JPH069999B2 - 舶用可変ピツチプロペラ - Google Patents

舶用可変ピツチプロペラ

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JPH069999B2
JPH069999B2 JP60184385A JP18438585A JPH069999B2 JP H069999 B2 JPH069999 B2 JP H069999B2 JP 60184385 A JP60184385 A JP 60184385A JP 18438585 A JP18438585 A JP 18438585A JP H069999 B2 JPH069999 B2 JP H069999B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、舶用可変ピッチプロペラに関し、特に海洋調
査船等のような低速域の操船性あるいは低放射雑音が要
求される船舶に用いて好適の舶用可変ピッチプロペラに
関する。
〔従来の技術〕 一般に、海洋調査船等の船舶では、低速航行状態で各種
センサによる計測などを行なうため、低速域の操船性や
低放射雑音が要求されており、通常、主機電動モータの
回転数を一定に保ち可変ピッチプロペラのピッチ角制御
で船速を制御する方式が採用されている。
このような可変ピッチプロペラのプロプラ翼の翼形状と
しては、従来、一定ピッチの通常型のもの、すなわち翼
根から翼端にいくにしたがってピッチ角が減少するよう
に形成されたものが用いられている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
ところで、第6図において、プロペラ翼の回転中心から
半径0.7R(Rはプロペラ半径)位置における同プロペ
ラ翼のピッチ角βGおよび同プロペラ翼への流れのピッ
チ角βの、船速Vsに対する変化を示す。
なお、プロペラ翼のピッチ比とピッチ角との関係は次の
とおりである。
βG=Tan-1(p/πX) β=Tan-1(J/πX)・・(1) ここで、p(=P/D)はピッチ比、Pはピッチ、D(=
2R)はプロペラ直径、J(=V/nD)は前進常数、Vは
プロペラ前進速度、nはプロペラ回転数、x(=r/R)
は無次元半径、rは有次元半径である。
また、プロペラ翼の流れに対する迎角αとピッチ角βG,
βとの関係は次のとおりである。
α=βG−β ・・・(2) 第6図の位置Aの船速に対応した状態でのプロペラ翼
(ただし半径0.7R位置)に対する流れを、第7図(a)
に示す。同図において、V1aは軸方向のプロペラ流入速
度(位置Aではほぼ通常航行状態)、V2はプロペラの回転
に基づく円周方向速度(常に一定)、V3aはプロペラ翼に
対する相対流入速度、4は無次元半径x=0.7位置で
のプロペラ翼断面、5はプロペラ翼断面4の背面側、6
はプロペラ翼断面4の正面側を示している。
第7図(a)に示すように、第6図の位置Aに相当する通
常航行状態では、プロペラ翼への流れはプロペラ翼断面
4の正面側6に流れ込み、第6図および(2)式からも明
らかなように、迎角αは正となる。
一方、第6図の位置Bの船速に対応した状態でのプロペ
ラ翼に対する流れを、第7図(b)に示す。同図におい
て、V1bは軸方向のプロペラ流入速度(位置Bでは、海洋
調査などを行なう低速航行状態)、V3bはプロペラ翼に対
する相対流入速度を示している。
一定のプロペラ回転数で、プロペラ翼のピッチを制御す
ることにより低速航行を行なう場合、そのピッチ角を小
さくする。このとき、従来の舶用可変ピッチプロペラの
プロペラ翼は、翼根から翼端にいくにしたがってピッチ
角が減少する形状に成形されているため、船速を低速に
すべく、プロペラ翼全体のピッチ角が小さくなるように
制御すると、翼根部付近では迎角αは正のままであって
も、翼端部付近[たとえば、第7図(b)に示す無次元半径
x=0.7の位置]では迎角αは負になることがある。
すなわち、第7図(a)に示すように、第6図の位置Bに
相当する低速航行状態では、プロペラ翼への流れはプロ
ペラ翼断面の背面側5に流れ込み、第6図および(2)式
からも明らかなように、迎角αは負になる。
迎角αが負になった場合、その大きさは小さくても、プ
ロペラ翼断面4の正面側6には、フェースキャビテーシ
ョン8が発生しやすい。
このフェースキャビテーション8による放射雑音は、比
較的広い周波数帯域(通常、500Hz以上、100kHzに至る)
