JPH06337679A - 電子楽器 - Google Patents

電子楽器

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JPH06337679A
JPH06337679A JP5126110A JP12611093A JPH06337679A JP H06337679 A JPH06337679 A JP H06337679A JP 5126110 A JP5126110 A JP 5126110A JP 12611093 A JP12611093 A JP 12611093A JP H06337679 A JPH06337679 A JP H06337679A
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musical instrument
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Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数の倍音成分を合成することによって楽音
を形成する音源方式において、より本物の楽器音に近い
音や、複雑な音、深みのある音を形成する。 【構成】 複数の正弦波を合成をするための情報とし
て、楽器音に含まれる倍音の周波数x1,x2,…,xn,(xn+
an),…及びレベル比l1,l2,…,ln1,ln2,… を記憶してお
く。(xn+an) は、n倍音に対して微小周波数anHzだけず
れた周波数である。鍵盤操作に基づいて、x1等及びl1
の対ごとに正弦波を形成し、全て加算することにより、
合成波形を形成する(S11〜S13)。この合成波形は、xnHz
と(xn+an)Hz とによるn倍音に関する微妙なうなりを含
んでいる。次に、音色とキーナンバーにてエンベロープ
形状を選定し、タッチデータに基づいてアタックレベル
を決定し、エンベロープ波形を形成し、複数周波数の正
弦波の合成波形に掛け合わせ、打撃成分を加算し(S14〜
S19)、D/A変換器に送出する(S20) 。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数の倍音成分を合成
することによって楽音を形成する音源方式を採用した電
子楽器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子ピアノにおいて質の高い楽音
を得るため、実際の楽器音をサンプリングし、これをP
CM波形データとしてメモリに記憶し、このPCM波形
データを読み出して楽音を形成する方式が採用されてい
るが、PCM波形データをピアノの全鍵分、各打鍵強さ
に応じてメモリに記憶しようとすると、膨大な記憶容量
が必要となる。
【0003】ところで、ピアノ音は複数の倍音成分から
構成されていることが知られている。そして、すべての
楽音波形は、複数の正弦波の合成で実現できるというこ
とも知られている。そこで、上述の様な「PCM波形デ
ータを読み出して楽音を形成する」という方式ではな
く、「複数の倍音成分の正弦波を合成することによって
楽音波形を形成する音源方式」を採用することが考えら
れている。
【0004】かかる音源方式を採用すればピアノの全鍵
分の楽音を種々の打鍵強度に応じて形成するに当り、デ
ータとしてもっておくべき情報の量が大幅に減少し、メ
モリ容量の節約が図れる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ある瞬間の
ピアノ音を周波数解析すると、図2に示す様な複数の倍
音に対応した周波数スペクトルを得ることができる。そ
して、本発明者が、この周波数スペクトルを所定時間毎
に求めて、倍音成分毎に時間軸に対してレベルを整理し
て見ると、図3(a)に示す様に比較的なだらかに収束
するエンベロープの倍音成分と、同図(b)に示す様に
ゆれながら収束するエンベロープの倍音成分とが混在し
ていることを見出した。こうした解析により、本発明者
は、複数の倍音成分を合成して実際の楽器音に近付ける
には、特定の倍音成分には図3(b)に示したようなゆ
れのあるエンベロープを与える必要があることを見出し
た。
