JPH0642270U - 繰り出し式の消しゴム装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 筆記具の後端に配設される繰り出し式の消し
ゴム装置で、組立性を良くしてコストダウンを可能にす
ると共に、軸の高級化や仕様変更を容易化する。 【構成】 キャップ５の内孔に螺旋筒４を固着して、螺
旋筒に螺旋溝６を備え、螺旋溝の後端に当接部９を設け
て螺旋溝の前端に凹溝８が形成され、螺旋筒の前端より
ツバ部２１を有して後方にスリット１８と、前方に軸部
２０を有した内筒１７が挿入されて、内筒の後端部１９
が当接部に略当接状態で、ツバ部が凹溝に弾性変形によ
り嵌入して内筒が螺旋筒に対して回転自在で抜け止めさ
れ、内筒には後方に消しゴム３０の後端を挟着する弾性
片２６を有し、前方の筒部２８の側面に突起２５を設け
た消しゴムホルダー２４が前後動可能で突起と弾性片を
それぞれスリットに、更に突起を螺旋溝に嵌入させて内
筒の軸部を先軸１と回転方向で一体に接合して、先軸に
対してキャップを回転した時に消しゴムがキャップの後
端から出没可能となる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、筆記具の後端に配設され、回転することで消しゴムを繰り出すよう にした所謂繰り出し式の消しゴム装置の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、先軸に対しキャップを回転させて後端から太径の消しゴムを繰り出し、 先軸に対し後端をノックして芯を繰り出すようにしたシャープペンシルが知られ ている。従来のものは、スリットを有した内筒の後端に大径の天冠部が形成され ており、スリットより内筒内に側面に突起を有した消しゴムホルダーがスリット を弾性変形させて嵌装される。キャップは後端より内孔に螺旋溝を有し、前端内 孔には段部が設けられている。キャップの後端より、内筒は適宜回転させながら 消しゴムホルダーの突起を螺旋溝に嵌装させて挿入され、天冠部の前端をキャッ プの後端に当接させた状態で内筒前方の軸部側面に設けた弾性片の突起をキャッ プ内孔の段部に係止させるか、リングを軸部に圧入固着して段部に係止させ、キ ャップを天冠部と段部の間で挟着してキャップに対して内筒を回転自在で抜け止 めする。又、消しゴムは消しゴムホルダーの後端に止着されるが、このとき消し ゴムホルダーは、殆ど螺旋溝の後端に位置している為に内筒に対してキャップを 回転して消しゴムをキャップ内に没入させる必要がある。従って、組立に時間が 懸かり過ぎる問題がある。又、自動機械で組立てる際に工程が複雑になる問題が ある。又、従来のキャップは螺旋溝を一体に有した樹脂成形品のためキャップ外 表の仕様変更でわざわざ複雑な別の金型を用意する必要がある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、前記従来例の問題点を解決することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成する為に案出された本考案の繰り出し式の消しゴム装置は、キ ャップの内孔に螺旋筒を固着して、螺旋筒に螺旋溝を備え、螺旋溝の後端に当接 部を設けて後端が開口され、螺旋溝の前端には係合部が形成され、螺旋筒の内孔 に係合部を有して後方にスリットと、前方に軸部を有した内筒が螺旋筒の前端か ら挿入されて、内筒の後端部が当接部に略当接状態で、内筒の係合部が螺旋筒の 係合部に係止して内筒が螺旋筒に対して回転自在に抜け止めされ、内筒の内孔部 には消しゴムを固定した消しゴムホルダーが内筒の最没入位置で側面に設けた突 起をスリットと螺旋溝に夫々嵌入させて内筒の軸部が先軸と回転方向で一体に接 合され、先軸に対してキャップを回転したときに消しゴムが後端から出没可能と 成されている。

