JPH0646638Y2 - 溶接用走行台車 - Google Patents

溶接用走行台車

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JPH0646638Y2
JPH0646638Y2 JP1990025785U JP2578590U JPH0646638Y2 JP H0646638 Y2 JPH0646638 Y2 JP H0646638Y2 JP 1990025785 U JP1990025785 U JP 1990025785U JP 2578590 U JP2578590 U JP 2578590U JP H0646638 Y2 JPH0646638 Y2 JP H0646638Y2
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welding torch
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柾五郎 鈴木
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、溶接トーチを搭載して、被溶接部材に沿って
走行させ、溶接トーチのノズル先端部を被溶接領域に沿
って移動させる溶接用走行台車に関するものである。
〔従来の技術〕
例えば、下板に立板を隅肉溶接するような場合、まず、
下板に対して立板を仮付け溶接して立て、かつては、溶
接トーチを手に持って、溶接トーチのノズル先端部を被
溶接領域に沿って移動させ、目的とする隅肉溶接を行っ
ていた。しかし、溶接トーチを手に持って溶接する方式
は、溶接作業が非常に煩わしく、また、溶接に熟練を必
要とし、熟練者以外は溶接作業に従事できないという不
便があった。このような不便を解消するために、近年に
おいては、溶接トーチを走行台車に搭載させ、走行台車
を被溶接部材に沿って走行させることにより、溶接トー
チのノズル先端部を被溶接領域に沿って移動させ、隅肉
溶接を自動的に行う溶接用走行台車が開発されている。
第10図には従来の走行台車の一般的な模式構成が示され
ている。同図において、走行台車1は台車本体2に前後
左右に車輪3を取り付け、内部には図示されていないモ
ータを内蔵するとともに、台車本体2の前後両側からは
被溶接部材としての立板4の方向に一対のアーム5a,5b
を突設し、このアーム5a,5bの先端側には立板4に倣う
倣いローラ6を回転自在に取り付けている。また、台車
本体2にはトーチホルダ7を取り付け、このトーチホル
ダ7に溶接トーチ8を装着している。この溶接トーチ8
のノズル先端部8aを隅肉溶接の被溶接領域10に一定間隔
を介して対向させ、この状態で、モータを駆動して車輪
3を回転させ、倣いローラ6により走行台車1を立板4
に倣わせて走行させることにより、ノズル先端部8aは被
溶接領域10に沿って移動し、目的とする立板4の下板11
に対する隅肉溶接が行われる。
〔考案が解決しようとする課題〕
しかしながら、走行台車1に溶接トーチを搭載して溶接
を行う場合、例えば、第10図(a)に示すように、溶接
トーチ8を走行台車1の中央部分に取り付けて、側板9
a,9bの全区間にわたって立板4を下板11に隅肉溶接する
場合には、溶接開始位置では被溶接領域10の左端Aと溶
接トーチ8のノズル先端部8aの位置Cとの間に溶接され
ない死角領域12が生じてしまい、同様に、走行台車1の
終点位置においても区間CBで溶接されない死角領域12が
生じてしまう。また、第10図(b)に示すように、溶接
トーチ8を走行台車1の前後一方側の端部に取り付けた
ときにも走行台車1の走行開始位置又は走行の終点位置
(第10図(b)では終点位置)で死角領域12が生じてし
まう。この死角領域12の隅肉溶接は、作業者が溶接トー
チを手に持って行わなければならないという面倒があっ
た。特に、溶接のAB区間長が短い場合には、頻繁に死角
領域12の溶接を手で行わなければならず、この手作業に
よる溶接は非常に煩わしく、作業能率を低下させるとい
う問題がある。
また、一般に、倣いローラ6により走行台車1を倣い走
行させる場合には、走行前方側のアーム5bを後方側のア
ーム5aよりも短くし、走行台車1の前方側を多少内側
