JPH0658431A - 砲弾型摺動弁頭を内装する流量調整バルブ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 流量調整バルブについては、バルブ内部の流
体抵抗、形状抵抗を極力低減する事と、一個のバルブに
依って、単に開閉のみならず、精密な流量の調節が外側
の調整環の操作により、数値的に把握出来て、再現性も
高く且つ耐圧も高くとれる剛性のある構造を得る事にあ
る。レリーフバルブに於いては、同じ構造、目的で精密
な圧力設定が外側の管の操作により目盛り合わせで容易
に得られる事にある。 【構造】 一体構造の砲弾型摺動弁頭が弁の開閉の往復
移動の作用を摺動片に固定した案内環によって、精密送
り螺子で進行する調整環の回転が往復移動に変えられる
ことで、調整環と、シリンダーに刻まれた目盛りに依
り、弁座と弁の開度を精密に読み取りうる如くした構造
である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、流体の種類に関係な
く、バルブ管内の流れを乱流、振動を引き起こす事な
く、且つ整流化を計る事の出来る砲弾型摺動弁頭を内装
して、通常バルブの有する、流体抵抗を極力低減し、此
れを管外より調整環を回す事で、弁の開閉が出来る本バ
ルブは配管された状態で、従来バルブと違い、外部に把
手、ハンドルの如き突起物が無く、バルブの外側が調整
環と成っており、調整環とシリンダーに刻まれたバーニ
ヤ目盛りにより、正確に弁の開度が目盛りと完全に一致
して読み取れる事にある。従って流量の再現性はもとよ
り、バルブ直前の圧力が解っていれば、予め開度と流量
の関係を表として作成して置けば、流量計を使用しなく
とも、其の流量はバーニヤ目盛りの読みで知ることが出
来る。又目盛りは微小目盛りと、することが出来るの
で、此のバルブ一個で微調整まで可能である。

【０００２】配管システムに於いては、バルブによって
流量を絞れば、バルブ前の配管内の圧力は上昇する。そ
こで圧力を一定化させる必要のある箇所、或は安全圧力
内として置きたい圧力配管系に於いては、レリーフバル
ブが必要である。本装置は流体の管内抵抗の極めて少な
く、レリーフ圧力の設定が管外で容易に且つ正確に精密
に行う事ができる。更に其の製造に於いて、流量調整バ
ルブと同じ構造を持つことは製作原価を下げる事も出来
て製造上有利である。

【０００３】

【従来の技術】現状、使用されている多くのバルブは、
弁座、或は、弁、或は弁の開放時、弁の絞り過程で、流
れの方向を大きく変えて、バルブの背後に大きな渦流を
引き起こし、バルブ抵抗を増大させる他、バルブ以降の
管内機器に対し、様々の悪影響を及ぼす 又流量を調整するハンドルの位置で流量を判断すること
も難しい、或るいは流量の再現性も又容易とは言えな
い、更に流量の微調整に至っては、別回路をもちいて微
調整専用のバルブを使用しなければならない。一個のバ
ルブで回路の開放から微調整まで行う事は難しい。

【０００４】現状の安全バルブ、レリーフバルブ、等、
圧力調整バルブに於いては、其の取付手段上、圧力流入
口、排出口の位置から配管は平行に取付られるか、９０
゜に曲げらるか、流れの方向は複雑になっている、又直
線的流れを有するバルブに於いては、管外から圧力設定
の調節は出来ないのが現状である。従って取付配管も複
雑なものとなるのである。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】従来の技術の項にて詳
述した様に、流体の流れ方向を変更せずに、管外から精
密に流量の設定や圧力の設定を行える事は、流体の管内
抵抗を減少させる事と共に重要な課題である。更に管内
の流れは螺旋状に渦を伴いながら、流れるのが通常で、
出来るだけ整流化し管内抵抗を減少させる必要がある。

