JPH0696086B2 - 湿式排煙脱硫装置の運転制御法 - Google Patents

湿式排煙脱硫装置の運転制御法

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JPH0696086B2 JP61069311A JP6931186A JPH0696086B2 JP H0696086 B2 JPH0696086 B2 JP H0696086B2 JP 61069311 A JP61069311 A JP 61069311A JP 6931186 A JP6931186 A JP 6931186A JP H0696086 B2 JPH0696086 B2 JP H0696086B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は湿式排煙脱硫装置の運転制御法に係り、特に排
ガス中の硫黄酸化物を吸収除去し、副生品として石膏を
回収するに好適な湿式排煙脱硫装置の運転制御法に関す
るものである。
(従来の技術) 現在実用化されている湿式排煙脱硫装置は、石灰石、石
灰などのカルシウム系の吸収剤を用い、副生品として石
膏を回収するものが主流である。
第9図は、石灰石を吸収剤とし、副生品として石膏を回
収する従来の排煙脱硫装置を示したものである。排ガス
1は除塵塔2に導かれ、ここで冷却、除塵および一部脱
硫された後、吸収塔3に導かれ、ここで循環液スラリと
接触し、デミスタ4でミストは除去され、吸収塔3から
排出される。
一方、吸収剤スラリである石灰石スラリ20は、石灰石ス
ラリポンプ21により吸収塔循環タンク5に供給され、そ
のスラリは吸収塔循環ポンプ7により吸収塔3内に設置
されたスプレノズル22に供給され、ここから塔内に噴霧
されて排ガスと接触し、排ガス中の硫黄酸化物を吸収除
去して循環タンク5へ戻り、循環使用される。吸収後の
スラリは、吸収塔ブリードポンプ8により、除塵塔循環
タンク6に供給され、除塵塔2内で、さらに排ガスと接
触し、排ガス中の硫黄酸化物を除去することによりスラ
リ中の未反応石灰石の量を減じて副生品回収系、すなわ
ち酸化塔供給タンク10へ供給される。酸化塔供給タンク
10では硫酸を添加することにより未反応石灰石が石膏に
添加され、また次の酸化塔の酸化に好適なpHに調整され
る。pH調整されたスラリは、酸化塔供給ポンプ11によ
り、酸化塔12に供され、ここで亜硫酸カルシウムは空気
酸化され、石膏とされた後、導管13を通ってシックナ14
へ導かれ、濃縮された後、石膏スラリは、遠心分離機17
で脱水され、粉体の石膏18が回収される。シックナ14お
よび遠心分離機の濾過水は循環再利用される。
しかしながら、この従来技術では吸収塔と除塵塔が別置
されている二塔式であること、吸収系から抜出したスラ
リ中の未反応石灰石の中和装置(硫酸ポンプ、硫酸タン
ク等)および亜硫酸カルシウムの酸化装置が必要である
ため、設置面積が大きくなり、また設備が複雑となる欠
点を有している。また通風系のダクトの曲がりが多く必
要となるため、ダクトのロスが増加し、電力などのユー
ティリティが多くなる傾向があるる。
以上の理由により、本発明者らは、特開昭60−172335号
において、ユーティリティを低減し、かつ設備を簡素化
し、設置面積の小さいコンパクトな脱硫装置を提案し
た。この脱硫装置は、循環タンクを塔下部に設置し、循
環タンク内の仕切板を不要にするとともに、除塵装置お
よび酸化装置を省略したものである。このような方式の
脱硫装置には種々のものがあるが、例えば懸濁液に酸化
触媒を利用する特公昭58−36619号、吸収塔循環タンク
または別に設けた反応槽に空気を吹込むもの(特開昭55
−116423号、特開昭55−116424号、特開昭58−98126
号、特開昭58−92452号、特開昭58−95543号)などがあ
る。
上述のように吸収塔内でSO2を吸収し、生成した亜硫酸
を酸化し硫酸塩とする吸収塔一塔式の脱硫装置では、亜
硫酸カルシウム酸化用空気の供給法、微細化法、亜硫酸
塩濃度と単位懸濁液当たりのSO2吸収容量などを明確に
し、それらの条件を最適にした運転制御法が必要であ
り、懸濁液中の亜硫酸塩を連続検出し、監視することが
