JPH0667348A - 写真フイルムパトローネ及びその組み立て方法並びに組み立て装置 - Google Patents

写真フイルムパトローネ及びその組み立て方法並びに組み立て装置

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JPH0667348A
JPH0667348A JP4217888A JP21788892A JPH0667348A JP H0667348 A JPH0667348 A JP H0667348A JP 4217888 A JP4217888 A JP 4217888A JP 21788892 A JP21788892 A JP 21788892A JP H0667348 A JPH0667348 A JP H0667348A
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JP
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spool
photographic film
cartridge
film
polystyrene
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JP4217888A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Takatori
徹也 高取
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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  • Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 パトローネ本体を構成する樹脂成形部品を超
音波溶着適性に優れた樹脂材料で作り、パトローネ本体
と写真フイルムとが直接接触しない状態を維持したまま
で樹脂成形部品を互いに超音波溶着して写真フイルムパ
トローネを組み立てる。 【構成】 パトローネ本体を構成するケース体2a,2
bは遮光性ポリスチレン系樹脂の成形により作られる。
ケース体2aはホルダー16に装填される。その中に写
真フイルム4を巻きつけたスプール3が入れられ、その
上にケース体2bが被せられる。写真フイルム4の先端
部はニップローラー23,29間で保持される。モータ
18を駆動し、トルクリミッター19を介してスプール
3に回転トルクを与える。パトローネ本体2から出てい
る写真フイルム4にテンションを与えた状態で超音波ホ
ーン30をケース体2bに圧着して超音波溶着を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パトローネ本体を超音
波溶着可能な遮光性ポリスチレン系樹脂成形部品で構成
した写真フイルムパトローネ及びその組み立て装置並び
に組み立て方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】米国特許第4834306号公報,同第
4846418号公報、さらには本出願人による特開平
3−37645号公報等に開示された写真フイルムパト
ローネは、未使用状態では写真フイルムの先端までもパ
トローネ本体内に収納しておき、スプールを回転させる
ことによって写真フイルムの先端をパトローネ本体外に
送り出す機能を有している。このような写真フイルムパ
トローネは、パトローネ本体も2個以上の樹脂成形部品
を組み合わせることによって構成されている。
【0003】パトローネ本体には衝撃や振動に対する充
分な強度や遮光機能が要求され、また組み立て時の作業
効率などの点から、その構成部品である樹脂成形部品を
結合する際には超音波溶着が利用されている。パトロー
ネ本体が例えば2個の樹脂成形部品で構成されている場
合、これらの樹脂成形部品を超音波溶着する前には、そ
の一方にフイルムを巻きつけたスプールを組み込み、そ
して他方の樹脂成形部品を仮組みしてからこれらに超音
波振動を供給して溶着を行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述したよ
うに超音波溶着によって2個以上の樹脂成形部品を結合
する場合、これらの樹脂材料が超音波溶着適性を備えて
いないと、わずかな衝撃で溶着部分から分離してパトロ
