Patents

Search tools Text Classification Chemistry Measure Numbers Full documents Title Abstract Claims All Any Exact Not Add AND condition These CPCs and their children These exact CPCs Add AND condition
Exact Exact Batch Similar Substructure Substructure (SMARTS) Full documents Claims only Add AND condition
Add AND condition
Application Numbers Publication Numbers Either Add AND condition

チキソトロピーを有するゲル状組成物

Abstract

(57)【要約】 【構成】(A)炭素原子数8〜22のアシル基を有する
N−長鎖アシル酸性アミノ酸塩と、(B)水とを重量比
で(A)/(B)=5/95〜30/70の範囲で含む
組成物から得られるチキソトロピーを有するゲル状組成
物、その製造法及びそれを基剤とするゲル状化粧料また
はゲル状洗浄剤組成物。 【効果】比較的低い界面活性剤濃度で、ゲル化促進剤を
添加することなくゲル化し、さらにチキソトロピーを有
する。使用部に塗布し易く、取扱い易いため使用感が良
く、さらに皮膚に対する刺激性が低く、容易に多量の油
成分を含有させることもできるので洗顔クリーム、クレ
ンジングクリ−ム等の化粧料、洗浄剤または外用医薬品
の基剤として用いることができる。

Landscapes

Show more

JPH0657290A

Japan

Other languages
English
Inventor
Masako Koyama
匡子 小山
Takeshi Kitano
健 北野
Current Assignee
Ajinomoto Co Inc

Worldwide applications
1993 JP

Application JP13796493A events
2002-03-04
Application granted
Anticipated expiration
Expired - Fee Related

