JPH0641172B2 - 管状二軸延伸フィルムの製造方法および装置 - Google Patents

管状二軸延伸フィルムの製造方法および装置

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JPH0641172B2
JPH0641172B2 JP63132365A JP13236588A JPH0641172B2 JP H0641172 B2 JPH0641172 B2 JP H0641172B2 JP 63132365 A JP63132365 A JP 63132365A JP 13236588 A JP13236588 A JP 13236588A JP H0641172 B2 JPH0641172 B2 JP H0641172B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、食品包装用、工業用フィルム等の製造に好適
な管状二軸延伸フィルムの製造方法および装置に関す
る。
〔従来の技術〕
管状二軸延伸法により延伸されたフィルムは、一般に厚
み精度が低く、巻き姿の悪化や、印刷、ラミネート、製
袋等の二次加工時における不良発生等、包装用、あるい
は工業用フィルムとしての利用上の適正が劣る。このた
め、同時二軸延伸による強度と、物性が均一化されると
いう特徴を有しながら、その利用が制限されているのが
実情である。
そして、一般に延伸用原反フィルムの厚み精度は、押出
ダイに設けられたリップ、すなわち溶融管状樹脂の吐出
口の開口幅を数多くの調整ボルトにより調整することに
より行われている。しかし、その調整により延伸用原反
フィルムの厚み精度を向上させることには限界があり、
その精度は、一般に±2%〜6%程度であることに加
え、延伸時においては、さらにその精度の二倍以上に厚
み精度が悪化する。
従って、延伸用原反フィルムの厚みむら、変動が生じた
場合においても、延伸後のフィルムの厚み分布、特に幅
方向における厚み分布の精度を向上させることが要望さ
れている。
そこで、以下の(1)〜(3)に示された技術により、
前記厚み分布の精度を向上させるものが知られている。
(1)発熱体円筒を一方向回転または往復回転させて、
巻き姿を良好にするもの(特公昭47-28696号公報)。
(2)延伸前、または延伸中のチューブに、そのチュー
ブの変位に対応させて、周方向に分割された熱風吹出口
から吹き出す熱風の温度を制御するようにしたもの(特
公昭57-30369号公報)。
(3)フラットなポリエステルフィルムを、その幅方向
へ延伸させる場合、延伸倍率が、二倍以上になる領域で
幅方向位置に温度分布が可変とされた加熱装置を設け、
フィルム幅が厚い部分では加熱温度が高温とされるよう
に構成されたもの(特開昭52-47070号公報)。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、(1)に示されたものでは、公報中の実
施例において説明されているように、厚みむらが±10%
以上であり、表面的な巻き姿は向上されたとしても、厚
みむらの本質的な解決は行なうことができない。
(2)に示されたものにおいては、熱風、すなわち空気
を加熱する構成であるため、分割して加熱させた場合に
あっても、正確な分割加熱は困難であり、おのずと限界
がある。また、公報中の実施例から理解されるように、
延伸前の予備加熱において温度差を設けておく構成で
は、延伸時においてその温度差が維持されているという
保証はない。
さらに、(3)に示されたものでは、フラットフィルム
においてはその幅方向端部において、フィルムの中央部
と加熱条件が異なるため、真に最適な制御ができず、そ
の制御は不連続な制御とならざるを得ない。
本発明の目的は、延伸用原反フィルムの周方向における
厚み分布の変化が生じた場合においても、延伸後の厚み
分布を極めて高い精度に延伸可能とされた管状二軸延伸
フィルムの製造方法および製造装置を提供することにあ
る。
