JPH066691B2 - 乳化型水性塗料の連続的製造方法 - Google Patents

乳化型水性塗料の連続的製造方法

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JPH066691B2
JPH066691B2 JP12066888A JP12066888A JPH066691B2 JP H066691 B2 JPH066691 B2 JP H066691B2 JP 12066888 A JP12066888 A JP 12066888A JP 12066888 A JP12066888 A JP 12066888A JP H066691 B2 JPH066691 B2 JP H066691B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、乳化型水性塗料の連続的製造方法に関するも
ので、より詳細には、カルボキシル基含有アクリル樹脂
成分、エポキシ樹脂成分及びエポキシ樹脂用硬化剤樹脂
成分を含有する乳化型水性塗料を連続的に製造する方法
に関する。
(従来の技術) 塗料のスプレー塗装に際しては、作業環境中に溶剤が揮
散し、大気汚染や環境衛生上の問題を生じる。これらの
欠点を解消するために、水性塗料、即ち水性分散体塗料
の開発が既に行われている。
このような水性塗料の第一のタイプのものは、塗料樹脂
を何等かの手段で微粒化し、界面活性剤や水溶性乃至親
水性樹脂を分散剤として水中に分散したものである(例
えば特公昭44−18076号公報)。第二のタイプのもの
は、エポキシ樹脂のように官能基を有する塗料樹脂を、
アクリル樹脂のようにカルボキシル基を有する樹脂と反
応させることにより変性し、この変性樹脂をアンモニア
又はアミン類で中和することによって、水性媒体中に自
己乳化させるものである(例えば特公昭59−3702
6号公報)。
しかしながら、前者のタイプの水性塗料は、塗料樹脂分
の分散粒径が概して粗大であったり、不揃いである傾向
があると共に、水性塗料が分散安定性に乏しく、得られ
る塗膜の性能も溶剤タイプの塗料に比して劣っている。
また、後者のタイプの塗料は、分散性等については前者
のタイプの塗料に比して優れているとしても、塗料樹脂
組成に大きい制約を受け、例えばエポキシ樹脂系塗料の
場合、樹脂硬化剤の含有量を十分に大きくとることが困
難なため、塗膜の硬化を十分に行うことができず、その
ため塗膜の硬さ、緻密さ、腐食成分に対するバリアー性
等を満足すべきレベルに迄向上させ得ないという問題を
生じる。
本発明者等は先に、カルボキシル基含有アクリル樹脂成
分、エポキシ樹脂成分及びエポキシ樹脂用硬化剤樹脂成
分を含む有機溶媒溶液を調製し、この中にアンモニア又
はアミンと水とを混合し、前記アクリル樹脂中のカルボ
キシル基をアンモニウム塩又はアミン塩に転化すると共
に、溶液中の樹脂分をO/W型エマルジョンに自己乳化
させることを提案した(特許出願中)。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、上記先行技術の方法では、樹脂溶液がか
なり高粘度であるから、多量の有機溶媒を使用しなけれ
ばならず、またこれに伴なって転相に際しても多量の水
を混合しなければならなく、その結果として生成する水
性乳化液の固形分濃度が概して低く、そのため、多量の
液体を取扱わねばならなく、装置が大型化すること;生
成する乳化液から比較的多量の溶媒や水を蒸発により除
かねばならないこと;等の欠点が未だある。
従って、本発明の目的は、上記先行技術の前記欠点を解
消し、比較的コンパクトな装置を用いて、カルボキシル
基含有アクリル樹脂成分、エポキシ樹脂成分及び硬化剤
樹脂成分から乳化型塗料を連続的に製造し得る方法を提
供するにある。
本発明の他の目的は、比較的少ない溶媒及び水の使用量
で、固形分濃度が高くしかも粒径の小さい乳化型水性塗
料を高能率で製造し得る方法を提供するにある。
(問題点を解消するための手段) 本発明によれば、カルボキシル基含有アクリル樹脂成
分、エポキシ樹脂成分及びエポキシ樹脂用硬化剤樹脂成
分を単独又は組合せで含む有機溶媒溶液の形で且つアン
モニア又はアミン類の水溶液と共に第一段のインライン
ミキサーに供給し、該ミキサー中で加圧下に混合してW
/O型エマルジョンを形成させ、このW/O型エマルジ
ョンを水と共に第二段のインラインミキサーに供給し、
該ミキサー中で混合してO/W型エマルジョンに転相さ
せ、生成するO/W型エマルジョンを定量的に引き出す
ことを特徴とする乳化型水性塗料の連続的製造方法が提
供される。
(作用) 本発明では、カルボキシル基含有アクリル樹脂成分、エ
ポキシ樹脂成分及びエポキシ樹脂用硬化剤樹脂成分を単
独又は組合せで含む有機溶媒溶液(以下単に樹脂溶液を
呼ぶことがある)を用いるが、この樹脂溶液をアンモニ
ア又はアミンの水溶液と共に第一段のインラインミキサ
ーに供給して加圧下に混合して一旦W/O型(油中水
型)のエマルジョンを形成させること;このW/O型エ