にわたり、その雑音レベルも高い。したがって、特に海
洋調査船において海洋音響機器を使用する低速域(1〜
5ノット)での調査活動は、フェースキャビテーション
8の発生により支障を来すことになる。
なお、第7図(a)に示すような迎角αが正の状態でも、
その大きさが大きくなるとキャビテーションが背面側5
に生じるが、このような場合には船速が十分に大きいの
で、調査活動を行なうことはなく、支障を来すことはな
い。
本発明は、このような問題点の解決をはかろうとするも
ので、低速航行状態で、プロペラ翼の翼端付近における
流れに対する迎角が負になるのを防止して、フェースキ
ャビテーションの発生を防止し放射雑音の低減をはかっ
た、舶用可変ピッチプロペラを提供することを目的とす
る。
〔問題点を解決するための手段〕
このため、本発明の特許請求の範囲第1項の舶用可変ピ
ッチプロペラは、複数のプロペラ翼を有する舶用可変ピ
ッチプロペラにおいて、上記プロペラ翼が、その前進変
節時における翼形を翼根から翼端にいくにしたがってピ
ッチが増加する形状に形成されるとともに、その正面投
影形状を同プロペラ翼のスキューの半径方向分布が上記
翼根の付近で負のスキューを有し上記翼端の付近で正の
スキューを有し、かつ荷重中心がプロペラ翼基準線に近
い位置となるような形状に形成されていることを特徴と
している。
また、本発明の特許請求の範囲第2項の舶用可変ピッチ
プロペラは、複数のプロペラ翼を有する舶用可変ピッチ
プロペラにおいて、上記プロペラ翼が、その前進変節時
における翼形を翼根から翼端にいくにしたがってピッチ
が増加する形状に形成され、その正面投影形状を同プロ
ペラ翼のスキューの半径方向分布が上記翼根の付近で負
のスキューを有し上記翼端の付近で正のスキューを有
し、かつ荷重中心がプロペラ翼基準線に近い位置となる
ような形状に形成されるとともに、その側面投影形状を
同プロペラ翼のレーキの半径方向の分布が上記翼根の付
近で同プロペラ翼を背面側にレーキさせ上記翼端の付近
では同プロペラ翼の正面側にレーキさせ、かつ上記翼端
でレーキ量がゼロとなるような形状に形成されているこ
とを特徴としている。
〔作用〕
上述の特許請求の範囲第1項の舶用可変ピッチプロペラ
では、プロペラ翼の前進変節時における翼形が、翼根か
ら翼端にいくほどピッチが増加する形状に形成されてい
るため、上記プロペラ翼の翼端付近における流れに対す
る迎角が、低速航行状態が負にならなくなり、フェース
キャビテーションの発生が防止されるとともに、バラン
ス型のスキュー分布により上記フェースキャビテーショ
ンの発生を遅らすことができ、同フェースキャビテーシ
ョンの発生がより確実に防止されるようになる。
また、特許請求の範囲第2項の舶用可変ピッチプロペラ
では、プロペラ翼の前進変節時における翼形が、翼根か
ら翼端にいくほどピッチが増加する形状に形成されてい
るため、上記プロペラ翼の翼端付近における流れに対す
る迎角が、低速航行状態で負にならなくなり、フェース
キャビテーションの発生が防止されるとともに、バラン
ス型のスキュー分布により上記フェースキャビテーショ
ンの発生を遅らすことができ、同フェースキャビテーシ
ョンの発生がより確実に防止されるようになる。また、
上記プロペラ翼の翼端部のピッチ増加に伴ってプロペラ
荷重が増加するが、バランス型のレーキ分布により、ピ
ッチ角制御時における上記プロペラ翼全体の回転駆動に
要するスピンドル・トルクの増加を抑制できる。
〔実施例〕
以下、図面により本発明の一実施例としての舶用可変ピ
ッチプロペラについて説明すると、第1図(a)はそのプ
ロペラ翼の半径方向位置とピッチとの関係を示すグラ
フ、第1図(b)はそのプロペラ翼の正面投影図、第1図
(c)はそのプロペラ翼の側面投影図、第2図(a),(b)はそ
れぞれ通常航行状態および低速航行状態におけるそのプ
ロペラ翼の半径方向位置とピッチ角との関係を示すグラ
フ、第3図(a)はそのプロペラ翼のスキュー分布を説明
するための正面投影図、第3図(b)はそのプロペラ翼の
スキュー分布を示すグラフ、第4図(a)はそのプロペラ
翼のレーキ分布を説明するための側面投影図、第4図
(b)はそのプロペラ翼のレーキ分布を示すグラフ、第5
図は本発明の可変ピッチプロペラによる放射雑音低減効
果を従来のものと比較して示すグラフである。
本実施例の舶用可変ピッチプロペラでは、第1図(b),
