JPH0699410B2 - タキソールの水溶性誘導体 - Google Patents

タキソールの水溶性誘導体

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JPH0699410B2
JPH0699410B2 JP3217092A JP21709291A JPH0699410B2 JP H0699410 B2 JPH0699410 B2 JP H0699410B2 JP 3217092 A JP3217092 A JP 3217092A JP 21709291 A JP21709291 A JP 21709291A JP H0699410 B2 JPH0699410 B2 JP H0699410B2
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taxol
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ジー アイ キングストン ディヴィッド
ヤン ツァオ ツィ
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D305/00Heterocyclic compounds containing four-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atoms
    • C07D305/14Heterocyclic compounds containing four-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atoms condensed with carbocyclic rings or ring systems
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    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は抗腫瘍活性を有するタキ
ソール(taxol)の水溶性誘導体に関し、特にスルホン化
2′−アクリロイルタキソール誘導体、2′−スルホア
ルキルアミノ−O−アシル酸タキソール誘導体及び2′
−エチレングリコール−O−アシル酸タキソール誘導体
に関する。
【0002】
【技術的背景】タキソールは、抗癌剤として大きな可能
性を有しかつ幾つかの腫瘍系に活性を示す天然産ジテル
ペノイドである。タキソールは、Waniらによって“Plan
t Anti-Tumor Agents. VI. The Isolation And Structu
re Of Taxol, A Novel Anti-Leukemic And Anti-Tumor
Agent From Taxus brevifoliaJ. Am. Chem. Soc., 1
971 、93、2325中で初めて単離されかつその構造が報告
された。タキソールは Western Yew, Taxus brevifolia
の茎の皮中に、並びに T. baccata 及び T. cuspidata
に存在している。
【0003】タキソールの生物学的活性は細胞分裂に及
ぼすその作用に関係がある。タキソールは細胞分裂中に
有糸分裂紡錘体を生成する微小管の生成を促進する。し
かし、タキソールは、細胞分裂が起こるために不可欠な
紡錘体の微小管を生成するチューブリンの解重合を防止
する。かくして、タキソールは細胞分裂を停止させる。
タキソールはチューブリン重合体の生成を促進するが、
ビンブラスチンやコルヒチンのような他の抗癌剤は微小
管の生成を防止するので、タキソールの機構は特異であ
る。
【0004】タキソールは供給が不充分であり、未だ合
成に成功していないので、タキソールの広範囲の試験は
行われていない。予備的研究は、タキソールが急性の白
血病及び黒色腫に最低限の活性を有する可能性があるこ
とを示しており、かつ他の腫瘍にいくらかの活性が認め
られている。さらに、McGuire らの研究は、タキソール
が薬物難治性の卵巣癌に対して活性であることを発見し
た。参照文として本明細書に含まれるものとする“Taxo
l : A Unique Antineoplastic Agent With Significant
Activity In Advanced Ovarian Epithelial Neoplasm
s”、Ann. Int.Med., 1989、111 、273-279 を参照され
たい。しかし、タキソールの水溶性が低いため、投与量
をブドウ糖水溶液で希釈された浸剤として投与しなけれ
ばならなかった。
【0005】第1相の臨床試験に於て、タキソール自体
は過度の毒性作用を示さなかったが、タキソールの低水
溶性を補償するためにタキソールと共に投与された乳化
剤によって重篤なアレルギー反応が起きたことに注目さ
れるべきである。実際に、乳化剤によって誘起されたア
レルギー反応によって少なくとも1人の患者が死亡し
た。従って、研究者達は抗腫瘍及び抗癌活性を保持した
タキソールの水溶性誘導体を製造しようと企画した。
【0006】図1には、タキソールの構造をタキソール
試料の 1H核磁気共鳴(NMR)スペクトルと共に示し
てある。NMRシグナルは充分に分離しておりかつ1.0
〜8.2ppm の領域をカバーしている。簡単のために、ス
ペクトルは、メチル及びアセテート基の強い3−プロト
ンシグナル並びにある種のメチレン基によって生ずる複
雑な多重線で形成される1.0〜2.5ppm の第1領域、タ
キサン(taxane) 骨格及び側鎖のプロトンのほとんどか
ら観察されるシグナルを示す2.5〜7.0ppm の第2領
域、C−2ベンゾエート、C−3′フェニル及びC−
3′ベンズアミド基の芳香族プロトンからのシグナルで
形成される7.0〜8.2ppm の第3領域の3領域に分けら
れる。図1中のNMRスペクトルのピークは、そのシグ
ナルを生ずるプロトンが結合しているタキソール構造中
の炭素の番号に従って標識されている。
【0007】Magri 及びKingstonは水溶性にするために
C−2′及びC−7で置換されたタキソールの生物学的
活性について報告している。参照文として本明細書に含
まれるものとする“Modified Taxols, 4.1 Synthesis A
nd BiologicalActivity Of Taxols Modified In The Si
de Chain," Journal of Natural Products Vol. 51、N
o.2、pp. 298-306 、Mar.-April 1988 を参照された
い。2′−(t−ブチルジメチルシリル)タキソールが
合成されたが、本質的に不活性であることがわかった。
これは、生物学的活性のためにはタキソール側鎖の2′
位の遊離ヒドロキシル基が必要であることを示すものと
とられている。さらに、2′−アセチルタキソール及び
2′,7−ジアセチルタキソールの2′位のアシル置換
基は in vivo条件下で容易に加水分解され、両方とも細
胞培養バイオアッセイで活性を示した。2位のアシル置
換基の不安定性は2′−アセチルタキソールがタキソー
ルのプロドラッグ形として作用し得ることを示唆してい
る。(一般に、プロドラッグとは生体内変化後に薬理学
的活性を示す化合物である。)Magri 及びKingstonは水
溶性の増加した2種のタキソール、すなわち2′−(β
−アラニル)タキソール
【0008】
【化9】
【0009】及び2′−スクシニルタキソール