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は炭素原子数8〜22のア
シル基を有するN−長鎖アシル酸性アミノ酸塩と、水と
から得られるゲル状組成物に係り、さらに詳しくは、静
置した状態では扱い易いゲル状で、力を加えると流動性
を示す、いわゆるチキソトロピーを有するゲル状組成
物、その製造法及びその用途に関する。
【0002】
【従来の技術】界面活性剤と水とを含有する組成物は、
化粧料や洗浄剤組成物などとして広く用いられている。
その形態としては固形、液状、クリーム状、ペースト状
およびゲル状のものがあり、このうち特にゲル状のもの
は、液だれすることがなく扱い易い、皮膚に塗布し易い
などの理由から好まれるようになってきた。
【0003】通常、界面活性剤と水とを含有する組成物
をゲル状の形態にするためには、組成物中の界面活性剤
の濃度を高めるか、または油成分、多価アルコール等ゲ
ル化の促進剤を添加する等の必要があった。しかしなが
ら、界面活性剤の濃度を高めてゲル状態にしたものは皮
膚刺激性が高い、得られたゲルが硬く使用感が悪いなど
の問題点があり、また油成分、多価アルコール等ゲル化
促進剤を添加してゲル状態にした場合には、界面活性
剤、水、ゲル化促進剤の比率が制限されてしまい、必ず
しも好ましい比率にすることはできなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】比較的低い界面活性剤
濃度で、ゲル化促進剤を添加することなくゲル化し、さ
らにチキソトロピーを有するゲル状組成物はこれまで知
られていなかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、炭素数8
〜22のアシル基を有するN−長鎖アシル酸性アミノ酸
塩の水溶液を加熱した後に急冷すれば、通常では溶液状
態であるはずのものがゲル状態となり、しかもこのゲル
状組成物がチキソトロピーを有することを見いだし、こ
の知見に基づき本発明を完成させるに至った。
【0006】すなわち本発明は、(A)炭素原子数8〜
22のアシル基を有するN−長鎖アシル酸性アミノ酸塩
と、(B)水とを重量比で(A)/(B)=5/95〜
30/70の範囲で含む組成物から得られるチキソトロ
ピーを有するゲル状組成物、その製造法及びその用途に
関するものである。
【0007】チキソトロピーとは、力を加えると時間と
ともに流動しやすくなる性質のことであり、化粧品など
においては有用な現象である。このチキソトロピーを示
す組成物を得るためには、従来は組成物にチキソトロピ
ックな性質を与える成分を添加する必要があったが、本
発明のゲル状組成物はそのような添加剤を加えることな
しでチキソトロピーを有する。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
用いられるN−アシル酸性アミノ酸塩のアシル基として
は、炭素原子数8〜22の飽和または不飽和脂肪酸より
誘導されるアシル基で、例えばラウリン酸、パルミチン
酸、ステアリン酸、オレイン酸等の単一組成の脂肪酸に
よるアシル基のほかに、やし油脂肪酸、牛脂脂肪酸、硬
化牛脂脂肪酸等の天然より得られる混合脂肪酸あるいは
合成により得られる脂肪酸のアシル基であっても良い。
酸性アミノ酸としてはグルタミン酸、アスパラギン酸、
システイン酸等が使用でき、これらのアミノ酸はL体、
D体、DL体にかかわらず使用できる。塩としてはナト
リウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、トリエ
タノールアミン、塩基性アミノ酸などの塩があげられ
る。N−アシル酸性アミノ酸塩は単独または2種以上を
組み合わせて使用してもよい。
【0009】N−長鎖アシル酸性アミノ酸塩と水との割
合は最終的な組成物中の重量比で5/95〜30/70
の範囲であり、好ましくは7/93〜20/80であ
る。5/95未満ではゲル状態にならず、30/70を
超えると得られたゲル状組成物はチキソトロピーを示さ
ない。
【0010】本発明のゲル状組成物はN−長鎖アシル酸
性アミノ酸塩と水とを混合、加熱し水溶液とした後、急
冷することによって容易に得られる。加熱温度は50℃
以上であればよいが、N−長鎖アシル酸性アミノ酸塩の
濃度が高く50℃では完全に溶解しない場合には、溶解
するまでさらに加熱する必要がある。操作性、経済性を
考慮すると、加熱温度は60〜95℃、好ましくは70
〜85℃である。冷却速度は用いるN−長鎖アシル酸性
アミノ酸塩の種類や濃度、組成物中にその他の成分が共
存する場合にはその成分の種類や濃度などによって変わ
るが、通常5℃/分、好ましくは10℃/分、更に好ま
しくは15℃/分以上の速度で冷却すればよい。1℃/
分以下では組成物はゲル状にはならず、溶液のままであ
る。冷却温度は室温までで充分であるが、氷冷してもな
んら問題はない。冷却方法としては、特に制限はなく、