マルジョンを水と共に第二段のインラインミキサーに供
給して混合し、O/W型(水中油型)エマルジョンに転
相させること;及び転相により生成したO/W型エマル
ジョンを定量的に引き出すことが顕著な特徴である。
樹脂溶液から転相法によりO/W型の水性分散体を製造
する場合、アンモニア水又はアミン水を徐々に添加しな
がら混合攪拌を行わねばならず、この添加混合を著しく
長時間にわたって行わねばならないことが、連続的製造
方法に対する障害となっている。本発明は、転相に先立
って、樹脂溶液とアンモニア又はアミンの水溶液とを混
合して、水が樹脂溶液中に微細な粒子サイズで分散した
W/O型エマルジョンを形成させ、次いでこのW/O型
エマルジョンと水とを混合してO/W型エマルジョンに
転相させると、添加混合に要する時間が著しく短縮さ
れ、その結果として連続的製造が可能となるという知見
に基ずくものである。
樹脂溶液からのエマルジョンの生成は、アクリル樹脂は
他の塗料用樹脂と相溶乃至ブレンドした状態で存在する
が、アクリル樹脂成分中のカルボキシル基は添加された
アンモニア又はアミンで中和され、塩の形で水との界面
に指向することにより行われる。本発明では、第一段の
W/O型エマルジョンの生成工程で、この中和に必要な
アンモニア又はアミンを全て添加する。これにより、W
/O型からO/W型への転相は一層簡単なメカニズムで
行われることになる。
本発明によれば、樹脂溶液とアンモニア水又はアミン水
との混合及びW/O型エマルジョンと水との混合を緊密
に行ない、しかも処理物の装置内での滞留時間を稼ぐた
めにインラインミキサーを使用する。また、樹脂溶液と
アンモニア水又はアミン水との混合は、著しく高粘度の
状況のもとに行われるので、キャビテイションを防止す
るために加圧下で行う。このようにして本発明方法によ
れば、極めて均一でしかも微細なW/O型エマルジョン
を形成することができ、均一且つ微細なW/O型エマル
ジョンを形成しておくことにより、均一且つ微細なO/
W型エマルジョンに転相することが可能となる。
(発明の好適態様) 本発明の連続的製造方法に使用する装置の概略配置を示
す第1図において、この装置は第一処理槽1と第二処理
槽2とから成っている。第一処理槽1はW/O型エマル
ジョン形成用のものであり、内部にインラインミキサー
3を備えている。第二処理槽2はO/W型エマルジョン
形成用のものであり、内部にやはりインラインミキサー
4を備えている。第一処理槽1には樹脂溶液供給ライン
5、アンモニア水又はアミン水溶液ライン6及び槽内加
圧ライン7が付設されている。第一処理槽1と第二処理
槽2とは連通管8を介して連通している。第二処理槽2
には更に、水供給ライン9及び生成物引き出し用ライン
10が付設されており、生成物引き出しライン10には
定量排出バルブ11が設けられている。
供給ライン5を通して樹脂溶液を、また供給ライン6を
通してアンモニア水又はアミン水を夫々第一処理槽1に
供給し、第一処理槽1に加圧ライン7から、窒素、空
気、水蒸気等の加圧流体を供給して、所定の圧力に加圧
する。インラインミキサー3を駆動し、両者を加圧下に
混合してW/O型エマルジョン12を生成させる。形成
されるW/O型エマルジョン12は連通管8を通って第
二処理槽2に送られる。水供給ライン9を介して第二処
理槽2に水を供給し、W/O型エマルジョンと水とをイ
ンラインミキサー4で混合し、O/W型エマルジョン1
3を転相により生成させる。生成するO/W型エマルジ
ョン13は、引き出しライン10及び定量排出バルブ1
1を介して定量的に装置外に製品として取出される。こ
の方法においては、第一処理槽1が加圧されており、し
かも第一処理槽1と第二処理槽2とが連通管8を介して
接続されているため、第二処理槽2から排出されるO/
W型エマルジョンに見合った量のW/O型エマルジョン
が第一処理槽1から第二処理槽2へと送られることにな
り、二段の処理が円滑にしかも連続して行われることに
なる。
塗料溶液 本発明に用いる塗料溶液は、アクリル樹脂成分、エポキ
シ樹脂成分及びエポキシ樹脂用硬化剤樹脂成分の3成分
を含有する。この場合、カルボキシル基含有アクリル樹
脂成分とエポキシ樹脂成分とが共重合体の形で溶液中に
含有されていてもよいし、またカルボキシル基含有アク
リル樹脂成分とエポキシ樹脂成分とがブレンドの形で溶
液中に含有されていてもよい。
用いるアクリル樹脂の酸価を35乃至350、特に70
乃至330の範囲とすること及びこのアクリル樹脂を塗
料用樹脂当り3乃至30重量%、特に5乃至25重量%
の量で用いることが一般に好ましい。
即ちアクリル樹脂の酸価が上記範囲よりも低い場合に
は、後述する中和工程及びこれに続く相転換乳化工程
で、塗料樹脂分を粒径が微細で且つ均斉なO/W(水中
油)型分散粒子に乳化させることが困難となり、また分
散粒子の乳化安定性も低下する傾向がある。また、アク
リル樹脂の酸価が上記範囲よりも高い場合には、アクリ
ル樹脂が後の工程で塗料樹脂分から分離して水相に移行
