JPH0647238A - 気体分離装置 - Google Patents

気体分離装置

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JPH0647238A
JPH0647238A JP20135692A JP20135692A JPH0647238A JP H0647238 A JPH0647238 A JP H0647238A JP 20135692 A JP20135692 A JP 20135692A JP 20135692 A JP20135692 A JP 20135692A JP H0647238 A JPH0647238 A JP H0647238A
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JP
Japan
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gas
gas separation
groove type
type vacuum
flat plate
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Withdrawn
Application number
JP20135692A
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English (en)
Inventor
Yoshio Murakami
義夫 村上
Tetsuya Abe
哲也 阿部
Seiji Hiroki
成治 廣木
Satoshi Hata
聰 秦
Harushige Osawa
晴繁 大澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Japan Atomic Energy Agency
Original Assignee
Japan Atomic Energy Research Institute
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 連続分離できる上に、分離能力を向上でき
る。また装置の小型化、低コスト化、安全性の向上を併
せ達成できる。 【構成】 吸気口側と排気口側との間に回転可能に設置
した軸流翼を高速回転させて真空排気するターボ分子ポ
ンプ4、または多段に組み合わせた回転平板と静止平板
とを有し同回転平板を回転させたときの気体の粘性を利
用して真空排気する平板ねじ溝型真空ポンプ1〜3、若
しくは単段または多段に組み合わせた回転円筒と静止円
筒とを有し同回転円筒を回転させたときの気体の粘性を
利用して真空排気する円筒ねじ溝型真空ポンプを組み合
わせて、気体分離ユニットを形成し、分子量、粘性の異
なる複数の気体を含む混合気体を吸気口AB9から気体
分離ユニット内へ導入して、これら気体の特性差により
これらの気体を高真空圧力領域から低真空圧力領域の間
で分離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、核融合装置排気系及
び気体処理系における水素同位体とヘリウムとの分離、
半導体、医薬品製造分野における有用ガス、有毒ガス
の分離、ガス分析等に使用する気体分離装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、気体分離法には、次のものがあ
る。即ち、 (1)遠心分離法 中空円筒を高速回転する遠心分離機を用い、遠心力差
(分子量差)を利用して、混合気体を分離する。 (2)レーザ法 分子に適切な周波数のレーザ光を照射したときに選択的
に電離する特性を利用したもので、磁界をかけて、軌道
を変えることにより、混合気体を分離する。 (3)吸着法 固体の表面近傍での特定成分の濃度が相内で異なると
き、吸着が起こる現象を利用したもので、吸着剤に、活
性炭、シリカゲル、活性白土、モレキュラシーブ等を使
用して、温度、圧力を変化させ、吸着、脱離を行って、
混合気体を分離する。 (4)イオン交換樹脂法 特定物質で作られた膜を通過する間に、陽イオン、陰イ
オンが入れ変わる現象を利用して、混合気体を分離す
る。 (5)その他、熱拡散法、深冷分離法、多孔質隔膜法、
金属膜透過法、水蒸留法などがあり、それぞれは、拡散
特性、相変化温度、透過速度の差などを利用している。
【0003】図8は、前記気体分離法を核融合炉に適用