ーネ本体に必須である完全遮光機能が失われたり、ある
いは確実な溶着のために長時間の超音波溶着作業が必要
になって作業効率が悪くなるという問題が出てくる。さ
らに、超音波溶着を行う際に樹脂成形部品とフイルムと
が接触しているとこれらの接触部分にも超音波振動が作
用を及ぼし、本来の超音波溶着とは無関係の部分が溶け
たり変形したりしてしまう。特にフイルム先端部はパト
ローネ本体の仮組み段階ではフリーな状態となってお
り、またスプールに巻かれたフイルムもそれ自身の弾性
で巻き緩んだ状態になっているため、パトローネ本体の
フイルム出入口となる部分や、パトローネ本体の内壁と
なる部分でフイルムと樹脂成形部品とが接触しているこ
とが多い。そして、このような部分で樹脂成形部品に不
要な凹凸ができた場合には、フイルム送り出しを行うと
きのスプールの回転トルクが大きくなったり、極端な場
合にはフイルムの送り出しができなくなるという問題が
生じる。
【0005】本発明はこのような問題を解消するために
なされたもので、超音波溶着適性に優れ、かつ遮光性に
優れた遮光性ポリスチレン系樹脂材料でパトローネ本体
を構成した写真フイルムパトローネを提供し、かつその
組み立てに際しては、パトローネ本体を構成する樹脂成
形部品にフイルムを接触させずに超音波溶着を行うよう
にした組み立て装置並びに組み立て方法を提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、少なくとも2個の遮光性ポリスチレン系樹
脂成形部品を結合したパトローネ本体と、このパトロー
ネ本体の中に回転自在に収納された遮光性熱可塑性樹脂
製スプールと、このスプールに終端を係止して巻きつけ
られた写真フイルムとから写真フイルムパトローネを構
成した。なお、ここでいう遮光性ポリスチレン系樹脂と
は、ポリスチレン含有率が50重量%以上であるものを
言い、好ましくは前記含有率が70重量%以上、特に9
0重量%以上が好ましい。
【0007】さらに、パトローネ本体を構成する少なく
とも2個の樹脂成形部品のうち、スプールを組み込んだ
状態の一方を保持する保持ブロックと、スプールに巻か
れたフイルムの先端を前記一方の樹脂成形部品の外で保
持するフイルム先端保持手段と、前記スプールにフイル
ム巻取り方向の回転トルクを供給し、前記フイルム先端
保持手段とスプールとの間のフイルムにテンションを与
えるトルク供給手段と、前記一方の樹脂成形部品に組み
合わされた他方の樹脂成形部品に超音波を供給し、それ
ぞれの樹脂成形部品を溶着する超音波供給手段とから写
真フイルムパトローネの組み立て装置を構成し、写真フ
イルムがパトローネ本体を構成している樹脂成形部品と
接触しない状態を維持したままで、各樹脂成形部品を超
音波溶着するようにしてある。
【0008】
【実施例】図3は、本発明を用いた写真フイルムパトロ
ーネの一例を示す。この写真フイルムパトローネ1は、
ポリスチレン系のHIPS(ハイインパクトポリスチレ
ン)樹脂を用いて射出成形されたケース体2a,2bか
らなるパトローネ本体2と、熱可塑性樹脂材料で成形さ
れたスプール3と、スプール3に終端部を係止して巻き
つけられた写真フイルム4とからなる。ケース体2a,
2bの各々の両側面には半円状の切欠き5a,5bが形
成され、ケース体2a,2bを結合したときに、スプー
ル3のキー3aを露出させるとともにスプール3の軸受
開口5となる。また、スプール3には一対のフランジ6
が一体に設けられ、写真フイルム4をスプール3に巻き
付けるときにその幅方向の位置規制を行うとともに、前
記軸受開口を通してパトローネ本体内に光が入り込むこ
とを防ぐ。
【0009】ケース体2a,2bのそれぞれの内壁には
リブ7が一体に形成されている。このリブ7は、スプー
ル3に巻かれた写真フイルム4の最外周に接し、スプー
ル3を写真フイルム送り出し方向に回転させたときに写
真フイルム4がスプール3から巻き緩むことを防ぐ作用
を行う。したがって、写真フイルム4をパトローネ本体
2内に完全に巻き込んだ状態でも、スプール3を送り出
し方向に回転するとその回転がそのままフイルム4に伝
わるようになる。そして写真フイルム先端部4aがケー
ス体2bに設けた分離爪8で掬い上げられ、引続きスプ
ール3が同方向に回転されることによって、写真フイル
ム先端部4aは写真フイルム出入口9から導き出される