不可欠である。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明の目的は、吸収塔一塔でSO2吸収、亜硫酸塩の酸
化を行ない石膏を回収する脱硫装置において、常に一定
の高脱硫性能を維持し、かつその円滑な運用を可能にす
るための運転制御法を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは、吸収塔内でSO2吸収および亜硫酸塩を酸
化する湿式排煙脱流装置では、特に懸濁援液中の全亜硫
酸濃度によって懸濁液のSO2吸収容量が大きく影響され
ることを見出した。また具体的に一塔化脱硫装置を円滑
に運転制御し、高脱硫性能を保持するには、懸濁液中の
全亜硫酸量を所定量以下に維持すること、それには酸化
用の空気量を制御することによって上記目的が達成され
ることを見出した。懸濁液中の全亜硫酸濃度は所定量の
サンプル量を採取し、バッチ方式でヨウ素滴定法などに
よよって求められる。しかし、オンラインで全亜硫酸濃
度を検知する方式としては時間がかかり好ましい方法と
はいえない。本発明では懸濁液中の全亜硫酸濃度を検出
し、オンライン制御に取り込むことにより、円滑な脱硫
装置の運転と高脱硫性能を達成しようとするものであ
る。
(問題点を解決するための手段) 上記の目的を達成するため、本発明は、懸濁液中の全亜
硫酸濃度と脱硫性能の関連を明確化しオンラインで亜硫
酸塩濃度を検出し、酸化用の空気量を制御するようにし
たものである。
すなわち、本発明は、カルシウム塩を含む懸濁液と燃料
排ガスを気液接触させることにより、硫黄酸化物を懸濁
液に吸収させ、しかる後に亜硫酸塩を硫酸塩に吸収塔内
で酸化させ、石膏を副生物として回収する湿式排煙脱硫
装置の運転制御法において、循環タンクの懸濁液の全亜
硫酸根量を検知し、これにより循環タンク内に吹込む空
気量を制御することを特徴とする。
本発明者は、第2図に示すSO2吸収装置により任意の排
ガスのSO2濃度および亜硫酸濃度を調整した懸濁の種々
の条件下での実験により、脱硫性能は懸濁液中の亜硫酸
濃度および懸濁液のpHにより著しく影響を受けることを
見出した。
また、脱硫性能は懸濁液中の亜硫酸濃度がほぼそのとき
の平衡な亜硫酸カルシウム濃度以下に維持すれば、懸濁
液中のpHが低下しても脱硫性能は大きく低下することな
く脱硫装置を運用できることを明らかにした。すなわ
ち、第2図に示す装置は、懸濁液タンク30からポンプ32
によりライン50を通して吸収塔48に懸濁液が供給され、
一方吸収塔48の下部に設けられた吸収塔タンク44のガス
入口60からSO2と空気との適当な混合ガスがライン52か
ら供給され、吸収塔48を上昇する間に吸収塔48内の羽根
54を介して落下する吸収液と気液接触し、該懸濁液にSO
2が吸収された後、浄化されたガスは上部の出口62から
排出され、一方SO2を吸収した液は吸収塔タンク44の出
口58から外部に排出される。
なお図中、34および56はpHを測定するためのpH電極、36
は撹拌機、38、40および42は流量計、46はスターラーで
ある。第3図は脱硫装置に供給する懸濁液中の亜硫酸カ
ルシウムについて、その時点でのpHに対して平衡溶解量
(第4図)以下に維持した(イ)の条件と、過飽和状態
で亜硫酸カルシウムが存在する場合の懸濁液pHと脱硫性
能の関係を示した、亜硫酸カルシウムが過飽和状態にあ
るときは、脱硫性能の低下が懸濁液のpHによって著しく
影響されてくることが明らかになった。このため、脱硫
装置運用に当たっては吸収塔の気液接触部に供給する懸
濁液中の亜硫酸カルシウム(全亜硫酸塩)量は循環タン
ク内で、亜硫酸カルシウムを固体として晶析させること
なく酸化し、亜硫酸濃度を低く保持すれば安定した脱硫
性能を維持できることになる。懸濁液中の全亜硫酸量が
零に近づくほど脱硫性能は高く維持できることになり、
循環タンク内への酸化用空気のアトマイザ形式、供給空
気量などによって達成することができる。
本発明においては、実際に懸濁液中の全亜硫酸量および
pHを測定し、脱硫装置を運用するために、亜硫酸塩濃度
をオンラインで検出し、制御系にフィードバック空気量