【０００６】

【課題を解決する為の手段】シリンダー２は、円筒管で
一端の外側に精密螺子部１２、を切削し、他端を配管取
付螺子１４、を有する弁座３を、パッキング１３、を介
して、漏洩防止と砲弾型摺動弁頭がシリンダー内部に内
装可能とする為め、分解容易の内側螺子となっている。
此の様に切削された内面に、砲弾型弁頭４、と支持翼
１１、摺動管３０、を一体化した、充分剛性があり、弁
座と弁頭との密着が緊密容易と成る如く構造としてシリ
ンダー内面を往復移動し得る余裕Ｌを持たせる。此の様
にして弁座を通過する流体が砲弾型弁頭の流線に沿い、
矢印１７を通り支持翼１１によって、整流化し矢印２９
を通り次の配管系に移る、此の砲弾型摺動弁頭を外側の
調整環１で移動させる為にはシリンダーに、長孔２０、
が整数個あって、これに見合う砲弾型摺動弁頭の摺動管
３０に螺子２４があり、シリンダー２の外側より摺動片
８を挿入し取付ボルト１０で固定する、砲弾型摺動弁頭
は、シリンダーに対して、長手方向のみ移動できる、シ
リンダー内面にあるＯリング１６は２個あって、砲弾型
摺動弁頭とシリンダーは完全にシールされて漏洩はな
い。 そして調整環１は、内面に分割された案内環７を
摺動溝１８に収納してからシリンダーの精密螺子１２側
より挿入して螺子を互いに噛み合わせる、そして調整環
のツマミ部にある孔１９を用いて摺動片と合わせ、ボル
ト９で摺動片の螺子孔２２に取り付ける、かかる手段に
て、調整環１のツマミ部を回す事により、シリンダー上
に刻まれた目盛り２６の０点と調整環の端部に刻まれた
目盛りの０点を合わす所まで、調整環を回せば弁頭は弁
座に密着し、流体の流れを遮断する、此れより弁を開く
方向に、締めた時の反対方向にツマミ２８を回せば調整
環に刻まれた目盛りに、一目盛り毎の精密な弁開度を得
る事が出来る。

【０００７】レリーフバルブに於いては、配管内圧力が
配管系の機器の安全性、或は常に一定の設計圧力が要求
される時に、精密な設定圧力が出来るバルブでなければ
ならない、其の為に、所望する圧力が設定出来るスプリ
ング力が弁頭に加わって、バルブ前圧力と対応しなけれ
ばならない、従って本発明の場合では、砲弾型摺動弁頭
の弁頭を分割して、内部にスプリング室を設け、所定の
スプリングを内装する、それによって、調整環１によ
り、スプリングの伸縮を調整し、必要な圧力を設定する
如くなっている、即ち弁座と弁頭の接触圧を外側のバー
ニヤ目盛りで、圧力設定目盛りとすることで、流量調整
バルブをレリーフバルブとすることが出来る。