〔課題を解決するための手段〕
前記目的を達成するために、本発明に係る管状二軸延伸
フィルムの製造方法では、環状押出ダイから押し出され
た溶融状態の熱可塑性樹脂を急冷して形成される管状フ
ィルムが二組のニップロール間で加熱されるとともに、
内部に注入された気体の圧力により同時二軸延伸される
管状二軸延伸フィルムの製造方法において、バブル状延
伸フィルムの幅方向における厚み分布を測定し、前記管
状フィルムの二軸延伸部における加熱を、前記測定した
厚み分布に対応して管状フィルムの周方向に分割制御す
ることを特徴とする。
また、本発明に係る管状二軸延伸フィルムの製造装置で
は、環状押出ダイから押し出された溶融状態の熱可塑性
樹脂を急冷して形成される管状フィルムが二組のニップ
ロール間で加熱されるとともに、内部に注入された気体
の圧力により同時二軸延伸される管状二軸延伸フィルム
の製造装置において、 管状フィルムの加熱を行なうとともに、管状フィルムの
周方向に配設された複数の赤外線発熱体により、周方向
における温度分布が分割制御可能とされた環状ヒータ
と、 バブル状延伸フィルムの幅方向における厚み分布を測定
する厚み分布測定手段と、 環状ヒータの周方向における温度分布を検出する温度分
布検出手段と、 検出された前記厚み分布と前記温度分布との相関関係に
基づいて環状ヒータの分割制御を行う制御手段と、 が備えられたことを特徴とする。
〔作用〕
本発明に係る管状二軸延伸フィルムの製造方法および装
置では、測定された加熱部の温度分布とバブル状延伸フ
ィルムの厚み分布とに対応させて、加熱部の温度分布が
分割制御され、延伸フィルムの幅方向、すなわち、移送
方向と直交する方向における厚み分布が均一化される。
〔実施例〕
以下、本発明に係る管状二軸延伸フィルムの製造方法お
よび装置の好適な実施例を図面に基づいて説明する。
第1図には、本発明に係る管状二軸延伸フィルムの製造
方法を実施するための製造装置(以下、単に装置と略称
する)1の全体概略図が示されており、同図において、
ホッパ2から押出機3へ入れられた熱可塑性樹脂は、押
出機3により加熱・溶融されて管状ダイ5から押し出さ
れる。
本発明に用いられる熱可塑性樹脂としては、特に限定は
されないが、例えばポリアミド,ポリエステル,エチレ
ン−ビニルアルコール共重合体,ポリプロピレン,ポリ
エチレン等の結晶性樹脂、あるいはポリスチレン,ポリ
カーボネート等の非晶性樹脂等が挙げられる。
押出ダイ5には、押出ダイ5から吐出される管状の溶融
樹脂内に気体(例えば空気)を吹き込む気体吹出部6が
設けられており、その気体は図示しないポンプ等から圧
送される。
押出ダイ5から次々と溶融管状樹脂が押し出されてくる
とともに、前記気体吹込部から管状樹脂内に気体が吹き
こまれると、管状樹脂は押出ダイ5からチューブ状とな
って押し出される。
チューブ状樹脂が押出ダイ5から押し出される方向の下
流位置には、押出ダイ5と所定間隔を離してエアリング
7と、所望温度の冷却水が供給される冷却装置9とが、
各々所定間隔を離して配設されている。このため、押し
出されたチューブ状樹脂はエアリング7および冷却装置
9の水により冷却されて所定の厚みと外径とを有するチ
ューブ状原反フィルムAとされる。
そのチューブ状原反フィルムAは、ガイド板11にガイ
ドされてニップロール13に挿通され、ニップロール13に
より2枚重ねの折り畳み原反フィルムAとされ、さら
に、ガイドロール15,16を介してニップロール19へ移送
される。
ニップロール19に挿通された折り畳み原反フィルムA
の移送ライン上位置には、必要により設けられる予備加
熱用ヒータ21,エアリング23、加熱部としての赤外線加
熱円筒炉(環状ヒータ)25、偏平ガイドロール27および
引取りニップロール29が各々所定の間隔を介して配設さ
れている。
ニップロール19に挿通された折り畳み原反フィルムA
は、ヒータ25により加熱されるとともに、所望量の気体
が圧入されてバブル状に膨張される。すなわち、原反フ
