JPH0642052B2 - 写真感光材料 - Google Patents

写真感光材料

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JPH0642052B2
JPH0642052B2 JP60157875A JP15787585A JPH0642052B2 JP H0642052 B2 JPH0642052 B2 JP H0642052B2 JP 60157875 A JP60157875 A JP 60157875A JP 15787585 A JP15787585 A JP 15787585A JP H0642052 B2 JPH0642052 B2 JP H0642052B2
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polymer
present
acid
matting agent
fluorine
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範幾 立花
功策 益田
俊明 渋江
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Konica Minolta Inc
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    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C1/00Photosensitive materials
    • G03C1/76Photosensitive materials characterised by the base or auxiliary layers
    • G03C1/95Photosensitive materials characterised by the base or auxiliary layers rendered opaque or writable, e.g. with inert particulate additives

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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は写真感光材料に関し、更に詳しくは写真特性等
に悪影響を与えることなく優れた帯電防止性及び耐接着
性を付与した写真感光材料に関するものである。
【従来の技術】 一般にハロゲン化銀写真感光材料の最外層は、ゼラチン
で代表される親水性コロイドをバインダーとして用いて
いる。そのため、感光材料の表面が高温、高湿の雰囲気
下では接着性または粘着性が増大し、他の物体と接触す
ると容易にそれと接着する。 この接着現象は、感光材料の製造時、保存時、撮影時等
に感光材料同士、あるいは感光材料とこれに接触する他
の物体との間で発生し、しばしば重大な故障となってい
た。特にカラー感光材料では、写真層中にカラーカプラ
ー等多数の添加剤を含有するため接着性が大きな問題と
なっていた。 この問題を解決するため、最外層に二酸化ケイ素、酸化
マグネシウム、二酸化チタン、炭酸カルシウム等の無機
物質やポリメチルメタクリレート、セルロースアセテー
トプロピオネート、フッ素樹脂等の有機物質の徴粒子を
含有させ、感光材料表面の粗さを増加させて、いわゆる
マット化し、接着性を減少させる方法が提案されてい
る。 そして、ハロゲン化銀カラー写真感光材料では、前記の
理由により多量のマット剤を使用する必要がある。しか
しながら、多量のマット剤の添加は写真画質特に鮮鋭性
に悪影響を与えるため、マット剤の使用量には限度があ
る。 ところで、ハロゲン化銀写真感光材料は一般に電気絶縁
性を有する支持体を有しているので、接着性以外に静電
電荷の蓄積も大きな問題となる。この蓄積された静電電
荷は多くの障害を引起こすが、最も重大な障害は現像処
理前に蓄積された静電負荷が放電することによって感光
性乳剤層が感光し、写真フィルムを現像処理した際に点
状スポット又は樹枝状や羽毛状の濃度班を生ずることで
ある。これがいわゆるスタチックマークと呼ばれている
もので、写真フィルムの商品価値を著しく損ね、場合に
よっては全く失なわしめる。 この現象は現像してみて初めて明らかになるもので非常
に厄介な問題の一つである。 また、これらの蓄積された静電電荷はフィルム表面へ塵
挨が付着したり、塗布が均一に行えないなどの第2次的
な故障を誘起せしめる原因にもなる。 これらの静電気による障害をなくすのに最も良い方法は
物質の電気伝導性を上げて蓄積電荷が放電する前に静電
電荷を短時間に散逸せしめるようにすることである。 したがって、従来から感光材料の支持体や各種塗布表面
層の導電性を向上させる方法が考えられ、種々の吸湿性
物質や水溶性無機塩、界面活性剤、ポリマー等の利用が
試みられてきた。 これらの例としては、例えば、米国特許第2,982,651
号、同3,428,456号、同3,457,076号、同3,454,625号、
特開昭55−7762号、同56−43636号、同56−114944号等
に記載されているような界面活性剤、例えば米国特許第
2,882,157号、同3,062,785号、同3,938,999号、特開昭5
6−78834号、同57−204540号、同57−179837号、同58−
82242号等に記載されているポリマーがある。 しかしながら、親水性コロイド層に対する帯電防止は極
