JPH07110977A

JPH07110977A - 複合型ディスク媒体

Info

Publication number: JPH07110977A
Application number: JP27733493A
Authority: JP
Inventors: Toshio Kaneshiro; 寿雄金城; Yoshio Mizuno; 良夫水野
Original assignee: Victor Company of Japan Ltd
Current assignee: Victor Company of Japan Ltd
Priority date: 1993-10-12
Filing date: 1993-10-12
Publication date: 1995-04-25

Abstract

(57)【要約】【目的】安定な記録再生が可能な磁気記録媒体と光デ
ィスクとの複合型ディスク媒体を提供すること。【構成】薄膜状の磁気記録媒体２と透明基板に形成さ
れた光記録媒体３との複合型ディスク媒体１に係り、両
媒体２，３の中心部近傍で同軸状に接合するとともに、
両媒体２，３の間隙Ｄに連通する通気手段を透明基板の
中心部近傍に設けた複合型ディスク媒体。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、光情報記録媒体と磁気
記録媒体との複合型ディスク媒体に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】光ディスクには、ＣＤのようなリードオ
ンリー型の光ディスク（以下「ＲＯディスク」とい
う。）、一度だけ書けるライトワンス型の光ディスク
（以下「ＷＯディスク」という。）、それと再書込みが
できるリライタブル型の光ディスク（以下「ＲＷディス
ク」という。）の３種類があるが、後者になるほど信頼
性の問題が大きく、長期耐久性の問題も大きい。これら
の光ディスクのうち、ＲＯディスクはＣＤとしてデジタ
ルオーディオ用に、またＬＤ（Laser Disk）として動画
像用に実用化され、それぞれ大きく普及している。ま
た、ＷＯディスクは業務用のファイル、つまりコンピュ
ータファイルとして実用化され普及しつつある。しか
し、何回でも読み書きできるＲＷディスクはまだ開発段
階であり、信頼性と耐久性の問題から実用化はこれから
という状況にある。

【０００３】そこで、このＲＷディスクの代替となるべ
き記録媒体として光ディスクと磁気ディスクとを組み合
わせた複合型ディスクが多く提案されている。例えば、
特開平４−３０５８４５号公報には、片面にプリフォー
マットパターンが形成された透明基板と、このプリフォ
ーマットパターンが形成された面に担持された反射膜
と、この反射膜上に積層された磁気記録層とからなる情
報記録媒体や、片面にプリフォーマットパターンが形成
された透明基板と、このプリフォーマットパターンが形
成された面に担持された反射膜と、この反射膜上に接着
剤層を介して接着された磁気シートとからなる情報記録
媒体等が示されている。そして、このような複合型ディ
スクは、その構成から、その記憶容量が大容量であると
いう光ディスクの特徴と、何回でも読み書きできるとい
う磁気ディスクの特徴とを合わせ持ったものとなるので
ある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、透明基
板上に直接磁気記録層を塗布や蒸着等により形成する場
合には、その形成プロセス上、多くの問題がある。即
ち、透明基板の他方の面には光情報が記録されているた
め、この記録された光情報に影響を与えることなく磁気
記録層を形成しなければならないのである。これに対し
て、磁気シートを接着剤で透明基板に接着する方法は、
比較的簡便であり記録された光情報に対する影響は少な
いと考えられる。しかし一方で、この接着による方法
は、その接着に際し、磁気シートと透明基板との間に異
物が混入するのを防止することは極めて困難であるとい
う問題がある。また、何れの場合にも、磁気記録層は比
較的硬質である基板上に密着して形成されるため、所謂
浮上型の磁気ヘッドを用いて磁気ヘッドの吸着やクラッ
シュを避ける必要があり、記録再生装置が高価にならざ
るを得ない。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本願発明は、上記問題点
に鑑みなされたものであり、請求項１に係る発明は、
「一方の面に光情報記録媒体層が形成された環状の透明
基板と、該透明基板の他方の面に該透明基板に同心状に
担持された可撓性を有する柔軟な環状の薄膜と、該薄膜
に形成された磁気記録媒体層と、該透明基板の中心部分
近傍に設けられた該透明基板と該薄膜との間隙に連通す
る通気手段とを設けたことを特徴とする複合型ディスク
媒体。」を提供するものであり、

