JPH0695405A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JPH0695405A
JPH0695405A JP27073192A JP27073192A JPH0695405A JP H0695405 A JPH0695405 A JP H0695405A JP 27073192 A JP27073192 A JP 27073192A JP 27073192 A JP27073192 A JP 27073192A JP H0695405 A JPH0695405 A JP H0695405A
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JP
Japan
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resin
general formula
group
electrophotographic
charge
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Application number
JP27073192A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Miyamoto
宏 宮本
Kazuyuki Nakamura
和行 中村
Takahiro Suzuki
貴弘 鈴木
Katsumi Nukada
克己 額田
Akira Imai
彰 今井
Masaharu Shirai
正治 白井
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高速プロセスによく適合し、かつ電荷を蓄積
せず、安定性に優れ、さらには、高感度、特に、半導体
レーザー用の近赤外光に対して非常に高感度で、かつ繰
り返し安定性に優れた電子写真感光体を提供する。 【構成】 導電性支持体上に感光層を有する電子写真感
光体であって、感光層における電荷発生材料として、ジ
クロロスズフタロシアニン結晶を用い、電荷輸送材料と
して、少なくとも下記一般式(I)で示されるトリアリ
ールアミン化合物を用いることを特徴とし、さらに、ト
リアリールアミン化合物にベンジジン化合物を併用して
もよい。 【化1】 (式中、R1 、アルキル基、置換または未置換のアリー
ル基、またはアラルキル基を表わし、R2 およびR
3 は、それぞれ水素、アルキル基、置換または未置換の
アリール基、またはアラルキル基を表わし、kは、0、
1または2を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、導電支持体上に感光層
を有する電子写真感光体に関するものであり、さらに詳
しくは、電荷発生材料と電荷輸送材料として特定の化合
物を使用した電子写真感光体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、フタロシアニンは、塗料、印刷イ
ンキ、触媒或いは電子材料として有用な材料であり、特
に近年は、電子写真感光材料、光記録用材料および光電
変換材料として広範に検討がなされている。一般に、フ
タロシアニン化合物は、製造方法、処理方法の違いによ
り、多数の結晶型を示すことが知られており、そしてそ
の結晶型の違いは、フタロシアニンの光電変換特性に大
きな影響を及ぼすことも知られている。フタロシアニン
化合物の結晶型については、例えば、銅フタロシアニン
についてみると、安定系のβ型以外に、α、π、x、
ρ、γ、δ等の結晶型が知られており、これ等の結晶型
は、機械的歪力、硫酸処理、有機溶剤処理及び熱処理等
により、相互に移転が可能であることが知られている
(例えば米国特許第2,770,629号明細書、同第
3,160,635号明細書、同第3,708,292
号明細書及び同3,357,989号明細書等)。ま
た、特開昭50−38543号公報には、銅フタロシア
ニンの結晶型の違いと電子写真感度について記載されて
いる。銅フタロシアニン以外についても、メタルフリー
フタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、
クロルアルミニウムフタロシアニン、クロルインジウム
フタロシアニン等について、種々の結晶型のものを電子
写真感光体に用いることが提案されている。
【0003】一方、電荷輸送材料についても種々提案さ
れている。例えば、特開昭62−247374号公報に
は、ベンジジン化合物が開示され、また、特開昭55−
59483号公報、同57−195254号公報、特開
平2−178668号公報、同2−190862号公
報、同3−101739号公報、同3−127765号
公報には、トリアリールアミン化合物の合成方法および
電子写真感光体への適用について提案されている。さら
にまた、電荷発生材料と電荷輸送材料とを組合せて使用
することについても多くの提案がなされており、例え
ば、特開昭57−54942号公報、同60−5935
5号公報、同61−203461号公報、同62−67
094号公報、同62−47054号公報等には、フタ
ロシアニン顔料との組合せについて提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来か
ら種々の感光層形成材料が開発され、本発明者等も種々
