなる
よう設定された。還流率は5であった。平衡に達した
後、溢流物と底部残留物の供給端部への再循環は停止さ
れ、溢流物は1時間当り18.95ポンド(8.956
kg)にて集められ、底部残留物(99.86%TE
G)は1時間当り127.2ポンド(57.7kg)に
て集められた。溢流物の組成は表20に示す通りであっ
た。
【0112】表20:溢流物組成 物 質 重量% 中性油 0.0011 タールベース 0.0007 グアヤコール <0.0001 メタ/パラクレゾール 0.72 2,4/2,5−キシレノール 99.2 MSG1 0.01 MSG2 <0.0001 2,3−キシレノール 0.0038 有機硫黄化合物 0.0287 かくしてタールベース、中性油、グアヤコール及びMS
G′sは完全に除去され、硫黄化合物は部分的に除去さ
れていることが分る。
【0113】例8:高沸点キシレノール 生のクレゾール酸が高沸点キシレノール(HBX)分留
物を2,4/2,5−キシレノールからの底部残留物と
して分離されるよう通常の技術により分留された。この
抽出蒸留のための材料を準備すべくそれを高沸点ピッチ
状物質より分離する蒸留が行われた。このピッチ除去蒸
留より得られた溢流物の組成の分析結果は表21に示す
通りであった。
【0114】 表21:生HBX組成 物 質 重量% 中性油物質 5.51 2,4/2,5−ルチジン 1.02 2,3−ルチジン 0.25 未知のタールベース 0.72 MSG3 1.0 MSG4 5.6 2,4/2,5−キシレノール 0.1 2,3,6−+2,4,6−トリメチルフェノール 1.4 2,3/3,5−キシレノール 23.8 メタエチルフェノール 15.9 パラエチルフェノール 17.2 3,4−キシレノール 9.2 他のC9 フェノール 18.1 有機硫黄化合物 0.223 4ドラム分のこの物質(全体で1800ポンド(81
6.5kg))が6インチ(15.2cm)のパイロッ
トプラントの連続的抽出蒸留塔の供給タンクへ装填さ
れ、この物質は65の理論的ステージの塔構造の第40
番目のステージへ1時間当り20ポンド(9.1kg)
の率にて供給された。トリエチレングリコールがHBX
供給ステージに於て50モル%のトリエチレングリコー
ルを維持すべく第60番目のステージに1時間当り17
5ポンド(79.4kg)の供給率にて供給された。充
填構造を横切る圧力プロフィルは、溢流圧力が200m
mHgであり、溢流凝縮物の熱負荷が1時間当り110
00BTU(2772kcal)であるような蒸発率と
されたとき再蒸発圧力が206mmHgとなるよう設定
された。還流率は21.9であった。平衡状態に達した
後、溢流物は1時間当り3.15ポンド(1.43k
g)にて取出され、底部残留物は1時間当り191.8
ポンド(87.0kg)にて取出された。溢流物の組成
は表22に示す通りであった。
【0115】 表22:溢流物組成 物 質 重量% 中性油物質 35.0 2,4/2,5−ルチジン 6.37 2,3−ルチジン 1.60 未知のタールベース 4.46 MSG3 6.37 MSG4 35.7 2,4/2,5−キシレノール 0.64 2,3,6−+2,4,6−トリメチルフェノール 8.92 2,3−+3,5−キシレノール 無 メタエチルフェノール 無 パラエチルフェノール 無 3,4−キシレノール 無 他のC9 フェノール 0.01 有機硫黄化合物 0.851 平衡状態にて集められた底部残留物の一部はその後トリ
エチレングリコールより精製されたHBXを分離すべく
65の理論的ステージの塔構造の第40番目のステージ
へ供給された。その供給率は1時間当り192ポンド
(87.1kg)であった。充填構造を横切る圧力プロ
フィルは、溢流圧力が200mmHgであり、溢流凝縮
物の熱負荷が1時間当り5000BTU(1260kc
al)であるような蒸発率のとき再蒸発圧力が206m
mHgとなるよう設定された。還流率は0.8であっ
た。平衡状態に達した後、溢流物と底部残留物の供給タ
ンクへの再循環は停止され、溢流物は1時間当り15.