する傾向があり、このために微細で均斉な粒径への乳化
が困難となり且つ分散液の安定性もかえって低下するよ
うになり、更に形成される塗膜は湿度に敏感となりやす
いという欠点をも生じる。本発明によれば、アクリル樹
脂の酸価を上記範囲内に選ぶことにより、均一且つ微細
な粒径への塗料樹脂分の乳化と乳化樹脂の分散安定性の
向上が可能となり、且つ形成される塗膜を耐湿性、耐水
性等に優れたものとすることができる。
また、アクリル樹脂の配合量が上記範囲よりも少ない場
合には、中和工程及びこれに続く相転換工程で、水相と
油相(樹脂相)との界面に十分なカルボン酸塩の基を形
成させることができず、やはり均一且つ微細な粒径への
塗料樹脂分の乳化が困難となり、水性分散耐の分散安定
性も低下することになる。一方、アクリル樹脂分の配合
量を上記範囲よりも多くすることは、塗料樹脂分分に多
量のアクリル樹脂が混入されることによる塗膜物性への
影響があることから、その配合量は上記範囲とするのが
よい。
本発明において、アクリル樹脂としては、酸価が上述し
た範囲内にある限り任意のアクリル樹脂を用いることが
できる。このアクリル樹脂は、上述した酸価のカルボキ
シル基を樹脂中に与えるエチレン系不飽和カルボン酸又
はその無水物と、アクリル酸エステル又はメタクリル酸
エステルと、所望によりこれらと共重合可能な他のエチ
レン系不飽和単量体との共重合体から成る。エチレン系
不飽和カルボン酸又はその無水物としては、アクリル
酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸、シトラコン酸、無水マレイン酸、無水
イタコン酸等である。
アクリル酸やメタクリル酸のエステルとしては、例えば
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリ
ル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メ
タ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸イソア
ミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アク
リル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オ
クチルなどがある。ただし、上記の(メタ)アクリル酸
とはアクリル酸もしくはメタクリル酸を示す。
これらの単量体と共に共重合される他の共単量体として
は、スチレン、ビニルトルエン、アクリルニトリル、メ
タクリロニトリル等を挙げることができる。
用いるアクリル樹脂はフィルムを形成するに足る分子量
を有するべきであり、一般に10000乃至200000、特に200
00乃至150000の範囲内の分子量を有していることが望ま
しい。アクリル共重合体の適当な組合せの例は、(1)メ
タクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシル/ア
クリル酸、(2)スチレン/メタクリル酸メチル/アクリ
ル酸エチル/メタクリル酸、(3)スチレン/アクリル酸
エチル/メタクリル酸、(4)メタクリル酸メチル/アク
リル酸−エチル/アクリル酸等である。
これらのアクリル樹脂は、これらの単量体を有機溶媒
中、アゾビスイソブチロニトリル類や過酸化物の存在下
で重合させることにより容易に得られる。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA等のビスフェ
ノール類とエピハロヒドリンとの重縮合により得られた
ビスフェノール型エポキシ樹脂が好適であり、そのエポ
キシ当量は一般に400乃至20000、特に1000乃至5000の範
囲に、また数平均分子量は1000乃至20000、特に2000乃
至13000の範囲にあるのが好ましい。
エポキシ樹脂に対して反応性のある樹脂硬化剤として
は、エポキシ樹脂の水酸基やオキシラン環に対して反応
性を有する官能基、例えば水酸基、アミノ基、カルボキ
シル基等を有する樹脂;例えばレゾール型及び/又はノ
ボラック型のフェノール・ホルムアルデヒド樹脂、尿素
−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン・ホルムアルデヒド
樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹
脂、ポリウレタン樹脂、キシレン樹脂、エポキシエステ
ル樹脂、ブチラール樹脂等の1種又は2種以上の組合せ
が使用される。これらの内でもメチロール基含有熱硬化
性樹脂、特にレゾール型フェノール樹脂が好適である。
本発明では、エポキシ樹脂と硬化剤樹脂との組成比が任
意の範囲内にある場合にも、この塗料樹脂を微細な分散
粒径に乳化分散させ得る。エポキシ樹脂と硬化剤樹脂と
の割合いは、95:5乃至40:60の重量比、特に9
0:10乃至50:50の重量比の範囲内にあるのが一
般的である。