のフタロシアニンの結晶型と電子写真特性という観点で
検討を行ない、先に、ジクロロスズフタロシアニンにお
いて新規な結晶型を見出だし、これ等が電子写真感光体
として優れていることを開示した(特願平4−2168
3号)。ところで、電子写真感光体において、実用化で
きる優れた電子写真感光体を提供できるようにするため
には、感度、受容電位、電位保持性、電位安定性、残留
電位、分光特性等の電子写真特性、耐摩耗性等の機械的
耐久性、熱、光、放電生成物等に対する化学的安定性
等、種々の特性が要求される。その中でも、特に、高感
度でかつ繰返安定性に優れたものであることが重要であ
る。高感度でかつ繰返安定性に優れた電子写真特性を得
るために、1)電荷発生材料が、吸収した光に対して効
率よく電荷を発生すること、2)発生した電荷が電荷発
生材料から電荷輸送材料にスムーズに注入されること、
3)化学的、光化学的に安定であること、4)電荷輸送
材料に注入した電荷が電荷輸送層中を高速で移動できる
こと、の4条件の全てを満たすことを指標として、種々
の検討がなされているが、従来提案されている電荷発生
材料と電荷輸送材料との組合せについて、上記条件を満
足するものは得られていなかった。
【0005】本発明は、従来の技術の上記のような実状
に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目的
は、高速プロセスによく適合し、かつ、電荷を蓄積せ
ず、安定性に優れた電子写真感光体を提供することにあ
る。また、本発明の他の目的は、高感度、特に、半導体
レーザー用の近赤外光に対して非常に高感度で、かつ繰
り返し安定性に優れた電子写真感光体を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、種々の材
料について検討した結果、導電支持体上に、感光層を設
けた電子写真感光体において、電荷発生材料として、ジ
クロロスズフタロシアニン結晶を用い、かつ、電荷輸送
材料として、ある特定の化合物を使用することによっ
て、上記目的を達成できることを見出だし、本発明を完
成するに至った。すなわち、本発明の電子写真感光体
は、導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体で
あって、感光層における電荷発生材料として、ジクロロ
スズフタロシアニン結晶を用い、電荷輸送材料として、
少なくとも下記一般式(I)で示されるトリアリールア
ミン化合物を用いることを特徴とする。
【化3】 (式中、R1 、アルキル基、置換または未置換のアリー
ル基またはアラルキル基を表わし、R2 およびR3 は、
それぞれ水素原子、アルキル基、置換または未置換のア
リール基またはアラルキル基を表わし、kは、0、1ま
たは2を示す。)
【0007】以下、本発明の電子写真感光体を構成する
各層について詳細に説明する。図1ないし図6は、本発
明の電子写真感光体の模式的断面図である。図1〜図4
は、感光層が積層構造の場合を示すものであって、導電
性支持体3上に電荷発生層1が設けられ、その上に電荷
輸送層2が設けられている。図2においては、さらに導
電性支持体3上に下引き層4が設けられており、また図
3においては、表面に保護層5が設けられている。ま
た、図4においては、下引き層4と保護層5の両者が設
けられている。図5および図6は、感光層が単層構成の
場合を示すものであって、導電性支持体3上に光導電層
6が設けられており、図6においては、さらに下引き層
4が設けられている。
【0008】以下においては、感光層が積層構造の場合
について主として説明する。導電性支持体としては、ア
ルミニウム、ニッケル、クロム、ステンレス鋼等の金属
類、およびアルミニウム、チタニウム、ニッケル、クロ
ム、ステンレス、金、バナジウム、酸化スズ、酸化イン
ジウム、ITO等の薄膜を設けたプラスチックフィルム
等あるいは導電性付与剤を塗布または含浸させた紙、プ
ラスチックフィルム等があげられる。これらの導電性支
持体は、ドラム状、シート状、プレート状等、適宜の形
状のものとして使用されるが、これらに限定されるもの
ではない。さらに必要に応じて、導電性支持体の表面は
画質に影響のない範囲で各種の処理を行なうことができ
る。例えば、表面の酸化処理や薬品処理および着色処理
または砂目立て等の乱反射処理等を施してもよい。
【0009】本発明においては、導電性支持体と電荷発
生層の間に下引層を設けてもよい。この下引層は、積層
構造からなる感光層の帯電時における、導電性支持体か
ら感光層への電荷の注入を阻止するとともに、感光層を
導電性支持体に対して、一体的に接着保持させる接着層
としての作用、あるいは場合によっては、導電性支持体
の光の反射光防止作用等を示す。
【0010】下引層を構成する結着樹脂およびその他の
材料としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹
脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド樹脂、
塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポ
リカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹
脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコー
ル樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、ニトロセルロース、
カゼイン、ゼラチン、ポリグルタミン酸、澱粉、スター
チアセテート、アミノ澱粉、ポリアクリル酸、ポリアク
リルアミド、ジルコニウムキレート化合物、チタニルキ
レート化合物、チタニルアルコキシド化合物、有機チタ
ニル化合物、シランカップリング剤等の公知の材料を用
いることができる。また、下引層の膜厚は、0.01〜
10μm、好ましくは0.05〜2μmが適当である。
さらに、この下引層を設けるときに用いる塗布方法とし
ては、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティ
ング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング
法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング
法、カーテンコーティング法等の通常の方法があげられ
る。
【0011】電荷発生層は、電荷発生材料を結着樹脂に
分散させてなるもので、電荷発生材料としては、ジクロ
ロスズフタロシアニン結晶が使用されるが、X線回折ス
ペクトルにおいて、ブラッグ角度(2θ±0.2°)が
8.5°、11.2°、14.5°および27.2°に
強い回折ピークを有する結晶型のものが特に好ましく用
いられる。
【0012】この結晶型は、新規なものであって、公知
の種々の方法で製造することができる。すなわち、合成
によって得られたジクロロスズフタロシアニン結晶をボ
ールミル、乳鉢、サンドミル、ニーダー等を用いて機械
的に粉砕することによって製造することができる。粉砕
の際に食塩、芒硝等の磨砕助剤を用いると、非常に効率
よく、粒径の整った上記の結晶型に転移させることがで
きる。磨砕助剤は、上記ジクロロスズフタロシアニン結
晶に対し0.5倍〜20倍、好ましくは1〜10倍用い
る。この磨砕後に、例えば、トルエン、メチルエチルケ
トン、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、ベンジルア
ルコール等の有機溶剤で上記フタロシアニン結晶を処理
すると、さらに、結晶性、粒径が整い、本発明の最も好
ましいジクロロスズフタロシアニン結晶を得ることがで
きる。溶剤処理は、必要に応じてガラスビーズ、スチー
ルビーズ、アルミナビーズ等の磨砕メディア等でミリン
グしながら行なってもよい。
【0013】結着樹脂としては、広範な絶縁性樹脂から
選択することができる。また、ポリ−N−ビニルカルバ
ゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン等
の有機光導電性ポリマーから選択することもできる。好
ましい結着樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、
ポリアリレート樹脂(ビスフェノールAとフタル酸の重
縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹
脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミ
ド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウ
レタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアル
コール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等の絶縁性樹脂
をあげることができるが、これ等に限定されるものでは
ない。これ等の結着樹脂は単独または2種以上混合して
用いることができる。
【0014】また、ジクロロスズフタロシアニン結晶と
結着樹脂との配合比(重量比)は、40:1〜1:2
0、好ましくは10:1〜1:10の範囲である。ま
た、上記成分を用いて分散させる方法としては、ボール
ミル分散法、アトライター分散法、サンドミル分散法等
の通常の方法を採用することができる。この際、分散に
よって前記ジクロロスズフタロシアニン結晶の結晶型が
変化しない条件が必要とされる。ちなみに、本発明で実
施した前記の分散法のいずれについても分散前と結晶型
が変化していないことが確認されている。さらに、これ
らの分散の際、粒子を0.5μm以下、好ましくは0.
3μm以下、さらに好ましくは0.15μm以下の粒子
サイズに微細化することが有効である。また、これらの
分散に用いる溶剤としては、メタノール、エタノール、
n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコー
ル、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、
メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、
酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メ
チレンクロライド、クロロホルム等の通常の有機溶剤を
単独または2種以上混合して用いることができる。
【0015】また、本発明で用いる電荷発生層の厚みは
一般的には、0.1〜5μm、好ましくは0.2〜2.