(c)に示すように、プロペラボス2から複数のプロペラ
翼1が突設されており、各プロペラ翼1は、図示しない
駆動機構によりその全体を駆動されて、ピッチ角の制御
を行なえるようになっている。
そして、プロペラの回転数を一定に保ちながら、上記駆
動機構によってプロペラ翼1全体のピッチ角を制御し
て、船速を制御する。
なお、第1図(b),(c)においてプロペラ翼1は一枚のみ
示されている。
このような舶用可変ピッチプロペラにおいて、そのプロ
ペラ翼1は、第1図(a)に実線aで示すように、その前
進変節時における翼型を翼根から翼端にいくにしたかっ
てピッチが増加する形状に形成されている。なお、第1
図(a)において、横軸は無次元半径x(=r/R)を示
し、縦軸は任意の半径方向位置におけるピッチ比pをx
=0.7の半径方向位置におけるピッチ比p0.7で除した
値(p/p0.7)を示す。
プロペラ翼1のピッチを翼端にいくにしたがって大きく
することにより、第2図(a)に曲線a′で示すように、
通常航行状態(第6図の位置Aに対応した状態)では、従
来と同様プロペラ翼1のピッチ角βGは、常に曲線eで
示す同プロペラ翼1への流れのピッチ角βよりも大きい
状態に保持される。
ただし、第2図(a)において、曲線b′およびc′は、
それぞれプロペラ翼1のピッチ比の分布を第1図(a)に
曲線bおよびcで示すように実線aに対して上方および
下方に凸とした場合におけるピッチ角βGの分布を示し
ている。また、第2図(a)の曲線dは従来のプロペラ翼
のピッチ角βGの分布を示す。
また、プロペラ翼1のピッチを翼端にいくにしたがって
大きくすることにより、第2図(b)に曲線a″で示すよ
うに、低速航行状態(第6図の位置Bに対応した状態)で
も、プロペラ翼1のピッチ角βGは、常に曲線e′で示
す同プロペラ翼1への流れのピッチ角βよりも大きい状
態に保持される。
第2図(b)において、曲線b″およびc″は、第2図(a)
と同様、それぞれ第1図(a)における曲線bおよびcに
対応するピッチ角βGの分布を示しており、いずれの場
合も、曲線e′で示すプロペラ翼1への流れのピッチ角
βよりも常に大きい状態に保持されている。また、第2
図(b)の曲線d′は従来のプロペラ翼のピッチ角βGの分
布を示していて、この曲線d′で示すピッチ角βGは、
翼端部付近(x=0.5以上の位置)で曲線e′よりも小
さくなっている。
また、第1図(b),(c)に示すように、本実施例では、プ
ロペラ翼1が、バランス型のスキュー分布とバランス型
のレーキ分布とを持つように形成されている。
すなわち、プロペラ翼1がその正面投影形状を第3図
(a)に示すように、プロペラ翼1のスキュー線(翼幅中
央線)11とプロペラ翼基準線(プロペラ翼1全体のピ
ッチ角制御を行なう場合の回転中心線)12との距離S
として表されるスキューの半径方向分布が、第3図(b)
で示すように、すなわちプロペラボス2に近い翼根部付
近で負のスキュー(プロペラ翼1の前縁側9にスキュー
している状態)を有し、翼根部付近で正のスキュー(プ
ロペラ翼1の後縁側10にスキューしている状態)を有
し、かつプロペラ翼1の荷重中心がプロペラ翼基準線1
2に近い位置にくるような形状、つまりバランス型のス
キュー分布を持つ形状に形成されている。
さらに、プロペラ翼1がその側面投影形状を第4図(a)
に示すように、プロペラ翼1の正面側6とプロペラ翼基
準線12との距離Raとして表わされるレーキの半径方向
分布が、第4図(b)で示すように、すなわち、プロペラ
ボス2に近い翼根部付近でプロペラ翼1を背面側5にレ
ーキさせ、翼端部付近でプロペラ翼1を正面側6にレー
キさせ、かつ翼端でレーキ量がゼロになる形状、つまり
バランス型のレーキ分布を持つ形状に形成されている。
本発明の一実施例としての舶用可変ピッチプロペラは上
述のごとく構成されているので、通常航行状態におい
て、第2図(a)に曲線a′で示すように、プロペラ翼1
のピッチ角βGは、従来どおり、同プロペラ翼1への流
れのピッチ角β(曲線a参照)よりも十分に大きくなって
いる。この場合、プロペラ翼1の流れに対する迎角α
[(2)式参照]がかなり大きくなり、プロペラ翼1の背面
側5にキャビテーションが発生し大きな雑音が放射され
ることも考えられるが、通常航行状態では海洋音響機器
などによる調査は行なわれないので、支障を来すことは
ない。
これに対し、海洋音響機器等による調査を行なう低速航
行状態では、第1図(a)に示すように、プロペラ翼1の