した従来例を示している。核融合炉の大型真空容器内に
おいて核融合反応したガスは、真空排気系により排気さ
れた後、大気圧まで圧縮されて、精製系へ移送され、こ
こでヘリウムなどの水素同位体以外の不純物が分離さ
れ、次いで従来の気体分離法を用いた同位体分離系へ移
送され、ここで水素と重水素及び三重水素とに分離さ
れ、次いで貯蔵系及び入射系を経て大型真空容器内へ燃
料として再度注入される。以上の各機器により、1つの
燃料ガス循環系が構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記図8に示す従来の
核融合炉の燃料ガス循環系では、大気圧以上に圧縮され
たガスを核融合炉である大型真空容器から長い配管を経
て移送して、精製、分離処理を行っているため、放射性
物質のインベントリーが大きい。また放射性物質の移動
範囲が大きく、放射性管理区域の拡大及び装置の増大化
を伴い、この点で安全性、コスト面に問題が生じる。
【0005】また排気系→精製系→同位体分離系へ移送
する間に、大半のトリチウムが配管等に付着して、充分
に分離・回収できない。また吸着・凝縮方式のもの(例
えばクライオポンプ方式)を精製系及び同位体分離系に
使用した場合、ためこみ式であるため、放射性物質の濃
度が高くなって、安全性に問題が生じる。また水素を吸
着した場合は、やはり濃度が高くなって、爆発の危険性
がある。
【0006】上記図8に示す各融合炉の燃料ガス循環系
において、核融合反応の結果、発生するヘリウム及び水
素の量は、燃料の僅か5%程度であり、器壁等で発生す
るその他の不純物ガスも数%以下である。この僅かな不
純物を分離するために、入射する燃料ガスの95%を排
気ガスとして真空排気し、燃料ガス循環系において放射
性物質の安全管理を行いながら、分離・回収しなけばな
らない。
【0007】本発明は前記の問題点に鑑み提案するもの
であり、その目的とする処は、連続分離できる上に、分
離能力を向上できる。また装置の小型化、低コスト化、
安全性の向上を併せ達成できる。さらに連続分離できる
上に、分離能力を向上できる気体分離装置を提供しよう
とする点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の気体分離装置(請求項1)は、吸気口側
と排気口側との間に回転可能に設置した軸流翼を高速回
転させて真空排気するターボ分子ポンプ、または多段に
組み合わせた回転平板と静止平板とを有し同回転平板を
回転させたときの気体の粘性を利用して真空排気する平
板ねじ溝型真空ポンプ、若しくは単段または多段に組み
合わせた回転円筒と静止円筒とを有し同回転円筒を回転
させたときの気体の粘性を利用して真空排気する円筒ね
じ溝型真空ポンプを組み合わせて、気体分離ユニットを
形成し、分子量、粘性の異なる複数の気体を含む混合気
体を吸気口から気体分離ユニット内へ導入して、これら
気体の特性差によりこれらの気体を高真空圧力領域から
低真空圧力領域の間で分離することを特徴としている。
【0009】また本発明の気体分離装置(請求項2)
は、前記ターボ分子ポンプ、または前記平板ねじ溝型真
空ポンプ、若しくは前記円筒ねじ溝型真空ポンプを組合
せて形成した気体分離ユニットの複数個をカスケード状
に接続している。また本発明の気体分離装置(請求項
3)は、前記気体分離ユニットの気体流路にある各回転
体と静止体とをセラミックスにより構成している。
【0010】また本発明の気体分離装置(請求項4)
は、前記気体分離ユニットの各回転体を回転可能に支持
する軸受を気体軸受としている。また本発明の気体分離
装置(請求項5)は、前記気体分離ユニットを形成する
ターボ分子ポンプ、または平板ねじ溝型真空ポンプ、若
しくは円筒ねじ溝型真空ポンプの各回転体及び各静止体
の外径、回転数、翼列仕様を、取り扱う気体の成分比、
温度、圧力に合わせて気体分離ユニット内若しくは複数
の気体分離ユニット間で変更するようにしている。
【0011】また本発明の気体分離装置(請求項6)
は、前記気体分離ユニットを気体分離と真空排気との双
方に使用するようにしている。
【0012】
【作用】本発明の気体分離装置は前記のように構成され
ており、次の作用が行われる。即ち、 (1)気体の粘性を利用した平板ねじ溝型真空ポンプま
たは円筒ねじ溝型真空ポンプの水素同位体に対する排気
特性の例を図2に示した。これら気体の粘性を利用した
ねじ溝型真空ポンプは、気体粘性係数により、排気速度
