JPH0685003U - フィルタープレスに於ける濾布のケーキ除去装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ケーキの除去効果を低下せしめることなく、
叩打体により濾布を吊下した濾布吊り棒を叩打した際に
発生する叩打音を軽減することを目的とする。 【構成】 濾布３を吊下するための中空状の濾布吊り棒
４を叩打体７により叩打せしめて前記濾布３に付着した
ケーキ12を除去する装置であって、前記叩打体７の叩打
面7aに制振材９が設けられてなることを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、汚泥等を濾過すべく使用されるフィルタープレスに於いて、濾布に 付着したケーキを除去するための装置の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

この種フィルタープレスにより汚泥等を濾過した際には、その濾布の表面に所 謂ケーキが付着するために、濾過作業終了時に於いて当該ケーキを除去する必要 が生じるが、従来かかるケーキの除去手段としては例えば次のようなものが存在 する。

【０００３】 即ち、この従来のものは濾布を吊下した中空状の濾布吊り棒の上方に上下動す る叩打体を配設し、この叩打体で濾布吊り棒を叩打することにより前記濾布に振 動を与えてケーキを除去せんとするものであるが、当該除去手段にあってはケー キの除去を良好に行わしめるべく叩打体による叩打力をある程度確保する必要が ある。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、この従来の除去手段は、単に中空状の濾布吊り棒を金属からな る叩打体により叩打せしめるものであるため、上記の如く叩打力を確保した場合 、叩打時に於ける叩打音が非常に大きく騒音となるばかりではなく、濾布吊り棒 や濾布に破損を生ぜしめ易いという問題点を有していた。

【０００５】 即ち、この種ケーキの除去装置に於いて、ケーキの除去効果を維持しつつ、叩 打音の軽減及び濾布等の保護を図ることは非常に困難なものであった。

【０００６】 それ故に、本考案は上記従来の問題点を解決するためになされたものであり、 ケーキの除去効果を低下せしめることなく、叩打体により濾布を吊下した濾布吊 り棒を叩打した際に発生する叩打音を軽減することを課題とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

即ち、上記課題を解決するために、本考案は濾布３を吊下するための中空状の 濾布吊り棒４を叩打体７により叩打せしめて前記濾布３に付着したケーキ12を除 去する装置であって、叩打体７の叩打面7aに制振材９が設けられてなるフィルタ ープレスに於ける濾布のケーキ除去装置である。

【０００８】

【作用】

従って、上記構成を特徴とするケーキの除去装置にあっては、被覆材８により 被覆された叩打体７の叩打面7aに制振材９が設けられてなるため、該叩打体７に より濾布吊り棒４を叩打せしめた際に発生する叩打音が前記制振材９により吸収 されて、その軽減が図れることとなる。

【０００９】 一方、制振材９により叩打体７による叩打力も吸収されることになるが、その 吸収量は僅かであり、よってケーキ12の除去効果を低下せしめることもない。

【００１０】

【実施例】

以下、本考案の一実施例について図面に従って説明する。

【００１１】 図１及び図２に於いて、１は水平方向に移動自在に並設された複数の濾板を示 し、隣合う濾板１は山型のリンク機構２により接続されて、相互に接離可能に構 成されてなる。３は各濾板１間に配設された一対の濾布である。

【００１２】 ４は濾布３を吊下すべくその上端も設けた筒状部3aに挿通して取付けた中空状 のステンレス製濾布吊り棒で、その内部には炭酸カルシウムを含有する合成樹脂 からなる制振材５が充填されてなり、前記濾布３の筒状部3aの外周面はゴム製被 覆材11により被覆されている。図１中、６は濾布吊り棒４を吊下すべくその両端 に取付けたバネで、該バネ６の他端部は前記リンク機構２の軸2aに取付けられて なる。

【００１３】 ７は前記濾布吊り棒４を叩打して衝撃を与えるべく該濾布吊り棒４の上方位置 に配設した叩打体を示し、該叩打体７はエアシリンダ等の駆動手段（図示せず） により上下に往復動自在に構成されてなり、図３の如くその表面はゴム製被覆材 ８にて被覆され、且つその叩打面7aは制振性ゴム９（低反発弾性ゴム板）を介し てゴム製被覆材10を設けた三層構造からなる。

【００１４】 本実施例は以上のような構成からなるが、次にかかる除去装置を使用して濾布 ３に付着したケーキ12を除去する場合について説明する。

【００１５】 先ず、濾過作業が終了すると、図２のように所定の濾板１が移動してリンク機 構２が開脚すると共に、前記濾板１間の濾布３が開放される。これにより、濾布 ３に付着したケーキ12の自重によりバネ６に引張荷重が加わって濾布３が振動す るために、ケーキ12の一部は濾布３から離脱して下方に落下することとなる。

【００１６】 次に、濾布３に残存したケーキ12を除去するのであるが、この場合は駆動手段 により叩打体７を上下に往復動させて該叩打体７により濾布３の筒状部3aに被覆 したゴム製被覆材11を叩打せしめると、濾布３に振動が与えられ、これに付着残 存したケーキ12が除去されて下方に落下するのである。

【００１７】 而して、叩打体７の叩打面7aはゴム製被覆材８，10と制振性ゴム９との三層構 造からなり、且つ濾布吊り棒４内には制振材５が充填されると共に、濾布３の筒 状部3aはゴム製被覆材11により被覆されてなるために、叩打体７による濾布吊り 棒４の叩打時に発生する叩打音はこれらにより良好に吸収されて、単に叩打体７ で中空状の濾布吊り棒４を叩打する場合に比して叩打音が大幅に軽減されること となる。

