JPH0664480A - アウタミラー制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 運転者が望んだ時のみアウタミラーを後退時
に適した向きに移動するアウタミラー制御装置を提供す
る。 【構成】 シフトレバーが後退の位置に移動したことを
検出した（Ｓ１００）後、運転者がアウタミラーの向き
を変えるためにオートスイッチを操作した時（Ｓ１０
１，Ｓ１０２）のみアウタミラーの向きを変更する。こ
れによって、運転者が後退操作を行う場合でも、ミラー
の向きを変えたくない時にミラーの向きの変更がされて
しまうことを防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、車両後退時に後輪付近
の路面状況を確認するためにアウタミラーの位置を自動
的に変更するアウタミラー制御装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】後方を確認するために車両にはアウタミ
ラーが設けられている。このアウタミラーにより確認し
たい範囲は車両の運転状況に応じて異なっている。例え
ば高速道路走行時は比較的車間距離も大きいので、後方
遠方を確認したいという要求があり、また後退時などは
障害物の確認を行うために比較的近傍、特に車両後輪付
近の障害物の確認がしたいという要求がある。

【０００３】このような要求に対応し、車両速度などに
応じた範囲を写すためにアウタミラーの位置を制御する
装置が特開平３−６７７３５号公報に開示されている。
この装置は、後退時にアウタミラーを後輪付近を写せる
位置に移動させる装置であり、オートスイッチと呼ばれ
るスイッチを入れることで、自動的に前述の後退位置に
アウタミラーの方向を変えるものである。また、このミ
ラーの位置変更が後退時以外に行われないように、シフ
トレバーが後退位置にあることを検出し、この場合にの
み位置変更が行われるよう構成されている。すなわち、
シフトレバーの位置が後退位置であり、かつオートスイ
ッチがオンであった場合に、アウタミラーを車両の後輪
付近を写す位置に動かすものである。そして、運転者は
後退時にシフトレバーを後退位置に操作し、オートスイ
ッチをオンすることにより、自動的に車両の後退時に適
した範囲をアウタミラーにより確認することができる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
技術によれば、運転者が後退操作をする以前にオートス
イッチがオンであった場合、シフトレバーを後退位置に
操作しただけで、ミラーが後退位置に移動してしまう。
運転者はシフトレバーの操作と、オートスイッチをオン
することで始めてミラー位置が後退位置に動くと思って
いるので、運転者の考えている制御と、実際に行われる
制御が異なってしまう、すなわち運転者が望まない制御
が行われてしまうという問題があった。

【０００５】本発明は前述の問題点を解決するためにな
されたものであり、運転者の意思に則した制御を行うこ
とにできるアウタミラー制御装置を提供することを目的
とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】前述の目的を達成するた
めに、本発明にかかるアウタミラー制御装置は、車両の
後退を検出する後退検出手段と、後退時に所定のアウタ
ミラー位置に位置変更する指示を行う指示手段と、前記
後退検出手段により後退が検出され、その後前記指示手
段による位置変更指示がなされたことを判定する判定手
段と、前記判定手段の判定結果に基づきアウタミラーを
前記所定のアウタミラー位置へ駆動する駆動手段とを有
する。

【０００７】または、前記の指示手段の指示継続時間を
計測するタイマ手段を備え、前述の判定手段に替えて、
前記後退検出手段により後退が検出され、かつ前記指示
手段による位置変更指示がなされ、前記タイマ手段によ
り計測された位置変更指示の継続時間が所定時間内であ
ることを判定する判定手段を有している。

【０００８】

【作用】本発明は以上のような構成を有しており、シフ
トレバーが後退位置になったことを検出した後のみの位
置変更指示によりミラー位置の変更が行われる。前記位
置変更指示の操作がなされてから所定時間経過前のみミ
ラー位置の変更が行われる。または、前記位置変更指示
の操作がなされてから所定時間経過前のみミラー位置の
変更が行われる。したがって、通常走行中に誤って位置
変更指示をしてしまったり、前回の後退操作のときに位
置変更指示の解除を忘れていたりした場合、ミラー位置
の変更制御が行われない。

