JPH0688215B2 - ステープル綴り装置におけるステープル成形装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は未成形ステープルをコ字
状に成形後打ち出すタイプのステープル綴り装置におい
て、未成形ステープルを確実にコ字状に成形できるステ
ープル綴り装置におけるステープル成形装置に関する。

【０００２】

【従来技術】未成形ステープルは通常ロール状ないしシ
ート状に所定本数連結されており、ステープル送り手段
にてステープル成形部へ供給され順次１本づつコ字状に
成形され、成形されたステープルは脚部をプッシャによ
りステープル打出通路に送られる。ステープル打出通路
中にはステープル打出装置であるドライバが上下動可能
に収容されており、ドライバにて先頭の成形ステープル
を打ち出すと共に次位の未成形ステープルをステープル
成形手段であるフォーミングプレートによりコ字状に成
形している。

【０００３】しかしながら、連結ステープルの後端から
２本目のステープルが成形後打出通路に位置し後端の未
成形ステープルが成形位置に置かれている状態でドライ
バとフォーミングプレートとが下降すると、後端から２
本目の成形ステープルは後端のステープルと切り離され
て打ち出されると同時に後端のステープルの成形がフォ
ーミングプレートにより行われる。このため後端のステ
ープルの成形は他のステープルと切り離された不安定な
状態で行われるため所定の位置での成形が必ずしも行わ
れず送り方向に対して傾斜した状態での成形が行われる
ことがある。この傾斜した状態で成形が行われた場合、
成形されたステープルは打出通路に進入しなかったり、
左右のステープル脚長さが相違しステープル脚の折り曲
げ不良を生ずる等の不具合を生じていた。

【０００４】このため連結ステープルの先頭の少なくと
も２本以上の複数本のステープルを一度にフォーミング
し、以降は順次１本づつ成形を行い後端のステープルを
その前方のステープルと連結された状態で成形する方法
があるが、これは最初に複数本の未成形ステープルを一
度にフォーミングした後は１本づつのフォーミングを行
う構造であるため、成形手段は複数本のフォーミングが
同時に行えるだけの駆動力が必要とされるものであっ
た。

【０００５】また、最初に同時に複数本成形されたステ
ープルはステープル脚が接着された状態で折り曲げられ
ているため、最初の１本が打ち出されるとき次位のステ
ープル脚との接着剤を切断して打ち出されることが必要
であり、このために大きな駆動力を与える駆動装置を備
えることが必要である。更にステープルの脚まで接着さ
れているため先頭のステープルの切り離し時に次位のス
テープルが変位しその後のステープルの送り不良や綴り
不良の原因となる問題があった。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、シート状等
の連結ステープルにおける成形装置に関し、成形後の打
ち出し時に次位のステープルの姿勢を乱すことなく且つ
連結の後端のステープルの成形を確実に行い、後端のス
テープルに発生しやすいステープルの成形不良を無くす
ことによりホッチキスの連続した綴り作業を行なえるス
テープル成形装置を提供することである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、連結ステープルを送るステープル送り装
置１８とステープルをコ字状に成形するステープル成形
装置１６とステープル打出通路３の打出口８より成形ス
テープルを打ち出すドライバ９とを少なくとも備えてな
るステープル綴り装置において、前記ステープル成形装
置１６は、連結ステープルＳを順次１本づつ成形するフ
ォーミングプレート６とアンビル１３とを対向配設する
と共に、ステープル打出通路３中に位置して成形ステー
プルを打ち出すドライバ９とフォーミングプレート６と
の間に間隙１２を設けるとともに、打ち出し前の成形ス
テープルを少なくとも１本支持するための支持部１３ｂ
を前記間隙１２に位置するアンビル１３上に設けたもの
である。

