JPH0640A - 超硬練コンクリートを利用した伊勢海老魚礁 - Google Patents

超硬練コンクリートを利用した伊勢海老魚礁

Info

Publication number
JPH0640A
JPH0640A JP3108422A JP10842291A JPH0640A JP H0640 A JPH0640 A JP H0640A JP 3108422 A JP3108422 A JP 3108422A JP 10842291 A JP10842291 A JP 10842291A JP H0640 A JPH0640 A JP H0640A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fish reef
concrete
place
man
ise
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP3108422A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2875049B2 (ja
Inventor
Kazuo Iriko
一雄 入交
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Denka Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Toyo Denka Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Denka Kogyo Co Ltd filed Critical Toyo Denka Kogyo Co Ltd
Priority to JP3108422A priority Critical patent/JP2875049B2/ja
Publication of JPH0640A publication Critical patent/JPH0640A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2875049B2 publication Critical patent/JP2875049B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/80Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in fisheries management
    • Y02A40/81Aquaculture, e.g. of fish

Abstract

(57)【要約】 【目的】 魚礁内で適度な潮流があり、表面に付着した
藻,海草等が剥離しない上、伊勢海老が入り込んだ後で
外敵が進入できず、かつ、伊勢海老が自由に行動するス
ペースがあり、しかも伊勢海老が身をひそめる場所があ
り、構造的にも充分な強度を有する伊勢海老魚礁を提供
することを目的とする。 【構成】 複数個の超硬練コンクリートの間に、同様な
超硬練コンクリートで成る複数個の支持台12a,14
a…を介挿固定して多数段の造形体11,13…を形成
し、該造形体の内方に対面する直線に沿って潮流が連通
する中空室25,26…を形成するとともに、該造形体
の最下段の略中心位置に伊勢海老が上記中空室内に進入
するための開口部11aを設け、かつ、上記中空室の略
中心位置における上下方向の寸法S1を、魚礁の相対向
する面に開口形成された窓の上下方向の寸法S2の略2
倍に形成した伊勢海老魚礁の構成にしてある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は超硬練コンクリートを利
用して表面に付着する藻,海草等の根付けを強固にする
とともに、内部に潮流が流れ、かつ、伊勢海老が自由に
行動できて、しかも身を潜めることのできる構造を有す
る伊勢海老の蝟集成育を行わせるための魚礁に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】わが国は周囲が海に囲まれているため、
古来より魚介類を主要な蛋白源として摂取している。一
方において近海の沿岸部に多くの工業廃水が流入して海
水が汚染されており、魚介類の魚獲高に悪影響を与えて
いる現状にある。そこで近年、海中に人工の魚礁を設置
して、この人工の魚礁に藻、海草等の根付けを行い、魚
介類を再び沿岸部に誘導しようとする試みがなされ、大
学、各企業においても多くの開発研究がなされて相応の
成果を挙げている。
【0003】上記人工の魚礁には、海草魚礁、貝魚礁、
魚魚礁等があるが、これらの魚礁の材料としては一般に
生コンクリート製、鋳鋼製、陶磁製、プラスチック製等