及び動作可能圧力が変化する。図2の圧力領域では、
排気速度がヘリウムの1に対して水素同位体が0であ
る。即ち、水素同位体は排気されないため、ポンプの吸
気口側は水素同位体の濃度が高く、排気口側はヘリウム
の濃度が高くなって、ヘリウムが分離される。
【0013】また図2の圧力領域では、トリチウム、
重水素が選択的に排気される。この圧力領域は、ポン
プの翼列仕様を変えることにより、変更可能である。タ
ーボ分子ポンプの排気特性は、気体分子量で略決定され
る。水素同位体及びヘリウムの気体分子量は2〜4で、
ほぼ同一の排気特性になり、粘性の小さい水素同位体で
も、所定の排気圧力まで昇圧することができる。従って
気体の相異なる物性値(粘性、分子量)を利用して排気
する種々型式の真空ポンプを適切に組み合わせることに
より、真空排気ユニット(気体分離ユニット)の混合気
体導入側と分離排気側(2方向)との排気圧力(Pf,
Pp,Pw)を同一にすることができ、気体分離ユニッ
トをカスケード状に連結することも可能になる。
【0014】上記の場合は、真空ポンプの排気側圧力を
一定とし、気体の流入量を変えて、吸気口側の圧力を変
化させているが、それとは逆に、吸気口側の圧力を一定
として、排気側の圧力を吸気口側の圧力より低下させて
ゆくと、気体が排気口側にリークしてくる。この場合の
リーク量は、気体の粘性が小さいほど大きくなるので、
粘性の低い水素同位体を選択的にリークさせれば、分離
することが可能になる。この作用は、ねじ溝型真空ポン
プを真空シールとして作動させることにより実現でき
る。
【0015】ねじ溝型真空ポンプを真空シールとして作
動させた場合のリーク特性を図3に示した。気体の粘性
の低い気体ほど、排気口の圧力が高いところからリーク
量が増加し始め、その定常リーク量が多くなり、最も粘
性の高いヘリウムはリーク量が水素同位体に比べて著し
く少なくなる。このリーク量の差を利用して、図3の圧
力領域では、水素同位体とヘリウムとを分離すること
が可能になる。
【0016】このターボ分子ポンプとねじ溝型真空ポン
プとを組み合わせた気体分離ユニットの構成図を図4、
図5に示した。 (2)上記分離能力を高めるには、図4、図5の気体分
離ユニットをカスケード状に配置すればよく、処理量を
増やすためには、並列配置すればよい。図6は、その例
を示している。 (3)上記気体分離ユニットの気体流路にある各回転体
と静止体とをセラミックスにより構成し、渦電流ロスを
0として、強磁場中でも使用可能とし、核融合炉の近傍
に気体分離ユニットを設置することにより、長い配管で
のトリチウムの吸着、インベントリーを無くす。 (4)上記気体分離ユニットの各回転体を回転可能に支
持する軸受を気体軸受とし、完全オイルフリーとして、
油による汚染並びにトリチウム等の放射性ガスによる軸
受の劣化を皆無にする。 (5)上記カスケード状に接続した気体分離装置のター
ボ分子ポンプ、平板ねじ溝型真空ポンプ、及び円筒ねじ
溝型真空ポンプの各回転体及び各静止体の外径、回転
数、翼列仕様を、取り扱う気体の成分比、温度、圧力に
合わせて変更し、さらに各ポンプの組合せを圧力領域で
変えて、分離能力の最適化を図る。 (6)上記気体分離ユニットは、水素同位体に対して気
体分離ができ、通常の大気圧から空気を真空排気するこ
とも可能である。そのため、真空排気系と気体分離系と
の機能をもち、核融合炉の近傍に設置でき、装置の小型
化、放射性物質のインベントリーの低減が可能になる。
図7は、この場合の核融合炉の燃料ガス循環系の構成を
示している。
【0017】燃料ガスT2 ,D2 を真空圧により遮断し
て、He、H2 を主体に選択排気することができる。さ
らにそれを分離除去した上で、含有していた燃料ガスT
2 、D2 を大気圧まで昇圧させて、入射系へ導入させこ
とも可能で、燃料ガス循環系で取り扱うガス量は、大幅
に削減され、燃料供給系の必要能力が格段に小さくなっ
て、装置の小型化が可能になる。
【0018】従来、燃料ガスを95%供給する必要があ
ったが、図7の場合、燃料ガスは、10%供給するのみ
になる。
【0019】
【実施例】次に本発明の気体分離装置を図1〜図6に示
す実施例によりさらに具体的に説明する。本発明の気体
分離装置は前記のように吸気口側と排気口側との間に回
転可能に設置した軸流翼を高速回転させて真空排気する
ターボ分子ポンプ、または多段に組み合わせた回転平板
と静止平板とを有し同回転平板を回転させたときの気体
