JPH0646676Y2

JPH0646676Y2 - 印刷機のインキ壷装置

Info

Publication number: JPH0646676Y2
Application number: JP1987122507U
Authority: JP
Inventors: 和隆小原
Original assignee: Komori Corp
Current assignee: Komori Corp
Priority date: 1987-08-12
Filing date: 1987-08-12
Publication date: 1994-11-30
Anticipated expiration: 2002-08-12
Also published as: JPS6427240U

Description

【考案の詳細な説明】〈産業上の利用分野〉本考案は印刷機のインキ壺装置に関し、組立性、保守性
の向上を図ったものである。

〈従来の技術〉輪転印刷機の版胴に装着された版に印刷用のインキを供
給するインキ装置は、インキ壺に蓄えられたインキを所
定量ずつ流出させるインキ壺装置と、流出されたインキ
を各方向にならしながら転移させて版面へ供給する多数
のローラ群を備えている。このうちインキ壺装置は、回
転駆動されるインキ壺ローラと、先端がインキ壺ローラ
の周面に近接して対向する複数のインキブレードを有し
ており、これらインキ壺ローラの周面とインキブレード
両端部に設けられたインキせきとでインキ壺を形成して
いる。而して、インキ壺内に蓄えられたインキは、イン
キ壺ローラの回転によりその周面とインキブレードとの
間に形成された隙間から流出してインキ壺ローラの周面
にインキ皮膜を形成する。

従来、このインキ壺ローラは印刷機本体フレームに両端
を軸支される一方、インキブレード、インキせきもブレ
ード台に取付けられた状態で別途前記フレームに支持さ
れるようになっており、両者を印刷機本体フレームに組
付けた段階で、複数のインキブレードのそれぞれについ
てその先端とインキ壺ローラの周面との隙間の調整を行
っていた。

〈考案が解決しようとする問題点〉インキブレードとインキ壺ローラ周面との隙間調整は、
印刷品質に直接影響するものであるため、厳正さが要求
されるものであるが、従来はこの調整をインキブレード
及びインキ壺ローラを印刷機本体フレームに組付けた後
に機上で行っていたため、作業性が悪く、多くの工数を
必要としていた。また、保守等でインキ壺ローラを解体
する場合においても、再組立時にはその都度上述の調整
を行わなければならず、事後保全に要する時間の増大を
招いていた。

本考案は、このような従来の問題点を解決するものであ
り、組立性、保守性の向上を図ったインキ壺装置を提供
することを目的としている。

〈問題点を解決するための手段〉上述の問題点を解決する本考案にかかるインキ壺装置
は、印刷機本体フレームにブラケットを設けると共に、
当該ブラケットを、当該ブラケットに係合する位置調整
部材により水平位置調整可能とし、前記ブラケット上に
着脱されるサブフレームにインキ壺ローラと、先端を前
記インキ壺ローラの周面に臨ませる複数のインキブレー
ドと、前記インキ壺ローラと前記インキブレードとでイ
ンキ壺を形成するインキせきとを搭載する一方、前記印
刷機本体フレームに前記サブフレームの前後方向の位置
を規制する基準部材を設けてことを特徴とする。

〈作用〉サブフレームを印刷機本体フレームから取外した状態
で、インキ壺ローラの周面とインキブレード先端との隙
間を予め調整することが可能となる。

〈実施例〉以下、本考案の一実施例を図面によって具体的に説明す
る。

第１図は本考案の一実施例にかかるインキ壺装置を印刷
機本体フレームに装着した状態の断面図、第２図はその
一部破断平面図、第３図は同じくその支点ピン部分の断
面図である。

第１図及び第２図に示すように、サブフレーム11は両側
の側板12と、それらを間隔を開けて互いに連結するステ
ー13とからなっている。このサブフレーム11の両側板12
にはインキ壺ローラ14が掛渡して軸受15によって回転自
在に支持されており、インキ壺ローラ14の一方の軸端は
側板12の外部まで延出して後述の印刷機本体側の駆動源
と連結できるようになっている。

さらに、サブフレーム11の両側板12の間には、ブレード
台16が配設されており、第３図に示すように、ブレード
台16に固定ねじ17で固定された支点軸18が側板12の取付
孔19に回動自在に嵌入することで、ブレード台16は両側
板12に回動自在に支持されている。このブレード台16に
は、第２図に示すように、先端がインキ壺ローラ14の周
面に臨む複数のインキブレード20が側面を互いに密着さ
せ且つインキ壺ローラ14側が下に傾斜した状態で並列さ
れていて、各インキブレード20は各々独立してインキ壺
ローラ14に対して接近離反可能に支持されると共に、そ
れぞれその位置調整装置21を備えている。また、各イン
キブレード20の上面には磁石22が埋設され、全インキブ
レード20を覆う面積を有する磁性体よりなる押え板23が
インキブレード20の上に載置されて磁気吸着されるよう
になっており、これによって隣接するインキブレード20
同志の隙間からインキが漏出するのを防止している。さ
らに、両端部のインキブレード20上には三角形状のイン
キせき24がボルト25によって各々固定されていて、この
両側のインキせき24とインキブレード20、インキ壺ロー
ラ14とでインキ壺26が形成され、このインキ壺26内にイ
ンキが蓄えられるようになっている。