ようになる。なお、符号10は写真フイルム出入口9を
遮光するテレンプを示す。
【0010】パトローネ本体2を構成しているケース体
2a,2bは、それぞれポリスチレン系樹脂の射出成形
で作られている。ここで言うポリスチレン系樹脂とは、
ポリスチレン含有率が50重量%以上である樹脂を意味
しており、好ましくはポリスチレン含有率が70重量%
以上、特に90重量%以上であるものが好ましい。ポリ
スチレン含有率が50重量%未満であると、寸法精度、
剛性、超音波溶着適性等が不充分で、カメラ適性、写真
フイルム走行性、完全遮光性確保ができなくなり、実用
化不可である。ポリスチレン樹脂以外のブレンドするこ
とが好ましいものは、各種合成ゴム、各種ワックス、各
種酸変性樹脂、エチレン共重合体樹脂等である。
【0011】パトローネ本体の樹脂材料となっているポ
リスチレン系樹脂や、スプールの樹脂材料となっている
熱可塑性樹脂の遮光性を確保するためには、以下に挙げ
るような遮光性物質をポリスチレン系樹脂又は熱可塑性
樹脂中に混練したペレットを用いて射出成形することが
好ましい。
【0012】〔遮光性物質の代表例〕 (1)無機化合物 A.酸化物 シリカ、ケイ藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化鉄、酸
化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、バリウム
フェライト、ストロンチウムフェライト、酸化ベリリウ
ム、軽石、軽石バルーン、アルミナ繊維等 B.水酸化物 水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸
マグネシウム等 C.炭酸塩 炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、ドー
ソナイト等
【0013】D.(亜)硫酸塩 硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸アンモニウム、亜
硫酸カルシウム等 E.ケイ酸塩 タルク、クレー、マイカ、アスベスト、ガラス繊維、ガ
ラスバルーン、ガラスビーズ、ケイ酸カルシウム、モン
モリロナイト、ベントナイト等 F.炭素 カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素中空
球等
【0014】G.その他 鉄粉、銅粉、鉛粉、アルミニウム粉、硫化モリブデン、
ボロン繊維、炭化ケイ素繊維、黄銅繊維、チタン酸カリ
ウム、チタン酸ジルコン酸鉛、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸
バリウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム、アル
ミニウムペースト、タルク等 (2)有機化合物 木粉(松、樫、ノコギリクズなど)、撚繊維(アーモン
ド、ピーナッツ、モミ殻など)、木綿、ジュート、紙細
片、セロハン片、ナイロン繊維、ポリプロピレン繊維、
デンプン、芳香族ポリアミド繊維等
【0015】これらの遮光物質の中では、不透明化する
無機化合物が好ましく、特に耐熱性耐光性が優れ、比較
的不活性な物質であるので、光吸収性のカーボンブラッ
クと窒化チタンとグラファイトが好ましい。カーボンブ
ラックの原料による分類例をあげると、ガスブラック、
ファーネスブラック、チャンネルブラック、アントラセ
ンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンカーボン
ブラック、サーマルブラック、ランプブラック、油煙、
松煙、アニマルブラック、ベジタブルブラック等があ
る。
【0016】市販品としては、例えば三菱化成製のカー
ボンブラック♯20(B),♯30(B),♯33
(B),♯40(B),♯44(B),♯45(B),
♯50,♯55,♯100,♯600,♯2200
(B),♯2400(B),MA8,MA11,MA1
00等が挙げられる。海外の製品としては、例えばキャ
ボット社のBlack Pearls 2,46,7
0,71,74,80,81,607等、Regal
300,330,400,660,991、SRF−S
等、Vulcan 3,6等、Sterling 1
0,SO,V,S,FT−FF,MT−FF等が挙げら
れる。
【0017】さらに、アシュランドケミカル社のUni