【００１８】 また、濾布３の筒状部3aを被覆したゴム製被覆材11により、該筒状部3aが保護 されるために、濾布３の耐久寿命も向上することとなる。

【００１９】 尚、叩打体７による叩打力も制振材９等により吸収されることになるが、その 吸収量は僅かであり、ケーキ12の除去作業に支障を与えない程度のものである。

【００２０】 また、本実施例に係るケーキ除去装置は非常に簡易な構成からなるために、そ の製作も容易で且つ安価に行えるという利点もある。

【００２１】 尚、上記実施例に於いては、濾布吊り棒４及び叩打体７の夫々に叩打音を軽減 するための手段を採ったが、何れか一方でも叩打音の軽減が図れるため、必ずし も双方の手段を採る必要はない。

【００２２】 さらに、叩打体７の叩打面7aに制振材９を設ければ叩打音を十分吸収でき、且 つ叩打体７の叩打面7a及び濾布吊り棒４の保護が図れるため、必ずしも上記実施 例の如く被覆材８,10 を設けて三層構造とする必要はなく、またこれら被覆材８ ,10 のうち何れか一方のみ設けて二層構造に構成することも可能である。

【００２３】 さらに、濾布吊り棒４内に充填する制振材５も上記実施例の合成樹脂に限定さ れるものではなく、水等の液体を濾布吊り棒４内に充填してもよく、また叩打体 ７に設けられる被覆材８，10や濾布３の筒状部3aを被覆する被覆材11及び制振材 ９の具体的な材質も問うものではない。

【００２４】 その他、フィルタープレスの各部の具体的な構成も本考案の意図する範囲に於 いて任意に設計変更自在である。

【００２５】

【考案の効果】

叙上の様に、本考案は叩打体の叩打面に制振材が設けられてなるために、該叩 打体により濾布が吊下される濾布吊り棒の叩打時に生じる叩打音がこの制振材に より良好に吸収されることとなり、よって単に金属製叩打体により中空状の金属 濾布吊り棒を叩打していた従来のものに比して、かかる叩打音を大幅に軽減する ことができるという格別の効果を得るに至った。

【００２６】 一方、前記制振材等により叩打体による叩打力も吸収されることとなるが、そ の吸収量は極めて僅かなものであり、ケーキの除去作業に支障を与えることもな い。

【００２７】 また、上述したように本考案に係るケーキ除去装置は極めて簡易な構成からな るために、その製作も安価で且つ容易に行なえるという実用的な効果もある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の使用状態を示す正面図。

【図２】同要部側面図。

【図３】同要部拡大断面図。

【符号の説明】

３…濾布 ４…濾布吊り棒 ５…充填材 ７…叩打体 7a…叩打面 ８…被覆材 ９…制振材 10…被覆材 11…被覆材 12…ケーキ

Claims (7)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 濾布(3) を吊下するための中空状の濾布
   吊り棒(4) を叩打体(7) により叩打せしめて前記濾布
   (3) に付着したケーキ(12)を除去する装置であって、前
   記叩打体(7) の叩打面(7a)に制振材(9) が設けられてな
   ることを特徴とするフィルタープレスに於ける濾布のケ
   ーキ除去装置。
2. 【請求項２】 濾布(3) を吊下するための中空状の濾布
   吊り棒(4) を叩打体(7) により叩打せしめて前記濾布
   (3) に付着したケーキ(12)を除去する装置であって、前
   記叩打体(7) が被覆材(8) により被覆され且つ該叩打体
   (7) の叩打面(7a)には制振材(9) が設けられてなること
   を特徴とするフィルタープレスに於ける濾布のケーキ除
   去装置。
3. 【請求項３】 濾布(3) を吊下するための中空状の濾布
   吊り棒(4) を叩打体(7) により叩打せしめて前記濾布
   (3) に付着したケーキ(12)を除去する装置であって、前
   記叩打体(7) の叩打面(7a)には制振材(9) を介して被覆
   材(10)が設けられてなることを特徴とするフィルタープ
   レスに於ける濾布のケーキ除去装置。
4. 【請求項４】 濾布(3) を吊下するための中空状の濾布
   吊り棒(4) を叩打体(7) により叩打せしめて前記濾布
   (3) に付着したケーキ(12)を除去する装置であって、前
   記叩打体(7) が被覆材(8) により被覆され且つ該叩打体
   (7) の叩打面(7a)には制振材(9) を介して被覆材(10)が
   設けられてなることを特徴とするフィルタープレスに於
   ける濾布のケーキ除去装置。
5. 【請求項５】 濾布(3) を吊下するための中空状の濾布
   吊り棒(4) を叩打体(7) により叩打せしめて前記濾布
   (3) に付着したケーキ(12)を除去する装置であって、前
   記濾布吊り棒(4) 内に制振材(5) が充填されてなること
   を特徴とするフィルタープレスに於ける濾布のケーキ除
   去装置。
6. 【請求項６】 前記濾布吊り棒(4) 内に制振材(5) が充
   填されてなる請求項１乃至４記載の何れかにフィルター
   プレスに於ける濾布のケーキ除去装置。
7. 【請求項７】 前記濾布吊り棒(4) に濾布(3) を吊下す
   べく、該濾布(3) の上端に濾布吊り棒(4) を挿通可能な
   筒状部(3a)が設けられ且つ該筒状部(3a)は被覆材(11)に
   より被覆されてなる請求項１乃至６の何れかに記載のフ
   ィルタープレスに於ける濾布のケーキ除去装置。