めて困難であって、公知の帯電防止手段では低湿で表面
抵抗の低下が充分でなかったり高温、高湿において感光
材料の接着故障を生ずる場合がしばしばある。 しかも充分な帯電防止効果を得るために必要な量の帯電
防止剤(例えば特公昭56−44411号に記載されているフ
ッ素系界面活性剤のような)を親水性コロイド層中に含
有させると膜物性に悪影響を与えたり、現像処理液中に
流出してスラッジ等の原因となる。 特開昭54−38110号には、フルオロアルキルアクリレー
トから誘導された重合体のラテックスを感光材料に含有
させる帯電防止手段が記載されているが、この手段では
充分な帯電防止効果を得るに必要な量を含有させると膜
が失透したり、また、コストが高くなり好ましくない。
【発明の目的】
本発明の目的は、上記のような帯電防止剤添加による欠
点が改善され、かつ耐接着性及び帯電防止性に優れた写
真感光材料を提供することである。
【発明の構成】
本発明の目的は、親水性コロイドよりなる最外層の少な
くとも1層に、ポリマーから主としてなるマット剤を含
有する写真感光材料において、該ポリマーが、マツト剤
の粒子を形成するポリマー(A)と、フッ素単位及びシ
リコン単位から選ばれる少なくとも1つと該ポリマー
(A)に相溶性のある単位とを有するブロックポリマー
又はグラフトポリマー(B)とから主としてなることを
を特徴とする写真感光材料によって達成される。 以下、本発明について詳述する。 本発明のマツト剤粒子を形成するポリマー(A)は常温
で粒子形状を保持できる硬さを有するものであり、かつ
後記フッ素単位及びシリコン単位を実質的に有しないポ
リマーであれば特に制約はない。ここで実質的に有しな
いとは、本発明の目的を阻害しない範囲でこれらの単位
を有していても差し支えないことをいい、具体的にはフ
ッ素単位及びシリコン単位は合計して10重量%以下で
あることが望ましい。 好ましい上記粒子形成ポリマー(A)として、ポリアク
リル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリスチ
レン等が挙げられるが、ガラスに転移点、マット剤を含
む層のバインダーである親水性コロイドとの相溶性から
ポリメタクリル酸エステル(例えばポリメチルメタクリ
レート、ポリエチルメタクリレート等)が特に好まし
い。 本発明のマット剤粒子に含まれるもう1つのポリマー
(B)におけるフッ素単位とはフッ素原子を有するモノ
マー単位が結合してなる重合鎖をいい、該モノマー単位
としては下記一般式〔I〕又は〔II〕で表されるビニル
モノマーから誘導されるものが好ましい。 なお、該フッ素単位は本発明の効果を阻害しない範囲で
フッ素原子を有するモノマーと共重合が可能なそれ以外
のモノマーから誘導されるモノマー単位を有していても
差支えない。 一般式〔I〕 一般式〔II〕 式中、R及びRは各々水素原子、またはフッ素原子
で置換されてもよいメチル基を表わし、Rf及びRf
は各々フッ素原子で置換された直鎖、分枝または環状
のアルキル基を表わし、このアルキル基は好ましくは炭
素原子数が1〜10であり、フッ素原子以外の基または原
子によって置換されていてもよく、これらの基または原
子としては例えばヒドロキシ基、ハロゲン原子(例えば
Cl、Br等)等が挙げられる。また、このアルキル基
は炭素鎖の間にオキソ基、チオ基等の連結基が介在して
いてもよい。 一般式〔I〕で示されるフッ素系ビニルモノマーのう
ち、本発明に好ましく用いられるものの代表的具体例を
示す。 F−1 n=2〜9の整数 F−2 n=2〜9の整数 F−3 n=2〜8の整数 F−4 F−5 F−6 n=2〜8の整数 F−7 n=2〜8の整数 F−8 F−9 F−10 n=2〜8の整数 F−11 n=2〜9の整数 F−12 n=2〜8の整数 上記ポリマー(B)におけるシリコン単位とは、ポリマ
ー分子中のポリシロキサン原子団、例えば−(R2SiO)
n−、−(R2SiO)nSiOR3(ここで、Rは置換基(例え
ばアルキル基、アリール基等)、nは2以上の整数を表
わす。)のような原子団を表わす。 なお、nは5以上1000以下が好ましく、より好ましくは
10以上5以下である。 上記ポリマーにおける前記ポリマー(A)に相溶性のあ
る単位は重合鎖であって、該重合鎖を形成するモノマー
単位が誘導されるモノマーを重合してなるポリマー
(C)がポリマー(A)と相溶性があるものである。好
ましくはポリマー(C)とポリマー(A)の溶解度パラ
メーターの差は±2以内、より好ましくは±1以内であ
る。 ポリマー(A)に相溶性のある単位が誘導されるモノマ
ーとしては、ブチルアクリレート、シクロヘキシルアク
リレート等のアクリル酸エステル、メチルメタクリレー
ト、エチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレ
ート、スルホプロピルメタクリレート等のメタクリル酸
エステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニー
ルエステル類、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエ
ーテル、等のビニルエーテル類、メチルビニルケトン、
エチルビニルケトン等のビニルケトン類、スチレン、メ
チルスチレン、クロロメチルスチレン等のスチレン類、
アクリロニトリル、塩化ビニル、ビニリデンクロライ
ド、ブタジエン、イソプレン等が挙げられる。 本発明のポリマー(B)におけるフッ素単位及びシリコ
ン単位の含有量は、フッ素単位はフッ素原子としてシリ