【0010】
【化10】
【0011】を製造したと報告している。2′−(β−
アラニル)タキソールは in vivo及びin vitroで活性で
あることがわかったが、不安定であった。タキソールの
無水コハク酸による処理によって製造される2′−スク
シニルタキソールはタキソールに比べてずっと低いP−
388 in vivo活性を示した。かくして、不安定性でな
い、あるいは in vivo又はin vitroで不活性でないタキ
ソールの他の誘導体に研究努力が集められた。
【0012】Deutsch らは、参照文として本明細書に含
まれるものとする“Synthesis Of Congeners And Prodr
ugs. 3.1 Water-Soluble Prodrugs Of Taxol With Pote
nt Antitumor Activity," J. Med. Chem. 1989、32、78
8-792 中で、2′−スクシニルタキソール及び2′−グ
ルタリルタキソールの塩は遊離酸と比較するとき改良さ
れた抗腫瘍活性を有すると報告している。これらの研究
者達は異なる対イオンでつくられた塩はしばしば実質的
に異なる性質を有すると信じていたので、種々の2′−
置換タキソール塩を合成し、試験した。さらに、2′−
グルタリルタキソール塩系列はその2′−スクシニルタ
キソール同族体より活性が高いことがわかった。特に、
N,N′−カルボニルジイミダゾール(CDI)を用い
る2′−グルタリルタキソールと3−(ジメチルアミ
ノ)−1−プロピルアミンとのカップリングによって得
られるタキソール塩は良好な溶解性及び生物活性を示し
た。
【0013】タキソールの溶解性及び生物活性の増加に
加えて、生成したタキソール誘導体はその貯蔵寿命を長
くする増加した安定性を有することが望ましい。タキソ
ールエステルの塩は極めて塩基加水分解されやすいと考
えられており、カルボン酸塩又はアミン塩のような水溶
性化(water-solubilizing groups)は塩基性になる傾向
がある。かくして、タキソールと同等の若しくは改良さ
れた活性をも有する中性の水溶性タキソール誘導体を合
成することが望ましい。有機スルホン酸塩は中性又はほ
んの僅かに塩基性である傾向があるので、タキソールエ
ステルのスルホン酸塩は改良された安定性を有するはず
である。さらに、タキソールエステルのカルボン酸塩及
びアミン塩の合成には困難が伴うので、より安価な水溶
性タキソール誘導体及びその製造法を見いだすことが望
ましい。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は水溶性タキソ
ール誘導体及びタキソールの水溶性スルホン酸塩の製造
に関する。1つの好ましい実施態様に於て、タキソール
をアクリル酸と反応させて2′−アクリロイルタキソー
ルを生成し、次にこの2′−アクリロイルタキソールを
亜硫酸水素ナトリウムと Michael反応を行わせてタキソ
ールの2′−スルホエチルエステル塩を生成することに
よって2′−〔(3−スルホ−1−オキソプロピル)−
オキシ〕タキソールナトリウム塩を製造する。もう1つ
の好ましい実施態様に於て、2′−スクシニルタキソー
ル及び2′−グルタリルタキソールのような2′−O−
アシル酸タキソールをタウリンのテトラブチルアンモニ
ウム塩との新規反応を行わせて2′−O−アシル酸タキ
ソールのスルホアルキルアミン塩を製造する。もう1つ
の好ましい実施態様はアミノスルホン酸塩と無水コハク
酸又は無水グルタル酸との反応、及びその生成物とタキ
ソールとの反応によるスルホアルキルアミン2′−O−
アシル酸タキソール誘導体の製造を含む。もう1つの実
施態様では、2′−O−アシル酸タキソールのエチレン
グリコール誘導体を製造する。これらの化合物は高い水
溶性を示し、抗白血病、抗腫瘍及び(又は)抗癌活性を
示す。
【0015】かくして、本発明の1つの目的は高い生物
活性と安定性とを有するタキソールの水溶性誘導体を製
造することである。本発明のもう1つの目的は2′−ア
クリロイルタキソール及びそのスルホン酸塩誘導体の簡
単かつ安価な製造法を提供することである。本発明のさ
らにもう1つの目的は2′−O−アシル酸タキソール及
びそのスルホアルキルアミン塩を製造することである。
【0016】本発明のさらにもう1つの目的は簡単かつ
安価な方法によって2′−O−アシル酸タキソールのス
ルホアルキルアミン誘導体を製造することである。本発
明のさらにもう1つの目的は2′−O−アシル酸タキソ
ールのヒドロキシアルコシキ誘導体を製造することであ
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】タキソールは National
Cancer Instituteから得た。 1H−NMR及び13C−N
MRスペクトルは Bruker 270SY 270MHz分光計で得ら
れ、2D−NMRは Bruker WP200 200MHz 分光計を用
いて得られた。化学シフトはすべて 1H−NMRではT
MSから低磁場へのppm で記録され、13C−NMR化学
シフトは77.0ppm のクロロホルムのシフト又は0ppm
のTMSシフトを基準にしている。試料は、一般に CDC
l3又は CD3OD中で包囲温度に於て記録される。質量スペ
クトルは、Finnegan-MAT 112ガスクロマトグラフィー質
量分光計及びデータシステム、FAB源、及びEI/C
I源、を備えたVG7070HF質量分光計を用いて得
られた。NMR及び質量スペクトルデータは、付加的な
構造確認情報を与えるIR及びUVのような他の方法と
共に、タキソール及びその誘導体の研究に最も有用であ
る。
【0018】使用した他の分析装置には、Perkin-Elmer
710B 赤外及び Perkin-Elmer 330 UV−可視分光光度
計、及びPerkin-Elmer偏光計が含まれる。HPLCは W
aters M6000 ポンプ、Rheodyne注入弁、Waters Radial-
Pak RLM−100 RP−8カラム及びWaters440
UV検出器からなる装置で行った。2′−アクリロイルタキソール タキソールをアクリル酸とカップリングさせた後、亜硫
酸水素塩イオンの Michael付加を行って2′〔(3−ス
ルホ−1−オキソプロピル)オキシ〕タキソールナトリ
ウム塩を製造した。クロロ蟻酸イソブチルをカップリン
グ剤として用いてタキソールをアクリル酸と反応させ
た。この結果、フラッシュクロマトグラフィー(シリカ
ゲル、1/1ジクロロメタン/酢酸エチル)による精製
後94%の収率で2′−アクリロイルタキソールを得
た。TLCを用いて、アクリル酸のタキソールへのカッ
プリングが60℃に於て15時間で90%完了すること
がわかった。延長された反応時間後、二置換C−2′、
C−7生成物は生成しなかった。2′−アクリロイルタ
キソールのプロトンNMRスペクトルは、C−2′プロ
トンのシグナルが未置換タキソールのC−2′プロトン
の4.73ppm シフトから5.46ppm (d,j=3)へ低
磁場シフトした。この低磁場シフトはC−2′ヒドロキ
シル基のアシル化と一致している。4.43ppm のC−7
プロトンのシグナルは、4.38ppm に於ける未置換タキ
ソールC−7プロトンと比べるとき、本質的に不変であ
るので、C−7位では反応が起こらなかったと結論され
た。質量分光分析はm/z930(MNa+ ) 及び908
(MH+) にピークを有する907の分子量を示した。
