JPH0657602B2 - 高純度の低砒素フッ化水素の製造方法 - Google Patents

高純度の低砒素フッ化水素の製造方法

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JPH0657602B2
JPH0657602B2 JP1508034A JP50803489A JPH0657602B2 JP H0657602 B2 JPH0657602 B2 JP H0657602B2 JP 1508034 A JP1508034 A JP 1508034A JP 50803489 A JP50803489 A JP 50803489A JP H0657602 B2 JPH0657602 B2 JP H0657602B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は砒素不純物が低レベルである高純度無水フッ化
水素(HF)の製造に関する。さらに詳しくは、本発明
は工業等級のフッ化水素またはフッ化水素製造プロセス
中に得られる中間生成物を、モリブデン、モリブデン化
合物、バナジウムおよびバナジウム化合物から成る群か
ら選択される成分とリン酸塩化合物との触媒量から成る
触媒の存在下で砒素不純物を酸化するために過酸化水素
と接触させて、揮発性の三価砒素不純物を不揮発性の五
価砒素化合物に酸化し、生成した混合物を蒸留して高純
度無水フッ化水素を回収することから成る製造方法に関
する。このようにして回収されたHFは低レベルの砒素
不純物を有する。
発明の背景 フッ化水素の製造に一般に用いられた方法はホタル石と
硫酸との混合物を回転炉中で加熱することを含む。炉を
出る粗フッ化水素ガスを洗浄して、含まれる固体を除去
し、冷却し、凝縮して、一次粗生成物を得る。少なくと
も95重量%のHFを含む、形成された一次粗生成物は
種々な好ましくない不純物を含むため、分溜によってこ
れらを除去して、99.95%HF以上の純度を有する
工業等級の無水フッ化水素を得る。このようにして得ら
れた工業等級の無水フッ化水素は例えば砒素のような好
ましくない不純物を多量にまだ含む。工業等級の無水フ
ッ化水素中に存在する砒素不純物量は無水フッ化水素の
製造原料であるホタル石中の砒素不純物に依存する。工
業等級の無水フッ化水素は一般に約50〜500ppmの
砒素不純物を含有する。このようなレベルで無水フッ化
水素中に砒素不純物の存在は多くの用途にとって非常に
好ましくない。無水フッ化水素は精製工業および化学製
造工業に用いられており、無水フッ化水素中の砒素不純
物は触媒の効力を減じ、製品を汚染し、製品の品質に不
利に影響する。エレクトロニクス産業では、フッ化水素
水溶液が洗浄剤およびエッチング剤として半導体、ダイ
オードおよびトランジスターの製造に用いられる。前記
電子産業製品をフッ化水素によって洗浄またはエッチン
グした後にこれらの製品の表面上に少量の砒素不純物が
残留することを阻止するためには、無水フッ化水素が高
度に純粋であり、砒素が非常に低レベルであることが必
要である。
工業等級の無水フッ化水素から砒素を除去するために、
幾つかのプロセスが提案されている。これらには、フッ
素樹脂製造装置での多量分留を含むプロセスが存在す
る。しかし、このような方法は少量の高純度無水フッ化
水素の製造にのみ適しており、営利的な量の製造に経済
的であるとは考えられない。
米国特許第3,166,379号は例えば過マンガン酸
塩またはクロム酸塩のような酸化剤によって、または酸
化剤とハロゲン、好ましくはヨウ素とによって砒素不純
物を不揮発性化合物に変える処理によって、高純度無水
フッ化水素を製造する方法を開示する。この方法は無水
フッ化水素酸の精製に適しているが、無水フッ化水素を
蒸留する場合にマンガン化合物およびクロム化合物によ
って汚染されるという欠点を有している。
上記問題に対する解決法は米国特許第3,689,37
0号で特許を請求されており、この特許は過マンガン酸
塩またはクロム酸塩処理後に過剰な酸化剤を除去するた
めに無水フッ化水素に無機第1鉄塩を添加することを述
べている。しかし、この方法も最終生成物の高レベルの
鉄汚染を生ずる。
鉄汚染問題は米国特許第4,032,621号で解決さ
れており、この特許は過マンガン酸塩またはクロム酸塩
処理後に過剰な酸化剤を減ずるために例えば過酸化水素
のような貴金属を含まない試薬を無水フッ化水素へ添加
することを含む方法を述べている。この方法は非常に敏
感であり、連続操作には不便である。
上記特許の系では、フッ化水素酸水溶液から過マンガン
酸塩水溶液を用いて砒素を除去する。しかし、水性系で
の腐食の問題のために、この種の系は好ましくない。こ
のような系における連続操作のプロセス制御もまた問題
を提起する。水の添加は砒素除去のために無水フッ化水
素に固体の過マンガン酸カリウムを加えることによって
克服することができる。しかし、この方法はプラント操
作中爆発の危険が起りうるという問題を伴っている。
ダブリュー・ローランド(W・Roland)等は東独
特許第62,309号(1968年6月20日)におい
て、40〜60℃の30%Hによって80〜90
%HF水溶液から砒素を除去することを特許請求してい
る。彼らは、80〜90%HFおよび40〜60℃の維
持した反応器にフッ化水素と適当な濃度の過酸化水素溶
液とを連続添加することによって、無水フッ化水素から
の砒素除去を達成することも特許請求している。反応器
の中味を蒸留し、水に吸収させると、HF生成物の精製
水溶液が得られる。この方法はHF生成物の水溶液の製
造に限定され、精製無水フッ化水素の製造には好ましく
ない。
米国特許第4,083,941号は、0〜75℃におけ
る0.7%Hと0.6%メタノールとの添加によ
る無水フッ化水素からの砒素除去を特許請求している。
しかし、この方法は異物(foreign material)をプロセス
に導入するという欠点を有している。
米国特許第4,491,570号は塩化水素またはフッ
化物塩または両方による処理および次の、不揮発性砒素
化合物からの蒸留による精製無水フッ化水素の分離によ
る無水フッ化水素からの砒素の除去を特許請求してい
る。この方法も精製無水フッ化水素中に異物を導入する
可能性を有している。
米国特許第3,687,622号は低砒素無水フッ化水
素を製造するための115psia以上の圧力における高圧
蒸留方法を述べている。この方法の主な欠点は蒸留に非
常な高圧を要することである。
上記の先行技術の砒素除去方法の全てでは、精製無水フ
ッ化水素に異物を導入する危険性がある。それ故、検知
されうる量の異物を精製無水フッ化水素に導入せず、ま
た爆発の危険性も無い、連続ベースの簡単で経済的な砒
素除去方法が要求されている。
発明の要約 本発明では、最終生成物に異物を導入せず、しかも連続
操作に適合した、砒素不純物が低レベルである高純度無