コン単位はSiOとして、フッ素原子とSiOとの合計が1〜
90重量%の範囲が適当であり、5〜80重量%の範囲が好
ましい。 フッ素原子及びSiOの含有量が1重量%以上で充分な帯
電防止性及び耐接着性が得られ、90重量%を越えると有
機溶媒への溶解性が悪くなり、取扱いが難しくなり、ま
た得られるポリマーが高価になる。 また、ポリマー(B)におけるポリマー(A)に相溶性
のある単位の含有量は10〜99重量%の範囲が適当であ
り、20〜95重量%の範囲が好ましい。 本発明のポリマー(B)は、フッ素単位、シリコン単位
及び親水性コロイドに相溶性のある単位の他に合成上導
入される各種連結基(例えばチオ基、オキシ基、カルボ
ニルオキシ基等)や末端基を有することができ、また本
発明の目的を阻害しない範囲で上記単位が誘導されるマ
クロモノマー等と共重合しうるモノマーから誘導される
成分等を有していても差支えない。 本発明のポリマー(B)中におけるフッ素の含有量はN
MRにより求めることができ、またシリコーン単位は、
ポリマーを焼成しSiO2として求めることができる。 本発明のポリマー(B)の分子量は、ゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィ(以下、GPCという)を用いス
チレン換算の数平均分子量で2000〜200000の範囲が適当
であり、シリコン単位を含まない場合は2000〜100000の
範囲が、フッ素単位を含まない場合は3000〜200000の範
囲が好ましい。 本発明のポリマー(A)及びポリマー(B)は市販品と
しては次の組合せを用いることができる。 ポリマー(A)として ポリメチルメタ クリレート ポリマー(B)として アロンG(登録商標、東 亜合成化学(株))、及び モディパーF(登録商標、日本油脂(株))の組合せ。 本発明のフッ素単位とポリマー(A)に相溶性のある単
位とを有するグラフトポリマーの合成法としては、従来
から知られている連鎖移動法、放射線グラフト法、機械
的又は有機化学的反応法、ポリマー開始剤法、プレポリ
マー結合法、マクロモノマー法等いずれも好ましく用い
ることができるが、特にマクロモノマー法による合成で
本発明の目的に対して最も効果的なグラフトポリマーを
得ることができる。 上記フッ素系グラフトポリマーの合成法は、組合せるポ
リマー(A)が例えばポリメタクリル酸メチルの場合、
例えばメタクリル酸メチルをチオグリコール酸共存下に
ラジカル重合して分子量300〜10000の片末端カルボン酸
プレポリマーを得、これをメタクリル酸グリシジルと反
応させることによりメタクリル酸エステル型末端基を有
するマクロモノマーとする。このマクロモノマーに対し
て共重合成分として、フッ素系ビニルモノマー例えばフ
ルオロアクリレート を使用すれば、幹がフッ素単位で枝がポリメタクリル酸
ヒドロキシエチルのアンカー部分をもつグラフトポリマ
ーが得られる。またその逆の、幹がポリメタクリル酸メ
チルで枝がフッ素単位のグラフトポリマーも容易に得ら
れる。 本発明のフッ素系単位とポリマー(A)に相溶性のある
単位とを有するブロックポリマーの合成法としては、従
来から知られているアニオンリビング重合法、カチオン
リビング重合法、アニオン及びカチオン両リビングポリ
マーの連結、末端官能基法、縮合法等をいずれも好まし
く用いることができる。ビニルモノマー例えばメタクリ
ル酸メチルをチオグリコール酸共存下にラジカル重合
し、分子量300〜10000の片末端カルボン酸ポリマーを
得、又フッ素系ビニルモノマー例えばフルオロアクリレ
ート をメルカプトエタノール共存下にラジカル重合し、同じ
く分子量1000〜10000の片末端ヒドロキシポリマーを得
る。この片末端カルボン酸ポリマーと片末端ヒドロキシ
ポリマーを縮合させれば目的とするフッ素系ブロックポ
リマーが得られる。 本発明のシリコン単位とポリマー(A)に相溶性のある
単位を有するグラフトポリマーの合成法としては、例え
ば特公昭32−6896号、同47−16199号、特開昭48−28389
号等に記載されているように、シリコーンのケイ素原子
に結合した低級アルキル基からの水素引き抜きにより活
性基を形成し、そこへ有機ポリマーをグラフトする方
法、特公昭46−9355号に見られるように活性基を有する
シリコーンとアニオン重合により得られるリビングポリ
マーとを反応させる方法、特公昭52−135391号に見られ
るような、主鎖にマレイン酸を含むポリシロキサンポリ
エステルを合成し、これにマレイン酸と、電荷移動錯体
を生成しやすい電子共与性モノマーとを混合し重合する
方法、α、ω−ジヒドロキシジメチルポリシロキサン1
モルあたり0.25〜1モルのγ−メタクリルオキシプロピ
ルメチルジクロロシランを縮合して得られるアクリル変
性シリコーンとラジカル重合能を有するビニルモノマー
とをラジカル共重合する方法(アクリル変性シリコーン
法と略す)等を挙げることができるが、特にアクリル変
性シリコーン法で得られたグラフトポリマーが高い性能
を有する。 このようにして得られたシリコン系グラフトポリマー
は、シリコン単位を枝としビニルモノマーから得られる
ポリマーを幹とするグラフトポリマーとなる。ラジカル
重合能を有するビニルモノマーとしては、フッ素系グラ
フトポリマーを合成する際に用いることができる親水性
ビニルモノマー及び共重合可能な他のビニルモノマーを
全て挙げることができる。 本発明のシリコン単位とポリマー(A)に相溶性のある
単位を有するブロックポリマーの合成法としては、シリ