ted R,BB,15,102,3001,300
4,3006,3007,3008,3009,301
1,3012,XC−3016,XC−3017,30
20等が挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。
【0018】本発明では遮光性、コスト、物性向上の目
的ではファーネスカーボンブラックが望ましく、高価で
あるが帯電防止効果を有する遮光性物質としてアセチレ
ンカーボンブラック、変性剛性カーボンブラックである
ケッチェンカーボンブラックが望ましい。必要により前
者と後者を必要特性にしたがってミックスすることも望
ましい。遮光性物質をポリマーに配合する形態は上記の
ように種々あるが、マスターバッチ法がコスト、作業場
の汚染防止などの点で望ましい。公知文献の特公昭40
−26196号公報では、有機溶媒に溶解した重合体の
溶液中にカーボンブラックを分散せしめて、重合体−カ
ーボンブラックのマスターバッチを作る方法を、特公昭
43−10362号公報ではカーボンブラックをポリエ
チレンに分散してマスターバッチを作る方法を述べてい
る。
【0019】上に挙げたような遮光性物質の添加量は種
類により異なるが、遮光性確保、写真性や物理強度等に
悪影響を与えないような量等、パトローネ本体に必要な
特性を確保できる量に調整すべきである。安価で遮光能
力が大きく、写真性に悪影響を及ぼすことが比較的少な
い遮光性物質としてはファーネスカーボンブラックが好
ましく、これを用いる場合には写真フイルムに悪影響を
与えないようにするためカーボンを硫酸存在下にて還流
し、発生したシアン化水素を0.1N水酸化ナトリウム
水溶液でトラップした後、4−ピリジンカルボン酸・ピ
ラゾロン吸光分析法にて定量したカーボン重量に対する
シアン化水素量をppm単位に換算したシアン化合物含
有量が10(ppm/カーボン重量)以下、好ましくは
5(ppm/カーボン重量)以下、平均粒子径が10〜
120μm、好ましくは15〜70μm、PHが6〜
9、好ましくは6.5〜8.5、吸油量が50ml/1
00g以上、好ましくは70ml/100g以上のもの
が好適で、その添加量としては0.01〜10重量%、
好ましくは0.05〜5重量%である。
【0020】本発明のパトローネ本体及びスプール中に
は、写真フイルムにスタチックマーク等が発生すること
を防止するために、以下に挙げるような各種の導電性物
質をさらに添加することが好ましい。
【0021】〔導電性物質〕 (1)非イオン界面活性剤(代表的成分 ポリオキシエ
チレングリコール類) (2)アニオン界面活性剤(代表的成分 ポリオキシエ
チレングリコール類) (3)陽イオン界面活性剤(代表的成分 第4級アンモ
ニウム塩) (4)両性界面活性剤 (5)アルキルアミン誘導体 (6)脂肪酸誘導体 (7)各種滑剤 (8)カーボンブラック、グラファイト (9)金属表面被覆顔料 (10)金属粉末、金属フレーク (11)炭素繊維 (12)金属繊維 (13)ウィスカー(チタン酸カリウム、窒化アルミ
ナ、アルミナ)
【0022】前記非イオン界面活性剤の代表例を以下に
示す。ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオ
キシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエ
チレン脂肪族アルコールエーテル、ポリオキシエチレン
アルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレングリセ
リン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪族アミ
ン、ソルビタンモノ脂肪酸エステル、脂肪酸ペンタエリ
スリット、脂肪アルコールのエチレンオキサイド付加
物、脂肪酸のエチレンオキサイド付加物、脂肪酸アミン
または脂肪酸アミドのエチレンオキサイド付加物、アル
キルフェノールのエチレンオキサイド付加物、アルキル
ナフトールのエチレンオキサイド付加物、多価アルコー
ルの部分的脂肪酸エステルのエチレンオキサイド付加
物、その他特公昭63−26697号公報120頁記載
の各種非イオン帯電防止剤等。
【0023】前記アニオンカイメン活性剤の代表例を以
下に示す。リシノレイン酸硫酸エステルソーダ塩、各種