水フッ化水素の製造方法を提供する。この方法は(i)
モリブデン、モリブデン化合物、バナジウムおよびバナ
ジウム化合物から成る群から選択した要素と(ii)リン
酸化合物との触媒量から成る触媒の存在下で工業等級の
無水フッ化水素または製造プロセスで得られる中間生成
物を有効量の過酸化水素と、無水フッ化水素中の揮発性
三価砒素不純物を不揮発性の五価砒素化合物に酸化する
ために充分な温度および時間において接触させ、生成す
る混合物を蒸留し、砒素不純物レベルの減少した高純度
無水フッ化水素を回収することから成る。フッ化水素中
の有機汚染物の存在は砒素不純物の過酸化水素酸化を妨
げることが判明している。この場合に、この反応を例え
ば硝酸または硝酸塩のような、有機汚染物の酸化剤の存
在下で実施することによってこのような妨害が避けられ
ることが判明している。
好ましい実施態様の詳細な説明 本発明の実施では、過酸化水素、酸化剤および本発明に
よる特定の触媒を砒素除去反応器に個別にまたは混合し
て供給する。高レベルの砒素不純物を含む工業等級無水
フッ化水素または無水フッ化水素製造で得られる中間生
成物を砒素除去反応器に連続的に供給する。砒素除去反
応器では、揮発性三価砒素不純物が不揮発性五価砒素化
合物に酸化される。砒素除去反応器からの反応生成物を
次に連続蒸留塔に供給する。砒素不純物レベルの低下し
た高純度無水フッ化水素を蒸留塔の頂部から生成物とし
て取出す。蒸留塔の底部からは高レベルの砒素不純物を
含む廃棄物流を取出す。廃棄物流をさらに処理して揮発
性HFを回収する。不揮発性砒素不純物を分離して、適
当なやり方で廃棄する。
本発明のプロセスでは、低濃度または高濃度のいずれで
存在するとしても、実質的に全ての砒素不純物が無水フ
ッ化水素から除去される。ここでの「無水フッ化水素」
なる表現は少なくとも95重量%、好ましくは少なくと
も99.9重量%のフッ化水素から成るフッ化水素を意
味する。
過酸化水素試薬は揮発性の三価砒素不純物を次の反応に
従って不揮発性の五価砒素化合物に酸化する: As+3+2H+−−→As+5+2HO 反応の副生成物としては水のみが形成される。上記反応
に必要な化学量論量の過酸化水素では、三価砒素不純物
の全てを五価砒素に転化するために充分ではない。妥当
な反応時間で実質的な転化を達成するためには、大きく
過剰な、好ましくは化学量論量の少なくとも約3倍の過
酸化水素が好ましい。上記反応に用いられない過剰な過
酸化水素は分解して、HOとOを形成する。
−−→HO+1/2O 過酸化水素が反応の終了時に完全にまたは実質的に分解
するため、最終生成物を汚染しないことが判明してい
る。市販のいずれの過酸化水素も本発明の方法に用いる
ことができ、過酸化水素は試薬等級または商用等級のど
ちらであってもよい。さらに、この過酸化物は他の化学
薬品製造の副生成物であってもよい。市販の70重量%
までの過酸化水素を用いることができるが、他の濃度の
いずれの過酸化水素も本発明の方法に用いることができ
る。水中50〜70重量%の過酸化水素を用いることが
好ましい、このような過酸化水素は最少量の水をプロセ
スに導入するにすぎないからである。
種々な等級の市販過酸化水素が存在するが、試薬等級と
商用等級との差は本発明のプロセスにとって重要であ
る。試薬等級過酸化水素は安定剤が殆んど加えられてい
ない純粋な化合物である。他方では、商用等級の過酸化
水素は実質的な量の安定剤が加えられている。商用等級
過酸化水素に一般に用いられる安定剤はスズ酸ナトリウ
ムおよびリン酸塩を含む化合物である。それ故、リン酸
塩安定剤を含む商用当等級の過酸化水素を本発明のプロ
セスに用いる場合には、触媒のリン酸塩成分を別に加え
る必要がない。
本発明のプロセスへの好ましい過酸化水素使用量は無水
HFの重量を基準にして約0.1〜約1.5重量%、さ
らに好ましくは約0.1〜約0.55重量%の範囲内で
ある。
本発明の方法に用いる過酸化水素の上限は経済性、扱い
易さおよび装置腐食問題によってのみ限定されるにすぎ
ない。本発明の方法に用いる過酸化水素の有効量は最初
のフッ化水素中に存在する砒素不純物量に有意に依存
し、最終の無水フッ化水素生成物に要求される砒素不純
物レベルにも依存する。
本発明の方法は満足できる結果を達成するために触媒を
必要とする。触媒は反応速度を高め、それによって反応
の完成に必要な反応時間および温度を低下させ、砒素除
去に必要な過酸化水素量をも減ずる。触媒は揮発性砒素
不純物を不揮発性砒素化合物に転化する速度をも高め
る。
我々は、適当な触媒がモリブデン、モリブデン化合物、
バナジウムまたはバナジウム化合物およびリン酸塩化合
物を含むものであることを発見した。
モリブデン成分はモリブデン金属、例えばアセチルアセ
トン酸モリブデンすなわちMoO[CHCOCHC
OCHのような有機モリブデン化合物または例え
ばモノ−もしくはポリ−モリブデン酸アルカリ金属、酸
化モリブデンまたはモノ−もしくはポリ−モリブデン酸
アンモニウムのような無機モリブデン化合物である。好
ましいモリブデン成分はモリブデン酸アンモニウムすな
わち(NHMo24・4HOである。
バナジウム成分はバナジウム金属、例えば酢酸バナジウ
ムすなわちVo[OOCCHのような有機バナジ
ウム化合物または例えばモノ−もしくはポリ−バナジン
酸アルカリ金属、酸化バナジウムまたはモノ−もしくは
ポリ−バナジン酸アンモニウムのような無機バナジウム
化合物である。好ましいバナジウム成分はメタバナジン
酸ナトリウムすなわちNaVO、オルトバナジン酸ナ
トリウムすなわちNaVOおよびバナジン酸アンモ
ニウムすなわちNHVOである。
適当なリン酸塩成分にはリン酸と、例えばモノ−もしく
はポリ−リン酸アルカリ金属およびモノ−もしくはポリ
−リン酸アンモニウムのような無機リン酸塩とがある。
好ましいリン酸塩成分はピロリン酸ナトリウム、Na
10HOである。
成分の割合を含めた、本発明の方法に必要な触媒量は揮
発性砒素不純物の不揮発性砒素化合物への転化の満足で
きる速度を達成するために有効な量と割合である。この
ような量と割合は操作者の目的と選択した特定の成分と
によって変化するが、当業者によって容易に定められ
る。
一般に少なくとも約3.7ppm(100%フッ化水素を
基準にして)の金属成分が必要であり、少なくとも約
3.5ppmのリン酸塩成分が必要である。しかし、触媒
成分の一つの最少量を用いる場合には、他の成分は最少
量の少なくとも3〜4倍の量で存在することが好まし
い。金属成分の好ましい量は約10〜65ppmである。
リン酸塩成分の好ましい量は約25〜40ppmであり、
特に好ましい量はリン酸約100〜400ppmであり、
さらに好ましい量はピロリン酸ナトリウム約10〜55
ppmである。本発明の方法には多量の各触媒成分を用い
ることができるが、このような量は経済的でなく、扱い
易くない。
本発明の方法は約15〜75℃の範囲内の温度で実施す
ることが好ましい。約15℃未満では、反応は一般に非