本発明に用いる塗料溶液において、各樹脂成分は単純な
混合物として存在してもよいし、予備縮合物乃至共重合
体として存在していてもよい。例えば、エポキシ樹脂成
分とアクリル樹脂成分とはブレンド物であってもよい
し、共重合体の形で存在してもよい。この後者の場合、
共重合体は遊離のカルボキシル基を有するべきである。
前者の場合にも、後者の場合にも、樹脂全体当りの酸価
は、一般に2乃至30、特に5乃至20の範囲内にある
べきである。エポキシ−アクリル共重合体の適当な例
は、特公昭59−37026号公報に記載されている。
樹脂溶液用の有機溶媒としては、トルエン、キシレン等
の芳香族炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケ
トン系溶媒;エタノール、プロパノール、ブタノール等
のアルコール系溶媒;エチルセロソルブ、ブチルセロソ
ルブ等のセロスルブ系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等
のエステル系溶媒等の1種又は2種以上を用いることが
できる。原料溶液中に樹脂分濃度は、一般に5乃至80
重量%、特に20乃至70重量%の範囲内にあるのがよ
い。この原料溶液には、それ自体公知の塗料用配合剤、
例えば可塑剤、滑剤、顔料、充填剤、安定剤等を所望に
より配合してよい。
第一工程 樹脂溶液の中和には、アンモニア水又はアミン水を使用
する。中和に使用するアミン類としては、トリメチルア
ミン、トリエチルアミン、n−ブチルアミン等のアルキ
ルアミン類、2−ジメチルアミノエタノール、ジエタノ
ールアミン、トリエタノールアミン、アミノメチルプロ
パノール、ジメチルアミノメチルプロパノール等アルコ
ールアミン類等が使用される。またエチレンジアミン、
ジエチレントリアミン等多価アミンも使用できる。更
に、分岐鎖アルキル類を有するアミンや複素環アミンも
好適に使用される。分岐鎖アルキル類を有するアミンと
しては、イソプロピルアミン、sec−ブチルアミン、ter
t−ブチルアミン、イソアミルアミン等の炭素数3乃至
6、特に炭素数3乃至4の分岐鎖アルキルアミンが使用
される。複素環アミンとしては、ピロリジン、ピペリジ
ン、モルホリン等の1個の窒素原子を含む飽和複素環ア
ミンが使用される。アンモニア及びアミン類は、アクリ
ル樹脂のカルボキシル基に対して、少なくとも0.3化
学当量、特に0.7乃至1.3化学当量の量で用いるの
がよい。
樹脂溶液(A)とアンモニア水又はアミン水(B)との
混合は、両者の液の重量比が A:B=10:10乃至10:1 特に10:9乃至10:4 となるように液を第一処理槽に供給して行うのがよい。
即ち、アンモニア水又はアミン水の液量が上記範囲より
も多い場合には、W/O型エマルジョンを安定的に生成
することなくO/W型エマルジョンに転相するため、生
成するO/W型エマルジョンの分散相の粒径が粗大化す
る傾向があり、またこの液量が上記範囲より少ない場合
には、生成するW/O型エマルジョンをO/W型エマル
ジョンに転相する際に比較的多量の水を添加しなければ
ならず、転相が不安定となって分散相の粒径が不揃いに
なりやすい。
第一段のインラインミキサーでの混合を加圧下で行うこ
との重要性については先に指摘したが、加圧の程度は一
般に0.2乃至10kg/cm2(ゲージ)、特に0.5乃至
7kg/cm2(ゲージ)にあるのがよい。また、混合時の温
度は、一般に10乃至90℃、特に15乃至70℃の範
囲内にあるのがよい。第一段での混合は中和反応を伴な
い、しかも激しい攪拌であることから、発熱により10
0℃以上の温度への昇温もあることが理解されるべきで
ある。勿論、高温が望ましい場合には外部から加熱する
こともできるし、また温度の上昇が望ましくない場合に
は外部から冷却することもできる。
第一段のインラインミキサーによる混合の程度は式 式中、Vはインラインミキサーへの供給量(/mi
n)を表わし、Vはインラインミキサー中の攪拌機の
水を用いて測定した吐出量(/min)を表わす、 で定義される攪拌効率(K)が5乃至50、特に7乃至
35となるように行うのがよい。このK値が上記範囲よ
りも小さい場合には、均一且つ微細なW/O型エマルジ
ョンを形成させ得ない場合を生じることがあり、一方K
値が上記範囲よりも大きいと、水性塗料の生産速度が小
さく、工業的でなくなる傾向がある。
第二工程 本発明の第2工程では、第1工程で生成するW/O型エ
マルジョンを水と共に第二段のインラインミキサーに供
給し、O/W型エマルジョンに転相させる。
この第2工程で使用する水の量は、第1工程からのW/
O型エマルジョン中の水の量によっても左右されるが、
O/W型エマルジョンへの転相が十分に行われるような
量であり、一般に、W/O型エマルジョン100重量部
当り水30乃至100重量部、特に35乃至80重量部
の量である。
この転相工程は、第1工程のW/O型エマルジョン生成
工程に比して容易に行われ、温度及び時間等の制約は特
にないが、第1工程のW/O型エマルジョンと第2工程