ィルムAは、その移送方向先端部近傍が偏平ガイドロ
ール2にガイドされて引取りニップロール29に挿通され
るので、内部に気体が封止止されたバブル状延伸フィル
ムAが形成される。このバブル状にされることによ
り、原反フィルムAは幅方向および送り方向へ同時に
二軸延伸される。この延伸工程において、エアリング23
から噴出される空気により、延伸バブルの延伸開始始点
の位置が安定されるとともに、延伸バブルの形状の安定
および冷却が行われる。
エアリング23は、通常構造のもので、このエアリング23
からバブル状延伸フィルムAの延伸開始点へ吹き付け
られる空気の噴出角度は、バブル状延伸フィルムA
中心軸との成す角度αが30度〜60度とされている。
また、赤外線加熱円筒炉25には、第1図および第2図か
ら理解されるように、内面を反射面とされた円筒状のケ
ーシング25Sの内周面に各々独立した設定温度で発熱可
能とされた赤外線発熱体25Aが所定間隔を離して複数、
例えば16枚設けられており、各赤外線発熱体25Aに
は、赤外線発熱体25Aの発熱温度が検出される温度検出
器25Bが設けられている。
従って、赤外線発熱体25Aは、温度検出されて過熱され
ることがないから、可能な限りフィルムの延伸部へ接近
されることが可能である。
また、赤外線加熱円筒炉25の設置位置は、バブル状延伸
フィルムAの延伸開始点がケーシング25S内となるよ
うに位置決めされている。
このようにして、折り畳み原反フィルムAは、二軸延
伸されて所望の厚みと外径を得た後、バブル状延伸フィ
ルムAとなって引取りニップロール29に挿通され、2
枚重ねの折り畳み延伸フィルムAとされる。ついで、
送りロール31を介して熱処理炉35内へ導入され、最終的
な加熱処理が行われて送りロール33に挿通される。この
熱処理炉35の熱処理は、通常、樹脂の融点以下で行われ
る。
こののち、カッタ34により幅方向両側縁の耳部を切り取
られ、2枚の延伸後フィルムB,Bに分割される。
一方の延伸後フイルムBは、ガイドロール42,37,39を
介して巻取ロール41へ巻き取られて収納されるととも
に、他方の延伸後フィルムBは、ガイドロール43,4
5,47を介して巻取ロール49に巻き取られて収納され
る。
なお、折り畳み延伸フィルムAを2枚の延伸後フィル
ムB,Bへ分割する場合、折り畳み延伸フィルムA
が熱処理炉35へ導入される前に行っても良い。
バブル状延伸フィルムAが偏平ガイドロール27により
ガイドされ始める近傍位置には、バブル状延伸フィルム
の径方向における厚み分布が検出されるβ線、γ線
等の厚み分布検出器6が、そして、延伸後フィルム
,Bが各々ガイドロール42,43に移送・通過され
た位置には、β線、γ線等の厚み分布検出器8および10
が各々設けられている。この際、厚み分布検出器6、あ
るいは、8および10は、必ずしも両者共設ける必要はな
く、少なくとも一方6を設ければよい。
これらの厚み分布検出器6,8,10の検出出力および赤
外線加熱円筒炉25の温度検出器25Bの検出出力は、各々
制御部12へ取り込まれており、制御部12では、それら取
り込まれた検出出力に基づいて、赤外線発熱体25Bが所
望の温度すなわちバブル状延伸フィルムA,延伸後フ
ィルムBおよび延伸後フィルムBの厚み分布が均一
化される温度で発熱される制御が、温度分布自動制御手
段としての温度調整指示装置18を介して行なわれてい
る。
すなわち、制御部12では、検出された温度分布と厚み分
布とに基づいて演算が行われ、その演算結果、すなわち
赤外線加熱円筒炉25の周方向における温度分布を与える
制御信号に従って、温度調整指示装置18を制御し、その
結果各赤外線発熱体25Aが所望の発熱温度とされる。
厚み分布検出器6の検出出力は、制御部12を介して延伸
フィルム厚み分布記憶部14へ記憶される一方、厚み分
布検出器8および10の検出出力は、制御部12を介して延
伸フィルム厚み分布記憶部16に記憶される。この際、
実際の設備では、各記憶部14,16は、明確に区別されて