の造型体が多用されており、該造型体の形状は海流及び
海底の状況に応じて種々のものが製作され、かつ、使用
されている。
【0004】これらの人工の魚礁を海中に浸漬すると、
表面に藻、海草等が付着して生育する。すると小さな海
老、貝、魚類が集まるので、これら小さな生物を食する
中形生物が集り、更にこれら中形生物を食する大形生物
が集まる。このような繰り返しによって魚礁に対して多
くの魚介類が集まるので、これらの魚介類の資源を増加
することが出来る。尚、上記人工の魚礁に対する藻、海
草等の付着を容易にするため、該人工の魚礁の表面に予
め凹凸を形成して、前記藻等が定着するようにした試み
も実施されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の人工の魚礁の中で、特に伊勢海老を蝟集成育
する目的を持つ魚礁が各企業及び研究機関から提案さ
れ、かつ、実験されているが、何れの伊勢海老魚礁にあ
っても顕著な効果を発揮するには至っていないのが現状
である。即ち、伊勢海老魚礁として要求される必須条件
は、魚礁内で適度な潮流があり、水がきれいなこと、伊
勢海老が入り込んだ後で外敵が進入できないこと、魚礁
内で伊勢海老が自由に行動するスペースがあり、かつ、
伊勢海老が身をひそめる場所があること、魚礁内に伊勢
海老の餌となる貝類,藻,海草が付着し、潮流によって
剥離しないこと等である。
【0006】これに対して従来の魚礁は、一般に生コン
クリート、鋳鋼、陶磁器、プラスチック等で成っている
のが通例であって、表面に藻、海草等が付着しても生育
の過程において海流によってこれらの藻、海草等が流さ
れてしまうことが多く、定着率が低いという問題点があ
り、更に適度な潮流等の伊勢海老魚礁として要求される
上記必須条件を満足することができないので、魚礁によ
る伊勢海老の誘導効果が得られないという難点を有して
いる。特に材料として生コンクリートを用いた場合に
は、成形後の該生コンクリートから灰汁が抜け難いとい
う問題点があり、強度的に劣化し易いという欠点を有し
ている。更に伊勢海老が蝟集した際に密漁の被害が生じ
易いという難点を有している。
【0007】そこで本発明はこのような従来の人工の魚
礁が有している課題を解消して、伊勢海老魚礁として要
求される前記必須条件を充分に満足して、伊勢海老の蝟
集成育を行わせることができる上、密漁の被害を防止す
ることができる魚礁を得ることを目的とするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するために、先ず請求項1により、予め設定された適
宜形状の開口部を有する複数個の超硬練コンクリートの
間に、同様な超硬練コンクリートで成る複数個の支持台
を介挿固定して多数段の造形体を形成し、該造形体の内
方に魚礁の対面する直線に沿って潮流が相互に連通する
中空室を形成するとともに、該造形体の最下段に伊勢海
老が上記中空室内に進入するための開口部を設け、か
つ、上記中空室の略中心位置における上下方向の寸法
を、魚礁の相対向する面に開口形成された窓の上下方向
の寸法の略2倍に形成した超硬練コンクリートを利用し
た伊勢海老魚礁の構成にしてある。また、請求項2によ
り、上記中空室の略中心位置における上下方向の寸法が
140〜200mmであり、魚礁の相対向する面に開口
形成された窓の上下方向の寸法が70〜100mmであ
るように設定してあり、請求項3により、上記造形体
は、セメント中に所定量の石灰石、珪石等の粒状骨材を
添加し、かつ、必要に応じてセメント凝結材、表面安定
材を添加して製作された多孔率を有する超硬練コンクリ
ートを用いた伊勢海老魚礁の構成にしてある。さらに請
求項4により、上記造形体はセメント20〜25重量%
中に所定のメッシュに粉砕された石灰石、珪石等の粒状
骨材を75〜80重量%、セメント凝結材を0〜0.6
重量%、残部水分を添加して一体成形した超硬練コンク
リートである構成にしてある。
【0009】
【作用】かかる上記構成の本発明によれば、魚礁を海中
に浸漬すると、該魚礁内の表面及び各中空部に伊勢海老
の餌となる貝類,藻,海草が付着するとともにこれらの
貝類,藻類が剥離しない上、魚礁の対面する直線に沿っ
て潮流が相互に連通する中空室を形成したため、魚礁の
相対向する面に形成された窓から侵入した潮流が魚礁内
を適度に流通する。
【0010】また、魚礁が複数個の超硬練コンクリート
の間に同様な超硬練コンクリートで成る複数個の支持台
を介挿固定して得られた多数段の造形体を基本的構成体
として用いているため、通常の生コンクリートを用いた
場合に比して該コンクリートから灰汁が抜け易く、構造
的にも充分な強度が得られ、長期使用時にあっても魚礁
が劣化することがない。
