JPH064085B2 - 副木を形成するため人に当てる材料の組合せ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 イ．発明の分野 本発明は副木を形成するため人に当てる材料の組合せに
係る。

ロ．発明の背景 患者に副木を個別的に形成するための材料組みおよび方
法は先行技術において多数知られている。

米国特許第４，２３５，２２８号には、そのような材料
組みであってプラスタを含浸せしめられた織物芯と、該
織物芯の少なくとも片面を被覆するパッド層と、これら
織物芯とパッド層とを包囲するメリヤス編みの筒とを含
むものが開示されている。この組合せ物は、所望の長さ
に切断され得る、プラスタの硬化を開始させるため、包
帯またはその他の締め手段によって患者に固定され、そ
して副木を形成するように硬化するに任せられる。

米国特許第４，４４２，８３３号に記載されるもう一つ
の同様の材料の組合せは、水に露出されたとキュア硬化
する硬化性樹脂を含浸せしめられた織物から成る細長い
支持マットと、可撓の防水フィルムであって水の浸入を
許すように織物の端縁を露出させて織物の主面に沿って
配置されてそれを被覆するものと、織物を被覆する前記
防水フィルムの反対面に沿って配置されるパッド層と、
該パッド層と支持マットとを包囲するある長さのメリヤ
ス編みの筒とを含む。この材料の組合せも樹脂の硬化を
開始させるため水中に浸され、包帯またはその他の締め
手段によって患者に固定され、副木を形成するようにキ
ュア硬化するに任せられる。

前述の材料の組合せは、ともに、各種形成の有効な副木
を形成しうるが、添付されたとき完全に濡れており、そ
のことは患者にとって不快であり、かつ副木が当てられ
る患者の身体部分に存在するどんな傷にとっても望まし
くない環境を提供する恐れがある。

米国特許第３，９８５，１２８号に乾燥状態で装用され
うる副木が開示されているが、該副木はそれを硬化させ
るのに紫外線を必要とし、従って、紫外線の光源が用意
されている場合にのみ使用されうる。

ハ．発明の開示 本発明は、副木または保護カバーを形成するように人に
当てられるようにされた材料の組合せであって水に露出
されることによって硬化さえるが人の皮膚に当てられる
乾面を提供するとともに、前述した先行技術による材料
の組合せよりも副木または保護カバーの個別的形成にお
いて一そうの融通性を発揮するものを提供する。

本発明によれば、(1)細長い可撓の支持マットであっ
て、水に露出されるとき副木または保護カバーに剛さを
付与するようにキュア硬化する軟質の硬化性樹脂を含浸
せしめられた可撓の織物と、該織物の一部分を水の浸入
を許すように露出させて該織物の少なくとも一主面に沿
って配置されてそれを被覆する可撓の防水フィルムにし
て、樹脂から使用者を保護する手袋を用いないで前記支
持マットの操作を可能にするものとを含むもの；及び
(2)柔軟な可撓のパッド板であってその一主面に前記支
持マットの湿面に付着する感圧接着剤を塗布されたもの
とを有する材料の組合せが提供される。

前記材料の組合せは次の諸過程によって副木を形成する
ように患者に当てられる：(1)水が前記織物にその露出
面を通じて浸入して樹脂の硬化を開始するように支持マ
ットを水に露出させる過程；(2)前記露出過程の後に、
積層体を形成するように該支持マットの一主面に沿って
前記パッド板を付着させる過程；(3)人の皮膚上に前記
支持マットと反対側の前記パッド板の乾面を配置する過
程；(4)副木を適所に固定するため前記積層体と人との
周囲に包帯またはその他の締め手段を巻き付ける過程；
(5)及び樹脂を硬化するに任せる過程。

副木または保護カバーを当てるべき人に対して積層体の
乾面を当てることを可能にするという主利点に加えて、
さらに、支持マットがそれにパッド板を付着させる前に
所望の形状に摘断されることを可能ならしめる。そのよ
うな摘断は前述した先行技術による材料の組合せにおい
ては同程度に容易には可能でない。また、複数の支持マ
ットの使用が可能である。その場合は、各支持マット上
の防水フィルムの部分を剥離し、支持マットの硬化性樹
脂含浸織物をたがいに接面係合させてそれらが互いに接
着してより剛い副木または保護カバーが得られる。かく
のごとく、本発明によって作られる副木または保護カバ
ーの形状と強度とにおいて優れた融通性が提供される。

以下、添付図面を参照して、さらに、詳細に本発明を説
明する。

ニ．推奨実施例の説明 図面を参照すると、副木または保護カバーを形成するべ
く患者に当てるようにされた本発明に依る材料の組合せ
であって全体として参照番号１０によって表されている
ものが第１図に示されている。

第１図に示される前記材料組合せ１０は、細長い可とう
の支持マット１２（第１図及び第２図に図示）であっ
て、水に露出されることによって副木または保護カバー
に剛さを付与するようにキュア硬化する軟質の硬化性樹
脂を含浸せしめられた可とうの織物１４と、該織物１４
の主面及び端部に沿って配置されてそれらを掩蔽する可
とうの防水フィルム１６とから成るものを含む。該防水
フィルム１６は、硬化性樹脂に対する保護用の手袋を用
いることなしに支持マット１２の操作に可能にするもの
であるが、織物１４の水に対する露出を容易にするた
め、織物１４の縦縁部分１８を露出させておくたがいに
離された縦端縁を有する。支持マット１２は、樹脂が空
気中の水を吸収して硬化するのを防ぐため、水蒸気透過
不能材料（例えば、金属箔）から成る袋１９内に始めか
ら封入される。さらに、前記材料の組合せ１０には、柔
軟な弾性を有するパッド板２０が含まれる。該パッド板
２０は対向する主面２２，２４を有し、主面２２上には
感圧接着剤が塗布されており、該接着剤は防水フィルム
１６または織物１４の湿面に付着し得る。前記感圧接着
剤の塗層は、初めに、取りはずし自在の剥離ライナ２７
によって保護される。

