JPH0651092B2 - 酸素富化膜 - Google Patents

酸素富化膜

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JPH0651092B2
JPH0651092B2 JP1717786A JP1717786A JPH0651092B2 JP H0651092 B2 JPH0651092 B2 JP H0651092B2 JP 1717786 A JP1717786 A JP 1717786A JP 1717786 A JP1717786 A JP 1717786A JP H0651092 B2 JPH0651092 B2 JP H0651092B2
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fumarate
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徹 河口
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ト−メ−産業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は酸素富化膜に関し、さらに詳しくは薄膜製造が
容易でしかも薄膜としての機械的強度を有し、酸素透過
係数が大きく、特に空気から膜を用いて酸素濃度の高い
空気を酸素富化膜に関する。
〔従来の技術〕
従来、空気から酸素ガスを分離する工業的技術としては
液体空気成分の沸点差を利用した深冷分離法やゼオライ
ト等のガス選択吸着性を利用した、吸・脱着法が用いら
れている。これらの分離法は高濃度の酸素ガスを多量に
生産するには適しているが、設備コストや運転コストが
高いという不利な面を併せ持っている。これに対し、最
近わずかなエネルギーで酸素ガスを分離・濃縮できる膜
分離法が注目を集めている。
膜分離法は酸素ガスを選択的に透過させる酸素富化膜
(高分子膜)を用いて酸素富化用モジュールを構成し、
この酸素富化膜で仕切られた一方の空間に原料である空
気を高圧あるいは常圧で供給し、他方の空間を常圧ある
いは減圧に吸引することにより、膜を通して高酸素濃度
の空気を生産するものである。
酸素富化膜としてたとえば、高分子多孔膜(特開昭55
−8803号公報)、フッ素を含むシリコーン系ゴム多
孔性ポリテトラフルオロエチレン(特開昭56−512
1号公報)、架橋ポリオルガノシロキサン−直鎖ポリオ
ルガノシロキサン共重合体(特開昭56−26508号
公報)、セルロースモノカルボン酸エステル(特開昭5
6−26526号公報)、スチレンシロキサンポリマー
α、ω−2官能ポリシロキサン架橋ポリマー(特開昭5
6−58604号公報)、ポリ(4−メチルペンテン−
1)(特開昭57−4203号公報)、ポリ(ターシャ
リーブチルアセチレン)(特開昭59−42004号公
報)等、種々の提案がなされている。
しかしながら、酸素透過係数(以下Dkと称す)、分離
係数PO2/PN2 (αと称す)、薄膜化しうる加工性、低
コスト等のすべてを満足しうるものはなかった。
さらに、高分子予稿集第34巻第3号第420頁(19
85)には、ポリ(ジターシャリーブチルフマレート)
はポリ(4−メチルペンテン−1)に比較してDkで4
倍、αはほぼ等しい値を有していることが報告されてい
るが、このポリマーは非常に硬く、脆いために薄膜化が
困難であると共に、高酸素透過性を得るには特に高分子
量重合体を分別精製しなければならないという問題点が
あった。
〔発明が解決しようとする問題点〕
そこで、本発明者は上記のような問題点を解決しうる酸
素富化膜をうるべく、鋭意研究を重ねた結果、ある種の
フマル酸ジエステルを用いた場合、すぐれたDkおよび
αが得られ、しかも薄膜化しうる機械的強度を有すると
いう事実を見出し、本発明を完成するにいたった。
〔問題点を解決する手段〕
即ち本発明は、2種以上のフマル酸ジエステルを主成分
とする共重合体からなり、前記フマル酸ジエステルの少
なくとも1種がジアルキルフマレートであることを特徴
とする酸素富化膜に関する。
本発明の主成分はフマル酸ジエステルであるが、ジアル
キルフマレート以外のフマル酸ジエステルは極めて単独
重合が困難なため、ジアルキルフマレートは必須成分と
して用いられる。
本発明のジアルキルフマレートとしては、例えば一般式
(I): (式中、R1 はC1 〜C13の直鎖状、分枝状、環状のア
ルキル基である。) で表され、具体的には例えば、ジエチルフマレート、ジ
プロピルフマレート、ジブチルフマレート、ジペンチル
フマレート、ジオクチルフマレート、ジドデシルフマレ
ート等の直鎖状、分枝状のアルキルフマレート;ジシク
ロヘキシルフマレート、ビス(ターシャリーブチルシク
ロヘキシル)フマレート、ビス(トリメチルシクロヘキ
シル)フマレート等のアルキル置換されたまたはアルキ
ル置換されていない環状アルキルフマレートなどが挙げ
られるが、中でもアルキル基のβ水素の数の多い、ジタ
ーシャリーブチルフマレート、ジイソプロピルフマレー
ト、ジシクロヘキシルフマレート、ジターシャリーアミ
ルフマレート等が単独重合しやすいので好ましく、さら
にジターシャリーブチルフマレートが最も好ましい。
また、前記β水素の多いフマル酸ジエステルのホモポリ
マーは一般に硬くて脆いので、直鎖のジアルキルフマレ
