JPH0636535U - 保温食缶 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 保温性、洗浄性を向上し、錠体、取手による
「カタカタ音」の発生を防止する。 【構成】 合成樹脂製の外、内殻２、３およひ１１、１
３の内部に断熱材４、１５を充填した本体１及び本体用
蓋１０の内部に、金属製の食缶２０及び食缶用蓋２２を
収め、非使用時の錠体（パチン錠３０）及び取手３５を
係止する係止用リブ６及び係止用突部８を本体１に設
け、食缶２０の内面上部に環状凹部２１を形成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、学校や病院などの集団給食において、調理してから配膳までに時間 を要する所や、場所が離れている所で、配膳時の食品を適温に保つために用いる 保温食缶に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、保温食缶は、金属製の外殻の中に、断熱材を設けている構造であった。 しかし、この種のものは、重くて洗浄するのが困難で、また、熱伝導率の高い金 属材を用いているので、保温性も良くなかった。

【０００３】 他方、外殻を合成樹脂で形成し、中に断熱材を設けて直接食品を入れる保温食 缶が提供されているが、洗浄時に加熱殺菌を行うと、熱膨張により膨れる欠点が ある。

【０００４】 また、側面部に錠体（いわゆるパチン錠）を設けて本体と蓋を固定する保温食 缶では、非使用時に振動により「カタカタ音」が発生し、また、洗浄時に錠体が 動いて洗浄機に挟まる欠点があり、また、取手についても同様である。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、上記した問題に鑑みてなされたもので、保温性に優れ、洗浄性が良 く、錠体、取手による「カタカタ音」の発生を防止する保温食缶を提供すること を目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案による保温食缶は、合成樹脂製の殻体の内部に断熱材を充填した本体及 び本体用蓋と、該本体及び本体用蓋の内部に収められた金属製の食缶及び食缶用 蓋と、前記本体に設けられ前記本体用蓋を係止する錠体と、前記本体に設けられ た取手とからなり、該本体には非使用時の前記錠体及び取手を係止する突部が形 成されている。さらに前記容器の内面上部には引き出し用の凹部が形成されてい ることが好ましい。

【０００７】

【作用】

上記のように構成された保温食缶において、本体と本体用蓋とは合成樹脂製で 内部に断熱材が充填されているので、保温性が非常に優れている。

【０００８】 また、食缶と食缶用蓋とは金属製であるから、洗浄後乾燥する時、１００〜１ ５０℃に加熱しても変形する危険はない。また食缶の内面上部に凹部を設け、凹 部に指を掛けて引出し易くしてあるので、洗浄時の本体との分離作業も迅速容易 に行うことが可能である。

【０００９】 また、錠体及び取手は非使用時に、本体の突部に係止できるので、振動により 「カタカタ音」が発生することがない。しかも洗浄時に錠体及び取手が動いて洗 浄機に挟まれることがない。

【００１０】

【実施例】

以下図面を参照して本考案の実施例を説明する。

【００１１】 図１ないし図４において、本考案の保温食缶は、本体１及び本体用蓋１０と、 食缶２０及び食缶用蓋２２と、本体１に設けられた錠体いわゆるパチン錠３０及 び取手３５とから概略構成されている。

【００１２】 前記本体１は、合成樹脂製で上部が大径で筒形容器状の外殻２及び上方に拡径 するコーン形容器状の内殻３と、両殻２、３で形成された空間に充填された発泡 スチロールなどの断熱材４とから形成されている。

【００１３】 図４のように外殻２及び内殻３は独立した殻材で両者を重ねた時に形成される 空間に断熱材が挿入されている態様でもよいし、外殻と内殻で構成された空間に 断熱材を挿入した後、外殻と内殻の縁部を高周波誘導加熱溶着、超音波溶着、振 動溶着、スピン溶着、溶剤接着等公知の技術で一体化してもよい。もちろん外殻 と内殻を接合した後断熱剤を注入する方法で製造することもできる。

【００１４】 前記本体用蓋１０と、本体１と同様な合成樹脂製の外殻１１および内殻１３と 、両殻１１、１３で形成された空間に充填された発泡スチロール等の断熱材１５ とから形成されている。本体用蓋も本体と同様、独立した外殻、内殻材から組立 てることもできるが、使用時の作業性からは、一体成形品となっている方が便利 である。そして、外殻１１に突設され内殻１３の突部１４に当接するつまみ１２ には、アンダカット部１２ａが形成されている。