【０００５】

【実施例】

図１は本考案の実施例を示している。先ず、繰り出し式の消しゴム装置は、螺 旋筒４、キャップ５、内筒１７、消しゴムホルダー２４の部材を組み合わせて構 成され、螺旋筒４は先方内孔に後述する内筒との係合部として凹溝８を有し、凹 溝８の後方に螺旋溝６が形成され、螺旋溝６の後端に傾斜状の当接部９を有して 後端に開口した消しゴム出没孔１６が設けられている。又、外周部には後端に天 冠部１５と天冠部１５先方近傍の側面に溝１４と溝内に膨出した突起１２が設け られている。又、クリップ１０は金属製で先端に玉部と後端に屈曲した脚部１３ を有し、脚部１３には孔１３ａが穿設されている。又、金属製のキャップ５の後 方側面には窓孔１１が穿設されている。螺旋筒４はクリップ１０を孔１３ａに突 起１２を嵌入し、脚部１３を溝１４に載置した状態でキャップ５の後端より挿入 され、天冠部１５の前端がキャップ５の後端に当接すると共に、突起１２が窓部 １１に弾性変形により嵌入してキャップ５に固着される。

【０００６】 内筒１７は、消しゴム３０を挿通する孔部と共に螺旋筒４の当接部９に略当接 するやはり傾斜状の後端部１９を有し、略中央から後端部１９に向けて長いスリ ット１８が穿設されている。又、前方には先軸１の後端孔に回転方向で一体に係 合する軸部２０を有し、軸部２０の内孔にはシャープペンシルの芯ケース３の外 周部が適宜に止着され、更に、芯ケース３の後端に当接する仕切り部２３が設け られている。又、軸部２０の後方外周には前記螺旋筒４の凹溝８に弾性的に嵌入 する係合部としてツバ部２１が設けられている。又、消しゴムホルダー２４は後 方に消しゴム３０の後端を挟着する一対の弾性片２６とその内面には消しゴム３ ０の外面に適宜食い込む係止突起２７を有し、前方の筒部２８の側面には弾性片 ２６と同軸上で一対の突起２５が設けられている。（図２参照）

【０００７】 前記、内筒１７の内孔部に、消しゴムホルダー２４を嵌装して突起２５と弾性 片２６をスリット１８内に嵌入させると共に、消しゴムホルダー２４の後端に消 しゴム３０が止着され、内筒１７を螺旋筒４の前端から挿入してツバ部２１を弾 性変形により螺旋筒４の凹溝８に嵌入させる。又、このとき消しゴムホルダー２ ４の前端は内筒１７のスリット前端の段部２２に当接した状態で突起２５が螺旋 溝６に嵌入される。（尚、正確には内筒を先軸に止着した時に先軸に対してキャ ップを若干回転して突起と螺旋溝が迎合する。）以上により、内筒１７は後端部 １９を螺旋筒４の当接部９に略当接した状態で螺旋筒４に対して回転自在で抜け 止めされ、内筒１７の軸部２０が先軸１の後端孔に回転止めされると共に芯ケー ス３に止着される。尚、内筒１７のスリット１８を有した筒部は華奢で変形し易 いが、上記傾斜状の当接部９と後端部１９の迎合により内方への変形が防止され 取付け後は安定化する。

【０００８】 ところで、前記先軸１の前方には芯ケース３の前後動と連動して芯を繰り出す ように成されたシャープペンシルの筆記体要素が配設されている。その構造につ いては本考案の要旨ではないので説明を省略する。又、前記キャップ５は色や表 装を変えた樹脂成形品とすることも可能である。又、前記螺旋筒４と内筒１７の 係合部は凹溝とツバ部の関係を逆に設けることも可能である。又、螺旋筒４を二 つ割り部材とすれば複雑な螺旋溝が容易に成形できるので、金型コストの低減や 多数個取りが可能となり部材コストが低減可能となる。又組立ても容易となる。 又、高級品とする場合にはキャップと先軸を金属製として、そのときには先軸と 芯ケースを軸推移可能で回転止め構造に成して内筒１７の軸部２０の内孔２９を 芯ケース３の外周と回転止め形状に成せばよい。