【０００８】

【実施例】以下、図１乃至図３により本発明の実施例に
ついて説明する。図１及び図２はステープル綴り装置の
前部を示すものであり、図３は本発明の作動説明図であ
る。ステープル綴り装置の前端部１にはフェースプレー
ト２が配設されており、フェースプレートの裏面中央部
には上下方向にステープル打出通路３を形成する溝４が
設けられている。溝４の上方には矩形の開口部５が穿設
されており後述するフォーミングプレート６の突出部７
と係合しフォーミングプレート６の上死点及び下死点の
位置決めを行っている。

【０００９】打出通路３中には成形ステープルをステー
プル打出通路３の端部３ａの打出口８から被綴り部材Ｐ
に向けて打ち出すステープル打出装置であるドライバ９
が収容されており、そのドライバ９の上部に穿設された
矩形孔１０により後方のフォーミングプレート６の突出
部７に係合しフォーミングプレート６の上下動に連動し
てステープル打出通路３中を摺動可能になっている。フ
ォーミングプレート６はフェースプレート２に向けてそ
の上部に矩形の突出部７を備え、下端には未成形ステー
プルをコ字状に成形するための一対の成形脚部１１，１
１が設けられており、両成形脚部１１，１１が対向する
側面１１ａ，１１ａは弓状に形成されている。

【００１０】前記成形脚部１１，１１とドライバ９間と
に少なくともステープル１本分の間隙１２が形成される
ように成形脚部１１，１１はフォーミングプレート６上
部の肉圧よりも少なくともステープル１本分薄くなって
いる。成形脚部１１，１１の下方にはアンビル１３が配
設され、アンビル１３の両側にはバネ１４により常時ス
テープル打出通路３に付勢されるプッシャ１５が設けら
れている。アンビル１３はフォーミングプレート６との
協働により成形を行う未成形ステープルを支持する第１
の支持部１３ａと前記間隙１２に位置して打ち出し前の
成形ステープルを少なくとも１本支持する第２の支持部
１３ｂとからなっている。尚、フォーミングプレート
６、アンビル１３、プッシャ１５及びバネ１４とにより
ステープル成形装置１６が構成されている。

【００１１】アンビル１３の後方には支持板１９とＬ字
状部材２０を持つマガジン１７が配設されており、送り
装置である無端ベルト１８により送られた連結ステープ
ルＳを下方の前記支持板１９と上方の前記Ｌ字状部材２
０とにより案内している。Ｌ字状部材２０の後端２０ａ
には連結ステープルＳを複数積層収納したカートリッジ
２１が装着されており、そのガイド部２２の前端２２ａ
が前記Ｌ字状部材２０の後端２０ａに当接して連結ステ
ープルＳの上方のガイドを行っている。ステープル送り
用の無端ベルト１８はカートリッジ２１の連結ステープ
ルＳの収納部２３下方から前記ガイド部２２に渡り配設
されており、無端ベルト上面１８ａと連結ステープルＳ
との摩擦力により連結ステープルＳをステープル成形装
置１６側に送り出している。

【００１２】次に、図３により作動について説明する。
(ａ)は無端ベルト１８により送られた連結ステープルＳ
の先頭のステープルＳ１がフェースプレート２の下端に
形成された一対の凸部２４，２４（図１に示す）との当
接により移動を停止された状態を示しており、ステープ
ルＳ１はアンビル１３上にあってフォーミングプレート
６の成形脚部１１，１１の下方に位置している。(ｂ)は
フォーミングプレート６の下降により先頭のステープル
Ｓ１がコ字状に成形されている状態を示しており、フォ
ーミングプレート６の下降による成形脚部１１，１１と
の当接によりプッシャ１５はバネ１４力に抗して後方に
移動する。(ｃ)ではフォーミングプレート６の上昇に伴
いプッシャ１５が成形されたステープルＳ１の脚部を押
圧し、ステープルＳ１を前方に移動させるが、ステープ
ルＳ２が未成形状態であるため前記(ａ)同様ステープル
Ｓ２はフェースプレート２の凸部２４，２４に当接し成
形位置にて移動を停止する。(ｄ)及び(ｅ)は前述の
(ｂ)、(ｃ)と同様の作動によりステープルＳ２がコ字状
に成形され、その後プッシャ１５によるステープルＳ２
の押圧操作によりステープルＳ１がステープル打出通路
３に収容されるとともにステープルＳ３が成形位置に置
かれる各状態を示すものであり、(ｆ)は打出通路３に位
置した先頭のステープルＳ１がドライバ９にてステープ
ル打出通路３下端の打出口８より打ち出される状態の図
である。以下、順次ステープルＳ２が打ち出され、ステ
ープルＳ３，ステープルＳ４，．．．も１本づつ成形さ
れ打ち出される。

