JPH0648912A - 低臭・低刺激性歯科用材料 - Google Patents

低臭・低刺激性歯科用材料

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JPH0648912A
JPH0648912A JP4204927A JP20492792A JPH0648912A JP H0648912 A JPH0648912 A JP H0648912A JP 4204927 A JP4204927 A JP 4204927A JP 20492792 A JP20492792 A JP 20492792A JP H0648912 A JPH0648912 A JP H0648912A
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low
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meth
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JP4204927A
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Naoki Yamamoto
直己 山本
Hitoshi Ishita
仁 位下
Hiroko Yamazaki
宏子 山崎
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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  • Dental Preparations (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 低臭気、低刺激性で、重合体の吸水率が低
く、ポリマー粉末と混合した際に適切な餅状化時間を呈
する歯科用材料の提供。 【構成】 一般式 【化1】 (式中、mは0以上の整数、nは2以上の整数を示し、
かつm+nは2以上の整数であり、Rは水素原子または
メチル基を示す。)で示されるメタアクリル酸エステル
系化合物が配合されてなる歯科用材料。必要によりこれ
と共重合可能な多官能メタクリレートが配合されてもよ
く、またこれらのモノマー成分に溶解もしくは膨潤可能
な有機重合体が更に配合されてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定のメタアクリル酸
エステル系化合物が配合されて成る歯科用材料に関す
る。
【0002】
【従来の技術】現在、合成高分子を素材とする歯科材料
が多数開発されている。例えば(1)化学重合型および
光重合型コンポジットならびに即硬化性レジン(即重合
性レジン)等の歯冠修復材料、(2)グラスアイオノマ
ーセメントおよびカルボキシレートセメント等の仮封・
裏層材、(3)メチルメタクリレート系ならびに多官能
メタクリレート系の長期接着剤、(4)瞬間接着剤等の
暫間接着剤、(5)化学重合型および光重合型小窩裂溝
封鎖材(シーラント)、(6)加熱重合型および光重合
型硬質歯冠用レジン等の人工歯冠材料、(7)ポリカー
ボネートクラウンおよび歯冠色即硬化性レジン等の暫間
歯冠材料、(8)レジン歯、ポリサルホン歯およびポリ
カーボネート歯等の人工歯(義歯)材料、(9)加熱重
合型、常温重合型(含流し込み型)および射出成形アク
リリックレジンならびに接着性床用レジン等の義歯床材
料、(10)寒天、アルジネート、ポリサルファイドゴ
ム、シリコンラバー、ポリエーテルラバーおよび(メ
タ)アクリル系機能印象材等の印象材料、(11)エポ
キシ模型材料等の模型材料、(12)パラフィンワック
ス、インレーワックス、ユーティリティーワックス等の
ワックス・ろう型材、(13)個人トレーおよび既製ト
レー等のトレー材料等、各材料ごとに要求される性能な
いし機能が著しく異なるものが種々実用に供されてい
る。
【0003】これらのうち、例えば義歯、義歯床、義歯
もしくは義歯床裏装材、補修(リベース)用即時重合レ
ジン等の補綴材料は、無色透明、着色が容易で審美性が
あり、かつ加工性のよいことが要求される。このような
観点からポリメチルメタクリレート(以下、PMMAと
略記する)やポリエチルメタクリレート(以下、PEM
Aと略記する)、メチルメタクリレート(以下、MMA
と略記する)/エチルメタクリレート共重合体等の多く
