JPH0687962A - 熱可塑性エラストマー用架橋助剤及びこれを使用した熱可塑性エラストマーの製造方法 - Google Patents

熱可塑性エラストマー用架橋助剤及びこれを使用した熱可塑性エラストマーの製造方法

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JPH0687962A
JPH0687962A JP20176592A JP20176592A JPH0687962A JP H0687962 A JPH0687962 A JP H0687962A JP 20176592 A JP20176592 A JP 20176592A JP 20176592 A JP20176592 A JP 20176592A JP H0687962 A JPH0687962 A JP H0687962A
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JP
Japan
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tpe
thermoplastic elastomer
cross
phr
crosslinking
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Application number
JP20176592A
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English (en)
Inventor
Toshio Niwa
俊夫 丹羽
Heruman Hokuto Andooreasu
ヘルマン ホクト アンドーレアス
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Kayaku Akzo Corp
Original Assignee
Kayaku Akzo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】熱可塑性エラストマーの動的架橋において、優
れた耐熱性と優れた機械的性質、特に高い破断時伸びを
有する熱可塑性エラストマーの製造方法を提供するこ
と、ならびにその熱可塑性エラストマーの製造に用いる
架橋助剤を提供することである。 【構成】本発明は炭素数が3乃至6である少なくとも二
つのアルケニル基によって置換された芳香族化合物の
(コ)オリゴマーを含むことを特徴とする熱可塑性エラ
ストマー用架橋助剤及びこれを使用した熱可塑性エラス
トマーの製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱可塑性エラストマー用
架橋助剤及びこれを使用した機械的性質、耐熱性に優れ
る動的架橋された熱可塑性エラストマーの製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】エラストマーはゴム弾性を有する材料の
総称であって、自動車のタイヤを始め、工業用、産業用
部品等に多く使用されて来た。特にエラストマーの機械
的性質や耐熱性向上のために、硫黄や有機過酸化物等を
用いて加硫又は架橋を行うことは古くから知られてい
る。
【0003】ところでエラストマーの場合、ゴムの混
練、型入れ(予備成型)、加硫又は架橋とその成型工程
が複雑であるため、プラスチックのように押出機等を用
いて一工程で成型可能なエラストマーが要求されてき
た。
【0004】熱可塑性エラストマー(以下TPEと略
す)はエラストマー成分とプラスチック成分のブレンド
物又は共重合体であって、エラストマーと同様、室温で
は弾性体でありながら成型温度では流動性を持つ材料で
あり、プラスチックと同様に一工程で成型が可能であ
る。
【0005】更に、TPEは再生が可能ということもあ
って、現在までにスチレン系TPE、エステル系TP
E、アミド系TPE、オレフィン系TPE等、数多くの
TPEが実用化されている。しかし、TPEは熱可塑性
であるがゆえに耐熱性に劣り、その耐熱性を改良するた
めにTPEを硫黄や有機過酸化物等を用いて混練しなが
