JPH0639516A - ダイカストマシンの射出制御方法およびその装置 - Google Patents

ダイカストマシンの射出制御方法およびその装置

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JPH0639516A
JPH0639516A JP19802692A JP19802692A JPH0639516A JP H0639516 A JPH0639516 A JP H0639516A JP 19802692 A JP19802692 A JP 19802692A JP 19802692 A JP19802692 A JP 19802692A JP H0639516 A JPH0639516 A JP H0639516A
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Yukinari Takeyama
幸成 竹山
Norihiro Iwamoto
典裕 岩本
Yasushi Matsuda
泰 松田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 油圧回路および電気回路が単純で、かつアキ
ュームレータの圧力変化等に押湯力が影響されることの
ないダイカストマシンの射出制御方法およびその装置の
提供。 【構成】 パイロットサーボ弁32とメイン弁31とを有す
る複数段であり、かつメイン弁31のスプールが四方案内
弁であるサーボ弁30を設け、このサーボ弁30を制御手段
60で制御することにより超低速射出速度、低速射出速度
のフィードバック制御はもとより、高速射出速度の負荷
補償と、押湯力のフィードバック制御等を含む射出制御
を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ダイカストマシンの射
出制御方法およびその装置に関し、サーボ弁を用いて射
出制御を行うダイカストマシンに利用できる。
【0002】
【背景技術】従来より、サーボ弁制御によるダイカスト
マシンの射出制御には、二方弁あるいは三方弁のサーボ
弁が用いられていた。図14には、サーボ弁に三方弁を
用いた従来のダイカストマシンの例が示されている(第
一従来例)。
【0003】同図において、ダイカストマシン200 は、
金型201 の内部に設けられたキャビティ202 に溶湯203
を射出して製品の成形を行うものである。金型201 は、
二分割された金型201A, 201Bを型締して付合わせること
により、その間に製品の形状と同一のキャビティ202 が
形成されるように構成されている。溶湯203 は、ラドル
204 により注湯穴205 から射出スリーブ206 内に供給さ
れ、この射出スリーブ206 からキャビティ202 に射出さ
れる。
【0004】ダイカストマシン200 は、金型201 のキャ
ビティ202 に溶湯203 を射出する射出シリンダ装置210
と、この射出シリンダ装置210 を弁開度調整して流量制
御することにより作動させるサーボ弁220 と、油タンク
に油圧回路を連通させるソレノイド弁230 と、油圧源に
設けられたアキュームレータ240 とを有している。
【0005】射出シリンダ装置210 は、射出スリーブ20
6 内に挿入されて射出スリーブ206内を摺動する射出プ
ランジャ211 と、この射出プランジャ211 を結合したピ
ストンロッド212 と、このピストンロッド212 に固定さ
れたピストンを摺動可能に内蔵する射出シリンダ213 と
を含み構成されている。
【0006】サーボ弁220 は、パイロットサーボ弁221
を有する二段形サーボ弁であり、弁開度を調整して流量
制御を行い、ピストンロッド212 の射出速度を制御する
ようになっている。また、サーボ弁220 は、出力ポート
A、タンクポートTP、圧力ポートPPの合計三つのポート
を備えた三方弁となっている。出力ポートAは、射出シ
リンダ装置210 のロッド側ポートRPと連通しており、圧
力ポートPPは、アキュームレータ240 を備えた油圧源と
連通している。
【0007】また、アキュームレータ240 とヘッド側ポ
ートHPを連通する油圧回路の途中には、パイロット操作
チェック弁250 が設けられており、このパイロット操作
チェック弁250 は、パイロット操作により開くように構
成されていが、そのパイロット油圧回路は図示を省略す
る。
【0008】このような第一従来例では、以下のように
射出制御を行う。すなわち、ピストンロッド212 を前進
させて射出プランジャ211 で溶湯203 をキャビティ202
に射出する場合には、サーボ弁220 を出力ポートAから
タンクポートTPへサーボ油が流れる状態にし、射出シリ
ンダ装置210 のロッド側ポートRPと油タンクとを連通し
て排油するとともに、パイロット操作チェック弁250 を
パイロット操作して開き、アキュームレータ240 の高圧
油を射出シリンダ装置210のヘッド側ポートHPに供給す
る。
【0009】一方、ピストンロッド212 を後退させる場
合には、サーボ弁220 を圧力ポートPPから出力ポートA
へサーボ油が流れる状態にしてアキュームレータ240 の
高圧油を射出シリンダ装置210 のロッド側ポートRPに供
給するとともに、ソレノイド弁230 を開き、射出シリン
ダ装置210 のヘッド側ポートHPと油タンクとを連通して
排油する。
【0010】図15には、サーボ弁に二方弁を用いた従
来のダイカストマシンの例が示されている(第二従来
例)。同図において、ダイカストマシン300 は、前述し
た第一従来例のダイカストマシン200 と同様に、図示さ
れない金型201 の内部に設けられたキャビティ202 に溶
湯203 を射出して製品の成形を行うものである。
【0011】ダイカストマシン300 は、金型201 のキャ
ビティ202 に溶湯203 を射出する射出シリンダ装置310
と、この射出シリンダ装置310 を弁開度調整して流量制
御することにより作動させるサーボ弁320 と、油圧回路
の切り換えを行うソレノイド弁330 と、高圧のアキュー
ムレータ340 と、油圧源である油ポンプ360 とを有して
いる。
【0012】射出シリンダ装置310 は、前述した第一従
来例の射出シリンダ装置210 と同じ構成であり、ピスト
ンロッド312 を前進させて射出制御を行う。また、アキ
ュームレータ340 と射出シリンダ装置310 のヘッド側を
連通する油圧回路の途中には、パイロット操作チェック
弁350 が設けられており、このパイロット操作チェック
弁350 は、不図示のパイロット油圧回路のパイロット操
作により開くように構成されている。
【0013】サーボ弁320 は、パイロットサーボ弁321
を有する二段形サーボ弁であり、弁開度を調整して流量
制御を行い、ピストンロッド312 の射出速度を制御する
ようになっている。また、サーボ弁320 は、タンクポー
トTP、圧力ポートPPの合計二つのポートを備えた二方弁
となっている。
【0014】このような第二従来例では、以下のように
射出制御を行う。すなわち、ピストンロッド312 を前進
させて金型201 へ射出を行う場合には、サーボ弁320 を
圧力ポートPPからタンクポートTPへサーボ油が流れる状
態にし、射出シリンダ装置310 のロッド側ポートRPと油
タンクとを連通して排油する。そして、ソレノイド弁33
0 を油ポンプ360 とヘッド側ポートHPとが連通するよう
に切り換えて射出シリンダ装置310 のヘッド側ポートHP
に高圧油を供給するとともに、パイロット操作チェック
弁350 をパイロット操作により開いてアキュームレータ
340 と射出シリンダ装置310 のヘッド側を連通して大流
量を供給可能とし、ヘッド側圧力P1が安定するようにす
る。
【0015】一方、ピストンロッド312 を後退させる場
合には、サーボ弁320 を閉じ、ソレノイド弁330 を油ポ
ンプ360 から射出シリンダ装置310 のロッド側ポートRP
へ流れる状態に切り換えてロッド側ポートRPに高圧油を
供給するとともに、射出シリンダ装置310 のヘッド側ポ
ートHPからソレノイド弁330 を介して油タンクに排油す
る。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たような第一従来例および第二従来例では、各サーボ弁
220,320 がそれぞれ三方弁、二方弁であるため、各ピス
トンロッド212,312 を前進させて射出を行うだけであれ