コーンとアニオン重合により得られるリビングポリマー
とを反応させる方法、縮合法等が挙げられる。ビニルモ
ノマー例えばメタクリル酸メチルをチオグリコール酸共
存下に重合させて得た片末端カルボン酸とα、ω−ジヒ
ドロキシジメチルポリシロキサンとを縮合させれば本発
明のブロックポリマーが得られる。 本発明のマット剤粒子に含まれるポリマーは前記ポリマ
ー(A)とポリマー(B)とから主としてなるものであ
って、これら以外のポリマーも本発明の目的を阻害しな
い範囲で存在していても差支えないが、ポリマー(A)
とポリマー(B)とから実質的になることが好ましく、
これら両ポリマーのみからなることが最も好ましい。具
体的には、マット剤粒子に含まれるポリマーに占めるポ
リマー(A)とポリマー(B)との合計の比率は90重量
%以上であることが好ましい。 本発明のマット剤粒子において、ポリマー(A)とポリ
マー(B)とは混合された状態いわゆるポリマーブレン
ドであることが好ましい。両ポリマーの混合比はポリマ
ー(B)がポリマー(A)に対して0.001〜10重量%が
適当であり、特に好ましくは0.01〜5重量%である。 ポリマー(B)はマット剤粒子の表面を被覆するだけの
量があれば充分であり、それ故、好ましい量はマット剤
の粒径にも依存する。 本発明のマット剤粒子は上記ポリマー以外に配合剤(例
えば、ジオクチルフタレート等の可塑剤、フッ素系界面
活性剤等)を含有することができる。 本発明のマット剤は、例えば低沸点有機溶媒、例えば酢
酸エチレンとブタノールと酢酸エチルとの混合溶媒、ブ
タノールとメタノールとの混合溶媒等中に溶解したポリ
マー(A)とのポリマー(B)の溶液をゼラチン水溶液
中に急速な攪拌下で分散させることによって形成され
る。 本発明のマット剤のサイズは、かなりの範囲で自由に変
えることができるが、0.2〜10μm、特に0.5〜5μmの
範囲が好ましい。上記により得られるマット剤を含有す
るゼラチン水溶液は写真分野において公知の任意の方法
により写真感光材料の最外層として塗布することができ
る。 本発明における最外層とは、写真感光材料の完成製品又
は中間製品における支持体上に塗布され乾燥された親水
性コロイド層のうち支持体から最も遠い位置にある層を
いい、感光性層側、背面層側の何れであってもよい。該
最外層は例えば表面保護層、1層からなる背面層、重層
塗布のなされる多層感光材料における中間製品の最外層
である非感光性中間層である。 本発明においては、本発明のポリマーを表面保護層に含
有させるのが好ましい。 本発明において、本発明のマット剤を含有する最外層は
該マット剤によって該層の表面がマット即ち粗面化され
ている。そしてこのマット化は最外層表面の突起物がマ
ット剤材料から構成され、突起物表面にマット剤が露出
している場合はもちろん、マット剤表面を最外層材料が
マット剤以外の最外層組成物がくるんだ粒子状物が最外
層表面に突起することにより、突起物表面が最外層材料
により構成されている場合も含まれる。 本発明において、マット剤の平均粒径は好ましくは0.1
〜10μmであり、より好ましくは0.5〜8μmである
が、最外層のバインダーと混合している場合には、その
乾燥膜厚(マット剤による突起のない部分の膜厚)より
大きいことが好ましく、帯電防止効果の点で該乾燥膜厚
よりも本発明のマット剤の粒径が2倍以上、更には2.5
倍以上大きいことが特に好ましい。 本発明のマット剤は、最外層に1m2当り50〜500mg、特
に100〜400mg含有させることが好ましい。 本発明において、最外層を構成する親水性コロイドバイ
ンダーとしては、例えばゼラチン、ゼラチン誘導体(例
えばアセチル化ゼラチン、フタル化ゼラチン等)、アル
ブミン、コロジオン等が挙げられるが、特にゼラチンが
好ましい。 さらに本発明においては、最外層に必要により硬膜剤、
平滑剤、界面活性剤、帯電防止剤、増粘剤、ポリマーラ
テックス等各種添加剤を含有させることができる。 硬膜剤としては、例えばアルデヒド系化合物、2−ヒド
ロキシ−4、6−ジクロロ−1、3、5−トリアジンの
如きハロゲンを有する化合物、ビニルスルホン系化合
物、N−メチロール系化合物、ムコクロル酸の如きハロ
ゲンカルボキシルアルデヒド化合物等を用いることがで
きる。平滑剤としては、例えば流動パラフィン、ワック
ス類、ポリフッ素化炭化水素類、シリコーン類等を用い
ることができる。界面活性剤としては、サポニン等の天
然界面活性剤、アルキレンオキサイド系等のノニオン界
面活性剤、高級アルキルアミン類、第4級アンモニウム
塩類の如きカチオン界面活性剤、カルボン酸、スルホン
酸等の酸性基を含むアニオン界面活性剤等いずれも用い
ることができる。帯電防止剤としては、前記の界面活性
剤、米国特許第3,954,924号記載のフッ素系界面活性剤
スチレン−マレイン酸系共重合体およびアクリロニトリ
ル−アクリル酸系共重合体等のアルカリ金属塩、さらに
米国特許第3,206,312号、同第3,428,451号明細書記載の
帯電防止剤を含有することができる。 本発明では、公知のマット剤例えば二酸化ケイ素、ポリ
メチルメタアクリレート、ポリテトラフルオロエチレン
等からなるアルカリ不溶性マット剤やMMA/MAA、
EMA/MAAからなるアルカリ可溶性マット剤を併用
することができる。 本発明の写真感光材料がハロゲン化銀写真感光材料であ
る場合、それに用いられるハロゲン化銀乳剤は、通常の
シングルジェット法、ダブルジェット法、酸性法、アン
モニア法、中性法等いずれか任意の方法でつくることが