実用的な速度にまで緩慢化する。温度が上昇するにつれ
て、反応速度も上昇する。反応は約75℃より高い温度
において実施することができたが、これは不必要に非常
に高い圧力の装置を必要とするので、経済的ではない。
本発明の方法にとって最も好ましい温度範囲は50〜6
5℃である。フッ化水素の沸点は19.54℃である。
反応を19.54℃より高い温度で実施する場合には、
フッ化水素を液状に維持し、反応を液相で実施するため
に圧力装置が必要である。約57℃においてフッ化水素
を液相に維持するために必要な標準圧力は約3.4気圧
である。
フッ化水素中の有機汚染物はここに述べる接触砒素除去
プロセスを妨害することが判明している。このような有
機汚染物の出所にはフッ化水素およびフッ化水素の製造
原料の輸送に用いるポンプからのグリースがある。それ
故、本発明の1実施態様では、砒素不純物の過酸化水素
酸化を妨害するような量の有機汚染物を含まないフッ化
水素を用いる。反応混合物中の100ppm程度の少ない
有機汚染物が砒素不純物の過酸化水素酸化を妨害するこ
とが確認されたが、限界値は確認されない。しかし、実
際には、過酸化水素による砒素不純物の酸化反応は効果
的には進行しない場合には、妨害量の有機汚染物が存在
することが考えられ、この場合には本発明の次の実施態
様を実施することができない。
このような有機汚染物の妨害量が存在する場合には、有
機汚染物に対する有効量の酸化剤を加えることによって
接触砒素除去プロセスのこのような妨害を回避または最
小にすることが伴明している。選択する酸化剤は存在す
る有機汚染物の酸化に有効であるが、不純物の過酸化水
素酸化を妨害しないような酸化物であるべきである。
有機汚染物の適当な酸化剤には硝酸と例えばアルカリ金
属およびアンモニウム塩のような硝酸塩とがある。好ま
しい塩は硝酸ナトリウムである。他の適当な酸化剤は当
業者に明らかであるか、またはルーチンテストによって
確認されると考えられる。
有機汚染物に対する酸化剤の添加時点では重要ではない
が、触媒の添加前にフッ化水素流に加えることが好まし
い。
有機汚染物に対する酸化剤の使用量は存在する有機汚染
物の性質と量とに依存する。一般に、有機汚染物100
部につき酸化剤約2〜10部、好ましくは有機汚染物1
00部につき酸化剤5〜10部を用いるべきである。一
定のフッ化水素材料と共に用いる一定の酸化剤の最適量
はルーチンの実験によって当業者が容易に決定すること
ができる。
本発明の方法の完成に必要な反応時間は広範囲に変動す
る。反応は2分間程度で実施されるが、通常は3分間よ
り長い滞留時間で実施される。関係の方法に用いる好ま
しい滞留時間は30〜60分間である。反応は60分間
より長い如何なる滞留時間においても実施することがで
きるが、このようにすることは不必要であり、経済的に
無意味である。
本発明の方法は、反応装置の外部の物質による汚染を避
けるために、無水フッ化水素によって侵されない装置内
で実施しなければならない。従って、フッ化水素と接触
する反応器、蒸留塔、塔パッキングおよび受器の全表面
はHFに対して不活性でなければならない。適当な構成
材料は例えば低炭素鋼、ステンレス鋼、ニッケル、ニッ
ケル合金、および白金のような金属である。これらの中
で低炭素鋼が経済性の観点から好ましい。例えば、商業
的に入手可能なポリエチレン、ポリ塩化ビニル、および
フルオロカーボンポリマーのようなポリマー材料も用い
ることができる。フルオロカーボンポリマーが好まし
い。
砒素不純物は不揮発性砒素化合物またはフッ化水素に比
べて低揮発性の残渣に転化される。それ故、フッ化水素
から不揮発性砒素化合物を分離するために入念な分留は
不必要である。このように、大気圧での蒸留を用いて不
揮発性砒素不純物を分離し、低レベルの砒素不純物を含
む高純度の無水フッ化水素を製造することができる。
本発明は主として低レベルの砒素不純物を含む高純度無
水フッ化水素の製造を目的とするが、電子工業によって
必要とされる無水フッ化水素のような重要な用途向けの
高純度無水フッ化水素の製造に利用することも可能であ
る。
本発明を実施例に関連してさらに説明する。%および部
の表現は、他に指示しない限り、100%HFを基準と
した重量によるものである。表において、RGは試薬等
級Hを意味する。CGは商用等級Hを意味
する。TGは工業等級Hを意味し、DGは希釈等
級Hを意味する。また、実施例では工業等級無水
フッ化水素の製造プロセス中に得られる中間生成物につ
いても述べる。この中間生成物は工業等級無水フッ化水
素の二塔式精製系における第1蒸留塔のリボイラー出口
から得られる無水フッ化水素である。過酸化水素と砒素
の分析には標準分析方法を用いた。過酸化水素分析は遊
離ヨウ素の標準化チオ硫酸塩滴定によって実施した。砒
素分析はピリジン中のジエチルジチオカルバミン酸銀に
よる吸収と、標準試薬との分光測光法比較とによって実
施した。
実験室試験に用いた装置は約800cc容量の円筒形の軟
鋼またはテフロン(登録商標Teflon)被覆反応器から成
るものである。この反応器は温度制御のために熱水およ
び冷水の環境用ジャケット付きである。
実験室実験は工業等級の無水フッ化水素または無水フッ
化水素の製造で得られる中間生成物のいずれかを用いて
実施した。反応前のこれらの生成物中の砒素不純物の初
期値はAs金属としての砒素500〜900ppmの範囲
内であった。一般に、実験室実験の終了後に、最終的に
反応した反応混合物を蒸留せずに高純度無水フッ化水素
が得られた。しかし、実際の営利的な実施では、反応混
合物を蒸留して、高純度無水フッ化水素生成物を得る。
蒸留した高純度無水フッ化水素をAs+3に関して分析す
る代りに最終的に反応した反応混合物をAs+3に関して
分析した。蒸留した高純度無水フッ化水素中に存在する
As+3が最終的に反応した反応混合物中に存在するAs
+3以下であることが発見された。
下記の例1〜4は過酸化水素のみ(触媒なしに)では砒
素除去において充分な量の砒素が除去されないことを説
明する。
例1(比較例) 上記実験室用反応器に30%試薬等級過酸化水素を用い
ることによって、工業等級無水フッ化水素から砒素不純
物を除去しようと試みた。この無水フッ化水素は最初は
500〜800ppmAs+3の範囲内の砒素不純物を含ん
でいた。反応器に無水フッ化水素400gと30%試薬
等級過酸化水素6.7mlとを装入し、約57℃において
45分間反応させた。過酸化水素は反応の終了時に完全
には分解しなかった。反応の終了時に得られた反応混合
物はAs+3620ppmを含んだ。結果は第1表に示す。
例2(比較例) 上記実験室反応器に50%商用等級過酸化水素を用いる
ことによって、工業等級無水フッ化水素から砒素不純物
を除去しようと試みた。この無水フッ化水素は最初は5
00〜800ppmAs+3の範囲内の砒素不純物を含んで
いた。反応器に無水フッ化水素398gと80%商用等