ば、これらの各サーボ弁220,320 だけでその目的を達す
ることができるが、ピストンロッド212,312 を後退させ
る場合には、それぞれソレノイド弁230,330 を各サーボ
弁220,320 とは別に設けることが必要となる。このた
め、油圧回路および電気回路が二重化され、複雑になる
という問題がある。
【0017】また、前述したような第一従来例および第
二従来例では、溶湯203 をキャビティ202 に充填完了さ
せてから、この溶湯203 を高圧加圧凝固させる場合の各
ピストンロッド212, 312の押圧力F(押湯力FI)は、各
アキュームレータ240,340 の圧力によって決定される。
このため、各アキュームレータ240,340 の圧力が変動し
た場合には、押湯力FIもこれに伴って変動するという不
都合があるうえ、任意の押湯力FIを設定するためには、
各アキュームレータ240,340 の圧力を手動で調整しなけ
ればならないという問題がある。
【0018】本発明の目的は、油圧回路および電気回路
が単純で、かつアキュームレータの圧力変化等に押湯力
が影響されることのないダイカストマシンの射出制御方
法およびその装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の第一発明は、射
出シリンダ装置のピストンロッドの前進速度を低速から
高速へ移行させてダイカスト成形を行うダイカストマシ
ンの射出制御方法であって、予め前記射出シリンダ装置
と油圧源との間に設けられたサーボ弁に制御信号を送っ
て当該サーボ弁を制御する制御手段を設けておき、成形
に先立って、当該制御手段に始動開弁速度、低速射出速
度、高速射出速度、ブレーキ開始ストローク、ブレーキ
弁開度、ブレーキ時間、押湯昇圧時間、押湯力、保圧時
間などの射出条件データを入力設定し、成形にあたって
は、入力設定した前記始動開弁速度で前記サーボ弁を開
いて射出を開始し、前記ピストンロッドの移動速度が前
記低速射出速度に達した時点から、前記低速射出速度で
のフィードバック制御を前記制御手段により行い、前記
ピストンロッドの移動ストロークが所定の低速射出スト
ロークに達した時点で、前記高速射出速度に対応する弁
開度に前記サーボ弁を最高開弁速度で開いて高速射出を
開始し、前記ピストンロッドの移動ストロークが前記ブ
レーキ開始ストロークに達した時点で、前記ブレーキ弁
開度に前記サーボ弁を最高閉弁速度で閉じてブレーキを
かけ、前記ブレーキ時間が経過した時点で、前記押湯昇
圧時間に対応する開弁速度で前記サーボ弁を開いて前記
ピストンロッドの押圧力の昇圧を開始し、前記ピストン
ロッドの押圧力が前記押湯力に達した時点からは、前記
押湯力のフィードバック制御を前記制御手段により行っ
て前記保圧時間が経過するまで前記押湯力を保持するこ
とを特徴とする。
【0020】本発明の第二発明は、第一発明のダイカス
トマシンの射出制御方法において、予め前記射出条件デ
ータとして充填完了時点ストロークを入力設定してお
き、前記ブレーキ開始ストロークは、当該充填完了時点
ストロークとその実測値との差を比較し、その差が許容
範囲を超える場合には、微小ストロークずつ加減算さ
れ、次ショット補正されることを特徴とする。
【0021】本発明の第三発明は、第一発明または第二
発明のダイカストマシンの射出制御方法において、予め
入力設定される前記高速射出速度に対応する弁開度は、
この高速射出時の実際のピストンロッドの押圧力および
高速射出速度を検出し、これらの実測値に基づいて前記
制御手段により負荷補償制御されることを特徴とする。
【0022】本発明の第四発明は、射出シリンダ装置の
ピストンロッドの前進速度を超低速とする超低速射出制
御によるダイカストマシンの射出制御方法であって、予
め前記射出シリンダ装置と油圧源との間に設けられたサ
ーボ弁に制御信号を送って当該サーボ弁を制御する制御
手段を設けておき、成形に先立って、当該制御手段に始
動開弁速度、低速射出速度、減速加速度、超低速射出速
度、充填完了時点射出圧力、押湯昇圧時間、押湯力、保
圧時間などの射出条件データを入力設定し、成形にあた
っては、入力設定した前記始動開弁速度で前記サーボ弁
を開いて射出を開始し、前記ピストンロッドの移動速度
が前記低速射出速度に達した時点から、前記低速射出速
度でのフィードバック制御を前記制御手段により行い、
前記ピストンロッドの移動ストロークが所定の低速射出
ストロークに達した時点で、前記減速加速度で減速加速
度制御を行い、前記ピストンロッドの移動速度が前記超
低速射出速度に達した時点から、前記超低速射出速度で
のフィードバック制御を前記制御手段により行い、前記
ピストンロッドの押圧力が前記充填完了時点射出圧力に
達した時点で、前記押湯昇圧時間に対応する開弁速度で
前記サーボ弁を開いて前記ピストンロッドの押圧力の昇
圧を開始し、前記ピストンロッドの押圧力が前記押湯力
に達した時点からは、前記押湯力のフィードバック制御
を前記制御手段により行って前記保圧時間が経過するま
で前記押湯力を保持することを特徴とする。
【0023】本発明の第五発明は、第一発明ないし第四
発明のいずれかのダイカストマシンの射出制御方法にお
いて、前記低速射出ストロークは、給湯重量WS、溶湯比
重γ、射出スリーブ全長L、射出スリーブ内径D、ゲー
ト部充填溶湯重量WR、補正値Cを予め前記制御手段に入
力設定し、これらの数値に基いて前記制御手段で次の演
算式 SL=L{1−4WS/(πD2 Lγ)}/〔{8WS/(π
2 Lγ)}+1〕+{4WR/(πD2 γ)}−C を演算算出することにより設定されることを特徴とす
る。
【0024】本発明の第六発明は、ダイカストマシンの
射出制御装置であって、射出シリンダ装置と油圧源との
間に設けられ、パイロットサーボ弁とメイン弁とを有す
る複数段であり、かつ当該メイン弁のスプールが四方案
内弁であるサーボ弁と、当該サーボ弁の二つの出力ポー
トと前記射出シリンダ装置のロッド側ポートおよびヘッ
ド側ポートとを各々連通する二つの流路と、前記出力ポ
ートと前記ヘッド側ポートとを連通する前記流路に設け
られ、かつ前記ヘッド側ポートから前記出力ポートへの
自由流れ方向を有するパイロット操作チェック弁と、前
記サーボ弁の圧力ポートと前記油圧源とを連通するサー
ボ油圧源と、前記射出シリンダ装置のヘッド側ポートと
前記油圧源に設けられたアキュームレータとの間に設け
られたパイロット操作開閉手段と、前記パイロット操作
開閉手段のパイロット油圧回路と前記パイロット操作チ
ェック弁のパイロット油圧回路とを連通して操作する三
方ソレノイド弁と、前記射出シリンダ装置のピストンロ
ッドの押圧力検出手段と、予め入力設定された射出条件
データに基づいて前記サーボ弁を制御する制御手段とを
有することを特徴とする。
【0025】本発明の第七発明は、ダイカストマシンの
射出制御装置であって、射出シリンダ装置と油圧源との
間に設けられ、パイロットサーボ弁とメイン弁とを有す
る複数段であり、かつ当該メイン弁のスプールが四方案
内弁であるサーボ弁と、当該サーボ弁の二つの出力ポー
トと前記射出シリンダ装置のロッド側ポートおよびヘッ
ド側ポートとを各々連通する二つの流路と、前記出力ポ
ートと前記ヘッド側ポートとを連通する前記流路に設け
られ、かつ前記ヘッド側ポートから前記出力ポートへの
自由流れ方向を有するチェック弁と、前記射出シリンダ
装置のピストンロッドの押圧力検出手段と、前記サーボ
弁の圧力ポートと前記油圧源とを連通するサーボ油圧源
と、前記射出シリンダ装置のヘッド側ポートと前記油圧
源に設けられたアキュームレータとの間に設けられたパ
イロット操作開閉手段と、前記チェック弁が設けられた
前記サーボ弁の出力ポートと連通した前記パイロット操
作開閉手段のパイロット油圧回路と、予め入力設定され
た射出条件データに基づいて前記サーボ弁を制御する制
御手段とを有することを特徴とする。
【0026】本発明の第八発明は、第六発明または第七
発明のダイカストマシンの射出制御装置において、前記
押圧力検出手段は前記射出シリンダ装置のロッド側およ
びヘッド側にそれぞれ設けられた圧力検出器を互いに極
性を反対にして直列に接続して形成され、前記押圧力検
出手段の検出出力は、前記各圧力検出器の各検出出力を
前記射出シリンダ装置のロッド側のピストン受圧面積と
ヘッド側のピストン受圧面積との比で補償し、補償後の
各検出出力の差により得ることを特徴とする。
【0027】
【作用】このような本発明においては、サーボ弁を四方