(立板側)に傾けた状態で走行させ、倣いローラ6が立
板4から離れないように工夫している。しかし、従来の
走行台車1のアーム5a,5bはアーム5bを5aよりも短くし
た状態で台車本体2に固定しているため、走行台車1は
1方向にしか走行できず、作業の上で不便があった。
本考案は上記従来の課題を解決するためになされたもの
であり、その目的の第1は、手動によらず、被溶接領域
の死角領域を自動的に溶接できる溶接用走行台車を提供
することにあり、目的の第2は、さらに加えて、走行台
車を往復いずれの方向に走行させても走行台車を被溶接
部材に沿って確実に倣わせることができる溶接用走行台
車を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本考案は上記目的を達成するために、次のように構成さ
れている。すなわち、本考案は、台車本体に、車輪と、
この車輪を回転駆動するモータとが備えられ、溶接トー
チを搭載して車輪走行により溶接トーチを被溶接領域に
沿って移動させる溶接用走行台車において、溶接用走行
台車の走行開始位置と走行終点位置で又はその一方側位
置で溶接トーチのノズル先端部を被溶接領域の死角領域
に沿って移動させる溶接トーチの回転機構と、この溶接
トーチの回転機構の回転動作に連動させて溶接トーチの
ノズル先端部が死角領域の直下位置に向かうにしたがっ
て溶接トーチを後退させノズル先端部が死角領域の端部
斜め位置に向かうにしたがって溶接トーチを進出させる
溶接トーチの進退移動機構とを備えたことを特徴として
おり、また、前記考案において、台車本体の前後両部か
ら走行方向に対してほぼ直角方向にアームが突設され、
これらの各アームの先端部には被溶接部材に倣う倣いロ
ーラが回転自在に設けられるとともに、往復方向に走行
可能な走行台車の走行前方側の倣いローラを後方側の倣
いローラよりも引っ込めることが可能なアーム進退機構
と、このアーム進退機構を操作する操作部とを備えたこ
とも併せて本考案の特徴的な構成としている。
〔作用〕
本考案において、例えば、被溶接領域の左端から右端に
向かって隅肉溶接を行う場合、まず溶接用走行台車を被
溶接領域の左端側に配置し、前後両側の倣いローラを被
溶接部材に当接する。このとき、例えば、溶接トーチを
走行台車の前後方向の中間部分に装着したときには、被
溶接領域の左端と溶接トーチが装着されている直下位置
にかけて被溶接領域の死角領域が生じる。本考案では、
溶接トーチのノズル先端部を被溶接領域の左端部、つま
り、死角領域の左端部に対向した状態で、溶接トーチの
回転機構を駆動すれば、溶接トーチは、そのノズル先端
部が死角領域の左端斜め位置から直下位置に向かう方向
に回転し、この溶接トーチの回転動作に連動して、溶接
トーチは進退移動機構の連動動作により後退方向に退避
移動する。この結果、溶接トーチのノズル先端部は死角
領域と一定の間隔を保って死角領域の左端位置から直下
位置に移動し、この死角領域の隅肉溶接が走行台車の停
止状態で行われる。
この死角領域の隅肉溶接が完了した時点で、車輪の回転
駆動が行われ、走行台車は倣いローラにガイドされて被
溶接部材にそって走行する。これに伴い、溶接トーチの
ノズル先端部は被溶接領域に沿って移動し、台車走行区
間の隅肉溶接が行われる。走行台車が終点位置、つまり
被溶接領域の右端に来たときに、走行台車の停止が行わ
れる。この走行台車の終点位置では、走行台車の右端か
ら溶接トーチの装着位置までの区間が死角領域となるが
この死角領域の隅肉溶接は走行台車の走行開始前の場合
と同様に溶接トーチの回転機構を駆動させることにより
行われる。
すなわち、走行台車が停止すると同時に、溶接トーチの
回転機構が駆動され、溶接トーチの回転が行われる。こ
の回転により、溶接トーチのノズル先端部は直下位置か
ら死角領域の右端部位置に至るまで回転し、この回転動
作に連動して溶接トーチの進退移動機構が動作し、ノズ
ル先端部は直下位置から死角領域の右端部に回転するに
伴い進出方向に移動する。この結果、溶接トーチのノズ
ル先端部は死角領域と一定の間隔を保って死角領域に沿
って移動することとなり、死角領域の隅肉溶接が自動的
に行われる。
アーム進退機構を備えた走行台車にあっては、前記右端
部の死角領域の隅肉溶接が完了した後に、このアーム進