は粉体であるポリマー成分と、MMA等の単官能性モノ
マー成分と、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレー
ト、トリメチロールプロパントリメタクリレート等の多
官能性モノマー成分とに、ラジカル重合開始剤を混合し
たものが用いられる。また、コンポジットレジンや硬質
歯冠用レジン等は単官能性モノマー、多官能性モノマー
および無機フィラーにラジカル重合開始剤を配合したも
のが用いられ、歯冠用レジン、シーラント、接着剤等で
は単官能性モノマーおよび多官能性モノマーとラジカル
重合開始剤との組み合わせが用いられ、いずれの場合も
モノマー成分としては、MMA等の(メタ)アクリル系
モノマーが用いられている。
【0004】上記の補綴材料は、モノマー成分とポリマ
ー成分を適切な比率で混和して所定の型枠中に入れ、室
温または加熱下で重合することによって得られるが、こ
の混和物は混和当初の液体で濡れた砂状の状態から糸を
引く状態を経由して所謂餅状(dough stag
e)になる。この段階でモノマーとポリマーとが相互溶
解して可塑化が進み、軟らかい餅状となって、手で触れ
てもつかなくなり、容器からも離れるようになるため、
所定の型枠中に装填するのに最も適した状態になる。こ
の過程は幾つかの要因により左右されるが、補綴材料の
場合はこの餅状になっている時間が適切な長さであるこ
とが歯科技工上重要なポイントの1つとなり、この点で
もモノマー成分としてはMMAを初めとする(メタ)ア
クリル系モノマーが適している。また、最近ではこのM
MAの代替品として特定のジエステル化合物が特開昭6
2−178502号公報において提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来、歯科用
途で広く用いられているMMA等の(メタ)アクリル系
モノマーは、 強い不快臭がある、 皮膚、粘膜への刺激性が極めて高い、 重合体の吸水率が大きい、 等の問題があり、特開昭62−178502号のジエス
テル化合物の場合もこれらの問題点が充分に改良されて
いなかった。したがって、補綴材料として上記の問題が
なく、しかも適切な長さの餅状化時間を有するモノマー
の提供が要望されていた。
【0006】また、コンポジットレジンや硬質歯冠用レ
ジン、歯冠用レジン、シーラント、接着剤等の用途面で
は餅状化時間は不要となるものの、強い不快臭、高い刺
激性はやはり問題となり、これらの用途においても上記
の問題のないモノマーの提供が要望されていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような状況に鑑み、
本発明者らは上記の問題点を解決するために鋭意検討し
た結果、特定のメタアクリル酸エステル系化合物が低臭
気、低刺激性であり、重合体の吸水率が小さく、更に、
ポリマー粉体と混合した時、適切な長さの餅状化時間を
有していることを見出し、本発明に到達した。
【0008】即ち、本発明の要旨は、下記一般式〔I〕
【0009】
【化4】 (式中、mは0または1以上の整数、nは1以上の整数
を示し、かつm+nは2以上の整数であり、Rは水素原
子またはメチル基を示す。)で示されるメタアクリル酸
エステル系化合物が配合されて成る低臭・低刺激性歯科
用材料である。
【0010】また、この低臭・低刺激性歯科用材料に
は、一般式〔I〕で示される化合物と共重合可能な多官
能メタクリレートが更に配合されていてもよく、あるい
は前記多官能メタクリレートに加えてこれらのモノマー
成分に溶解もしくは膨潤可能な有機重合体が更に配合さ
れていてもよい。
【0011】
【作用】本発明の低臭・低刺激性歯科用材料に用いられ
る前記一般式〔I〕の化合物において、そのオキシエチ
レン基のユニットの数を表わす整数mおよびオキシプロ
ピレン基のユニットの数を表わす整数nは、それぞれm
が0以上の整数で、nが1以上の整数で、かつm+nが
2以上の整数であれば、特に制限はない。しかし、低臭
・低刺激性歯科用材料として望まれる条件、すなわち、
低臭気、低刺激性であり、かつ重合体の吸水率、機械的
強度さらには二成分系補綴材料として用いる場合に必要
な餅状化時間などを考慮すると、m+nが2〜10であ
ることが好ましく、m+nが2〜6であることがより好
ましい。また、mが0の場合には、nは2〜5であるこ
とが特に好ましい。