弁とし、この一つのサーボ弁を操作することにより全て
の射出制御を行うので、従来例のように油圧回路および
電気回路が二重化され、複雑になるという不都合を解消
できるようになる。また、制御手段により押湯力のフィ
ードバック制御を行い、この押湯力を保圧時間が経過す
るまで設定値に保持するので、アキュームレータの圧力
変化等に押湯力が影響されるという不都合が解消できる
ようになるうえ、アキュームレータの圧力を手動で調整
するという手間を省くことができるようになり、これら
により前記目的が達成される。
【0028】
【実施例】以下、本発明の第一実施例を図面に基づいて
説明する。本実施例は、本発明の第六発明および第八発
明を適用した装置に基づくものであり、その制御に第一
発明ないし第四発明の各方法を適用したものである。図
1において、本実施例のダイカストマシン10は、図示さ
れない金型に溶湯を射出する射出シリンダ装置20と、こ
の射出シリンダ装置20を弁開度調整して流量制御するサ
ーボ弁30と、各種射出条件データ等によりサーボ弁30を
制御する制御手段60とを有している。
【0029】射出シリンダ装置20は、図示されない射出
プランジャをその先端に有するピストンロッド22と、こ
のピストンロッド22の反対側の先端に固定されたピスト
ン21を摺動可能に内蔵する射出シリンダ23と、射出シリ
ンダ23に対するピストンロッド22の移動速度および移動
ストロークを検出する射出速度・射出ストローク検出手
段24とを含み構成されている。
【0030】射出速度・射出ストローク検出手段24は、
検出管25を有しており、この検出管25をピストンロッド
22の軸方向に沿ってピストン21側からピストンロッド22
内に穿設された深穴に挿入し、検出管25内の磁歪線に対
して前後進するピストンロッド22に取り付けられた永久
磁石を作用させ、これにより生じる磁歪を超音波で検出
することにより、ピストンロッド22の移動速度および移
動ストローク、すなわち射出速度・射出ストロークを検
出するように構成されている。
【0031】サーボ弁30は、メイン弁31とパイロットサ
ーボ弁32とにより構成される二段形サーボ弁であり、弁
開度を調整して流量制御を行い、ピストンロッド22の射
出速度を制御するようになっている。メイン弁31は、そ
のスプール(弁体)が四方案内弁となっており、出力ポ
ートA、出力ポートB、タンクポートTP、圧力ポートPP
の合計四つのポートを備えている。パイロットサーボ弁
32は、油の汚染度に対して有利なボイスコイル形直動サ
ーボ弁となっており、ダイカストマシンの作動環境に充
分適合でき、NAS10 級の汚染度にも適合できるようにな
っている。
【0032】出力ポートAは、流路41により、射出シリ
ンダ23のロッド側ポートRPと連通している。出力ポート
Bは、流路42により、射出シリンダ23のヘッド側ポート
HPと連通している。また、流路42の途中には、パイロッ
トチェック弁43(逆止弁)が設けられており、このパイ
ロットチェック弁43は、ヘッド側ポートHPから出力ポー
トBに向かう方向が自由流れ方向となっている。そし
て、パイロットチェック弁43は、制御信号を受けてパイ
ロット油圧操作により開くように構成されている。
【0033】タンクポートTPは、排油路44により、油タ
ンクに連通している。圧力ポートPPは、サーボ油圧源46
に連通しており、このサーボ油圧源46には、パイロット
サーボ弁32の応答性を向上させるために小形のアキュー
ムレータ47が設けられている。
【0034】図示されない油圧ポンプによる油圧源50に
は、アキュームレータ51が設けられている。また、油圧
源50と射出シリンダ23のヘッド側との間には、パイロッ
ト操作開閉手段52が設けられている。そして、パイロッ
ト操作開閉手段52は、制御信号を受けてパイロット油圧
操作により開閉するロジック弁により構成されている。
このパイロット操作開閉手段52のパイロット油圧回路53
は、パイロットチェック弁43のパイロット油圧回路54と
連通している。油圧源50には、ソレノイド弁55が設けら
れており、このソレノイド弁55を介して油圧源50と各パ
イロット油圧回路53, 54とが接続されている。
【0035】ソレノイド弁55は、通電するか否かによ
り、パイロット操作開閉手段52およびパイロットチェッ
ク弁43のパイロット油圧操作を同時に行い、パイロット
操作開閉手段52を開閉させる、あるいはパイロットチェ
ック弁43を開閉させるように構成されている。
【0036】すなわち、ソレノイド弁55を非通電状態と
した場合には、油圧源50の油圧が各パイロット油圧回路
53, 54を通してそれぞれパイロット操作開閉手段52、パ
イロットチェック弁43に供給されるようになっている。
これにより、パイロット操作開閉手段52は閉塞されてア
キュームレータ51の高圧油が遮断されるとともに、パイ
ロットチェック弁43は開かれ、その逆止機能が失われて
サーボ弁30の出力ポートBからヘッド側ポートHPへサー
ボ油が流れるようになっている。
【0037】そして、ソレノイド弁55を通電状態とした
場合には、油圧源50の油圧はパイロット操作開閉手段5
2、パイロットチェック弁43には供給されず、パイロッ
ト油圧回路53, 54は油タンクに連通されるようになって
いる。これにより、パイロット操作開閉手段52が開いて
アキュームレータ51の高圧油が射出シリンダ23のヘッド
側に供給されるとともに、パイロットチェック弁43は逆
止機能を回復するようになっている。
【0038】ここで、ピストンロッド22の後退(図1中
右行)状態では、ソレノイド弁55は非通電状態となって
おり、パイロット操作開閉手段52は閉塞されてアキュー
ムレータ51からの高圧油が遮断されるとともに、サーボ
弁30は、圧力ポートPPから出力ポートAへ、および出力
ポートBからタンクポートTPへ流れる状態となってい
る。このため、ロッド側ポートRPはサーボ油圧源46に連
通して高圧油が供給され、ヘッド側ポートHPは油タンク
に連通して排油される。
【0039】上記のピストンロッド22の後退状態から通
常の射出制御、あるいは超低速射出制御を開始する場合
には、次のような操作が行われるようになっている。
【0040】すなわち、通常の射出制御を開始する場合
には、先ず、ソレノイド弁55を通電状態とし、パイロッ
ト操作開閉手段52を開いてアキュームレータ51の高圧油
を射出シリンダ23のヘッド側に供給する。この際には、
サーボ弁30は、ピストンロッド22の後退状態のままの状
態、すなわち圧力ポートPPから出力ポートAへ、および
出力ポートBからタンクポートTPへ流れる状態となって
いるので、ロッド側圧力P2はサーボ油圧源46により高圧
保持され、ヘッド側圧力P1は油タンクに連通しているた
め、パイロット操作開閉手段52が開かれた瞬間にアキュ
ームレータ51の高圧のサーボ油が射出シリンダ23のヘッ
ド側に大量に供給されるがこれは油タンクに排出され、
ピストンロッド22の飛び出し、いわゆるジャンピングが
起きないようになっている。
【0041】その次の瞬間、サーボ弁30をピストンロッ
ド22の前進側に切り換え、圧力ポートPPから出力ポート
Bへ、および出力ポートAからタンクポートTPへ流れる
状態とし、かつ弁開度を微小開度とすることにより、射
出シリンダ23内のロッド側から微小流量のサーボ油が油
タンクに流れ、円滑なピストンロッド22の始動が開始さ
れ、ダイカストマシン10の通常の射出制御が開始される
ようになっている。
【0042】また、超低速射出制御を開始する場合に
は、ソレノイド弁55を非通電状態(後退状態のままの状
態)とし、パイロット操作開閉手段52を閉塞してアキュ
ームレータ51の高圧油を遮断するとともに、パイロット
チェック弁43を開き、出力ポートBからヘッド側ポート
HPへサーボ油が流れる状態にする。そして、サーボ弁30
をピストンロッド22の前進側に切り換え、圧力ポートPP
から出力ポートBへ、および出力ポートAからタンクポ
ートTPへ流れる状態とすることにより、射出シリンダ23
内のロッド側のサーボ油は油タンクに流れ、ヘッド側に
はサーボ油圧源46のサーボ油が供給され、サーボ弁30は
微小流量制御されるので円滑なピストンロッド22の始動
が開始され、ダイカストマシン10の超低速射出制御が開
始されるようになっている。
【0043】制御手段60は、マイクロコンピュータ等に
より構成されており、この制御手段60には、射出制御を