【0011】更に中空室の略中心位置における上下方向
の寸法が各窓の上下方向の寸法の略2倍となっているの
で、魚礁内で伊勢海老が自由に行動するスペースがあ
り、かつ、魚礁内に介挿固定した複数の支持台によって
伊勢海老が身をひそめる場所が得られる。更に窓の上下
方向の寸法が70〜100mmであるため伊勢海老が魚
礁内に入り込んだ後で窓から外敵となる大型の魚類が進
入できないので、密漁を防止することができる上、伊勢
海老の蝟集作用が高められるという作用がもたらされ
る。
【0012】
【実施例】以下図面に基づいて本発明の具体的な実施例
を説明する。図1は本発明にかかる伊勢海老用の魚礁1
の全体を示す外観図であって、この魚礁1は超硬練コン
クリートを用いて構成されており、図示例の場合には平
面視が2.5m×2.5mの正方形で高さが1.4mの
形状を有している。
【0013】この魚礁1の内方には、後述するように適
宜な空間部が形成されており、魚礁1の一方側の相対向
する外壁面に上記空間部に連通する多数の窓2,2…が
形成されているとともに、魚礁1の他方側の相対向する
外壁面にも同様に上記空間部に連通する多数の窓3,3
…が形成されている。上記の窓2,2…及び窓3,3…
は、魚礁1内の対面する方向に直線状に潮流を流通させ
ることを目的として開口形成されている。そして該魚礁
1を構成する天板33には複数個の水抜き穴4,4…が
設けられている。
【0014】図2は図1のA−A線に沿う断面図であっ
て、図示したように魚礁1の最下段には第1段目の造形
体11が配置されており、この造形体11の略中心部近
傍には伊勢海老が進入するための開口部11a,11a
が形成されている。即ち、魚礁1は海底の転石8,8上
に載置されるものであるため、これらの転石8,8によ
って魚礁1と海底との間に空隙部が形成されて、この空
隙部及び前記開口部11a,11aを経由して伊勢海老
が魚礁1内に進入するように設定される。
【0015】上記第1段目の造形体11の上面周縁部に
は、造形体と一体の超硬練コンクリートで成る第1段目
の支持台12a,12aが相互に適宜な間隔を保って固
定されていて、この支持台12a,12aによって包囲
された部位に前記開口部11aに連通する中空室25が
形成され、更に該支持台12a,12aの上方に第2段
目の造形体13が載置固定されている。この第2段目の
造形体13には複数の開口部13a,13aが形成され
ている。
【0016】上記の支持台12a,12a相互間に保持
された間隔によって、前記した魚礁1の相対向する面に
位置して該魚礁1内の中空室25に連通する多数の窓
2,2…及び窓3,3…(図1参照)が形成される。そし
て、支持台12a,12aは多数の窓2,2…及び窓
3,3…から流入する潮流の流れを阻害することなく、
魚礁内を流れるように窓2,2…又は窓3,3…と平行
となるように配置されている。そのため、中空室25は
魚礁の対面する直線に沿って潮流が相互に流通すること
となる。
【0017】上記の支持台12a,12aは、進入した
伊勢海老が身をひそめる物体としての役割を持ち、伊勢
海老が安心して蝟集することができる。そして上記の第
1段目の支持台12a,12aには、魚礁1の内方から
周縁部に向けて次第に下降するテーパ40,40が付与
されていて、このテーパ40,40に沿って第2段目の
造形体13の肉厚が周縁部に向けて次第に大きくなるよ
うに設定されている。このような形状としたことによっ
て中空室25の上下方向の寸法S1が、窓2及び窓3の
上下方向の寸法S0の略2倍となっている。換言すれ
ば、魚礁1の外壁面に形成される多数の窓2,2…及び
窓3,3…は、潮流の入口における上下方向の寸法が小
さく、かつ、入口から中心部に向けて次第に広くなるよ
うにしてある。
【0018】具体的な寸法例としては、中空室の略中心
位置における上下方向の寸法S1が140〜200mm
であり、魚礁の相対向する面に開口形成された窓2,3
の上下方向の寸法S0が70〜100mmであるように
設定されている。
【0019】上記した第2段目の造形体13の上面周縁
部には、更に超硬練コンクリートで構成された第2段目
の支持台14a,14aが適宜な間隔を保って固定され
ていて、この支持台14a,14aによって包囲された
部位に中空室26が形成され、更に該支持台14a,1
4aの上方に第3段目の造形体15が載置固定されてい
る。この第3段目の造形体15には開口部15a,15
aが形成されている。
【0020】上記の支持台14a,14aにも、前記支
持台12a,12aと同様なテーパ40,40が付与さ
れているとともに、このテーパ40,40に沿って第3
段目の造形体15の肉厚が次第に大きくなるように設定
されていて、中空室26の上下方向の寸法S1が、前記