【0006】しかし、現在のところ考えられている「複
数の倍音成分の正弦波を合成することによって楽音を形
成する音源方式」では、こうした倍音成分毎のエンベロ
ープに対するゆれは考慮されておらず、単純な楽音しか
形成できていなかった。なお、正弦波を合成した後の楽
音の全体に対してゆれを与えてトレモロやビブラートの
効果を出すといったことは考えられていたが、トレモロ
やビブラートを使用しない場合にはやはり単純な楽音に
なってしまい、現実のピアノやバイオリン等の複雑で深
みのある楽音を形成することが困難であった。
【0007】そこで、本発明は、「複数の倍音成分を合
成することによって楽音を形成する音源方式」におい
て、より本物の楽器音に近い音や、複雑な音、深みのあ
る音を形成することを第1の目的とし、かかる第1の目
的を達成するに当り、簡便で、多大な演算時間等を要し
ない方式を提供することを第2の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる第1の目的を達成
するためになされた本発明の電子楽器は、請求項1に記
載した様に、複数の倍音成分を合成することによって楽
音を形成する音源方式を採用した電子楽器において、前
記複数の倍音成分を合成するに当り、特定の倍音成分の
エンベロープに当該倍音成分特有のゆれを加えるゆれ付
加手段を備えたことを特徴とする。
【0009】また、第2の目的を達成するためになされ
た本発明の電子楽器は、請求項2に記載した様に、請求
項1記載の電子楽器において、前記ゆれ付加手段は、前
記エンベロープのゆれを加えるべき特定の倍音成分に関
しては、所定周波数ずれた2以上の周波数成分を同時に
与え、該周波数のずれに基づくうなりを発生させて当該
ゆれを加えることを特徴とする。
【0010】
【作用】請求項1記載の電子楽器によれば、ゆれ付加手
段によって「エンベロープに特有のゆれを与えられた特
定の倍音成分」と、「その様なゆれのない、あるいは異
なる周期・大きさのゆれの与えられたエンベロープを有
する他の倍音成分」とを合成して楽音を形成する。こう
して形成される楽音は、トレモロやビブラートの様な楽
音全体の単一のゆれではなく、倍音成分毎に異なる複雑
なゆれが重なり合ったものとなる。従って、より実際の
楽器音に近い楽音や、より複雑な趣向を凝らした楽音等
を形成することができる。
【0011】また、請求項2記載の電子楽器において
は、かかる「倍音成分毎に特有のエンベロープのゆれ」
を実現するに当り、所定周波数ずれた2以上の周波数成
分を同時に与え、この周波数のずれに基づくうなりを発
生させ、これによってエンベロープにゆれを加える。
【0012】ここで、請求項1記載の電子楽器を具体的
に実施するに当たっては、「ゆれにより生じるべき波形
レベルの変化を演算によって求めながら、その演算結果
を倍音成分のエンベロープとして与え、倍音成分毎に特
有のエンベロープのゆれを付加する」という方式も考え
られる。ところが、かかる方式では演算に時間がかか
り、これを実用化レベルにもっていくには、より高速演
算能力を高めたCPU等を要するという問題が生じる。
【0013】しかし、請求項2記載の電子楽器では、エ
ンベロープのゆれは、2つの周波数成分の周波数差によ
る干渉を利用して自然に発生するので、かかる高速演算
機能を必要とせず、実用化に当たっての問題がない。
【0014】
【実施例】次に、本発明を適用した電子ピアノの実施例
を説明する。実施例の電子ピアノ1は、図1に示す様
に、アコースティックピアノに対応した88のキーとそ
れぞれのキーの押鍵,離鍵やタッチの強弱を検出するタ
ッチセンサとを備えたキーボード部3と、電源スイッチ
やモード指定スイッチなど種々のスイッチを備えたパネ
ル部5と、これらキーボード部3及びパネル部5からの
入力信号を受信して各種の制御処理を実行するCPU7
と、このCPU7による各種制御処理のためのプログラ
ムメモリや音色データメモリを有するROM9と、CP
U7によるアサイナ処理等種々の処理の際に使用される
RAM11と、CPU7の指示に従って楽音信号を発生
する楽音信号発生部13とを備え、これらがシステムバ
スを介して相互に接続されている。
【0015】楽音信号発生部13には、周波数成分情報
