JPH0698716A - 麹の製造法 - Google Patents

麹の製造法

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JPH0698716A
JPH0698716A JP4250195A JP25019592A JPH0698716A JP H0698716 A JPH0698716 A JP H0698716A JP 4250195 A JP4250195 A JP 4250195A JP 25019592 A JP25019592 A JP 25019592A JP H0698716 A JPH0698716 A JP H0698716A
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JP
Japan
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koji
soy sauce
strain
mixed
glutaminase activity
Prior art date
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Pending
Application number
JP4250195A
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English (en)
Inventor
Yoshiharu Noda
義治 野田
Kazunori Oba
和徳 大場
Tatsuro Ueki
達朗 植木
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FUKUOKA PREF GOV SHOYU JOZO KY
FUKUOKA PREF GOV SHOYU JOZO KYODO KUMIAI
Original Assignee
FUKUOKA PREF GOV SHOYU JOZO KY
FUKUOKA PREF GOV SHOYU JOZO KYODO KUMIAI
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高品質の生揚醤油が製造可能なグルタミナー
ゼ活性の高い醤油麹を、比較的簡単に得る方法を提供す
る。 【構成】 アスペルギルス・オリーゼ又はアスペルギル
ス・ソーヤに属する菌株であって、分生子柄長が0.8
mm以下、好ましくは0.5mm以下の分生子柄が比較
的短い菌株と、分生子柄長が1.2mm以上、好ましく
は1.5mm以上の長い菌株を合計2種類以上混合し、
常法によって製麹する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は醤油麹、味噌麹等の麹の
製造法、特にグルタミナーゼ活性の高い麹の製造法に関
する。
【0002】
【従来技術とその課題】醤油は大豆と麦及び米を原料と
した我が国の代表的な調味料の一つである。このもの
は、原料を処理した後、これと種麹とを混合し、常法に
従って培養を行い、得られた醤油麹を食塩水で仕込み、
さらにその後約半年〜1年位発酵熟成させて製造され
る。また、この醗酵熟成させたものを圧搾瀘過して得ら
れる液体は生揚醤油と呼ばれている。
【0003】生揚醤油の品質は、色,香り、味等の各要
素によって判断されるが、この中でも調味料として最も
重要なうま味を左右するものとして、生揚醤油における
全窒素当たりのグルタミン酸含量が挙げられる。このグ
ルタミン酸含量が多い程うま味があり品質が良いものと
される。
【0004】生揚醤油のグルタミン酸含量は、醤油麹の
グルタミナーゼ活性と深く関連し、品質の良い生揚醤
油、すなわち、全窒素当たりのグルタミン酸含量の高い
生揚醤油を得るためには、グルタミナーゼ活性のより高
い醤油麹を用いることが必要である。
【0005】醤油麹は、強力な加水分解酵素を生産し、
醤油諸味の中で大豆及び小麦のタンパク質、炭水化物等
を分解する役割を果たすもので、従来、蒸煮大豆にいっ
た小麦を混合し、これに醤油種麹(Aspergillus sojae,
Aspergillus oryzae) を接種して、湿度の高い25〜3
0℃の室で約3日間程度培養して製造されている。
【0006】このような醤油麹のグルタミナーゼ活性を
高くする方法として、従来、種々の種麹の中から特にグ
ルタミナーゼ活性の高い麹菌をスクリーニングする方
法、また細胞融合による方法等が開発されている。
【0007】しかしながら、前者の方法では、グルタミ
ナーゼ活性を高めるのに限度があり、また後者の方法は
高度の技術を必要とし、一般の醤油生産業者には適用す
ることが困難である。
【0008】このように醤油麹におけるグルタミナーゼ
活性は、生揚醤油の品質に及ぼす影響が大でありなが
ら、グルタミナーゼ活性が高い醤油麹を容易に製造する
方法は現在のところ確立されておらず、原料の有効利用
の観点からもこのような醤油麹の製造法の開発が望まれ
ているところである。
【0009】また、このような問題点は、生揚醤油のみ
ならず、醤油と同様に麹を用いて生産される、味噌につ
いても言えることである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明において解決す
べき課題は、高品質の生揚醤油や味噌の製造が可能なグ
ルタミナーゼ活性の高い麹を簡単に得る方法を提供する
ことにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、グルタミナ
ーゼ活性の高い麹の製造法について鋭意検討を重ねた結
果、比較的分生子柄の短い菌株と長い菌株を合計2種類
以上混合し製麹することにより、所望の麹が得られるこ
とを見い出し、かかる知見に基づき本発明を完成させた
ものである。
【0012】即ち、本発明は、アスペルギルス・オリー
ゼ又はアスペルギルス・ソーヤに属し、比較的分生子柄
の短い菌株と長い菌株とを合計2種類以上混合し製麹を
開始するか、又は出麹前までに合計2種類以上の麹を混
合することによって、グルタミナーゼ活性の高い醤油
麹,味噌麹の製麹を可能にしたものである。
【0013】ここでアスペルギルス・オリーゼ又はアス
ペルギルス・ソーヤに属し比較的分生子柄が短い菌株と
は、分生子柄の長さが0.8mm以下、好ましくは0.