級フッ化水素8.4mlとを装入し、約57℃において4
5分間反応させた。過酸化水素は反応の終了時に完全に
は分解した。反応後の最終反応混合物は、As+3265
ppmを含んだ。結果は下記第1に示す。
例3(比較例) 上記実験室用反応器に30%試薬等級過酸化水素を用い
ることによって、中間生成物から砒素不純物を除去しよ
うと試みた。中間生成物は最初は500〜800ppmA
+3の範囲内の砒素不純物を含んでいた。反応器に中間
生成物400gと30%試験等級過酸化水素6.7mlと
を装入した。反応物質を約57℃において45分間反応
させた。過酸化水素は反応の終了時に完全には分解しな
かった。反応後に得られた最終反応混合物はAs+347
0ppmを含んだ。結果は下記第1表に示す。
例4(比較例) 上記実験室用反応器に50%商用等級過酸化水素を用い
て中間生成物から砒素不純物を除去しようと試みた。こ
の中間生成物は最初は500〜800ppmAs+3の範囲
内の砒素不純物を含んでいた。反応器に無水フッ化水素
387gと50%商用等級過酸化水素8.7mlとを装入
した。反応物質は、約57℃において45分間反応させ
た。過酸化水素は反応の終了時に家全に分解した。反応
後に得られた反応混合物はAs+3265ppmを含んだ。
結果は次の第1表に示す。
上記第1表に示した結果は、過酸化水素酸化剤のみ(触
媒なし)の使用によっては妥当な滞留時間内に無水フッ
化水素からの砒素除去が不充分であることを示唆する。
例5〜6は特許請求した触媒成分の1種類のみの存在下
で過酸化水素を用いることによって、無水フッ化水素か
ら砒素不純物が満足に除去されないことを説明する。
例5(比較例) この例では、上記実験室用反応器内で30%過酸化水素
を触媒としてのモリブデン酸アンモニウムを用いて中間
生成物から砒素不純物を除去することを試みた。中間生
成物は最初に500〜800ppmAs+3の範囲内の砒素
不純物を含有した。反応器に中間生成物419g、30
%試薬等級過酸化水素(すなわちリン酸塩安定剤を殆ん
どまたは全く含有せず)7.0mlおよびモリブデン酸ア
ンモニウム15.5mgを装入した。反応物質は、約57
℃において30分間反応させた。過酸化水素は反応の終
了時に完全には分解しなかった。反応後の最終反応混合
物は、As+3640ppmを含んだ。結果は下記第2表に
示す。
例6(比較例) この例では、上記実験室用反応器内で30%試薬等級過
酸化水素(すなわちリン酸塩安定剤を殆んどまたは全く
含有せず)と触媒としてのピロリン酸ナトリウムとを用
いて中間生成物から砒素不純物を除去することを試み
た。中間生成物は最初に500〜800ppmAs+3の範
囲内の砒素不純物を含有した。反応器に中間生成物45
0g、30%試薬等級過酸化水素7.5mlおよびピロリ
ン酸23.0mgを装入した。反応物質は、約57℃にお
いて45分間反応させた。過酸化水素は、反応の終了時
にほぼ完全に分解した。反応後に最終反応混合物は、A
+3640ppmを含んだ。結果は下記第2表に示す。S
Pはピロリン酸ナトリウムを表す。
例7〜9は、本発明による触媒混合物の存在下で過酸化
水素を用いることによって無水フッ化水素から砒素不純
物が充分に除去されることを説明する。
例7 この例では、上記実験室用反応器内で30%試薬等級過
酸化水素と触媒としてのモリブデン酸アンモニウムとピ
ロリン酸ナトリウムとを用いて中間生成物から砒素不純
物を除去することを試みた。中間生成物は最初に500
〜800ppmAs+3の範囲内の砒素不純物を含有した。
反応器に、中間生成物400g、30%試薬等級過酸化
水素6.7ml、モリブデン酸アンモニウム14.7mg及
びピロリン酸ナトリウム20.5mgを装入した。反応物
質を約57℃において45分間反応させた。過酸化水素
は、反応終了時に完全に分解した。反応後に最終反応混
合物は、5ppm未満のAs+3を含んだ。結果は下記第2
表に示す。
例8 この例では、上記実験反応器内で50%商用等級過酸化
水素(すなわちリン酸安定剤を含む)及び触媒としての
モリブデン酸アンモニウムを用いて中間生成物から砒素
不純物を除去しようと努力した。中間生成物は最初に5
00〜800ppmAs+3の範囲内の砒素不純物を含有し
た。反応器に、中間生成物399g、50%商用等級過
酸化水素4.0ml及び触媒としてのモリブデン酸アンモ
ニウム18.4mgを装入した。反応物質は約57℃にお
いて30分間反応させた。過酸化水素は反応の終了時に
完全に分解した。反応後に最終反応混合物は5ppm未満
のAs+3を含有した。結果は下記第2表に示す。
例9 この例で、上記実験室用反応器内で50%試薬等級過酸
化水素と触媒としてモリブデン酸アンモニウムとリン酸
ナトリウムを用いて工業用等級無水フッ化水素から砒素
不純物を除去しようと努力した。工業用等級無水フッ化
水素は、最初は500〜800ppmAs+3の範囲内の砒
素不純物を含んでいた。反応器に無水フッ化水素398
g、50%試薬等級過酸化物4.0ml、モリブデン酸ア
ンモニウム7.3mg及びリン酸ナトリウム10.2mgを
装入した。反応物質は約57℃において45分間反応さ
せた。過酸化水素は反応終了時にほぼ完全に分解した。
反応後に最終反応混合物は5ppm未満のAs+3を含有し
た。結果は下記第2表に示す。
上記結果は安定剤を殆んど加えられていない試薬等級の
過酸化水素と共に用いるモリブデン酸アンモニウムのみ
では本発明の方法に対する触媒ではないことを示す(例
5)。ピロリン酸ナトリウムのみでは本発明の方法に対
する触媒ではない(例6)。モリブデン酸アンモニウム
とピロリン酸ナトリウム(またはポリリン酸ナトリウ
ム)とは共に本発明の方法に対する触媒として作用する
(例7)。例8では、モリブデン酸アンモニウム単独は
商用等級の過酸化水素と併用した場合には、商用等級の
過酸化水素が安定剤としてリン酸塩を含み、本発明の方
法にとって好ましい触媒を供給するので、触媒として作
用するように思われる。
例9では、本発明の方法が中間生成物に適用されるのみ
でなく、工業等級の無水フッ化水素にも適用されること
およびモリブデン酸アンモニウムとピロリン酸ナトリウ
ムとが共に触媒として作用することを示す。
例10,11および12はモリブデン金属と種々なモリ
ブデン化合物がポリリン酸塩と共に本発明の方法に対す
る触媒として作用することを説明する。
例10 この例では、上記実験室用反応器において30%試薬等
級Hおよび触媒としてのモリブデン酸ナトリウム
(NaMoO)とピロリン酸ナトリウムを用いるこ
とによって、工業等級の無水フッ化水素から砒素不純物
を除去しようと試みた。工業等級の無水フッ化水素は最
初に500〜800ppmAs+3の範囲内の砒素不純物を
含んでいた。反応器に工業等級無水フッ化水素400
g、30%商用等級H6.7ml、モリブデン酸ナ
トリウム20.2mgおよびピロリン酸ナトリウム20.