0μmが適当である。また、電荷発生層を形成する際に
採用する塗布方法としては、浸漬コーティング法、スプ
レーコーティング法、マイヤーバーコーティング法、ブ
レードコーティング法、ビードコーティング法、エアー
ナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通
常のコーティング法を採用することができる。電荷発生
層中に公知のアクセプターを加えることも感度、安定性
を増すために効果的である。
【0016】電荷輸送層は、電荷輸送材料を適当な結着
樹脂中に含有させて形成されている。電荷輸送材料とし
ては、上記一般式(I)で示されるトリアリールアミン
化合物が使用される。本発明に使用する上記トリアリー
ルアミン化合物は、電荷輸送材料として用いた場合、高
いモビリティーを有し、ジクロロスズフタロシアニン結
晶が高い効率で発生した電荷を効率よく輸送することが
でき、かつジクロロスズフタロシアニン結晶とのマッチ
ングがよいため、これを用いた電子写真感光体は、高速
プロセスによく適合し、電荷を蓄積せず、また、安定性
に優れている。
【0017】上記一般式(I)で示されるトリアリール
アミン化合物の具体的としては、下記表1および表2に
記載する化合物があげられる。
【表1】
【表2】 これらの化合物は、単独でも、2種以上を混合してもよ
い。
【0018】本発明の電子写真感光体において、上記一
般式(I)で示されるトリアリールアミン化合物に、さ
らに下記一般式(II)で示されるベンジジン化合物を混
合して用いることができる。その場合には、さらに繰り
返し安定性が増すので好ましい。一般式(I)で示され
るトリアリールアミン化合物と一般式(II)で示される
ベンジジン化合物を併用する場合、その混合比は、9:
1〜1:9の範囲に設定するのが好ましい。
【化4】 (式中、R4 は、水素原子、アルキル基またはアルコキ
シ基を表わし、R5 およびR6 は、それぞれアルキル
基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニ
ル基または置換アミノ基を表わし、mおよびnは、それ
ぞれ0、1または2を示す。)
【0019】また、上記一般式(II)で示されるベンジ
ジン化合物の具体的としては、下記表3および表4に記
載する化合物があげられる。
【表3】
【表4】 これらの化合物は、単独でも、2種以上を混合してもよ
い。
【0020】電荷輸送層に用いる結着樹脂としては、ポ
リカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹
脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニ
リデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート
樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン
−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共
重合体、シリコン樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、フ
ェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッ
ド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の公知の樹脂
があげられるがこれらに限定されるものではない。
【0021】これらの結着樹脂のうち下記構造式(I)
〜(VI)で示される単量体単位より構成されるポリカ
ーボネート樹脂またはそれ等を共重合させたポリカーボ
ネート樹脂を用いた場合、相溶性がよく均一な膜が得ら
れ、特に良い特性を示す。
【化5】
【化6】 上記結着樹脂は、単独あるいは2種以上混合して用いる
ことができる。電荷輸送材料と結着樹脂との配合比(重
量比)は、10:1〜1:5が好ましい。
【0022】さらに、電荷輸送層を設けるときに用いる
溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロル
ベンゼン等の芳香族炭化水素類、アセトン、2−ブタノ
ン等のケトン類、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エ
チレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類、テトラヒドロ
フラン、エチルエーテル等の環状もしくは直鎖状のエー
テル類等の通常使用される有機溶剤を単独あるいは2種
以上混合して用いることができる。
【0023】本発明で用いる電荷輸送層の厚みは一般的
には、5〜50μm、好ましくは10〜30μmが適当
である。塗布方法としては、ブレードコーティング法、
マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング
法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エア
ーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の
通常の方法を用いることができる。
【0024】電荷輸送層の上には、さらに必要に応じて
保護層を設けてもよい。保護層は、感光層の帯電時にお
ける電荷輸送層の化学的変質を防止するとともに、感光
層の機械的強度を改善するために有用である。この保護
層は、導電性材料を適当な結着樹脂の中に含有させて形