した窓2及び窓3の上下方向の寸法S0の略2倍となっ
ている。
【0021】以下同様にして第4段目の造形体17,第
5段目の造形体19,第6段目の造形体21がそれぞれ
第3段目の支持台16a,16a、第4段目の支持台1
8a,18a、第5段目の支持台20a,20a、第6
段目の支持台22a,22aを介在させて積層固定され
ている。上記各支持台の内方には中空室27,28,2
9,30が形成されている。
【0022】各支持台16a,18a,20a,22a
には全て前記と同様なテーパ40,40が付与されてい
る。更に第6段目の支持台22a,22aの上面には前
記天板33が固定されており、この天板33には複数個
の水抜き穴4,4…が設けられている。上記各造形体1
7,19,21にはそれぞれ複数個の開口部17a,1
9a,21aが上記中空室27,28,29,30を介
して相互に連通された状態として形成されている。な
お、各支持台14a,16a,18a,20a,22a
の潮流の流通及び伊勢海老が身をひそませる役割につい
ては支持台12aと同様である。
【0023】図3は本発明にかかる魚礁1を部分的に破
断して、特に第4段目の造形体17及び第4段目の支持
台18a,18aを露出した状態を示しており、図示し
たように四隅部に支柱部41a,41a,41a,41
aが位置しているとともに、各造形体11,13,1
5,17の間に窓2,2…及び窓3,3…が開口されて
いる。上記例では支持台18a,18aが合計6個用い
られており、かつ、支持台17の略中心位置に4個の開
口部17aが形成されている。図示のように支持台18
a,18aは多数の窓2,2…及び窓3,3…から流入
する潮流の流れを阻害することなく、魚礁内を流れるよ
うに窓2,2…又は窓3,3…と平行となるように配置
されている。そのため、中空室25は魚礁の対面する直
線に沿って潮流が相互に流通することとなる。また、支
持台18a,18aは、中空室25内において適宜に配
置されているため、伊勢海老が安心して蝟集することが
できるための条件である伊勢海老が身をひそめる物体と
しての役割を果たすこととなる。
【0024】図4に示すAは上記第1段目の造形体11
の平面図であって、中心点に対して対称的位置に長方形
の開口部11aが4個形成されている。図4に示すBは
上記第2段目の造形体13の平面図であって、この第2
段目の造形体13には、中心点に対して対称的位置に長
方形の開口部13aが4個形成されている。この第2段
目の造形体13は、前記第1の造形体11を90°だけ
回動させた位置にある。
【0025】以下第3段目,第4段目,第5段目,第6
段目の造形体15,17,19,21の形状は、前記第
1段目の造形体11と第2段目の造形体13と同一であ
って、それぞれ中心点に対して対称的位置に長方形の開
口部15a,17a,19a,21aが4個ずつ形成さ
れている。このように造形体に設定された開口部が上下
方向の造形体間で相互に90°回動させた位置に形成さ
れているので、造形体の成形が容易であり、魚礁として
の生産性が高められる。
【0026】一方、図5に示すCは、各造形体11,1
5,19上に固定された支持台12a,16a,20a
の配置例を示しており、図5に示すDは同じく造形体1
3,17,21上に固定された支持台14a,18a,
22aの配置例を示している。上記の各造形体6及び支
持台は、超硬練コンクリートを用いて一体的に構成され
ている。
【0027】この超硬練コンクリートは、セメント中に
所定量の石灰石、珪石等の粒状骨材を添加し、かつ、必
要に応じてセメント凝結材、表面安定材を添加して混練
して成形されるものである。この混練した際に、賦形し
た形がそのまま保持される、即ち手で握って形ができる
程度の賦形性を有していることが湿態強度等の点から適
当である。上記石灰石、珪石等の粒状骨材及びセメント
凝結材、表面安定材のセメントへの混入率は特に限定さ
れるものではなく、夫々の漁場に適した多孔率を有する
超硬練コンクリートを作成するために、前記各成分の含
有率を適宜実験的に選択することが出来る。
【0028】好ましい実施例としては、セメント20〜
25重量%中に所定のメッシュに粉砕された石灰石、珪
石等の粒状骨材(例えば7号砕石程度)を75〜80重
量%、セメント凝結材を0〜0.6重量%、残部水分を
添加して一体成形した超硬練コンクリートを用いるとよ
く、得られた伊勢海老魚礁の圧縮強度及び多孔率がとも
に良好となり、魚礁として要求される性能を満足するこ
とができる。例えば図1に示した平面視が2.5m×
2.5mの正方形で高さが1.4mの形状を有する魚礁
1を製造する場合に、上記石灰石、珪石等の粒状骨材及
びセメント凝結材と水分との混合割合を、表1に示した
配分例に基づいて調整し、3種類のサンプルを製造し