【０００６】請求項２に係る発明は、「請求項１記載の
複合型ディスク媒体において、該薄膜を該透明基板の中
心部分近傍において担持したことを特徴とする複合型デ
ィスク媒体。」を提供するものであり、

【０００７】請求項３に係る発明は、「請求項１又は請
求項２記載の複合型ディスク媒体において、該薄膜の一
部の領域にラベルを印刷してなることを特徴とする複合
型ディスク媒体。」を提供するものである。

【０００８】

【実施例】以下、図１乃至図３を参照して本発明の複合
型ディスク媒体の第１実施例について説明する。図１
（Ａ）は複合型ディスク媒体を示す斜視図である。ま
た、同図（Ｂ）は、その積層構造を示す分解斜視図であ
り、同図（Ｃ）は同図（Ａ）におけるＡ−Ａ断面の拡大
図である。本実施例の複合型ディスク媒体１は、光学情
報が記録された透明基板３と中央に孔２ｃを有する環状
の磁気記録媒体２が両面粘着剤４で同軸に接着されて大
略構成されている。環状の磁気記録媒体２は、例えば、
厚み数十μｍ程度のＰＥＴ（ポリエチレンテレフタレー
ト）等の可撓性を有する薄膜状の基板に磁性材料が塗布
されたものである。そして、磁気記録媒体の外周部２ｂ
は、複合型ディスク媒体１を識別するためのタイトル等
が印刷されてラベル部を構成するとともに、その内周部
２ａは磁性材料が露出して磁気記録部を構成している。

【０００９】透明基板３は光学情報が予め凹凸のピット
３ｂとして記録されており、このピット３ｂが形成され
た面には図示しない反射膜及び保護膜が形成されてい
る。また、透明基板３の中央の孔３ａの周囲には複数の
突出部３ｃが放射状に形成されている。そして、磁気記
録媒体２は、この突出部３ｃ上に両面粘着剤４により接
着されて透明基板３に同軸に担持される。従って、磁気
記録媒体２は、透明基板３に担持された状態で透明基板
３との間に間隙Ｄを構成するとともに隣接する二つの突
出部３ｃと突出部３ｃより低い面３ｄと磁気記録媒体２
によって囲まれた開口部が間隙Ｄに連通した状態とな
る。

【００１０】次に、このように構成された複合型ディス
ク媒体に対する記録再生動作について図２、図３を参照
して説明する。図２は図１に示す複合型ディスク媒体を
記録再生装置に搭載した状態を示す斜視図であり、図３
は図２におけるＢ−Ｂ断面図である。図２又は図３にお
いて、複合型ディスク媒体１はクランパ７とスピンドル
８に挟持されて回転駆動される。クランパ７には環状の
永久磁石７ａが固着されるとともに複数の貫通孔７ｂが
形成されている。また、スピンドル８には環状の永久磁
石８ａが固着されており、これがクランパ７の環状の永
久磁石７ａと互いに吸引し合うことにより複合型ディス
ク媒体１を挟み込んで確実に保持する。５は磁気ヘッド
組立体であり、回転軸５ｃの周りに回動するサスペンシ
ョン５ｂとサスペンション５ｂの先端に設けられた磁気
ヘッド５ａとから構成されており、磁気記録媒体２の内
周部２ａに摺接して磁気的に情報を記録したり再生した
りする。なお、サスペンション５ｂが、回転軸５ｃの周
りに回動することにより、磁気ヘッド５ａは、図３中、
矢印Ｘ１方向に移動して、シーク動作を行う。一方、６
は光学ヘッドであり、図３に示すように透明基板３の下
方からピット３ｂとして予め記録された光情報を読み出
すようになっており、光学ヘッド６はヘッド移送機構６
ａによって矢印Ｘ２方向に移動してシーク動作を行う構
成となっている点等は、先に述べた周知の光ディスクと
同様である。