ら加硫又は架橋(これを動的加硫又は動的架橋と言う)
することが提案されてきた。
【0006】特にオレフィン系TPEの分野においては
動的加硫又は動的架橋による耐熱性の改良が行われ、そ
の技術は例えば米国特許4,031,169(1977
年)や米国特許4,104,210(1978年)等に
よって開示されており、広く応用されている。この動的
架橋されたTPEは、非架橋形TPEに比べて、耐熱性
はいくぶん改良されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】有機過酸化物を架橋剤
として動的架橋したTPEは、非架橋形TPEに比べて
耐熱性及び機械的性質は改良されているものの十分とは
言えない。有機過酸化物の添加量を増すと架橋度は増加
し、耐熱性は改良されるが、逆に機械的性質は低下す
る。
【0008】例えば、オレフィン系TPEの場合は有機
過酸化物による動的架橋の効果は小さく、得られた動的
架橋TPEの機械的性質は実用に供するには十分でな
い。エチレンプロピレンゴム(以下EPMと略す)やエ
チレンプロピレンジエンゴム(以下EPDMと略す)の
ような架橋効率の低いエラストマーの場合、有機過酸化
物に架橋助剤を併用して動的架橋することにより、耐熱
性及び機械的性質を改良することが可能である。
【0009】公知の架橋助剤として、トリアリルシアヌ
レート、トリアリルイソシアヌレートのようなアリル化
合物、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチ
ロールプロパントリメタクリレートのようなメタクリレ
ート化合物、ジビニルベンゼンのようなビニル基含有化
合物などを例示することができる。
【0010】しかしながら、これら公知の架橋助剤は大
きな欠点を有している。まず第一に架橋助剤自身が不快
な臭気を有しかつ揮発性であるため、動的架橋の工程中
に衛生上の問題を生じる。第二に配合が複雑になるうえ
架橋助剤の添加量を増すと動的架橋されたTPEの破断
時伸びが著しく低下し、実用に供することはできない。
【0011】優れた耐熱性と機械的性質、特に高い破断
時伸びを兼ね備えた動的架橋TPEを製造する方法は見
出されていない。即ち本発明が解決しようとする課題
は、耐熱性及び機械的性質に優れ、特に高い破断時伸び
を有する動的架橋TPEの製造方法及びこれに用いる架
橋助剤を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記の課題
を解決するために鋭意研究の結果、有機過酸化物による
TPEの動的架橋において、炭素数が3乃至6である少
なくとも二つのアルケニル基によって置換された芳香族
化合物の(コ)オリゴマーが従来の架橋助剤には見られ
ない卓越した効果、即ち耐熱性及び機械的性質に優れ、
特に高い破断時伸びを有する動的架橋TPEが得られる
ことを見出し、本発明に到達した。
【0013】即ち本発明は、
【0014】1.炭素数が3乃至6である少なくとも二
つのアルケニル基によって置換された芳香族化合物の
(コ)オリゴマーを含むことを特徴とするTPE用架橋
助剤 2.架橋助剤として、炭素数が3乃至6である少なくと
も二つのアルケニル基によって置換された芳香族化合物
の(コ)オリゴマーを用いて動的架橋を行うことを特徴
とするTPEの製造方法 に関する。
【0015】本発明のTPE用架橋助剤としては、1,
3−ジイソプロペニルベンゼンオリゴマー、1,4−ジ
イソプロペニルベンゼンオリゴマー、1,3,5−トリ
イソプロペニルベンゼンオリゴマー、1,2,4−トリ
イソプロペニルベンゼンオリゴマー等が好ましい。
【0016】本発明における(コ)オリゴマーは公知の
方法、例えば溶媒中で酸触媒によってオリゴマー化する
ことができる。炭素数が3乃至6である少なくとも二つ
のアルケニル基によって置換された芳香族化合物の例と
しては、1,3−ジイソプロペニルベンゼン、1,4−
ジイソプロペニルベンゼン、1,3,5−トリイソプロ
ペニルベンゼン、及び1,2,4−トリイソプロペニル
ベンゼンを挙げることができ、これらの混合物も使用で
きる。
【0017】これらの芳香族化合物は例えばヘプタン、