退機構を操作し、後方側の倣いローラのアームを前方側
のアームよりも短くなるように引っ込めれば、走行台車
を反対方向へ走行させて隅肉溶接を行うことが可能とな
る。
〔実施例〕
以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。第
1図〜第8図には本考案に係る溶接用走行台車の一実施
例の構成が示されている。これらの図において、台車本
体2には従来例と同様に前後左右に車輪3が設けられ台
車本体2の内部にはモータが内蔵されている。第2図に
示すように、このモータの出力軸13にはモータギア14が
固定されており、モータの回転駆動力は歯車系列を介し
て第1図の車輪側クラッチ15とトーチ駆動側クラッチ16
とに伝達されている。この車輪側クラッチ15のクラッチ
結合が行われることにより、モータ側からの回転駆動力
は車軸18のギアに伝わり、車輪3の回転が行われるよう
になっている。また、トーチ駆動側クラッチ16の入力側
には前記歯車系列に噛み合うウォームギア21が設けられ
ており、トーチ駆動側クラッチ16のクラッチ結合によ
り、歯車系列からウォームギア21に回転駆動力が伝わ
り、トーチ駆動側クラッチ16の出力軸19の回転が行われ
るようになっている。本実施例では、モータの回転制御
とクラッチ15,16の断続制御は図示されていない制御回
路により行われるようになっている。制御回路は車輪側
クラッチ15とトーチ駆動側クラッチ16とが同時にクラッ
チ結合されることはないように、つまり、クラッチ15,1
6の一方側がクラッチ結合しているときには必ず他方側
のクラッチは切られるように制御している。
前記トーチ駆動側クラッチ16の出力軸19は台車本2の上
板22にベアリングを介して支持され、上板22を貫通して
上方に突出しており、その突出先端部には回転位置検出
板23が固定されている。そしてこの回転位置検出板23に
は第4図に示すように、断面がコ字形状をしたスライド
パック24が固定されている。このスライドパック24のコ
字形状の収容凹部25には摺動部材26が摺動自在に収容さ
れており、この摺動部材26にはアーム27と保持枠28とが
ボルト等により結合されている。そして、保持枠26には
ノズルホルダ30が固定され、このノズルホルダ30には溶
接トーチ8が保持されている。この溶接トーチ8のノズ
ル先端部8aは被溶接領域に対して一定の間隔を保って対
向配置される。
一方、台車本体2の上板22の上側にはガイド溝形成板31
が固定されており、このガイド溝形成板31には第3図に
示すように中心部が被溶接領域と離れる方向、つまり、
第3図で右側に凸となる曲面状のガイド溝32が形成され
ている。ガイド溝形成板31の上側にはガイドカム面形成
板29が重ねられて固定されており、このガイドカム面形
成板29にはガイドカム面29aが形成されている。
前記アーム27の先端側にはベアリング等からなる転動コ
ロ33が回転自在に取り付けられており、この転動コロ33
は前記ガイド溝形成板31のガイド溝32に挿入されてい
る。スライドパック24とアーム27との間にはスプリング
59が圧縮状態で介設されており、このスプリング59の付
勢力によて転動コロ33はガイドカム面29aに押圧されて
おり、このガイドカム面29aに沿って転動移動するよう
になっている。すなわち、トーチ駆動側クラッチ16の出
力軸19の回転に連動してスライドパック24と摺動部材26
とアーム27と保持枠28とノズルホルダ30とが当該出力軸
19を支点として一体的に回転し、転動コロ33はガイドカ
ム面29aに沿って転動移動し、この転動移動に伴って、
溶接トーチ8の進退移動が行われる。
つまり、第3図において、転動コロ33をガイド溝32のC
端側に位置させたとき、溶接トーチ8は斜め向きとな
り、そのノズル先端部8aは被溶接領域10と一定の間隔Δ
lを介して対向する。この位置から、出力軸19を回転さ
せて転動コロ33をガイド溝32の中央D部を経て他方の端
部E部まで転動させると、ノズル先端部8aは出力軸19を
中心としてθだけ回転移動する。この溶接トーチ8の回
転移動に伴い、転動コロ33は、まず、ガイドカム面29a
に沿ってCからDまで転動移動するとき、第3図の右側
(被溶接領域10から離れる方向)に寄る結果、摺動部材