ート、例えばジエチルフマレート、ジn−ブチルフマレ
ート、ジn−オクチルフマレート等を共重合すると機械
的強度(脆性)が改善される。
前述のような共重合体であってもDk、αに優れた材料
を得ることができるが、さらにビス(フルオロアルキ
ル)フマレートやビス(オルガノシリコン含有アルキ
ル)フマレート等を共重合することによりさらにすぐれ
たDk、αを得ることができる。
前記ビス(フルオロアルキル)フマレートとしては、例
えば一般式(II): (式中、kは0〜3の整数、Aは −Ca b 2a+1-b で表されaは1〜21の整数、bは0または1であ
る。) で表されるが中でもaは1〜6が好ましく、その具体例
としては、ビス(トリフルオロエチル)フマレート、ビ
ス(テトラフルオロプロピル)フマレート、ビス(ヘキ
サフルオロイソプロピル)フマレート、ビス(2,2,3,3,
4,4,5,5,6,6,7,7-ドデカフルオロペンチル)フマレー
ト、ビス(2−ヒドロキシ−4,4,5,5,6,7,7,7-オクタフ
ルオロ−6−トリフルオロメチルヘプチル)フマレート
等が好ましく用いられる。
さらに、前記ビス(オルガノシリコン含有アルキル)フ
マレートとしては例えば一般式(III): (式中、Qは で表され、lは0または1であり、mは1または3であ
る。Pは または または -SiOSi(CH3)3)3-p (OSiH(CH3)2)q または −Z であり、qは1〜3の整数、nは2または3であり、X
1,1,1,は同じかまたは異なり、 −R または であり、 X2,2,2,は同じかまたは異なり、 −R または -OZ3 または である。
であり、rは2〜4の整数であり、R2,3 は同じかま
たは異なり炭素数1〜3のアルキル基またはフェニル基
である。) で表されるが、R2 はメチル基、R3 はイソプロピル基
であるのが好ましく、その具体例としては、ビス(トリ
メチルシリルプロピル)フマレート、ビス(ペンタメチ
ルジシロキサニルプロピル)フマレート、ビス((トリ
メチルシリルオキシ)テトラメチルジシロキサニルプロ
ピル)フマレート、ビス((トリメチルビス(トリメチ
ルシリルオキシ)ジシロキサニル)プロピル)フマレー
ト、ビス((テトラキス(トリメチルシリルオキシ)ト
リメチルトリシロキサニル)プロピル)フマレート、ビ
ス(テトラメチルトリイソプロピルシクロテトラシロキ
サニルプロピル)フマレート、ビス(テトラメチルトリ
イソプロピルシクロテトラシリルオキシビス(トリメチ
ルシリルオキシ)シリルプロピル)フマレートなどが好
ましく用いられる。
中でも、ビス(トリフルオロエチル)フマレート、ビス
(ヘキサフルオロイソプロピル)フマレート、ビス
((トリメチルビス(トリメチルシリルオキシ)ジシロ
キサニル)プロピル)フマレート等が、合成や精製の容
易さの点から好ましい。
本発明の酸素富化膜にはフマル酸ジエステル全量100
モル部に対して前述の単独重合し易いジアルキルフマレ
ート50〜95モル部使用するのが好ましい。50モル部以下
では重合度や重合率が低下し、95モル部以上では脆くな
りすぎる。従って、他のフマル酸ジエステルは5〜50モ
ル部使用することとなるのであるが、弾力性などを変化
させるためにフマル酸ジエステル以外の共重合可能なモ
ノマーを使用することも可能である。その際にはDkや
αを低下させることのないように、フマル酸ジエステル
全量100モル部に対して20モル部以下で使用すべきで
ある。
上記化合物の重合方法としては、塊状重合、懸濁重合、
溶液重合などの通常のラジカル重合方法を使用し、50〜
110 ℃の温度で行うことができる。なかでも塊状重合を
行った場合、重合率が高くなるので特に好ましい。また
使用しうる重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル、ア
ゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニ
トリルなどが挙げられるが、これらのものは単独で用い
てもよく、また2種以上を併用してもよい。該重合開始
剤の使用量はモノマー全量100モル部に対して0.01〜
1.0 モル部であるのが好ましい。
本発明における共重合体はジエチルエーテル、クロロホ
ルム、ベンゼン等に溶解しポリマー溶液とすることがで
き、これをキャストすることにより酸素富化膜を作製す
ることができる。また、約数〜数十μmの間隙中にモノ
マー混合物を入れて重合させ、薄膜状の酸素富化膜を得
ることもできる。
本発明においては一般によく知られた方法により膜を調
製することができる。たとえば、ポリマー溶液を平滑な
表面を有する固体(例えばガラス、金属など)または液
体平面(例えば錐面)上に流延して溶媒を蒸発させる方
法、などがある。また膜の形状については、平膜状、管
状、中空繊維状、糸状などがあるが、本発明においては
いずれの形態にも適用できる。また必要により支持体と
複合化することもできる。支持体としては、抽出法、抄
紙法、相分離法、延伸法などの種々の方法で作られた多
孔質の支持体(たとえば、和紙、濾紙、合成紙、濾過
膜、限外濾過膜、ポリプロピレン多孔質膜のようなプラ
スチック多孔質膜など)、編織物状支持体(布など)、
不織布支持体(不織布など)、金網などがあげられる。
複合化の方法は公知の方法でよく、たとえば支持体上に
希薄溶液を塗布後乾燥する方法や、水面上で形成された