を制御する。懸濁液中の全亜硫酸塩濃度の分析は種々の
方法があるが、一般に行なわれるようにヨウ素滴定によ
って亜硫酸塩を逆滴定する方式では分析時間がかかり、
オンライン制御は不可能である。そこで本発明者らは、
懸濁液の一部を所定量抜出し、その懸濁液に強酸(例え
ば硫酸、塩酸など)を滴下し、pHを好ましくは2〜2.5
以下に維持すると懸濁液中の亜硫酸塩は、亜硫酸ガスと
して脱硫するので、懸濁液に不活性ガス(例えば窒素、
ヘリウム)を既定量バブリングし、発生する亜硫酸ガス
を不活性ガスに同伴させ、連続亜硫酸ガス分析計に導入
することにより、懸濁液中の全亜硫酸塩量の情報を得る
ようにした。そしてこれにより循環タンクに設置する空
気アトマイザへの空気量を調整し、亜硫酸塩の酸化に必
要な空気量を供給し、懸濁液中の亜硫酸塩の濃度を低く
保持するようにした。
(作用) 懸濁液中の亜硫酸塩濃度を低く保つことにより、SO2
収速度低下を防止することができる。そのためには懸濁
液中に亜硫酸カルシウムの固形物がなるべく存在しない
ようにすればよい。このことは各種の基礎試験結果およ
び下記の脱硫反応式から明らかである。
SO2+H2OH2SO2(SO2吸収) (1) H2SO3H++HSO3 -(解離) (2) HSO3 -H++SO2-(解離) (3) CaCO3+H+→Ca2++HCO3 -(中和) (4) HCO3 -+H+→H2CO3(中和) (5) H2CO3H2O+CO2↑(脱気) (6) Ca2++SO3 2-+1/2H2O →CaSO3・1/2H2O(晶析) (7) 懸濁液中に亜硫酸カルシウムが存在すると、 CaSO3・1/2H2O+H2SO3 →Ca2++2HSO3 -+1/2H2O (8) HSO3 -+H+→H2SO3 (9) (9)式に示すように、吸収塔内でスラリ中のH2SO3
圧が高くなり、(1)式のSO2吸収速度が阻害され、脱
硫性能が低下する。したがって懸濁液中に亜硫酸カルシ
ウムの固形物をなるべく存在させないこと、換言すれば
吸収液中の亜硫酸塩濃度を平衡溶解量以下に保つことに
より、液中のH2SO3分圧(SO2分圧)を低く保持すること
ができ、比較的低pHでもSO2吸収速度を低下させること
なく、一定の脱硫性能を保持することができる。
一方、気液接触部および循環タンク内で亜硫酸カルシウ
ムを酸化するには、固形の亜硫酸カルシウムは一旦溶解
し、液中の溶存酸素と反応して硫酸カルシウムを生成す
ることになるが、酸化反応に比べ亜硫酸カルシウムの固
形物への晶析反応は一般に遅く、迅速な酸化手段を用い
ることにより、懸濁液中の亜硫酸濃度を低下することが
きる。
本発明者らはこの酸化方式については、循環タンクの撹
拌機近傍に空気を吹込む方法等各種の試験研究を行なっ
た。
第5図は亜硫酸カルシウムの固形物が存在しない場合
(イ)と、存在する場合(ロ)のpHと酸化率の関係であ
り、亜硫酸カルシウムの固形物が存在しない場合、酸化
率はpHによらず高い値が得られることがわかる。したが
ってこの場合、空気アトマイザへの供給空気量によっ
て、懸濁液中の亜硫酸カルシウムの酸化率を制御し、濃
度調整を容易にすることができる。
第6図は、亜硫酸カルシウムを含む懸濁液に、強酸とし
て硫酸を滴下していき、懸濁液に窒素ガスを所定量流通
しバブリングさせ、脱硫するSO2濃度を測定した結果を
示したものであるが、SO2ガスはpHが3.5以下で脱硫し始
めることがわかる。懸濁液pHは強酸を添加することによ
り任意のpHに調整できるから、窒素ガス量を一定とし
て、強度を亜硫酸カルシウムに対して過剰に添加し、pH
を約3.5以下ににすれば、発生するSO2濃度を一定に保持
できることになる。なお、予め強酸添加量と亜硫酸カル
シウムの量を検定しておけば、懸濁液中の亜硫酸カルシ
ウム量を相対的に求めることができる。
第7図は、亜硫酸カルシウムを含む懸濁液から亜硫酸ガ
スを脱硫させ、亜硫酸ガスを発生させる装置の基本的な
構成を示したものである。脱硫装置の循環タンク(図示
省略)から抜出した懸濁液100は脱硫器101に送られ、強
酸102の添加によってpHが3.5以下に調整され、不活性ガ
ス103が脱離器101の懸濁液にバブリングされ、脱離した
亜硫酸ガスは不活性ガスに同伴し、流路104から亜硫酸
