JPH0683949U - エンジンの吸気サイレンサ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 エンジンの回転数により発生する異なった周
波数の吸気騒音をエンジンの回転数に応じて消音する吸
気サイレンサーを提供することを目的とする。 【構成】 エンジンの吸気通路１に設けられた共鳴型の
吸気サイレンサであって、吸気通路１に連通路３、６を
介して連通する複数の空洞室２、４を並列に配置し、こ
れらの空洞室２、４をそれぞれ連通管５で連結し、連通
路３、６および連通管５のそれぞれに開閉バルブ７、
８、９を設けるとともに、これらの開閉バルブ７、８、
９をエンジンの回転数に応じて開閉されるアクチュエー
タ１０に連結し、開閉バルブ７、８、９の開閉度をエン
ジンの回転数に応じて変化するようにした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、エンジンの吸気通路に共鳴室を取り付けて吸気騒音を低減させるエ ンジンの吸気サイレンサに関する。

【０００２】

【従来の技術】

自動車から発生する騒音は、自動車本体の異なる発生源からの騒音が重なり合 ったものであるが、この発生源の一つにエンジンの吸気系から発生する吸気騒音 がある。

【０００３】 上記の吸気騒音はエンジンの回転数と吸気管の形状により左右され、低周波騒 音を主成分としている。このような低周波の吸気騒音の低減対策は、高周波騒音 の低減対策として有効な遮音板や吸音材料などを用いて行うことができる。反面 、これら遮音板や吸音材料などを車体に搭載することは、車体全体の重量を増加 し、またコスト高をもたらす。

【０００４】 これに対し、吸気通路に共鳴型サイレンサを接続し、吸気騒音を低減するもの があるが、この吸気消音器は特定の周波数で消音が行われる。しかしながら、実 祭には以下に説明する技術課題があった。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

すなわち、エンジンの吸気騒音はエンジンの回転数によって周波数の異なる騒 音が発生する。これに対し、上記のごとき従来の吸気消音器は、吸入負圧により 空洞室内の容積に共鳴させて吸気騒音の音圧レベルが最大となるときの吸気騒音 周波数を共振し騒音の低減を図っているが、この吸気騒音周波数以外の周波数領 域での吸気騒音の音圧レベルを低減できるものになつていない。

【０００６】 そこで、複数の周波数領域での吸気騒音を低減するために、多数個の吸気消音 器を備えることが考えられるが、取り付けのレイアウトが困難であり、またコス ト高になる。

【０００７】 この考案は、以上の問題を解決するものであって、低コスト化を図り、低周波 域および高周波域の各吸気騒音を同時に低減させることができるエンジンの吸気 サイレンサを提供するのとを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

前期目的を達成するために、この考案は、エンジンの吸気通路に設けられた共 鳴型の吸気サイレンサであって、上記吸気通路に連通路を介して連通する複数の 空洞室を並列に配置し、これらの空洞室をそれぞれ連通管で連結し、上記連通路 および連通管のそれぞれに開閉バルブを設けるとともに、これらの開閉バルブを エンジンの回転数に応じて開閉されるアクチュエータに連結し、上記開閉バルブ の開閉度をエンジンの回転数に応じて変化するようにしたことを特徴とする。

【０００９】

【作用】

この構成により、エンジンの回転数に応じた吸気騒音の高周波域および低周波 域での各音圧レベルが最大となるときの周波数と共振するようバルブの開度を変 化させて空洞室の作用を変化させることができる。

【００１０】

【実施例】

以下この考案の実施例を説明図に基づいて詳細に説明する。図１は本考案の一 実施例にかかるエンジンの吸気サイレンサの構成図である。図１において、１は 図示しないエアクリーナとエンジンの吸入ポートを連結する吸気通路である。こ の吸気通路１には、第一空洞室２と連通される連通管３が連結しており、第一空 洞室２には、第二空洞室４と連通される連通管５が連結され、さらに第二空洞室 ４と吸気通路１とが連通される連通管６が連結されることにより共鳴型サイレン サが構成されている。

【００１１】 前記連通管３、５、６にはそれぞれ開閉バルブ７、８、９が設置されており、 エンジンの回転数に応じて作動するアクチェータ１０により開閉バルブ７、８、 ９の開閉が行われ、連通管３、５、６の開口面積が変化される。

【００１２】 以上の構成の吸気サイレンサは、開閉バルブ７が開いて開閉バルブ８、９が閉 じた状態では第一空洞室２の共鳴で図２（ａ）に示す共鳴効果が得られ、開閉バ ルブ７と９が開いて開閉バルブ８が閉じた状態では第一空洞室２と第二空洞室４ の共鳴で第一空洞室２とは異なる共鳴で図２（ｂ）に示す共鳴効果が得られる。 開閉バルブ７、８、９の開閉度により第一空洞室２の共鳴と第二空洞室４の共鳴 が合成された図２（ｃ）に示す共鳴効果が得られ、エンジンの回転数に応じて開 閉バルブの開閉度を変化することにより共鳴周波数を変化することができ、エン ジンの回転数により作動するアクチェータ１０で開閉バルブ７、８、９の開閉度 を変化しエンジンの回転数により発生する異った周波数の吸気騒音に応じて消音 することができる。

【００１３】

【考案の効果】

以上実施例によって詳細に説明したように、この考案によるエンジンの吸気サ イレンサにあっては、吸気通路と複数の空洞室をそれぞれ連結する連通管に設け られたそれぞれの開閉バルブをエンジンの回転数に応じて開閉し、一つの空洞室 の共鳴、当該一つの空洞室と他の空洞室を合わせた共鳴を連通管の開口面積を変 化させ、複数の空洞室の拡張割合を変化させることに、よりエンジンの回転数に より発生する異なった周波数の吸気騒音に応じ共鳴させることができ、したがっ て幅広い周波数の吸気騒音を低減することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例による構成図である。

【図２】同周波数に対する消音効果の特性図である。

【符号の説明】

１ 吸気通路 ２ 第一空洞室 ３、５、６ 連結管 ４ 第二空洞室 ７、８、９ 開閉バルブ １０ アクチェータ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 エンジンの吸気通路に設けられた共鳴型
   の吸気サイレンサであって、上記吸気通路に連通路を介
   して連通する複数の空洞室を並列に配置し、これらの空
   洞室をそれぞれ連通管で連結し、上記連通路および連通
   管のそれぞれに開閉バルブを設けるとともに、これらの
   開閉バルブをエンジンの回転数に応じて開閉されるアク
   チュエータに連結し、上記開閉バルブの開閉度をエンジ
   ンの回転数に応じて変化するようにしたことを特徴とす
   るエンジンの吸気サイレンサ。