52ポンド(7.04kg)にて集められ、底部残留物
(99.25%TEG)は1時間当り176.3ポンド
(79.97kg)にて集められた。溢流物の組成は表
23に示す通りであった。
【0116】 表23:溢流物組成 物 質 重量% 中性油物質 0.0021 タールベース 0.0008 MSG3 <0.0001 MSG4 0.0013 2,4/2,5−キシレノール 無 2,3,6−+2,4,6−トリメチルフェノール 無 2,3−+3,5−キシレノール 30.5 メタエチルフェノール 19.4 パラエチルフェノール 21.0 3,4−キシレノール 5.7 他のC9 フェノール 23.3 有機硫黄化合物 0.089 かくして中性油、タールベース、MSG′s及び分離さ
れ難いC9 フェノールが完全に除去され、硫黄化合物も
部分的に除去されることが示された。
【0117】以上の記述より本発明及びその利点は容易
に理解されよう。以上に呈示したプロセスの種々の局面
について本発明の範囲内にて種々の修正が可能であるこ
とは当業者にとって明らかであろう。従って上記の各例
は単に本発明の好ましい実施例を示すものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジーン・ジー・ベイカー アメリカ合衆国 58545 ノースダコタ州、 ヘイゼン、フィフス・アヴェニュー、ウエ スト 315 (72)発明者 ダナ・ジェイ・マース アメリカ合衆国 58541 ノースダコタ州、 ゴールデン・ヴァレー、サード・アヴェニ ュー、サード・ストリート(番地なし) (72)発明者 ケヴィン・エム・モール アメリカ合衆国 58545 ノースダコタ州、 ヘイゼン、セヴンス・アヴェニュー、ウエ スト 306 (72)発明者 ロバート・ジー・トッド アメリカ合衆国 58601 ノースダコタ州、 ディッキンソン、セヴンス・アヴェニュ ー、ウエスト 221

Claims (36)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】タールベース及び中性油を含まない生成物
    を生成するための方法であって、タールベースと中性油
    の両方又は何れか一方の除去されていない天然のクレゾ
    ール酸供給源を分留することを含む方法。
  2. 【請求項2】請求項1による方法であって、前記供給源
    はタールベースが除去されていない供給源である方法。
  3. 【請求項3】請求項1による方法であって、前記供給源
    は中性油が除去されていない供給源である方法。
  4. 【請求項4】請求項1による方法であって、前記天然の
    クレゾール酸供給源が0.3〜20体積%の中性油を含
    んでいる分留。
  5. 【請求項5】請求項4による方法であって、メタ/パラ
    クレゾール分留物、オルトクレゾール分留物、2、4/
    2、5−キシレノール分留物及びHBX分留物からなる
    群から選択された一つ以上の成分を含む複数の分留物を
    産出する分留と、タールベース及び中性油を前記分留物
    から除去するべく多価アルコール溶剤を用いて前記分留
    物のうちの少なくとも一つを抽出蒸留することとを含む
    方法。
  6. 【請求項6】請求項1による方法であって、フェノール
    分留物、オルトクレゾール分留物、メタ/パラクレゾー
    ル分留物、2、4/2、5−キシレノール分留物及びH
    BX分留物からなる群から選択された一つ以上の成分を
    含む複数の分留物を生成する方法。
  7. 【請求項7】タールベース及び中性油からなる群から選
    択された一つの成分を含む天然のクレゾール酸蒸留分留
    物から前記成分を除去するための多価アルコール溶剤を
    用いた抽出蒸留。
  8. 【請求項8】請求項7による抽出蒸留であって、前記分
    留物がフェノール分留物である抽出蒸留。
  9. 【請求項9】請求項7による抽出蒸留であって、前記分
    留物がオルトクレゾール分留物である抽出蒸留。
  10. 【請求項10】請求項7による抽出蒸留であって、前記
    分留物がメタ/パラクレゾール分留物である抽出蒸留。
  11. 【請求項11】請求項7による抽出蒸留であって、前記
    分留物が2、4/2、5−キシレノール分留物である抽
    出蒸留。
  12. 【請求項12】請求項7による抽出蒸留であって、前記
    分留物が高沸点のキシレノール(HBX)分留物である
    抽出蒸留。
  13. 【請求項13】天然のクレゾール酸供給源の分留により
    誘導された生のクレゾール酸蒸留分留物を精製する方法
    であって、多価アルコール抽出剤を用いた前記生のクル
    ゾール酸蒸留分留物の抽出蒸留と、それに続く前記クレ
    ゾール酸分留物の分離とを含み、前記多価アルコール抽
    出剤は前記クレゾール酸蒸留分留物の沸点よりも充分に
    高い沸点を有し、前記クレゾール酸蒸留分留物から前記
    抽出剤の分離が可能となっている方法。
  14. 【請求項14】請求項13による方法であって、前記抽
    出蒸留された前記クレゾール酸蒸留分留物が、タールベ
    ース不純物、中性油不純物、硫黄含有不純物、色形成不
    純物及びメチル基置換グイヤコールからなる群から選択
    された少なくとも一つの不純物を含んでいる方法。
  15. 【請求項15】請求項14による方法であって、前記分
    留物がフェノールであり、前記抽出蒸留で、タールベー
    ス不純物、中性油不純物、硫黄含有不純物、色形成不純