いるものではなく、いわゆるROM等のメモリの一部を使
用するものである。
なお、延伸フィルムの厚み分布測定は、延伸後フィルム
,B、すなわち平フィルムとして測定した方が好
ましい。
一方、バブル状延伸フィルムA、すなわち筒状フィル
ムとして測定する場合には、バブル状延伸フィルムA
が安定する位置、すなわちなるべく偏平ガイドロール27
に近い位置で測定した方が精度が良い。また、筒状フィ
ルムとして測定する場合には、筒状部分の全周を同時に
測定することが可能であり、厚み分布測定位置と被制御
部である加熱位置とが近接しているため、制御部12へフ
ィードバックされる厚み分布の検出出力に遅れが殆ど生
じないので、制御部12での処理がスピーディーに行える
という利点がある。
また、予備加熱用ヒータ21により予備加熱を行うと、延
伸時においてフィルムが厚い部分と薄い部分とにおい
て、温度差が無くなり、フィルムが厚い部分と薄い部分
とに対応して赤外線加熱円筒炉25により異なった設定温
度でフィルムを加熱する温度差分割制御の効果が十分に
発揮できない場合があるため、予備加熱用ヒータ21は必
ずしも必要ではない。
すなわち、温度差分割制御により、フィルムの厚み分布
を均一化させる場合には、延伸直前または延伸中にフィ
ルムの厚み分布に対応させて赤外線加熱円筒炉25により
フィルムを加熱した方がより高い効果が得られる。
また、装置1においては倍率2倍〜6倍の延伸が可能で
あるが、例えば熱可塑性樹脂としてポリアミド樹脂(ナ
イロン−6)を採用した場合には、延伸倍率MD/TDは、
3.0/3.2とすると好適である。ここに、MDとはMachine D
irectionすなわちフィルムの移送方向、TDとはこれと直
交するTrans-verse Directionすなわち幅方向を意味す
る。
本発明に係る管状二軸延伸フィルムの製造装置は以上の
ように構成され、次にその作用、換言すると本発明に係
る管状二軸延伸フィルムの製造方法について説明する。
まず、従来と同様に折り畳み原反フィルムAを形成
し、その折り畳み原反フィルムAをニップロール19へ
移送する。
ニップロール19に挿通させた折り畳み原反フィルムA
内に気体を圧入・封止させることにより、バブル状延伸
フィルムAを形成し、そのバブル状延伸フィルムA
をニップロール29に挿通させることにより、二枚重ねの
折り畳み延伸フィルムAを形成する。
続いて、折り畳み延伸フィルムAが熱処理炉35により
熱処理されて得られた二枚重ねの延伸フィルムBを、カ
ッタ34により2枚の延伸後フィルムB,Bに分割さ
せて、各々巻取ロール41,49に巻き取らせる。
そして、各温度検出器25Aと、厚み分布検出器6、ある
いは、8および10から出力される各々の検出出力に基づ
いて、赤外線加熱円筒炉25の各赤外線発熱体25Aの設定
温度を、バブル状延伸フィルムA,延伸後フィルムB
および延伸後フィルムBの厚み分布が均一化される
ように分割制御する。この赤外線加熱円筒炉25の分割温
度制御は、制御部12により自動的に行う場合、あるいは
手動により行う場合等が挙げられる。
なお、制御部12により制御されて得られた延伸後フィル
ムB,Bの厚み精度(%)とフィルム全体の平均厚
みとの比(延伸後フィルム厚み精度/フィルム平均厚
み)であるY1−nと、制御に必要な制御係数Pと、赤
外線加熱炉25の温度変化量であるX1−nと、赤外線加
熱炉25が一定温度とされた場合における延伸後フィルム
,Bの厚み精度であるQ1−nとの間には一般に
下式(1)の関係が成立する。
1−n=P・X1−n+Q1−n……(1) 従って、フィルム製造に先立ち、予め赤外線加熱炉25の
各部の単位温度当りの温度変化量に対応した延伸後フィ
ルムB,Bの厚み変化率を求めておき、実際のフィ
ルム製造時には、測定される延伸後フィルムB,B
の厚み分布から制御すべき赤外線加熱炉25の温度を求
め、この温度になるように制御することとなる。
以上説明したように、本実施例では、赤外線加熱円筒炉
25の周方向における温度分布と、バブル状延伸フィルム