でき、ハロゲン化銀粒子の形、サイズおよびサイズ分布
については特に制限はない。ハロゲン化銀としては、塩
化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀等いずれも用い
ることができる。 ハロゲン化銀乳剤に用いられる親水性コロイドバインダ
ーとしては、ゼラチン、変性ゼラチン、ゼラチン誘導体
の他にカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチル
セルロース、ポリビニルアルコール、ポリ−N−ピロリ
ドン、ポリアクリル酸共重合体、ポリアクリルアミド等
が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上併用しても
よい。 また、本発明に係る写真感光材料の支持体上に塗設され
る層(写真構成層)中にはラテックス状水分散ビニル化
合物を含有することもできる。 このようなラテックスとしては、アルキルアクリレー
ト、アルキルメタクリレート、アクリル酸、メタクリル
酸、グリシジルアクリレート、スチレン、塩化ビニル、
塩化ビニリデン等のホモまたは共重合体が用いられる。 本発明におけるハロゲン化銀乳剤は常法により化学増感
することができる。例えば、米国特許第2,399,083号、
同第2,597,856号等明細書に示されるような金化合物、
また白金、パラジウム、ロジウム、イリジウムの如き貴
金属の塩類、米国特許第2,410,689号、同第3,501,313号
等明細書に示されるイオウ化合物、その他第一スズ塩、
アミン類等により化学増感することができる。 本発明におけるハロゲン化銀乳剤には、安定剤またはカ
ブリ防止剤を添加することができる。 例えば4−ヒドロキシ−6−メチル−1、3、3a、7
−テトラザインデン、3−メチル−ベンゾチアゾール、
1−フェニル−5−メルカプトテトラゾールをはじめ、
多くの複素環化合物、含水銀化合物、メルカプト化合
物、金属塩類等多くの化合物を用いることができる。 また、本発明におけるハロゲン化銀乳剤には、目的によ
り種々の分光増感色素、例えばメロシアニン色素、カル
ボシアニン色素、シアニン色素等を用いることができ
る。 本発明においては、カラーカプラーとして4当量型メチ
レン系イエローカプラー、2当量型ジケトメチレン系イ
エローカプラー、4当量型または2当量型のピラゾロン
系マゼンタカプラーやインダゾロン系マゼンタカプラ
ー、α−ナフトール系シアンカプラーやフェノール系シ
アンカプラーを用いることができる。またいわゆるDI
Rカプラーやポリマーカプラーも使用することができ
る。 さらに、本発明の写真感光材料の写真構成層には、染
料、紫外線吸収剤、前述の如き硬膜剤、界面活性剤、さ
らにポリマーラテックス等を含有させることができる。 また、本発明の写真感光材料の支持体としては、セルロ
ースアセテートフイルム、ポリエチレンテレフタレート
フイルム、バライタ紙またはα−オレフィンポリマーを
被覆した紙等当業界において一般に用いられるものはい
ずれも用いることができる。 本発明の写真感光材料の写真構成層は、ディップコー
ト、エアーナイフコート、カーテンコート、エクストル
ージョンコート等種々の方法を用いて、一層づつまたは
多層同時に塗布することができる。 本発明に用いることができる上記各種添加剤、ペヒク
ル、支持体、塗布方法等についてはプロダクト・ライセ
ンシング・インデックス(Produet Licensing Index)
誌92巻107〜110頁(1971年12月)の記載を参考にする
ことができる。 本発明の写真感光材料の露光光源としては特に限定はな
く、低照度のものから高照度のものまで、また、露光時
間としては数10秒〜10-6秒位の範囲にわたっていずれも
用いることができる。 本発明を適用することができる写真感光材料としては、
白黒写真感光材料、カラー写真感光材料、また一般用、
印刷用、X線用、放射線用等のハロゲン化銀写真感光材
料が挙げられ、具体的には、白黒のネガフィルム、ペー
パー、反転の写真感光材料及びカラーのネガフィルム、
ペーパー、反転及び処理液中に発色剤を含有するいわゆ
る外式カラー写真感光材料等あらゆるハロゲン化銀写真
感光材料挙げられる。その他でも最外層に親水性コロイ
ド層を有する写真感光材料であれば本発明は有効であ
る。 本発明の写真感光材料がハロゲン化銀カラー感光材料で
ある場合には、露光後、色素画像を形成するための現像
処理は、基本的には少なくとも1つの発色現像工程を含
み、場合により、前硬膜工程、中和工程、第一現像(白
黒現像)工程等を含む。前記工程及びこれらに続く工程
(例えば漂白、定着、漂白定着、補力、安定、水洗等の
選択された組合せ)は30℃以上、特に好ましくは35℃以
上で処理される。 発色現像液は、現像主薬としてp−フェニレンジアミン
類(例えば、N、N−ジエチル−p−フェニレンジアミ
ン、N、N−ジエチル−3−メチル−p−フエニレンジ
アミン、4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−メ
タンスルホンアミドエチルアニリン、4−アミノ−3−
メチル−N−エチル−N−β−ヒドロキシエチルアニリ
ン、N−エチル−N−β−ヒドロキシエチル−p−フェ
ニレンジアミン)またはこれらの塩(例えば、塩酸塩、
硫酸塩、亜硫酸塩)、米国特許第2,193,015号、同第2,5
92,364号、特開昭48−64933号等明細書に記載された化
合物を使用することができる。発色現像液には、他に硫