    物からなる群から選択された少なくとも一つの成分を前
    記分留物から分離する方法。
  16. 【請求項16】請求項13による方法であって、前記分
    留物がオルトクレゾールであり、前記抽出蒸留で、2、
    6−キシレノール、タールベース不純物、中性油不純
    物、硫黄含有不純物及び色形成不純物からなる群から選
    択された少なくとも一つの成分を前記分留物から分離す
    る方法。
  17. 【請求項17】請求項13による方法であって、前記分
    留物が、メタ/パラクレゾール蒸留物であり、前記抽出
    蒸留で、タールベース不純物及び中性油不純物からなる
    群から選択された少なくとも一つの成分を前記分留物か
    ら分離する方法。
  18. 【請求項18】請求項13の方法であって、前記分留物
    が2、4/2、5−キシレノール蒸留分留物であって、
    前記抽出蒸留で、メチル置換されたグイヤコール、もう
    一つのフェノール不純物、タールベース不純物、中性油
    不純物、硫黄含有不純物及び色形成不純物からなる群か
    ら選択された少なくとも一つの成分を前記分留物から分
    離する方法。
  19. 【請求項19】請求項13による方法であって、前記分
    留物が高沸点キシレノール、エチルフェノール及びC9
    フェノールの混合物を含み、前記抽出蒸留で、メチル置
    換されたグイヤコール、硫黄含有不純物、色形成不純
    物、タールベース不純物及び中性油不純物からなる群か
    ら選択された少なくとも一つの成分を前記分留物から分
    離する方法。
  20. 【請求項20】請求項13の方法であって、前記多価ア
    ルコール抽出剤がジエチレングリコール、トリエチレン
    グリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレン
    グリコール若しくはトリプロピレングリコールである方
    法。
  21. 【請求項21】請求項13の方法であって、前記多価ア
    ルコール抽出剤がジエタノールアミン若しくはトリエタ
    ノールアミンである方法。
  22. 【請求項22】請求項13の方法であって、前記多価ア
    ルコール抽出剤がジアルカノールアミン若しくはトリア
    ルカノールアミンである方法。
  23. 【請求項23】請求項13の方法であって、前記多価ア
    ルコール抽出剤がチオジグリコールである方法。
  24. 【請求項24】請求項13による方法であって、前記多
    価アルコール抽出剤がグリセロールである方法。
  25. 【請求項25】請求項13による方法であって、前記多
    価アルコール抽出剤が多価アルコールの混合物である方
    法。
  26. 【請求項26】請求項13による方法であって、前記多
    価アルコール抽出剤がポリアルキレングリコールである
    方法。
  27. 【請求項27】請求項13による方法であって、前記多
    価アルコール抽出剤がジオールである方法。
  28. 【請求項28】請求項13による方法であって、前記ク
    レゾール酸蒸留分留物がフェノール分留物である方法。
  29. 【請求項29】請求項13の方法であって、前記クレゾ
    ール酸蒸留分留物がクレゾール分留物である方法。
  30. 【請求項30】請求項13による方法であって、前記ク
    レゾール酸蒸留分留物がキシレノール分留物である方
    法。
  31. 【請求項31】請求項13による方法であって、前記ク
    レゾール酸蒸留分留物がエチルフェノール分留物である
    方法。
  32. 【請求項32】タールベース及び中性油からなる群から
    選択された成分を天然の供給源から誘導されたC6 、C
    7 、C8 及びC9 クレゾール酸蒸留分留物の少なくとも
    一つから除去する方法であって、請求項13の方法を含
    む方法。
  33. 【請求項33】天然の供給源から誘導されたクレゾール
    酸蒸留分留物から硫黄含有物質を少なくとも部分的に除
    去する方法であって、請求項13による方法を含む方
    法。
  34. 【請求項34】天然の供給源から誘導されたクレゾール
    酸蒸留分留物の長期間保存に於ける色安定性を増大する
    方法であって、請求項13による方法を含む方法。
  35. 【請求項35】天然の供給源から誘導されたクレゾール
    酸蒸留分留物の臭気を改善する方法であって、請求項1
    3の方法を含む方法。
  36. 【請求項36】タールベース及び中性油の両方又は何れ
    か一方が除去されていない天然のクレゾール酸供給源の
    分留により誘導された純粋でないクレゾール酸蒸留分留
    物を精製するための方法であって、前記純粋でないクレ
    ゾール酸蒸留分留物を多価アルコール抽出剤を用いて抽
    出蒸留することと、それに続いて前記クレゾール酸分留
    物を分離することとを含み、前記多価アルコール抽出剤
    が、前記クレゾール酸蒸留分留物の沸点よりも充分に高
    い沸点を有し、続いて前記クレゾール酸蒸留分留物から
    前記抽出剤を分離することが可能となっている方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH11104912A (ja) * 1997-09-30 1999-04-20 Takiron Co Ltd バリ取機のガイド部材

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