5mgを装入した。反応物質を約57℃において35分間
反応させた。反応の終了時にHは完全に分解し
た。反応後の最終反応混合物は5ppm未満のAs+3を含
有したにすぎない。結果は下記第3表に示す。SPはピ
ロリン酸ナトリウムを表す。
例11 この例では、上記の実験室用反応器に30%試薬等級H
と触媒としての三酸化モリブデン(MoO)お
よびピロリン酸ナトリウムとを用いることによって、工
業等級の無水フッ化水素(AHF)から砒素不純物を除
去することを試みた。工業等級AHFは最初に500〜
800ppmAs+3の範囲内の砒素不純物を含有した。反
応器に工業等級AHF400g、30%試薬等級H
6.7ml、MoO30.0mgおよびピロリン酸ナト
リウム20.5mgを装入した。反応物質を約57℃にお
いて30分間反応させた。反応の終了時に、H
完全に分解した。反応後の最終反応混合物は5ppm未満
のAs+3を含んだ。結果は下記第3表に示す。
例12 この例では、上記装置において30%試薬等級H
と、触媒としてのモリブデン金属およびピロリン酸ナト
リウムとを用いることによって、工業等級無水フッ化水
素から砒素不純物を除去することを試みた。工業等級A
HFは最初に500〜800ppmAs+3の範囲内の砒素
不純物を含んでいた。反応器に工業等級AHF400
g、30%試薬等級H6.7ml、モリブデン金属
500mgおよびピロリン酸ナトリウム20.5mgを装入
した。反応物質を約57℃において30分間反応させ
た。反応の終了時に、Hは完全に分解した。反応
後の最終反応混合物は5ppm未満のAs+3を含有した。
結果は下記第3表に示す。
上記表の結果はモリブデン金属および種々なモリブデン
化合物がピロリン酸塩と共に、本発明の方法に対する触
媒として作用することを示す。
例13と14は、触媒としてのモリブデン酸アンモニウ
ムとモノリン酸塩との存在下で酸化剤として過酸化水素
を用いることによって、本発明の方法において無水フッ
化水素から砒素不純物が除去されることを示す。
例13 この例では、上記実験室用反応器において30%試薬等
級過酸化水素と触媒としてのモリブデン酸アンモニウム
およびリン酸とを用いることによって、中間生成物から
砒素不純物を除去しようと試みた。この中間生成物は最
初に、500〜800ppmAs+3の範囲内の砒素不純物
を含有した。反応器に中間生成物400g、30%試薬
等級過酸化水素6.7ml、モリブデン酸アンモニウム2
0.5mgおよびリン酸160mgを装入した。反応物質を
約57℃において30分間反応させた。反応の終了時
に、過酸化水素は完全に分解した。反応後の最終反応混
合物は5ppm未満のAs+3を含有した。結果は下記第4
表に示す。PAはリン酸を示す。
例14 この例では、上記実験室用反応において30%試薬等級
過酸化水素と、触媒としてのモリブデン酸アンモニウム
およびリン酸とを用いることによって中間生成物から砒
素不純物を除去することを試みた。この中間生成物は最
初に500〜800ppmAs+3の範囲内の砒素不純物を
含有した。反応器に中間生成物700g、30%試薬等
級過酸化水素7.2ml、モリブデン酸アンモニウム1
8.0mgおよびリン酸115mgを含有した。反応物質を
約57℃において45分間反応させた。反応の終了時に
過酸化水素は完全に分解した。反応後に最終反応混合物
は5ppm未満のAs+3を含んだ。結果は下記の第4表に
示す。
上記結果は、モリブデン酸とリン酸(モノリン酸塩)が
本発明の方法に対する触媒として共に作用することを示
唆する。
例15〜18は本発明の過程の充分な作用のために必要
な過酸化水素酸化剤の量を説明する。
例15 この例では、上記装置内でごく少量の50%商用等級H
、モリブデン酸アンモニウム及び触媒としてリン
酸ナトリウムを用いることによって工業等級AHFから
砒素不純物を除去しようと努力した。この工業等級AH
Fは最初は500〜800ppmAs+3の範囲内の砒素不
純物を含んでいた。反応器にAHF400g、50%商
用等級H0.8ml、モリブデン酸アンモニウム1
4.7mg及びピロリン酸ナトリウム20.5mgを装入し
た。
反応物質は、約57℃において55分間反応させた。反
応の終了時に、Hは完全に分解した。反応後の最
終反応混合物は5ppm未満のAs+3を含んだ。結果は下
記第5表に示す。SPはピロリン酸ナトリウムを表す。
例16 この例では、上記装置内で少量の50%商用等級過酸化
水素(すなわちリン酸安定剤を含有する)と触媒として
モリブデン酸アンモニウムを用いることによって、中間
生成物から砒素不純物を除去しようと努力した。中間生
成物は、最初は500〜800ppmAs+3の範囲内の砒
素不純物を含んでいた。反応器に中間生成物403g、
50%商用等級過酸化水素2.0ml及びモリブデン酸ア
ンモニウム7.5mgを装入した。反応物質は、約57℃
において30分間反応させた。反応の終了時に、過酸化
水素は完全に分解した。反応後に最終反応混合物は、5
ppm未満のAs+3を含んだ。これらの結果は下記第5表
に示す。
例17 この例では、上記装置内で中等量の50%商用等級過酸
化水素(すなわちリン酸安定剤を含有する)と触媒とし
てモリブデン酸アンモニウムを用いることによって中間
生成物から砒素不純物を除去しようと努力した。中間生
成物は、最初は500〜800ppmAs+3の範囲内の砒
素不純物を含んでいた。反応器に中間生成物402g、
50%商用等級過酸化水素4.0ml及びモリブデン酸ア
ンモニウム14.8mgを装入した。反応物質は、約57
℃において30分間反応させた。反応の終了時に、過酸
化水素は完全に分解した。反応後に最終反応混合物は、
5ppm未満のAs+3を含んだ。結果は下記第5表に示
す。
例18 この例では、上記装置内で多量の50%商用等級過酸化
水素(すなわちリン酸安定剤を含有する)と触媒として
モリブデン酸アンモニウムを用いることによって中間生
成物から砒素不純物を除去しようと努力した。中間生成
