JPH0644915U - 外壁材の縦目地接合構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 長期に亘る外壁材の収縮に対しても目地切断
を生じ難くて接合部の水密性を維持できる外壁材の縦目
地接合構造を提供すること。 【構成】 外壁材１１、１１間で形成された縦目地１３
において、前記縦目地１３の底部に樹脂発砲体３を配設
し、断面傘形の合成樹脂製中子材５の中央垂直片６を前
記樹脂発砲体３に植設して該中子材の両翼片７、７を前
記縦目地１３に亘らせ、該中子材５の表側において前記
縦目地１３にコ−キング材１４を充填したことを特徴と
する外壁材の縦目地接合構造。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、建物の外壁材の縦目地構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

近年、住宅の外壁は外壁材の張設による乾式工法が多く採用されるようになっ たが、該外壁材は壁面に複数枚使用するため、接合部における水密性と外壁材の 伸縮対策が重要な課題となっている。すなわち、横貼り方式による横方向の接合 部は外壁材の長手方向に沿う両側縁に設けた切り欠き等による嵌合構造となって おり、更に弾力のある紐状コ−キングが嵌合部分に接着されているため問題はな いが、縦方向の接合部は一般的に接合ジョイナ−処理とかコ−キング処理で施工 されており、例えば実公平３−４１５２６号公報は、図７に示すように、中央に 山状の凸部２１を持ったハット型ジョイナ−２２を縦目地部２３に配設して外壁 材２４、２４の木口側端面にコ−キング材２５を密封して接着面積を増加せしめ 、外壁材２４、２４の伸縮によるコ−キング材２５の切断を防止する構造である 。

【０００３】 しかし、上記構造では、外壁材２４、２４及びハット型ジョイナ−の凸部２１ 面とコ−キング材２５が接着し、いわゆる３面接着となるため、図８に示すよう に外壁材２４、２４の収縮による縦目地間隔の拡大に対してコ−キング材２５の 切断２６の事故が起き易い接合構造である。すなわち、日本建築学会、建築工事 仕様書、防水工事編の２１７頁には、ワ−キングジョイントの目地構造では、シ −リング材と構成部材との接着は部材相互の２面で接着し、目地底に接着させな い配慮が必要で、このため一般に目地底にバックアップ材やボンドブレ−カ−を 用いると記載されており、この事柄から解るように、前記公報の接合構造は、ハ ット型ジョイナ−の凸部面がボンドブレ−カ−等でカバ−されてコ−キング材と の接着を抑止されない限り、コ−キング材の切断が発生する。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

そこで本考案は、長期に亘る外壁材の収縮に対しても目地切断を生じ難くて接 合部の水密性を維持できる外壁材の縦目地接合構造を提供し、もって上記従来技 術の問題を解決しようとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

すなわち、本考案は、外壁材間で形成された縦目地において、前記縦目地の底 部に樹脂発砲体を配設し、断面傘形の合成樹脂製中子材の中央垂直片を前記樹脂 発砲体に植設して該中子材の両翼片を前記縦目地に亘らせ、該中子材の表側にお いて前記縦目地にコ−キング材を充填したことを特徴とする外壁材の縦目地接合 構造を要旨とするものである。

【０００６】

【作 用】

このようにした外壁材の縦目地構造にあっては、外壁材の収縮により縦目地間 隔が拡大した場合には、外壁材に引張られてコ−キング材が縦目地の巾方向に伸 びを生じ、その際、コ−キング材に接着している中子材の両翼片がコ−キング材 の上記伸びに追従して開傘状に拡開し、目地切断を防止して水密性を維持する。

【０００７】

【実施例】

次に本考案の実施例を図１〜図４に基づいて説明する。 １は目地ジョイナ−であって、金属薄板製の縦長な底板２の巾中央部の表面に 目地巾の合成樹脂製樹脂発砲体３を付設し、樹脂発砲体３の表面中央部に切り目 ４を刻設している。５は硬質合成樹脂製の縦長な中子材であって、中央垂直片６ の両側に肉厚約０．４〜０．５ｍｍの薄肉な傾斜状の翼片７、７を連設して断面 傘状に形成され、翼片７、７の先端部にはそれぞれ水平片８、８を延設しており 、この中子材５の巾が前記樹脂発砲体３の巾と略同一とされている。 そして、本例は、縦目地接合部において、下地材９の表面に目地ジョイナ−１ を釘１０、１０で止着し、外壁材１１、１１を目地ジョイナ−１を介し下地材９ に釘１２、１２で止着して外壁材１１、１１の側端を目地ジョイナ−の樹脂発砲 体３の側面に隣接させ、外壁材１１、１１間で縦目地１３を形成し、中子材の中 央垂直片６を樹脂発砲体の切り目４に挿入して水平片８、８を樹脂発砲体３の表 面に沿わせ、コ−キング材１４を中子材５の表面において縦目地１３に充填して いる。なお、この場合、中子材の中央垂直片６の長さは外壁材１１、１１の厚さ の１／２〜２／３が望ましい。

【０００８】 このようにした本例の縦目地接合構造にあっては、図２に示すように、外壁材 １１、１１の収縮により縦目地１３の間隔が拡大した場合には、外壁材１１、１ １に引張られてコ−キング材１４が縦目地１３の巾方向に伸びを生じ、その際、 コ−キング材１４に接着している中子材の両翼片７、７がコ−キング材１４の上 記伸びに追従して開傘状に拡開し、コ−キング材１４の縦目地１３における切断 やコ−キング材１４と外壁材１１、１１間の切断が防止される。

【０００９】 なお、上例の中子材５は押出しによる一体成型又はシ−ト状体の折曲形成によ り作成しても差し支えはない。又、縦目地１３の目地巾が狭い場合には、中子材 は、図５に示すように、水平片を有しない翼片１６、１６と中央垂直片１７より なる中子材１５でも良く、或いは図６に示すような円弧状翼片１９、１９を備え た中子材１８でも差し支えはない。

【００１０】

【考案の効果】

以上説明したように本考案の縦目地接合構造においては、外壁材の収縮により 縦目地間隔が拡大してもコ−キング材に接着している中子材の翼片が開傘状に拡 開してコ−キングの伸びに追従でき、従って長期に亘る外壁材の収縮に対しても 目地切断を生じ難くて接合部の水密性を維持でき、また中子材の翼片の内側空間 により目地部におけるコ−キング材の容積が節減できてコ−キング費用を軽減で きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の平断面図である。

【図２】同上例の作用説明用平断面図である。

【図３】同上例の中子材の一部分の斜面図である。

【図４】同上例の目地ジョイナ−の一部分の斜面図であ
る。

【図５】本考案の別例の中子材の断面図である。

【図６】本考案の更に別例の中子材の断面図である。

【図７】従来例の平断面図である。

【図８】同上例の作用説明用平断面図である。

【符合の説明】

３ 樹脂発砲体 ５ 中子材 ６ 中央垂直片 ７ 翼片 １１ 外壁材 １３ 縦目地 １４ コ−キング材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 外壁材間で形成された縦目地において、
   前記縦目地の底部に樹脂発砲体を配設し、断面傘形の合
   成樹脂製中子材の中央垂直片を前記樹脂発砲体に植設し
   て該中子材の両翼片を前記縦目地に亘らせ、該中子材の
   表側において前記縦目地にコ−キング材を充填したこと
   を特徴とする外壁材の縦目地接合構造。