【0019】この2′−アクリロイルタキソールを、次
に亜硫酸水素ナトリウムと Michael付加反応で反応させ
た。亜硫酸水素ナトリウムを用いたのは、亜硫酸水素ナ
トリウムが良好な求核物質でありかつ反応のための適当
なpH条件を与えるからである。 Michael付加反応生成物
のプロトンNMRスペクトルは2′−アクリロイルタキ
ソールのNMRスペクトルと対照的であった。ビニルプ
ロトンの存在による2′−アクリロイルタキソールのN
MR中のシグナルは Michael付加生成物のスペクトル中
には存在しなかった。しかし、3.14ppm 及び2.93pp
m に於ける2つの三重線は Michael付加生成物中に2つ
の新しいメチレン基が存在することを示した。 Michael
付加生成物の質量分光分析はm/z1034((MNa+ )
及び1012(MH+ ) に存在するピークを有する101
1の分子量を示した。
【0020】ピリジン及びDCC(ジシクロヘキシルカ
ルボジイミド)の存在下に於てタキソールを3−ヒドロ
キシ−3−オキソプロピルスルホン酸と結合させること
による1工程反応で2′−〔(3−スルホ−1−オキソ
プロピル)オキシ〕タキソールナトリウム塩の製造を試
みたが生成物は得られなかった。これは、多分、反応中
間体上のスルホニル基による分子間攻撃によるものであ
る。
【0021】2′−O−アシル酸タキソール誘導体 2′−スクシニルタキソールをそれぞれタウリン(2−
アミノエチルスルホン酸)及び3−アミノプロピルスル
ホン酸テトラブチルアンモニウム塩とカップリングさせ
ることによって2′−{(〔4−((2−スルホエチ
ル)アミノ)−1,4−ジオキソブチル〕オキシ}タキ
ソールナトリウム塩及び2′{〔4−((3−スルホプ
ロピル)アミノ)−1,4−ジオキソブチル〕オキシ}
タキソールナトリウム塩を製造した。アミノアルキルス
ルホン酸を有機溶媒可溶性にするために他の第四アンモ
ニウム塩を使用することができることに注意されたい。
2′−スクシニルタキソールは、ピリジン又はDMP中
で無水コハク酸をタキソールと室温で2時間反応させて
製造された。タキソールのNMRスペクトルと比べて、
2′−スクシニルタキソールのNMRスペクトルは5.5
1ppm へのC−2′プロトンシグナルの低磁場シフトを
示し、スクシニルプロトンは多重線を約2.6ppm 中心に
させた。
【0022】このスクシニルタキソールを、次に、クロ
ロ蟻酸イソブチルをカップリング剤として用いてタウリ
ンテトラブチルアンモニウム塩と反応させた。7/1ジ
クロロメタン/メタノールを用いるシリカゲル上でのフ
ラッシュクロマトグラフィーによる単離後、2′−
{〔4−((2−スルホエチル)アミノ)−1,4−ジ
オキソブチル〕オキシ}タキソールテトラブチルアンモ
ニウム塩が収率100%で得られた。この反応は、TL
Cで監視するとき、2時間で80%しか完了しなかっ
た。収率100%を得るためには、長時間の反応時間が
必要であった。2′−スクシニルタキソールのスルホア
ルキルアミン誘導体のNMRスペクトルは2個のメチレ
ン基のための3.6ppm 及び2.94ppm に於ける新しいピ
ークを示した。2′−{〔4−((2−スルホエチル)
アミノ)−1,4−ジオキソブチル〕オキシ}タキソー
ルのナトリウム塩は2′−{〔4−((2−スルホエチ
ル)アミノ)−1,4−ジオキソブチル〕オキシ}タキ
ソールテトラブチルアンモニウム塩を Dowex50イオン
交換カラム(Na+ 形)中を通して流すことによって得ら
れた。このナトリウム塩のNMRスペクトルはテトラブ
チル基のシグナルがないことを示した。このナトリウム
塩の質量分光分析はm/z1105(MNa+ ) 及び108
3(MH+ ) のピークの存在による1082の分子量を示
した。
【0023】2′−{〔4−((3−スルホプロピル)
アミノ)−1,4−ジオキソブチル〕オキシ}タキソー
ルナトリウム塩はスルホエチルアミノタキソールナトリ
ウム塩のために用いたと同じ方法で製造された。しか
し、タウリンの代わりに3−アミノ−1−スルホプロピ
オン酸テトラブチルアンモニウム塩を用いた。NMRス
ペクトルは3−スルホプロピルアミノ誘導体の合成を確
認し、3.28、1.98及び2.87ppm に新しいピークが
存在し、プロピル部分を形成する3つの追加のメチレン
基を示している。スルホプロピルアミノ−スクシニルタ
キソール誘導体のナトリウム塩形は、テトラブチルアン
モニウム塩を Dowex50イオン交換カラム(Na+ 形)中
を通すことによって生成された。スルホプロピルアミノ
スクシニルタキソール誘導体のナトリウム塩の質量分光
分析は、m/z1119(MNa+ )及び1097(MH+ )
のピークの存在による1096の分子量を示した。
【0024】アミノスルホン酸と無水物又はジ酸との間
にアミド結合を生成することができ、かつ生成物をタキ
ソールと反応させて水溶性2′−O−アシル酸タキソー
ル誘導体を生成することができることも意図している。
好ましくは、アミノスルホン酸は有機溶媒可溶性塩であ
る。2′−スクシニルタキソールから1工程反応で直接
2′−{〔4−((2−スルホエチル)アミノ)−1,
4−ジオキソブチル〕オキシ}タキソールナトリウム塩
を製造しようとする試みは成功しなかった。2′−スク
シニルタキソールをトリエタノールアミン、クロロ蟻酸
イソブチル、テトラヒドロフラン(THF)、タウリ
ン、DMF及び水と混合した。しかし、タウリンを溶解
するために所要な水は混合無水物中間体を加水分解して
出発物質へ戻してしまった。非水条件で試みたとき、タ
ウリンが有機溶媒に溶解しないので、やはり反応は成功
しなかった。
【0025】2′−スクシニルタキソールをトリエチル
アミン、クロロ蟻酸イソブチル、THF、2−チオエチ
ルアミン及びジクロロメタンと組み合わせることによっ
て2′−{〔4−((2−エタンチオール)アミノ)−
1,4−ジオキソブチル〕オキシ}タキソールが低収率
で得られた。チオールをメタクロロ過安息香酸(MCP
BA)及びジクロロメタンで所望のスルホン酸へ酸化し
ようとした試みでは、所望のスルホアルキルアミンスク
シニルタキソール誘導体の認知できる量は得られなかっ
た。
【0026】スクシニルタキソールのエチレングリコー
ル誘導体 スクシニルタキソールをエチレングリコールとカップリ
ングさせることによって2′−{〔4−((ヒドロキシ
エチル)オキシ)−1,4−ジオキソブチル〕オキシ}
タキソールを製造した。ヒドロキシエチルオキシスクシ
ニルタキソール誘導体は、室温で20時間の反応時間
後、83%の収率で得られた。このヒドロキシエチルオ
キシスクシニルタキソール誘導体は、タキソールの2′
位の第二ヒドロキシル基を第一ヒドロキシル基へ変化さ
せるために製造された。生成物中のヒドロキシル基はタ
キソールのOHよりも反応性であり、このことが穏やか
な条件下で他のタキソール誘導体の製造を可能にすると
仮定される。エチレングリコール誘導体のNMRスペク
トルは、このヒドロキシエチルオキシ誘導体の2つの新
しいメチレン基に帰属される3.7ppm 及び4.1ppm の新
規ピークの存在を示した。質量分光分析はm/z102
0(MNa+ ) 及び998(MH+ ) のピークの存在による9
97の分子量を示した。
【0027】2′−γ−アミノブチリルタキソール蟻酸
タキソールをN−カルボベンジルオキシ(CBZ)−γ
−アミノ酪酸とカップリングさせた後、アミンの脱保護
を行うことによって2′−γ−アミノブチリルタキソー
ル蟻酸塩を合成した。タキソールを、ジシクロヘキシル