のO/W型エマルジョンとが連通していることから、ほ
ぼ同じ温度及び圧力条件下に行われることになる。
生成したO/W型エマルジョンは、定量排出バルブを通
して定量的に外部に引き出される。この定量的排出は、
一定の流量で連続的に行ってもよいし、また或る時間お
きに間欠的に行ってもよいことは勿論である。
後処理 相転換により水性分散液には、水と有機溶媒との双方が
含有されている。この水性分散液を共沸減圧蒸留に賦す
ることにより有機溶媒を水との共沸により除去し、また
水性分散液の濃縮を行うことができる。有機溶媒の共沸
蒸留に際しては、外部から水を補給しながら行うことも
可能なことが了解されるべきである。
最終水性塗料における塗料樹脂固形分の濃度は10乃至
70重量%、特に20乃至60重量%の範囲にあること
が望ましく、且つ水性塗料中の有機溶媒の含有量は15
重量%以下、特に5重量%以下であることが望ましい。
また、塗料中の樹脂分の分散安定性を向上させる目的
で、任意の段階で若干量の界面活性剤や高分子分散剤を
系中に添加することは許容される。
本発明による水性塗料は、塗装に適した粘度で、各種金
属素材や、罐胴、罐蓋或いはその他の部材の塗布に用い
ることができる。この水性塗料は、通常のスプレー塗装
や静電塗装に用いられるばかりではなく、ローラ塗布、
ブラシ塗布、ドクターコーター、エアナイフコーター、
リバースコーター等の各種コーターによる塗布作業に用
いることができる。
(発明の効果) 本発明によれば、カルボキシル基含有アクリル樹脂成分
を含む塗料溶液とアンモニア水又はアミン水とをインラ
インミキサーで混合してW/O型エマルジョンを形成さ
せる工程と、生成したW/O型エマルジョンと水とをイ
ンラインミキサーで混合してO/W型エマルジョンに転
相させる工程とを連結することにより、著しく高粘度の
樹脂溶液からも、粒径が微細しかも均質な水性乳化型塗
料を連続的に製造することが可能となった。このため、
本発明によれば、比較的少ない溶媒及び水の使用量で固
形分濃度の高い水性乳化型塗料の高能率での製造が可能
となった。
(実施例) 実施例中、部に特に断らない限り、重量部で表示する。
また特記する場合を除き、各実施例及び比較例を通じ
て、塗料あるいは塗装板の評価は以下の要領で行った。
(1)塗料の経時安定性 供試する乳化型水性塗料100mlを内容量100mlのガ
ラス製広口ビンに入れて密栓し、50℃の恒温槽中に1
ケ月間保存した後開封して調査し、液面に皮張りの有
無、乳化型水性塗料の粘度、樹脂粒子の平均粒径を調査
し、保存前と比較した。
(2)塗装性 供試する乳化型水性塗料をロールコーターを用いて電解
クロム酸処理鋼板(以下TFSと呼ぶ)に塗装し、21
0℃で10分間焼付けて硬化させた。塗装厚さは約5μ
mとした。この塗装板の塗装面の凹凸を目視判定により
評価した。
(3)密着性、レトルト白化 上記の塗装板を5mm巾に切断し、ナイロン系の接着剤を
用いて200℃に加熱されたホットプレスで2分間押圧
することにより接着した。T−ピールにより剥離強度を
測定し、接着直後の初期剥離強度と、90℃の温水中に
1週間浸漬した後の経時剥離強度を求めた。また、この
塗装板の一部を125℃30分間のレトルト処理に賦し
て、レトルト処理による塗膜の白化の有無を調査した。
(4)実罐評価 一部の乳化型水性塗料については、供試水性塗料をロー
ルコーターでTFSの片面に塗装し、210℃で10分
間焼付・乾燥した後、他の片面も同様に塗装・焼付して
両面塗装板を準備した。塗膜厚さはそれぞれ約4μmと
した。こに塗装板とナイロン系の接着剤を用いて202
ダイヤの接着罐胴(両端部はネックイン加工されて20
0ダイヤになっている)を作製し、天蓋を二重巻締めし
た後、内容品を充填して底蓋を二重巻締し、罐詰とし
た。この罐詰を120℃で90分間レトルト殺菌処理
し、冷却・風乾後、倉庫に保存した。6ケ月保存後に開
罐して、塗膜の白化や内面腐食などの異常の有無を調査
した。また、一部の塗装板については、これを罐蓋に成
形して評価に供した。
また、インラインミキサー中の攪拌機の吐出量は以下の
要領で測定した。第一段の処理槽1を単独で固定し、樹
脂溶液供給ライン5を封鎖して、アンモニア水又はアミ
ン水の供給ライン6を水槽中に固定する、連通管8は開
放しておく。この状態で処理槽1に呼び水をしてインラ
インミキサーを駆動させると、攪拌機は水槽中の水を汲
み上げ、連通管8から汲み上げた水を排出する。動作が
定常に達した後、一定時間中に連通管8を通して排出さ
れる水を採取し、その容量を測定することにより、攪拌
機の当該運転条件に於ける吐出量を求めた。
実施例1 数平均分子量約3750、エポキシ当量約3000のビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂800部を酢酸ブチルとn−ブタ
ノールの混合溶媒(酢酸ブチル/n−ブタノール=6/
4)800部に溶解した溶液を準備し、ビスフェノール
Aとパラクレゾール、及びホルムアルデヒドよりアンモ