メモリ21と、エンベロープ情報メモリ23と、打撃成
分情報メモリ25とが接続されている。周波数成分情報
メモリ21は、実際のグランドピアノにおいて各鍵を弱
打,中打,強打にてそれぞれ押鍵したときに得られる楽
音波形を周波数解析し、基本的には各倍音の周波数x1
,x2 ,…,xn ,…[Hz]と、そのレベル比l1
,l2 ,…,ln ,…とを記憶している。なお、ある
特定の倍音(n倍音)については、周波数解析結果のレ
ベル比ln よりも小さ目のレベル比ln1を記憶する。そ
して、さらに、n倍音の周波数xn [Hz]に微小周波
数an [Hz]だけ加えた周波数(xn +an )[H
z]及びそれに対するレベル比ln2をも記憶している。
【0016】ここで、微小周波数an [Hz]は、次の
様にして求められたものである。まず、ピアノ音をエン
ベロープのピークに当たるアタックレベルにてサンプリ
ングし、その後所定時間毎にサンプリングし、図2に示
す様に、これらサンプリング結果の周波数解析を行う。
そして、この周波数解析の結果に基づき、倍音成分毎
に、時間軸に対して波形レベルの変化をプロットして図
3(a)や図3(b)に示す様な各倍音に特有のエンベ
ロープ(以下、「倍音エンベロープ」という)を描く。
次に、この内、図3(b)に示す様なゆれの生じている
n倍音の倍音エンベロープから、そのゆれの周期(1/
an )[sec]を読み取る。こうして読み取ったゆれ
の周期(1/an )[sec]の逆数を、上記微小周波
数an[Hz]として周波数(xn +an )[Hz]を
設定する。
【0017】また、周波数xn [Hz]及び周波数(x
n +an )[Hz]に対するレベル比ln1,ln2は、図
3(b)から求められるゆれの深さに応じて設定され
る。例えば、周波数xn [Hz]の単位レベルの正弦波
と周波数(xn +an )[Hz]で単位レベルの正弦波
とを合成した波形を計算し、この合成波形のレベルをk
倍音の周波数解析結果のレベルに一致させ、うなりの大
きさを上記求めたゆれの深さdn に一致させるための両
正弦波のレベルを演算するといった手法により算出する
ことができる。あるいは、両波形のレベルを5:5,
7:3,3:7等に設定して合成波を形成したときのう
なりの発生状況等を演算し、補間等の手法によって求め
ていく様にしてもよい。
【0018】この周波数xn [Hz]及びこれとわずか
にan [Hz]だけ周波数のずれている周波数(xn +
an )[Hz]の両正弦波に、所定のエンベロープ(ゆ
れのないもの)を掛けて合成すると、図4に示す様に、
図3(b)と同様のゆれを生じることになる。なお、両
正弦波を合成してからゆれのない所定のエンベロープを
掛けても同じ結果となるる。
【0019】エンベロープ情報メモリ23は、実際のグ
ランドピアノにおいて各鍵を押鍵したときに得られる楽
音波形のエンベロープを記憶している。このエンベロー
プは、倍音成分ごとではなく、鍵に対して一つが対応し
ていれば足りる。本実施例では鍵毎に1つのエンベロー
プを記憶している。なお、同一鍵に対して、低次の倍音
グループに対するエンベロープ,高次の倍音グループに
対するエンベロープ,それらの中間の次数の倍音グルー
プに対するエンベロープに分けるなどして、鍵毎に複数
のエンベロープを記憶しておいてもよい。また、鍵毎で
はなく、複数鍵をグループとしてエンベロープを記憶し
ておいてもよい。
【0020】打撃成分情報メモリ25は、実際のグラン
ドピアノにおいて各鍵を押鍵したときに得られる楽音波
形から、打撃音に関する成分を抽出した結果を記憶して
いる。この情報は、全鍵に一つあれば足りる。それは、
打撃成分は、どの鍵についてもほぼ同様であるからであ
る。ただし、望ましくは、音域に応じていくつか記憶し
ておくのがよい。音域に応じてハンマーの重さなどに微
妙な差があるが、こうしたことによる打撃音の微妙な差
を再現できるからである。実施例ではいくつかの音域に
分けて記憶している。なお、この打撃成分情報には、打
撃成分特有のエンベロープも情報として加味される。
【0021】楽音信号発生部13自体は、周波数成分情
報メモリ21の記憶内容に基づいて正弦波を合成する正
弦波合成部13aと、エンベロープ情報メモリ23の記
憶内容に基づいてエンベロープを設定するエンベロープ
設定部13bと、これら正弦波合成部13aにて合成さ
れた正弦波にエンベロープ設定部13bにて設定された
エンベロープを掛け合わせる乗算部13cと、打撃成分
情報メモリ25の記憶内容に基づいて打撃成分を設定す
る打撃成分設定部13dと、上記乗算部13cの乗算結
果に、この打撃成分設定部13dの設定した打撃成分の
波形を加算する加算部13eとから構成される。なお、
これら正弦波合成部13a等は、ポリフォニック数分備
えられており、並行して同時に複数の鍵の楽音信号を形
成することができる様に構成される。
【0022】こうして楽音信号発生部13にて楽音信号
が形成されたら、これをD/A変換器29及びサウンド
システム31を介して放音する。なお、本実施例の電子
ピアノ1は、ピアノ音だけでなく、ハープシコードや、
パイプオルガンなどの他の楽器音も出すことができ、上
記周波数成分情報メモリ21,エンベロープ情報メモリ
23及び打撃成分情報メモリ25には、これら他の楽器
に関しても、周波数解析等によって得られた倍音成分の
周波数情報や、わずかにずれた周波数の情報などが記憶
されている。
【0023】以上の様に構成された実施例の電子ピアノ
1は、図5に示すメインルーチンに従って、演奏中の制
御を実行している。まず、パネル部5の電源スイッチが
投入されると、初期化を実行する(S1)。この初期化
処理は、CPU7内部のレジスタやRAM11内部に定
義されているレジスタを初期設定したり、ROM9に記
憶されている所定データをRAM11に移動したり、さ
らには、音色ポインタを初期化し、初期音色(ピアノ音
色,ハープシコード音色,パイプオルガン音色など)を
決定する等の処理である。電子ピアノでは、通常は初期
音色としてピアノ音色が設定される。
【0024】次に、パネル部5の音色変更用のパネルス
イッチがオンになったか否かを調べる(S2)。ここで
「YES」と判定されたら、パネルスイッチ操作の内容
に応じて音色ポインタを変更する(S3)。即ち、電子
ピアノに備えられた各種の音色選択スイッチの操作に応
じて、グランドピアノ,ハープシコード,パイプオルガ
ン等のいずれの音色で演奏するかを設定するのである。
【0025】こうして初期化及び音色設定がなされた
ら、キーボード部3が押鍵されたか否かが判断され(S
4)、押鍵に応じたアサイン処理を実行する(S5)。
このアサイン処理は、楽音信号発生部13にポリフォニ
ック数分備えた正弦波合成部13a等のいずれを使用し
て楽音信号を形成するかを、空きチャンネルの状況に応
じて割り当てるための処理である。この処理で割り当て
られた正弦波合成部13a等に、設定されている音色
や、タッチセンサで検出したキータッチ,キーナンバー
等のデータが転送され、押鍵状態に応じた楽音信号の形
成が指示されることになる。
【0026】一方、押鍵が検出されない場合には、離鍵
の有無が判断され(S6)、その結果に応じて離鍵処理
が実行される(S7)。離鍵処理は、離鍵されたキーナ
ンバーに対応して、当該キーナンバーの押鍵に応じて既
に作動しているエンベロープ設定部13bに、所定のリ
リースデータを送出し、エンベロープを速やかに「0」
へ収束させ、発音を打ち切るための処理である。
【0027】正弦波合成部13a等における処理手順を
さらに詳細に説明する。図6に示す様に、音色,キータ
ッチ,キーナンバー等のデータを受け取った正弦波合成
部13aでは、このデータに応じて、周波数成分情報メ
モリ21から周波数x1 ,x2 ,…,xn ,(xn +a
n ),…及びレベル比l1 ,l2 ,…,ln1,ln2,…
を読み出し(S11)、周波数とレベル比の対ごとに正
弦波を形成する(S12)。そして、これら正弦波を全
て加算することにより、合成波形を形成する(S1
3)。この合成波形は、周波数xn [Hz]と周波数
(xn +an )[Hz]とによるn倍音に関する微妙な
うなりを含んでいる。
【0028】次に、エンベロープ設定部13bは、音
色,キータッチ,キーナンバー等のデータを受け取っ
て、特に音色とキーナンバーにてエンベロープ情報メモ
リ23を検索して所定のエンベロープの形状を選定し
(S14)、さらにタッチデータに基づいてアタックレ
ベルを決定し、エンベロープの波形を設定する(S1
5)。そして、ステップS13及びS15の処理の結果
である複数の周波数の正弦波が合成された合成波形とエ
ンベロープ波形とを乗算部13cに送って両者を掛け合
わせる(S16)。
【0029】また、打撃成分設定部13dは、音色,キ
ーナンバーから打撃成分情報メモリ25を検索して所定
の打撃成分を抽出し(S17)、これにキータッチに基
づくアタックレベルを与えることによって打撃成分波形
を設定する(S18)。そして、ステップS16の乗算
結果及びステップS18で設定した打撃成分波形を加算
部13eに送り、両者を加算する(S19)。こうして
楽音信号を形成し、D/A変換器29に送出する(S2
0)。
【0030】以上の様に構成した結果、本実施例によれ
ば、複数の正弦波を合成することによってピアノ,ハー
プシコード,パイプオルガン等の各種楽器音を再現する
に当り、実際の楽器音に含まれている特定倍音成分に特
有のエンベロープのゆれが含まれた楽音を形成すること
ができる。従って、楽音波形中には、ゆれのある倍音エ
ンベロープや、ゆれのない倍音エンベロープ、あるいは
ゆれ方の異なる倍音エンベロープが種々混在し、実際の
楽器音により近い電子音を発生することができる。
【0031】しかも、そのために膨大な量のPCM波形
データを記憶しておく必要がなく、メモリの記憶容量を
節約することができる。また、倍音エンベロープにおけ
るゆれは、周波数のわずかにずれた2つの正弦波の干渉
により生じるうなりを利用して自然に形成するので、複
雑な演算処理や長時間の演算処理を必要としない。従っ
て、CPUが能力不足を来すことがない。
【0032】なお、実施例では、n倍音の倍音エンベロ
ープに周期(1/an )[sec]のゆれを発生させる
ために、n倍音の周波数xn [Hz]なる正弦波と、そ
れよりan [Hz]だけ大きい、周波数(xn +an )
[Hz]の正弦波とを用いたが、周波数xn [Hz]と
周波数(xn −an )[Hz]との組み合せにしてもよ
い。また、図7に示す様に、ゆれを生じさせたいn倍音
自体は用いずに、周波数{xn +(an /2)}[H
z]と周波数{xn −(an /2)}[Hz]との組み
合せにしても、ほぼ同様の効果を奏することができる。
【0033】また、実施例では、正弦波の合成によるこ
ととしたが、正弦波の合成に限らず、他の波形の合成に
よって楽音を形成することとしてもよいことはもちろん
である。さらに、実施例では正弦波を合成してから全体
に一つのエンベロープを掛け合わせたが、周波数毎にエ
ンベロープを掛け合わせたものを加算する様にしても構
わない。この場合、楽音信号発生部では、周波数毎の正
弦波を形成し、これにその周波数に対するエンベロープ
を乗算し、この乗算結果を足し合わせるといった処理を
行うことになり、乗算の処理が何度も出て来ることにな
る。しかし、こうすることで、同一鍵であっても弱打成
分のエンベロープ,中打成分のエンベロープ,強打成分
のエンベロープといった区別が可能となり、より多彩
で、現実の楽音波形に近い波形を形成することが可能と
なる。
【0034】また、xn [Hz]の正弦波に対して干渉
させる正弦波の周波数のずれを、最初はan [Hz]と
しておき、その後はbn ,cn ,dn ,…[Hz](b
k ,cn ,dn ,…≠an )とするなどしたり、レベル
比ln1,ln2についても時間と共に変化させるようにし
て、より変化の複雑なゆれを再現する様にもできる。
【0035】さらに、xn [Hz]の正弦波に対して干
渉させる正弦波の条件としてan [Hz]といった周波
数のずれの絶対値を用いるのではなく、例えば1.01
といった比率をデータとしてもっておき、1.01xn
[噤nの正弦波を干渉させるといった構成でもよいこと
はもちろんである。
【0036】また、各倍音の絶対値としての周波数x1
,x2 ,…,xn ,…[Hz]を記憶しておくのでは
なく、基準周波数であるx1 [Hz]と、倍音成分とし
て含むべき周波数成分の係数として、1,2,3,4,
4.01,5,…といった相対比とを、データとして記
憶しておいてもよい。この場合、4x1 [Hz]の正弦
波と、4.01x1 [Hz]の正弦波とが干渉してうな
りを生じ、これが見かけ上、4x1 [Hz]の正弦波に
ついてのエンベロープのゆれとして表れることになる。
【0037】加えて、アコースティック楽器の再現だけ
でなく、シンセサイザ等の電子音源として実施例の音源
方式を採用し、より多彩な音色を形成する様に応用でき
ることはもちろんである。以上本発明の実施例を説明し
たが、本発明はこれに限定されず、本発明の要旨を逸脱
しない範囲内の種々なる態様を採用することができる。
【0038】
【発明の効果】以上の如く本発明の電子楽器によれば、
複数の倍音成分を合成することによって楽音を形成する
音源方式において、より本物の楽器音に近い音や、複雑
な音、深みのある音を形成することができる。そして、
そのために膨大な量のPCM波形データ等を記憶するこ
とがなく、記憶容量の節約が図れる。
【0039】また、請求項2記載の電子楽器によれば、
かかる顕著な効果を奏するに当り、単純なデータで済
み、簡便で、多大な演算時間等を要しない。従って、実
用化に当たってのCPU能力の不足等の問題を生じな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の電子ピアノの概略構成図である。
【図2】 楽器音をサンプリングして周波数解析し、ス
ペクトル化した例の説明図である。
【図3】 周波数解析・スペクトル化の結果から、倍音
成分毎にエンベロープを求めた例の説明図である。
【図4】 実施例における倍音エンベロープのゆれの発
生メカニズムの説明図である。
【図5】 実施例におけるメインルーチンのフローチャ
ートである。
【図6】 実施例における楽音信号形成処理の概略のフ
ローチャートである。
【図7】 変形例の説明図である。
【符号の説明】
1・・・電子ピアノ、3・・・キーボード部、5・・・
パネル部、7・・・CPU、9・・・ROM、11・・
・RAM、13・・・楽音信号発生部、13a・・・正
弦波合成部、13b・・・エンベロープ設定部、13c
・・・乗算部、13d・・・打撃成分設定部、13e・
・・加算部、21・・・周波数成分情報メモリ、23・
・・エンベロープ情報メモリ、25・・・打撃成分情報
メモリ、29・・・D/A変換器、31・・・サウンド
システム。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年6月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】この周波数xn [Hz]及びこれとわずか
にan [Hz]だけ周波数のずれている周波数(xn +
an )[Hz]の両正弦波に、所定のエンベロープ(ゆ
れのないもの)を掛けて合成すると、図4に示す様に、
図3(b)と同様のゆれを生じることになる。なお、両
正弦波を合成してからゆれのない所定のエンベロープを
掛けても同じ結果となる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】さらに、xn [Hz]の正弦波に対して干
渉させる正弦波の条件としてan [Hz]といった周波
数のずれの絶対値を用いるのではなく、例えば1.01
といった比率をデータとしてもっておき、1.01xn
[Hz]の正弦波を干渉させるといった構成でもよいこ
とはもちろんである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の倍音成分を合成することによって
    楽音を形成する音源方式を採用した電子楽器において、 前記複数の倍音成分を合成するに当り、特定の倍音成分
    のエンベロープに当該倍音成分特有のゆれを加えるゆれ
    付加手段を備えたことを特徴とする電子楽器。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電子楽器において、 前記ゆれ付加手段は、前記エンベロープのゆれを加える
    べき特定の倍音成分に関しては、所定周波数ずれた2以
    上の周波数成分を同時に与え、該周波数のずれに基づく
    うなりを発生させて当該ゆれを加えることを特徴とする
    電子楽器。
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