行うための各種射出条件データ等を入力するための入力
手段61と、この入力結果あるいは制御情報を表示するた
めのCRT等による表示手段62とが備わっている。制御
手段60とパイロットサーボ弁32との間には、制御手段60
から出力されるデジタル出力信号をアナログ信号に変換
するD/A変換器63と、D/A変換器63から出力された
アナログ信号を増幅させるサーボアンプ64とが設けられ
ている。
【0044】ダイカストマシン10は、この制御手段60に
よりフィードバック制御を行いながら射出制御を行うよ
うに構成されている。すなわち、射出速度・射出ストロ
ーク検出手段24により検出したピストンロッド22の射出
速度および射出ストロークの検出信号K1を、フィードバ
ック信号として制御手段60に送り、制御手段60において
この検出信号K1と入力手段61により入力設定された各種
射出条件データ等との比較を行う。そして、その比較結
果に応じて弁開度指令として制御信号K2をD/A変換器
63に送りD/A変換し、アナログ信号としてサーボアン
プ64に送り、さらにサーボアンプ64で増幅して制御信号
K3としてパイロットサーボ弁32に送り、これらによりパ
イロットサーボ弁32をフィードバック制御するようにな
っている。
【0045】サーボ弁30には、メイン弁31のスプールの
変位を検出する変位検出器65と、パイロットサーボ弁32
のスプールの変位を検出する変位検出器66とが設けられ
ている。ダイカストマシン10は、これらの各変位検出器
65, 66から出力された各検出信号K4, K5をサーボアンプ
64に入力し、ここで両者を比較し、メイン弁31のスプー
ルの変位とパイロットサーボ弁32のスプールの変位とが
正確に比例するようにサーボアンプ64から出力される制
御信号K3を修正するマイナーループのフィードバック制
御を行うことにより、制御手段60から出力された制御信
号K2通りにメイン弁31の弁開度を制御するように構成さ
れている。
【0046】ダイカストマシン10は、図2(A)に示す
射出速度線図のような射出条件データを入力手段61によ
り制御手段60に予め入力設定し、この設定に基づいてピ
ストンロッド22の射出速度Vをフィードバック制御する
ようになっている。すなわち、図2(A)のSL区間にお
いては、射出開始点であるO点からC点までは、図2
(C)の弁開度指令曲線に示すようにサーボ弁30のメイ
ン弁31の弁開度Eを所定の始動開弁速度αS で開けてい
き、図2(A)に示すように射出速度Vを上昇させてピ
ストンロッド22を加速するように設定し、円滑に低速で
の射出制御を開始する。そして、C点からD点までは、
図2(A)に示すように射出速度VをVL1,VL2,VLN の多
段に設定したり、あるいは一速のVL、無段の曲線などに
設定し、低速射出を行うようになっている。
【0047】ここで、上述の始動開弁速度αS は、図3
に示す開弁速度曲線の形で制御手段60のマイクロコンピ
ュターの記憶装置のROMに予め記憶保存するようにな
っている。図3では、横軸は時間Tを示し、縦軸はサー
ボ弁30のメイン弁31の弁開度Eを示している。そして、
同図の傾斜が小さい程、開弁速度が遅いのでピストンロ
ッド22の加速度が小さく、その傾斜が大きい程、開弁速
度が速いのでピストンロッド22の加速度が大きく、これ
ら開弁速度曲線は、サーボ弁30の固有のデータであり、
ダイカストマシン10の実機データである。つまり、上述
の射出開始時の始動開弁速度αS は傾斜が小さく遅いた
め、ピストンロッド22の加速は比較的小さなものとなっ
ている。
【0048】図2(A)のD点は、射出ストロークSが
設定値の低速射出ストロークSLに達する点であり、低速
での射出制御から高速での射出制御への切換点である。
低速での射出制御から高速での射出制御への切換は、図
2(C)に示すように、弁開度指令曲線がD点からG点
へ移動するような矩形パルス指令で行われ、サーボ弁30
は最高開弁速度で弁開度EHまで開くようになっている。
例えば、ピストンロッド22は、低速射出速度VLN の0.3m
/sから高速射出速度VHの3m/sまで10ms以下の短時間で急
加速することができる。
【0049】ここで、サーボ弁30の弁開度EHは、図4に
示される実機を使用して作成された試験データ曲線から
実鋳造時にデータを読み出すことにより得られるように
なっている。図4の横軸は高速射出速度VHを示し、縦軸
はサーボ弁30のメイン弁31の弁開度EH(%)を示し、ピ
ストンロッド22の押圧力FG(ゲート抵抗)をパラメータ
にして試験データ曲線が描かれており、この試験データ
曲線は制御手段60のマイクロコンピューターの記憶装置
のROMに予め記憶保存されている。そして、実鋳造時
に高速射出速度VHおよびパラメータの押圧力FG(ゲート
抵抗)を設定値として入力手段61で入力することによ
り、弁開度EHを求めるようになっている。
【0050】ダイカストマシン10には、ロッド側圧力P2
とヘッド側圧力P1との差圧を検出することによりピスト
ンロッド22の押圧力を検出する押圧力検出手段である差
圧検出器67が設けられており、ロッド側圧力P2、ヘッド
側圧力P1はそれぞれ流路41,42から取り込まれるように
なっている。ダイカストマシン10は、この差圧検出器67
によりロッド側圧力P2とヘッド側圧力P1との差圧、すな
わちピストンロッド22の押圧力FGを検出するとともに、
射出速度・射出ストローク検出手段24により高速射出速
度VHを実測し、検出した押圧力FGに対応する弁開度EH’
を図4の試験データ曲線から読み取り、弁開度EHを補正
して負荷補償制御を行うように構成されている。
【0051】図2(A)のL点は、射出ストロークSが
ブレーキ開始ストロークSHB に達した点であり、射出速
度・射出ストローク検出手段24によりこれを検出したら
図2(C)に示すように弁開度EHから弁開度EBまで最高
速度でサーボ弁30を閉じ、サーボ弁30の出力ポートAか
らタンクポートTPへの流れを絞ることにより、ピストン
ロッド22に急ブレーキがかかるようになっている。そし
て、図2のY−Y線において、リアルタイム制御の基準
(図2の横軸)が射出ストロークSから時間Tに切り換
えられ、以後は時間Tを基準にした制御となる。
【0052】図5に示すように、ブレーキ開始ストロー
クSHB は、金型のキャビティ内への溶湯の充填が完了し
た時点の充填完了時点ストロークSF、またはブレーキ後
ストロークSB(SF=SL+SHB +SB)とともに、予め入力
手段61により制御手段60に入力設定しておくようになっ
ている。また、入力設定した充填完了時点ストロークSF
とその実測値SF' との差の許容範囲である充填完了時点
ストローク許容範囲±δ(ブレーキ後ストローク許容範
囲)も予め入力手段61により制御手段60に入力設定して
おくようになっている。
【0053】ブレーキ開始ストロークSHB は、実測充填
完了時点ストロークSF' の実測状況に応じて次ショット
補正を行うようになっている。すなわち、充填完了前に
急ブレーキをかけた時から充填が完了するまでピストン
ロッド22は急速に減速するが、この際のピストンロッド
22の射出速度を射出速度・射出ストローク検出手段24に
より測定し、この速度が充填完了時点速度VFに達した瞬
間のピストンロッド22の射出ストロークを射出速度・射
出ストローク検出手段24により実測する。この実測充填
完了時点ストロークSF' の複数ショットの平均値である
平均実測充填完了時点ストロークSFM'と許容範囲を加算
した充填完了時点ストロークSF±δとを比較し、平均実
測充填完了時点ストロークSFM'が許容範囲を加算した充
填完了時点ストロークSF±δ内に収まっていない時に
は、次ショット補正を行うようになっている。
【0054】そして、平均実測充填完了時点ストローク
SFM'が許容範囲を加算した充填完了時点ストロークSF±
δから、正側に(+ΔSF’)外れている場合には、ブレ
ーキ開始ストロークSHB を+ΔSHB 補正し、負側に(−
ΔSF’)外れている場合には、ブレーキ開始ストローク
SHB を−ΔSHB 補正する所謂学習制御を行う。なお、こ
の際の補正値±ΔSHB は、例えば 0.2mm程度でショット
毎に微小ストロークずつ加減算補正されるのが望まし
い。
【0055】図2(A)のM点は、L点より実測したブ
レーキ時間TBだけ経過した時点であり、この点より押圧
力Fの制御が開始されるようになっている。すなわち、