また、両側板12には各々支持ピン27が固定され、そこに
先端につまみナット28が螺合する締付ねじ29が支持ピン
27の長手軸回りに回動自在に取付けられると共に、位置
決めねじ30が螺着されている。一方、ブレード台16には
それらのねじ29,30に対応する位置に固定駒31がボルト3
2により固定されていて、前記支点軸18を中心とするブ
レード台16の所要の傾斜角度位置において固定駒31に位
置決めねじ30が当接してその位置を規制すると共に、固
定駒31に凹設された溝33に締付ねじ29を嵌め込んで反対
側からつまみナット28で締付けることでブレード台16が
両側板12に固定される。すなわち、つまみナット28を緩
めて締付ねじ29を回動して固定駒31の溝33から外すと、
ブレード台16は支点軸18を中心として回動自在となりイ
ンキ壺26の開閉が自由となり、また、位置決めねじ30の
突出量を変化させることでブレード台16の固定時におけ
るインキブレード20のインキ壺ローラ14に対する位置調
整を行うことができるようになっている。

一方、印刷機本体フレーム34には、上述のサブフレーム
11を支持するためのブラケット35が取付けられる。第１
図及び第３図に示すように、ブラケット35は、予め本体
フレーム34に取付けてある偏心ピン36上に載せられると
共にその偏心ピン36の回動操作によってその水平出しが
行われた後、ボルト37により本体フレーム34に固定され
る。サブフレーム11はこのブラケット35上に載置され、
予め本体フレーム34に取付けてある基準ピン38（第１図
参照）にサブフレーム11を当接させて位置決めした状態
で、ボルト39によりブラケット35に固定される。また、
ブラケット35にはインキ受け皿40が保持されていて、イ
ンキ壺ローラ14とインキブレード20の隙間から漏れたイ
ンキを受けることができるようになっている。

また、第２図に示すように、本体フレーム34にはインキ
壺ローラ14を駆動するためのモータ41が取付けられ、こ
のモータ41はカップリング42を介して減速機43に連結さ
れると共に、さらにカップリング44を介して前記インキ
壺ローラ14の軸端に着脱自在に連結される。このカップ
リング44とインキ壺ローラ14の接続はシュリンクディス
クにより行い、両軸芯が多少齟齬するときでも対応でき
るるようになっている。

従って、このような構成によれば、サブフレーム11を本
体フレーム34に取付けると共にインキ壺ローラ14をカッ
プリング44を介して本体側の駆動源に連結すれば、イン
キ壺ローラ14は回転駆動され、インキ壺26内に蓄えられ
たインキはインキブレード20とインキ壺ローラ14の周面
との隙間から流出してその周面にインキ皮膜を形成す
る。また、保守等でインキ壺ローラ14を本体フレーム34
から取外す場合は、カップリング44を解除してサブフレ
ーム11を本体フレーム34から取外せば、インキ壺ローラ
14はインキ壺26と共に機外に取出すことができる。この
とき、インキ壺ローラ14とインキブレード20の位置関係
が崩れることはないので、その後の再調整は不要であ
る。

一方、組立時においては、インキ壺ローラ14とインキ壺
20とを印刷機本体とは別に１ユニットとして組立てるこ
とができ、インキブレード20とインキ壺ローラ14の隙間
調整も作業性の良い状態で能率よく行うことが可能とな
る。また、このサブフレーム11に関する組立作業は印刷
機本体側の組立作業とは別途並行して行うことができる
ので、印刷機全体の製造工程を大幅に減少することがで
きる。

〈考案の効果〉以上、一実施例を挙げて詳細に説明したように本考案に
よれば、インキ壺ローラとインキ壺とを一つのサブフレ
ームに一体化したので、組立作業の作業性が良くなり、
作業能率を向上させることができると共に、組立後の保
守作業も容易となるという効果を有する。また、位置調
整部材によりブラケットの水平位置を調整し、かつ基準
ピンによりサブフレームの前後方向の位置も規制するの
で、位置決めが正確に行える。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例にかかるインキ壺装置を印刷
機本体フレームに装着した状態の断面図、第２図はその
一部破断平面図、第３図は同じくその支点ピン部分の断
面図である。図面中、 11はサブフレーム、 14はインキ壺ローラ、 16はブレード台、 18は支点軸、 20はインキブレード、 24はインキせき、 26はインキ壺、 34は印刷機本体フレームである。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】印刷機本体フレームにブラケットを設ける
と共に、当該ブラケットを、当該ブラケットに係合する
位置調整部材により水平位置調整可能とし、前記ブラケット上に着脱されるサブフレームにインキ壺
ローラと、先端を前記インキ壺ローラの周面に臨ませる
複数のインキブレードと、前記インキ壺ローラと前記イ
ンキブレードとでインキ壺を形成するインキせきとを搭
載する一方、前記印刷機本体フレームに前記サブフレームの前後方向
の位置を規制する基準部材を設けてなることを特徴とす
る印刷機のインキ壺装置。