膜を支持体上で加圧密着させたり、すくい上げたり、支
持体を通して吸引密着させたりして支持体と複合化させ
るなどの複合化法を用いることができる。これらの支持
体と膜の間に接着剤などを存在させて支持することもで
きる。さらに支持体上に膜を支持せしめたものを加熱処
理してもよい。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、
本発明は実施例のみにより限定されるものではない。
(実施例1) ジターシャリーブチルフマレート0.022 モル(5.0g)およ
びビス(2,2,2-トリフルオロエチル)フマレート0.0055
モル(1.54g)を50mlのガラス製アンプルに入れ、さらに
重合開始剤として過酸化ベンゾイル2.75×10-5モル(0.0
67g)を入れた後、減圧(10-3mmHg)して密封し、72℃で17
時間重合反応させた。反応終了後えられた反応混合物を
100mlのクロロホルムに溶解し、次に大量のメタノール
中に投入して沈澱を生じせしめ、この沈澱を濾別し乾燥
して重合体を得た。
得られた重合体0.2gをジエチルエーテル10mlに溶解し70
mmφのシャーレ上に流延してキャスティングを行い、膜
圧25μmの膜を得た。得られた膜を剥離した後48時間以
上真空乾燥を行い、空気透過テストを行ってDkおよび
αを測定した。結果を他の実施例の結果と共に表1に示
す。尚、Dkの測定条件は次の通りである。
Dk:低真空法を用い、ガスクロ検出を行った。測定温
度は35℃、測定ガス圧は0.5kg/cm2であり、単位は で表す。
(実施例2〜8) 配合、重合開始剤および重合条件を変えた以外は実施例
1と同様に操作した結果を実施例1と共に表1に示す (実施例9) ジターシャリーブチルフマレート4.39×10-3モル(1.0
g)、ビス(3-(3,3,3-トリメチル-1,1−ビス((トリメチ
ルシリル)オキシ)ジシロキサニルプロピル)フマレー
ト3.59×10-3モル(2.83g)および重合開始剤として過酸
化ベンゾイル7.99×10-6モル(0.0019g)を混合し、50℃
に加熱して溶解させた。その溶液を真空ライン中でよく
脱気し窒素置換した後、この混合液を約50μmの間隙を
有するガラス板(100mm平方)中に満たし、70℃の送風乾
燥器中で24時間重合させた。さらに100℃にて時間加熱
した後室温に戻し、無色透明なフィルムを得た。得られ
た膜について空気透過テストを行った結果、Dkは1.63
×10-8であり、αは2.73であった。
(実施例10) ジターシャリーブチルフマレート4.39×10-3モル(1.0
g)、ビス(3-(3,3,3-トリメチル-1,1−ビス((トリメチ
ルシリル)オキシ)ジシロキサニルプロピル)フマレー
ト2.19×10-3モル(1.73g)、ビス(2,2,2-トリフルオロエ
チル)フマレート7.31×10-4モル(0.20g)および重合開始
剤として過酸化ベンゾイル7.31×10-6モル(0.0018g)を
混合し、50℃に加熱して溶解させた。その後は実施例9
と同様に操作した結果、Dkは1.43×10-8であり、αは
2.83であった。
(比較例1) モノマーとしてジターシャリーブチルフマレートのみを
用い、その他は実施例1と同様に操作したところ、かか
る重合体は極めて脆く、製膜できるものではなかった。
〔発明の効果] 本発明の酸素富化膜は、酸素透過係数および分離係数に
すぐれ、かつ製膜も容易なため各種の形状、各種の支持
体上にて使用できる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2種以上のフマル酸ジエステルを主成分と
    する共重合体からなり、前記フマル酸ジエステルの少な
    くとも1種がジアルキルフマレートであることを特徴と
    する酸素富化膜。
JP1717786A 1986-01-29 1986-01-29 酸素富化膜 Expired - Lifetime JPH0651092B2 (ja)

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JP1717786A JPH0651092B2 (ja) 1986-01-29 1986-01-29 酸素富化膜

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JP1717786A JPH0651092B2 (ja) 1986-01-29 1986-01-29 酸素富化膜

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JPS62176518A JPS62176518A (ja) 1987-08-03
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DE69222421T3 (de) * 1991-07-09 2006-04-20 Scimat Ltd. Polymer-Folie und Verfahren zu deren Herstellung
JP2014109002A (ja) * 2012-12-03 2014-06-12 Tosoh Corp フマル酸ジエステル系樹脂及びそれを用いた位相差フィルム

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