【０００９】 ところで、図３は本考案に使用される消しゴムホルダーの他の実施例を示して おり、基本的には前例のものと殆ど同じである。差異のみ説明すると、当該消し ゴムホルダー３１は筒部３５の後方に内面に消しゴムを止着させる係止突起３４ を有した一対の弾性片３３が延設され、筒部３５の側面には弾性片３３と同軸上 に一対の突起３２が設けられている。又、筒部３５は軸方向の略中央で割り部３ ７を有し、前面のヒンジ部３６で接合された二つ割り形状となっている。二つ割 りとした理由は、当該部材の樹脂成形を容易としてコスト低減を計ったものであ る。又、ヒンジ接合にこだわらず二つ割り部材を相互の要部に係止部を設けて固 着することも可能である。

【００１０】

【作用】

先ず、先軸１に対しキャップ５を左右に回転すると消しゴム３０が天冠部１５ の後端孔から出没する。消しゴム３０を没入した状態で天冠部１５の後端をノッ クすれば芯を繰り出すことができる。消しゴムが消耗して、消しゴムホルダー２ ４が天冠部１５の当接部９に達したときには新しい消しゴムを差し変える。

【００１１】

【考案の効果】

本考案の繰り出し式の消しゴム装置の構成及び作用は以上の如くであり、一方 方向から部材の組み込み及び取付けができ、組立の手順が簡略化されるのでコス トダウンが可能となる。特に、自動機械で組立てる際には工程が単純化するので 一層の効果がある。又、キャップに螺旋筒を固着する構造により高級化やキャッ プの仕様変更に対して対応が容易となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例である繰り出し式の消しゴム装
置を示した要部の縦断面図で、消しゴムが適量突出した
状態となっている。

【図２】本考案に使用される消しゴムホルダーを示した
斜視図である。

【図３】消しゴムホルダーの他の実施例を示した斜視図
である。

【符号の説明】

１ 先軸 ２ 内孔 ３ 芯ケース ４ 螺旋筒 ５ キャップ ６ 螺旋溝 ７ 内孔 ８ 凹溝 ９ 当接部 １０ クリップ １１ 窓孔 １２ 突起 １３ 脚部 １３ａ 孔 １４ 溝 １５ 天冠部 １６ 消しゴム出没孔 １７ 内筒 １８ スリット １９ 後端部 ２０ 軸部 ２１ ツバ部 ２２ 段部 ２３ 仕切り部 ２４ 消しゴムホルダー ２５ 突起 ２６ 弾性片 ２７ 係止突起 ２８ 筒部 ２９ 内孔 ３０ 消しゴム ３１ 消しゴムホルダー ３２ 突起 ３３ 弾性片 ３４ 係止突起 ３５ 筒部 ３６ ヒンジ部 ３７ 割り部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 先方に筆記部を備えた先軸の後端に配設
   された繰り出し式の消しゴム装置であって、当該繰り出
   し式の消しゴム装置はキャップの内孔に螺旋筒を固着し
   て、螺旋筒には螺旋溝と螺旋溝の後端に当接部を設けて
   後端に開口した消しゴム出没孔が、螺旋溝の前端には係
   合部が形成され、螺旋筒の内孔に係合部を有して後方に
   スリットと、前方に軸部を有した内筒が挿入されて、内
   筒の後端部が上記当接部に略当接状態で、内筒の係合部
   が螺旋筒の係合部に係止して、内筒が螺旋筒に対して回
   転自在で抜け止めされ、内筒の内孔部には後方に消しゴ
   ムを挟着する弾性片を有し、それと同軸上で前方の筒部
   の側面に突起を有した消しゴムホルダーが前後動可能
   で、突起と弾性片を夫々上記スリットに、突起は更に螺
   旋溝に嵌入させて、内筒の軸部を先軸と回転方向で一体
   に接合して、先軸に対してキャップを回転したときに消
   しゴムが後端から出没可能となるように構成したことを
   特徴とする繰り出し式の消しゴム装置。