【０００９】

【実施例】以下、本発明にかかる好適な実施例を図面に
したがって説明する。図１は本発明の構成を示すブロッ
ク図である。後退検出手段１は運転者がこれから後退の
操作をすることを検出するものである。たとえば、後退
ランプのオン検出するか、シフトレバーの位置が後退位
置であることを直接検出するなどとすればよい。また、
指示手段２は後退操作に適した位置にアウタミラーを動
かすことを運転者が指示する手段である。この指示手段
２は前記公報に記載されたオートスイッチのように独立
して設けられてもよく、電動アウタミラーの左右切換え
スイッチと兼用し、後退操作の時のみ前記指示手段２と
して作用するよう構成されてもよい。そして、この指示
が行われてからの経過時間がタイマ手段３により計測さ
れる。判定手段４は前記後退検出手段１により後退操作
が行われた後、指示手段２によりアウタミラー位置の変
更が指示されたことを判定し、駆動手段５に指示を行
う。そして、駆動手段５はアウタミラーを後退操作に適
した位置へ動かす。この後退操作に適した位置とは、車
両の後輪付近を写し出すことができる位置である。この
ようにして自動的にこの位置までミラーを駆動し、後退
するたびにミラー位置を運転者が合わせる手間を省くこ
とができる。

【００１０】図２は本実施例の制御を示すフローチャー
トである。まず、ステップＳ１００で後退操作がされた
かが判定される。後退操作をされたことが判定されると
ステップＳ１０１でアウタミラーを後退位置に駆動する
指示をだすオートスイッチがオンかが判定され、オンで
ない場合はステップＳ１０２に移行し、さらにオートス
イッチがオンであるかがもう一度判定される。これらの
ステップＳ１００からステップＳ１０２までの一連の判
定は、後退操作をした後、オートスイッチが操作された
かを判断する手段であり、運転者が実際にアウタミラー
を後退位置にすることを望んだか否かを判断している。
これらの一連の判定により運転者がアウタミラーの位置
を変えたいと望んでいると判断される場合はステップＳ
１０３へ移行し、これ以外の場合は全てステップＳ１０
０へ戻る。ステップＳ１０３においてはアウタミラーを
後退用位置に移動させる。本実施例において、後退用位
置は通常位置より下向きに４°移動した位置である。こ
の通常走行時の位置より４°下向きという値を採ること
により、ほぼどの様な体格の運転者に対しても、後輪付
近を運転者が確認できるようになっている。

【００１１】ステップＳ１０４では前記のオートスイッ
チがオンになってから所定時間が経過したかを判定す
る。本実施例の場合、この所定時間は１２０秒に設定さ
れている。この所定時間が経過していた場合は、ステッ
プＳ１０５へ移行しオートスイッチがオンであるかが判
定される。オートスイッチがオンであればステップＳ１
０６へ移行し、後退操作が検出されているかが判断さ
れ、検出されている場合はステップＳ１０５へ戻る。し
たがって、ステップＳ１０５、Ｓ１０６では所定時間経
過後にも、後退操作を行っており、かつオートスイッチ
がオンである場合はアウタミラーを後退用位置にしてお
きたいと運転者が望んでいると判断するステップであ
る。ステップＳ１０５、Ｓ１０６において上記以外の場
合が判断されるとステップＳ１０７へ移行し、アウタミ
ラーが通常位置に移動する。その後はステップＳ１００
に移行する。

【００１２】ステップＳ１０４にて所定時間が経過して
いない場合、ステップＳ１０８に移行し、オートスイッ
チがオンであるかが判断される。オートスイッチがオン
であるとステップＳ１０９に移行し、後退操作が検出さ
れたかが判定され、ステップＳ１０４に戻る。つまり、
ステップＳ１０８、Ｓ１０９は所定時間経過前において
後退操作を行っており、かつオートスイッチがオンであ
る場合はアウタミラーを後退用位置にしておきたいと運
転者が望んでいると判断するステップである。ステップ
Ｓ１０８、Ｓ１０９において上記以外の場合が判断され
るとステップＳ１１０へ移行し、アウタミラーが通常位
置に移動する。