脂肪酸金属塩、リシノレイン酸エステル硫酸エステルソ
ーダ塩、硫酸化オレイン酸エチルアニリン、オレフィン
の硫酸エステル塩類、オレイルアルコール硫酸エステル
ソーダ塩、アルキル硫酸エステル塩、脂肪酸エチルスル
フォン酸塩、アルキルスルフォン酸塩、アルキルナフタ
レンスルフォン酸塩、アルキルベンゼンスルフォン酸
塩、コハク酸エステルスルフォン酸塩、リン酸エステル
塩等。
【0024】前記陽イオン界面活性剤の代表例を以下に
示す。第1級アミン塩、第3級アミン塩、第4級アンモ
ニウム塩、ピリジン誘導体等。前記両性界面活性剤の代
表例を以下に示す。カルボン酸誘導体、イミダゾリン誘
導体、ベタイン誘導体等。
【0025】以上のような帯電防止剤は、0.01〜
3.0重量%添加されるのが好ましい。
【0026】本発明はこれらの遮光性物質,導電性物質
をパトローネ本体に添加しても剛性や物理強度や寸法精
度や超音波溶着適性等、パトローネ本体に必須の各種物
性を確保できるものである。これは、ポリスチレン樹脂
含有率を50重量%以上に限定したポリスチレン系樹脂
を用いているからである。なお、スプール3に用いる熱
可塑性樹脂としては、パトローネ本体2に用いる非結晶
性高分子である超音波溶着適性の優れたポリスチレン樹
脂とは全く異なる結晶性高分子である低密度ポリエチレ
ン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン
樹脂、超高分子量ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹
脂、プロピレン・αオレフィン共重合体樹脂、ポリアミ
ド樹脂、ポリアセタール樹脂を用いることが、少なくと
も2個の遮光性ポリスチレン系樹脂成形部品を超音波溶
着によりパトローネ本体2を結合する際にスプール3と
パトローネ本体2との溶着が発生しないようにできるの
で好ましい。実質的に結晶性物質からなるというのは、
スプールを構成している熱可塑性樹脂の50重量%以
上、好ましくは70重量%以上、特に好ましくは90重
量%以上が上記結晶性高分子であることを意味するもの
である。
【0027】上記写真フイルムパトローネ1の組み立て
装置を示す図1において、ベースプレート15には前記
パトローネ本体2を構成する一方のケース体2aを保持
するホルダー16が固定されている。ホルダー16はケ
ース体2aの表面形状と同じ保持面を有しており、ホル
ダー16にケース体2aを入れたときには、ケース体2
aは図2に示したように写真フイルム出入口9を露出さ
せた一定の姿勢を保つ。ホルダー16の両側面に半円状
に開口した挿入口16aが形成され、この挿入口16a
を通してカプラー17をスプール3のキー3aに係合さ
せることができる。
【0028】カプラー17は、ベースプレート15に固
定されたモータ18,トルクリミッター19を介して図
中時計方向に一定のトルクで駆動される。トルクリミッ
ター19には例えばヒステリシスクラッチやパウダーク
ラッチを用いることができ、カプラー17に一定以上の
負荷が加わった状態ではモータ18の回転がスプール3
に伝わらないようになっている。
【0029】ベースプレート15には、さらに揺動板2
0が軸着されている。揺動板20の上面にはアーム2
1,21によりニップローラー23が回転自在に取り付
けられている。ニップローラー23にはベルト24によ
りブレーキ25が連結され、ニップローラー23の回転
を規制したり回転を許容したりすることができるブレー
キ25には例えば電磁ブレーキを用いることができる。
揺動板20の下面にはソレノイド26が設けられ、ソレ
ノイド26を駆動することによって図示の位置に持ち上
げられ、またソレノイド26の駆動を解除するとストッ
パー27に当接する位置まで下降する。
【0030】図示のように揺動板20が上昇すると、ニ
ップローラー23はベースプレート15に設けられたニ
ップローラー29に圧着される。これらのニップローラ
ー23,29はホルダー16に正対する位置にあり、ま
た図1に示したように、写真フイルムパトローネ1から
写真フイルム4を引き出して両者間に挟持させたとき
に、図2に示したように写真フイルム4がケース体2
a,2bの内壁及びリブ7に接触しないように各々の高
さ位置が決められている。
【0031】ホルダー16に対し、垂直方向に移動自在
に超音波ホーン30が設けられている。超音波ホーン3
0には超音波発生装置(図示省略)が連結され、その下