26がスライドパック24に対して後退方向に摺動し、ノズ
ル先端部8aは後退方向に移動する。そして、転動コロ33
をガイドカム面29aに沿ってDからEまで転動させる
と、ノズル先端部8aは進出方向に移動する。つまり、溶
接トーチ8を出力軸19を支点として回転するだけとした
ときには、ノズル先端部8aはLの軌跡をたどって移動す
るが、転動コロ33をガイドカム面29aに沿って転動さ
せ、これに伴いスライドパック24に対して摺動部材26を
アーム27とともに摺動させることで、ノズル先端部8aは
L′の軌跡をたどって移動する。このように、本実施例
では、ガイドカム面29aの形状は前記ノズル先端部8aが
被溶接領域10と一定の間隔Δlを保って移動するように
設計されている。本実施例では前記トーチ駆動側クラッ
チ16の出力軸19からスライドパック24、摺動部材26、保
持枠28に順に至る動力伝達系は溶接トーチの回転機構を
構成し、また、アーム27に取り付けられる転動コロ33と
前記ガイド溝32とガイドカム面29aは溶接トーチの進退
移動機構を構成する。
本実施例では、第5図に示すように、回転位置検出板23
の円周面上に、転動コロ33がガイド溝32のC端の転動位
置に対応する位置と、中央D部の転動位置に対応する部
分と、E端の転動位置に対応する位置にそれぞれ位置検
出凹部34,35,36が形成されており、また、この回転位置
検出板23の円周面に対向する固定位置には前記位置検出
凹部34,35,36に選択的に嵌まる球体37が配設されてお
り、この球体37はハウジング38内に収容された圧縮ばね
39によって常時回転位置検出板23の円周面上に押圧され
ている。そして、このハウジング38等には位置検出凹部
34と35と36とがそれぞれ球体37に嵌まる回転位置を検出
する検出スイッチ(図示せず)が設けられており、この
スイッチ信号は制御回路に加えられるようになってい
る。
ところで、第3図および第6図に示すように、台車本体
2の基枠40の前後両側には摺動溝41が形成されており、
この摺動溝41にアーム42,43が摺動自在に嵌め込まれて
いる。そして、この各アーム42,43には倣いローラ6
(第3図および第6図では図示せず)が回転自在に取り
付けられる。前記アーム42,43は連結金具44を介して連
結部材45によって連結されており、この連結金具44と連
結部材45はピン46によって回転自在に結合されている。
連結部材45の中心位置には回転支軸47が回転自在に挿通
されており、この回転支軸47の下端側は台車本体2の底
板に固定されている。連結部材45は回転支軸47を支点と
して回転することにより、アーム42,43を摺動溝41に沿
って進退摺動するようになっている。この連結部材45に
は軸48,49,50の下端部が回転自在に結合されており、軸
48の上端側は第2図に示すように、台車本体2の上板22
を遊挿して上板から上方に突出し、この上板22の上側で
作動板51に連結されている。また、軸49はその上端側で
リンク板52の一端側に回転自在に結合されている。リン
ク板52の他端側には軸50の下端側が回転自在に結合され
ており、軸50の上端部は上板22を遊挿して上方に突出
し、その突出先端側で、作動板51に連結されている。リ
ンク板52の中央部分にはレバー板53の基端側が溶接等に
より固定されており、レバー板53の先端側は、上板22を
挿通するボルト54を介して作動板51に結合されている。
第7図に示すように、台車本体2の上板22には作動板51
を遊挿して上方に突出するカム軸61が固定されており、
このカム軸61に円板状のカム板55が回転自在に嵌め込ま
れている。第8図に示すように、このカム板55にはカム
軸61の中心からわずかにeだけ偏心させたカム溝56が形
成されており、このカム溝56に下端側が前記作動板51に
固定されたピン57がカム溝56に対して相対摺動自在に嵌
め込まれている。このカム板55にはケーシング58が被せ
られており、このケーシング58はカム板55に一体的に固
定されている。そしてケーシング58には操作レバー60が
設けられている。本実施例では、連結金具44と、連結部
材45と、作動板51と、リンク板52と、レバー板53と、各