,延伸後フィルムBおよび延伸後フィルムB
の厚み分布に基づいて、制御部12により赤外線加熱円筒
炉25の周方向における温度分布がバブル状延伸フィルム
,延伸後フィルムBおよびBの厚み分布が均一
化されるように自動制御される。従って、延伸後フィル
ムBおよびBの厚み分布は物性の方向性がなく、均
一化されており、フィルムの厚み精度が極めて優れる。
加えて、赤外線加熱円筒炉25が管状に形成され、その周
方向における温度分布が略連続しているため、赤外線加
熱円筒炉25の温度制御が容易であるとともに、その温度
制御は制御部12および温度調整指示装置18によって自動
的に行われるため、長時間安定した成形が行える。
また、エアリング23から噴出される空気の噴出角度が前
記のように設定されているので、延伸開始点位置の安定
化、バブル状延伸フィルムAの安定化を図ることがで
きる。
さらに、装置1は、従来の設備に、赤外線加熱円筒炉2
5,制御部12等を設ける構成とされているため、従来の
設備が略そのまま利用でき、設備投資等が廉価となる。
また、赤外線発熱体25Aは、可能な限りバブル状延伸フ
ィルムAへ近づけることができる構成であるため、例
えば特公昭57-30369号公報に示された熱風の温度を制御
するものに比べ熱効率が極めて高く、省エネルギー化を
図ることが可能となる。
次に、本発明の効果を確認するため、本出願人によって
行われた実験例1および2について説明する。
*実験例1 この実験例では、第1図および第2図に示される装置1
が用いられた。また、熱可塑性樹脂が相対粘度3.7のポ
リアミド樹脂(ナイロン−6)とされ、直径60mmの溶融
樹脂吐出口を有する環状押出ダイ5からその熱可塑性樹
脂が押し出され、20度の冷却水で冷却されて、直径80m
m,厚み100μのチューブ状原反フィルムAは製膜され
た。
なお、この実験例では押出ダイ5の周方向に8個のヒー
タを設け、各々のヒータが独立に温度制御される構成が
採用された。
そして、未延伸原反フィルム(折り畳み原反フィルムA
)をニップロール19と29との間で加熱し、その加熱は
赤外線加熱円筒炉25を用いて行われた。また、未延伸原
反フィルムが加熱される際には、エアリング23から延伸
開始点に向かってエアが吹き付けられ、その噴出角度α
は45度とされた。
続いて、延伸倍率MD/TD=3.0/3.2で同時二軸延伸した
後、熱処理炉35により熱処理を行い、耳部を切り取って
2枚の延伸後フィルムB,Bを得た。
この実験例1における未延伸原反フィルムの周方向によ
る厚み精度が第3図に示されており、また、赤外線加熱
炉25の周方向温度が一定温度300℃とされて延伸された
延伸後フィルムB,Bの幅方向における厚み精度が
第4図中の曲線Lで示されている。
次に、第4図の曲線Lで示される延伸フィルムの幅方
向における厚み分布に対応して、16分割された赤外線加
熱円筒炉25により温度差±60℃の範囲で、円筒炉25に温
度差を手動設定により設けて延伸を行った結果、第4図
中曲線Lで示される厚み分布を有する延伸フィルムが
得られた。
すなわち、第3図の未延伸原反フィルムは、マイナス7
%からプラス5%の幅で不均一性を有しており、赤外線
加熱円筒炉25が一定温度とされた場合、すなわち赤外線
加熱円筒炉25が分割温度制御されない場合には延伸フィ
ルムは、第4図の曲線Lで示されるように、マイナス
13%からプラス11%の幅で不均一性を有する。これに対
し、本発明方法による赤外線加熱円筒炉25が分割温度制
御された場合には、第4図中曲線Lで示されるよう
に、マイナス3%からプラス4%の範囲内にフィルムの
幅方向厚み精度が向上された。
*実験例2 この実験例2では、前記実験例1において、延伸後のフ
ィルムの幅方向における厚み分布をβ線厚み計からなる
厚み分布検出器6,8で連続的に測定し、その測定され
た信号を演算装置、すなわち、第1図における制御部12
に入力するとともに、温度検出器25Bの各検出信号を同
じく制御部12に入力する。それら入力された検出信号に