ニア触媒を用いて誘導されたレゾール型フェノール樹脂
(ビスフェノールA/パラクレゾール=80/20、数
平均分子量650)200部をキシレンとメチルイソブ
チルケトン、シクロヘキサンの混合溶媒(キシレン/メ
チルイソブチルケトン/シクロヘキサン=1/1/1)
400部に溶解した溶液を作製して前記のエポキシ樹脂
溶液と混合した。
一方で、エチルアクリレート200部、メチルメタクリ
レート200部、メタクリル酸400部、スチレン20
0部とtert−ブチルヒドロパーオキサイド10部の混合
物を準備し、攪拌機、温度計、滴下漏斗、還流冷却管お
よび不活性ガス導入口を備えたフラスコにエチルセロソ
ルブ500部と前記の混合物250部を仕込み、窒素気
流下で攪拌しながら90℃に昇温した後、同温度で保持
されたフラスコ中へ前記のモノマー混合物の残量を3時
間にわたって滴下して共重合せしめ、更に、tert−ブチ
ルヒドロパーオキサイド1部を添加して同温度で3時間
攪拌を継続した後エチルセロソルブ500部を添加して
冷却し、反応を完結させた。得られたアクリル樹脂の重
量平均分子量は約12万、酸価は124、樹脂溶液の固
形分は50%であった。
次に、前記のエポキシ樹脂とフェノール樹脂の混合溶液
の160部に対し上記のアクリル樹脂溶液を20部の割
合で添加して攪拌し、均一に混合せしめて塗料用樹脂の
有機溶媒溶液とした。また、一方で、脱イオン水90部
に対して中和剤としてジメチルアミノエタノール4部を
溶解したアミン水を準備した。更に第二段の処理槽に供
給する脱イオン水を準備した。
第一段のインラインミキサー中の攪拌機の水を用いて測
定した吐出量を25/minに設定し、定量ポンプを用
いて塗料用樹脂の有機溶媒溶液を1.8/minとアミ
ン水を0.95/minの割合で第一段の処理槽に供給する
と共に、攪拌機を駆動させた。槽内加圧ラインは封鎖し
た。また、第二段の処理槽中の攪拌機の吐出量を20
/minに設定して、この中へ脱イオン水を1.45/minで
供給しながら、攪拌機を駆動させた。更に、定量排出バ
ルブを調節して第二段の処理槽からの吐出量を約4.2
/minとした。その結果、処理槽の内圧はゲージで約1.2
kg/cm2となった。この時の第一段のインラインミキサー
の攪拌効率は約9.1、第二段のインラインミキサーの攪
拌効率は約4.8であった。
運転開始初期の30秒間の吐出物を廃棄して、以後の吐
出物を回収した。この吐出物は安定なO/W型エマルジ
ョンとなっており、分散相の平均粒径は0.65μmであっ
た。このO/W型エマルジョン420部を、ロータリー
エバポレーターで濃縮・脱溶剤し、水120部と有機溶
剤95部を回収して固形分40.2%の乳化型水性塗料(塗
料1)とした。
更に、中和剤として表1に示した10種のアミン類を、
夫々使用する他は塗料1の製法に準じて10種の乳化型
水性塗料(塗料2〜11)を作製した。得られた乳化型
水性塗料の樹脂粒子の平均粒径を表1に併記した。
これらの乳化型水性塗料(塗料1〜11)の経時安定性
を調査したところ、いずれの乳化型水性塗料も液面に皮
張りを生じていなかった。また、いずれの乳化型水性塗
料も、粘度、樹脂粒子の平均粒径ともに保存前と比較し
て変化していなかった。ロール・コーターで塗装した時
の塗装性は、いずれの乳化型水性塗料でも良好であり、
塗装面の凹凸は実用上支障のない程度であった。更に、
密着性、レトルト白化の評価とコンソメスープを充填し
て罐胴としての実罐評価を行ない、その結果を表1に併
記した。
実施例2 実施例1で使用した塗料用樹脂の有機溶媒溶液と、アミ
ン水、及び脱イオン水を準備した。これらを表2に示し
た量比で、それぞれ、第一段及び第二段の処理槽に供給
する以外は実施例1に準じて7種の乳化型水性塗料(塗
料12〜18)を作製した。この時の第一段のインライ
ンミキサー中での攪拌効率と処理槽の内圧を、得られた
O/W型エマルジョン中の分散相の平均粒径と共に表2
に併記した。
これらのO/W型エマルジョンをロータリーエバポレー
ターで濃縮・脱溶剤し、固形分約40%の乳化型水性塗
料とした。これらの乳化型水性塗料の経時安定性とロー
ル・コーターで塗装した時の塗装性を評価し、結果を表
2に併記した。
実施例3 実施例1で使用した塗料用樹脂の有機溶媒溶液と、アミ
ン水、及び脱イオン水を準備した。これらを、夫々、第
一段及び第二段の処理槽に供給し、第一段の攪拌機の回
転速度を調節してインラインミキサー内の攪拌機の吐出
量を調整する以外は実施例1に準じて6種の乳化型水性
塗料(塗料19〜24)を作製した。この時の第一段の
インラインミキサー中での攪拌効率と処理槽の内圧、及
び処理槽内の液温を、得られたO/W型エマルジョン中
の分散相の平均粒径と共に表3に記した。
これらのO/W型エマルジョンをロータリーエバポレー
ターで濃縮・脱溶剤し、固形部約40%の乳化型水性塗
料とした。これらの乳化型水性塗料の経時安定性とロー
ル・コーターで塗装した時の塗装性を評価し、結果を表
3に併記した。