ガス分析計105に導かれ、亜硫酸ガス濃度が求められ
る。流路104からの亜硫酸ガス濃度は、懸濁液中の亜硫
酸カルシウムの濃度、不活性ガス供給量、pH、強酸添加
量、懸濁液の抜出し量などによって異なるので、制御し
やすい条件の選定が必要である。
第8図は、亜硫酸カルシウム濃度、不活性ガス供給量を
一定にしたときの強酸添加量と発生SO2濃度の関係を示
したものである。このような検定曲線を別途制御系の演
算器に登録しておけば、懸濁液中の全亜硫酸を求められ
るので、この結果から循環タンクの空気アトマイザに送
る空気量の制御が可能となる。
(実施例) 以下、本発明の一実施例を第1図により説明する。吸収
塔106は酸化反応装置107、気液接触装置108、懸濁液109
の循環ライン110、111、酸素供給ライン112、113、11
4、115、炭酸カルシウムあるいは水酸化カルシウムを吸
収塔106に送る供給ライン116、117、石膏を含む懸濁液
の抜出ライン118、懸濁液のpH検出器119、検出信号ライ
ン120、懸濁液撹拌器121、ミスト捕集器122を吸収塔106
に内蔵させる。吸収液109中の全亜硫酸塩量は、循環タ
ンク123から懸濁液の一部を流路100から脱離器101に導
きここで全亜硫酸塩量に相当する亜硫酸ガスを発生させ
る。亜硫酸ガスの発生は第7図に示した強酸102、不活
性ガス103が供給され、脱離した懸濁液124は循環タンク
107内に戻される。発生したSO2ガスは配管104からSO2
析計105に導かれ、その信号は演算器126に送られる。一
方、循環タンク内の懸濁液のpHは検出器119から検出信
号120から演算器126に送り、循環タンク107内の懸濁液1
09内の全亜硫酸塩量が推定できるので、現状のpHと全亜
硫酸塩量の関係から、制御信号127が酸化用空気制御器1
28に送り、酸化用空気量113が制御される。
別途、排ガス中のSO2濃度に同じた石灰石116、117が供
給されるので、吸収塔106一塔によりSO2吸収および亜硫
酸カルシウムの酸化ができ石膏118が回収できる。
以上の実施例によれば、懸濁液中の全亜硫酸量を平衡溶
解度以下、好ましくは全亜硫酸量を零近傍に循環タンク
内で酸化を行なうことで高い脱硫性能が維持できる。そ
のための運転制御法としては懸濁液の一部を抜出し、そ
れに強酸を添加することで亜硫酸ガスとして連続検出き
るので、空気アトマイザへの吹込み空気量を最適条件で
運用でできる効果が期待でき、ユーティリティを低減で
きる効果がある。
第1図に示した湿式脱硫装置を用いて排ガス処理試験を
実施した。試験に当たって懸濁液中の全亜硫酸量を0〜
3m−mol/になるように酸化空気量を調整した結果であ
る。試験条件は以下である。
ガス量:3000m3/h SO2濃度:1000ppm 入口ダスト濃度:150〜200mg/Nm3 液/ガス量:16.5/Nm3 循環タンク内の懸濁液pH 5.4 装置条件 塔径:0.65mφ 循環タンク径:2mφ×2mH 撹拌機:4台 試験結果は以下であった。
脱硫率:98.2% 酸化率:99.5% 石灰石の過剰率:2% 回収石膏純度:97% 硫酸量(脱離器pH調整用):1〜2.5ml/h 比較例1 実施例1において循環タンクの懸濁液pHを3.5〜3.7に維
持し、懸濁液中の全亜硫酸量を5〜50m−mol/に調整
したが、脱硫率が大きく変動した。脱硫率は60〜90%で
あった。脱硫率の変動は石灰石過剰率、理論量に近い値
のためであった。
比較例2 実施例1において循環タンク内の懸濁液pHを6.5〜6.6に
維持するように石灰石過剰率を増やすと脱硫率99〜99.5
%、酸化率98%以上であったが全亜硫酸カルシウムは平
衡溶解度より高く、石膏の純度が95%より低くなった。
なお、本発明では、懸濁液中の亜硫酸塩の濃度に対する
情報が不可欠であり、このため懸濁液のpHを強酸によっ
て低下させて亜硫酸を脱気し、SO2濃度として相対的に
亜硫酸濃度を検知している。このためには、pH調整用の
強酸、pH計、SO2濃度分析計などの付帯器が必要とな
る。
これらの付帯機器の代わりにpH計のようにセンサーで亜
硫酸濃度が検出できれば、運転制御性は向上するととも
に硫酸などが不要になる。また、脱硫装置の運用に当た