【0012】このような、前記一般式〔I〕で表わされ
るメタアクリル酸エステル系化合物のうちの好ましい具
体例として、下記の化合物が挙げられる。
【0013】
【化5】
【0014】
【化6】 本発明では、低臭、低刺激性を維持できる範囲であれば
必要に応じて、前記一般式〔I〕で示されるメタアクリ
ル酸エステル系化合物と共重合可能な他のモノマー成分
を配合することもできる。該モノマーの具体例として
は、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)
アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、
(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸シ
クロヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メ
タ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル等の単官能性モ
ノマー;ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、ジ
(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、ジ(メタ)
アクリル酸トリエチレングリコール、ジ(メタ)アクリ
ル酸テトラエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸
ペンタエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ヘキ
サエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ヘプタエ
チレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸オクタエチレ
ングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ノナエチレングリ
コール、ジ(メタ)アクリル酸1,3−ブチレングリコ
ール、ジ(メタ)アクリル酸プロピレングリコール、ジ
(メタ)アクリル酸1,3−ブタンジオール、ジ(メ
タ)アクリル酸1,4−ブタンジオール、ジ(メタ)ア
クリル酸1,5−ペンタンジオール、ジ(メタ)アクリ
ル酸1,6−ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸
1,7−ヘプタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,
8−オクタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,9−
ノナンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,10−デカ
ンジオール、ジ(メタ)アクリル酸ネオペンチルグリコ
ール、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキ
シエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メ
タクリロイルオキシポリエトキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス〔4−(3−メタクリロイルオキシ−2−
ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕プロパン、ジ(メタ
クリロイルオキシエチル)トリメチルヘキサメチレンジ
ウレタン、トリ(メタ)アクリル酸テトラメチロールメ
タン、トリ(メタ)アクリル酸トリメチロールプロパ
ン、トリ(メタ)アクリル酸トリメチロールエタン、テ
トラ(メタ)アクリル酸テトラメチロールメタン等の多
官能性モノマーが挙げられ、これらの1種以上を配合す
ることができる。
【0015】中でも、ジメタクリル酸エチレングリコー
ル、ジメタクリル酸トリエチレングリコール、ジメタク
リル酸1,6−ヘキサンジオール、2,2−ビス(4−
メタクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパン、ジ
メタクリル酸ネオペンチルグリコール、トリメタクリル