5mm以下のものを言い、また、分生子柄が長い菌株と
は、分生子柄の長さが1.2mm以上、好ましくは1.
5mm以上のものを言う。
【0014】本発明の醤油麹等の麹の製造法において
は、アスペルギルス・オリーゼ又はアスペルギルス・ソ
ーヤに属し比較的分生子柄の短い麹菌株と長い麹菌株を
合計2種類以上混合し製麹するという要件が必要であ
る。単一の麹菌株の使用では、高グルタミナーゼ活性を
有する醤油麹等を得ることができない。また、ここで混
合の時期は、具体的には種麹の段階から出麹前までであ
り、それぞれの麹菌株を別々に培養し得られた数種類の
醤油麹等を出麹後混合してもグルタミナーゼ活性を増加
せしめることはできない。
【0015】また、混合比率としては、アスペルギルス
・オリーゼ又はアスペルギルス・ソーヤに属し比較的分
生子柄の短い麹菌群と長い麹菌群を混合する場合、重量
比で1対10から10対1まで、好ましくは7対3から
3対7までとするのが良い。
【0016】上記の方法で製麹する醤油麹等は、従来の
単一菌株のみで製麹した麹に比べ、1.5倍以上のグル
タミナーゼ活性を示す。
【0017】
【作用】分生子柄の短い菌株と長い菌株とを合計2種類
以上混合することにより、どのようなメカニズムによっ
てグルタミナーゼ活性の高い麹を得ることができるかに
ついては、現在のところ理論的な解明はされておらず、
今後の研究に待たなければならない。しかしながら、一
要因として、分生子柄の短菌株と長株菌が共存すること
によって、分生子柄の長い菌株の作用によって麹層が固
まるのを、分生子柄の短い菌株が防ぎ、崩れやすい状態
にして分生子柄の長い菌株の生育に良好な環境となり、
比較的高いグルタミナーゼ活性を有する分生子柄の長い
菌株の活性の発現が早まり、これによって、グルタミナ
ーゼ活性の高い麹を得ることができるものと推察され
る。
【0018】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明す
る。
【0019】〔実施例1〕脱脂加工大豆と小麦を原料処
理し、乾燥物重量で1:1になるように混合した。この
混合物80gに対して麹菌胞子を接種した。また、大麦
及び米を原料処理し、それぞれ80gに対して麹菌胞子
を接種した。接種した麹は、表1に示す通り、アスベル
ギルス・オリ一ゼに属し比較的分生子柄の短い菌株とし
て分生子柄長0.3mmのK2株と、分生子柄の長い菌
株として分生子柄長2.0mmのHG株を用いた。な
お、以下に示す実施例において、K2及びH2と表示し
たものは、同様のものを示す。接種量は、どちらか一方
のみを接種する場合は40mg、両方を接種する場合は
それぞれ20mgずつ合計40mgとした。これを常法
どうり、培養開始から26時間までは30℃で、26時
間後から45時間後までは25℃で培養し、培養18時
間目と26時間目とに手入れを行って麹を調製し、その
グルタミナーゼ活性を測定した。
【0020】
【表1】 表1より、何れの麹原料に対しても、比較的分生子柄の
短いK2株と比較的分生子柄の長いHGの双方を混合使
用したものが、グルタミナーゼ活性が高いことが分か
る。
【0021】〔実施例2〕脱脂加工大豆と小麦を原料処
理し、乾燥物重量で1:1になるように混合した。この
混合物80gに対して麹菌胞子を接種した。接種した麹
は、アスベルギルス・オリ一ゼに属し比較的分生子柄の
短いK2株と、分生子柄の長いHG株を用いた。接種量
はどちらか一方のみを接種する場合は40mg、両方を
接種する場合はそれぞれ20mgずつ合計40mgとし
た。これを培養開始から26時間までは30℃で、26
時間後から45時間後までは25℃で培養し、培養18
時間目と26時間目とに手入れを行って麹を調製し、そ
のグルタミナーゼ活性を培養時間毎に測定した。
【0022】図1は、その結果を示し、出麹(培養45
時間目)における混合培養麹のグルタミナーゼ活性は、
単一菌株の値の2倍以上であり、出麹後も増加しつづ
け、常に単一菌株の活性に比べ高い値を示すことが分か
る。
【0023】〔実施例3〕脱脂加工大豆と小麦を原料処
理し、乾燥物重量で1:1になるように混合した。この