トルエン、キシレン、オクタン、及び/又はクメン中で
酸触媒、例えばパラトルエンスルホン酸、ベンゼンスル
ホン酸、メタスルホン酸、及び/又はギ酸を用いてオリ
ゴマー化することができる。
【0018】本発明に使用するTPE用架橋助剤のオリ
ゴマー化度の加重平均は、通常1.5乃至50、好まし
くは2乃至25の範囲である。低いオリゴマー化度は高
いヨウ素価を与え、高いオリゴマー化度は低いヨウ素価
を与えるが架橋助剤としては、より高いヨウ素価が好ま
しい。オリゴマーはモノマーに比べて分子量が大きいの
で揮発性が著しく低くかつ臭気が殆ど無い。そして、T
PEにより相溶しやすいという特徴を合わせ持ってい
る。本発明のTPE用架橋助剤を用いてTPEを動的架
橋する場合、架橋剤としては、通常有機過酸化物が使用
される。該有機過酸化物は、エラストマーやプラスチッ
クの架橋剤として一般に用いられるものであれば、制限
なく使用でき、例えばベンゾイルパーオキサイド、2,
4−ジクロロベンゾイルパーオキサイドのようなジアシ
ルパーオキサイド類、ジクミルパーオキサイド、2,5
−ジメチル−2,5−ジ(ターシャリーブチルパーオキ
シ)ヘキサン、1,3−ビス−(ターシャリーブチルパ
ーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(ターシャリーブチルパーオキシ)ヘキシン
−3のようなジアルキルパーオキサイド類、1,1−ジ
ターシャリーブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチ
ルシクロヘキサン、4,4−ジターシャリーブチルパー
オキシバレリックアシッドノルマルブチルエステルのよ
うなパーオキシケタール類、ターシャリーブチルパーオ
キシ−2−エチルヘキサノエート、ターチャリブチルパ
ーオキシベンソエートのようなアルキルパーエステル
類、ターシャリーブチルパーオキシイソプロピルカーボ
ネート、1,6−ビス(ターシャリーブチルパーオキシ
カルボニルオキシ)ヘキサンのようなパーカーボネート
類等を挙げることができる。
【0019】本発明のTPEに使用するエラストマー成
分は有機過酸化物により架橋可能なものであれば制限は
無く、例えばEPM、EPDM、ポリブタジエンゴム
(以下BRと略す)、アクリロニトリルブタジエンゴ
ム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロ
プレンゴム、水素添加ニトリルゴム、塩素化ポリエチレ
ン等を挙げることができる。
【0020】本発明のTPEに使用するプラスチック成
分は、熱可塑性プラスチックであれば特に制限は無い
が、ポリオレフィン系熱可塑性プラスチックが好まし
い。ポリオレフィン系熱可塑性プラスチックとしては、
例えばポリエチレン、ポリプロピレン(以下PPと略
す)、エチレンプロピレンブロック共重合体(以下EP
ブロック共重合体と略す)、エチレン酢酸ビニル共重合
体、エチレン−α−オレフィン共重合体、ポリブチレ
ン、ポリメチルペンテン(以下TPXと略す)等を挙げ
ることができる。
【0021】本発明のTPEに使用するエラストマー成
分とプラスチック成分のブレンド割合は、通常エラスト
マー成分10〜90重量部に対しプラスチック成分90
〜10重量部と広く変えることができるが、好ましくは
エラストマー成分20〜70重量部に対し、プラスチッ
ク成分80〜30重量部である。
【0022】本発明のTPE用架橋助剤の添加量は、T
PE100gに対し、通常0.1〜10phrであり、
好ましくは0.3〜3phrである。本発明のTPE用
架橋助剤は二種類以上を組み合わせて用いることがで
き、又目的によっては公知の架橋助剤と併用してもよ
い。
【0023】本発明のTPE用架橋助剤は常温で不揮発
性の粘稠な液体であり、工業的準品をそのまま用いても
よいが、取扱い及びTPEへの均一分散を容易にするた
め、炭酸カルシウム、シリカ、クレー、吸着性シリカ、
ゼオライト等で希釈又は吸着したものを使用してもよ
い。
【0024】本発明のTPEの製造には各種の内部密閉
型混合機、例えばバンバリーミキサー、加圧型ニーダ