酸トリメチロールプロパン等の多官能メタクリレートが
好ましいものとして挙げられ、歯科用材料から得られる
硬化物の機械的強度などを向上させる。
【0016】本発明の歯科用材料において、前記一般式
〔I〕で表わされるメタアクリル酸エステル系化合物と
前記共重合可能な他のモノマー化合物との配合比率は、
低臭、低刺激性を維持する範囲内であれば、任意に設定
できるが、メタアクリル酸エステル系化合物が20重量
%以上であることが好ましく、30重量%以上であるこ
とがより好ましい。また、歯科用材料中の単官能性モノ
マー成分中、前記一般式〔I〕で表わされるメタアクリ
ル酸エステル系化合物が50重量%以上であることが特
に好ましい。
【0017】本発明の歯科用材料においては、前記一般
式〔I〕で表わされるメタアクリル酸エステル系化合物
およびこれと共重合可能な他のモノマー化合物(以下、
これらをモノマー成分と略称する)に溶解もしくは膨潤
可能な他の成分として、さらに有機重合体を配合するこ
ともできる。有機重合体の具体例としては、PMMA、
PEMA、MMA/エチルメタクリレート共重合体、M
MA/ブチルメタクリレート共重合体、ポリスチレン、
ポリブチルメタクリレート、MMA/スチレン共重合
体、エチルメタクリレート/ブチルメタクリレート共重
合体、エチルメタクリレート/スチレン共重合体、ポリ
アクリレート、ポリメタクリレート、ポリアクリロニト
リル、スチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレン
/アクリロニトリル/ブタジエン共重合体、ポリカーボ
ネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポ
リプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、シリコーン樹
脂などが挙げられる。中でもPMMA、PEMA、MM
A/エチルメタクリレート共重合体、MMA/ブチルメ
タクリレート共重合体、ポリスチレン、ポリブチルメタ
クリレート、MMA/スチレン共重合体、エチルメタク
リレート/ブチルメタクリレート共重合体、エチルメタ
クリレート/スチレン共重合体およびこれらの有機重合
体と他の重合体との混合物であることがモノマー成分に
適度な溶解性を発現する上で好ましい。
【0018】有機重合体の分子量及び平均粒子径につい
ては特に制限されないが、例えば義歯、義歯床、義歯も
しくは義歯床裏装材、補修用即時重合レジン等の補綴材
料として使用する場合、モノマー成分との溶解性および
得られる硬化物の機械的強度などを考慮すると、分子量
について1万〜150万、好ましくは5万〜100万の
範囲、平均粒子径については1μm〜150μm、好ま
しくは10μm〜100μmの範囲である。
【0019】有機重合体成分とモノマー成分との配合比
についても広い範囲から選択できるものの、例えば上記
と同様の補綴材料用として使用する場合、特に硬化物の
機械的強度などを考慮すると、有機重合体成分10重量
部に対してモノマー成分は1〜140重量部、好ましく
は2〜110重量部、特に好ましくは4〜85重量部で
ある。
【0020】補綴材料とするための重合硬化剤として
は、公知の化合物を使用することができるが、加熱硬化
させる場合には、加熱時に分解して重合を開始しうる物
質、例えば過酸化ベンゾイル、クメンヒドロパーオキシ
ド、t−ブチルヒドロパーオキシド、ジクミルペルオキ
シド、過酸化アセチル、過酸化ラウロイル、アゾビスイ
ソブチロニトリルなどが挙げられる。また常温で重合硬
化させる場合には、例えば過酸化物とアミン類、過酸化
物とスルフィン酸類、または過酸化物とコバルト化合物
類などを組合せたものが使用できる。重合開始剤を組合
せて使用する場合には、組成物を2分割し、一方に過酸
化物を配合し、他方にアミン類、スルフィン酸類または
コバルト化合物類などを配合して使用することができ
る。上記硬化剤の使用量は、全モノマー成分に対して
0.01〜15重量%、好ましくは0.05〜10重量
%、特に好ましくは0.1〜7重量%である。
【0021】また紫外線、可視光線等の光照射による重
合硬化を行う場合には、公知の光増感剤が使用され、例
えばベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエー
テル、ベンゾインプロピルエーテル等のベンゾインアル