部材を結合する軸47,48,49,50とはリンク機構を構成し
ており、このリンク機構とカム溝56を備えたカム板55と
でアーム進退機構を構成し、操作レバー60は前記アーム
進退機構を操作する操作部を構成している。なお、本実
施例では、走行台車の前後位置には往復走行の終点位置
を検出するマイクロスイッチ(図示せず)が設けられて
おり、このスイッチ信号は制御回路に加えられている。
本実施例は上記のように構成されており、以下、その作
用を説明する。第9図の模式図に示すように、下板11に
対して仮付け溶接されている立板4a,4bを側板9a,9b間で
隅肉溶接する場合において、まず、立板4aを左端から右
端まで溶接する場合には、まず、操作レバー60を時計方
向に回せば、カム板55のカム溝56がピン57に対して時計
方向に摺動し、第8図に示すように、ピン57はカム溝56
の一端K側に係止する。このとき、前述したように、カ
ム溝56の中心位置はカム板55の回転中心位置からeだけ
ずれているので、ピン57はカム溝56によってカム板55の
回転中心から離れる方向に押される結果、このピン57に
固定されている作動板51も同様に同方向に押されて移動
する。この作動板51の移動がリンク機構に伝わり、連結
部材45は回転支軸47を支点として第6図で時計方向に回
転する。この連結部材45の回転によりアーム42は後退方
向に摺動し、アーム43は進出方向に摺動する結果、台車
本体2に対してアーム42の突出長がアーム43の突出長よ
りも短くなり、両倣いローラ6を立板4aに当接させる
と、走行台車1は走行方向に対して前側が立板4a側に傾
いた状態となる。この状態で、走行台車1を被溶接領域
10の左端に位置させ、かつ、転動コロ33をガイドカム面
の左端Cに位置させ、溶接トーチ8のノズル先端部8aを
被溶接領域10の左端、つまり、死角領域12の左端に対向
させる。このノズル先端部8aの位置は回転位置検出板23
の近傍に設けられた検出センサによって検出され、この
検出信号は制御回路に加えられる。制御回路は、この検
出センサからの検出信号に基づき、溶接トーチ8のノズ
ル先端部8aが死角領域12の左端位置にあることを認識す
る。この状態で、モータスイッチをオンすると、制御回
路からの指令により車輪側クラッチ15が切れた状態でト
ーチ駆動側クラッチ16が結合する。したがって、モータ
の回転力はトーチ駆動側クラッチ16の出力軸19に伝わ
り、アーム27が回転し、溶接トーチ8のノズル先端部8a
は被溶接領域10の死角領域12に沿って移動する。このと
き、アーム27の回転に連動して転動コロ33がガイドカム
面29aの左端位置Cから中央部Dに向かって転動する結
果、摺動部材26がスライドパック24に対して後退方向に
移動し、これに伴い、ノズル先端部8aも後退方向に退避
移動し、ノズル先端部8aは死角領域12と一定の間隔を保
って死角領域の左端位置から直下位置まで移動し、死角
領域12の隅肉溶接が達成される。転動コロ33がガイドカ
ム面29aの中央部Dまで転動して来ると、球体37が位置
検出凹部34に嵌まり込み、位置検出信号が制御回路に加
えられる。制御回路は、この信号を受けてトーチ駆動側
クラッチ16を切り車輪側クラッチ15を結合させる。この
車輪側クラッチ15の結合により、モータの回転力は車輪
3に伝わり走行台車1は倣いローラ6に案内されて右方
向に走行しながら隅肉溶接を行う。
走行台車1が右端の側板9bに当たると、台車本体2に取
り付けたマイクロスイッチが作動し、このマイクロスイ
ッチの信号が制御回路に加えられる。制御回路はこのマ
イクロスイッチからの信号を受けて車輪側クラッチ15を
切り、トーチ駆動側クラッチ16を結合する。このトーチ
駆動側クラッチ16の結合によりモータの回転力がトーチ
駆動側クラッチ16の出力軸19に伝わり、アーム27が回転
し、このアーム27の回転に連動して転動コロ33がガイド
カム面29aに沿ってD位置からE位置へ転動する結果、
溶接トーチ8のノズル先端部8aは死角領域12の直下位置
から右端位置まで移動する。そしてこの移動に伴い、ノ
ズル先端部8aが死角領域12の右端に移動するにつれて進
出方向に移動する結果、ノズル先端部8aと死角領域12と
の間隔が一定に保たれ、死角領域の好適な隅肉溶接が達