物は、最初は500〜800ppmAs+3の範囲内の砒素
不純物を含んでいた。反応器に中間生成物400g、5
0%商用等級過酸化水素9.0ml及びモリブデン酸アン
モニウム36.8mgを装入した。反応物質を約57℃に
おいて30分間反応させた。反応の終了時に、過酸化水
素は完全に分解した。反応後に最終反応混合物は、5pp
m未満のAs+3を含んだ。結果は下記第5表に示す。
上記結果は、本発明の方法に用いられる過酸化水素の量
が、過酸化水素0.1〜1.1重量%の範囲内であるこ
とを示唆する。下限は化学量論量の約3倍に対応する。
本発明の方法に用いられる過酸化水素の最も好ましい量
は過酸化水素0.25〜0.5重量%の範囲である。本
発明の方法が1.1%より多い過酸化水素に対して充分
に作用することが計画されている。本発明の方法に用い
られる過酸化水素の上限は、経済性と扱い易さによって
のみ限定される。
例19〜22は、本発明の方法が如何なる種類または出
所のHの使用に関して限定されていないことは説
明する。本発明の方法に必要な触媒は、別々に又は市頒
のH中にすでに存在する安定剤を介して加えるこ
とができる。
例19 上記装置内で70%希釈等級過酸化水素とモリブデン酸
アンモニウム及び触媒としてピロリン酸ナトリウムを用
いることによって中間生成物から砒素不純物を除去する
ためにこの例を実施した。中間生成物は最初は500〜
800ppmAs+3の範囲内の砒素不純物を含んでいた。
反応器に中間生成物402g、70%希釈等級過酸化水
素2.8ml、モリブデン酸アンモニウム7.4mg及びピ
ロリン酸ナトリウム10.2mgを装入した。反応物質
は、約57℃において45分間反応させた。反応の終了
時に、過酸化水素は完全に分解した。反応後に最終反応
混合物は、5ppm未満の砒素を含有した。結果は下記第
6表に示す。SPはピロリン酸ナトリウムを表す。
例20 上記装置内で70%工業等級過酸化水素と触媒としてモ
リブデン酸アンモニウム及びピロリン酸ナトリウムを用
いることによって中間生成物から砒素不純物を除去する
ためにこの例を実施した。中間生成物は最初は500〜
800ppmAs+3の範囲内の砒素不純物を含んでいた。
反応器に中間生成物400g、70%工業等級過酸化水
素2.8ml、モリブデン酸アンモニウム7.4mg及びピ
ロリン酸ナトリウム10.2mgを装入した。反応物質を
約57℃において50分間反応させた。反応の終了時
に、過酸化水素は完全に分解した。反応後に最終反応混
合物は、5ppm未満の砒素を含んだ。結果は下記第6表
に示す。
例21 上記装置において50%試薬等級過酸化水素と触媒とし
てモリブデン酸アンモニウムとピロリン酸ナトリウムを
用いることによって中間生成物から砒素不純物を除去す
るためにこの例を実施した。中間生成物は最初は500
〜800ppmAs+3の範囲内の砒素不純物を含んでい
た。反応器に中間生成物410g、50%試薬等級過酸
化水素4.1ml、モリブデン酸アンモニウム7.5mg及
びピロリン酸ナトリウム10.5mgを装入した。反応物
質を約57℃において45分間反応させた。反応の終了
時に、過酸化水素は完全に分解した。反応後に最終反応
混合物は、5ppm未満の砒素を含んだ。結果は下記第6
表に示す。
例22 上記装置内で50%商用等級過酸化水素と触媒としてモ
リブデン酸アンモニウムを用いることによって中間生成
物から砒素不純物を除去するためにこの例を実施した。
中間生成物は最初は500〜800ppmAs+3の範囲内
の砒素不純物を含んでいた。反応器に中間生成物406
g、50%商用等級過酸化水素2.6ml及びモリブデン
酸アンモニウム7.5mgを装入した。反応物質は約57
℃において15分間反応させた。反応の終了時に、過酸
化水素は完全に分解した。反応後の最終反応混合物は5
ppm未満の砒素を含んだ。結果は下記第6表に示す。
上記表の結果は本発明の方法が試験した全ての種類の過
酸化水素によって充分に作用することを示す。
次の例は本発明の方法が充分に作用するために好ましい
温度を説明する。
例23(比較例) この例では、上記装置において50%商用H(す
なわちリン酸塩安定剤含有)と触媒としてのモリブデン
酸アンモニウムを用いて、低温において中間生成物から
砒素不純物を除去しようと努力した。この中間生成物は
最初に500〜800ppmAs+3の範囲内の砒素不純物
を含有した。反応器に中間生成物400g、50%市販
4.2mlおよびモリブデン酸アンモニウム触媒
36.8mgを装入した。反応物質は約2℃において35
分間反応させた。反応の最後に、Hは完全には分
解しなかった。反応後の最終反応混合物はAs+3580
ppmを含有した。結果は下記第7表に示す。
例24 この例では、上記装置において50%市販H(す
なわちリン酸塩安定剤含有)と触媒としてのモリブデン
酸アンモニウムおよびピロリン酸ナトリウムとを用い
て、中等度の低温において工業等級AHFから砒素不純
物を除去しようと努力した。工業等級AHFは最初に5
00〜800ppmAs+3の範囲内の砒素不純物を含有し
た。反応器に工業等級AHF400g、50%試薬等級
4.0ml、モリブデン酸アンモニウム14.7
mgおよびピロリン酸ナトリウム20.5mgを装入した。
反応物質を約15℃において45分間反応させた。反応
の最後にHは完全に分解した。反応終了時の反応
混合物は5ppm未満のAs+3を含有した。結果は下記第
7表に示す。SPはピロリン酸ナトリウムを表す。
例25 この例では、上記装置において50%商用等級H
(すなわちリン酸塩安定剤含有)と触媒としてのモリブ
デン酸アンモニウムおよびピロリン酸ナトリウムとを用
いて、中等度の高温において工業特級AHFから砒素不
純物を除去しようと試みた。この工業等級AHFは最初
に500〜800ppmAs+3の範囲内の砒素不純物を含
有した。反応器にAHF400g、50%商用等級H
(すなわちリン酸塩安定剤含有)4.0ml、モリブ
デン酸アンモニウム14.7mgおよびピロリン酸ナトリ