の粘性を利用して真空排気する平板ねじ溝型真空ポン
プ、若しくは単段または多段に組み合わせた回転円筒と
静止円筒とを有し同回転円筒を回転させたときの気体の
粘性を利用して真空排気する円筒ねじ溝型真空ポンプを
組み合わせて、気体分離ユニットを形成し、分子量、粘
性の異なる複数の気体を含む混合気体を吸気口から気体
分離ユニット内へ導入して、これら気体の特性差により
これらの気体を高真空圧力領域から低真空圧力領域の間
で分離するものである。
【0020】本件出願人は、上記ターボ分子ポンプを実
願昭61−072565号として、また上記円筒ねじ溝
型真空ポンプを実願昭62−009257号として、上
記平板ねじ溝型真空ポンプを実願平02−109717
号として、それぞれ既に提案している。図1、図4〜図
6は、本発明の気体分離装置の各実施例を示している。
【0021】図1、図4は、平板ねじ溝型真空ポンプ
(昇圧)1、及び平板ねじ溝型真空ポンプ(真空シー
ル)2を一体化し、平板ねじ溝型真空ポンプ(昇圧)1
に平板ねじ溝型真空ポンプ(減圧)3を接続し、平板ね
じ溝型真空ポンプ(真空シール)2にターボ分子ポンプ
4を接続した実施例である。図5は、平板ねじ溝型真空
ポンプ(昇圧)1、及び平板ねじ溝型真空ポンプ(真空
シール)2を別体とし、平板ねじ溝型真空ポンプ(昇
圧)1に流量調節弁(またはオリフィス)を接続し、平
板ねじ溝型真空ポンプ(真空シール)2にターボ分子ポ
ンプ4を接続した他の実施例である。
【0022】図1のAは粘性の大きいヘリウムに対する
排気速度が大きい平板ねじ溝型真空ポンプ1の翼列部で
ある。またBは粘性の小さい水素同位体のリーク量が多
くなるように真空シールとして使用している平板ねじ溝
型真空ポンプ2の翼列部である。平板ねじ溝型真空ポン
プ1の翼列部Aは、スパイラル溝を有する動翼A2とス
パイラル溝を有する静翼A1とにより構成されている。
また平板ねじ溝型真空ポンプ2の翼列部Bは、翼列部A
とは逆向きの角度でスパイラル溝を有する動翼B1とス
パイラル溝を有する静翼B2とにより構成されている。
【0023】平板ねじ溝型真空ポンプ1、2の動翼A2
及び動翼B1は、回転軸AB1と一体であり、同回転軸
AB1は、スラスト気体軸受AB2とラジアル気体軸受
AB3及びAB4とにより、非接触の状態で且つオイル
無しの状態で回転可能に支持され、駆動モータAB5及
びAB6により高速回転される。また平板ねじ溝型真空
ポンプ1、2の動翼A2、動翼B1、及び回転軸AB1
は、非磁性セラミックス材により構成され、これらの部
材は、ハウジングAB7及びケーシングAB8の内部に
組み込まれている。
【0024】Cは気体の粘性によらずに分子量により排
気速度が決定されるターボ分子ポンプ4の翼列部であ
る。同翼列部Cは、軸流型動翼C1と軸流型静翼C2と
により構成され、動翼C1は、回転軸C8と一体化して
いる。また動翼C1及び回転軸C8は、スラスト気体軸
受C6とラジアル気体軸受C4及びC5とにより、非接
触の状態に且つオイル無しの状態で回転可能に支持さ
れ、駆動用気体タービンC9と圧縮気体を噴出するノズ
ルC10とにより、高速回転される。
【0025】またターボ分子ポンプ4の動翼C1及び回
転軸C8は、非磁性のセラミックス材により構成されて
いる。低真空圧力になる排気口側C14と、大気圧以上
になる軸受設置側とは、非接触シールC3により、シー
ルされている。Dは粘性の大きいヘリウムに対する排気
速度が大きくて大気圧から低真空圧力まで減圧するため
の平板ねじ溝型真空ポンプ3の翼列部である。基本構造
は、平板ねじ溝型真空ポンプ1と同様である。
【0026】これらの平板ねじ溝型真空ポンプ1〜3と
ターボ分子ポンプ4とは、1つの状態にユニット化され
て、図6に示すように気体分離ユニットを形成してい
る。次に前記気体分離装置での気体分離状態を具体的に
説明する。平板ねじ溝型真空ポンプ1の吸気口AB9か
ら平板ねじ溝型真空ポンプ1内へ、圧力Pf=約0.1
Torrのヘリウムと水素同位体との混合気体(三重水
素T2 、重水素D2 、H2 )が導入される(矢印F参
照)。
【0027】この混合気体のうち、粘性の大きいヘリウ
ムは、平板ねじ溝型真空ポンプ1により、矢印W1方向
へ選択的に排気され、大気圧まで圧縮されて、排気口A
B11へ移送される。一方、吸気口AB9には、粘性が
小さく分子量が同じ水素同位体が選択的に残留するが、
真空シールとして作用している平板ねじ溝型真空ポンプ