基づいて、チユーブ状原反フィルムAから、延伸後フ
イルムB,Bを製造する際の熱可塑性樹脂へ加える
熱が、延伸フィルムの厚み分布と温度分布との相関関係
を与える関係式によって演算され、その結果に基づいて
温度調整指示装置18を介して赤外線加熱円筒炉25が自動
的に分割温度制御されて二軸延伸フィルムが製造され
た。
その製造作業は12時間連続して運転され、運転中の二軸
延伸フィルムの厚み精度は±4%以内となり、巻き姿も
良好であった。
また、厚み分布検出器6、あるいは、8および10での検
出出力が所定の値である場合、すなわちバブル状延伸フ
ィルムA,延伸後フィルムBおよび延伸後フィルム
の厚み分布が均一化されている場合には、赤外線加
熱円筒炉25の調整は行われず、延伸作業はその状態で続
行される。
なお、本発明の実施にあたり、赤外線加熱円筒炉25に設
けられる赤外線発熱体25Aは10枚〜100枚程度とし、それ
ら赤外線発熱体25Aのうちの一部、10枚〜60枚程度が分
割制御されるように構成することも好適である。
加えて、赤外線発熱体25Aがケーシング25Sの軸方向内側
面位置で、上下方向に沿って2枚から20枚程度設けら
れ、それら赤外線発熱体25Aのうちの一部、2枚〜10枚
が分割制御される構成とすることも好適であり、要はバ
ブル状延伸フィルムAの周方向に加えられる熱が分割
制御される構成であれば良い。
さらに、押出ダイ5が、赤外線加熱円筒炉25に設けられ
た赤外線発熱体25Aのように、押出ダイ5の周方向に沿
って各々所望の設定温度で発熱可能なヒータを有し、押
出ダイ5の周方向における温度分布が赤外線加熱円筒炉
25と同様に分割温度制御可能に構成し、この押出ダイ5
が制御部12により温度制御されてチューブ状原反フィル
ムAの高み精度を向上させることにより、赤外線加熱
円筒炉25による分割温度制御の効果を更に向上させるこ
とも好適である。すなわち、チューブ状原反フィルムA
の厚み精度の不均一性は、延伸された延伸後フィルム
においては、2倍以上に増幅されて影響するから、原反
フィルムAの厚み精度を向上させる効果は大きい。
そして、チューブ状原反フィルムAの延伸部の各部分
において温度差がある場合、その温度が高いと延伸応力
が小さく、その温度が低いと延伸応力が大きくなるた
め、チューブ状原反フィルムAには厚み分布の不均一
性が生じ、一方、チューブ状原反フィルムAの各部分
においてフィルムが厚い部分では、延伸応力が小さく、
フィルムが薄い部分では延伸応力が大きくなる。よっ
て、厚い部分はより延伸倍率が小さくなり、薄い部分は
より、延伸倍率が大きくなる。従って、チューブ状原反
フィルムAの延伸部において、肉厚の部分は高い温度
で加熱するとともに、肉薄の部分には低い温度で加熱す
る制御を行うことにより、バブル状延伸フィルムA
厚み分布が均一化される。
この際、厚み分布検出器6によって、バブル状延伸フィ
ルムAの厚みを直接確認できるので、厚み精度が高ま
る。
〔発明の効果〕
本発明によれば、制御が容易で、厚み精度にすぐれたフ
ィルムを得るという効果があり、かつ、自動化も可能で
あるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る管状二軸延伸フィルムの製造装置
の一実施例を示す全体概略図、第2図は第1図における
II−II線矢視拡大図、第3図は延伸前原反フィルムの厚
み精度を示す特性図、第4図は延伸後フィルムの厚み精
度を示す特性図である。 2……管状二軸延伸フィルムの製造装置、6,8,10…
…厚み分布検出器、12……制御部、14……バブル状延伸
フィルム厚み分布記憶部、16……延伸フィルム厚み分布
記憶部、18……温度調整指示装置、23……エアリング、
25……赤外線加熱円筒炉、25A……赤外線発熱体、25B…
…温度検出器、25S……ケーシング、A……チューブ
状原反フィルム、A……折り畳み原反フィルム、A
……バブル状延伸フィルム、A……折り畳み延伸フィ