面が超音波振動するようになっている。超音波ホーン3
0の下面は、パトローネ本体2を構成する他方のケース
体2bの表面形状に倣った凹形状になっている。したが
って、ホルダー16にケース体2aを入れ、その上にケ
ース体2bを被せてから超音波ホーン30を一定位置ま
で下降させると、ケース体2a,2bの表面は各々ホル
ダー16,超音波ホーン30によって包み込まれる。な
お、この組み立て装置は暗室状態の中で使用される。
【0032】上記装置の作用について説明する。ケース
体2a,2bを射出成形で作り、各々のポート部内壁に
テレンプ10を貼付した後、ケース体2aをホルダー1
6に嵌め込む。ケース体2aの切欠き5aに、写真フイ
ルム4を巻きつけたスプール3を保持させ、写真フイル
ム先端部4aを写真フイルム出入口9から少し引き出し
た状態にしてから他方のケース体2bを被せて仮組みを
行う。これにより、ケース体2a,2bの互いに溶着さ
れる部分が接し合うようになる。
【0033】写真フイルム出入口9から出ている写真フ
イルム先端部4aをニップローラー29の下まで引き出
し、ソレノイド26を駆動する。これにより、揺動板2
0とともに他方のニップローラー23が上昇し、写真フ
イルム先端部4aはニップローラー23,29間に挟持
される。その後、ブレーキ25を規制状態にする。そし
てモータ18が駆動され、トルクリミッター19,カプ
ラー17を介し、スプール3には写真フイルム巻き込み
方向の回転トルクが与えられる。これによりスプール3
が巻き込み方向に回転し、スプール3に対して巻き緩ん
でいた写真フイルム4が巻き締められる。
【0034】トルクリミッター19により制限されてい
る回転トルクの最大値は、ベルト24及びブレーキ25
によってニップローラー23に与えられている回転負荷
よりも小さくなっている。したがって、スプール3に写
真フイルム4が巻き締められた後はパトローネ本体2か
ら引き出されている写真フイルム4が緊張し、トルクリ
ミッター19はスリップ状態になる。こうして写真フイ
ルム4の一部(例えば10〜20cm)をパトローネ本
体2の外に残したまま写真フイルム4が巻き締められる
と、図2に示したようにロール状の写真フイルム4の外
周面はリブ7から離れた状態になる。一方、写真フイル
ム4の先端側はパトローネ本体2内から写真フイルム出
入口9を経てパトローネ本体内の写真フイルムロールか
ら一直線に延び、写真フイルム4はテレンプ10にのみ
接触した状態を維持する。
【0035】次に超音波ホーン30が下降してケース体
2bを包み込んで軽くケース体2a側に押しつけた後、
超音波振動がケース体2bの外表面に対して供給され
る。こうして供給された超音波振動はケース体2a,2
bとの接触面で熱エネルギーに変換され、接触面で溶着
が行われる。この間、ケース体2a,2bも超音波振動
を行うが、写真フイルム4はケース体2a,2bと無接
触状態を維持しているから、これまでのように写真フイ
ルム4との接触部分でケース体2a,2bが溶けたり、
凹凸ができたりすることがない。なお、写真フイルム4
とテレンプ10とは接触しているが、これらの間では特
に問題のないことが確認されている。これは、テレンプ
10が超音波振動を吸収して写真フイルム4に超音波振
動が伝達されないためである。
【0036】所定時間の超音波溶着処理の後は、ソレノ
イド26の駆動をオフにして揺動板20を下降させる。
こうして写真フイルム先端部4aの拘束が解除され、ス
プール3に対する負荷がなくなると、モータ18の駆動
力は再びトルクリミッター19を介してスプール3に供
給され、写真フイルム先端部4aはパトローネ本体2内
に巻き込まれ、組み立てが完了する。なお、写真フイル
ム4がその先端部4aまで巻き込まれると写真フイルム
4の最外周はリブ7に接触した状態になるから、スプー
ル3を写真フイルム送り出し方向に回転させることによ
って、写真フイルム先端部4aをパトローネ本体2から
送り出すことができるようになる。なお、上記組み立て
装置を用いたパトローネ本体2の組み立ては、以上説明
した手順による他に、次に述べる手順に従ってもよい。
【0037】ケース体2a,2bを射出成形で作り、各
々のポート部内壁にテレンプ10を貼付した後、ケース
体2aをホルダー16に嵌め込む。ケース体2aの切欠
5aに写真フイルムの終端部を係止したスプール3を保