【０００８】

【実施例】実施例について説明すれば、図１は、流量調
整バルブの縦断面図である。図１に於いて４．砲弾型摺
動弁頭で、円錐形頭部を持ち流線形と成っている、１
１．は支持翼で断面は、肉厚の対称翼型となって摺動管
３０．と砲弾型弁頭４．とを強固に繋ぐ一体構造となっ
ている。支持翼は放射線状に整数枚あって、支持翼間は
充分な空間を有して流体の通路と整流の役目を担ってい
て、剛性ある構造形で弁頭を支え、脈流や振動に対し極
めて強い。図４．に於いて、砲弾型摺動弁頭の斜視図を
示す、外周面は研削されて、シリンダー２．の内周面
に、摺動可能に収納される。 外周の２ヶの螺子孔は、
摺動片８．が組立得る様、明けてあって、２５．は、摺
動片８．を孔の上に乗せた状況を示す。２２．２３．
は、摺動片８．の取付用ボルト孔で、ボルト１０．での
組立順序として、描いてある、ボルト９．は案内環７．
を通じて取り付ける為の、長めのボルトを示す。図１．
に再びもどり、３．は、弁座を有し、配管継ぎ手の管用
螺子と、一体となって、シリンダーに螺子により組込ま
れる、１３．は漏洩防止のパッキングである。砲弾型摺
動弁頭は、弁座３．を外した状態から、挿入後、弁座
３．は、組み込まれるＯリング２ヶは、シリンダー内面
溝に予め装填しておく、図５．に於いて、本図はシリン
ダーの部分斜視図で長穴２０．を整数個窄つてある、状
況をしめす。長穴は、摺動片とガタなく摺動する様な幅
を有し、長さ方向は、摺動片が移動する、移動量分だけ
長くなっている。 此の状態で摺動片８．をこの長穴に
挿入し、内部の摺動管３０．のボルト孔２４．に合わせ
てボルト１０．で取り付ける、これで砲弾型摺動弁頭
４．は、回転せず、シリンダー軸方向のみ移動する、続
いて図１．に於いて調整環１．の案内環７．は、図６の
調整環１．の部分斜視図に於ける摺動溝１８に、図７．
の分割した案内環７を内装して、シリンダーの２．の精
密送り螺子側より嵌め込み、摺動片８．の螺子孔２２．
に、のぞき孔１９．を用いて、摺動片一つ、一つにボル
ト９．を締め付ける。これで調整環１．を回せば精密送
り螺子により、回転力は、案内環７．を滑り乍ら押す事
となり、固定された摺動片８．を長穴に沿って、砲弾型
摺動弁頭４．を弁座側に押しつけ弁頭は弁座に密着し閉
口となる。 其のとき調整環１．のバーニヤ目盛りは、
０点となる事は当然である。図１．は、弁の閉口状態の
図である。図２．は、流量調整バルブの縦断面図で弁が
開口された状態を示す。Ｌは、砲弾型摺動弁頭の移動量
を示す。矢印１７．は、流体の流れ経路を表す此処で、
図１．に戻り、ロックナット５．調整環１．の緩み防止
の為、開度設定時に使用する、６．は、脱落防止用の止
めナットである。図３．流量調整バルブの外観図で、図
例に於いて、手動の際、握り易い、ツマミ部２８．を設
けてある。目盛り２６．は、シリンダー部に刻まれてあ
って、調整環１．の１回転が１目盛りの如く刻んであっ
て、調整環１．の、目盛り２７．は円周等分目盛りが刻
まれれてある。１回転を、その１／１００毎に１目盛り
として刻めば、シリンダーの精密送り螺子の１ピッチを
送る為には、其の１ピッチの１／１００毎で調整環の目
盛りが示すので、弁開度は、極めて高い精度で読み取る
事が出来る。ここに、図３．の例図は、弁の開口状態を
表すバーニヤ目盛りの位置となっている。以上の実施例
は、手動による作用に就いて述べたが、モーターにより
歯車駆動でリモートコントロールする遠隔制御方法は、
当然考えられる事である。図８．に此れを示す。

【０００９】実施例図に就いて説明する。レリーフバル
ブとして使用する、レリーフ弁装置図９．に於いて、流
量調整バルブとの相異箇所は、砲弾型摺動弁頭４．の弁
頭部が分割されて頭頂部３１．とし、その内部にスプリ
ング室を設け、砲弾型摺動弁頭４．の残部と摺動可能に
入れ込み、スプリング３２．を収納して伸縮自在な弁頭
部と成す。３３．孔は、圧力抜き用で、内部圧力の高騰
を防いである。其の伸縮量は、Ｂなる幅で表してある。
図９．の状態は、弁がスプリングにより弁座に圧接する
閉口状態である。矢印３４．の流体圧力がスプリング圧
に勝れば弁は開口する、調整環１．の目盛りをＯ点に近
づけば設定圧は、高く、離せば設定圧は低くなる、此の
様に調整環１．の目盛りを、圧力設定目盛りと使用する
事が出来て、レリーフ弁装置として利用される。