っては、懸濁液中のCO3、H2CO3、CaCO3などがセンサー
タイプで簡易に検出できれば、制御性の向上と合わせ
て、石膏純度管理に有効となる。
また、亜硫酸カルシウムの酸化に当たっては、現在空気
を微細化して行なっているが、H2O2、オゾンなどの酸化
剤を供給してもよく、この場合脱硫装置よりコンパクト
化することができる。
(発明の効果) 本発明によれば、懸濁液中の全亜硫酸塩濃度を亜硫酸ガ
スとして相対的に検出し、空気アトマイザに吹込む空気
量を制御することによって、常に懸濁液中の亜硫酸濃度
を一定量以下とすることにより脱硫性能が一定に保持で
きるとともに、高純度の石膏を回収することができる。
さらに、懸濁液中の亜硫酸濃度が制御パラメータの一つ
に追加できるので、従来から行なわれてきた、SO2
度、懸濁液pH、循環液量、排ガス量、懸濁液温度、CO2
濃度、H2O濃度、ダスト濃度、石灰石供給量および石膏
抜出し量などの制御より、より厳密で安定した運転制御
を行なうことができる。また、ボイラなどの負荷変化に
対しても応答性が向上できるなどの効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例を示すフローシートを示す
図、第2図は、SO2吸収実験装置を示す説明図、第3図
は、懸濁液pHと脱硫率の関係を示す図、第4図は、pHと
亜硫酸カルシウムの溶解平衡の関係を示す図、第5図
は、濁液pHと酸化率の関係を示す図、第6図は、亜硫酸
カルシウム懸濁液のpHと脱気SO2濃度の関係を示す図、
第7図は、濁液のpH調整によるSO2脱気(脱離)装置の
説明図、第8図は、懸濁液(亜硫酸カルシウム含)の強
酸添加量と発生SO2濃度の関係を示す図、第9図は、従
来の湿式排煙脱硫装置を示す説明図である。 101……SO2脱気装置、102……強酸供給ライン、103……
不活性ガス供給ライン、105……SO2分析計、106……吸
収塔、109……循環タンク、109……懸濁液、112、113、
114、115……酸化用空気ライン、116、117……石灰石、
119……pH計、121……撹拌機、126……演算器、128……
酸化用空気制御器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮寺 博 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 野沢 滋 広島県呉市宝町6番9号 バブコツク日立 株式会社呉工場内 (72)発明者 中本 隆則 広島県呉市宝町6番9号 バブコツク日立 株式会社呉工場内 (56)参考文献 特公 平5−79364(JP,B2)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カルシウム塩を含む懸濁液と燃料排ガスを
    気液接触させることにより、硫黄酸化物を懸濁液に吸収
    させ、しかる後に亜硫酸塩を硫酸塩に吸収塔内で酸化さ
    せ、石膏を副生物として回収する湿式排煙脱硫装置の運
    転制御法において、循環タンクの懸濁液の全亜硫酸根量
    を検出し、これにより循環タンク内に吹込む空気量を制
    御することを特徴とする湿式排煙脱硫装置の運転制御
    法。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項において、全亜硫酸
    根量が前記循環タンクの水素イオン濃度指数に対する平
    衡溶解量以下になるように循環タンク内に吹込む空気量
    を制御することを特徴とする湿式排煙脱硫装置の運転制
    御法。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第1項または第2項におい
    て、懸濁液中の全亜硫酸根量を検知するために、懸濁液
    の一部を抜出し、これに強酸を所定量添加し、所定量の
    不活性ガスをバブリングし、発生する亜硫酸ガス濃度を
    検出することを特徴とする湿式排煙脱硫装置の運転制御
    法。
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