JPH0645630U - 賦活再生装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 吸熱反応による炭化材の賦活や活性炭の再生
に適する賦活再生装置におけるノズルやセンサーなどの
取り付け構造を改良して熱や歪み、燃焼ガスによる悪影
響を受けにくくする。 【構成】 回転軸を水平方向に対して僅かに傾斜させ、
横置きにした回転筒体１は内部に中空円筒形の加熱空間
３を形成する。回転筒体１は上端面４に炭化材や活性炭
５の投入口６を、下端面１０に処理した炭化材や活性炭
５の取り出し口１１を備える。蒸気ノズル１９、エアノ
ズル２２及び温度センサー２３を回転筒体１の側壁面上
部１ａを貫通させて先端のみを加熱空間３内へ突出させ
る。回転筒体１の側壁面下部１ｂの外周面を一対のロー
ラー２５、２５からなる２組の支持ローラー対で往復回
動可能に支持する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は炭化材の賦活や活性炭の再生に適する賦活再生装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

炭化材の賦活や活性炭の再生には、重油、ガス、灯油等を熱源とし、加熱空間 内を滑落移動させ、その移動中に乾燥、焼成、蒸気吹き込みにより賦活再生する 装置が種々提案されており、例えば特開平４−９７９０５号公報や実公昭５５− ４７８５３号公報に記載のものが知られている。これらは、回転軸を水平方向に 対して僅かに傾斜させ、炭化材や活性炭の投入口を取り出し口に対して高位とな るようにするとともに、回転可能に横置きしたロータリーキルン型の回転筒体を 用い、その内部を加熱空間としたものである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

賦活再生装置には、燃料だけでなく蒸気やエアを回転筒体内に導入するための ノズルや配管、さらには温度センサーなども取り付ける。ところが上述した公報 に記載の従来の装置では、回転筒体を１方向へ回転させるようにしているため、 ノズルなどを回転筒体の回転軸と交差する端面、即ち上端面や下端面から取り付 けるようにしなければならない。従って回転筒体内部の加熱空間全体に配管、配 置するためには構造的に複雑になり、また加熱空間に露出する部分が大きくなっ ていた。このため配管やその支持構造物等には機械的または熱による歪みや燃焼 ガスの影響による酸化が生じやすく、そのためにノズルには目詰まりがおきて加 熱空間内への燃料や蒸気の均一な供給ができなくなりやすいという問題があった 。また燃焼ガスとの接触により導管の寿命が短く、経年劣化に対処するための配 管などのリプレイスまでの時間が短く、しかも構造が複雑なためにリプレイス作 業に時間が掛かるという問題があった。

【０００４】 本考案はこのような従来の問題点に鑑みてなしたもので、ノズルやセンサーな どの回転体への取り付け構造を簡単なものにでき、かつ加熱空間内への露出部分 を極力小さくでき、熱や歪みによる悪影響や燃焼ガスなどによる劣化を少なくす ることができる賦活再生装置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案に係る賦活装置は上記目的を達成するために、回転軸を水平方向に対し て僅かに傾斜させ、炭化材や活性炭の投入口を取り出し口に対して高位となるよ うにかつ回転可能に横置きしたロータリーキルン型の回転筒体を用いる賦活再生 装置において、上記回転筒体の下側に、該回転筒体の下面と接触して往復回動可 能に支持する支持装置を設けると共に、上記回転筒体の上面に、該回転筒体内へ 燃料、蒸気、エアなどを供給するためのノズルや温度等のセンサーを上記回転筒 体内の加熱空間に臨ませた構成としたものである。

【０００６】 本考案に係る賦活装置は上記支持装置が少なくとも一対のローラ体である構成 とすることもできる。

【０００７】

【実施例】

以下本考案の実施例を図面に基づいて説明する。図１は本考案に係る賦活再生 装置の一実施例に係る通電式賦活再生装置を示す断面図、図２は図１の装置の短 手方向の断面図である。本実施例装置は、図示のように形式的にはロータリーキ ルンである。