ー、ニーダーブレンダー、連続混練機、押出機、トラン
スファーミキサー、射出成型機、又は解放形のロールミ
ル等を使用することができる。TPEの混練及び動的架
橋はエラストマー成分とプラスチック成分が十分にブレ
ンドされる条件で行う。
【0025】混練温度は目的とするTPEのエラストマ
ー成分とプラスチック成分により異なるが、一般的には
130〜250℃、好ましくは150〜200℃であ
る。混練時間は混練温度に依存するが、通常1〜40分
間、好ましくは3〜20分間である。
【0026】本発明のTPEの製造にあたっては、他に
パラフィン系オイルのような伸展油、可塑剤、2,6−
ジーターシャリーブチル−4−メチルフェノールのよう
な酸化防止剤、ステアリン酸やステアリン酸亜鉛のよう
な滑剤、カーボンブラック、炭酸カルシウム、シリカ、
クレーのような充填剤、顔料等を必要に応じて使用する
ことができる。
【0027】押出機のように連続して製造を行う装置で
は、例えば特公昭48−5194号公報に記載されてい
る装置等が有用である。特公昭48−5194号公報に
記載されている装置は単軸押出機のシリンダーの途中で
架橋剤及び架橋助剤を注入して混練と動的架橋を連続し
て行うものであり、本発明のTPEの製造に利用する
と、エラストマー成分とプラスチック成分の混練から動
的架橋までを一工程で行うことができ、製造工程におけ
る省力化及びコストの低減が可能である。
【0028】
【作用】本発明のTPE用架橋助剤を用いてTPEの動
的架橋を行うと、架橋助剤が不揮発性でかつアルケニル
基を有していることによりエラストマー成分とプラスチ
ック成分の相溶化が促進され、優れた耐熱性、機械的性
質、特に高い破断時伸びを有する動的架橋TPEを得る
ことができる。
【0029】
【実施例】以下、本発明を更に実施例、比較例により説
明するが、以下の実施例、比較例は本発明を何ら制限す
るものではない。
【0030】合成例1 1,3−ジイソプロペニルベンゼンオリゴマー(以下助
剤1と略す)の合成。
【0031】400gの1,3−ジイソプロペニルベン
ゼンに1200mlのヘプタン及び480mgのパラト
ルエンスルホン酸一水和物を加えて75℃で4時間攪拌
した。反応混合物を200mlの水酸化ナトリウム(2
N)で洗浄し、更に水でpHが中性になるまで洗浄し
た。
【0032】有機層を温度100℃圧力0.1mbar
にて減圧蒸留し、ヘプタン及び未反応の1,3−ジイソ
プロペニルベンゼンを除去した。透明で粘稠な1,3−
ジイソプロペニルベンゼンオリゴマー132gが得られ
た。組成を高速サイズ排除クロマトグラフィー(以下H
PSECと略す)によって分析したところ以下の通りで
あった。
【0033】モノマー 0.8% ダイマー 23.7% トリマー 28.7% テトラマー 12.8% ペンタマー 15.0% ヘキサマー 19.0%
【0034】オリゴマー化度の加重平均は、3.75で
あった。
【0035】合成例2 1,4−ジイソプロペニルベンゼンオリゴマー(以下助
剤2と略す)の合成。
【0036】400gの1,4−ジイソプロペニルベン
ゼンに1200mlのヘプタン及び500mgのパラト
ルエンスルホン酸一水和物を加えて75℃で4時間攪拌
した。反応混合物を200mlの水酸化ナトリウム(2
N)で洗浄し、更に水でpHが中性になるまで洗浄し
た。
【0037】有機層を温度100℃圧力0.1mbar
にて減圧蒸留し、ヘプタン及び未反応の1,4−ジイソ
プロペニルベンゼンを除去した。透明で粘稠な1,4−
ジイソプロペニルベンゼンオリゴマー130gが得られ
た。組成をHPSECによって分析したところ、以下の
通りであった。
【0038】モノマー 1.0% ダイマー 24.1% トリマー 29.2% テトラマー 12.8% ペンタマー 16.0% ヘキサマー 16.9%
【0039】オリゴマー化度の加重平均は3.69であ
った。
【0040】合成例3 1,3,5−トリイソプロペニルベンゼンオリゴマー
(以下助剤3と略す)の合成。
【0041】400gの1,3,5−トリイソプロペニ
ルベンゼンに150mlのヘプタン及び120mgのパ
ラトルエンスルホン酸一水和物を加えて100℃で3時