【００１３】

【作用】ステープル送り装置によりステープル成形装置
に送られた、連結ステープルの前端のステープルがフェ
ースプレートの凸部に当接しその移動を停止する。係る
状態でフォーミングプレートが下降しステープルの両端
部を折り曲げコ字状に成形する。フォーミングプレート
の上昇により成形されたステープルはプッシャにより前
方に移動する。この状態にあってはステープル打出通路
中には成形ステープルは位置していない。次に２番目の
未成形ステープルも同様にコ字状に成形され、フォーミ
ングプレートの上昇により前方に移動する。この状態に
あって先頭の成形ステープルはステープル打出通路に位
置し、フォーミングプレートとドライバとの下降により
３番目の未成形ステープルがコ字状に成形されるととも
に成形ステープルは打出通路から打ち出される。この様
に成形位置にあるステープルは常に前方ないし後方のス
テープルの一方ないし両方のステープルに連結された状
態で成形されるとともに打ち出されるステープルと次位
のステープルの脚間の接着が成形時に切り離されている
ため打ち出されるステープルにより次位のステープルの
位置が変化することはない。

【００１４】

【発明の効果】常に未成形ステープルの成形が１本づつ
行われるので成形ステープルの脚は次位のステープル脚
と切り離された状態となり、ステープル脚の接着に起因
するステープル打ち出し時の駆動力の増大や切り離し時
に生ずる次位のステープルの所定位置からの移動変位を
無くせ、成形ステープルの送り不良や綴り不良を防止す
ることが出来る。

【００１５】また、未成形ステープルの成形が常に他の
ステープルに連結された状態で行われるため、後端のス
テープルが単体の無支持状態にて成形されるときに生ず
るステープルの成形位置からの移動による左右不均一な
ステープル脚の発生やステープルの転がりによる成形不
良が防止できる。このためそのステープルを打ち出した
場合に発生する綴り不良等の不具合を無くすことが出来
る。従って、ステープルの転がりの無い管理寸法を維持
するための時間ないし熟練を要する組み付け作業をも不
要とすることが出来る。

【００１６】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るステープル成形装置の分解斜視
図。

【図２】ステープル成形装置の縦断面図。

【図３】本発明の作動説明図。

【符号の説明】

２ フェースプレート ３ ステープル打出通路 ６ フォーミングプレート ９ ドライバ １３ アンビル １３ａ 第１の支持部 １３ｂ 第２の支持部 １５ プッシャ １８ 無端ベルト ２４ 凸部 Ｓ 連結ステープル

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】連結ステープルを送るステープル送り装置
   １８とステープルをコ字状に成形するステープル成形装
   置１６とステープル打出通路３の打出口８より成形ステ
   ープルを打ち出すドライバ９とを少なくとも備えてなる
   ステープル綴り装置において、前記ステープル成形装置
   １６は、連結ステープルＳを順次１本づつ成形するフォ
   ーミングプレート６とアンビル１３とを対向配設すると
   共に、ステープル打出通路３中に位置して成形ステープ
   ルを打ち出すドライバ９とフォーミングプレート６との
   間に間隙１２を設けるとともに、打ち出し前の成形ステ
   ープルを少なくとも１本支持するための支持部１３ｂを
   前記間隙１２に位置するアンビル１３上に設けたことを
   特徴とするステープル綴り装置におけるステープル成形
   装置。