【００１０】

【発明の効果】本発明の流量調整バルブは、シリンダー
が剛性を充分有するので、他のねじ込み直管継ぎ手同
様、手軽に配管出来る上に、流体の種類はガス体、液体
を問わない、様々の材質で製作する事が出来る。流体は
前述した様に、流れの方向を大きく変える事なく、砲弾
型弁頭の流線に沿い、且つ其の砲弾型摺動弁頭の移動す
るシリンダー室内は広くする設計の自由度は大きいの
で、流れの抵抗も少なく、支持翼は、其の断面を流線形
とし整流化が容易である。砲弾型摺動弁頭の一体構造
は、材質によっては、成形鋳造、樹脂成形、もできて、
精密加工も容易である。従って又、調節管も送り螺子
も、精密加工が容易なことから調整環の目盛りは、正確
に弁座と弁の開度を表す事が出来る、従って微小流量も
調節可能となるのである。

【００１１】本発明は、流量調整バルブも、本装置のレ
リーフバルブも弁頭頂部以外の、大部分の重要部品は、
共通部品で製造が出来て、製造単価も引き下げる事が出
来る。而も圧力制御も極めて精密で、取扱いも簡単であ
り、様々な流体の管路の制御に容易に利用され得るもの
である。

【００１２】

【図面の簡単な説明】

【図１】 流量調整バルブの縦断面図 閉口状態図

【図２】 流量調整バルブの縦断面図 開口状態図

【図３】 流量調整バルブの外観図 開口状態図

【図４】 砲弾型摺動弁頭の斜視図 取付様態図

【図５】 シリンダーの部分斜視図

【図６】 調整環の部分斜視図

【図７】 案内環の斜視図

【図８】 モーターによる取付状態図

【図９】 レリーフバルブの縦断面図

【符号の説明】

１．調整環 ２．シリンダー ３．弁座 ４．砲弾型弁頭 砲弾型摺動弁頭の如く、一体構造の総称にも用いる。 ５．ロックナット ６．脱落防止用止めナット ７．案内環 ８．摺動片 ９．案内環取付ボルト １０．摺動片取付ボルト １１．支持翼 １２．精密送り螺子 １３．パッキング １４．配管用、管用螺子 １５．配管取付用、管用螺子 １６．Ｏリング １８．調整環の摺動溝 １９．調整環の覗き孔 ２０．シリンダーの長穴 ２１．案内環の取付ボルト通し孔 ２２．摺動片の案内環取付ボルト通し孔 ２３．摺動片取付ボルト通し孔 ２４．シリンダー上の摺動片取付タップ螺子孔 ２５．シリンダー上に摺動片を乗せた状態 ３０．砲弾型摺動弁頭の外側、摺動管 ３１．頭頂部 ３２．スプリング

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】本発明の流量調整バルブは、砲弾型弁頭と
   支持翼と摺動管とが一体構造の砲弾型摺動弁頭と成して
   シリンダー内に収納し、シリンダーの一端部に弁座を嵌
   合して、其の弁座に対して、砲弾型摺動弁頭が弁座との
   密着状態の閉口から開口に至る工程を、調整環を回す事
   により、送り螺子、摺動溝、案内環、摺動片、を介し
   て、砲弾型摺動弁頭を精密に往復移動させる事で、弁座
   と弁頭との開度を、調整環とシリンダーに刻まれたバー
   ニヤ目盛りにより、移動量が弁の開度と一致して正確に
   読み取り得る如く配し、管内の流体の流れを方向転換さ
   せる事なく、砲弾型弁頭の流線に沿い、支持翼によって
   整流化して、管内を通過させる如くした流量調整バルブ
   の発明。
2. 【請求項２】砲弾型摺動弁頭の砲弾型弁頭が頭頂部と分
   割して、その内部にスプリングを内装して弁頭部を形成
   する如く成して、調整環とシリンダーによるバーニヤ目
   盛りがスプリングの圧力設定目盛りとして読み取りうる
   如くし、調整環を回す事でレリーフバルブのレリーフ圧
   力を管外から自由に設定出来る如くしたレリーフ弁装
   置。