ピッチが翼端にいくにしたがって増加しているので、第
2図(b)に曲線a″で示すように、同プロペラ翼1のピ
ッチ角βGは、半径方向のすべての位置にわたりプロペ
ラ翼1への流れのピッチ角β(曲線e′参照)よりも大き
くなっている。
したがって、プロペラ翼1の流れに対する迎角αも、
(2)式から明らかなように、同プロペラ翼1の半径方向
のすべての位置にわたって正となり、低速航行状態であ
っても、従来発生していたフェースキャビテーション
[第7図(b)の符号8参照]が翼端部付近において発生し
なくなる。
また、プロペラ翼1が、第1図(b)および第3図(b)に示
すような、バランス型のスキュー分布を持つ形状に形成
されたことにより、サーフェスフォース(プロペラ翼の
起振力が間接的に水圧変動の形で船体およびかじの表面
を通じて船体に伝わる成分)を軽減することができる。
すなわち、プロペラ翼は、船尾の不均一な流れの中で作
動しており、プロペラ翼に流れ込む流れの速度および方
向は、半径方向にも円周方向にも変化しているが、一軸
船では船体中心面付近に鉛直方向に伸びた、ハイウエイ
クゾーン(High Wake Zone)と呼ばれる領域がある。
一方、サーフェスフォースの主因は、プロペラ翼面上に
発生するキャビテーションの体積変化に基づいている。
キャビテーションは、通常このハイウエイクゾーン付近
でその体積変化が最大となる。したがって、プロペラ翼
をバランス型のスキュー分布を持つ形状に形成すること
により、各プロペラ翼素(プロペラ翼素はプロペラ翼を
プロペラ軸心を軸とする多数の仮想円筒面で切断して得
られる)を位相をずらしてハイウエイクゾーンを通過さ
せることができ、これによりプロペラ量の半径方向に発
生するキャビテーションに位相のずれを生じさせ、その
結果サーフェスフォースを軽減することができる(普通
プロペラのようにスキューが小さいプロペラでは、どの
半径の翼素もほとんど同時にハイウエイクゾーンを通過
するので、その瞬間には大量のキャビテーションが同時
に発生しサーフェスフォースも大きくなりかつ変動も大
きいが、キャビテーションの発生に位相ずれを生じさせ
ることにより、サーフェスフォースの平均化と軽減化と
をはかることができる)。
このようにして、低速航行状態におけるサーフェスフォ
ースの軽減化をはかることができるので、放射雑音が十
分に低減され、海洋音響機器等による調査が支障なく確
実に行なえるようになる。
上述のような雑音低減効果について、模型試験によるキ
ャビテーション雑音計測例で第5図に示す。同図におい
て、横軸は船速Vs、縦軸は代表例として周波数f=16kH
zにおける雑音レベルLpであり、従来の舶用可変ピッチ
プロペラの計測結果を曲線q′で、本発明の一実施例と
しての舶用可変ピッチプロペラの計測結果を曲線qで示
す。
第5図から明らかなように、本発明を適用することによ
り、低速域(位置B付近)での雑音レベルLpは従来よりも
20dB以上低下している。
なお、通常航行域(位置A付近)では、本発明の舶用可変
ピッチプロペラの方が雑音レベルLpが高くなっている
が、これはプロペラ翼1の背面側5に生じたキャビテー
ションのためである。ただし、この船速では音響機器を
使用することはないので、計測に支障を来すことはな
い。また、通常航行域におけるこのようなキャビテーシ
ョンの増加から、プロペラの起振力による船体振動が増
えることも考えられるが、プロペラ翼1が第1図(b)お
よび第3図(b)に示すようなスキューを有しているため
に、上述のようなプロペラ起振力の増加が抑制される。
さらに、プロペラ翼1が、第1図(c)および第4図(b)に
示すような、バランス型のレーキ分布を持つ形状に形成
されたことにより、プロペラ翼1の翼端がレーキ量0と
なっていて、翼端はプロペラ翼1全体のピッチ角制御を
行なう場合の回転中心線としてのプロペラ翼基準線12
に寄せられているため、普通プロペラ翼(翼端部がプロ
ペラ翼基準線よりはなれた形状のもの)の場合よりも翼
端部でのスピンドル・トルクが小さくなり、翼端部のピ
ッチ増加に伴ってプロペラ荷重が増加しても、ピッチ角
制御時におけるプロペラ翼1全体の回転駆動に要するス
ピンドル・トルクの増加を抑制できる。したがって、プ
ロペラ翼1を回転駆動するための駆動機構の駆動力を大
きくする必要はなく、従来のものをそのまま使用でき
る。
〔発明の効果〕
以上詳述したように、特許請求の範囲第1項の舶用可変
