JPH0696465B2 - Bmt焼結体作製用仮焼物の製造方法 およびbmt焼結体 - Google Patents

Bmt焼結体作製用仮焼物の製造方法 およびbmt焼結体

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JPH0696465B2
JPH0696465B2 JP2404559A JP40455990A JPH0696465B2 JP H0696465 B2 JPH0696465 B2 JP H0696465B2 JP 2404559 A JP2404559 A JP 2404559A JP 40455990 A JP40455990 A JP 40455990A JP H0696465 B2 JPH0696465 B2 JP H0696465B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、BMT焼結体作製用
仮焼物の製造方法およびBMT焼結体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、マイクロ波領域において高誘電率
および高Q値をもつ高周波誘電体用焼結体として、Ba
Mg1/3 Ta2/3 3 (=Ba3 MgTa2 9 )であ
らわされるペロブスカイト型高周波誘電体用焼結体があ
り、これが、本願発明で言うBMT焼結体である。
【0003】このBMT焼結体は、通常、出発原料であ
るBaCO3 粉末、MgO粉末およびTa2 5 粉末を
混合し仮焼して得た仮焼物の粉末を、さらに、本焼成し
て焼結させることで得られている。しかし、BMT焼結
体は、一般に、誘電特性の良い焼結体を歩留まりよく得
ることが困難であるとされている。得られた焼結体の緻
密度が低かったり、焼結体にクラックが入っていたりす
ることが多いからである。
【0004】緻密度を高めるために、本焼成での昇温速
度を100℃/分と急速に上げる方法が提案されている
が、この急速昇温焼成では、焼成コストが高くて電子デ
バイス(例えば、共振器)の低価格化が困難であるた
め、量産に適さず実用性が低い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記事情に鑑み、この
発明は、誘電特性に優れた安価なBMT焼結体を容易に
作製できる仮焼物を得ることのできる方法を提供するこ
とを第1の課題とし、誘電特性に優れた安価なBMT焼
結体を提供することを第2の課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】発明者は、上記課題を解
決するため、BMT焼結体について、様々な方向から検
討し、つぎのようなことを見出した。すなわち、出発原
料であるBaCO3 粉末、MgO粉末およびTa2 5
粉末の混合物を1000〜1100℃程度で焼成した仮
焼物の粉末を用いた場合の焼結体には、クラック発生が
あって誘電特性が十分でないが、緻密度は十分である。
クラックの生じる理由は、仮焼物中に未反応で残るBa
CO3 、MgOおよびBaTa2 6 の3者が焼成過程
で再反応するからと考えられる。未反応物の残留を抑え
るには、1300〜1400℃程度で焼成して仮焼物を
得るようにすればよい。しかし、この場合にはクラック
の発生はないが緻密度が十分でなく、やはり、誘電特性
は不十分である。
【0007】そこで、緻密度の劣る原因を詳しく検討し
た結果、仮焼温度が1300〜1400℃の場合には、
X線回折法による分析では確りとBMT組成となってお
り、未反応物は残留していないということになるのであ
るが、実際にはX線回折法では測定されないような極く
微量の未反応BaCO3 が残留し、これが緻密化を妨げ
ていると推察したのである。というのは、化学量論比で
計量した出発原料混合物におけるBaCO3 、MgO、
Ta2 5 の各原料粉末の体積割合は、3BaCO3
Ta2 5 >MgOであり、一方、Ta2 5やMgO
は出発原料混合物内で完全に均一に分散しているわけで
はないため、Ta2 5 やMgOとの接触が不十分なB
aCO3が存在することになり、僅かのBaCO3 が未
反応のまま仮焼物中にどうしても残ってしまうと考えた
のである。この推察に基づいて、まず、Ta2 5 とM
gOとからMgTa2 6 粉末を作り、これにBaCO
3 粉末を添加混合するようにし、Ta2 5 やMgOと
の接触が不十分なBaCO3 を極力無くすようにしてお
いて、焼成し仮焼物を得て、この仮焼物を用いてBMT
焼結体を作れば、クラック発生を抑制しつつ、緻密度の