成される。導電性材料としては、N,N′−ジメチルフ
ェロセン等のメタロセン化合物、N,N′−ジフェニル
−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1′
−ビフェニル]−4,4′−ジアミン等の芳香族アミン
化合物、酸化アンチモン、酸化スズ、酸化チタン、酸化
インジウム、酸化スズ−酸化アンチモン等の金属酸化物
等の材料を用いることができるが、これらに限定される
ものではない。また、この保護層に用いる結着樹脂とし
ては、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステ
ル樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリスチレン樹脂、
ポリアクリルアミド樹脂等、公知の樹脂をあげることが
できる。
【0025】また、この保護層は、その電気抵抗が10
9 〜1014Ω・cmとなるように構成することが好まし
い。電気抵抗が1014Ω・cm以上になると、残留電位
が上昇しカブリの多い複写物となってしまい、また、1
9 Ω・cm以下になると、画像のボケ、解像力の低下
が生じてしまう。また、保護層は像露光に用いられる光
の透過を実質上妨げないように構成されなければならな
い。本発明で用いる保護層の膜厚は0.5〜20μmの
範囲が適当であり、好ましくは1〜10μmの範囲であ
る。塗布方法としては、電荷輸送層を形成する場合と同
一の塗布方法が用いられる。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明する。な
お、合成例および実施例において、「部」は「重量部」
を示す。
【0027】合成例1 フタロニトリル50g、無水塩化第二スズ27gを、1
−クロルナフタレン350ml中に入れ、195℃にお
いて5時間反応させた後、生成物を濾別し、1−クロル
ナフタレン、アセトン、メタノール、次いで水で洗浄し
た後、減圧乾燥して、ジクロロスズフタロシアニン結晶
18.3gを得た。得られたジクロロスズフタロシアニ
ン結晶の粉末X線回折図を図7に示す。
【0028】合成例2 合成例1で得られたジクロロスズフタロシアニン結晶5
gを、食塩10g、メノウボール(20mmφ)500
gと共にメノウ製ポットに入れ、遊星ボールミル(フリ
ッチュ社製:P−5型)にて400rpmで10時間粉
砕した。得られたジクロロスズフタロシアニン結晶の粉
末X線回折図を図8に示す。
【0029】合成例3 合成例2で得られたジクロロスズフタロシアニン結晶
0.5gをガラスビーズ(1mmφ)30g、テトラヒ
ドロフラン15mlと共に、室温下、24時間ミリング
処理した後、濾別し、乾燥してジクロロスズフタロシア
ニン結晶を得た。得られたジクロロスズフタロシアニン
結晶の粉末X線回折図を図9に示す。
【0030】実施例1 アルミニウム基板上にジルコニウム化合物(商品名:オ
ルガチックスZC540、マツモト製薬社製)10部お
よびシラン化合物(商品名:A1110、日本ユンカー
社製)1部とiso−プロパノール40部およびブタノ
ール20部からなる溶液を浸漬コーティング法で塗布
し、150℃において10分間加熱乾燥し、膜厚0.5
μmの下引き層を形成した。次に、合成例3で得られた
ジクロロスズフタロシアニン結晶1部を、ポリビニルブ
チラール樹脂(商品名:エスレックBM−S、積水化学
社製)1部および酢酸n−ブチル100部と混合し、ガ
ラスビーズと共にペイントシェーカーで1時間処理して
分散した後、得られた塗布液を上記下引き層上に浸漬コ
ーティング法で塗布し、100℃において10分間加熱
乾燥し、膜厚0.15μmの電荷発生層を形成した。ま
た、分散後のジクロロスズフタロシアニン結晶の結晶型
は、X線回折によって分散前の結晶型と比較して変化し
ていないことを確認した。
【0031】次に、上記表1記載のI−20の化合物2
部と上記構造式(III )で示される単量体単位より構成
されるポリカーボネート樹脂3部を、モノクロロベンゼ
ン20部に溶解し、得られた塗布液を、電荷発生層が形
成されたアルミニウム基板上に浸漬コーティング法で塗
布し、120℃において、1時間加熱乾燥し、膜厚20
μmの電荷輸送層を形成した。
【0032】このようにして得られた電子写真用感光体
の電子写真特性を、静電複写紙試験装置(川口電気:エ
レクトロスタティックアナライザーEPA−8100)
を用いて、常温常湿(20℃、40%RH)の環境下、
−6kVのコロナ放電を行ない、帯電させた後、タング
ステンランプの光を、モノクロメーターを用いて800
nmの単色光にし、感光体表面上で1μW/cm2 にな
るように調節し、照射した。そして、その表面電位VO
(ボルト)、半減露光量E1/2 (erg/cm2 )を測
定し、その後、10ルックスの白色光を1秒間照射し、
残留電位VR (ボルト)を測定した。さらに、上記の帯
電、露光を1000回繰り返した後のVO 、E1/2 、V
R を測定し、また、その変動量をΔVO 、ΔE1/2 、Δ
R で表した。その結果を表6に示す。
【0033】実施例2〜3 実施例1における電荷輸送材料の代わりに、表5に示さ
れる電荷輸送材料を用いた以外は、実施例1と同様にし
て感光体を作製し、同様の測定を行った。その結果を表
6に示す。
【表5】
【0034】比較例1 実施例1における電荷輸送材料の代わりに、下記一般式
(III ) で示される化合物を用いた以外は、実施例1
と同様にして感光体を作製し、同様の測定を行った。そ
の結果を表6に示す。
【化7】