実施例4 実施例1で使用したエポキシ樹脂溶液160部とアクリ
ル樹脂溶液40部を混合し、更に、モルホリン5部を加
えて、還流下で、120℃で90分間攪拌することによ
りエポキシ樹脂とアクリル樹脂を反応させ、共重合体と
した。この共重合体の有機溶媒溶液200部当り60部
の実施例1で使用したレゾール型フェノール樹脂の溶液
を加えて攪拌し、塗料用樹脂の有機溶媒溶液とした。一
方で、実施例1に準じてアミン水と脱イオン水を準備し
た。
これらを用いて、実施例1に示した方法に準じてO/W
型エマルジョンを作製し、更に濃縮・脱溶剤して乳化型
水性塗料(塗料25)を得た。この乳化型水性塗料の分
散相の平均粒径は0.52μmであった。その経時安定性を
調査したところ、液面に皮張りは生じていなかった。ま
た、粘度、樹脂粒子の平均粒径ともに保存前と比較して
変化していなかった。更に、ロール・コーターで塗装し
た時の塗装性を評価した結果、塗装性は良好であり、塗
装面の凹凸は実用上支障のない程度であった。
実施例5 実施例4で使用した塗料用樹脂の有機溶媒溶液とアミン
水、及び脱イオン水を用いて、第二段のインラインミキ
サーに供給する脱イオン水の量を調節する以外は実施例
1に準じて6種のO/W型エマルジョンを作製した。第
二段のインラインミキサーに供給されるW/O型エマル
ジョン100部当りの第二段のインラインミキサーに供給
した脱イオン水の量を表4に示した。更に、得られたO
/W型エマルジョンの分散相の平均粒径を表4に併記し
た。
これらのO/W型エマルジョンをロータリーエバポレー
ターで濃縮・脱溶剤し、固形分約40%の乳化型水性塗
料(塗料26〜31)とした。その経時安定性を調査し
たところ、いずれの乳化型水性塗料も液面に皮張りは生
じていなかった。また、いずれの乳化型水性塗料も、粘
度、樹脂粒子の平均粒径ともに保存前と比較して変化し
ていなかった。更に、ロール・コーターで塗装した時の
塗装性を評価した結果、いずれの乳化型水性塗料も塗装
性は良好であり、塗装面の凹凸は実用上支障のない程度
であった。
実施例6 実施例1の塗料用樹脂の有機溶媒溶液をロータリーエバ
ポレーターを用いて80℃で濃縮し、固形分60%、7
0%、80%の溶液を調製した。更に、実施例1の塗料
用樹脂の有機溶媒溶液に酢酸ブチルを添加することによ
り希釈して、固形分10%、20%、30%の溶液を調
製した。これらの溶液を、中和剤としてモルホリンを用
いて実施例1に示した方法に準じてO/W型のエマルジ
ョンとした。この際、塗料用樹脂の有機溶媒溶液を加熱
あるいは冷却して供給した。また、攪拌・混合を効率的
に行なうために処理槽内を加圧した。インラインミキサ
ーに供給した塗料用樹脂の有機溶媒溶液の温度と処理槽
の内圧を表5に示す。更に、これらのO/W型エマルジ
ョンを濃縮・脱溶剤して乳化型水性塗料(塗料32〜3
7)を得た。
これらの乳化型水性塗料の樹脂粒子の平均粒径と経時安
定性を評価した結果を表5に併記した。
実施例7 表6に示したように分子量とエポキシ当量を有する6種
のエポキシ樹脂を準備し、実施例1で使用したのと同じ
混合溶媒に溶解した。これらのエポキシ樹脂の溶液と実
施例1で使用したものと同一のフェノール樹脂溶液、及
びアクリル樹脂溶液を用いて塗料用樹脂の有機溶媒溶液
を作製した。中和剤としてモルホリンを用いる以外は実
施例1の方法に準じて6種の乳化型水性塗料(塗料38
〜43)を作製した。
これらの乳化型水性塗料の経時安定性を調査したとこ
ろ、いずれの乳化型水性塗料も液面に皮張りは生じてい
なかった。また、いずれの乳化型水性塗料も、粘度、樹
脂粒子の平均粒径ともに保存前と比較して変化していな
かった。ロール・コーターで塗装した時の塗装性は、い
ずれの乳化型水性塗料でも良好であり、塗装面の凹凸は
実用上支障のない程度であった。更に、密着性、レトル
ト白化の評価とコーヒー飲料を充填して罐胴としての実
罐評価を行ない、その結果を表6に併記した。
実施例8 表7に示す4種の硬化剤樹脂を実施例1と同様に溶解
し、実施例1のエポキシ樹脂溶液とアクリル樹脂溶液を
用いて塗料用樹脂の有機溶媒溶液を調製した。これらの
塗料用樹脂の有機溶媒溶液と中和剤としてsec−ブチル
アミンを用いる以外は実施例1に示した方法に準じて4
種の乳化型水性塗料(塗料44〜47)を作製した。
これらの乳化型水性塗料の経時安定性を調査したとこ
ろ、いずれの乳化型水性塗料も液面に皮張りは生じてい
なかった。また、いずれの乳化型水性塗料も、粘度、樹
脂粒子の平均粒径ともに保存前と比較して変化していな
かった。ロール・コーターで塗装した時の塗装性は、い
ずれの乳化型水性塗料でも良好であり、塗装面の凹凸は
実用上支障のない程度であった。これらの塗装板を罐蓋
に成形し、コーヒー飲料を充填した罐に巻締めて保存
し、6ケ月経過後に罐蓋面の状態を評価してその結果を
表7に併記した。
実施例9 実施例1のエポキシ樹脂とフェノール樹脂を表8に示す
比率で配合した樹脂溶液を準備し、これらに実施例1の
アクリル樹脂溶液を添加して塗料用樹脂の有機溶媒溶液