ウム触媒20.5mgを装入した。反応物質を約35℃に
おいて45分間反応させた。Hは反応の終了時に
完全に分解した。反応終了時の反応混合物は5ppm未満
のAs+3を含有した。結果は下記第7表に示す。
例26 この例では、上記実験室用装置において50%商用等級
(すなわちリン酸塩安定剤含有)と、触媒とし
てのモリブデン酸アンモニウムとを用いて、高温におい
て中間生成物から砒素不純物を除去しようと試みた。こ
の中間生成物は最初に500〜800ppmAs+3の範囲
内の砒素不純物を含有した。反応器に中間生成物402
g、50%商用等級H4.0mlおよびモリブデン
酸アンモニウム14.8mgを装入した。反応物質を約5
7℃において30分間反応させた。Hは反応の終
了時に完全に分解した。反応終了時の反応混合物は5pp
m未満のAs+3を含有した。結果は下記第7表に示す。
上記結果は、砒素が2℃で除去されないが、約15〜7
5℃の範囲内の如何なる温度においても容易に除去され
ることを示す。本発明の方法にとって好ましい温度範囲
は約50〜60℃である。砒素は約57℃より高い如何
なる温度においても容易に除去されると考えられるが、
高温は不必要に高い操作圧力を必要とする。広範囲な操
作温度範囲は約15〜75℃であると見積られる。
例27,28および29は本発明の方法の好ましい作用
に必要な滞留時間を説明する。
例27 この例は、上記装置において50%商用等級H
触媒としてのモリブデン酸アンモニウムおよびピロリン
酸ナトリウムとを用いることによって、非常に短い滞留
時間において工業等級AHFから砒素不純物を除去する
ために実施した。この工業等級AHFは最初に500〜
800ppmAs+3の範囲内の砒素不純物を含有した。反
応器にAHF400g、50%商用等級H4.0
ml、モリブデン酸アンモニウム14.7mgおよびピロリ
ン酸ナトリウム20.5mgを装入した。反応物質を約5
7℃において3分間反応させた。反応の終了時に、H
は完全に分解した。反応後に得られた反応混合物は
5ppm未満のAs+3を含有した。結果は下記の第8表に
示す。SPはピロリン酸ナトリウムを表す。
例28 この例は、上記装置において50%商用等級H
(すなわちリン酸塩安定剤含有)および触媒としての
モリブデン酸アンモニウムを用いて短い滞留時間で中間
生成物から砒素不純物を除去するために実施した。この
中間生成物は最初に500〜800ppmAs+3の範囲内
の砒素不純物を含有した。反応器に中間生成物406
g、50%商用等級過酸化水素2.6mlおよびモリブデ
ン酸アンモニウム7.5mgを装入した。反応物質を約5
7℃において15分間反応させた。反応の終了時に、過
酸化水素は完全に分解した。反応後の反応混合物は5pp
m未満のAs+3を含有した。結果は下記第8表に示す。
例29 この例は上記装置において50%商用等級過酸化水素
(すなわちリン酸塩安定剤含有)と触媒としてのモリブ
デン酸アンモニウムとを用いて長い滞留時間で中間生成
物から砒素不純物を除去するために実施した。この中間
生成物は最初に500〜800ppmAs+3の範囲内の砒
素不純物を含有した。反応器に中間生成物406g、5
0%商用等級過酸化水素9.2mlおよびモリブデン酸ア
ンモニウム37.4mgを装入した。反応物質を約57℃
において45分間反応させた。反応の終了時に、過酸化
水素は完全に分解した。反応後の反応混合物は5ppm未
満の砒素不純物を含有した。結果は下記第8表に示す。
上記の結果は、本発明の方法が満足できる作用のために
は3分間が充分であることを示唆する。この結果は、
又、15分間及び45分間の反応時間で満足できる作用
が得られることを示唆する。
3分未満及び45分より長い反応時間で満足できる作用
が得られることが予測されるが、本発明の方法に長い滞
留時間を用いることは経済的ではない。反応時間を3分
未満に減らすことによって得られる利益は大したことは
ない。本発明の方法の満足できる作用のために好ましい
反応時間は30〜45分間である。
例30,31,32,33及び34は本発明の方法の満
足できる作用に必要な触媒量を説明する。
例30 この例では、上記装置において、50%商用等級H
、モリブデン酸アンモニウム及びピロリン酸ナトリウ
ム触媒を用いて低レベルのモリブデン酸アンモニウム触
媒下で工業等級AHFから砒素不純物を除去しようと努
力した。工業等級AHFは最初は500〜800ppmA
+3の範囲内の砒素不純物を含んでいた。反応器にAH
F400g、50%商用等級H 4ml、モリブデ
ン酸アンモニウム1.5mgおよびピロリン酸ナトリウム
10.2mgを装入した。反応物質を約57℃において3
0分間反応させた。反応の終了時に、Hは完全に
分解した。反応の終了時に反応混合物は、5ppm未満の
As+3を含んでいた。結果は下記第9表に示す。
例31 この例では、上記装置において70%工業等級過酸化水
素、少量のモリブデン酸アンモニウムおよびピロリン酸
ナトリウム触媒を用いることによって、中間生成物から
砒素不純物を除去することを実施した。中間生成物は最
初は500〜800ppmAs+3の範囲内の砒素不純物を
含んでいた。反応器に中間生成物400g、70%工業
等級過酸化物2.9ml、モリブデン酸アンモニウム7.
4mgおよびピロリン酸ナトリウム10.1mgを装入し
た。反応物質を約57℃において50分間反応させた。
反応の終了時に、過酸化水素は完全に分解した。反応後
に得られた最終反応混合物は、5ppm未満のAs+3を含
んだ。結果は下記第9表に示す。
例32 この例では、上記装置内で50%商用等級過酸化水素及
び触媒としてモリブデン酸アンモニウムを用いることに
よって中間生成物から砒素不純物を除去しようと努力し
た。この場合には、ピロリン酸ナトリウム触媒は商用等
級過酸化水素から供給された。中間生成物は最初は50
0〜800ppmAs+3の範囲内の砒素不純物を含んでい
た。反応器に中間生成物403g、50%商用等級過酸
化水素2.0ml及びモリブデン酸アンモニウム触媒7.