間攪拌した。反応混合物を200mlの水酸化ナトリウ
ム(2N)で洗浄し、更に水でpHが中性になるまで洗
浄した。
【0042】有機層を温度100℃圧力0.1mbar
にて減圧蒸留し、ヘプタン及び未反応の1,3,5−ト
リイソプロペニルベンゼンを除去した。透明で粘稠な
1,3,5−トリイソプロペニルベンゼンオリゴマー1
5gが得られた。組成をHPSECによって分析したと
ころ、以下の通りであった。
【0043】モノマー 0.6% ダイマー 2.1% トリマー 10.2% テトラマー 12.8% ペンタマー 26.0% ヘキサマー 48.3%
【0044】オリゴマー化度の加重平均は、5.06で
あった。
【0045】合成例4 1,2,4−トリイソプロペニルベンゼンオリゴマー
(以下助剤4と略す)の合成。
【0046】400gの1,2,4−トリイソプロペニ
ルベンゼンに180mlのオクタン及び120mgのパ
ラトルエンスルホン酸一水和物を加えて100℃で4時
間攪拌した。反応混合物を200mlの水酸化ナトリウ
ム(2N)で洗浄し、更に水でpHが中性になるまで洗
浄した。
【0047】有機層を温度100℃圧力0.1mbar
にて減圧蒸留し、オクタン及び未反応の1,2,4−ト
リイソプロペニルベンゼンを除去した。黄色で粘稠な
1,2,4−トリイソプロペニルベンゼンオリゴマー1
7gが得られた。組成をHPSECによって分析したと
ころ、以下の通りであった。
【0048】モノマー 0.6% ダイマー 1.1% トリマー 10.2% テトラマー 11.0% ペンタマー 22.7% ヘキサマー 54.4%
【0049】オリゴマー化度の加重平均は、5.17で
あった。
【0050】合成例5 1,3−ジイソプロペニルベンゼン/1,4−ジイソプ
ロペニルベンゼンコオリゴマー(以下助剤5と略す)の
合成。
【0051】30gの1,3−ジイソプロペニルベンゼ
ン及び30gの1,4−ジイソプロペニルベンゼンに2
00mlのヘプタン及び125mgのパラトルエンスル
ホン酸一水和物を加えて100℃で3時間攪拌した。反
応混合物を200mlの水酸化ナトリウム(2N)で洗
浄し、更に水でpHが中性になるまで洗浄した。
【0052】有機層を温度100℃圧力0.1mbar
にて減圧蒸留し、ヘプタン及び未反応の1,3−ジイソ
プロペニルベンゼン及び1,4−ジイソプロペニルベン
ゼンを除去した。透明で粘稠な1,3−ジイソプロペニ
ルベンゼン/1,4−ジイソプロペニルベンゼンオリゴ
マー41gが得られた。組成をHPSECによって分析
したところ以下の通りであった。
【0053】モノマー 0.5% ダイマー 1.1% トリマー 3.2% テトラマー 4.0% ペンタマー 6.5% ヘキサマー以上 84.7%
【0054】実施例1〜6、比較例1〜6 ハーケレオミックス600型ミキサーのチャンバーを1
80℃に加熱し、PP(Vestolen P5200,Hue
ls社製)及びEPM(Dutral CO−034,プロピ
レン含有量30%,ムーニー粘度ML1+4 100℃=4
0,Montepolimeri 社製)を表1に示した割合で投入
し、ローター回転数30rpm で混練を行った。そして表
1に示した有機過酸化物及び架橋助剤を所定量加え、1
0分間混練を続け動的架橋TPEを製造した。
【0055】得られたTPEは1mm厚さのモールド中で
プレス成型し、引張強さ及び破断時伸びをISO R3
7に従い測定した。TPEの架橋度を求めるために、沸
騰キシレン中における不溶解分(ゲル分率)を測定し
た。更に耐熱性の評価を行うために、70℃、24時間
での圧縮永久歪を測定した。結果を表1にまとめた。
【0056】表1に示した有機過酸化物及び架橋助剤 AD:2,5−ジメチル−2,5−ジ(ターシャリーブ
チルパーオキシ)ヘキサン D−120:1−(2−ターシャリーブチルパーオキシ
イソプロピル)−3−イソプロペニルベンゼン 助剤1:1,3−ジイソプロペニルベンゼンオリゴマー Plk300:トリアリルシアヌレート(以上化薬アク
ゾ社製) DVB:ジビニルベンゼン (三
共化成工業社製)
【0057】表1