【００１３】アウタミラー移動後、ステップＳ１１１に
移行し、再びオートスイッチがオンとなってから所定時
間を経過したかが判定される。所定時間が経過していな
い場合はステップＳ１１２に移行し後退操作がなされて
いるかを判定し、後退操作がなされている場合はステッ
プＳ１０２へ移行する。また、後退検出がされない場合
ステップＳ１１３に移行しオートスイッチがオンである
かが判定される。オートスイッチがオンであればステッ
プＳ１１１へ戻り、オンでなければステップＳ１００へ
戻る。このステップＳ１１１、Ｓ１１２、Ｓ１１３およ
びＳ１０２の流れは所定時間が経過前であればオートス
イッチの操作を行わなくても後退操作を行うのみで、つ
まりシフトレバーの操作のみでアウタミラーの位置を変
更させる流れである。

【００１４】以上まとめると、ステップＳ１００〜Ｓ１
０２において、運転者がアウタミラーの位置を後退用の
位置に移動することを望んでいることを判断する。ステ
ップＳ１０４〜Ｓ１０６において、所定時間経過後も後
退用の位置にしておくべきであるかを判断している。さ
らに、ステップＳ１０４、Ｓ１０８、Ｓ１０９におい
て、所定時間経過前で後退用の位置にしておくべきであ
ることを判断している。そしてステップＳ１１０〜Ｓ１
１３、Ｓ１０２、およびステップＳ１０３は、所定時間
経過前ならば、シフトレバーを操作するたびにオートス
イッチを操作しなくても、シフトレバーの操作に合わせ
て、アウタミラーの位置が変わる流れである。

【００１５】図３は本発明にかかるその他の実施例の制
御を示すフローチャートである。まず、ステップＳ２０
０にてオートスイッチがオンであるかが判定される。オ
ートスイッチは、後退時にアウタミラーの方向を変更
し、車両後輪の位置付近を写す位置にこのミラーを動か
す指示を与えるものである。オートスイッチがオンであ
ると判断されると、オートスイッチがオンとなってから
の経過時間が所定時間以上であるかが判定される（ステ
ップＳ２０１）。経過時間が所定時間以上であればステ
ップＳ２００に戻り、所定時間未満であれば次のステッ
プに移行する。ステップＳ２０２では後退操作が行われ
たかが判断される。後退操作はシフトレバーの位置で検
出され、これが「Ｒ」位置に操作されたことにより運転
者がこれから後退する操作をすることが検出できる。後
退操作が検出されなければ再びステップＳ２００に戻
り、検出された場合はステップＳ２０３に移行する。

【００１６】ステップＳ２０３ではアウタミラーを後退
用位置に動かす。以降のステップＳ２０４からＳ２１０
は、前述の実施例のステップＳ１０４からＳ１１０に対
応し、全く同様の流れであるので説明は省略する。ステ
ップＳ２１０でアウタミラーが通常位置になった後、ス
テップＳ２０１へ移行する。このとき所定時間（１２０
秒）を経過していなければシフトレバーの操作のみでア
ウタミラーが再び後退用位置に移動する。

【００１７】本実施例のスイッチなどについて、図４に
より説明する。図４（Ａ）は車両の運転席及び助手席の
前部の計器盤１０などを示す図である。計器盤１０には
左右のアウタミラーをの向きを制御するミラー制御スイ
ッチが備えられている。このミラー制御スイッチの詳細
の一例を示す図が、図４（Ｂ）である。図４（Ｂ）に示
されるミラー制御スイッチ２０はミラー切換えスイッチ
２２とミラー角度変更スイッチ２４とオートスイッチ２
６を有している。ミラー切換えスイッチ２２は、左右の
ミラーのどちらの向きを変えるかを選択するスイッチで
あり、「Ｌ」側に動かせば右のミラーを、「Ｒ」側に動
かせば左のミラーをミラー角度変更スイッチ２４により
制御することができる。ミラー角度変更スイッチ２４は
その上下左右の位置を押すことによりミラーの向きをこ
の方向に変更することができるものである。さらに、オ
ートスイッチ２６はアウタミラーを後退時に適した下向
きの角度に動かすことを指示するスイッチであり、本実
施例においては、このオートスイッチ２６を押すことに
より、その他の条件が満たされれば左のアウタミラーの
角度が下向きに４°移動する。また、このオートスイッ
チ２６再び押すとこのスイッチが解除され、アウタミラ
ーは４°上向きに移動し、元の位置に復帰する。ミラー
の位置変更は通常状態を基準として、この位置から下向
きに４°移動させるようにして、運転者の体格が異なる
場合においても、ほぼ後輪付近を写すことができる。