持させ、写真フイルム4を写真フイルム出入口9から引
き出した状態にしてから他方のケース体2bを被せて仮
組みを行う。これにより、ケース体2a,2bの互いに
溶着される部分が接し合うようになる。
【0038】写真フイルム出入口9から出ている写真フ
イルム4をニップローラ23の上に置き、ソレノイド2
6を駆動する。これにより、揺動板20とともにニップ
ローラ23が上昇し、写真フイルム4はニップローラ2
3,29間に挟持される。このとき、ブレーキ25は回
転許容状態としておく。その後モータ18が駆動され、
トルクリミッター19,カプラー17を介し、スプール
3には写真フイルム巻き込み方向の回転トルクが与えら
れる。これによりスプール3が巻き込み方向に回転し、
写真フイルム4のパトローネ本体2内への巻き込みが開
始される。
【0039】そしてフイルム先端部4aがニップローラ
23,29の位置より約10〜20cmだけ手前の位置
になるまで巻き込みが行われたところで、ブレーキ25
を回転規制状態にする。このとき、トルクリミッター1
9により制限されている回転トルクの最大値は、ブルト
24及びブレーキ25によってニップローラ23に与え
られている回転負荷よりも小さくなっている。したがっ
て、スプール3に写真フイルム4が巻き締められた後は
パトローネ本体2から引き出されている写真フイルム4
が緊張し、トルクリミッター19はスリップ状態にな
る。
【0040】こうして写真フイルム4の一部(例えば1
0〜20cm)をパトローネ本体2の外に残したまま写
真フイルム4が巻き締められると、図2に示したように
ロール状の写真フイルム4の外周面はリブ7から離れた
状態になる。一方、写真フイルム4の先端側はパトロー
ネ本体2内から写真フイルム出入口9を経てパトローネ
本体内の写真フイルムロールから一直線に延び、写真フ
イルム4はテレンプ10にのみ接触した状態を維持す
る。以下、超音波ホーンを下降させてから写真フイルム
センタン部4aをパトローネ本体2内に巻き込むまで
は、既に述べた作用と同様である。なお、トルクリミッ
ター19により制限されている回転トルクの値は、30
0〜2000gf・cmが好ましい。
【0041】以上のように、上記組み立て装置を用いれ
ば、写真フイルム4とパトローネ本体2の内壁とが直接
接触することがないようにして写真フイルムパトローネ
1を組み立てることが可能となる。また、超音波溶着処
理を行う間に写真フイルム先端部4aを保持しておく構
造としては、スプール3の写真フイルム巻き込み方向へ
の回転トルクに抗して写真フイルム先端部4aを保持で
きるものであれば必ずしもニップローラー23,29を
用いなくてもよく、さらに本発明の写真フイルムパトロ
ーネ組み立て方法を実施する上では、上記組み立て装置
を用いるのが簡便である。
【0042】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の写真フ
イルムパトローネによれば、パトローネ本体を構成して
いる樹脂成形部品の樹脂材料としてポリスチレン系のも
のが用いられているから、遮光性物質の添加が容易でし
かも超音波溶着適性にも優れ、高品質の写真フイルムパ
トローネを作る上で効果的である。また、本発明の組み
立て装置を用いることによって、パトローネ本体を構成
する樹脂成形部品に写真フイルムを接触させずに超音波
溶着処理を行うことができ、パトローネ本体の内面や写
真フイルムに対して全くダメージを与えずに写真フイル
ムパトローネを作ることができ、写真フイルムの送り出
しも円滑に行われるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の外観斜視図である。
【図2】本発明装置の作用説明図である。
【図3】本発明の写真フイルムパトローネの分解斜視図
である。
【符号の説明】
2 パトローネ本体 2a,2b ケース体 3 スプール 4 写真フイルム 16 ホルダー 18 モータ 19 トルクリミッター 20 揺動板 23,29 ニップローラー 25 ブレーキ 30 超音波ホーン

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも2個の遮光性ポリスチレン系
    樹脂成形部品を結合したパトローネ本体と、このパトロ
    ーネ本体の中に回転自在に収納された遮光性熱可塑性樹
    脂製スプールと、このスプールに終端を係止して巻きつ