【0058】 実施例 1 2 3 4 5 6 PP (phr) 40 40 50 30 60 60 EPM (phr) 60 60 50 70 40 40 有機過酸化物 AD AD AD AD AD AD 添加量 (phr) 0.43 0.43 0.43 0.43 0.43 0.43 架橋助剤 助剤1 助剤1 助剤1 助剤1 助剤1 助剤1 添加量 (phr) 1.0 1.5 1.0 1.0 1.0 1.5 引張強さ (Mpa) 17 21 19 9 16 20 破断時伸び (%) 520 550 505 300 590 630 ゲル分率 (%) 50 53 48 65 46 49 圧縮永久歪 (%) 46 43 45 38 52 49
【0059】表1(続き)
【0060】 比較例 1 2 3 4 5 6 PP (phr) 40 40 50 30 60 40 EPM (phr) 60 60 50 70 40 60 有機過酸化物 AD AD D-120 AD D-120 AD 添加量 (phr) 0.43 0.43 0.9 0.43 0.9 0.43 架橋助剤 なし Plk300 なし Plk300 DVB DVB 添加量 (phr) − 1.0 − 1.0 1.0 1.0 引張強さ (Mpa) 7 12 14 13 16 11 破断時伸び (%) 260 290 405 270 375 320 ゲル分率 (%) 21 45 42 50 43 42 圧縮永久歪 (%) 85 50 55 50 64 67
【0061】実施例7〜12、比較例7〜12 特公昭48−5194号公報に記載されている、シリン
ダーの途中に注入口を備えた押出機のゾーンA(ホッパ
ーから架橋剤注入口までの部分)を180℃に加熱し、
更にゾーンB(注入口よりダイまでの部分)を表2に示
した温度に調節した
【0062】ホッパーよりEPブロック共重合体(エチ
レンプロピレンブロック共重合体、ノーブレンBC−
3、三菱油化社製)及びBR(Buna CB−10、ムー
ニー粘度1+4 100℃=47、シス1,4結合96%、
バイエル社製)を投入し混練を開始した。
【0063】シリンダーの途中より酸化防止剤2,2,
4−トリメチルキノリンの重合物(フレクトールH、モ
ンサント社製)0.5phr 及び表2に示した有機過酸化
物、架橋助剤を所定量加え、表2に示した条件により、
押出機で動的架橋を行った。得られたTPEを1mm厚さ
のモールド中でプレス成形し、引張強さ、破断時伸びを
DIN53504に従って測定した。結果を表2にまと
めた。
【0064】表2に示した有機過酸化物及び架橋助剤 Px14:1,3−ビス−(ターシャリーブチルパーオ
キシ)イソプロピルベンゼン DCP:ジクミルパーオキサイド 助剤2:1,4−ジイソプロペニルベンゼンオリゴマー Plk301:トリアリルイソシアヌレート Plk400:トリメチロールプロパントリメタクリレ
ート(以上化薬アクゾ社製)
【0065】表2
【0066】 実施例 7 8 9 10 11 12 EPブロック 共重合体 (phr) 80 70 70 60 60 50 BR (phr) 20 30 30 40 40 50 有機過酸化物 Px14 DCP Px14 Px14 DCP DCP 添加量 (phr) 0.45 0.8 0.45 0.45 0.8 0.8 架橋助剤 助剤2 助剤2 助剤2 助剤2 助剤2 助剤2 添加量 (phr) 0.8 1.3 0.8 1.3 1.3 1.3 混練押出温度(℃) 190 180 190 190 180 180 混練押出時間(分) 5 8 4 5 7 7 引張強さ (Mpa) 19 18 18 15 14 13 破断時伸び (%) 415 465 475 500 510 520
【0067】表2(続き)
【0068】 比較例 7 8 9 10 11 12 EPブロック 共重合体 (phr) 80 70 70 60 60 50 BR (phr) 20 30 30 40 40 50 有機過酸化物 Px14 DCP Px14 Px14 DCP DCP 添加量 (phr) 0.45 0.8 0.45 0.45 0.8 0.8 架橋助剤 Plk301 なし Plk301 Plk400 Plk400 Plk400 添加量 (phr) 1.0 − 1.0 1.0 1.5 1.5 混練押出温度(℃) 190 180 190 190 180 180 混練押出時間(分) 5 8 4 5 7 7 引張強さ (Mpa) 17 17 18 14 14 12 破断時伸び (%) 190 265 200 265 210 215