【００１１】さて、上述のように複合型ディスク媒体１
が装置のスピンドル８にクランプされて所定の回転数で
回転すると、磁気記録媒体２と透明基板３との間隙Ｄに
存在している空気は、その粘性によって磁気記録媒体２
及び透明基板３とともに回転運動を行い、遠心力によっ
て複合型ディスク媒体１の外周へと排出され磁気記録媒
体２と透明基板３との間隙Ｄの気圧が低下する。ここ
で、先にも説明した通り、磁気記録媒体２と透明基板３
との間隙Ｄと隣接する二つの突出部３ｃと突出部３ｃよ
り低い面３ｄと磁気記録媒体２によって囲まれた開口部
とは連通した状態となっており、またこの開口部は、ク
ランパ７に形成された貫通孔７ｂと連通しているため、
間隙Ｄの気圧の低下にともなってクランパ７の貫通孔７
ｂから外部の空気を吸引して間隙Ｄには定常的な空気の
流れが発生する。そしてこの定常的な空気の流れは、磁
気記録媒体２に対してエアクッションとして作用し磁気
記録媒体２の振動や波動を良好に抑圧してその表面を平
坦な状態に維持するものである。

【００１２】次に、図４、図５を参照して本発明の複合
型ディスク媒体の第２実施例について説明する。図４は
第２実施例の複合型ディスク媒体の積層構造を示す斜視
図であり、図５は、図４に示す複合型ディスク媒体を記
録再生装置に搭載した状態を示す部分断面図である。本
実施例の複合型ディスク媒体１は、光学情報が記録され
た透明基板３と可撓性を有する環状の磁気記録媒体２が
両面粘着剤４で同軸に接着されて構成されている点等
は、上述した第１実施例の場合と大略同様であるが、磁
気記録媒体２と透明基板３との間隙Ｄに連通すべき開口
部の設定態様を異にするものである。すなわち、本実施
例の複合型ディスク媒体１では、透明基板３の中央の孔
３ａの周囲に複数の貫通孔３ｅがその表裏を連通するよ
うに設けられている。従って、図５に示すように、複合
型ディスク媒体１の回転にともなって磁気記録媒体２と
透明基板３との間隙Ｄへは、透明基板３の下方から貫通
孔３ｅを経て空気が供給されて定常的な空気の流れが形
成されることになる。

【００１３】次に、図６、図７を参照して本発明の複合
型ディスク媒体の第３実施例について説明する。図６は
第３実施例の複合型ディスク媒体の積層構造を示す斜視
図であり、図７は、図６に示す複合型ディスク媒体を記
録再生装置に搭載した状態を示す部分断面図である。本
実施例の複合型ディスク媒体１は、光学情報が記録され
た透明基板３と可撓性を有する環状の磁気記録媒体２が
両面粘着剤４で同軸に接着されて構成されている点等
は、上述した第１実施例又は第２実施例の場合と大略同
様であるが、磁気記録媒体２と透明基板３との間隙Ｄに
連通すべき開口部の設定態様を異にするものである。す
なわち、本実施例の複合型ディスク媒体１では、磁気記
録媒体２の中央の孔２ｃの周囲に複数の貫通孔２ｄがそ
の表裏を連通するように設けられている。従って、図７
に示すように、複合型ディスク媒体１の回転にともなっ
て磁気記録媒体２と透明基板３との間隙Ｄへは、磁気記
録媒体２の上方から貫通孔２ｄを経て空気が供給されて
定常的な空気の流れが形成されることになる。