酸ナトリウム等の塩類、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリ
ウム、リン酸ナトリウム等のpH調節剤や緩衝剤(例え
ば、酢酸、ホウ酸の如き酸またはその塩)、現像促進剤
(例えば、米国特許第2,648,604号、同第3,671,247号等
明細書に記載されている各種のピリジニウム化合物、カ
チオン性の化合物類、硫酸カリウム、硝酸ナトリウム、
米国特許第2,533,990号、同第2,577,127号、同第2,950,
970号等明細書に記載されたポリエチレングリコール縮
合物及びその誘導体類、英国特許第1,020,032号、同第
1,020,033号明細書に記載の化合物で代表されるような
ポリチオエーテル類等のノニオン性化合物類、米国特許
第3,068,097号明細書記載の化合物で代表されるような
サルファイトエステルをもつポリマー化合物、その他ピ
リジン、エタノールアミン等有機アミン類、ベンジルア
ルコール、ヒドラジン等)を含ませることができる。発
色現像液は、さらにカブリ防止剤(例えば、臭化アルカ
リ、沃化アルカリ、ニトロベンツイミダゾール類、ベン
ツトリアゾール系化合物、メルカプトテトラゾール系化
合物等)、米国特許第3,161,514号、英国特許第3,161,5
14号、英国特許第1,144,481号等明細書に記載のステイ
ンまたはスラッジ防止剤、米国特許第3,536,487号明細
書で知られる重層効果促進剤、保恒剤(例えば、亜硫酸
塩、酸性亜硫酸塩、ヒドロキシルアミン塩酸塩、ホルム
アルデヒド−アルカノールアミンサルファイト付加物
等)を含むことができる。 前硬膜工程に用いられる前硬膜液には写真感光材料にお
ける親水性コロイドとして用いられるゼラチンを硬化さ
せるアルデヒド類、例えば米国特許第3,232,761号等明
細書に記載された脂肪族アルデヒド、ホルムアルデヒ
ド、グリオキザール、サクシンアルデヒド、グルタール
アルデヒド、ピルビンアルデヒド等)、及び米国特許第
3,565,632号、同第3,667,760号等明細書に記載された芳
香族アルデヒドを1つ以上含んだ水溶液を用いることが
できる。この液は硫酸ナトリウム等の無機塩類やホウ
砂、ホウ酸、酢酸、酢酸ナトリウム、水酸化ナトリウ
ム、硫酸等のpH調節剤や緩衝剤、ハロゲン化アルカリ
(例えば、臭化カリウム等)等の現像カブリ防止剤を含
むことができる。 中和工程に用いられる中和浴には、ヒドロキシアミン、
L−アスコルビン酸の如きアルデヒド除去剤の他に無機
塩類、pH調節剤、緩衝剤等を添加することができる。 カラー反転フイルムの第一現像工程にはハイドロキノ
ン、1−フェニール−3−ピラゾリドン、N−メチル−
p−アミノフェノール等の現像主薬を1つ以上含んだア
ルカリ水溶液を用いることができ、他に硫酸ナトリウム
等の無機塩類やホウ砂、ホウ酸、水酸化ナトリウム、炭
酸ナトリウム等のpH調節剤や緩衝剤、ハロゲン化アルカ
リ(例えば、臭化カリウム)、その他の現像カブリ防止
剤を含むことができる。 上記各処理工程において例示した各種添加剤及びその添
加量はカラー写真処理法においてよく知られている。 漂白浴及び漂白定着浴に用いられる漂白剤としては公知
の化合物、例えばフェリシアン酸塩類、重クロム酸塩、
水溶性鉄(III)塩、水溶性コバルト(III)塩、水溶性
鋼(II)塩、水溶性キノン類、ニトロソフェノール、鉄
(III)、コバルト(III)、銅(II)等の多価カチオン
と有機酸の錯塩、例えばエチレンジアミン四酢酸、ニト
リロトリ酢酸、イミノジ酢酸、N−ヒドロキシエチルエ
チレンジアミントリ酢酸のようなアミノポリカルボン
酸、マロン酸、潤石酸、リンゴ酸、ジグリコール酸、ジ
チオグリコール酸等の金属錯塩や2、6−ジピコリン酸
銅錯塩等、過酸類、例えばアルキル過酸、過硫酸塩、過
マンガン酸塩、過酸化水素等、次亜塩素酸塩、塩素、臭
素、サラシ粉等の単独あるいは適当な組合せを用いるこ
とができる。 これらの浴にはその他米国特許第3,042,520号、同第3,2
41,966号、特公昭45−8506号、同45−8836号明細書等に
記載の漂白促進剤等を加えることもできる。 定着には公知の定着液を使用できる。即ち、定着剤とし
ては、チオ硫酸のアンモニウム、ナトリウム、カリウム
塩が50〜200g/の程度に用いられ、その他に亜硫酸
塩、異性重亜硫酸塩等の安定化剤、カリ明ばん等の硬膜
剤、酢酸塩、ホウ酸塩等のpH緩衝剤等を含むことができ
る。 漂白剤、定着剤及び漂白定着浴については、米国特許第
3,582,322号明細書等に記載されている技術を適用でき
る。 補力液としては、Co(III)塩による方法、過酸化水
素を用いる方法、亜塩素酸を用いる方法による補力液を
用いることができる。 画像安定浴については、米国特許第2,515,121号、同第
3,140,177号明細書等に記載された方法を用いることが
できる。 次に本発明をより具体的に説明するために合成例、実施
例及び比較例を挙げる。なお、各例に記載の%は全て重
量%を表わす。 ・合成例1 (1)末端メタクリレート型メチルメタクリレートマク
ロモノマーの合成 攪拌機、還流冷却器、滴下ロート、温度計及びガス吹込
口を取り付けたガラスフラスコにメチルメタクリレート
(以下MMAと略す)10gとアセトン−トルエン(17.5
%:82.5%)混合溶媒83gを仕込み、Nガスで1時間
脱気後、還流下に重合開始剤としてアゾビスイソブチロ
ニトリル(以後AIBNと略す)0.5gと連鎖移動剤と
してチオグリコール酸0.32gを加えて重合を開始させ
た。その後4.5時間でMMA90gを滴下し、またチオ