【0069】実施例13〜18、比較例13〜18 予め150℃に加熱したラボプラストミルのチャンバー
にPP(vestolenP5200、Huels 社製)及びEPD
M(Keltan520、DSM社製)を表3に示した割合で
投入し、ローター回転数45rpm で3分間混練を行っ
た。その後、表3に示した有機過酸化物及び架橋助剤を
所定量加えて更に12分間混練を続け、動的架橋TPE
を製造した。
【0070】得られたTPEは1mm厚さのモールド中で
プレス成形し、引張強さ及び破断時伸びをISO R3
7に従い測定した。又耐熱性の評価を行うために、70
℃、24時間での圧縮永久歪を測定した。結果を表3に
まとめた。
【0071】表3に示した有機過酸化物及び架橋助剤 Px14:1,3−ビス−(ターシャリーブチルパーオ
キシ)イソプロピルベンゼン YD:2,5−ジメチル−2,5−ジ(ターシャリーブ
チルパーオキシ)ヘキシン−3 助剤3:1,3,5−トリイソプロペニルベンゼンオリ
ゴマー Plk401:エチレングリコールジメタクリレート
(以上化薬アクゾ社製)
【0072】表3
【0073】 実施例 13 14 15 16 17 18 PP (phr) 40 40 50 50 60 60 EPDM (phr) 60 60 50 50 40 40 有機過酸化物 Px14 YD Px14 YD Px14 YD 添加量 (phr) 0.8 1.35 0.75 1.3 0.75 1.3 架橋助剤 助剤3 助剤3 助剤3 助剤3 助剤3 助剤3 添加量 (phr) 1.0 1.2 1.0 1.2 1.0 1.2 引張強さ (Mpa) 16 18 18 19 17 19 破断時伸び (%) 505 525 515 520 560 575 圧縮永久歪 (%) 47 43 48 45 53 50
【0074】表3(続き)
【0075】 比較例 13 14 15 16 17 18 PP (phr) 40 40 50 50 60 60 EPDM (phr) 60 60 50 50 40 40 有機過酸化物 Px14 YD Px14 YD Px14 YD 添加量 (phr) 0.8 1.35 0.75 1.3 0.75 1.3 架橋助剤 なし Plk401 なし Plk401 Plk401 なし 添加量 (phr) − 1.0 − 1.2 1.0 − 引張強さ (Mpa) 14 15 14 17 17 16 破断時伸び (%) 375 345 360 295 380 375 圧縮永久歪 (%) 50 47 53 47 55 58
【0076】実施例19〜24、比較例19〜24 予め200℃に加熱したラボプラストミルのチャンバー
にTPX(RT−20、融点230℃、三井石油化学社
製)及びEPDM(三井EPT3045、ムーニー粘度
ML1+4 100℃=38、三井石油化学社製)を表4に
示した割合で投入し、ローター回転数50rpm で4分間
混練を行った。
【0077】そして、2,6−ジターシャリーブチル−
4−メチルフェノール(酸化防止剤、スミライザーBH
T、住友化学社製)を0.5phr 加えた後、表4に示し
た有機過酸化物及び架橋助剤を所定量加えて更に15分
間混練を続け、動的架橋TPEを製造した。
【0078】得られたTPEは1mm厚さのモールド中で
プレス成型し引張強さ及び破断時伸びをISO R37
に従い測定した。又耐熱性の評価を行うために、70
℃、24時間での圧縮永久歪を測定した。結果を表4に
まとめた。
【0079】表3に示した有機過酸化物及び架橋助剤 YD:2,5−ジメチル−2,5−ジ(ターシャリーブ
チルパーオキシ)ヘキシン−3 助剤4:1,2,4−トリイソプロペニルベンゼンオリ
ゴマー 助剤5:1,3−ジイソプロペニルベンゼン/1,4−
ジイソプロペニルベンゼンコオリゴマー Plk300:トリアリルシアヌレート(以上化薬アク