カルボジイミド(DCC)をカップリング剤として用い
て、N−CBZ−γ−アミノ酪酸と反応させた。得られ
た2′−NCBZ−γ−アミノブチリルタキソールは、
シリカゲル及び3/2ヘキサン/酢酸エチルによる分取
TLCで精製した後、収率75%で得られた。DCCは
水の添加によってジシクロヘキシル尿素へ分解するの
で、反応を推進するために用いられた過剰の反応剤に問
題はなく、ジシクロヘキシル尿素及びN−CBZ−γ−
アミノ酪酸のほとんどは濾過によって除去された。2′
−N−CBZ−γ−アミノブチリルタキソールの脱保護
は、5%Pd/Cを触媒として、かつ蟻酸を水素源として
用いて行われた。蟻酸はCBZ保護基の除去のための活
性形の水素を与え、この反応で2′−γ−アミノブチリ
ルタキソール誘導体は中性形よりもより水溶性である蟻
酸塩として得られる。NMRで2′−γ−アミノブチリ
ルタキソール蟻酸塩の合成が確認された。しかし、この
化合物はメタノール中で不安定であり、数時間後に分解
してタキソールに戻った。この不安定性のため、2′−
γ−アミノブチリルタキソール蟻酸塩をタキソールのプ
ロドラックとしてそれ以上考えることはできなかった。
【0028】水溶解度 すべての化合物の水溶解度を1−オクタノールと水との
間の分配係数で測定した。水溶解度の測定には、蒸留水
で飽和したオクタノール及びオクタノールで飽和した蒸
留水を用いた。分配実験の結果、2′−〔(3−スルホ
−1−オキソプロピル)オキシ〕タキソールナトリウム
塩はタキソールより210倍水溶性であり、2′−
{〔4−((2−スルホエチル)アミノ)−1,4−ジ
オキソブチル〕オキシ}タキソールナトリウム塩はタキ
ソールより191倍水溶性であり、かつ2′−{〔4−
((3−スルホプロピル)アミノ)−1,4−ジオキソ
ブチル〕オキシ}タキソールナトリウム塩はタキソール
より118倍水溶性であった。
【0029】
【実施例】以下、限定的でない実施例によって本発明の
水溶性タキソール誘導体を製造するための特別な合成法
を示す。実施例中に用いられるすべての技術的及び科学
的用語は当業者が通常理解していると同じ意味を有す
る。実施例中に記載する方法及び物質と同様又は等価の
方法及び物質は本発明の実施及び試験に用いることが可
能である。
【0030】〔実施例1〕アルゴンガス雰囲気下で、2
5ml丸底フラスコ中で、5mlの乾燥THF中にトリエチ
ルアミン50μl及びアクリル酸30μlを溶解した。
溶液を氷浴中で0℃に冷却後、50μlのクロロ蟻酸イ
ソブチルを添加し、15分かけて室温へ加温した。この
反応混合物へ100mgのタキソールを添加し、溶液を6
0℃で15時間撹拌し、ジクロロメタン/酢酸エチル
(2/1)を用いるTLCで監視した。反応中にトリエ
チルアミン塩酸塩が沈澱し、これを濾過によって除去し
た。溶媒を減圧下で除去し、生成物をシリカゲル及び1
/1ジクロロメタン/酢酸エチルを用いるフラッシュク
ロマトグラフィーで精製した。この結果、100mg(9
4%)の2′−アクリロイルタキソール:
【0031】
【化11】
【0032】が得られた。このアクリロイルタキソール
のアクリロイル部分は求核攻撃を受けやすい親電子性β
アルケン炭素原子のために良好な Michael受容体であ
る。かくして、2′−アクリロイルタキソールと適当な
求核物質との反応は2′位に於ける Michael付加をもた
らす。85mg量の2′−アクリロイルタキソールを約3
mlの蒸留イソプロパノールに溶解し、かつ84mgのメタ
亜硫酸水素ナトリウムを約1mlの蒸留水に溶解した。両
溶液を一緒に混合し、反応混合物を60℃で約15時間
撹拌した。10/1ジクロロメタン/メタノールによる
TLCを用いて反応を監視した。次に、溶媒を減圧下で
除去し、水をアセトニトリルとの共沸によって除去し
た。2/1ジクロロメタン/イソプロパノールによるフ
ラッシュクロマトグラフィーを用いて生成物を精製し
た。83.5mg(83.5%)の収量の2′−〔(3−スル
ホ−1−オキソプロピル)オキシ〕タキソールナトリウ
ム塩:
【0033】
【化12】
【0034】が得られた。生成物の試料についてNM
R、MS、UV及びIR(KBr)の分析を行い、かつ融
点を測定し、下記表1及び表2に示すキャラクタリゼー
ションデータ及びNMRデータが得られた。 表 1 ─────────────────────────────────── 2′−〔(3−スルホ−1−オキソプロピル)オキシ〕タキソール ナトリウム塩のキャラクタリゼーションデータ ─────────────────────────────────── m.p. 175-176℃ 〔α〕20 D -30゜(0.0012, MeOH) IR (KBr): 3500, 2950, 1760, 1730, 1660, 1380, 1250, 1190, 1100, 800 cm -1 UV λMeOH max: 279 nm(ε579)、 270 nm(ε869)、 228 nm(ε15072) MS (FAB): 1034 (MNa+ ) 、1012 (MH+ ) ───────────────────────────────────
【0035】 表 2 ─────────────────────────────────── 2′−〔(3−スルホ−1−オキソプロピル)オキシ〕タキソール ナトリウム塩のNMRデータ 位置 1H シフト(TMSからのppm) 13C シフト(TMSからのppm) カップリング(ヘルツ) ─────────────────────────────────── C−1 * C−2 6.2(d,7) 75 C−3 3.82(d,7) 45.8 C−4 80.5 C−5 5.0(d,9) 84 C−6 2.48 m 35.2 C−7 4.35 m 76 C−8 57.9 C−9 203.8 C−10 6.45 s 70.8 C−11 131 C−12 141 C−13 6.09(t,8) 75.4 C−14 2.48 m 35.8 C−15 43 C−16 1.15 s 25.9 C−17 1.17 s 19.8 C−18 1.95 s 13.8 C−19 1.67 s 9.4 C−20 4.21 s 70.8 C−1′ 171 C−2′ 5.45(d,3) 74 C−3′ 5.84(d,7) 53.1 N−H 7.26(t,9) CH3(OAc) 2.2 s 21 CH3(OAc) 2.4 s 21.9 Bz 7.4−8.1m 126.8−138.1 CO(OAc) 168.4 CO(OAc) 169.9 CO(OBz) 166.2 CO(NBz) 168.2 C−1″ 170.2 C−2″ 2.93(t8) 29.2 C−3″ 3.14(t8) 68.2 ─────────────────── * CHCl3 シグナル下 ───────────────────────────────────
【0036】使用したアクリル酸の代わりに同じく良好
な Michael受容体であるアクリル酸系列の他の成員を用
いることができること及び塩形成部分が別のアルカリ金
属、あるいはテトラブチルアンモニウム基のようなアン
モニウム基であってもよいことに注意されたい。塩形成
部分をHで置き換え得ることも想像される。2′−
〔(3−スルホ−1−オキソプロピル)オキソ〕タキソ
ールナトリウム塩の生物学的試験は、この化合物が改良
された水溶性を有すると共に生物活性であることを示し
た。
【0037】〔実施例2〕マグネチックスタラーを備え
た25mlのフラスコ中で、206mg量のタキソールを2.