図3に示す比較的速い開弁速度αI でサーボ弁30を開い
て昇圧を開始し、押圧力F(この場合には押湯力)が入
力設定した押湯力FIになるN点まで昇圧を行うようにな
っている。ここで、図3に示すように、開弁速度αI
αI +Δαとして増速すれば、押湯昇圧時間TIは短くな
り、開弁速度αI をαI −Δαとして減速すれば、押湯
昇圧時間TIは長くなる。
【0056】図6に示すように、押湯昇圧時間TIは、昇
圧開始から押圧力Fが入力設定した押湯力FIの90%に達
する瞬間までの時間であり、予め入力手段61により制御
手段60に入力設定しておき、これに対応する開弁速度α
I を制御手段60により演算算出するようになっている。
また、入力設定した押湯昇圧時間TIとその実測値TI’と
の差の許容範囲である押湯昇圧時間許容範囲±βも予め
入力手段61により制御手段60に入力設定しておくように
なっている。
【0057】そして、差圧検出器67によりピストンロッ
ド22の押圧力Fを検出し、この押圧力Fが入力設定した
押湯力FIの90%に達した瞬間の時間を実測し、この実測
押湯昇圧時間TI’の複数ショットの平均値である平均実
測押湯昇圧時間TIM'と許容範囲を加算した押湯昇圧時間
TI±βとを比較し、平均実測押湯昇圧時間TIM'が許容範
囲を加算した押湯昇圧時間TI±β内に収まっていない時
には、次ショット補正を行うようになっている。すなわ
ち、平均実測押湯昇圧時間TIM'が許容範囲を加算した押
湯昇圧時間TI±βから、正側に(+ΔTI’)外れている
場合には、開弁速度αI を増速側に+Δα補正し、負側
に(−ΔTI’)外れている場合には、開弁速度αI を減
速側に−Δα補正する(図3参照)。
【0058】ダイカストマシン10は、差圧検出器67によ
りピストンロッド22の押圧力Fを検出することにより押
湯力FIを実測し、この実測値と入力設定した押湯力FIと
の比較を制御手段60で行い、その比較結果に応じて弁開
度指令として制御信号K2をD/A変換器63に送り、さら
にこの弁開度指令をサーボアンプ64を介して制御信号K3
としてサーボ弁30に伝えることにより、サーボ弁30の弁
開度Eをフィードバック制御して押湯力FIを一定に保つ
ように構成されている。また、押湯力FIは、図7の押湯
力FI1 〜FI2 に示すように任意に設定できるようになっ
ている。
【0059】射出シリンダ装置20のピストンロッド22の
押圧力検出手段としての差圧検出器67は、図8に示すよ
うな構成であり、個々の圧力検出器71, 72の構成は、本
願出願人により既に提案されている実公平 3-29003号公
報に開示されている。前記圧力検出器71, 72は、それぞ
れ受圧部であるステンレス鋼のダイヤフラム73, 74の背
面に形成した薄膜形半導体圧力素子75, 76と、この薄膜
形半導体圧力素子75, 76を覆うカバー77, 78とにより構
成されている。
【0060】差圧検出器67は、互いに極性を反対にして
直列に接続された前記圧力検出器71, 72と、負荷抵抗R
1, R2とにより構成されている。負荷抵抗R1, R2は、R2
=K×R1となる(ここでのR2は全R2のうち差圧検出に使
用される部分を示す)ようになっている。ここで、Kは
射出シリンダ装置20のロッド側のピストン受圧面積A2と
ヘッド側のピストン受圧面積A1との比の値、K=A2/A1
(<1)となっている。
【0061】このような差圧検出器67では、圧力検出器
71の出力端子79の検出出力G1と圧力検出器72の出力端子
80の検出出力を前記ピストン受圧面積比Kで補償した検
出出力G2との差G=G1−G2をとることで、ピストンロッ
ド22の押圧力、すなわち押湯力FIに比例した検出出力G
を演算せずに直接得ることができるので、応答性の速い
押圧力検出手段とすることができる。従来は、射出シリ
ンダ装置20のピストンロッド22の押圧力Fを、F=P1×
A1−P2×A2を演算して求めていたのでリアルタイム制御
が不可能であったが、それを可能とするものである。
【0062】このような第一実施例においては、鋳造に
あたって以下のように通常の射出制御を行う(図9参
照)。先ず、制御手段60において、制御プログラムをス
タートさせ、鋳造のための各種射出条件データを入力手
段61により制御手段60に入力設定する(処理S1)。
【0063】ここで、制御手段60に入力設定する各種射
出条件データは、低速射出ストロークSL(SL1,SL2 )、
低速射出速度VL(多段制御の場合;VL1,VL2,VLN )、低
速射出開始時の始動開弁速度αS 、高速射出速度VH、ゲ
ート抵抗FG(ピストンロッド22の押圧力)、ブレーキ開
始ストロークSHB 、ブレーキ弁開度EB、ブレーキ時間T
B、押湯昇圧時間TI、押湯昇圧時間許容範囲±β、昇圧
開始時の開弁速度αI の補正量±Δα、押湯力FI、充填
完了時点速度VF、充填完了時点ストロークSF(またはブ
レーキ後ストロークSB)、充填完了時点ストローク許容
範囲±δ(ブレーキ後ストローク許容範囲)、ブレーキ
開始ストロークSHB の補正値±ΔSHB 、保圧時間TPなど
である。
【0064】次に、処理S1で入力設定した各種射出条件
データに基づき、高速射出速度VHに対応するサーボ弁30
の弁開度EHおよび押湯昇圧時間TIに対応する開弁速度α
I を、制御手段60のマイクロコンピューターの記憶装置
のROMに予め記憶保存された図4に示すようなデータ
等を読み込むことにより演算算出する(処理S2)。
【0065】そして、金型の型締を完了し、溶湯の給湯
を完了して制御手段60に射出開始信号を送り、始動開弁
速度αS 、低速射出速度VL(VL1,VL2,VLN )で所謂ジャ
ンピングすることなく円滑にダイカストマシン10を始動
させる(処理S3)。
【0066】ダイカストマシン10の始動後の低速での射
出制御においては、一速制御の場合には、射出速度が低
速射出速度VLに達した時点から射出速度のフィードバッ
ク制御を開始する(処理S4)。
【0067】低速射出ストロークSLを検出した時点で処
理S4の射出速度のフィードバック制御を完了し、最高開
弁速度でサーボ弁30を弁開度EHまで開き、高速射出速度
VHでの射出制御に移行する。この際、ゲート抵抗FG(ピ
ストンロッド22の押圧力)を検出し、制御手段60のマイ
クロコンピューターの記憶装置のROMから、この検出
したゲート抵抗FGに対応する弁開度EH’を読み出し、弁
開度EHを補正して負荷補償制御を行う(処理S5)。
【0068】ブレーキ開始ストロークSHB を検出した時
点(図2中Y−Y線)でリアルタイム制御の基準を射出
ストロークSから時間Tに切り換え、サーボ弁30の弁開
度Eを最高速度でブレーキ弁開度EBまで閉じ、ピストン
ロッド22に急ブレーキをかけて射出速度を減速させる
(処理S6)。
【0069】処理S6のブレーキ作用により急速に減速す
るピストンロッド22の射出速度を検出し、この速度が充
填完了時点速度VFに達した瞬間のピストンロッド22の射
出ストロークを検出し、この実測充填完了時点ストロー
クSF' を制御手段60により記憶する(処理S7)。
【0070】一方、ブレーキ時間TBが経過した時点(図
2中M点)でサーボ弁30の弁開度Eを開弁速度αI で開
き、昇圧を開始して押圧力F(押湯力)の制御を開始す
る(処理S8)。
【0071】その後、ピストンロッド22の押圧力Fが予
め入力設定した押湯力FIの90%に達した時点の時間を実
測し、この実測押湯昇圧時間TI’を制御手段60により記
憶する(処理S9)。
【0072】昇圧完了後は、差圧検出器67により押湯力
FIを実測し、この実測値と入力設定した押湯力FIとの比
較を制御手段60で行うことにより、押湯力FIのフィード
バック制御を行う(処理S10 )。最後に、保圧時間TPが
経過した時点で鋳造工程を完了し、金型の型開きを行う
(処理S11 )。
【0073】ここで、一ショットの鋳造工程は完了する
が、以下のように制御手段60で次ショット補正を行って
から、再び次ショットの鋳造工程に移る(図10参
照)。先ず、処理S11 後、図9中Q1から図10中Q1へと
処理を継続し、処理S9において制御手段60により記憶し
た実測押湯昇圧時間TI’の複数ショットの平均値である
平均実測押湯昇圧時間TIM'と許容範囲を加算した押湯昇
圧時間TI±βとを比較し、次ショット補正を行う。すな
わち、平均実測押湯昇圧時間TIM'が許容範囲を加算した
押湯昇圧時間TI±βから、正側に(+ΔTI’)外れてい