ゾ社製)
【0080】表4
【0081】 実施例 19 20 21 22 23 24 TPX (phr) 40 40 50 50 60 70 EPDM (phr) 60 60 50 50 40 30 有機過酸化物 YD YD YD YD YD YD 添加量 (phr) 0.9 0.9 0.9 0.9 0.9 0.9 架橋助剤 助剤4 助剤4 助剤4 助剤5 助剤5 助剤5 添加量 (phr) 1.0 1.5 1.0 1.5 1.0 1.0 引張強さ (Mpa) 15 17 16 19 16 17 破断時伸び (%) 500 520 515 530 520 465 圧縮永久歪 (%) 44 41 42 39 42 36
【0082】表4(続き)
【0083】 比較例 19 20 21 22 23 24 TPX (phr) 40 40 50 50 60 70 EPDM (phr) 60 60 50 50 40 30 有機過酸化物 YD YD YD YD YD YD 添加量 (phr) 0.9 0.9 0.9 0.9 0.9 0.9 架橋助剤 なし Plk300 なし Plk300 Plk300 Plk300 添加量 (phr) − 1.5 − 1.5 1.5 1.5 引張強さ (Mpa) 13 15 14 17 15 16 破断時伸び (%) 400 335 410 350 360 330 圧縮永久歪 (%) 49 48 47 45 45 40
【0084】表1〜表4の結果より本発明により製造さ
れたTPEは耐熱性に優れ、かつ機械的性質、特に引張
強さが大きい領域においても高い破断時伸びを有してい
ることは明かである。
【0085】
【発明の効果】本発明の熱可塑性エラストマー用架橋剤
を使用して得られたTPEは優れた耐熱性及び機械的性
質、特に従来のTPEには見られない引張特性を有して
おり、従来使用が困難であった工業用、自動車産業用部
品等への使用が可能となる。よって、その工業的価値は
極めて大きい。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素数が3乃至6である少なくとも二つの
    アルケニル基によって置換された芳香族化合物の(コ)
    オリゴマーを含むことを特徴とする熱可塑性エラストマ
    ー用架橋助剤。
  2. 【請求項2】(コ)オリゴマーのオリゴマー化度が加重
    平均で1.5乃至50である請求項1記載の熱可塑性エ
    ラストマー用架橋助剤。
  3. 【請求項3】アルケニル基がイソプロペニル基である請
    求項1記載の熱可塑性エラストマー用架橋助剤。
  4. 【請求項4】アルケニル基で置換された芳香族化合物が
    1,3−ジイソプロペニルベンゼン、1,4−ジイソプ
    ロペニルベンゼン、1,3,5−トリイソプロペニルベ
    ンゼン、及び1,2,4−トリイソプロペニルベンゼン
    の群より選択されたものである請求項1記載の熱可塑性
    エラストマー用架橋助剤。
  5. 【請求項5】請求項1乃至請求項4記載の熱可塑性エラ
    ストマー用架橋助剤を用いて動的架橋することを特徴と
    する熱可塑性エラストマーの製造方法。
JP20176592A 1992-07-07 1992-07-07 熱可塑性エラストマー用架橋助剤及びこれを使用した熱可塑性エラストマーの製造方法 Pending JPH0687962A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2016047710A1 (ja) * 2014-09-24 2016-03-31 株式会社ブリヂストン タイヤ
CN114163699A (zh) * 2020-09-10 2022-03-11 海南大学 一种丙烯基苯增强橡胶材料耐老化性能及其制备方法
WO2023176764A1 (ja) * 2022-03-14 2023-09-21 三菱瓦斯化学株式会社 樹脂組成物、硬化物、プリプレグ、金属箔張積層板、樹脂複合シート、プリント配線板、および、半導体装置

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