た。
【0029】
【表1】
【0030】上記表1に基づいて製造したサンプル1,
2,3に関し、夫々1日経過後の圧縮強度、28日経過
後の圧縮強度及び透水性を測定した結果を表2に示す。
なお、多孔率を測定するためにその透水性を測定した。
透水性が良好であるほど多孔率も高いこととなる。
【0031】
【表2】
【0032】表2のサンプル1は、透水性が29g/c
2・minであって、3個のサンプル中で透水性が最
も良好であり多孔率が高いが、1日経過後及び28日経
過後の圧縮強度が、3個のサンプル中最も弱い。従って
圧縮強度が上記のサンプル1以下に弱くなると、長期の
使用中に波浪により造型体が破壊される惧れがあるの
で、セメントの混合割合の下限はサンプル1のセメント
量から20%が適当である。一方サンプル3は、1日経
過後及び28日経過後の圧縮強度が3個のサンプル中最
も大きく、長期の使用中にあっても波浪による破壊が発
生しないが、透水性が3個のサンプル中最も少なく、コ
ンクリート魚礁内の空隙が少ない。従ってこの透水性が
サンプル3以下に少なくなると、多孔率が低くなり藻、
海草類の付着後の定着率が弱くなる惧れがあり、かつ、
混合時の粘性が大きくなりすぎて、混合物の型内への詰
め込み作業が困難になるので、セメントの混合割合の上
限は25%が適当である。またセメントの混合割合が決
定されると、必然的に珪石等粒状骨材の混合割合も決定
されて、この混合割合は表1のサンプル1,3から75
〜80重量%が適当である。更にセメント凝結材は必要
に応じて添加すれば良いため、その混合割合は0〜0.
6重量%が適当である。一方表1のサンプル2は強度、
多孔率の面でともに良好であり、人工の魚礁用の超硬練
コンクリートとしては3個のサンプルの中で最も適して
いる。
【0033】各伊勢海老魚礁の具体的な製造方法として
は、型枠の内方に成形用型材として一定の粒度を有する
粒状材を配置し、この型枠内に、セメント中に所定量の
石灰石,珪石等の粒状骨材を添加した練状体を挿入し
て、該練状体の固化後に前記型枠及び粒状体を除去する
手段が採用される。上記の成形用型材として使用する粒
状体は、セメントに添加した粒状骨材と同一の粒径を保
持した構成にしてあり、製造時には練状体の固化後に高
圧水を吹き付けて粒状体を除去することができる。
【0034】かかる本発明の構成によれば、魚礁1を海
中に浸漬すると、該魚礁内の各中空部に伊勢海老の餌と
なる貝類,藻,海草が付着し、かつ、これらの貝類,藻
類が潮流によって剥離しないという特徴がある。更に魚
礁1の相対向する面に形成された窓2,3によって魚礁
1内で適度な潮流が得られる上、中空室の略中心位置に
おける上下方向の寸法が各窓2,3の上下方向の寸法の
略2倍となっているので、魚礁1内で伊勢海老が自由に
行動するスペースがあり、かつ、伊勢海老が入り込んだ
後で窓2,3から外敵が進入できないという大きな特徴
がある。更に前記支持台によって伊勢海老が身をひそめ
る場所が形成されるという作用が得られ、伊勢海老魚礁
として要求される必須条件を満足するものである。
【0035】
【発明の効果】以上詳細に説明した如く、本発明にかか
る超硬練コンクリートを利用した伊勢海老魚礁によれ
ば、その基本的な構成として、予め設定された適宜形状
の開口部を有する複数個の超硬練コンクリートの間に、
同様な超硬練コンクリートで成る複数個の支持台を介挿
固定して多数段の造形体を形成し、該造形体の内方に魚
礁の対面する直線に沿って潮流が相互に連通する中空室
を形成するとともに、該造形体の最下段に伊勢海老が上
記中空室内に進入するための開口部を設け、かつ、上記
中空室の略中心位置における上下方向の寸法を、魚礁の
相対向する面に開口形成された窓の上下方向の寸法の略
2倍に形成したので、以下に記す作用効果がもたらされ
る。
【0036】即ち、魚礁を海中に浸漬した際に該魚礁が
超硬練コンクリートで成っているので、該魚礁内の各中
空部に藻及び海草類の発生が極めて迅速であり、かつ、
付着後の成育も順調に進行する。更に藻、海草類の根が
魚礁の内方にある微小な孔部内に食い込むので、根付け
が完全となって海流によってこれら藻、海草類が流され
ることが防止され、長期に亘って繁茂の状態を維持する
ことができて、伊勢海老の蝟集作用を高めることができ
る。また、魚礁が超硬練コンクリートのみを用いて構成
されているため、通常の生コンクリートを用いた場合に
比してコンクリートから灰汁が抜け易くなり、構造的に
も充分な強度が得られる上、長期使用時にあっても魚礁
が劣化することがない。
【0037】更に各造形体の間に介挿固定された支持台
の相互間に特定の間隔を保持し魚礁の対面する直線に沿
って潮流が相互に連通する中空室を形成したため、魚礁