9mgの4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)及び4
9mgの無水コハク酸と混合した。2.0ml量の乾燥ピリジ
ンを添加し、溶液を室温で2.5時間撹拌した。次に、数
mlの水を添加して不透明懸濁液の形で白色沈澱を生成し
た。次に、数mlのジクロロメタンを添加して生成物を抽
出した。1mlの濃塩酸を加えて白色懸濁液を消失させ
た。硫酸ナトリウムを用いてジクロロメタン層を乾燥し
た後、濾過し、蒸発させた。7/1 CH2Cl2 /MeOHによ
るTLCは残留ピリジンが痕跡のみであることを示し
た。この残留ピリジンを、ヘプタンの周期的な添加及び
それに続く蒸発によって除去し、この結果、96.6%の
収率を示す218mgのスクシニルタキソールを得た。生
成物のプロトンNMRは文献中に示されている値と合っ
た。構造も2D−NMR HOMO COSY〔ホモヌ
クレア相関分光分析(homonuclear correlation spectr
oscopy) 〕を用いて確認された。
【0038】タウリン、H2NCH2CH2SO3H 、は高度に極性
の化合物であり、クロロホルムのような有機溶媒には本
質的に不溶である。有機酸のタウリン誘導体は、過去に
於ては Schotten-Baumann 条件(すなわち塩基性水溶液
又はエタノール水溶液中)で酸塩化物をタウリンで処理
することによって製造された。この方法は、タキソール
が塩基で容易に加水分解され、かくして反応条件下で分
解するので、タキソールには用いられない。この問題を
克服するため、水酸化テトラブチルアンモニウムへタウ
リンを添加した後、未反応物質の除去及び蒸発を行うこ
とを含む新規の方法が開発された。この方法では、先行
技術で用いられるナトリウム塩の代わりにタウリンのテ
トラブチルアンモニウム塩が得られた。タウリンのテト
ラブチルアンモニウムはジクロロメタンのような有機溶
媒中に可溶である。かくして、THF中の2′−スクシ
ニルタキソールとトリエチルアミンとをクロロ蟻酸イソ
ブチルと反応させてタキソールタウリン誘導体のテトラ
ブチルアンモニウム塩を生成することができる。この中
間体は混合無水物であり、水の存在下で加水分解して出
発化合物へ戻ることに注意されたい。
【0039】フラスコ中で、最少量の蒸留水を用いて2
50mgのタウリンを溶解し、この溶液へ1mlの水酸化テ
トラブチルアンモニウム水溶液を添加した。溶液を室温
で1時間撹拌した後、蒸発乾固した。この乾燥生成物を
乾燥THF(約15ml)に溶解し、濾過し、濾液を乾燥
するまで蒸発した。次に、乾燥生成物を2mlの乾燥TH
Fに再び溶解した。
【0040】2′−{〔4−((2−スルホエチル)ア
ミノ)−1,4−ジオキソブチル〕オキシ}タキソール
テトラブチルアンモニウム塩の製造 約4mlの乾燥THF及び50μlのトリエチルアミンに
122gの2′−スクシニルタキソールを溶解すること
によって生成した2′−スクシニルタキソールの溶液を
約0℃に冷却した。この溶液を次に50μlのクロロ蟻
酸イソブチルと混合し、反応混合物を15分間にわたっ
て室温へ加温し、タウリンテトラブチルアンモニウム塩
のTHF溶液0.5ml(タウリンテトラブチルアンモニウ
ム塩91mgと等価)を添加した。タウリンテトラブチル
アンモニウム塩の添加後、反応混合物を室温で5時間撹
拌し、反応を2/1 EtOAc /MeOHによるTLCで監視
した。次に、反応混合物を濾過し、溶媒を蒸発させた。
シリカゲル(300×15mm床、7/1 CH2Cl2 /MeO
H)を用いるフラッシュクロマトグラフィーで精製して
168mg(100%)の2′−{〔4−((2−スルホ
エチル)−アミノ)−1,4−ジオキソブチル〕オキ
シ}タキソールテトラブチルアンモニウム塩を得た。
【0041】このテトラブチルアンモニウム塩160mg
をNa+ 形の Dowex50イオン交換樹脂(脱イオン水約3
ml中樹脂約3ml)が入っているビーカー中に入れること
によってナトリウム塩に変化させた。混合物を室温で1.
5時間撹拌した後、この混合物を、脱イオン水を溶媒と
して用いて、Na+ 形の樹脂2mlが入っている小樹脂カラ
ムを通した。
【0042】溶液をアセトニトリルと共沸させることに
よって122mg(91.7%)の2′−{〔4−((2−
スルホエチル)アミノ)−1,4−ジオキソブチル〕オ
キシ}タキソールナトリウム塩:
【0043】
【化13】
【0044】を得た。キャラクタリゼーションデータを
下記表3に、かつNMR化学シフトデータを下記表4に
示す。 表 3 ─────────────────────────────────── 2′−{〔4−((2−スルホエチル)アミノ)−1,4−ジオキソブチル〕オ キシ}タキソールナトリウム塩のキャラクタリゼーションデータ ─────────────────────────────────── m.p. 174-175℃ 〔α〕20 D -29.8゜(0.0055, MeOH) IR (KBr): 3450, 3000, 1760, 1730, 1660, 1560, 1400, 1260, 1190, 1050 cm-1 UV λMeOH max: 279 nm(ε649)、 271 nm(ε8920) 、 228 nm(ε12824) MS (FAB): 1105 (MNa+ ) 、1083 (MH+ ) ───────────────────────────────────
【0045】 表 4 ─────────────────────────────────── 2′−{〔4−((2−スルホエチル)アミノ)−1,4−ジオキソブチル〕オ キシ}タキソールナトリウム塩のNMRデータ 位置 1H シフト(TMSからのppm) 13C シフト(TMSからのppm) カップリング(ヘルツ) ─────────────────────────────────── C−1 79 C−2 5.66(d,7) 76.6 C−3 3.8(d,7) 47.2 C−4 81.6 C−5 5.02(d,9) 85.4 C−6 2.52 m 36 C−7 4.35 m 77.3 C−8 58.8 C−9 204.8 C−10 6.43 s 72.8 C−11 132.6 C−12 142.2 C−13 6.05(t,8) 75.9 C−14 2.14 m 36.2 C−15 44.1 C−16 1.18 s 26.8 C−17 1.18 s 21 C−18 1.94 s 14.9 C−19 1.67 s 10.2 C−20 4.23 s 72 C−1′ 173.4 C−2′ 5.46(d,7) 75.8 C−3′ 5.8(dd,7,7) 55 N−H 7.27(t,7) CH3(OAc) 2.2 s 22.2 CH3(OAc) 2.4 s 23.3 Bz 7.4−8.1m 126.8−138.1 CO(OAc) 170.2 CO(OAc) 170.2 CO(OBz) 167.2 CO(NBz) 171.2 C−1″ 173.1 C−2″ 2.72m 30 C−3″ 2.52m 30 C−4″ 173.1 C−1″′ 3.58m 47 C−2″′ 2.96m 51 N−H 3.58(t,7) ───────────────────────────────────
【0046】タウリンのテトラブチルアンモニウム塩は
2′−グルタリルタキソールのような他の2′−O−ア
シル酸タキソールと容易に反応することができることに
注意されたい。2′−グルタリルタキソールは、無水コ
ハク酸の代わりに無水グルタル酸を用いることによって
容易に製造することができる。シュウ酸系列の他の成員
及び他の無水物は特に記載した化合物と多かれ少なかれ
等価的にタキソールと反応することができると考えられ
る。幾つかの場合に、2′−グルタリルタキソールは他
の2′−O−アシル酸タキソールの使用よりも好ましい
ことがあり得ることに注意されたい。さらに、塩形成部
分はHあるいは他のアルカリ金属又はアルカリ土類金属
で置換され得ることも意図される。
【0047】〔実施例3〕蒸留水中に280mgの3−ア
ミノ−1−スルホプロピオン酸を含む溶液をつくり、1