る場合には、開弁速度αI を増速側に+Δα補正し、負
側に(−ΔTI’)外れている場合には、開弁速度αI
減速側に−Δα補正する(処理S12 )。
【0074】次に、処理S7において制御手段60により記
憶した実測充填完了時点ストロークSF' の複数ショット
の平均値である平均実測充填完了時点ストロークSFM'と
許容範囲を加算した充填完了時点ストロークSF±δとを
比較し、次ショット補正を行う。すなわち、平均実測充
填完了時点ストロークSFM'が許容範囲を加算した充填完
了時点ストロークSF±δから、正側に(+ΔSF’)外れ
ている場合には、ブレーキ開始ストロークSHB を+ΔSH
B 補正し、負側に(−ΔSF’)外れている場合には、ブ
レーキ開始ストロークSHB を−ΔSHB 補正する(処理S1
3 )。
【0075】その後、図10中Q2から図9中Q2へと処理
を継続し、次ショットの鋳造工程に移り、このような処
理手順を繰り返して複数ショットの鋳造工程を完了す
る。
【0076】また、このような第一実施例においては、
以下のように超低速射出制御を行う(図11参照)。先
ず、制御手段60に超低速射出制御のための各種射出条件
データを入力設定する。ここで、制御手段60に入力設定
する各種射出条件データは、低速射出ストロークSL(多
段制御の場合;SL1,SL2 等)、低速射出速度VL(多段制
御の場合;VL1,VL2,VLN 等)、低速射出開始時の始動開
弁速度αS 、減速加速度AX、超低速射出速度VX(一速、
多段、または無段)、充填完了時点射出圧力FS、押湯昇
圧時間TI、押湯昇圧時間許容範囲±β、昇圧開始時の開
弁速度αI の補正量±Δα、押湯力FI、保圧時間TPなど
である。そして、入力設定した射出条件データが、超低
速射出制御のための射出条件データである場合には、制
御手段60により通常の射出制御のための油圧回路から超
低速射出制御のための油圧回路に自動切換する。
【0077】次に、超低速射出制御のための油圧回路で
サーボ弁30の弁開度Eを始動開弁速度αS で開いて射出
を開始し、射出速度Vが低速射出速度VLに達した時点か
ら、低速射出速度VLでのフィードバック制御を制御手段
60により行う。そして、射出ストロークSが低速射出ス
トロークSLに達した時点で、低速射出速度VLでのフィー
ドバック制御から減速加速度AXでの減速加速度制御へ移
行する。
【0078】その後、射出速度Vが超低速射出速度VXに
達した時点から、超低速射出速度VXでのフィードバック
制御を制御手段60により行う。そして、ピストンロッド
22の押圧力Fが充填完了時点射出圧力FSに達した時点
で、サーボ弁30の弁開度Eを押湯昇圧時間TIに対応する
開弁速度αI で開き、ピストンロッド22の押圧力Fの昇
圧を開始する。
【0079】最後に、ピストンロッド22の押圧力Fが押
湯力FIに達した時点からは、押湯力FIでのフィードバッ
ク制御を制御手段60により行って保圧時間TPが経過する
まで押湯力FIを保持する。
【0080】このような本実施例によれば、サーボ弁30
は、メイン弁31とパイロットサーボ弁32とにより構成さ
れる二段形サーボ弁であり、メイン弁31のスプール(弁
体)が四方案内弁となっているため、この一つのサーボ
弁30を操作することにより全ての射出制御を行うことが
できるので、従来例のように油圧回路および電気回路が
二重化され、複雑になるという不都合を解消できる。
【0081】また、制御手段60により押湯力FIのフィー
ドバック制御を行い、この押湯力FIを保圧時間TPが経過
するまで設定値に保持するので、アキュームレータ51の
圧力変化等に押湯力FIが影響されるという不都合が解消
できるうえ、アキュームレータ51の圧力を手動で調整す
るという手間を省くことができる。
【0082】さらに、処理S6において、サーボ弁30の弁
開度Eを最高速度でブレーキ弁開度EBまで閉じ、ピスト
ンロッド22に急ブレーキをかけて射出速度を減速させる
ので、従来の公知例と同様に、キャビティ202 に溶湯20
3 が充填され、ピストンロッド22が前進できなくなって
急停止した場合に大きなサージ圧が発生するのを防止す
ることができ、鋳物にバリが発生するのを防止すること
ができる。
【0083】また、サーボ弁30のパイロットサーボ弁32
は、油の汚染度に対して有利なボイスコイル形直動サー
ボ弁となっているので、前述した第一従来例および第二
従来例のサーボ弁220,320 のノズルフラッパー方式に比
べ、ダイカストマシンの作動環境(一般にNAS7〜8 級以
下の汚染度に作動油を管理することが困難な環境)に充
分適合でき、NAS10 級の汚染度にも適合することができ
る。
【0084】そして、差圧検出器67は、これを構成する
各圧力検出器71, 72の各負荷抵抗R1, R2が、R2=K×R1
(Kは射出シリンダ装置20のロッド側のピストン受圧面
積A2とヘッド側のピストン受圧面積A1との比の値、K=
A2/A1)となっており、各圧力検出器71,72の各検出出
力G1, G2の差を差圧検出器67の検出出力G(=G1−G2)
としているため、この差圧検出器67によりピストンロッ
ド22の押圧力、すなわち押湯力FIに比例した検出出力G
を直接得ることができる。
【0085】さらに、押湯力FIを差圧検出器67により直
接検出し、演算を行わないので、従来のように、射出シ
リンダ装置20のヘッド側圧力P1およびロッド側圧力P2を
各々別々に検出し、押湯力FIをFI=A1×(P1−K×P2)
を演算して求めるために応答速度が遅くなり、フィード
バック制御を行うためのリアルタイム信号にこれらの検
出信号を用いることが困難であるという不都合を解消す
ることができ、フィードバック制御の精度を向上させる
ことができる。
【0086】また、射出開始時、すなわちソレノイド弁
55を通電状態とし、パイロット操作開閉手段52を開いて
アキュームレータ51の高圧油を射出シリンダ23のヘッド
側に供給する時には、サーボ弁30は、ピストンロッド22
の後退状態のままの状態となっており、その直後、サー
ボ弁30を切り換えて低速射出制御を行うので、射出開始
時に開かれたパイロット操作開閉手段52を介してアキュ
ームレータ51の高圧のサーボ油が射出シリンダ23のヘッ
ド側に大量に供給されても、ピストンロッド22の飛び出
し、いわゆるジャンピングを起こさずに円滑にピストン
ロッド22を始動させることができる。
【0087】図12には、本発明の第二実施例が示され
ている。本実施例は、本発明の第七発明および第八発明
を適用した装置に基づくものであり、その制御に第一発
明ないし第四発明の各方法を適用したものである。同図
において、本実施例のダイカストマシン110 は、前述し
た第一実施例のダイカストマシン10と略同様な構成とな
っているため、同じ部分には同じ番号を付して説明を省
略し、異なる部分のみを説明する。
【0088】流路42の途中には、チェック弁143 (逆止
弁)が設けられており、このチェック弁143 は、ヘッド
側ポートHPから出力ポートBに向かう方向が自由流れ方
向となっている。そして、チェック弁143 は、第一実施
例のパイロットチェック弁43と異なり、パイロット油圧
操作は行われない。
【0089】油圧源50と射出シリンダ23のヘッド側との
間には、パイロット操作開閉手段152 が設けられてい
る。そして、このパイロット操作開閉手段152 は、制御
信号を受けてパイロット油圧操作により開くチェック弁
(逆止弁)により構成されている。
【0090】また、前述した第一実施例において油圧源
50に設けられていたソレノイド弁55は、本実施例にはな
い。したがって、パイロット操作開閉手段152 のパイロ
ット油圧回路153 は、サーボ弁30の出力ポートBからパ
イロット油圧を供給されるように設けられている。
【0091】ダイカストマシン110 は、制御手段60から
の射出開始の制御信号K2を受け、サーボアンプ64からの
制御信号K3でサーボ弁30を制御して圧力ポートPPから出
力ポートBへ、および出力ポートAからタンクポートTP
へ流れる状態にゆっくり開弁し、サーボ油圧源46の油圧
が圧力ポートPP、出力ポートBを経てパイロット油圧回
路153 に供給され、これによりパイロット操作開閉手段
152 がゆっくり開き、アキュームレータ51の高圧油が射
出シリンダ23のヘッド側に流入して円滑にピストンロッ
ド22が始動するように構成されている。
【0092】また、ピストンロッド22の後退(図中右