の相対向する面に形成された窓から侵入した潮流が魚礁
内を適度に流通する。更に中空室の略中心位置における
上下方向の寸法が各窓の上下方向の寸法の略2倍となっ
ているので、魚礁内で伊勢海老が自由に行動するスペー
スが得られるとともに、魚礁内に介挿固定した複数の支
持台によって伊勢海老が身をひそめる場所が得られる。
更に窓の上下方向の寸法が70〜100mmであるため
伊勢海老が魚礁内に入り込んだ後で窓から外敵となる大
型の魚類が進入できないので、密漁を防止することがで
きる上、伊勢海老の蝟集作用が高められるという作用が
もたらされる。
【0038】また、複数個の造形体に設定された開口部
が上下方向の造形体間で相互に90°回動させた位置に
形成されているので、造形体の成形が容易であり、魚礁
としての生産性を高めることができる。従って本発明に
よれば、伊勢海老魚礁として要求される必須条件を満た
すことが出来て、伊勢海老の蝟集効果が高められるとい
う大きな効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した伊勢海老用の魚礁の全体を示
す外観図。
【図2】図1のA−A線に沿う断面図。
【図3】本発明にかかる魚礁を部分的に破断した外観
図。
【図4】上記実施例における各造形体の構造例を示す平
面図。
【図5】上記実施例における各支持台の構造例を示す平
面図。
【符号の説明】
1…(伊勢海老用の)魚礁 2,3…窓 11,13,15,17,19,21…造形体 11a,13a,15a,17a,19a,21a…開
口部 12a,14a,16a,18a,20a,22a…支
持台 25,26,27,28,29,30…中空室 33…天板

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め設定された適宜形状の開口部を有す
    る複数個の超硬練コンクリートの間に、同様な超硬練コ
    ンクリートで成る複数個の支持台を介挿固定して多数段
    の造形体を形成し、該造形体の内方に魚礁の対面する直
    線に沿って潮流が相互に連通する中空室を形成するとと
    もに、該造形体の最下段に伊勢海老が上記中空室内に進
    入するための開口部を設け、かつ、上記中空室の略中心
    位置における上下方向の寸法を、魚礁の相対向する面に
    開口形成された窓の上下方向の寸法の略2倍に形成した
    ことを特徴とする超硬練コンクリートを利用した伊勢海
    老魚礁。
  2. 【請求項2】 上記中空室の略中心位置における上下方
    向の寸法が140〜200mmであり、魚礁の相対向す
    る面に開口形成された窓の上下方向の寸法が70〜10
    0mmである請求項1記載の超硬練コンクリートを利用
    した伊勢海老魚礁。
  3. 【請求項3】 上記造形体は、セメント中に所定量の石
    灰石、珪石等の粒状骨材を添加し、かつ、必要に応じて
    セメント凝結材、表面安定材を添加して製作された多孔
    率を有する超硬練コンクリートである請求項1記載の超
    硬練コンクリートを利用した伊勢海老魚礁。
  4. 【請求項4】 上記造形体はセメント20〜25重量%
    中に所定のメッシュに粉砕された石灰石、珪石等の粒状
    骨材を75〜80重量%、セメント凝結材を0〜0.6
    重量%、残部水分を添加して一体成形した超硬練コンク
    リートである請求項1,2記載の超硬練コンクリートを
    利用した伊勢海老魚礁。
JP3108422A 1991-04-12 1991-04-12 超硬練コンクリートを利用した伊勢海老魚礁 Expired - Fee Related JP2875049B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3108422A JP2875049B2 (ja) 1991-04-12 1991-04-12 超硬練コンクリートを利用した伊勢海老魚礁

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3108422A JP2875049B2 (ja) 1991-04-12 1991-04-12 超硬練コンクリートを利用した伊勢海老魚礁

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0640A true JPH0640A (ja) 1994-01-11
JP2875049B2 JP2875049B2 (ja) 1999-03-24

Family

ID=14484368