mlの水酸化テトラブチルアンモニウムを添加した。この
溶液を60℃で1時間撹拌した後、蒸発乾固した。生成
物を約15mlのTHFに溶解し、濾過によって過剰の3
−アミノ−1−スルホプロピオン酸を除去した。濾液を
蒸発させ、次の反応のために2mlの乾燥THFに再溶解
した。乾燥THF4ml中の130mgの2′−スクシニル
タキソール及び50μlのトリエチルアミンの溶液をつ
くり、この溶液を0℃に冷却した。クロロ蟻酸イソブチ
ルの50μl部分を反応混合物へ添加し、溶液を約15
分間で室温へ暖めた。この後で、3−アミノ−1−スル
ホプロピオン酸テトラブチルアンモニウム塩のTHF溶
液0.6ml(3−アミノ−1−スルホプロピオン酸テトラ
ブチルアンモニウム塩108mgと等価)を添加した。反
応混合物を室温で3時間撹拌し、反応の進行を4/1酢
酸エチル/メタノールによるTLCで監視した。反応溶
液を次に濾過しかつ蒸発させ、生成物をシリカゲル(3
00mm×15mm床、10/1ジクロロメタン/メタノー
ル溶離液使用)を用いるフラッシュクロマトグラフィー
で精製した。均質なタキソールのテトラブチルアンモニ
ウム塩が128mg(71.2%)の収量で得られた。
【0048】この2′−{〔4−((3−スルホプロピ
ル)アミノ)−1,4−ジオキソブチル〕オキシ}タキ
ソールテトラブチルアンモニウム塩120mgをNa+ 形の
Dowex50イオン交換樹脂(脱イオン水約3mlにつき樹
脂約3ml)が入っているビーカー中に入れることによっ
て、テトラブチルアンモニウム塩をナトリウム塩に変化
させた。混合物を室温で1.5時間撹拌した後、脱イオン
水を溶媒として用い、Na+ 形の樹脂2mlが入っている樹
脂カラム中を通した。溶液をアセトニトリルと共沸させ
て84mg(79.3%)の2′−{〔4−((3−スルホ
プロピル)アミノ)−1,4−ジオキソブチル〕オキ
シ}タキソールナトリウム塩:
【0049】
【化14】
【0050】を得た。この化合物のキャラクタリゼーシ
ョンデータを表5に、かつNMR化学シフトデータを表
6に示す。 表 5 ─────────────────────────────────── 2′−{〔4−((3−スルホプロピル)アミノ)−1,4−ジオキソブチル〕 オキシ}タキソールナトリウム塩のキャラクタリゼーションデータ ─────────────────────────────────── m.p. 168-169℃ 〔α〕20 D -29゜(0.001, MeOH) IR (KBr): 3480, 3000, 1760, 1740, 1660, 1560, 1400, 1260, 1050 cm -1 UV λMeOH max: 279 nm(ε974)、 271 nm(ε1240) 、 228 nm(ε12719) MS (FAB): 1119 (MNa+ ) 、1097 (MH+ ) ───────────────────────────────────
【0051】 表 6 2′−{〔4−((3−スルホプロピル)アミノ)−1,4−ジオキソブチル] オキシ}タキソールナトリウム塩のNMRデータ 位置 1H シフト(TMSからのppm) 13C シフト(TMSからのppm) カップリング(ヘルツ) ─────────────────────────────────── C−1 * C−2 5.63(d,7) 74.8 C−3 3.8(d,7) 46 C−4 80.8 C−5 4.99(d,9) 84.2 C−6 2.5 m 34.7 C−7 4.34 m 75.9 C−8 57.5 C−9 204.2 C−10 6.44 s 71.3 C−11 131.6 C−12 141.2 C−13 6.05(t,8) 75.2 C−14 2.14 m 35.7 C−15 42.8 C−16 1.16 s 25.6 C−17 1.16 s 19.4 C−18 1.93 s 13.6 C−19 1.67 s 8.9 C−20 4.21 s 70.8 C−1′ 172 C−2′ 5.44(d,7) 74.2 C−3′ 5.79(dd,7,7) 53.6 N−H 7.25(t,7) CH3(OAc) 2.2 s 20.9 CH3(OAc) 2.4 s 21.6 Bz 7.4−8.1m 126.8−138.1 CO(OAc) 169 CO(OAc) 170.2 CO(OBz) 166.4 CO(NBz) 170.2 C−1″ 171.9 C−2″ 2.75(t,7) 29 C−3″ 2.54(t,7) 29.8 C−4″ 171.9 C−1″′ 3.25m 37.9 C−2″′ 1.98m 28.3 C−3″′ 2.85(t,7) ** ─────────────────────── * CHCl3シグナル下 ** MeOH シグナル下 ─────────────────────────────────── ナトリウムがHあるいは他のアルカリ又はアルカリ土類
金属及びアンモニウム基のような任意の他の塩形成部分
で置換され得ることは想像される。
【0052】〔実施例4〕アルゴンガス雰囲気下で乾燥
THF2ml中に26mgの2′−スクシニルタキソール及
び20μlのトリエチルアミンを包む溶液を調製し、溶
液を1℃に冷却した。この溶液へクロロ蟻酸イソブチル
の10μl部分を添加し、反応混合物を約15分で室温
へ加温した。加温工程後、5μlのエチレングリコール
を添加し、反応混合物を室温で15時間撹拌し、1:1
ジクロロメタン/酢酸エチルによるTLCで反応の進行
を監視した。沈澱を濾過しかつ溶媒を蒸発させることに
よって反応を停止させた。粗製生成物を分取TLC
(1:3ジクロロメタン/酢酸エチル)によって精製
し、25mg(83.3%)の収量の2′−{〔4−((2
−ヒドロキシエチル)オキシ)−1,4−ジオキソブチ
ル〕オキシタキソール:
【0053】
【化15】
【0054】を得る。表7にキャラクタリゼーションデ
ータを示しかつ下記表8にNMR化学シフトデータを示
す。 表 7 ─────────────────────────────────── 2′−{〔4−((2−ヒドロキシエチル)オキシ)−1,4−ジオキソブチル 〕オキシ}タキソールのキャラクタリゼーションデータ ─────────────────────────────────── m.p. 164-165℃ 〔α〕20 D -32.5゜(0.002, MeOH) IR (KBr): 3500, 2950, 1760, 1740, 1660, 1390, 1260, 1160, 1080, 1040 cm-1 UV λMeOH max: 279 nm(ε609)、 272 nm(ε831)、 228 nm(ε14404) MS (FAB): 1020 (MNa+ ) 、 998 (MH+ ) ───────────────────────────────────
【0055】 表 8 ─────────────────────────────────── 2′−{〔4−((2−ヒドロキシエチル)オキシ)−1,4−ジオキソブチル 〕オキシ}タキソールのNMRデータ 位置 1H シフト(TMSからのppm) 13C シフト(TMSからのppm) カップリング(ヘルツ) ─────────────────────────────────── C−1 79.1 C−2 5.7(d,7) 75.8 C−3 3.8(d,7) 45.8 C−4 81 C−5 4.95(d,9) 84.3 C−6 2.56 m 35.6 C−7 4.43 m 75.8 C−8 58.2 C−9 204 C−10 6.29 s 72.1 C−11 132 C−12 142.3 C−13 6.23(t,8) 75.8 C−14 2.42 m 35.6 C−15 43.2 C−16 1.23 s 26.8 C−17 1.15 s 20.5 C−18 1.94 s 14.3 C−19 1.70 s 9.8 C−20 4.19(d,8) 72.1 C−1′ 172.2 C−2′ 5.48(d,3) 74.3 C−3′ 5.97(dd,3,9) 52.9 N−H 7.14(d,9) CH3(OAc) 2.25 s 22.1 CH3(OAc) 2.45 s 22.8 Bz 7.4−8.1m 126.8−138.1 CO(OAc) 168 CO(OAc) 169.9 CO(OBz) 167 CO(NBz) 167.3 C−1″ 171 C−2″ 2.65 m 29 C−3″ 2.78 m 29 C−4″ 171 C−1″′ 3.7(t,7) 66.2 C−2″′ 4.1 m 61 ───────────────────────────────────