行)時には、サーボ弁30を圧力ポートPPから出力ポート
Aへ、および出力ポートBからタンクポートTPへ流れる
状態とし、ロッド側圧力P2はサーボ油圧源46により高圧
になり、ヘッド側圧力P1はチェック弁143 が自由流れ方
向となるため油タンクに連通して低圧となるように構成
されている。
【0093】このような第二実施例においては、鋳造に
あたって前述した第一実施例と全く同様な手順で射出制
御を行う(図9,図10,図11参照)。
【0094】このような第二実施例によれば、前述した
第一実施例と略同様な効果が得られるうえ、サーボ弁30
を制御するだけで射出を開始することができ、第一実施
例に比べて、パイロット油圧操作を行うソレノイド弁55
がないため、このソレノイド弁55の通電のための電気制
御回路が不要になり、パイロット油圧回路153 も簡単な
ものとすることができる。
【0095】次に、本発明の第三実施例を説明する。本
実施例は、本発明の第五発明の方法を第六発明ないし第
八発明の装置において適用した例であり、低速射出スト
ロークSLに関する処理手順が前述した第一実施例および
第二実施例と異なる。すなわち、低速射出ストロークSL
は、図13に示すように、湯先90がゲート部91に達する
ときの射出プランジャ92の移動ストロークであるので、
射出スリーブ93にラドル94等で溶湯95を定量(給湯重量
WS、溶湯比重γ)給湯し、低速射出ストロークSLにより
ゲート部91にこの溶湯95が充填され、そのゲート部充填
溶湯重量をWRとした場合には、次式が成立する。 SL=L{1−4WS/(πD2 Lγ)}/〔{8WS/(π
2 Lγ)}+1〕+{4WR/(πD2 γ)}−C ここで、Lは射出スリーブ全長、Dは射出スリーブ内径
であり、Cは補正値であってサーボ弁30の作動遅れなど
による補正値で、実鋳造データから経験値として得られ
る数値であり、例えば1〜3mm以内の数値である。
【0096】このような演算式を使用した第三実施例に
おいては、以下のように処理を行う。先ず、処理S1にお
いて、給湯重量WS、溶湯比重γ、射出スリーブ全長L、
射出スリーブ内径D、ゲート部充填溶湯重量WR、補正値
Cを入力手段61により制御手段60に入力設定する。次
に、制御手段60により前述の式を使用して低速射出スト
ロークSLを演算算出する。その他の処理は、図9および
図10に示す処理手順と同様である。
【0097】このような第三実施例によれば、前述した
第一実施例および第二実施例のように、低速射出ストロ
ークSLを入力手段61により制御手段60に入力設定する
(処理S1)代わりに、低速射出ストロークSLを制御手段
60により演算算出するようにしたので、自動化をより詳
細に進めることができるうえ、的確な低速射出ストロー
クSLとすることができるため、精度のよい射出制御を行
うことができる。
【0098】なお、本発明は前記各実施例に限定される
ものではなく、例えば以下に示すような変形等も本発明
に含まれるものである。すなわち、前記第三実施例で
は、低速射出ストロークSLは、制御手段60で演算式によ
り演算算出するものとなっているが、湯先90がゲート部
91に達したことを検知する湯先検知手段96をゲート部91
に設け、これにより低速射出ストロークSLを得てもよ
い。また、この湯先検知手段96は、本願出願人により既
に提案された検知手段(実公昭44-22330号公報参照)、
あるいは公知の電極を使用した通電センサー等でよい。
【0099】さらに、第一実施例のパイロット操作開閉
手段52は、ロジック弁となっており、第二実施例のパイ
ロット操作開閉手段152 は、パイロット操作チェック弁
となっているが、各実施例のパイロット操作開閉手段5
2, 152 は、これらの弁に限定されることはなく、要す
るに、必要なときに開放または閉塞することができ、ア
キュームレータ51の高圧油を射出シリンダ23のヘッド側
に供給することができるものであればよい。
【0100】また、第一実施例では、検出管25とピスト
ンロッド22の相対位置変化により生じる磁歪を超音波で
検出することにより、ピストンロッド22の射出速度・射
出ストロークを検出するようになっているが、これに限
定されるものではなく、他の手段、例えばピストンロッ
ド22に磁気リニアスケール、あるいはロータリエンコー
ダ等を設けておくことにより射出速度・射出ストローク
を検出するようにしてもよい。
【0101】さらに、前記各実施例では、押湯昇圧時間
TIおよび実測押湯昇圧時間TI’は、昇圧開始から押圧力
Fが入力設定した押湯力FIの90%に達する瞬間までの時
間とされているが、この基準点は、90%という数値に限
定されるものではない。
【0102】また、第一実施例では、充填完了時点射出
圧力FS、押湯力FIは、ピストンロッド22の押圧力Fとな
っているが、これらの充填完了時点射出圧力FS、押湯力
FIに相当する状態は、ピストンロッド22の押圧力Fを射
出スリーブ93の内径断面積πD2/4で除して得られる射
出スリーブ93の内の溶湯の圧力としてもよい。
【0103】
【発明の効果】以上に述べたように本発明によれば、サ
ーボ弁を四方弁とし、この一つのサーボ弁を操作するこ
とにより全ての射出制御を行うので、従来例のように油
圧回路および電気回路が二重化され、複雑になるという
不都合を解消できるとともに、制御手段により超低速射
出速度、低速射出速度のフィードバック制御はもとよ
り、高速射出速度の負荷補償と、押湯力のフィードバッ
ク制御を行い、この押湯力を保圧時間が経過するまで設
定値に保持するので、アキュームレータの圧力変化等に
押湯力が影響されるという不都合が解消できるうえ、ア
キュームレータの圧力を手動で調整するという手間を省
くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例を示すダイカストマシンの
構成図。
【図2】前記第一実施例の標準射出法による射出制御方
法を示す説明図。
【図3】前記第一実施例の開弁速度曲線を示すグラフ。
【図4】前記第一実施例の高速射出速度に対応するサー
ボ弁の弁開度を示すグラフ。
【図5】前記第一実施例のブレーキ開始ストロークの次
ショット補正の説明図。
【図6】前記第一実施例の押湯昇圧時間の次ショット補
正の説明図。
【図7】前記第一実施例の押湯力設定の説明図。
【図8】前記第一実施例の差圧検出器の構成図。
【図9】前記第一実施例の射出制御の処理手順を示すフ
ローチャート。
【図10】前記第一実施例の射出制御の処理手順を示す
フローチャート。
【図11】前記第一実施例の超低速射出法による射出制
御方法を示す説明図。
【図12】本発明の第二実施例を示すダイカストマシン
の構成図。
【図13】本発明の第三実施例の低速射出ストローク設
定の説明図。
【図14】第一従来例を示すダイカストマシンの構成
図。
【図15】第二従来例を示すダイカストマシンの構成
図。
【符号の説明】
10,110 ダイカストマシン 20 射出シリンダ装置 22 ピストンロッド 23 射出シリンダ 24 射出速度・射出ストローク検出手段 30 サーボ弁 31 メイン弁 32 パイロットサーボ弁 41,42 流路 43,143 チェック弁 44 排油路 46 サーボ油圧源 47,51 アキュームレータ 50 油圧源 52,152 パイロット操作開閉手段 53,54,153 パイロット油圧回路 55 ソレノイド弁 60 制御手段 67 押圧力検出手段である差圧検出器 91 ゲート部 93 射出スリーブ 95 溶湯

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 射出シリンダ装置のピストンロッドの前
    進速度を低速から高速へ移行させてダイカスト成形を行
    うダイカストマシンの射出制御方法であって、 予め前記射出シリンダ装置と油圧源との間に設けられた
    サーボ弁に制御信号を送って当該サーボ弁を制御する制
    御手段を設けておき、 成形に先立って、当該制御手段に始動開弁速度、低速射
    出速度、高速射出速度、ブレーキ開始ストローク、ブレ
    ーキ弁開度、ブレーキ時間、押湯昇圧時間、押湯力、保
    圧時間などの射出条件データを入力設定し、 成形にあたっては、入力設定した前記始動開弁速度で前
    記サーボ弁を開いて射出を開始し、 前記ピストンロッドの移動速度が前記低速射出速度に達
    した時点から、前記低速射出速度でのフィードバック制