第３図から第６図に図示されるごとく、第１図に示され
た材料の組合せ１０を用いて人即ち患者３０（第６図）
に副木２９を当てる方法は： １．支持マット１２を袋１９から取出し、水が織物１４
にその縦縁部分１８を通じて浸入して樹脂の硬化を開始
するように、例えば該支持マット１２をタンク３１（第
４図）内の水中に浸すことによって、支持マット１２を
水に露出する過程； ２．積層体３２（第５図）を形成するため、前記露出過
程の後、そしてライナ２７を剥離したのちに弾性のプラ
スチックフォーム製のパッド板２０を支持マット１２の
一主面に接着する過程； ３．患者３０（第６図）の外面に、前記パッド板２０の
前記支持マット１２とは反対側の乾面２４を配置する過
程； ４．積層体３２及び患者３０（第６図）の周囲の包帯３
４またはその他の締め手段を巻付けることによって積層
体３２を患者３０に固定する過程；及び ５．合成樹脂を硬化するにまかせる過程； を含む。

なお、第３図に示されるごとく、前記方法は鋏３８を用
いて例えば破線３６に沿って支持マット１２を所望の形
状に摘断する過程を含み得る。そのような摘断は好まし
くは支持マット１２が水中に浸漬されるときに先だっ
て、及び／または、支持マット１２がパッド板２０に接
着されるときに先だって為される。

好ましくは、支持マット１２は、米国ミネソタ州セント
・ポール市、ミネソタ・マイニング・アンド・マヌファ
チュアリング社によって発売されている「スコッチキャ
スト」２ キャスティングテープと呼称される材料の複
数の接面層を以て構成される。該キャスティングテープ
は、柔軟で可とう且つ順応性に富むキュア硬化性ポリウ
レタン樹脂を含浸させされていて水と接触すると約５分
間で硬構造を生じるように硬化するガラス繊維のニット
織物１４を有するものである。また、好ましくは、防水
フィルム１６は、液体の水の透過を許さないが水蒸気を
透過させる厚さ約０．００３cmの可伸性ポリウレタン・
フイルムであり、織物１４内のポリウレタン樹脂によっ
て、その硬軟両状態におても、織物１４に接着される。

シート２０は好ましくは、前述ミネソタマイニング・ア
ンドマヌファチュアリング社によって「レストン」自接
着フォーム・ロールという商品名で発売されている開気
胞ポリウレタン・フォームであり、その片面に湿面に適
度によく付着するアクリル感圧接着剤のコーティングを
有する。

本発明に依る材料の組合せは、以上、その推奨実施例を
参照して説明された。本発明の精神から逸脱することな
しに代替材料及び少し修正された方法の採用が可能なこ
とは、当業者によって理解されるであろう。例えば、水
に対する支持マット１２の露出は、もし長い樹脂キュア
時間（例えば１２時間）が許されるならば、通常レベル
の相対湿度での大気からの水の吸収によって生じ得る。
また、織物１２の一主面のみが防水フィルム１６によっ
て被覆され、該防水フィルム１６は手袋を用いずに支持
マット１２の手操作を依然として許すであろう。その場
合、パッド板２０は好ましくは支持マット１２の非フィ
ルム被覆主面に接着されてキュア可能樹脂との接触を防
ぐようにされる。従って、本発明の範囲は、本願におい
ても説明された構造に限定されるものではなく、特許請
求の範囲の文言によって説明されそして包含される構造
並びにそれらの同等物に限定されるに過ぎない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に依る材料の組合せを示す部分斜視図で
あって、細部を示すため部分的の破断されている図面；
第２図は第１図の２−２線に概ね沿って描かれた拡大断
面図；第３図から第６図は第１図の材料の組合せを人に
副木または保護カバーを形成するように当てるための方
法における連続過程を示す図面である。 図面上、１０は「材料の組合せ」、１２は「支持マッ
ト」、１４は「織物」、１６は「防水フィルム」、２０
は「パッド板」、２２、２４は「主面」、２９は「副
木」、３０は「人」を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】副木または保護カバー（２９）を形成する
   ため人に当てるようにされた材料の組合せにおいて、 イ．水にさらすと硬化する軟質の硬化性樹脂を含浸した
   柔軟な織物（１４）であって、両側の主面を有する柔軟
   な織物（１４）と、該織物（１４）の一部分を露出させ
   て該織物（１４）の少なくとも一方の主面に沿って配置
   されかつ該主面を被覆する柔軟な防水フィルム（１６）
   とを含む細長い柔軟な支持マット（１２）と、 ロ．両側の主面（２２）、（２４）を有する軟質可撓性
   のパッド板（２０）と、感圧接着剤の被覆とを含み、該
   被覆は、副木を形成するために、前記支持マット（１
   ２）が水にさらされて樹脂の硬化を開始させ、次に可撓
   性のパッド板（２０）が支持マット（１２）の一方の主
   面に沿って接着されて、樹脂の硬化の際に副木または保
   護カバー（２９）を形成するように人の皮膚に当てるこ
   とができるパッド板（２０）の乾いた主面（２４）を有
   する可撓性の積層体を形成するように、パッド板（２
   ０）の一方の主面（２２）上のしめった面に接着するよ
   うにされている、 副木または保護カバーを形成するため人に当てるように
   された材料の組合せ。