通常用いられている方法、例えば反応器を氷浴につけ
る、加熱溶解液に氷または冷却した水を投入する、加熱
溶解液を冷却した溶液中に滴下する、などを採用すれば
よい。
【0011】本発明のゲル状組成物を製造する際には、
ゲル状態の形成およびチキソトロピーを失わない範囲内
で他の成分を添加することも可能である。また、ゲル状
組成物とした後に、他の界面活性剤、薬効剤、保湿成
分、抗炎症剤、殺菌剤、防腐剤、紫外線吸収剤、酸化防
止剤、有機及び無機粉体、色素、香料等通常、化粧料、
洗浄剤に用いられる添加剤を必要に応じて配合すること
もできる。
【0012】本発明のゲル状組成物は洗顔クリーム、ク
レンジング料などの化粧料、洗浄剤、などの基剤として
利用できるほか、その他の界面活性剤が用いられる各種
の用途に用いることができる。
【0013】本発明者らはさらに、本発明のゲル状組成
物に油成分を加え攪拌することにより簡単に乳化物とす
ることができ、しかも多量の油成分を組成物中に含有す
ることができるということを見いだした。
【0014】添加する油成分としては、液状油または固
体脂のいずれをも使用することができる。このようなも
のとしては、例えばパラフィン等の炭化水素類、オクチ
ルドデカノール等の高級アルコール類、ミリスチン酸オ
クチルドデシル、トリオクタン酸グリセリル、2−エチ
ルヘキサン酸トリグリセライド等の合成油、オリーブオ
イル、ホホバ油、スクワラン等の動植物油脂等があげ
れ、また用途に合わせて有機溶剤等も用いることができ
る。これらは単独あるいは2種以上組み合わせて使用し
てもよい。添加する油成分の配合割合は組成物中のN−
長鎖アシル酸性アミノ酸塩と水との合計量に対して重量
比で1/99〜90/10の範囲であり、好ましくは5
/95〜70/30である。油成分の添加はゲル状組成
物を調製した後に行ってもよいが、ゲル状組成物の調製
時に添加しておいてもよい。
【0015】このような油成分を配合されたゲル状組成
物は、化粧料、洗浄剤、外用医薬品の基剤として利用す
ることができる。
【0016】
【発明の効果】本発明のゲル状組成物は、比較的低い界
面活性剤濃度で、ゲル化促進剤を添加することなくゲル
化し、さらにチキソトロピーを有するという特徴を有
し、従来のものとは異なる全く新しいゲル状組成物であ
る。本発明のゲル状組成物は使用部に塗布し易く、取扱
い易いため使用感が良く、さらに皮膚に対する刺激性が
低く、容易に多量の油成分を含有させることもできるの
で洗顔クリーム、クレンジングクリ−ム等の化粧料、洗
浄剤または外用医薬品の基剤として用いることができ
る。
【0017】
【実施例】以下、実施例によりこの発明を詳細に説明す
る。尚、本実施例中の配合量は重量%である。
【0018】評価方法 評価は以下に示す評価方法を用いた。 1.緩和時間T2 の測定;パルスNMR(BRKER minisp
ec pc100)により25℃で測定した。 2.形態;目視により観察した。 3.取扱い易さ;10人の専門パネルにサンプル1mlを
一方の手の甲にのせ他方の指先でマッサージするように
のばす。その取扱い易さを、液だれがするまたはのびが
悪いとした人数が6人以上を×、5人以下を○とした。 4.安全性;健康な4羽のウサギをバリカンで刈毛し、
各試料溶液0.2mlをパッチ用ばん創膏に塗布し1羽当
りそれぞれ異なった試料を7ヶ所貼布する。24時間後
にばん創膏を剥しDraize法により判定を行った。評価ス
コアが6以上を×、6未満を○とした。 5.チキソトロピー;レオメーター(CONTRAVES社製rhe
omat 115)により25℃、最大ずり速度100(S-1
で測定した。構造破壊量が1000Pa/S以上をチキソ
トロピー有りとした。
【0019】実施例1 N−ステアリル−L−グルタミン酸モノナトリウム塩1
0%、精製水90%を70℃で攪拌しながら溶解させた
後、15℃/分の速度で20℃まで冷却しゲル状組成物
を得た。このゲル状組成物をレオメーターで測定した。
その結果を図1に示す。構造破壊量は1116.3Pa/
sであり、チキソトロピーを有していた。
【0020】比較例1 N−ステアリル−L−グルタミン酸モノナトリウム塩1
0%、精製水90%を70℃で攪拌しながら溶解させた
後、1℃/分の速度で20℃まで冷却した。このものは
図2のごとく構造破壊量は304.6Pa/sであり、チ
キソトロピーを有してなかった。
【0021】実施例2 表1に示す組成物を70℃で攪拌しながら溶解した後2
0℃まで冷却して調製し、評価を行った。本発明のゲル
状組成物は取扱い易く安全性に優れていた。
【0022】
【表1】
【0023】実施例3 ゲル状スクラブ洗顔料 70℃で溶解した下記A成分を、10℃前後に冷却した
下記B成分中に徐々に添加して混合した。得られたゲル
状スクラブ洗顔料はチキソトロピーを有し、使用感に優