【００１５】 前記食缶２０は、金属（例えばアルミニューム）で上方に拡径するコーン形容 器状に形成されている。食缶２０の上部には、本体１の内殻３の外方に凸の環状 凹溝２１が形成されている。

【００１６】 また、食缶用蓋２１は、食缶２０と同じ金属で、食缶２０に印籠嵌合するよう に形成されている。

【００１７】 図５において、前記パチン錠３０の第１アーム３１は本体１の外殻の上部外周 に円周等配に突設された複数（図示の例では４個）の錠用突部５に枢着されてい る。その第１アーム３１の中程には、第２アーム３２の上端部が枢着され、この アーム３２の下端部には、パチン錠３０の施錠時（図２の左側の状態）に本体用 蓋１０のフランジ部１０ａを掛止する掛止部３３が突設されている。そして、本 体１の外殻２には、パチン錠３０の解錠時（図２の右側の状態）に、第２アーム ３２の下縁部３２ａを係止し、振動により第２アーム３２が揺動して「パタパタ 音」が発生したり、洗浄時に錠体及び取手が動いて洗浄機に挟まれるのを防止す る係止用リブ６が突設されている。

【００１８】 図６及び図７において、前記取手３５は、本体１の外殻２の上部外周に対向し て突設された取手用突部７に枢着されており、その取手３５には、両端が縮径す るコイル錠の握り部３６が形成されている。そして、突部７の両外側には、図示 の非使用時の取手２５を係止し、かつ、握り部２６を外殻２に圧接させ、振動に より取手３５が揺動して「パタパタ音」が発生したり、洗浄時に錠体及び取手が 動いて洗浄機に挟まれるのを防止する係止用突部８が突設されている。

【００１９】 次に作用を説明する。

【００２０】 本体１と本体用蓋１０とは、合成樹脂で形成され、内部には断熱材４、１５が 充填されているので、保温性が非常に優れている。

【００２１】 また、食缶２０と食缶用蓋２２とは、金属製で、かつ、環状凹溝２１に指を掛 けて取り出し易いので、洗浄性が良い。

【００２２】 また、本体用蓋１１のつまみ１２には、アンダカット部１２ａがあるので、蓋 １２を開くのが容易である。

【００２３】 また、パチン錠３０と取手３５とは非使用時に、それぞれ係止用リブ６、係止 用突部８に係止されるので、振動により揺動して「パタパタ音」が発生したり、 洗浄時に錠体及び取手が動いて洗浄機に挟まれるのが防止される。

【００２４】

【考案の効果】

本考案は、以上説明したよにう構成されているので、保温性、洗浄性を向上し 、錠体、取手による「カタカタ音」の発生および洗浄時に錠体及び取手が動いて 洗浄機に挟まれることを防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す外観斜視図。

【図２】図１の縦断面図。

【図３】図１の分解斜視図。

【図４】図３の分解斜視図。

【図５】パチン錠を示す斜視図。

【図６】取手を示す斜視図。

【図７】図６の縦断面図。

【符号の説明】

１・・・本体 ２・・・外殻 ３・・・内殻 ４、１５・・・断熱材 ５・・・錠用突部 ６・・・係止用リブ ７・・・取手用突部 ８・・・係止用突部 １０・・・本体用蓋 １０ａ・・・フランジ部 １１・・・外殻 １２・・・つまみ １２ａ・・・アンダカット部 １３・・・内殻 １４・・・突部 ２０・・・食缶 ２１・・・環状凹溝 ２２・・・食缶用蓋 ２５・・・取手 ３０・・・パチン錠 ３１・・・第１アーム ３２・・・第２アーム ３２ａ・・・下縁部 ３３・・・掛止部 ３６・・・握り部

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 合成樹脂製の殻体の内部に断熱材を充填
   した本体及び本体用蓋と、該本体及び本体用蓋の内部に
   収められた金属製の食缶及び食缶用蓋と、前記本体に設
   けられ前記本体用蓋を係止する錠体と、前記本体に設け
   られた取手とからなり、該本体には非使用時の前記錠体
   及び取手を係止する突部が形成されていることを特徴と
   する保温食缶。
2. 【請求項２】 本体の内部に収められた金属製の食缶の
   内面上部には引出し用の凹部が形成されていることを特
   徴とする請求項１記載の保温食缶。