【００１４】以上説明した各実施例では、磁気記録媒体
２の外周側にラベルを印刷して、内周側に磁気記録部を
設ける構成について述べたが、この配置を逆にしてもよ
いことは勿論である。そのような配置とすることによ
り、磁気記録部が記録再生装置のクランプ部から離れた
状態となるため、クランプ手段として永久磁石等の磁気
的手段が用いられた場合における永久磁石の磁界の磁気
記録部に対する影響を軽減することができる。また、磁
気記録媒体２に求められる記録密度又は記録波長によっ
ては、磁気記録媒体２の全面にラベルを印刷するように
してもよい。この場合には、印刷されるインクの厚み
や、印刷によって生じる表面の凹凸には、充分な配慮が
必要なことは云うまでもない。また、上記各実施例で
は、透明基板３に磁気記録媒体２を取り付けるのに両面
粘着剤４を用いた構成について述べたがネジ止め等他の
方法によってもよいことは勿論である。また更に、間隙
Ｄを維持しつつ、間隙Ｄにおける空気の流れを阻害しな
い程度に磁気記録媒体２の外周部を数点において透明基
板３に固定するようにしてもよい。これにより、複合型
ディスク媒体１のハンドリングを良好なものとすること
ができる。更にまた、上記各実施例においては、光情報
記録媒体としてＣＤのようなＲＯディスクを用いた構成
について述べたが、一度だけ書けるＷＯディスクや再書
込みができるＲＷディスクを用いてもよいことは明かで
ある。

【００１５】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の複合型デ
ィスク媒体によれば、磁気記録媒体層が形成された可撓
性を有する柔軟な可撓性の薄膜と光記録媒体層が形成さ
れた基板との間隙には定常的な空気の流れが発生して、
これが可撓性に薄膜に対してエアクッションとして作用
し、可撓性を有する薄膜は透明基板から所定間隔だけ離
間した状態で良好な平面を維持することができる。従っ
て、磁気記録媒体層に直接摺接する磁気ヘッドを用いて
も磁気記録媒体と磁気ヘッドとの間でクラッシュ等を生
ずることがなくドロップアウト等のない安定な記録再生
が可能となる。また、磁気記録媒体に摺接する磁気ヘッ
ドは、エアクッションを介して光情報が記録された透明
基板と対向する状態になるため、磁気ヘッドの負荷が透
明基板には全くかからず、透明基板に記録された光情報
の損失の危険が全くない。また更に、この可撓性を有す
る薄膜の一部の領域にラベルを印刷することにより、そ
の複合型ディスク媒体の内容、タイトル等を表示して複
合型ディスク媒体の識別が可能になるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の複合型ディスク媒体の第１実施例を示
す斜視図及びその部分断面図である。

【図２】本発明の第１実施例である複合型ディスク媒体
を記録再生装置に搭載した態様を示す斜視図である。

【図３】本発明の第１実施例である複合型ディスク媒体
を記録再生装置に搭載した態様における部分断面図であ
る。

【図４】本発明の複合型ディスク媒体の第２実施例の積
層構造を示す分解斜視図である。

【図５】本発明の第２実施例である複合型ディスク媒体
を記録再生装置に搭載した態様における部分断面図であ
る。

【図６】本発明の複合型ディスク媒体の第３実施例の積
層構造を示す分解斜視図である。

【図７】本発明の第３実施例である複合型ディスク媒体
を記録再生装置に搭載した態様における部分断面図であ
る。

【符号の説明】

１複合型ディスク媒体２磁気記録媒体３透明基板４両面粘着剤５磁気ヘッド組立体６光学ヘッド７クランパ８スピンドル

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】一方の面に光情報記録媒体層が形成された
環状の透明基板と、該透明基板の他方の面に該透明基板
に同心状に担持された可撓性を有する柔軟な環状の薄膜
と、該薄膜に形成された磁気記録媒体層と、該透明基板
の中心部分近傍に設けられた該透明基板と該薄膜との間
隙に連通する通気手段とを設けたことを特徴とする複合
型ディスク媒体。
【請求項２】請求項１記載の複合型ディスク媒体におい
て、該薄膜を該透明基板の中心部分近傍において担持したこ
とを特徴とする複合型ディスク媒体。
【請求項３】請求項１又は請求項２記載の複合型ディス
ク媒体において、該薄膜の一部の領域にラベルを印刷してなることを特徴
とする複合型ディスク媒体。