グリコール酸2.88gをトルエン7gに溶解して30分毎、
9回に分けて追加し、同様にAIBNの1.5gを1.5
時間毎に、3回に分けて追加し、その後2時間還流を続
け、下記構造式〔I〕の重合体を得た。 反応液の一部をn−ヘキサンにて再沈澱、乾燥して酸価
を測定したところ0.340mg当量/gであった。 〔I〕 次に、上記反応液からアセトンの一部を留去した後、触
媒としてトリエチルアミン0.5%、重合禁止剤としてハ
イドロキノンモノメチルエーテル200ppmを添加し、酸価
に対して1.2倍のグリシジルメタクリレートを加え、還
流下(約110℃)11時間反応させた。酸化の減少から求
めた反応率は96%であった。反応液を10倍のn−ヘキサ
ン中に投入、沈澱させた後、80℃で減圧乾燥して、下記
構造式〔II〕のマクロモノマー90gを得た。 GPCによるポリスチレン換算分子量は、数平均分子量
が2900であった。また、水酸基価は0.350当量/gであ
った。 〔II〕 (2)マクロモノマー法によるフッ素系グラフトポリマ
ーの合成構造式〔V〕のマクロモノマー70gとフルオロ
アルキルアクリレート (n=4−12の混合物平均=7)30g、トリフルオロ
トルエン(C6H5CF3)270g及びAIBN0.35gを混合
し、還流下(約100℃)5時間重合させた。 反応終了後、この反応液を10倍量のメタノール中に投入
し沈澱させ、80℃減圧乾燥してグラフトポリマー(1)
67gを得た。このものはGPCにより単一のピークを示
し、数平均分子量は10,000であった。 また内部標準物質としてドリフルオロトルエンを加え
て、CDCl3溶媒にてH−NMRスペクトルを測定し、
トリフルオロトルエンのHとポリマー中のMMA単位中
の−O−CH3のHとのピーク面積比からグラフトポリマ
ー中のMMA単位の含有量を求めたところ、60%であっ
た。残りフッ素含有量とした(40%)。 そこでフルオロアルキルアクリレートの仕込み量を変え
て同様の反応を行い、フッ素含有量20%及び60%のグラ
フトポリマー(2)及びグラフトポリマー(3)を得
た。 数平均分子量はいずれも約10,000であった。 ・合成例2 α、ω−ジヒドロキシジメチルポリシロキサン のシリコーン220g(0.1モル)とピリジン9.49g(0.12
モル)をジエチルエーテル400mlに溶解した溶液に、γ
−メタクリルオキシプロピルメチルジクロロシラン12.0
6g(0.05モル)の10%ジエチルエーテル溶液を室温で2
0分間かけて徐々に滴下した。滴下終了後、室温にて更
に1時間攪拌し、ピリジン塩酸塩の結晶をろ過により除
去した。次にこのろ液を分液ロートに入れ、更に水500m
lを入れてよく振とうし、水洗を行った。 水洗後分液ロートを静置し、上層のエーテル層と下層の
水層を分離し、得られたエーテル層を無水芒硝で一晩脱
水させた。その後、ろ過により芒硝を除去し、得られた
ろ液からエーテルを減圧留去すると無色透明なアクリル
変性シリコーン225gが得られた。 このアクリル変性シリコーン50g、MMA50g、AIB
N10g及びトルエン300gを混合し、Nガス中80℃で2
4時間重合させた。 反応後、トルエンと未反応HEMAを減圧で除去し、得
られた固定をn−ヘキサンで抽出し減圧乾燥すると白色
粉末状のグラフトポリマー(4)81gが得られた。この
グラフトポリマー中のシリコーン量はジメチルポリシロ
キサンとして40%であり、GPCによる分子量は数平均
分子量▲▼=90000であった。シリコーン量は白金
ルツボにグラフトポリマー約0.2gを精粋し、濃硫酸約
3mlを加え、電気炉に入れて700℃で2時間加熱し、シ
リコーンをSiO2として求めた。次に本発明に使用するマ
ット剤のうち代表的なものの製造例を示す。 製造例1 合成例1で得られたグラフトポリマーの0.8gとポリM
MAの80gを酢酸エチル190gとn−ブタノール60gの
混合溶媒に40℃で溶解した。また、40gの水にドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム1.0gを溶解した。さら
に500mlビーカーにゼラチン40gをとり水320gを加えて
30分間膨潤させた後、60℃において溶解した。 次に内容積1の3つ口フラスコ中に溶解したゼラチン
溶液及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液
を入れた後、35℃まで加温した。そこに予め溶解したグ
ラフトポリマー(1)とポリMMAの溶液を投入し、毎
分1000回転の速度で20分間攪拌した。得られたエマルジ
ョンを光学顕微鏡により観察した結果、2〜5μmのポ
リマー油滴が認められた。このエマルジョンを100mmH
g、45℃において減圧乾燥し溶媒を除去した。その後、
遠心分離により粒径2〜5μmのマット剤(1)を得
た。 製造例2 合成例1で得られたグラフトポリマー(2)の1.0gを
製造例1と同様に処理し粒径2〜4μmのマット剤
(2)を得た。 製造例3 合成例1で得られたグラフトポリマー(3)の0.5gを
製造例1と同様に処理し粒径2〜4μmのマット剤
(3)を得た。 製造例4 合成例2で得られたグラフトポリマー(4)0.8gを、
溶解する溶媒をトルエン100g、及びn−ブタノール100
gの混合溶媒に代えて製造例1と同様に処理し粒径2〜
4μmのマット剤(4)を得た。 製造例5 モディパーF−100(日本油脂製)1.5gを製造例1と同
様に処理し、粒径2〜4μmのマット剤(5)を得た。 製造例6 モディパーF−210(日本油脂製)2.0gを製造例1と同