高い焼結体を容易に歩留まりよく作れるのではないかと
推定し、実験によってこの推定の正しいことを確かめた
結果、ここに、この発明を完成させることができたので
ある。なお、推定の正しいことは、正常なMBT焼結体
が得られる仮焼物に極く微量(例えば、仮焼物1 mol%
に対し0.5mol %のBaCO3 を加えて焼成すると著
しく緻密度が低下することで裏付けられた。
【0008】したがって、前記第1の課題を解決するた
め、請求項1または2記載の発明にかかるBMT焼結体
作製用仮焼物の製造方法は、BaMg1/3Ta2/3 3
であらわされる仮焼物を得るにあたり、MgTa2 6
粉末とBa含有化合物粉末を混合し焼成するようにして
いる。Ba含有化合物としては、請求項2のように、B
aCO3 が挙げられる。この他、BaOやBaO2 も挙
げられる。
【0009】また、前記第2の課題を解決するため、請
求項3記載の発明にかかるBMT焼結体は、上記請求項
1または2に記載のBMT焼結体作製用仮焼物を焼結し
てなる構成をとる。以下、この発明におけるBMT焼結
体作製用仮焼物の作製およびBMT焼結体の作製を工程
の順に具体的に説明する。
【0010】 まず、MgTa2 6 粉末およびBa
CO3 粉末を準備する。MgTa2 6 粉末としては、
たとえば、MgO粉末とTa2 5 粉末を等モル量ずつ
混合し焼成(温度1050〜1250℃程度、15〜2
5時間程度)したあと粉砕して得たMgTa2 6 粉末
が挙げられる。このMgTa2 6 粉末は、通常、平均
粒径1〜15μm程度である。粉末中には、未反応のM
gOやTa2 5 が極力残っていないことが望ましい。
このような固相反応によるMgTa2 6 粉末の他、液
相反応による粉末が挙げられる。例えば、塩酸中にTa
Cl5 を溶解した溶液に適当量のMgO粉末を投入して
反応させて得たMgTa2 6 粉末である。
【0011】BaCO3 粉末は、通常、平均粒径1〜1
5μm程度である。BaCO3 粉末の代わりにBaO粉
末を用いてもよいがBaCO3 粉末は高純度で粒径の揃
ったものが安価に入手できる。 上記MgTa2 6
粉末にBaCO3 粉末を1:3のモル割合で計量し混合
する。
【0012】 この混合物を、1300〜1400℃
の温度で2〜10時間仮焼する。この仮焼は、2回以上
行うことが好ましい。仮焼を繰り返すことにより組成の
均一性が高まる。一回の仮焼毎に仮焼物を粉砕し攪拌す
るようにする。この仮焼物は、BaMg1/3 Ta2/3
3 であらわされる組成となっている。仮焼工程での反応
は下記の通りである。
【0013】
【化1】 最後の仮焼の後、粉砕し、平均粒径が1〜15μm程度
の粉末にする。仮焼温度は1300℃以上であることが
望ましい。これは、原料同士の反応が十分に進み、仮焼
物中における未反応のMgO、BaCO3 、Ta2 5
の残留を抑えることができるからである。特に、仮焼物
のX線回折分析における回折線(10・2)、(20・
2)、(21・2)(20・4)および(21・4)の
半値幅が、それぞれ、0.20°、0.22°、0.2
9°、0.33°および0.36°の以下となるように
仮焼されたものは組成の均一性が高くQ値が十分なもの
となる傾向にある。
【0014】 このようにして得られた仮焼物の粉末
を加圧成形により所定形状の圧粉体にする。なお、Mg
OやBaTa2 6 の微量添加は緻密化の向上作用が発
揮されることもあるから、仮焼物の粉末にMgOやBa
Ta2 6 を添加して圧粉体を得るようにしてもよい。
勿論、添加しなくてもよいことは言うまでもない。
【0015】 この後、本焼成を行う。 (1) 1500℃以上の温度で2〜5時間焼成する。
昇温速度には特に制限はない。この(1)の焼成は、緻
密化を進行させるためのものである。ついで、 (2) 1200〜1450℃で10〜120時間熱処
理する。この(2)の処理は、BMT結晶を理想的な六
方晶とするためになされる。
【0016】これにより、優れた誘電特性を有する緻密
なBMT焼結体が完成する。
【0017】
【作用】請求項1、2記載の発明では、MgTa2 6
粉末とBa含有化合物粉末を混合し焼成して仮焼物を得
ており、緻密化を阻害する未反応Ba含有化合物の残留
が抑えられるため、クラックのない緻密なBMT焼結体
が、急速昇温焼成などの特殊な処理を要することなく、
確実に(歩留まりよく)得ることができる。
【0018】高価な原料や特殊な処理が必要なわけでな
いから、製造コストの大幅な上昇や困難性を招来するこ