【０００８】 図中１は回転筒体で、図示のように回転軸を水平方向に対して僅かに傾斜させ 、横置きにしたものである。一例であるが、回転筒体１の径は約８００ｍｍ、全 長は約４ｍである。回転筒体１の内部には、壁面に後述する下端面部分を除いて 耐火材２が施してあり、中空円筒形の加熱空間３を形成してある。なお、加熱空 間３内での電極の配置、接続などの通電式賦活反応装置としての構造については 従来公知のものと同様の構造を採ることができるので、図示及び説明を省略する 。

【０００９】 また回転筒体１の上端面４には炭化材や活性炭５の投入口６が形成してあり、 ロータリージョイント７、入口ロータリーバルブ８を介して供給ホッパー９が連 結してある。 一方回転筒体１の下端面１０は耐火材２を施さずに開口させてあり、処理した炭 化材や活性炭５の取り出し口１１としてある。また回転筒体１の下端部外周には 取り出しダクト１２がシール１２ａを介して取り付けてある。この取り出しダク ト１２には排ガスダクト１３と出口ロータリーバルブ１４とが取り付けてある。

【００１０】 回転筒体１の側壁面上部１ａには蒸気配管系１５とエア配管系１６が接続させ てあり、蒸気配管系１５は蒸気源１７、複数の流量弁１８及び蒸気ノズル１９を 備えている。エア配管系１６はエアまたは酸素を加熱空間３内へ送り込むもので 、エア源２０、複数のエア流量弁２１、エアノズル２２、温度センサー２３及び コントローラー２３ａを備えている。蒸気ノズル１９とエアノズル２２及び温度 センサー２３は、それぞれ回転筒体１の側壁面上部１ａを貫通して先端のみを加 熱空間３内へ突出させ、それぞれの配管系は加熱空間３外に位置させている。な お、蒸気ノズル１９、エアノズル２２への配管２４ａ及び温度センサー２３への 導線２４ｂにはフレキシブルなものを用い、回転筒体１の往復回動によって位置 が可変しても問題がないようにしておく。

【００１１】 一方、回転筒体１の側壁面下部１ｂの外周面にはそれぞれ一対のローラー２５ 、２５からなる２組の支持ローラー対が接触させてあり、回転筒体１はローラー ２５に支持されつつ、図示せぬ回転駆動装置により往復回動されるようになって いる。図２中の矢印Ｘ、Ｙが回転筒体１の往復回動を示す。

【００１２】 次ぎに本実施例装置の動作を説明する。回転駆動装置により回転筒体１を往復 回動するよう駆動しつつ、供給ホッパー９内の炭化材や活性炭を入口ロータリー バルブ８、ロータリージョイント７を介して回転筒体１の上端面４に設けた投入 口６から加熱空間３内へ供給する。供給された炭化材や活性炭５は回転筒体１の 往復回動により図２において左右に振られつつ、回転筒体１の傾斜に沿って取り 出し口１１方向へと徐々に滑り落ちて行く。そして加熱空間３内を移動する間に 、蒸気ノズル１９から供給される水蒸気とエアノズル２２から供給されるエアま たは酸素によって賦活反応を呈する。

【００１３】 ここで、賦活反応は周知のように吸熱反応なので、反応が進むに連れて温度が 降下し、反応によって生成する水素と一酸化炭素の分圧が上昇し、活性化反応が 減速する。そこで温度センサー２３で加熱空間３内の温度を計測し、温度変化に 比例させてエア流量弁２１の開度を可変させ、供給するエア量を制御しながら反 応生成ガスを燃焼させて活性化反応を効率良く進める。そして、反応を終えた炭 化材や活性炭５を取り出し口１１から出口ロータリーバルブ１４を経て外部に取 り出す。