【0056】〔実施例5〕10mlのフラスコへ、タキソ
ール20mg、ジシクロヘキシルカルボジイミド40mg、
及びN−カルボベンジル−γ−アミノ酪酸20mgを加え
た。これらの反応成分を4mlの乾燥アセトニトリル(乾
燥アセトニトリルは、アセトニトリルを活性アルミナを
通すことによって得られた)に溶解した。反応混合物を
室温で30時間撹拌した後、溶液を濾過して沈澱したジ
シクロヘキシル尿素を除去した。次に溶媒を減圧下で除
去し、45:55ヘキサン/酢酸エチルによる分取TL
Cによって粗製生成物を分離した。この結果、19.1mg
(75.9%)の純2′−N−CBZ−γ−アミノブチリ
ルタキソールを得た。
【0057】2′−N−CBZ−γ−アミノブチリルタ
キソール6mgを1.5mlのメタノールへ添加することによ
って2′−γ−アミノブチリルタキソール蟻酸塩を合成
した。CBZ−タキソール誘導体の溶解後、1mlの蟻酸
を加えて40%蟻酸/メタノール溶液をつくった。この
溶液へ5%Pd/C 5mgを添加し、かつ室温で26時間
撹拌することによって反応を行った。Pd/Cを濾別しか
つ濾液を減圧下で乾燥することによって反応を停止させ
た。この結果、2′−γ−アミノブチリルタキソール蟻
酸塩:
【0058】
【化16】
【0059】を得た。数時間後、プロトンNMR及び
2:1:0.02ジクロロメタン/酢酸エチル/メタノ
ールによるTLCは、2′−γ−アミノブチリルタキソ
ール蟻酸塩が分解してタキソールへ戻ったことを示し
た。 〔実施例6〕タキソール、ジシクロヘキシルカルボジイ
ミド、4−ジメチルアミノピリジン及びクロトン酸を反
応させ、2′−クロトニルタキソールを得た。そのNM
Rスペクトルを図2に示す。
【0060】〔実施例7〕タキソール、ジシクロヘキシ
ルカルボジイミド、4−ジメチルアミノピリジン及び桂
皮酸を反応させ、2′−シンナモイルタキソールを得
た。そのNMRスペクトルを図3に示す。 〔試験例1〕タキソール1.6mgを60mlの分液漏斗中の
1−オクタノールで飽和された蒸留水10ml中に溶解
し、次に蒸留水で飽和された1−オクタノール10mlを
添加することによってタキソールの水溶解度を測定し
た。漏斗を振盪し、有機相と無機相とが分離するまで約
30分間放置した。水層及び(又は)オクタノール層に
ついて、オクタノール層は測定前に5倍希釈して、22
8nmに於けるUV吸収測定を行った。
【0061】上記と同じ方法に従い、0.8mgの2′−
〔(3−スルホ−1−オキソプロピル)オキシ〕タキソ
ールナトリウム塩、0.8mgの2′−{〔4−((2−ス
ルホエチル)アミノ)−1,4−ジオキソブチル〕オキ
シ}タキソールナトリウム塩及び0.7mgの2′−{〔4
−((3−スルホプロピル)アミノ)−1,4−ジオキ
ソブチル〕オキシ}タキソールナトリウム塩のタキソー
ルに対する水溶解度を測定した。その結果を下記表9に
示す。
【0062】 表 9 ─────────────────────────────────── タキソールに対する誘導体の水溶解度 化合物 相対溶解度 ─────────────────────────────────── タキソール 1 2′−〔(3−スルホ−1−オキソプロピル)オキシ〕 タキソールナトリウム塩 210 2′−{〔4−((2−スルホエチル)アミノ)−1,4− ジオキシブチル〕オキシ}タキソールナトリウム塩 191 2′−{〔4−((3−スルホプロピル)アミノ)−1,4− ジオキシブチル〕オキシ}タキソールナトリウム塩 118 ───────────────────────────────────
【0063】表9は、2′−アクリロイルタキソール誘
導体が最高の水溶解度を有し、タキソールより210倍
水溶性であることを示す。タウリン2′−スクシニルタ
キソール誘導体は2′−スクシニルタキソールの3−ア
ミノ−1−スルホプロピオン酸誘導体よりずっと大きい
水溶解度を有するが、両化合物共にタキソールより10
0倍以上大きい溶解度を有することに任意されたい。
2′−スクシニルタキソールの3−アミノ−1−スルホ
プロピオン酸誘導体の減少した溶解度は恐らく増加した
アルキル鎖長によるものである。
【0064】〔試験例2〕実施例1〜3で製造した2′
−〔(3−スルホ−1−オキソプロピル)オキシ〕タキ
ソールナトリウム塩(化合物A)、2′−{〔4−
((2−スルホエチル)アミノ)−1,4−ジオキソブ
チル〕オキシ}タキソールナトリウム塩(化合物B)及
び2′−{〔4−((3−スルホプロピル)アミノ)−
1,4−ジオキソブチル〕オキシ}タキソールナトリウ
ム塩(化合物C)のin vitro細胞毒性及びin vivo P388
活性を調べた。結果を表10及び表11に示す。
【0065】 表 10 ─────────────────────────────────── in vitro細胞毒性 (IC50:μg/mL) 化合物 A549 A549/VP B16-PRIM HCT-116 HCT/VP35 ─────────────────────────────────── タキソール 4.79 <0.02 <0.02 <0.02 <0.02 A 0.09 <0.02 <0.02 <0.02 0.03 B 0.19 0.11 <0.02 <0.02 0.04 C 0.40 0.19 0.02 <0.02 0.05 ────────────────────────────────────
【0066】 表 11 ─────────────────────────────────── in vivo P388活性 化合物 T/C (投与量、mg/Kg) ─────────────────────────────────── タキソール 155(16) 132(8) 150(4) A 132(64) 136(32) 127(16) 114(8) 109(4) B 127(48) 123(24) 118(12) 114(6) 109(3) C 136(4) 136(2) 127(10) 123(5) 109(2.5) ──────────────────────────────────── IPインジェクション、スケジュールQ01D x 5;1
【0067】
【発明の効果】かくして、本発明は誘導体にされていな
いタキソールに比べて増加した水溶解度を有しかつ増加
した水溶解度を有するタキソールのある種の従来の誘導
体より長時間安定である新規タキソール誘導体を開示す
る。これらの化合物は本質的に純粋な化合物の高収率を
もたらす新規の方法で製造される。キャラクタリゼーシ
ョンデータ及びNMR研究は本発明のタキソール誘導体
の構造及び性質を確認する。高い水溶解度と改良された
安定性に加えて、これらの化合物はその生物活性及び抗
腫瘍、抗白血病及び抗癌プロドラッグとしての有用性を
保持している。
【0068】本発明の水溶性タキソール誘導体の意図さ
れる等価物には、それらに限定されるものではないが、
−H、−OH、−OR、−NR、−Ar 、又は=Oによ
る他の非妨害部分の置換のような非妨害基(例えば、本
発明のタキソール誘導体の望ましい性質をひどく変化さ
せない置換基)で置換された1個以上の側鎖又は環置換
基を有するタキソールの2′−アクリロイル及び2′−
O−アシル酸誘導体が含まれる。
【0069】以上の教示から、本発明の多くの変更や変
化が可能であることは明らかである。従って、本発明は
特に説明した以外に実施可能であることは言うまでもな
いことである。
【図面の簡単な説明】
【図1】タキソール構造及び対応するタキソール構造に
従って標識されたピークを有するその核磁気共鳴スペク
トルを示す。
【図2】2′−クロトニルタキソールの核磁気共鳴スペ