キルエーテル類、ベンジル、ビアセチル、カンファーキ
ノン等のα−ジケトン類、ベンゾフェノン、メトキシベ
ンゾフェノン等のベンゾフェノン類が好適に使用され
る。また上記光硬化の場合、光増感剤に、さらに硬化促
進剤を添加することもできる。促進剤としてはアミノ安
息香酸エステル、トルイジン、ベンジルアミン、アミノ
メタクリレート等のアミン類などが好適に使用される。
【0022】これら光硬化剤の使用量は、全モノマー成
分に対して0.01〜15重量%、好ましくは0.05
〜10重量%、特に好ましくは0.1〜7重量%であ
る。
【0023】また、例えば義歯、義歯床材料のように機
械成形する場合の成形方法としては、例えば圧縮成形、
注入成形、射出成形等の従来公知の成形技術が適用され
得る。
【0024】本発明の歯科用材料には、さらに必要に応
じて、無機フィラー、着色剤、重合禁止剤、紫外線吸収
剤、酸化安定剤などを配合することもできる。
【0025】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。 実施例1〜16、比較例1〜4 一般式〔I〕で示されるメタアクリル酸エステル系化合
物として表1に示す化合物を使用して、臭気試験、刺激
試験およびポリマー溶解性試験を実施した。
【0026】
【表1】
【0027】
【化7】 各試験方法の概要を以下に示し、結果を表2にまとめて
示した。 〔試験方法〕 ・臭気試験:年齢20〜30才の不特定の5人を試験者
として選定し、下記評価基準により試験を実施した。な
お、該試験者間で評価がくい違う場合は3人以上の試験
者が同一評価を下すまで再試験を実施した。
【0028】<評価基準> ○…微臭 △…弱臭 ×…強い刺激臭 ・刺激試験:年齢20〜30才の不特定の5人を試験者
として選定し、各人の舌先にサンプルを1滴滴下して、
1分後の痛みの状況について、下記評価基準により試験
を実施した。
【0029】<評価基準> ○…ほとんど痛みがない △…若干痛む ×…非常に強く痛む ・ポリマー溶解性試験:平均分子量230×103 、平
均粒子径25μmのポリエチレルメタクリレート粉体濃
度を20重量%として、混合攪拌し5時間後の状況を下
記評価基準をもって試験を実施した。
【0030】<評価基準> S …可溶 SW…膨潤 IS…不溶 ・皮膚一次刺激試験 (1)供試動物および動物数 ウサギ日本白色系(静岡実験動物) 6匹 (2)供試薬物、塗布法および期間 ウサギ背部を電気バリカンにて毛を除毛し、4区画にわ
け脱毛剤にて脱毛、お湯で脱毛剤を洗浄後1日経過、発
赤の観察されないものを使用した。塗布箇所は、供試薬
物1検体につき非擦過および擦過皮膚(18ゲージ輸血
針を用い#状の擦過傷作成)とした。
【0031】なお、検体は1区画につき0.5mlと
し、ガーゼで押え蒸発を防ぐため油紙、網包帯、テープ
で覆い、24時間後それらを除去、72時間まで観察し
た。反応の程度は以下のような評点で評価し、6匹4区
画の平均値として示した。
【0032】<評価基準> 反応の程度 評点 刺激なし 0 非常に軽度な紅班(かろうじて識別できる) 1 塗布部位に紅班と浮腫がみられる 2 塗布部位以外へも紅班と浮腫がみられる 3 重度の紅班(ビート赤色)と浮腫(約1mm以上) 4
【0033】
【表2】 実施例17〜38 試験化合物を混合モノマーとする以外は、実施例2と同
様に試験を実施し、結果を表3に示した。
【0034】
【表3】 実施例39〜52、比較例5〜6 表4に示したモノマー液に、過酸化ベンゾイル0.5重
量%(対モノマー液)を溶解させ、溶液をガラス管に封
入し、60℃で24時間加熱し、引き続き100℃、2
4時間加熱重合させ硬化物を得た。次に該硬化物の性能
評価を以下に示す方法で実施し、その結果を表4にまと
めて示した。硬化物の性能評価法 ・間接引張(ダイヤメトラル)強度 試験片は6×6mmφの円柱とし、直径方向に圧縮力を
加えると、圧縮力と直角方向に引張応力が生じることを
利用した間接的な引張試験法を採用し、次式より値を計
算する。
【0035】
【数1】 ・吸水量 試験片は1×10mmφの円盤とし、7日間、37℃水
中保存後に測定。
【0036】
【表4】 実施例53〜74 表5に示したポリマー粉体と過酸化ベンゾイル0.5重
量%(対モノマー液)を溶解させたモノマー液を、重量
比30/70で混合した混合液をガラス管に封入し、6
0℃、24時間に引き続き100℃、24時間加熱重合