ルム、B,B,B……延伸後フィルム。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武市 英信 兵庫県姫路市白浜町甲841番地の3 出光 石油化学株式会社内 (56)参考文献 特開 昭50−89477(JP,A) 特開 昭52−47070(JP,A) 特開 昭54−71173(JP,A) 特開 昭58−81126(JP,A) 特開 昭61−173917(JP,A)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】環状押出ダイから押し出された溶融状態の
    熱可塑性樹脂を急冷して形成される管状フィルムが二組
    のニップロール間で加熱されるとともに、内部に注入さ
    れた気体の圧力により同時二軸延伸される管状二軸延伸
    フィルムの製造方法において、 バブル状延伸フィルムの幅方向における厚み分布を測定
    し、前記管状フィルムの二軸延伸部における加熱を、前
    記測定した厚み分布に対応して管状フィルムの周方向に
    分割制御することを特徴とする管状二軸延伸フィルムの
    製造方法。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項記載の管状二軸延伸
    フィルムの製造方法において、 前記バブル状延伸フィルムの幅方向における厚み分布と
    共に、延伸されたフィルムの幅方向における厚み分布も
    測定して前記管状フィルムの二軸延伸部における加熱
    を、前記測定した厚み分布に対応して管状フィルムの周
    方向に分割制御することを特徴とする管状二軸延伸フィ
    ルムの製造方法。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第1項または第2項記載の
    管状二軸延伸フィルムの製造方法において、 フィルムの延伸開始部へ空気を吹き付けるとともに、こ
    の吹き付けられる空気の噴出方向と、フィルムが移送さ
    れる方向とのなす角度が、30度〜60度とされたことを特
    徴とする管状二軸延伸フィルムの製造方法。
  4. 【請求項4】環状押出ダイから押し出された溶融状態の
    熱可塑性樹脂を急冷して形成される管状フィルムが二組
    のニップロール間で加熱されるとともに、内部に注入さ
    れた気体の圧力により同時二軸延伸される管状二軸延伸
    フィルムの製造装置において、 管状フィルムの加熱を行なうとともに、管状フィルムの
    周方向に配設された複数の赤外線発熱体により、周方向
    における温度分布が分割制御可能とされた環状ヒータ
    と、 バブル状延伸フィルムの幅方向における厚み分布を測定
    する厚み分布測定手段と、 環状ヒータの周方向における温度分布を検出する温度分
    布検出手段と、 検出された前記厚み分布と前記温度分布との相関関係に
    基づいて環状ヒータの分割制御を行う制御手段と、 を有することを特徴とする管状二軸延伸フィルムの製造
    装置。
  5. 【請求項5】特許請求の範囲第4項記載の管状二軸延伸
    フィルムの製造装置において、 前記バブル状延伸フィルムの幅方向における厚み分布を
    測定する厚み分布測定手段に加えて、延伸されたフィル
    ムの幅方向における厚み分布測定手段も有することを特
    徴とする管状二軸延伸フィルムの製造装置。
  6. 【請求項6】特許請求の範囲第4項または第5項記載の
    管状二軸延伸フィルムの製造装置において、 フィルムの延伸開始点へ空気を吹き付けるとともに、こ
    の吹き付ける空気の噴出方向と、フィルムが移送される
    方向とのなす角度が、30度〜60度の角度とされたエアリ
    ングを備えたことを特徴とする管状二軸延伸フィルムの
    製造装置。
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