成される。ノズル先端部8aが死角領域の右端、つまり、
転動コロ33がガイドカム面29aの右端Eまで転動して来
ると、球体37が位置検出凹部35に入り込み、位置検出信
号が制御回路に加えられる。制御回路はこの信号を受け
てモータ13をオフさせる。これにより立板4aの隅肉溶接
が完了する。
次に、立板4bの隅肉溶接を右端から左端に向けて行う場
合には、走行台車1を被溶接領域10の右端に位置させ、
操作レバー60を反時計方向に回転する。この操作レバー
60の回転によりカム溝56とピン57とのカム作用により作
動板51はカム軸61の回転中心方向に引き寄せられる結
果、連結部材45は回転支軸47を支点として反時計方向に
回転する。この回転により、アーム42が基枠40に対して
進出方向に、アーム43は後退方向にそれぞれ摺動する結
果、台車本体2からアーム42側の倣いローラ6までの長
さがアーム43側の倣いローラ6までの長さよりも長くな
り、この両アーム42,43の倣いローラ6を立板4bに倣わ
せると、走行台車1の左側、つまり走行方向に対して前
側が立板4b側に向けてわずかに傾く。
この状態で、装置スイッチをオンすると、制御回路から
の指令により車輪側クラッチ15が切れた状態でトーチ駆
動側クラッチ16が結合され、死角領域12の右端から直下
位置までの隅肉溶接が行われ、引き続いて、トーチ駆動
側クラッチ16が切れて車輪側クラッチ15が結合され、走
行台車1は左方向に向けて走行しながら隅肉溶接を行
う。そして走行台車1が右端の側板9aに当接すると、マ
イクロスイッチが作用し、このマイクロスイッチの信号
は制御回路に加えられる。制御回路は車輪側クラッチ15
を切ってトーチ駆動側クラッチ16を結合することから走
行台車1が停止した状態で被溶接領域10の右端に生じる
死角領域12の隅肉溶接が行われるのである。
なお、本考案は上記実施例に限定されることはなく、様
々な実施の態様を採り得る。例えば上記実施例ではガイ
ドカム面形成板29にガイドカム面29aを形成したが、ガ
イドカム面形成板29を省略し、ガイド溝32の周面にガイ
ドカム面29aを形成してもよい。また、ガイド溝32と転
動コロ33の嵌合のがたつきを小さくすれば、スプリング
59を省略できる。さらに、上記実施例では溶接トーチ8
を台車本体2のほぼ中間部に装着しているが、この溶接
トーチ8の取り付け位置は任意に設定できる。溶接トー
チ8の取り付け位置を変更したときには、その取り付け
位置における死角領域を走行台車1の停止状態で溶接で
きるように、溶接トーチ8の回転範囲とトーチ進退移動
機構のトーチ進退量(ガイドカム面29aの形状)を設定
することになる。
〔考案の効果〕
本考案は、溶接トーチの回転機構を備えているから、溶
接トーチのノズル先端部を死角領域に沿って移動させる
ことが可能となり、走行台車を停止させた状態で前記死
角領域の隅肉溶接を行うことができる。しかも、この溶
接トーチの移動に際し、溶接トーチの回転動作に連動さ
せて溶接トーチを進退方向に移動させる溶接トーチの進
退移動機構が設けられているから、前記死角領域を移動
する溶接トーチのノズル先端部と死角領域との間隔を一
定に維持することが可能となり、これにより、死角領域
における高品質の隅肉溶接が達成できる。
また、この死角領域の隅肉溶接は、溶接トーチの回転機
構と、溶接トーチの進退移動機構との協同により自動的
に行われるから、死角領域の溶接をいちいち溶接トーチ
を手に持って行うという従来の煩わしさから解放され、
隅肉溶接の作業能率を大幅に高めることが可能となる。
しかも、従来においては手作業のため熟練作業者により
死角領域の隅肉溶接を行わなければならなかったが、本
考案の走行台車を使用することにより熟練を全く要する
ことなく品質の高い隅肉溶接ができることとなり、その
実用的価値は非常に大きい。
また、アーム進退機構を設けた構成であっては、操作部
を操作することにより走行台車を往復いずれの方向に走
行させる場合でも、倣いローラを被溶接部材に倣わせた
状態で走行台車の走行前方側を被溶接部材側に向けて傾
けることが可能となり、これにより、走行台車をいずれ
の方向に走行させても走行台車を被溶接部材に沿って確
実に倣い走行させることが可能となる。このことから、
走行台車を往復いずれの方向に走行させたときにも被溶