させ硬化物を得た。次に該硬化物の性能評価を実施例3
9と同様の方法で実施し、その結果を表5にまとめて示
した。
【0037】
【表5】 重合体性状:平均分子量(MWと略す)、平均粒子径
(PSと略す)、共重合組成(CPと略す) (*1)MW:480×103 、PS:15μm (*2)MW:230×103 、PS:25μm (*3)CP:40/60、MW:320×103 、P
S:20μm (*4)CP:40/60、MW:60×103 、P
S:23μm (*5)MW:120×103 、PS:30μm (*6)MW:360×103 、PS:42μm (*7)CP:75/25、MW:85×103 、P
S:84μm (*8)CP:50/50、MW:780×103 、P
S:12μm (*9)CP:50/50、MW:520×103 、P
S:18μm 実施例75〜80 表6に示した平均粒子径を有するPEMA粉体(平均分
子量=230×103)と前記化合物A/ジメタクリル
酸1,6−ヘキサンジオール=36/64(重量比)
(実施例75〜77)または前記化合物I/ジメタクリ
ル酸1,6−ヘキサンジオール=36/64(重量比)
(実施例78〜80)とから成る混合モノマーとを2対
1の重量比率で混合し、混合物の餅状時間を下に示す試
験方法で測定した結果を表6にまとめて示した。餅状時間試験方法 所定量のポリマー粉体およびモノマー液を秤量瓶(内径
47mm、高さ2cm)に秤量し、20秒間攪拌後、秤
量瓶に強化硝子の蓋をし、5分間放置する。再度20秒
間攪拌後秤量瓶に強化硝子の蓋をし5分間放置する。指
先で試料表面に触れたとき、べとつきがなくなったとき
をもって餅状開始時間とする。秤量瓶の内壁に沿って金
属製針で試料と壁面を切り離す。スプーンの柄を試料に
差し込み、試料を反転できる時間をもって餅状終了時間
とする。可使時間は餅状終了時間−餅状開始時間でもと
めた。
【0038】
【表6】
【0039】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明による特
定のメタアクリル酸エステル系化合物を配合して成る歯
科用材料は、従来の材料に比べて低臭、低刺激性であ
り、かつ重合体の吸水率が小さく、さらに適度な餅状時
間をも有する。すなわち、該材料をもって治療を受ける
患者側にとっては口腔内での直接治療に際しても、臭気
面および粘膜刺激等による不快感を味わうことがなく、
また硬化材料そのものに関しては、口腔内という極めて
厳しい湿潤下においても、寸法変化、強度及び変色等の
面での耐久性に優れるため、長期使用が可能となる。一
方、治療を施こす歯科医ないしは歯科技工師にとって
も、安全、衛生的かつ作業能率の向上をもたらすもので
ある。
【0040】従って、本発明の材料は歯科分野におい
て、その実用的価値は極めて大きい。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式〔I〕 【化1】 (式中、mは0または1以上の整数、nは1以上の整数
    を示し、かつm+nは2以上の整数であり、Rは水素原
    子またはメチル基を示す。)で示されるメタアクリル酸
    エステル系化合物が配合されてなる低臭・低刺激性歯科
    用材料。
  2. 【請求項2】 下記一般式〔I〕 【化2】 (式中、mは0または1以上の整数、nは1以上の整数
    を示し、かつm+nは2以上の整数であり、Rは水素原
    子またはメチル基を示す。)で示されるメタアクリル酸
    エステル系化合物および該化合物と共重合可能な多官能
    メタクリレートが配合されてなる低臭・低刺激性歯科用
    材料。
  3. 【請求項3】 下記一般式〔I〕 【化3】 (式中、mは0または1以上の整数、nは1以上の整数
    を示し、かつm+nは2以上の整数であり、Rは水素原
    子またはメチル基を示す。)で示されるメタアクリル酸
    エステル系化合物、該化合物と共重合可能な多官能メタ
    クリレートおよびこれらの化合物に溶解もしくは膨潤可
    能な有機重合体が配合されてなる低臭・低刺激性歯科用
    材料。
JP4204927A 1992-07-31 1992-07-31 低臭・低刺激性歯科用材料 Pending JPH0648912A (ja)

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