となく、安価なBMT焼結体を容易に得ることができる
ようになる。Ba含有化合物がBaCO3 の場合は、B
aO等に比べ反応性に富み、反応進行が速やかで製造し
易いという利点がある。
【0019】請求項1、2記載のBMT焼結体作製用仮
焼物を焼結してなるBMT焼結体は、緻密でクラックが
無くて優れた誘電特性を有すると同時に安価でもあるた
め、非常に実用性が高い。
【0020】
【実施例】以下、この発明の実施例を説明する。 −実施例1− 上記〜に従って、BMT焼結体作製用仮焼物および
BMT焼結体を得た。まず、MgTa2 6 粉末を以下
のようにして得た。
【0021】MgO粉末(平均粒径約4μm)とTa2
5 粉末(平均粒径約4μm)を等モル量ずつ混合し焼
成(温度1200℃、18時間)したあと粉砕して、平
均粒径約4μmのMgTa2 6 粉末を得た。このMg
Ta2 6 粉末に平均粒径約4μmのBaCO3 粉末を
1:3のモル割合で混合し、この混合物を仮焼(温度1
300℃、5時間)したあと粉砕し攪拌してから、再
び、同様に仮焼して粉砕することを3回繰り返し、平均
粒径約4μmのBMT焼結体作製用仮焼物の粉末を得
た。
【0022】続いて、仮焼物の粉末で圧粉体を作り、
本焼成の(1)焼成工程では、1600℃、2時間の処
理を行い、(2)焼成工程では、1350℃、40時間
の処理を行い、BMT焼結体を得た。 −実施例2− 本焼成の(1)焼成工程では、1500℃、2時間の
処理を行う他は、実施例1と同様にしてBMT焼結体を
得た。
【0023】−実施例3− 本焼成の(1)焼成工程では、1550℃、2時間の
処理を行う他は、実施例1と同様にしてBMT焼結体を
得た。 −実施例4− 本焼成の(1)焼成工程では、1600℃、2時間の
処理を行う他は、実施例1と同様にしてBMT焼結体を
得た。
【0024】−実施例5− 本焼成の(1)焼成工程では、1600℃、0.5時
間の処理を行う他は、実施例1と同様にしてBMT焼結
体を得た。 −実施例6− 本焼成の(1)焼成工程では、1600℃、1時間の
処理を行う他は、実施例1と同様にしてBMT焼結体を
得た。
【0025】−実施例7− 本焼成の(1)焼成工程では、1600℃、1.5時
間の処理を行う他は、実施例1と同様にしてBMT焼結
体を得た。 −比較例1− BaCO3 粉末、MgO粉末およびTa2 5 粉末の3
つの原料を化学量論比に従って混合するようにした後、
1100℃、2時間の焼成で得た予備仮焼物に対し、実
施例1と同様の仮焼以降の処理を行い、BMT焼結体作
製用仮焼物を得て、続いて、BMT焼結体を得た。
【0026】−比較例2− 仮焼温度が1100℃である他は比較例1と同様にし
て、BMT焼結体作製用仮焼物を作製し、続いて、BM
T焼結体を得た。実施例および比較例について、緻密度
(焼結体の相対密度)を測定するとともに、誘電率とQ
値を誘電体円柱共振法により測定(測定周波数10GH
z)した。また、クラックの有無についても調べた。測
定結果を表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】表1にみるように、実施例のBMT焼結体
は、比較例1、2のものと比べ、緻密であり、クラック
もなく、十分に実用に足る誘電特性をもっていることが
分かる。
【0029】
【発明の効果】以上に述べたように、請求項1、2記載
の発明にかかるBMT焼結体作製用仮焼物は、緻密化を
阻害する未反応Ba含有化合物の残留が良く抑えられて
いるため、クラックのない緻密な焼結体を容易かつ安価
に得ることができる。請求項3記載の発明にかかるBM
T焼結体作製用仮焼物は、十分な誘電特性であって安価
でもあるため、非常に実用性が高い。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 BMT焼結体作製用の仮焼物であってB
    aMg1/3 Ta2/3 3 であらわされる仮焼物を製造す
    る方法において、MgTa2 6 粉末とBa含有化合物
    粉末を混合し焼成するようにすることを特徴とするBM
    T焼結体作製用仮焼物の製造方法。
  2. 【請求項2】 Ba含有化合物がBaCO3 である請求
    項1記載のBMT焼結体作製用仮焼物の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のBMT焼結体
    作製用仮焼物を焼結させてなるBMT焼結体。
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