4mgを装入した。反応物質を約57℃において30分間
反応させた。反応の終了時に、過酸化水素は完全に分解
した。反応後に得られた最終反応混合物は5ppm未満の
As+3を含んだ。結果は下記第9表に示す。第9表にお
いて、*は商用等級過酸化水素に含まれるリン酸安定剤
からの推測値を意味する。
例33 この例では、30%試薬等級過酸化水素、触媒として中
等量のモリブデン酸アンモニウム及びピロリン酸ナトリ
ウムを用いることによって中間生成物から砒素不純物を
除去しようと努力した。中間生成物は、最初は500〜
800ppmAs+3の範囲内の砒素不純物を含んでいた。
反応器に中間生成物450g、30%試薬等級過酸化水
素7.5ml、モリブデン酸アンモニウム16.6mg及び
ピロリン酸ナトリウム触媒23.0mgを装入した。反応
物質は約57℃において45分間反応させた。反応の終
了時に、過酸化水素は完全に分解した。反応後に得られ
た反応混合物は、5ppm未満のAs+3を含んだ。結果は
下記第9表に示す。
例34 この例では、50%商用等級過酸化水素(すなわちリン
酸塩安定剤を含有する)及び多量のモリブデン酸アンモ
ニウム触媒を用いることによって、中間生成物から砒素
不純物を除去しようと努力した。中間生成物は最初50
0〜800ppmAs+3の範囲内の砒素不純物を含んでい
た。反応器に中間生成物399g、50%商用等級過酸
化水素9.3ml及び触媒してモリブデン酸アンモニウム
257mg装入した。反応物質を約57℃において45分
間反応させた。反応の終了時に、過酸化水素は完全に分
解した。反応後に得られた反応混合物は、5ppm未満の
As+3を含んだ。結果は下記第9表に示す。
第9表の結果は、本発明の方法の満足できる作用のため
にモリブデン酸アンモニウム触媒の量が3.7〜645
ppmの範囲であることを示す。これらの結果はまた、本
発明の方法の満足できる作用のためにピロリン酸ナトリ
ウム触媒の量が3.5〜51ppmの範囲であることをも
示す。本発明の方法の満足できる作用のために必要な触
媒の好ましい量はモリブデン酸アンモニウム15〜40
ppmとピロリン酸ナトリウム25〜50ppmである。
例35(比較例) この例では、上記実験室用装置において30%試薬等級
過酸化水素と、触媒としてモリブデン酸アンモニウムお
よびピロリン酸ナトリウムとを用いて潤滑グリースによ
って汚染された中間生成物から砒素不純物を除去しよう
と試みた。この中間生成物は最切に500〜900ppm
As+3の範囲内の砒素不純物を含有した。反応器に中間
生成物400g、潤滑グリース40.4mg、30%試薬
等級過酸化水素6.7ml、モリブデン酸アンモニウム1
4.7mgおよびピロリン酸ナトリウム20.5mgを装入
した。反応物質を約57℃において45分間反応させ
た。反応終了時に過酸化水素は分解しなかった。反応後
の最終反応生成物は530ppmAs+3を含んだ。結果は
下記第10表に示す。
例36 この例では、上記実験室用反応器において30%試薬等
級過酸化水素、触媒としてのモリブデン酸アンモニウム
とピロリン酸ナトリウム、およびグリースの酸化剤とし
て硝酸からの硝酸塩を用いて、潤滑グリースによって汚
染された中間生成物から砒素不純物を除去しようと試み
た。この中間生成物は最初に500〜900ppmAs+3
の範囲内の砒素不純物を含有した。反応器に中間生成物
400g、潤滑グリース40.0mg、30%試薬等級過
酸化水素6.7ml、モリブデン酸アンモニウム14.7
mg、ピロリン酸ナトリウム20.5mgおよび硝酸3.4
mgを装入した。反応物質を約57℃において30分間反
応させた。反応終了時に過酸化水素は完全に分解した。
反応後の最終反応混合物は10ppmAs+3を含有した。
結果は下記第10表に示す。
例37 この例では、上記実験室用反応器において50%商用等
級過酸化水素、触媒としてのモリブデン酸アンモニウム
とピロリン酸ナトリウムおよびグリースの酸化剤として
の硝酸ナトリウムからの硝酸塩を用いて、潤滑グリース
によって汚染された中間生成物から砒素不純物を除去し
ようと試みた。この中間生成物は最初に500〜900
ppmAs+3の範囲内の砒素不純物を含んだ。反応器に中
間生成物400g、潤滑グリース100mg50%商用等
級過酸化水素40ml、モリブデン酸アンモニウム14.
7mg、ピロリン酸ナトリウム20.5mgおよび硝酸ナト
リウムム2.2mgを装入した。反応物質を約57℃にお
いて30分間反応させた。反応の終了時に過酸化水素は
完全に分解した。反応後の最終反応混合物は9ppmAs
+3を含有した。結果は下記10表に示す。
例38〜47 例38〜47では、過酸化水素と下記第11表に示した
触媒系を用いて、中間生成物から砒素不純物を除去する
ことを試みた。この中間生成物は工業等級無水フッ化水
素の製造プロセス中に得られたものであった。この中間
生成物は工業等級無水フッ化水素の二塔式精製系の第1
蒸留塔のリボイラー出口から得られた無水フッ化水素で
あった。過酸化水素と砒素の分析には標準分析方法を用
いた。過酸化水素分析は遊離ヨウ素の標準化チオスルフ
ェート滴定によって実施した。砒素分析はピリジン中の
ジエチルジチオカルバミン酸銀による砒素吸着と標準試
薬に対する分光測光法比較とによって実施した。
実験室試験に用いた装置は約800cc容量の円筒形軟鋼
テフロン(登録商標)被覆反応器から成るものであっ
た。反応器は温度制御のための熱水または冷水循環用ジ
ャケット付きであった。
反応前の中間生成物中の砒素不純物の初期値はAs金属
としての砒素500〜1500ppmの範囲内であった。
過酸化水素としては、50%商用等級Hを用い
た。上記実験室用反応器に中間生成物200g、過酸化
水素、第11表に示した種類と量の金属、および第11
表に示した種類と量のリン酸塩(Pと略記)成分を装入
し、これらの成分を約36〜62psigの圧力、約55〜
62℃の反応温度において、約60分間反応させた。S
Pはピロリン酸ナトリウムを表す。
例38と39は金属成分として無機モリブデン化合物を
用いて実施した。例40は第11表にMAAと略記した
アセチルアセトン酸モリブデンである有機モリブデン化
合物を用いて実施した。例41はバナジウム金属を用い
て実施した。例42は第11表にVAと略記した酢酸バ
ナジルである有機バナジウム化合物を用いて実施した。
例43〜47は無機バナジウム化合物を用いて実施し
た。
一般に、実験室実験の終了後に高純度無水フッ化水素を
得るために、最終的に反応した反応混合物を蒸留しなか
つた。しかし、実際の営利的実施では、高純度無水フッ
化水素生成物を得るために反応混合物を蒸留する。蒸留
した高純度無水フッ化水素生成物をAs+3に関して分析
する代りに、最終的に反応した反応混合物をAs+3に関
して分析した。蒸留した高純度無水フッ化水素中に存在
するAs+3は最終的に反応した反応混合物中に存在する
As+3以下であることが発見された。第11表中に示し
たH最終%はこの触媒系がHを分解するこ
とを示す。
フロントページの続き (72)発明者 ボクヘーン,バリー・ジョン カナダ国オンタリオ州エヌ8エヌ・1ビー 7,・セント・クレア・ビーチ・リバーサ イド・ドライブ・イースト 14055 (72)発明者 ワムサー,クリスチャン アメリカ合衆国ニューヨーク州13031,カ ミラス,レブハーン・ドライブ 207 (56)参考文献 特開 昭61−151002(JP,A) 米国特許4083941(US,A) 欧州特許公開27607(EP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】砒素汚染した無水フッ化水素からの砒素不
    純物レベルの低い無水フッ化水素の製造方法において、
    次の工程: (a)次の成分; (i)モリブデン、モリブデン化合物、バナジウムおよ
    びバナジウム化合物から成る群から選択される要素、お
    よび (ii)リン酸塩化合物 の触媒量から成る触媒の存在下において、前記無水フッ
    化水素を、無水フッ化水素中の揮発性三価砒素不純物を
    不揮発性の五価砒素化合物に酸化するために充分な温度
    および充分な期間において、砒素不純物を酸化するのに
    有効量の過酸化水素と接触させる工程; および (b)生成した混合物を蒸留して、砒素不純物レベルの
    低下した無水フッ化水素を回収する工程から成る方法。
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