    けられた写真フイルムとからなることを特徴とする写真
    フイルムパトローネ。
  2. 【請求項2】 前記遮光性熱可塑性樹脂製スプールが実
    質的に結晶性高分子からなることを特徴とする請求項1
    記載の写真フイルムパトローネ。
  3. 【請求項3】 パトローネ本体及び/又はスプールは、
    シアン化合物含有量が10(ppm/カーボン重量)以
    下、平均粒子径が10〜120μm、PHが6〜9、吸
    油量が50(ml/100g)以上のファーネスカーボ
    ンブラックヲ0.01〜10重量%含むことを特徴とす
    る請求項1又は請求項2記載の写真フイルムパトロー
    ネ。
  4. 【請求項4】 少なくとも2個の遮光性ポリスチレン系
    樹脂成形部品を超音波溶着により結合したパトローネ本
    体と、このパトローネ本体の中に回転自在に収納された
    遮光性熱可塑性樹脂製スプールと、このスプールに終端
    を係止して巻きつけられた写真フイルムから構成されて
    いる実質的に熱可塑性樹脂からなる写真フイルムパトロ
    ーネを組み立てる装置において、前記パトローネ本体の
    ポリスチレン系樹脂成形部品のうち、熱可塑性樹脂製ス
    プールを組み込んだ状態の一方を保持する保持ブロック
    と、スプールに巻かれたフイルムの先端を前記一方のポ
    リスチレン系樹脂成形部品の外で保持する写真フイルム
    先端保持手段と、前記スプールに写真フイルム巻取り方
    向の回転トルクを供給し、前記写真フイルム先端保持手
    段とスプールとの間の写真フイルムにテンションを与え
    るトルク供給手段と、前記一方のポリスチレン系樹脂成
    形部品に組み合わされた他方のポリスチレン系樹脂成形
    部品に超音波を供給し、それぞれの遮光性ポリスチレン
    系樹脂成形部品を溶着する超音波供給手段とからなるこ
    とを特徴とする写真フイルムパトローネの組み立て装
    置。
  5. 【請求項5】 少なくとも2個の遮光性ポリスチレン系
    樹脂成形部品が互いに結合されたパトローネ本体と、こ
    のパトローネ本体の中に回転自在に収納された遮光性熱
    可塑性樹脂製スプールと、このスプールに終端を係止し
    て巻きつけられた写真フイルムから構成されている写真
    フイルムパトローネの組み立て方法において、前記パト
    ローネ本体のポリスチレン系樹脂成形部品のうち、熱可
    塑性樹脂製スプールを組み込んだ状態の一方を保持ブロ
    ックで一定姿勢に保持しておき、スプールに巻かれたフ
    イルムの先端を前記一方のポリスチレン系樹脂成形部品
    の外に引き出して保持するとともに、前記スプールには
    トルク供給手段の駆動により写真フイルム巻取り方向へ
    の回転トルクを供給して写真フイルムの先端とスプール
    との間の写真フイルムにテンションを与え、前記一方の
    ポリスチレン系樹脂成形部品に他方のポリスチレン系樹
    脂成形部品を結合したときに写真フイルムがパトローネ
    本体と接触しない状態とし、この状態を維持したままで
    前記ポリスチレン系樹脂成形部品の両者を超音波溶着に
    より固着することを特徴とする写真フイルムパトローネ
    の組み立て方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007080450A (ja) * 2005-09-16 2007-03-29 Fujifilm Corp 感光性記録媒体用記録再生装置
JP2007080452A (ja) * 2005-09-16 2007-03-29 Fujifilm Corp 感光性記録媒体用記録再生装置
US7681212B2 (en) 2005-08-19 2010-03-16 Fujifilm Corporation Photosensitive recording medium cartridge
US7690010B2 (en) 2005-08-19 2010-03-30 Fujifilm Corporation Photosensitive recording medium cartridge

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