【００１８】また、ミラー制御スイッチのその他の構成
を図４（Ｃ）に示す。ミラー制御スイッチ３０は前述の
ものに比して専用のオートスイッチが省略されている。
その他、ミラー切換えスイッチ３２とミラー角度変更ス
イッチ２４が前述のものと同様に設けられている。この
場合のオートスイッチは、後退時にミラー制御スイッチ
３２を「Ｌ」位置にすることにより前述のオートスイッ
チ２６と同様の作用を有する。

【００１９】さらには、シフトレバー１２に設けられた
オーバドライブスイッチ４０を用いてもよい。これも後
退時のみにオートスイッチとして作用するよう構成され
てもよい。この場合は、シフト操作とオートスイッチの
操作が連続して行えるので操作性がよい。

【００２０】後退検出手段はシフトレバー１２の位置を
検出し、これが「Ｒ」位置にある場合を検知し、後退操
作と判断する。または、後退灯の点灯を検知して後退操
作さの判断を行ってもよい。

【００２１】以上の実施例においては、アウタミラーの
位置の変更は通常走行時に対して４°下向きにする構成
とした。しかし、運転者の好みに応じてアウタミラーの
位置を記憶手段より記憶させ、オートスイッチ作動時に
この記憶された位置へと移動させる構成を採ることもま
た可能である。この場合は、後退用位置に変更する前の
通常位置もそのつど記憶し、後退操作が終了した時点で
この通常位置に復帰するよう構成されるのが好適であ
る。

【００２２】

【発明の効果】以上のように本発明においては、後退時
のアウタミラー位置への変更を指示する指示手段を入れ
たままにしておいて、後退操作を行った場合、運転者の
意思に反してアウタミラーが後退用位置に移動すること
を防止することができる。すなわち、運転者がアウタミ
ラーを動かすことを望んだ時、指示手段の操作をするこ
とにより始めてアウタミラーの位置が変更される。よっ
て、運転者の意思に即した制御を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明にかかる好適な実施例の構成を示すブロ
ック図である。

【図２】本実施例の制御を示すフローチャートである。

【図３】本実施例のその他の制御を示すフローチャート
である。

【図４】本実施例の操作部を示した図である。

【符号の説明】

１ 後退検出手段 ２ 指示手段 ３ タイマ手段 ４ 判定手段 ５ 駆動手段 １０ 計器盤 １２ シフトレバー ２０，３０ ミラー制御スイッチ ２６ オートスイッチ ３２ ミラー切換えスイッチ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車両の後退を検出する後退検出手段と、 後退時に所定のアウタミラー位置に位置変更する指示を
   行う指示手段と、 前記後退検出手段により後退が検出され、その後前記指
   示手段による位置変更指示がなされたことを判定する判
   定手段と、 前記判定手段の判定結果に基づきアウタミラーを前記所
   定のアウタミラー位置へ駆動する駆動手段と、を有する
   ことを特徴とするアウタミラー制御装置。
2. 【請求項２】 車両の後退を検出する後退検出手段と、 後退時に所定のアウタミラー位置に位置変更する指示を
   行う指示手段と、 前記指示手段の指示継続時間を計測するタイマ手段と、 前記後退検出手段により後退が検出され、かつ前記指示
   手段による位置変更指示がなされ、その位置変更指示の
   継続時間が所定時間内であることを判定する判定手段
   と、 前記判定手段の判定結果に基づきアウタミラーを前記所
   定のアウタミラー位置へ駆動する駆動手段と、を有する
   ことを特徴とするアウタミラー制御装置。