ピッチプロペラによれば、プロペラ翼が、その前進変節
時における翼形を翼根から翼端にいくにしたがってピッ
チを増加する形状に形成されるとともに、バランス型の
スキュー分布を持つような形状に形成されるという極め
て簡素な構成で、低速航行状態において、プロペラ翼の
翼端付近における流れに対する迎角が負になるのを防止
でき、フェースキャビテーションが発生しなくなるの
で、放射雑音が大幅に低減され、海洋音響機器等による
調査が支障なく確実に行なえるようになるほか、プロペ
ラ翼がバランス型のスキュー分布を有しているので、よ
り確実にプロペラ起振力の一成分としてのサーフェスフ
ォースの軽減がはかれるという効果ないし利点が得られ
る。
特許請求の範囲第2項の舶用可変ピッチプロペラでは、
プロペラ翼が、その前進変節時における翼形を翼根から
翼端にいくにしたがってピッチを増加する形状に形成さ
れるとともに、バランス型のスキュー分布とバランス型
のレーキ分布とを持つような形状に形成されるという極
めて簡素な構成で、第1項の発明の上記の効果のほか、
プロペラ翼がバランス型のレーキ分布を有しているの
で、ピッチ角制御時におけるプロペラ翼全体の回転駆動
に要するスピンドル・トルクの増加を抑制できるという
効果ないし利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1〜5図は本発明の一実施例としての舶用可変ピッチ
プロペラを示すもので、第1図(a)はそのプロペラ翼の
半径方向位置とピッチとの関係を示すグラフ、第1図
(b)はそのプロペラ翼の正面投影図、第1図(c)はそのプ
ロペラ翼の側面投影図、第2図(a),(b)はそれぞれ通常
航行状態および低速航行状態におけるそのプロペラ翼の
半径方向位置とピッチ角との関係を示すグラフ、第3図
(a)はそのプロペラ翼のスキュー分布を説明するための
正面投影図、第3図(b)はそのプロペラ翼のスキュー分
布を示すグラフ、第4図(a)はそのプロペラ翼のレーキ
分布を説明するための側面投影図、第4図(b)はそのプ
ロペラ翼のレーキ分布を示すグラフ、第5図は本発明の
可変ピッチプロペラによる放射雑音低減効果を従来のも
のと比較して示すグラフであり、第6,7図は従来の舶
用可変ピッチプロペラを示すもので、第6図はそのプロ
ペラ翼のピッチ角と船速との関係を示すグラフ、第7図
(a),(b)はそれぞれ通常航行状態および低速航行状態に
おけるそのプロペラ翼への流れの状態を示す模式図であ
る。 1……プロペラ翼、2……プロペラボス、5……プロペ
ラ翼の背面側、6……プロペラ翼の正面側、9……プロ
ペラ翼の前縁側、10……プロペラ翼の後縁側、11…
…スキュー線(翼幅中央線)、12……プロペラ翼基準
線。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のプロペラ翼を有する舶用可変ピッチ
    プロペラにおいて、上記プロペラ翼が、その前進変節時
    における翼形を翼根から翼端にいくにしたがってピッチ
    が増加する形状に形成されるとともに、その正面投影形
    状を同プロペラ翼のスキューの半径方向分布が上記翼根
    の付近で負のスキューを有し上記翼端の付近で正のスキ
    ューを有し、かつ荷重中心がプロペラ翼基準線に近い位
    置となるような形状に形成されていることを特徴とす
    る、舶用可変ピッチプロペラ。
  2. 【請求項2】複数のプロペラ翼を有する舶用可変ピッチ
    プロペラにおいて、上記プロペラ翼が、その前進変節時
    における翼形を翼根から翼端にいくにしたがってピッチ
    が増加する形状に形成され、その正面投影形状を同プロ
    ペラ翼のスキューの半径方向分布が上記翼根の付近で負
    のスキューを有し上記翼端の付近で正のスキューを有
    し、かつ荷重中心がプロペラ翼基準線に近い位置となる
    ような形状に形成されるとともに、その側面投影形状を
    同プロペラ翼のレーキの半径方向の分布が上記翼根の付
    近で同プロペラ翼を背面側にレーキさせ上記翼端の付近
    では同プロペラ翼を正面側にレーキさせ、かつ上記翼端
    でレーキ量がゼロとなるような形状に形成されているこ
    とを特徴とする、舶用可変ピッチプロペラ。
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