【００１４】 図３は本考案に係る賦活再生装置の一実施例に係るガスまたはオイル燃焼式式 賦活再生装置を示す断面図、図４は図３の装置の短手方向の断面図である。この 実施例装置は、蒸気配管系１５とエア配管系１６に加えて、回転筒体１の側壁面 上部１ａに燃料供給系２６を接続させてある以外は、先の実施例装置とほぼ同一 の構成を有する。燃料供給系２６は、燃料供給源２７、遮断弁２８、バーナー２ ９を備え、配管途中部位の混合器３０でエア配管系１６から噴射用エアの供給を 受けるようになっている。燃料供給系２６も蒸気配管系１５やエア配管系１６と 同様に、バーナー２９の先端のみを加熱空間３内へ突出させ、配管系は加熱空間 ３外に位置させている。またバーナー２９への配管３１も先の例の配管２４ａや 導管２４ｂと同様にフレキシブルなものを用いる。この実施例の動作は先の実施 例と同様であるので説明は省略する。

【００１５】

【考案の効果】

本考案に係る賦活再生装置は以上説明してきたように、ロータリーキルン型の 回転筒体を回転軸を水平方向に対して僅かに傾斜させ、炭化材や活性炭の投入口 を取り出し口に対して高位となるようにかつ回転可能に横置きし、回転筒体の下 側にその下面と接触して往復回動可能に支持する支持装置を設け、回転筒体の上 面に、燃料、蒸気、エアなどを供給する導管を取り付けた構成としたので、燃料 などの供給配管の回転筒体への取り付け構造が非常に簡単なものになり、回転筒 体内の熱空間内への配管やノズルの露出部分が極く小さくなり、熱や歪み、燃焼 ガスなどによる影響を受けにくくすることができ、リプレイスまでの時間が長い 長寿命の装置を実現できるようになるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る賦活再生装置の一実施例に係る通
電式賦活再生装置を示す断面図である。

【図２】図１の装置の短手方向の断面図である。

【図３】本考案に係る賦活再生装置の他の実施例に係る
通電式賦活再生装置を示す断面図である。

【図４】図３の装置の短手方向の断面図である。

【符号の説明】

１ 回転筒体 １ａ 回転筒体上部 １ｂ 回転筒体下部 ２ 耐火材 ３ 加熱空間 ４ 回転筒体の上端面 ５ 炭化材や活性炭 ６ 投入口 ７ ロータリージョイント ８ 入口ロータリーバルブ ９ 供給ホッパー １０ 一方回転筒体の下端面 １１ 取り出し口 １２ 取り出しダクト １２ａ シール １３ 排ガスダクト １４ 出口ロータリーバルブ １ａ 回転筒体の側壁面 １５ 蒸気配管系 １６ エア配管系 １７ 蒸気源 １８ 蒸気流量弁 １９ 蒸気ノズル ２０ エア源 ２１ エア流量弁 ２２ エアノズル ２３ 温度センサー ２４ａ、３１ 配管 ２４ｂ 導線 ２５ ローラー ２６ 燃料供給系 ２７ 燃料供給源 ２８ 遮断弁 ２９ バーナー ３０ 混合器

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 回転軸を水平方向に対して僅かに傾斜さ
   せ、炭化材や活性炭の投入口を取り出し口に対して高位
   となるようにかつ回転可能に横置きしたロータリーキル
   ン型の回転筒体を用いる賦活再生装置において、上記回
   転筒体の下側に、該回転筒体の下面と接触して往復回動
   可能に支持する支持装置を設けると共に、上記回転筒体
   の上面に、該回転筒体内へ燃料、蒸気、エアなどを供給
   するためのノズルや温度等のセンサーを上記回転筒体内
   の加熱空間に臨ませたことを特徴とする賦活再生装置。
2. 【請求項２】 上記支持装置が少なくとも一対のローラ
   体であることを特徴とする請求項１の賦活再生装置。