れていた。 (A成分) ・N−ステアリル−L−グルタミン酸モノナトリウム塩 10.0(%) ・精製水 45.0 ・防腐剤 0.2 (B成分) ・精製水 43.7 ・アプリコット核粒 1.0 ・植物エキス 0.1
【0024】実施例4 ゲル状クレンジングクレーム 下記A成分を70℃で攪拌しながら溶解した後加熱を止
め、これに5℃で攪拌混合した下記B成分を5分以内で
滴下した。滴下終了時の系の温度は20℃であった。得
られたゲル状クレンジングクリームはチキソトロピーを
有し、使用感が良好であった。 (A成分) ・N−ステアリル−L−グルタミン酸モノナトリウム塩 4.0(%) ・1,3−ブチレングリコール 0.8 ・防腐剤 0.2 ・精製水 25.0 (B成分) ・スクワラン 50.0 ・オクチルドデカノール 10.0 ・グリセリルトリオクタノエート 8.0 ・ジメチルポリシロキサン 1.8 ・防腐剤 0.2
【0025】実施例5 ヘアトリートメント 下記A成分を70℃で攪拌しながら溶解した後、氷浴に
より15℃/分で20℃まで冷却してチキソトロピーを
有するゲル状組成物を得た。このゲル状組成物に室温に
て溶解あるいは分散させたB成分を滴下しながら攪拌
し、ヘアトリートメントを得た。このものは使用感が良
好であった。 (A成分) ・N−ミリストイル−L−グルタミン酸モノアルギニン塩 5.0(%) ・N−ココイル−L−グルタミン酸モノナトリウム塩 3.0 ・PCAソーダ 0.1 ・防腐剤 0.2 ・精製水 72.0 (B成分) ・流動パラフィン 10.0 ・オクチルドデカノール 4.5 ・塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 3.0 ・モノステアリン酸グリセリン 2.0 ・ビタミンE 0.1 ・紫外線吸収剤 0.1
【0026】実施例6 マッサージクリーム 下記A成分を70℃で攪拌しながら溶解した後、氷浴に
より15℃/分で20℃まで冷却してチキソトロピーを
有するゲル状組成物を得た。このゲル状組成物に室温に
て溶解あるいは分散させたB成分を滴下しながら攪拌
し、マッサージクリームを得た。このものは使用感が良
好であった。 (A成分) ・N−ステアロイル−L−グルタミン酸モノナトリウム塩 3.0(%) ・N−ラウロイル−L−グルタミン酸モノカリウム塩 1.0 ・グリセリン 0.2 ・防腐剤 0.2 ・精製水 38.0 (B成分) ・グリセリルトリオクタノエート 40.0 ・ホホバオイル 10.0 ・オクチルドデカノール 4.5 ・セタノール 3.0 ・ビタミンE 0.1
【0027】実施例7 住居用洗浄剤 下記A成分を70℃で攪拌しながら溶解した後、氷浴に
より15℃/分で20℃まで冷却してチキソトロピーを
有するゲル状組成物を得た。このゲル状組成物に室温に
て溶解あるいは分散させたB成分を滴下しながら攪拌
し、住居用洗浄剤を得た。このものは使用感が良好であ
った。 (A成分) ・N−パルミトイル−L−グルタミン酸モノナトリウム塩 3.0(%) ・N−ココイル−L−グルタミン酸モノナトリウム塩 5.0 ・精製水 42.0 (B成分) ・ミネラレターペン 50.0
【図面の簡単な説明】
【図1】10%N−ステアリル−L−グルタミン酸モノ
ナトリウム塩水溶液を急冷して得られた本発明のゲル状
組成物をレオメーターで測定した結果を示す。
【図2】10%N−ステアリル−L−グルタミン酸モノ
ナトリウム塩水溶液を徐冷して得られた水溶液をレオメ
ーターで測定した結果を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 7/50 9283−4C 47/18 F 7433−4C B01J 13/00 E 6345−4G C11D 17/00

Claims (5)
Hide Dependent

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)炭素原子数8〜22のアシル基を有
    するN−長鎖アシル酸性アミノ酸塩と、(B)水とを重
    量比で(A)/(B)=5/95〜30/70の範囲で
    含む組成物から得られるチキソトロピーを有するゲル状
    組成物。
  2. 【請求項2】前記(A)成分、(B)成分に加えて、
    (C)油成分を重量比で(C)/((A)+(B))=
    1/99〜90/10の範囲で含む組成物から得られる
    チキソトロピーを有するゲル状組成物。
  3. 【請求項3】(A)炭素原子数8〜22のアシル基を有
    するN−長鎖アシル酸性アミノ酸塩と、(B)水とを重
    量比で(A)/(B)=5/95〜30/70の範囲で
    含む組成物を加熱溶解後急冷することを特徴とする請求
    項1記載のゲル状組成物の製造法。
  4. 【請求項4】請求項1または2記載のチキソトロピーを
    有するゲル状組成物を基剤とするゲル状化粧料。
  5. 【請求項5】請求項1または2記載のチキソトロピーを
    有するゲル状組成物を基剤とするゲル状洗浄剤組成物。