様に処理し、粒径2〜5μmのマット剤(6)を得た。 〔実施例〕 実施例1 ハロゲン化銀1モル当り300gのゼラチンを含み、か
つ、イエローカプラーとして、α−ピバロイル−α−
(1−ベンジルイミダゾリジン−2、4−ジオン−3−
イル)−2−クロロ−5〔γ−(2、4−tert−アミノ
フェノキシ)ブチルアミド〕アセトアニリドを2.5×10
-2モルおよび硬膜剤として、1、2−ビス(ビニルスル
ホニル)エタン0.02g/1gゼラチンを含有するカラー
用青感性沃臭化銀(沃化銀7モル%)乳剤を調製した。 また、保護層用として、本発明のマット剤(1)〜
(4)並びに比較用の粒径2〜4μmのポリメチルメタ
クリレートからなるマット剤(A)及びポリヘキサフル
オロイソプロピルアクリレートラテックス(特開昭54−
38110号製造例1に記載のもの)(B);硬膜剤;及び
塗布助剤を表1に示す量になるように添加したゼラチン
溶液を表1の塗布量でスライドホッパー法により下引層
を有する三酢酸セルロースフイルム支持体上に支持体側
から順に乳剤層及び保護層を塗布し、試料(1)、試料
(2)、試料(3)、試料(4)、試料(A)及び
(B)を得た。 また、マット剤を入れない試料(C)も作製した。保護
層の乾燥厚は1.5μmであった。 別記 表1 各試料について、5cm平方の大きさに2枚
づつ切り取り、それぞれ互いに接触しないように23℃、
80%RHの雰囲気下で1日間保存した後、それぞれ同一
試料の2枚の保護層同士を接触させ、800gの荷重をか
け、40℃、80%RHの雰囲気下で保存し、その後試料を
はがして接着部分の面積を測定し、耐接着性を測定し
た。 なお、評価基準は以下のとおりである。 ランク 接着部分の面積 A 0〜20% B 21〜40% C 41〜60% D 61%以上 以上の結果を表2に示す。 表2の結果から、本発明のマット剤の耐接着性が従来の
それより優れていることがわかる。 実施例2 本発明の試料(1)、(2)、(3)及び(4)並びに
比較試料(A)、(B)及び(C)について帯電防止性
及び失透性を次の方法で調べた。 未露光の試料を25℃、25%RHで2時間調湿した後、同
一空調条件の暗室中において試料の乳剤面側をネオプレ
ンゴムローラで摩擦した後、下記の処理液で現像、漂
白、定着、水洗及び安定化を行ってスタチックマークの
発生度を調べた。 処理工程 湿度 処理時間 (1)現像…… 38℃ 3分15秒 (2)漂白…… 38℃ 4分30秒 (3)定着…… 38℃ 4分20秒 (4)水洗…… 38℃ 3分15秒 (5)安定化……38℃ 1分 5秒 なお、現像液、漂白液、定着浴及び安定浴のそれぞれの
組成は次の通りである。 現像液(pH=10.05) 水を加えて1とする。 漂白浴(pH=5.70) 水を加えて1とする。 定着浴(pH=6.50) 水を加えて1とする。 安定浴(pH=7.30) 水を加えて1とする。 失透性は目視で判断した。 これらの試料の帯電防止性及び失透性の試験結果を第3
表に示す。 表中、スタチックマーク発生度の評価は A:スタチックマークの発生が全く認められない B:スタチックマークの発生が少し認められる C: 〃 かなり認められる D: 〃 ほぼ全面に認められる の4段階に分けて行った。 表3から明らかなように、本発明のマット剤を用いて帯
電防止した試料はスタチックマークの発生がほとんど認
めらないすぐれた帯電防止効果を有し、しかも膜の失透
がない。 実施例3 本発明のマット剤(5)及び(6)をそれぞれ用いて実
施例1と同様にして試料(5)及び(6)を作製し、実
施例1と同様の耐接着性試験を行った。 結果を比較試料(A)及び(B)の結果と供に表4に示
す。 表4から明らかなように、本発明のマット剤を用いた試
料は公知のマット剤又はラテックスを用いたものと比べ
て耐接着性に優れている。 実施例4 実施例4 本発明の試料(5)及び86)を実施例2と同様にして
帯電防止性を調べた。結果を比較試料(A)及び(B)
の結果と供に表5に示す。 表5から明らかなように、本発明のマット剤を用いた試
料は公知のマット剤又はラテックスを用いたものと比べ
て帯電防止性に優れている。 〔発明の効果〕 本発明の写真感光材料は耐接着性及び帯電防止性に優
れ、かつ従来の帯電防止剤を用いる技術における欠点
(低湿では帯電防止効果が不充分であり、高温、高湿で
接着故障を生ずる場合があり、帯電防止上十分な量を用
いると膜物性が低下したり、現像処理液中にスラッジ発
生し、また膜が失透する)が改善される。 なお、本発明のポリマー(B)はマット剤粒子形成ポリ
マー(B)に相溶性のある単位の存在により、マット剤
粒子の表面に移行濃縮したポリマー(B)が簡単にマッ
ト剤粒子から離脱して現像処理液中に流出することがな
く、接着性及び帯電性を向上するものと推察される。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】親水性コロイドよりなる最外層の少なくと
    も1層にポリマーから主としてなるマット剤を含有する
    写真感光材料において、該ポリマーが、マット剤の粒子
    を形成するポリマー(A)と、フッ素単位及びシリコン
    単位から選ばれる少なくとも1つと該ポリマー(A)に
    相溶性のある単位とを有するブロックポリマー又はグラ
    フトポリマー(B)とから主としてなることを特徴とす
    る写真感光材料。
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