クトルを示す。
【図3】2′−シンナモイルタキソールの核磁気共鳴ス
ペクトルを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ツィ ヤン ツァオ アメリカ合衆国 バージニア州 24060− 0212 ブラックスバーグ (番地なし) バージニア ポリテクニク インスチテュ ート アンド ステイト ユニヴァーシテ ィ ケミストリー デパートメント ディ ヴィッドソン ホール

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般構造式 【化1】 (上記構造式中、X及びYはH、低級アルキル及びフェ
    ニルからなる群から選ばれ、同一でも異なっていてもよ
    い)を有するタキソール(taxol)の誘導体。
  2. 【請求項2】 X及びYがHである請求項1記載の化合
    物。
  3. 【請求項3】 低級アルキルが、メチルである請求項1
    記載の化合物。
  4. 【請求項4】 下記一般構造式 【化2】 (上記構造式中、X及びYはH、低級アルキル及びフェ
    ニルからなる群から選ばれ、同一でも異なっていてもよ
    く、かつ、MはH、アルカリ金属及びアンモニウム基か
    らなる群から選ばれる)を有するタキソールの水溶性誘
    導体。
  5. 【請求項5】 X及びYがHであり、かつMがNaである
    請求項4記載の化合物。
  6. 【請求項6】 低級アルキルが、メチルである請求項4
    記載の化合物。
  7. 【請求項7】 下記一般構造式 【化3】 〔上記構造式中、Rは -(CHy ) n -CO-NH-(CH2)z -SO2O-M 、及び -(CHy ) n -CO-O-(CH2) z -OH (ここで、MはH、アルカリ金属、及びアンモニウム基
    からなる群から選ばれ、nは1〜3であり、yは1〜2
    であり、但しnが1であるときにはyは1でないことを
    条件とし、かつzは2〜3である)からなる群から選ば
    れる〕を有するタキソールの水溶性誘導体。
  8. 【請求項8】 yが2であり、nが2であり、かつzが
    2である請求項7記載の化合物。
  9. 【請求項9】 yが2であり、nが2であり、かつzが
    3である請求項7記載の化合物。
  10. 【請求項10】 Mが第四アンモニウムである請求項7
    記載の化合物。
  11. 【請求項11】 タキソールをアクリル酸系列の酸でエ
    ステル化する工程(a)を含む2′−アクリロイルタキ
    ソールの製造法。
  12. 【請求項12】 工程(a)で生成された2′−アクリ
    ロイルタキソールのβビニル部分に於て求核物質と Mic
    hael反応を行ってタキソールの水溶性誘導体を生成する
    工程(b)をも含み、かつ該求核物質が亜硫酸水素塩イ
    オン及び亜硫酸塩イオンからなる群から選ばれ、かつ該
    水溶性誘導体が下記の一般構造式 【化4】 〔上記構造式中、 Rは -CHX-CHY-SO2O-M (ここで、X及びYはH、低級アルキル及びフェニルか
    らなる群から選ばれ、同一でも異なっていてもよく、か
    つMはH、アルカリ金属及びアンモニウム基からなる群
    から選ばれる)である〕を有する請求項11記載の製造
    法。
  13. 【請求項13】 該エステル化工程(a)をカップリン
    グ剤としてのクロロ蟻酸イソブチルの存在下で行う請求
    項12記載の製造法。
  14. 【請求項14】 工程(a)が (a1)トリエチルアミンと該アクリル酸とをアルゴン雰
    囲気下でテトラヒドロフランに溶解して第1溶液を生成
    する工程、 (a2)第1溶液を約0℃へ冷却する工程、 (a3)該クロロ蟻酸イソブチルを該第1溶液と混合して
    第2溶液を生成し、かつ該第2溶液をほぼ室温へ加温す
    る工程、 (a4)該第2溶液へタキソールを添加して該2′−アク
    リロイルタキソール誘導体を生成する工程 (a5)該2′−アクリロイルタキソール誘導体を沈澱さ
    せかつ乾燥する工程を含み、かつ工程(b)が (b1) 工程(a)の該2′−アクリロイルタキソール誘
    導体をイソプロパノールに溶解して第3溶液を生成する
    工程、 (b2)メタ亜硫酸水素ナトリウムを蒸留水に溶解して第
    4溶液を生成する工程、及び (b3)該第3溶液と該第4溶液とを混合して該水溶性タ
    キソール誘導体を生成する工程 を含む請求項13記載の製造法。
  15. 【請求項15】 2′−O−アシル酸タキソール誘導体
    を有機溶媒可溶性アミノスルホン酸塩と反応させて下記
    の一般構造式 【化5】 〔上記一般構造式中、 Rは -(CH y ) n -CO-NH-(CH2) z -SO2O-M (ここでMはアンモニウム基であり、nは1〜3であ
    り、yは1〜2であり、但しnが1であるときにはyは
    2であることを条件とし、かつzは2〜3である)であ
    る〕を有する2′−O−アシルタキソール誘導体を生成
    する工程(a)を含む水溶性タキソール誘導体の製造
    法。
  16. 【請求項16】 該2′−O−アシル酸タキソール誘導
    体が下記の一般構造式 【化6】 〔上記一般構造式中、 Rは -(CH y ) n -CO-OH (ここで、yは1〜2であり、かつnは1〜3であり、
    但しnが1であるときにはyは2であることを条件とす
    る)である〕を有し、かつ工程(a)が(a1)下記の一
    般構造式 NH2-(CH2) z -SO3H を有する化合物をアンモニウム化合物の水溶液と混合し
    て下記の一般構造式 NH2-(CH2) z -SO3-M (上記一般構造式中、zは2〜3であり、かつMはアン
    モニウム化合物である)を有する塩を生成する工程、及
    び(a2)該2′−O−アシル酸タキソール誘導体を工程
    (a1)の該塩と反応させる工程を含む請求項15記載の
    製造法。
  17. 【請求項17】 該アンモニウム基をH及びアルカリ金
    属からなる群から選ばれる部分に変える工程(b)をも
    含む請求項16記載の製造法。
  18. 【請求項18】 タキソールを下記の一般構造式 HOOC-(CHy ) n -CO-NH-(CH2) z -SO2O-M (ここで、Mはアンモニウム基であり、nは1〜3であ
    り、yは1〜2であり、但しnが1であるときにはyは
    2であることを条件とし、かつzは2〜3である)を有
    する化合物と反応させる工程(a)を含み、かつ該反応
    が下記の一般構造式 【化7】 〔上記一般構造式中、 Rは -(CH y ) n -CO-NH-(CH2)z -SO2O-M (ここでMはアンモニウム基であり、nは1〜3であ
    り、yは1〜2であり、但しnが1であるときにはyは
    2であることを条件とし、zは2〜3である)である〕
    を有するタキソール誘導体の生成をもたらす水溶性タキ
    ソール誘導体の製造法。
  19. 【請求項19】 該アンモニウム基をH及びアルカリ金
    属からなる群から選ばれる部分に変える工程(b)をも
    含む請求項18記載の製造法。
  20. 【請求項20】 2′−O−アシル酸タキソール誘導体
    をアルキレングリコールと反応させて、下記の一般構造
    式 【化8】 〔上記一般構造式中、 Rは -(CH y ) n -CO-O-(CH2) z -OH (ここでnは1〜3であり、yは1〜2であり、但しn
    が1であるときにはyは2であることを条件とし、かつ
    zは2〜3である)である〕を有する2′−O−アシル
    タキソール誘導体を生成する工程を含む水溶性タキソー
    ル誘導体の製造法。
  21. 【請求項21】 該アルキレングリコールがエチレング
    リコールである請求項20記載の製造法。
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