接領域の隅肉溶接が可能となり、使用上非常に便利であ
る。
さらに本考案の溶接用走行台車は優れた機能を有するに
もかかわらず装置構成が簡易であり、装置製造の容易化
と装置コストの低減化を図ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案に係る溶接用走行台車の一実施例を示す
縦断構成図、第2図は同実施例におけるモータ回転の伝
達機構部を示す断面図、第3図は同実施例における走行
台車の要部平面図、第4図は同実施例のスライドパック
と摺動部材との結合関係の説明図、第5図は回転位置検
出板の回転位置検出の説明図、第6図は同実施例におけ
るアーム進退機構の構成説明図、第7図はアーム進退機
構の操作部の説明図、第8図は同アーム進退機構のカム
機構の説明図、第9図は同実施例の作用を示す模式図、
第10図は従来の溶接用走行台車の模式説明図である。 1…走行台車、2…台車本体、3…車輪、4,4a,4b…立
板、5a,5b…アーム、6…倣いローラ、7…トーチホル
ダ、8…溶接トーチ、8a…ノズル先端部、9a,9b…側
板、10…被溶接領域、11…下板、12…死角領域、13…モ
ータの出力軸、14…モータギア、15…車輪側クラッチ、
16…トーチ駆動側クラッチ、18…車軸、19…出力軸、20
…ギア、21…ウォームギア、22…上板、23…回転位置検
出板、24…スライドパック、25…収容凹部、26…摺動部
材、27…アーム、28…保持枠、29…ガイドカム面形成
板、29a…ガイドカム面、30…ノズルホルダ、31…ガイ
ド溝形成板、32…ガイド溝、33…転動コロ、34,35,36…
位置検出凹部、37…球体、38…ハウジング、39…圧縮ば
ね、40…基枠、41…摺動溝、42,43…アーム、44…連結
金具、45…連結部材、46…ピン、47…回転支軸、48,49,
50…軸、51…作動板、52…リンク板、53…レバー板、54
…ボルト、55…カム板、56…カム溝、57…ピン、58…ケ
ーシング、59…スプリング、60…操作レバー。

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】台車本体に、車輪と、この車輪を回転駆動
    するモータとが備えられ、溶接トーチを搭載して車輪走
    行により溶接トーチを被溶接領域に沿って移動させる溶
    接用走行台車において、溶接用走行台車の走行開始位置
    と走行終点位置で又はその一方側位置で溶接トーチのノ
    ズル先端部を被溶接領域の死角領域に沿って移動させる
    溶接トーチの回転機構と、この溶接トーチの回転機構の
    回転動作に連動させて溶接トーチのノズル先端部が死角
    領域の直下位置に向かうにしたがって溶接トーチを後退
    させノズル先端部が死角領域の端部斜め位置に向かうに
    したがって溶接トーチを進出させる溶接トーチの進退移
    動機構とを備えた溶接用走行台車。
  2. 【請求項2】台車本体の前後両部から走行方向に対して
    ほぼ直角方向にアームが突設され、これらの各アームの
    先端部には被溶接部材に倣う倣いローラが回転自在に設
    けられるとともに、往復方向に走行可能な走行台車の走
    行前方側の倣いローラを後方側の倣いローラよりも引っ
    込めることが可能なアーム進退機構と、このアーム進退
    機構を操作する操作部とを備えた実用新案登録請求の範
    囲第1項の溶接用走行台車。
JP1990025785U 1990-03-14 1990-03-14 溶接用走行台車 Expired - Lifetime JPH0646638Y2 (ja)

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JPS6096396A (ja) * 1983-10-28 1985-05-29 Nippon Steel Weld Prod & Eng Co Ltd 溶接用自走台車
JPS6122268U (ja) * 1984-07-12 1986-02-08 三菱重工業株式会社 隅肉自動溶接装置

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