とした。なお、エポキシ樹脂とフェノール樹脂の溶解は
実施例1に準じ、アクリル樹脂溶液の添加量は樹脂固形
分換算で実施例1に準じた。更に、中和剤としてモルホ
リンを用いる以外は実施例1に示した方法に準じて6種
の乳化型水性塗料(塗料48〜53)を作製した。
これらの乳化型水性塗料の経時安定性を調査したとこ
ろ、いずれの乳化型水性塗料も液面に皮張りは生じてい
なかった。また、いずれの乳化型水性塗料も、粘度、樹
脂粒子の平均粒径ともに保存前と比較して変化していな
かった。ロール・コーターで塗装した時の塗装性は、い
ずれの乳化型水性塗料でも良好であり、塗装面の凹凸は
実用上支障のない程度であった。更に、コンソメ・スー
プを充填して罐胴としての実罐評価を行ない、その結果
を表8に併記した。
実施例10 表9に示したような酸価を有する8種のアクリル樹脂を
表9に示した量だけ添加する以外は実施例1に準じて8
種の乳化型水性塗料(塗料54〜61)を作製した。な
お、アクリル樹脂の添加量は、樹脂固形分換算でエポキ
シ樹脂とフェノール樹脂の合計量100部当りの部で示
した。
これらの乳化型水性塗料の経時安定性を調査した。ま
た、ロール・コーターでTFSに塗装し、コンソメ・ス
ープを充填して罐胴としての実罐評価を行ない、これら
の結果を表9に併記した。
実施例11 実施例1のエポキシ樹脂溶液とフェノール樹脂溶液の混
合溶液220部、実施例1のアクリル系樹脂の溶液10
部、及び、オレイン酸5部を均一に攪拌・混合して塗料
用樹脂の有機溶媒溶液とした。中和剤としてイソプロピ
ルアミンを用いて実施例1に示した方法に準じてO/W
型のエマルジョンを得、更に、濃縮・脱溶剤して乳化型
水性塗料(塗料62)とした。
この乳化型水性塗料は樹脂粒子の平均粒径が約0.56μm
であり、50℃で1ケ月保存しても沈降せず、また皮張
りや著しい粘度の変化も生じなかった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の連続的製造方法に使用する装置の概
略配置を示す。 1…第1処理槽、2…第2処理槽、3,4…インライン
ミキサー、5…樹脂溶液供給ライン、6…アンモニア水
又はアミン水供給ライン、7…加圧ライン、8…連通
管、9…水供給ライン、10…引出しライン、11…定
量排出バルブ、12…W/O型エマルジョン、13…O
/W型エマルジョン。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カルボキシル基含有アクリル樹脂成分、エ
    ポキシ樹脂成分及びエポキシ樹脂用硬化剤樹脂成分を単
    独又は組合せで含む有機溶媒溶液の形で且つアンモニア
    又はアミン類の水溶液と共に第一段のインラインミキサ
    ーに供給し、該ミキサー中で加圧下に混合してW/O型
    エマルジョンを形成させ、このW/O型エマルジョンを
    水と共に第二段のインラインミキサーに供給し、該ミキ
    サー中で混合してO/W型エマルジョンに転相させ、生
    成するO/W型エマルジョンを定量的に引き出すことを
    特徴とする乳化型水性塗料の連続的製造方法。
  2. 【請求項2】第一段のインラインミキサー中で、前記有
    機溶媒溶液(A)とアンモニア又はアミン類の水溶液
    (B)とを、A:B=10:10乃至10:1の重量比
    で供給し、混合する請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】第一段のインラインミキサー中での混合を
    10乃至90℃の温度及び0.2乃至10kg/cm2(ゲー
    ジ)圧力下で行う請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】第一段のインラインミキサー中での混合を
    式中、Vはインラインミキサーへの供給量(/mi
    n)を表わし、Vはインラインミキサー中の攪拌機の
    水を用いて測定した吐出量(/min)を表わす、 で定義される攪拌効率(K)が5乃至50となるように
    行う請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】カルボキシル基含有アクリル樹脂成分とエ
    ポキシ樹脂成分とが共重合体の形で溶液中に含有される
    請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】カルボキシル基含有アクリル樹脂成分とエ
    ポキシ樹脂成分とがブレンドの形で溶液中に含有される
    請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】第二段のインラインミキサー中で前記W/
    O型エマルジョン100重量部当り水を30乃至100
    重量部となる割合いで供給し、混合する請求項1記載の
    方法。
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