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3108422A Expired - Fee Related JP2875049B2 (ja) 1991-04-12 1991-04-12 超硬練コンクリートを利用した伊勢海老魚礁

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2875049B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005333960A (ja) * 2004-05-24 2005-12-08 Yoshimi Imoto 高床式藻場造成(マリン・コロニー)
JP2007143483A (ja) * 2005-11-28 2007-06-14 Litoncosmo Co Ltd 人工魚礁の製造方法
JP2013017462A (ja) * 2011-07-14 2013-01-31 Nippon Steel & Sumikin Engineering Co Ltd 漁礁ブロック及び藻場の形成方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005333960A (ja) * 2004-05-24 2005-12-08 Yoshimi Imoto 高床式藻場造成(マリン・コロニー)
JP2007143483A (ja) * 2005-11-28 2007-06-14 Litoncosmo Co Ltd 人工魚礁の製造方法
JP4712541B2 (ja) * 2005-11-28 2011-06-29 ライトンコスモ株式会社 人工魚礁の製造方法
JP2013017462A (ja) * 2011-07-14 2013-01-31 Nippon Steel & Sumikin Engineering Co Ltd 漁礁ブロック及び藻場の形成方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2875049B2 (ja) 1999-03-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2024012327A1 (zh) 一种基于疏浚土固化的生态鱼礁结构
EP2524593B1 (en) Environmentally active concrete
JP2000041525A (ja) 漁礁用ブロック、漁礁用ブロックの製造方法及び漁礁用ブロックの使用方法
CN102792904A (zh) 三曲面海藻林鱼礁
JP2875049B2 (ja) 超硬練コンクリートを利用した伊勢海老魚礁
KR101771959B1 (ko) 환형의 홈과 딤플 그리고 매끄러운 표면을 갖는 테트라포드를 제작하는 방법
Taylor et al. Fossil invertebrates
JP2720219B2 (ja) 透水性コンクリートを利用した伊勢海老魚礁
JP2004035366A (ja) コンクリート成形体およびブロック
Renaud-Mornant et al. Macrobenthos and meiobenthos from the closed lagoon of a Polynesian atoll. Maturei Vavao (Tuamotu)
JP2875050B2 (ja) 超硬練コンクリートを利用した伊勢海老魚礁の製造方法
CN112741033B (zh) 一种多功能舱室组合人工鱼礁
KR101738836B1 (ko) 바이오 세라믹 벽돌을 이용한 인공어초
JPH04211313A (ja) 透水性コンクリートを利用した伊勢海老魚礁
KR101838374B1 (ko) 칼슘이온의 공급을 위한 칼슘볼의 제조방법
JPH05236844A (ja) 人工漁礁の製造法
JP2008113649A (ja) アサリ及びハマグリ等の潜砂性二枚貝の養殖方法
JP6987517B2 (ja) 水棲生物用ブロックおよびその製造方法
JP3087925B2 (ja) 超硬練コンクリートを利用した海藻類の栽苗方法及び栽苗器
JP2002315468A (ja) 多孔質植藻ブロックと多孔質植藻ブロックの布設方法
AU2015201804A1 (en) Habitat reef for lobster and sea-cucumber
JPH04211314A (ja) 透水性コンクリートを利用した伊勢海老魚礁の製造方法
KR200428239Y1 (ko) 자연석을 사용한 친환경 수중구조물
KR100731287B1 (ko) 자연석을 사용한 친환경 수중구조물
CN212545163U (zh) 一种藕鳖混养用隔离装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees