JPH0634673A - 直流電流測定時のノイズ判定方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は直流電流の変動を検出したとき、そ
の変動がノイズによるものか否かを適確に判定すること
ができ、直流電流測定の測定精度を向上させることを目
的とする。 【構成】 本発明の直流電流測定時のノイズ判定方法
は、バンドパスフィルタ２によって直流電圧とノイズを
除去した交流基本波信号と、減衰器４によって直流電圧
のみを除去した交流測定信号を比較機５ａ，５ｂで比較
し、交流基本波信号より交流測定信号のレベルが大きい
ときにノイズ有りと判定する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は交流電流に含まれる直流
電流を測定する直流電流測定時のノイズ判定方法に関
し、特に、直流電流の変動を検出したとき、その変動が
ノイズによるものか否かを適確に判定できるようにした
直流電流測定時のノイズ判定方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、交流電流に含まれる直流電流を測
定する場合には、例えば、直流電流を含む交流電流をロ
ーパスフィルタに通し、そこで交流電流を除去して直流
電流のみを通過させ、それを測定装置で測定している。

【０００３】測定中、交流電流に単発的なノイズが入っ
た場合、ローパスフィルタの時定数により測定した直流
電流に変動が検出される。しかし、この変動はノイズの
侵入によるものの他に直流電流自身の変動も含まれてい
ることがあるため、変動が直流電流によるものか、或い
はノイズによるものかを、直流電流の波形，及びローパ
スフィルタの時定数から経験的に判定している。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の直流電
流測定時のノイズ判定方法によると、測定時の直流電流
の変動がノイズによるものか否かの判定を、測定した直
流電流の波形，及びローパスフィルタの時定数から経験
的に行っているため、適確な判定結果を得ることができ
ず、従って、直流電流測定の測定結果に誤差をもたらし
て、測定精度を低下させるという不都合がある。

【０００５】従って、本発明の目的は直流電流の変動を
検出したとき、その変動がノイズによるものか否かを適
確に判定することができ、直流電流測定の測定精度を向
上させることができる直流電流測定時のノイズ判定方法
を提供することである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は上記問題点に鑑
み、直流電流の変動を検出したとき、その変動がノイズ
によるものか否かを適確に判定できるようにするため、
交流電流を交流電圧に変換して交流電圧信号を生成し、
この交流電圧信号から直流電圧，及びノイズを除去して
交流基本波信号を生成し、前記交流電圧信号から直流電
圧を除去して交流測定信号を生成し、交流測定信号，及
び交流基本波信号の最大値，及び最小値を比較して交流
電流のノイズの有無を判定するようにした直流電流測定
時のノイズ判定方法を提供するものである。

【０００７】

【作用】本発明は直流電圧とノイズを除去した交流基本
波信号と直流電圧のみを除去した交流測定信号を比較す
ることにより、交流基本波信号より交流測定信号のレベ
ルが大きいときにノイズ有りと判定するようになってい
る。このため、直流電流の変動を検出したとき、その変
動がノイズによるものか否かを適確に判定することがで
きる。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の直流電流測定時のノイズ判定
方法について添付図面を参照しながら詳細に説明する。

【０００９】図１には、本発明の直流電流測定時のノイ
ズ判定方法に適用される回路のブロック図が示されてい
る。この回路は、被測定交流電流（直流電流を含む）中
の直流電流を測定する直流電流測定器（例えば、特願平
１−１４２６００号公報に示される直流電流測定方法に
適用された測定回路）６と、被測定交流電流を交流電圧
信号として出力する検出器１と、交流電圧信号から直流
電圧，及びノイズを除去して交流基本波信号を生成する
バンドパスフィルタ２と、交流電圧信号から直流電圧を
除去して交流測定信号を生成する減衰器４と、交流基本
波信号と交流測定信号の最大値，及び最小値を比較する
比較器５から構成されている。

【００１０】また、バンドパスフィルタ２と比較器５
ａ，５ｂの間には、ピークホールド回路３ａ，３ｂが設
けられ、ピークホールド回路３ａ，３ｂは交流基本波信
号の最大値，最小値を記憶すると共に、記憶した最大
値，最小値を基準電圧として後述する比較器５に出力す
る。

【００１１】減衰器４は、交流電圧信号から直流電圧を
除去した交流測定信号を生成する。この交流測定信号は
比較器５ａ，５ｂに出力される。

【００１２】比較器５（５ａ，５ｂ）は、ピークホール
ド回路３ａ，３ｂから出力される基準電圧（交流基本波
信号の最大値，最小値）と、減衰器４から出力される交
流測定信号を比較して、基準電圧より交流測定信号のレ
ベルが大きいときに直流電流測定器６との間に設けられ
たＡＮＤ回路７に判定信号を出力する。ＡＮＤ回路７
は、比較器５ａ，５ｂの両方から判定信号を入力する
と、ノイズ有信号を直流電流測定器６に出力する。

【００１３】以下、本発明の直流電流測定時のノイズ判
定方法を図２の(a),(b),(c) を参照しながら説明する。
直流電流測定器６において、被測定交流電流（ノイズ，
及び直流電流を含んだもの）の直流電流が測定されてい
る。

【００１４】被測定交流電流は、同時に検出器１で交流
電圧信号（図２の(a))に変換され、増幅器等を介して減
衰器４，及びバンドパスフィルタ２に出力される。

【００１５】バンドパスフィルタ２は、入力した交流電
圧信号から直流電圧，及びノイズを除去して交流基本波
信号（図２の(b))を生成し、この交流基本波信号をピー
クホールド回路３ａ，３ｂに出力する。ピークホールド
回路３ａ，３ｂは、交流基本波信号の最大値，最小値を
記憶すると共に、記憶した最大値，最小値を基準電圧と
して比較器５ａ，５ｂに出力する。

【００１６】一方、減衰器４は交流電圧信号から直流電
圧を除去した交流測定信号（図２の(c))を生成し、この
交流測定信号を比較器５ａ，５ｂにそれぞれ出力する。

【００１７】このようにピークホールド回路３ａ，３ｂ
から出力された基準電圧と、減衰器４から出力された交
流測定信号が比較器５に入力すると、比較器５は基準電
圧と交流測定信号を比較して、ノイズＮが存在するため
に基準電圧より交流測定信号のレベルが大きいとき、Ａ
ＮＤ回路７に判定信号を出力する。ＡＮＤ回路７は、比
較器５ａ，５ｂの両方から判定信号を入力すると、ノイ
ズ有信号を直流電流測定器６に出力する。以上の実施例
において、減衰器により信号を所定の大きさに減衰する
ことで、交流基本波信号の所定倍のノイズの有無が判定
でき、直流電流の測定に影響のない微小なノイズはラン
ダムノイズとしてノイズと判定しないようにもできる。

【００１８】以上説明した実施例から判るように、本発
明は直流電圧とノイズを除去した交流基本波信号と直流
電圧のみを除去した交流測定信号を比較することによ
り、交流基本波信号より交流測定信号のレベルが大きい
ときにノイズ有りと判定するようになっている。このた
め、直流電流の変動を検出したとき、その変動がノイズ
によるものか否かを適確に判定することができる。

【００１９】

【発明の効果】以上説明した通り、本発明の直流電流測
定時のノイズ判定方法によると、交流電流を交流電圧に
変換して交流電圧信号を生成し、この交流電圧信号から
直流電圧，及びノイズを除去して交流基本波信号を生成
し、前記交流電圧信号から直流電圧を除去して交流測定
信号を生成し、交流測定信号，及び交流基本波信号の最
大値，及び最小値を比較して交流電流のノイズの有無を
判定するようにしたため、直流電流の変動を検出したと
き、その変動がノイズによるものか否かを適確に判定す
ることができ、その結果、直流電流測定の測定精度を向
上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に適用される回路を示すブロック図。

【図２】本発明の一実施例に係るタイミングチャート。

【符号の説明】

１ 検出器 ２ バンド
パスフィルタ ３ ピークホールド回路 ４ 減衰器 ５ 比較器 ６ 直流電
流測定器 ７ ＡＮＤ回路

フロントページの続き (72)発明者 小谷 一夫 茨城県日立市日高町５丁目１番１号 日立 電線株式会社パワーシステム研究所内 (72)発明者 杣 謙一郎 茨城県日立市日高町５丁目１番１号 日立 電線株式会社パワーシステム研究所内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 交流電流に含まれる直流電流を測定する
   直流電流測定時のノイズ判定方法において、 前記交流電流を交流電圧に変換して交流電圧信号を生成
   し、 前記交流電圧信号から直流電圧，及びノイズを除去して
   交流基本波信号を生成し、 前記交流電圧信号から直流電圧を除去して交流測定信号
   を生成し、 前記交流測定信号，及び前記交流基本波信号の最大値，
   及び最小値を比較して前記交流電流のノイズの有無を判
   定することを特徴とする直流電流測定時のノイズ判定方
   法。