混合物80gに対して、40mgの麹菌胞子を接種し
た。このようにして別々に調製したK2株とHG株の醤
油麹を盛り込み,1番手入れ,2番手入れ,出麹後の時
期にそれぞれ混合し、出麹後の醤油麹のグルタミナーゼ
活性を比較した。
【0024】
【表2】 表2はその結果を示し、混合時間が早いほど高い活性を
示し、出麹後混合した場合、この活性は混合した麹の活
性の中間的な値であるのに対して、出麹前までに混合培
養することによって、混合した麹より高い活性であるこ
とが分かる。
【0025】〔実施例4〕K2株とHG株以外のアスペ
ルギルス・オリーゼ、またはアスペルギルス・ソーヤに
属する菌株を用いて、実施例1と同様の条件で混合培養
液を調製し、グルタミナーゼ活性を測定した。
【0026】表3は、その結果を示し、表中、3Dとは
分生子柄長0.2mm、NYとは分生子柄長0.4m
m、KMとは分生子柄長0.3mm、S12とは分生子
柄長0.3mm、OMとは分生子柄長2.0mm、OL
とは分生子柄長1.7mm、Mとは分生子柄長1.5m
m、A2とは分生子柄長2.0mmの麹菌株をそれぞれ
示す。
【0027】
【表3】 表3より、いずれの組合せの混合培養麹においても、単
一菌株の麹にくらべ、高いグルタミナーゼ活性を示し
た。これによって、この現象は普遍的であり、アスペル
ギルス・オリーゼとアスペルギルス・ソーヤの両菌株に
おいて同様の効果が得られることが分かる。
【0028】〔実施例5〕脱脂加工大豆3,600kg
と小麦3,600kgを原料処理し、60石自動製麹装
置を用いて常法に従って製造した、K2株とHG株の混
合培養麹のプロテアーゼ及びグルタミナーゼを従来法の
それと比較した。更に、この混合培養麹を13,000
リットルの23%食塩水と混合し、6カ月間発酵熟成し
た醤油諸味を圧搾濾過し、得られた生揚醤油の全窒素当
たりのグルタミン酸を従来法のそれと比較した。
【0029】
【表4】 表4はその結果を示し、実用工場において、製造された
混合培養麹は、従来の麹に比べ、グルタミナーゼ活性が
高く、その生揚醤油の全窒素当りのグルタミン酸は20
%増加し、原料溶解利用率は遜色の無い値であることが
分かる。
【0030】なお、上記実施例では、生揚醤油に使用す
る醤油麹について説明したが、味噌麹についても同様の
傾向がみられた。
【0031】
【発明の効果】本発明の方法で製麹された醤油麹や味噌
麹は従来法の麹に比べ、高いグルタミナーゼ活性を示し
た。更に、本発明の方法で製麹された麹を用いた醤油諸
味および味噌は全窒素当たりのグルタミン酸が、従来法
の麹を用いた醤油諸味及び味噌に比べ20%以上増加し
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例2における、培養時間とグルタミナー
ゼ活性の関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:66)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アスペルギルス・オリーゼ又はアスペル
    ギルス・ソーヤに属する菌株であって、分生子柄が比較
    的短い菌株と長い菌株を合計2種類以上混合し、製麹す
    ることを特微とするグルタミナーゼ活性の高い麹の製造
    法。
JP4250195A 1992-09-18 1992-09-18 麹の製造法 Pending JPH0698716A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006311851A (ja) * 2005-04-04 2006-11-16 Yamasa Shoyu Co Ltd 醤油の製造法
WO2007026427A1 (ja) * 2005-08-31 2007-03-08 Kikkoman Corporation 不精臭が低減した醤油の製造方法
CN100455653C (zh) * 2006-06-06 2009-01-28 李怀宝 一株米曲霉菌及其应用

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