2では、吸気口AB9の圧力Pfが約0.1Torrで
あり、排気口AB10の圧力がターボ分子ポンプ4によ
り、10-3Torrの圧力まで低下している。この圧力
差により、粘性の小さい水素同位体が矢印P1方向へ選
択的にリークする。
【0028】この水素同位体は、さらに矢印P2方向に
流れ、粘性の大小に係わらず、排気能力を有するターボ
分子ポンプ4により、圧力Ppが約0.1Torrまで
圧縮されて、排気口Pへ移送される。また平板ねじ溝型
真空ポンプ1により、大気圧まで圧縮されて排気口AB
11まで移送されたヘリウムは、減圧機として作用して
いる平板ねじ溝型真空ポンプ3により、圧力Pwが約
0.1Torrになるまで減圧されて、排気口D13へ
移送される。
【0029】以上に説明したように、約0.1Torr
の圧力で導入された混合気体は、同じ圧力でヘリウムと
水素同位体とに分離される。上記平板ねじ溝型真空ポン
プ(減圧)3を図5に示すように流量調節弁(またはオ
リフィス)に置き換え、これを他の真空ポンプ或いは気
体分離ユニットの吸気口AB9(図1参照)に接続して
も、約0.1Torrまで減圧することが可能である。
【0030】この気体分離ユニットをカスケードに組ん
だ場合の例を図6に示す。この例では、気体分離ユニッ
トの燃料取出側と次段の分離ユニットの混合気体導入側
とを接続し、ヘリウム取出側と前段の気体分離ユニット
の混合気体導入側とを接続する。また次段の気体分離ユ
ニットのヘリウム取出側と前段燃料取出側とを気体分離
ユニットの混合気体導入側に接続する。この接続を順次
繰り返して、カスケードを形成する。ここで言う燃料と
は、水素同位体を意味している。
【0031】以上の具体例は、ヘリウムと水素同位体と
を分離する例であるが、気体分離ユニットを形成する各
ねじ溝型真空ポンプとターボ分子ポンプの特性を変更す
ることにより、水素同位体をさらに分離することも可能
である。上記平板ねじ溝型真空ポンプ1〜3には、円筒
ねじ型真空ポンプを使用しても、或いは平板ねじ溝型真
空ポンプと円筒ねじ型真空ポンプとを組み合わせたもの
を使用してもよく、何れの場合にも前記と同様の作用を
達成できる。
【0032】
【発明の効果】本発明の気体分離装置は前記のように吸
気口側と排気口側との間に回転可能に設置した軸流翼を
高速回転させて真空排気するターボ分子ポンプ、または
多段に組み合わせた回転平板と静止平板とを有し同回転
平板を回転させたときの気体の粘性を利用して真空排気
する平板ねじ溝型真空ポンプ、若しくは単段または多段
に組み合わせた回転円筒と静止円筒とを有し同回転円筒
を回転させたときの気体の粘性を利用して真空排気する
円筒ねじ溝型真空ポンプを組み合わせて、気体分離ユニ
ットを形成し、分子量、粘性の異なる複数の気体を含む
混合気体を吸気口から気体分離ユニット内へ導入して、
これら気体の特性差によりこれらの気体を高真空圧力領
域から低真空圧力領域の間で分離するので、連続分離が
可能になる。また従来分離することが難しかった同一若
しくは同等の分子量を有する物質の分離が可能になる。 (2)カスケード化しており、分離能力を向上できる。 (3)核融合炉の近くに設置可能になり、放射性物質の
インベントリーが減少し、装置の小型化、低コスト化、
安全性の向上を併せ達成できる。 (4)取り扱うガス量を大幅に削減することが可能にな
り、そのため、ガス循環系の装置の必要処理能力の低
減、小型化、低コスト化、安全性の向上を併せ達成でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の気体分離装置の一実施例を示す縦断側
面図である。
【図2】ねじ溝型真空ポンプの水素同位体に対する排気
特性の例を示す説明図である。
【図3】ねじ溝型真空ポンプを真空シールとして作用さ
せた場合の水素同位体に対するリーク特性の例を示す説
明図である。
【図4】気体分離ユニットの一例を示す系統図である。
【図5】気体分離ユニットの他の例を示す系統図であ
る。
【図6】気体分離ユニットのカスケードの系統図であ
る。
【図7】核融合炉の燃料ガス循環系の系統図である。
【図8】従来の核融合炉の燃料ガス循環系の系統図であ
る。
【符号の説明】
1 平板ねじ溝型真空ポンプ(昇圧) 2 平板ねじ溝型真空ポンプ(真空シール) 3 平板ねじ溝型真空ポンプ(減圧) 4 ターボ分子ポンプ A、B、C 翼列部 A1 静翼 A2 動翼 B1 動翼 B2 静翼 AB1 回転軸 C1 軸流型動翼 C2 軸流型静翼 C8 回転軸 AB9 吸入口 AB10 排気口 AB11 排気口