【0035】比較例2 実施例1における電荷輸送材料の代わりに、下記一般式
(IV)で表される化合物を用いた以外は、実施例1と
同様にして感光体を作製し、同様の測定を行った。その
結果を表6に示す。
【化8】
【0036】比較例3 実施例1における電荷輸送材料の代わりに、ポリビニル
カルバゾール(PVK)を単独で用いた以外は、実施例
1と同様にして感光体を作製し、同様の測定を行った。
その結果を表6に示す。
【0037】比較例4 実施例1において、電荷発生材料として、x−H2 Pc
をを用いた以外は、実施例1と同様にして感光体を作製
し、同様の測定を行った。その結果を表6に示す。
【0038】実施例4 実施例1において、電荷輸送材料として、上記表1記載
のI−20の化合物および上記表2記載のII−54化合
物を7:3で用いた以外は、実施例1と同様にして感光
体を作製し、同様の測定を行った。その結果を表6に示
す。
【表6】
【0039】
【発明の効果】本発明の電子写真用感光体は、電荷発生
層における電荷発生材料と、電荷輸送層における電荷輸
送材料とについて、上記した特定の組合わせを用いたこ
とにより、上記実施例および比較例の比較から明らかの
ように、高い光感度と優れた繰り返し安定性を有してい
る。したがって、特に近赤外光に対して高感度を示すの
で、半導体レーザー光を光源とするプリンター等に適し
ている。また、本発明の電子写真用感光体は、高いモビ
リティーの電荷輸送材料を使用しているため、ジクロロ
スズフタロシアニン結晶が高い効率で発生した電荷を効
率よく輸送できるので、高速プロセスによく適合する。
さらに、本発明の電子写真用感光体は、使用する電荷輸
送材料とジクロロスズフタロシアニン結晶とのマッチン
グがよいため、電荷を蓄積せず、安定性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電子写真用感光体の一例の模式的断
面図を示す。
【図2】 本発明の電子写真用感光体の他の一例の模式
的断面図を示す。
【図3】 本発明の電子写真用感光体の他の一例の模式
的断面図を示す。
【図4】 本発明の電子写真用感光体の他の一例の模式
的断面図を示す。
【図5】 本発明の電子写真用感光体の他の一例の模式
的断面図を示す。
【図6】 本発明の電子写真用感光体の他の一例の模式
的断面図を示す。
【図7】 合成例1で得られたジクロロスズフタロシア
ニン結晶の粉末X線回折図を示す。
【図8】 合成例2で得られたジクロロスズフタロシア
ニン結晶の粉末X線回折図を示す。
【図9】 合成例3で得られたジクロロスズフタロシア
ニン結晶の粉末X線回折図を示す。
【符号の説明】
1…電荷発生層、2…電荷輸送層、3…導電性支持体、
4…下引き層、5…保護層、6…光導電層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 額田 克己 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社竹松事業所内 (72)発明者 今井 彰 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社竹松事業所内 (72)発明者 白井 正治 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社竹松事業所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に感光層を有する電子写
    真感光体において、感光層における電荷発生材料とし
    て、ジクロロスズフタロシアニン結晶を用い、電荷輸送
    材料として、少なくとも下記一般式(I)で示されるト
    リアリールアミン化合物を用いることを特徴とする電子
    写真感光体。 【化1】 (式中、R1 は、アルキル基、置換または未置換のアリ
    ール基、またはアラルキル基を表わし、R2 およびR3
    は、それぞれ水素原子、アルキル基、置換または未置換
    のアリール基またはアラルキル基を表わし、kは、0、
    1または2を示す。)
  2. 【請求項2】 電荷輸送材料として、上記一般式(I)
    で示されるトリアリールアミン化合物と共に下記一般式
    (II)で示されるベンジジン化合物をいることを特徴と
    する請求項1記載の電子写真感光体。 【化2】 (式中、R4 は、水素原子、アルキル基またはアルコキ
    シ基を表わし、R5 およびR6 は、それぞれアルキル
    基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニ
    ル基または置換アミノ基を表わし、mおよびnは、それ
    ぞれ0、1または2を示す。)
  3. 【請求項3】 上記一般式(I)で示されるトリアリー
    ルアミン化合物と上記一般式(II)で示されるベンジジ
    ン化合物の混合比が、9:1〜1:9であることを特徴
    とする請求項2記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 ジクロロスズフタロシアニン結晶が、X
    線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角度(2θ±0.
    2°)の8.5°、11.2°、14.5°および2
    7.2°に強い回折ピークを有する請求項1ないし3の
    いずれか1項記載の電子写真感光体。
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