    御を前記制御手段により行い、 前記ピストンロッドの移動ストロークが所定の低速射出
    ストロークに達した時点で、前記高速射出速度に対応す
    る弁開度に前記サーボ弁を最高開弁速度で開いて高速射
    出を開始し、 前記ピストンロッドの移動ストロークが前記ブレーキ開
    始ストロークに達した時点で、前記ブレーキ弁開度に前
    記サーボ弁を最高閉弁速度で閉じてブレーキをかけ、 前記ブレーキ時間が経過した時点で、前記押湯昇圧時間
    に対応する開弁速度で前記サーボ弁を開いて前記ピスト
    ンロッドの押圧力の昇圧を開始し、 前記ピストンロッドの押圧力が前記押湯力に達した時点
    からは、前記押湯力のフィードバック制御を前記制御手
    段により行って前記保圧時間が経過するまで前記押湯力
    を保持することを特徴とするダイカストマシンの射出制
    御方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載したダイカストマシンの
    射出制御方法において、予め前記射出条件データとして
    充填完了時点ストロークを入力設定しておき、 前記ブレーキ開始ストロークは、当該充填完了時点スト
    ロークとその実測値との差を比較し、その差が許容範囲
    を超える場合には、微小ストロークずつ加減算され、次
    ショット補正されることを特徴とするダイカストマシン
    の射出制御方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載したダイ
    カストマシンの射出制御方法において、予め入力設定さ
    れる前記高速射出速度に対応する弁開度は、この高速射
    出時の実際のピストンロッドの押圧力および高速射出速
    度を検出し、これらの実測値に基づいて前記制御手段に
    より負荷補償制御されることを特徴とするダイカストマ
    シンの射出制御方法。
  4. 【請求項4】 射出シリンダ装置のピストンロッドの前
    進速度を超低速とする超低速射出制御によるダイカスト
    マシンの射出制御方法であって、 予め前記射出シリンダ装置と油圧源との間に設けられた
    サーボ弁に制御信号を送って当該サーボ弁を制御する制
    御手段を設けておき、 成形に先立って、当該制御手段に始動開弁速度、低速射
    出速度、減速加速度、超低速射出速度、充填完了時点射
    出圧力、押湯昇圧時間、押湯力、保圧時間などの射出条
    件データを入力設定し、 成形にあたっては、入力設定した前記始動開弁速度で前
    記サーボ弁を開いて射出を開始し、 前記ピストンロッドの移動速度が前記低速射出速度に達
    した時点から、前記低速射出速度でのフィードバック制
    御を前記制御手段により行い、 前記ピストンロッドの移動ストロークが所定の低速射出
    ストロークに達した時点で、前記減速加速度で減速加速
    度制御を行い、 前記ピストンロッドの移動速度が前記超低速射出速度に
    達した時点から、前記超低速射出速度でのフィードバッ
    ク制御を前記制御手段により行い、 前記ピストンロッドの押圧力が前記充填完了時点射出圧
    力に達した時点で、前記押湯昇圧時間に対応する開弁速
    度で前記サーボ弁を開いて前記ピストンロッドの押圧力
    の昇圧を開始し、 前記ピストンロッドの押圧力が前記押湯力に達した時点
    からは、前記押湯力のフィードバック制御を前記制御手
    段により行って前記保圧時間が経過するまで前記押湯力
    を保持することを特徴とするダイカストマシンの射出制
    御方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれかに記
    載したダイカストマシンの射出制御方法において、前記
    低速射出ストロークは、給湯重量WS、溶湯比重γ、射出
    スリーブ全長L、射出スリーブ内径D、ゲート部充填溶
    湯重量WR、補正値Cを予め前記制御手段に入力設定し、
    これらの数値に基いて前記制御手段で次の演算式 SL=L{1−4WS/(πD2 Lγ)}/〔{8WS/(π
    2 Lγ)}+1〕+{4WR/(πD2 γ)}−C を演算算出することにより設定されることを特徴とする
    ダイカストマシンの射出制御方法。
  6. 【請求項6】 射出シリンダ装置と油圧源との間に設け
    られ、パイロットサーボ弁とメイン弁とを有する複数段
    であり、かつ当該メイン弁のスプールが四方案内弁であ
    るサーボ弁と、 当該サーボ弁の二つの出力ポートと前記射出シリンダ装
    置のロッド側ポートおよびヘッド側ポートとを各々連通
    する二つの流路と、 前記出力ポートと前記ヘッド側ポートとを連通する前記
    流路に設けられ、かつ前記ヘッド側ポートから前記出力
    ポートへの自由流れ方向を有するパイロット操作チェッ
    ク弁と、 前記サーボ弁の圧力ポートと前記油圧源とを連通するサ
    ーボ油圧源と、 前記射出シリンダ装置のヘッド側ポートと前記油圧源に
    設けられたアキュームレータとの間に設けられたパイロ
    ット操作開閉手段と、 前記パイロット操作開閉手段のパイロット油圧回路と前
    記パイロット操作チェック弁のパイロット油圧回路とを
    連通して操作する三方ソレノイド弁と、 前記射出シリンダ装置のピストンロッドの押圧力検出手
    段と、 予め入力設定された射出条件データに基づいて前記サー
    ボ弁を制御する制御手段とを有することを特徴とするダ
    イカストマシンの射出制御装置。
  7. 【請求項7】 射出シリンダ装置と油圧源との間に設け
    られ、パイロットサーボ弁とメイン弁とを有する複数段
    であり、かつ当該メイン弁のスプールが四方案内弁であ
    るサーボ弁と、 当該サーボ弁の二つの出力ポートと前記射出シリンダ装
    置のロッド側ポートおよびヘッド側ポートとを各々連通
    する二つの流路と、 前記出力ポートと前記ヘッド側ポートとを連通する前記
    流路に設けられ、かつ前記ヘッド側ポートから前記出力
    ポートへの自由流れ方向を有するチェック弁と、 前記射出シリンダ装置のピストンロッドの押圧力検出手
    段と、 前記サーボ弁の圧力ポートと前記油圧源とを連通するサ
    ーボ油圧源と、 前記射出シリンダ装置のヘッド側ポートと前記油圧源に
    設けられたアキュームレータとの間に設けられたパイロ
    ット操作開閉手段と、 前記チェック弁が設けられた前記サーボ弁の出力ポート
    と連通した前記パイロット操作開閉手段のパイロット油
    圧回路と、 予め入力設定された射出条件データに基づいて前記サー
    ボ弁を制御する制御手段とを有することを特徴とするダ
    イカストマシンの射出制御装置。
  8. 【請求項8】 請求項6または請求項7に記載したダイ
    カストマシンの射出制御装置において、前記押圧力検出
    手段は前記射出シリンダ装置のロッド側およびヘッド側
    にそれぞれ設けられた圧力検出器を互いに極性を反対に
    して直列に接続して形成され、前記押圧力検出手段の検
    出出力は、前記各圧力検出器の各検出出力を前記射出シ
    リンダ装置のロッド側のピストン受圧面積とヘッド側の
    ピストン受圧面積との比で補償し、補償後の各検出出力
    の差により得ることを特徴とするダイカストマシンの射
    出制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7166245B2 (en) 2000-05-08 2007-01-23 Toshiba Kikai Kabushiki Kaisha Injection control method of die-casting machine and injection control unit of die-casting machine
JP2008080364A (ja) * 2006-09-27 2008-04-10 Toyo Mach & Metal Co Ltd ダイカストマシン
CN114570909A (zh) * 2022-05-06 2022-06-03 宁波力劲科技有限公司 挤压铸造机压射过程中挤压速度与压力的控制方法与系统

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