【手続補正書】
【提出日】平成4年11月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】上記図8に示す核融合炉の燃料ガス循環系
において、核融合反応の結果、発生するヘリウム及び水
素の量は、燃料の僅か5%程度であり、器壁等で発生す
るその他の不純物ガスも数%以下である。この僅かな不
純物を分離するために、入射する燃料ガスの95%を排
気ガスとして真空排気し、燃料ガス循環系において放射
性物質の安全管理を行いながら、分離・回収しなけばな
らない。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】符号の説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【符号の説明】 1 平板ねじ溝型真空ポンプ(昇圧) 2 平板ねじ溝型真空ポンプ(真空シー
ル) 3 平板ねじ溝型真空ポンプ(減圧) 4 ターボ分子ポンプ A、B、C、D 翼列部 A1 静翼 A2 動翼 B1 動翼 B2 静翼 AB1 回転軸 C1 軸流型動翼 C2 軸流型静翼 C8 回転軸 AB9 吸入口 AB10 排気口 AB11 排気口
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 廣木 成治 茨城県那珂郡那珂町大字向山801−1 日 本原子力研究所 那珂研究所内 (72)発明者 秦 聰 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島製作所内 (72)発明者 大澤 晴繁 東京都千代田区丸の内二丁目5番1号 三 菱重工業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸気口側と排気口側との間に回転可能に
    設置した軸流翼を高速回転させて真空排気するターボ分
    子ポンプ、または多段に組み合わせた回転平板と静止平
    板とを有し同回転平板を回転させたときの気体の粘性を
    利用して真空排気する平板ねじ溝型真空ポンプ、若しく
    は単段または多段に組み合わせた回転円筒と静止円筒と
    を有し同回転円筒を回転させたときの気体の粘性を利用
    して真空排気する円筒ねじ溝型真空ポンプを組み合わせ
    て、気体分離ユニットを形成し、分子量、粘性の異なる
    複数の気体を含む混合気体を吸気口から気体分離ユニッ
    ト内へ導入して、これら気体の特性差によりこれらの気
    体を高真空圧力領域から低真空圧力領域の間で分離する
    ことを特徴とする気体分離装置。
  2. 【請求項2】 前記ターボ分子ポンプ、または前記平板
    ねじ溝型真空ポンプ、若しくは前記円筒ねじ溝型真空ポ
    ンプを組合せて形成した気体分離ユニットの複数個をカ
    スケード状に接続したことを特徴とする請求項1記載の
    気体分離装置。
  3. 【請求項3】 前記気体分離ユニットの気体流路にある
    各回転体と静止体とをセラミックスにより構成したこと
    を特徴とする請求項1、2記載の気体分離装置。
  4. 【請求項4】 前記気体分離ユニットの各回転体を回転
    可能に支持する軸受を気体軸受としたことを特徴とする
    請求項1、2記載の気体分離装置。
  5. 【請求項5】 前記気体分離ユニットを形成するターボ
    分子ポンプ、または平板ねじ溝型真空ポンプ、若しくは
    円筒ねじ溝型真空ポンプの各回転体及び各静止体の外
    径、回転数、翼列仕様を、取り扱う気体の成分比、温
    度、圧力に合わせて気体分離ユニット内若しくは複数の
    気体分離ユニット間で変更したことを特徴とする請求項
    2記載の気体分離装置。
  6. 【請求項6】 前記気体分離ユニットを気体分離と真空
    排気との双方に使用することを特徴とする請求項2記載
    の気体分離装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007038042A (ja) * 2005-07-29 2007-02-15 Japan Organo Co Ltd ガス分離装置及びガス分離方法
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