JPH06330243A - 熱間加工性に優れる二相ステンレス鋼 - Google Patents

熱間加工性に優れる二相ステンレス鋼

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JPH06330243A
JPH06330243A JP11971393A JP11971393A JPH06330243A JP H06330243 A JPH06330243 A JP H06330243A JP 11971393 A JP11971393 A JP 11971393A JP 11971393 A JP11971393 A JP 11971393A JP H06330243 A JPH06330243 A JP H06330243A
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JP
Japan
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stainless steel
duplex stainless
hot workability
less
steel
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JP11971393A
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Yukio Miyata
由紀夫 宮田
Katsuomi Tamaoki
克臣 玉置
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 二相ステンレス鋼における、熱間加工性を向
上し、よって二相ステンレス鋼を用いた管などの安定し
た製造を実現する。 【構成】 C:0.03wt%以下、Si:1.0 wt%以下、Mn:
2.0 wt%以下、Cr:23.0〜27.0wt%、Ni:4.0 〜9.0 wt
%、Mo:2.0 〜6.0 wt%、Cu:0.3 〜2.5 wt%、Al:0.
01〜0.10wt%、Ca:0.0005〜0.0100wt%、N:0.10〜0.
40wt%、O:0.0080wt%以下、P:0.04wt%以下および
S:0.005 wt%以下を含み、残部はFeおよび不可避的不
純物からなる成分組成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高耐食性が要求される
ラインパイプや油井鋼管などに使用される二相ステンレ
ス鋼に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、油田およびガス田のような油井環
境が苛酷になるに伴って、とくに生産原油、生ガスを未
処理のまま輸送するフローラインまたはギャザリングラ
インの材料については、より高い耐食性が求められるよ
うになっている。このような要求に応えられるものとし
て従来、二相ステンレス鋼が着目されていた。それは、
この二相ステンレス鋼は、微量のH2S を含む CO2ガス雰
囲気下においても耐食性に優れているからである。した
がって、最近ではこの二相ステンレス鋼の需要が一層高
まってきた。さらに、この二相ステンレス鋼は、強度が
高いことから、高耐食性が要求される油井鋼管としても
使用が可能であり、その需要に拍車を掛けている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この二相ス
テンレス鋼にて油井用管などを製造する場合、該二相ス
テンレス鋼の特性が熱間加工性に乏しいことから、熱間
圧延時に欠陥を発生し易く、安定製造が難しいという問
題点があった。
【0004】そこで従来、二相ステンレス鋼の熱間加工
性を向上させることが試みられた。この試みの代表的も
のとしては、その原因となる固溶Sの低減、またはCa、
REMによる固溶Sの硫化物としての固定、さらにO量抑
制によるCa、REM の有効利用(特開平3−82740 号公報
参照)による方法などが知られている。しかし、これら
の手法は、従来の22wt%程度のCrを含む二相ステンレス
鋼には有効であったが、さらに高い耐食性を得るために
Cr含有量をさらに高めた、例えば23wt%以上のCrを含む
二相ステンレス鋼に、十分な熱間加工性を付与するに
は、未だ不十分であった。
【0005】本発明の目的は、とくに高い耐食性を有す
る23wt%以上のCrを含む二相ステンレス鋼における、熱
間加工性を向上し、もって二相ステンレス鋼を用いた管
などの安定した製造を実現しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】発明者らは、二相ステン
レス鋼の熱間加工性を改善する方法について種々検討し
たところ、従来行われている、固溶Sの低減、またはC
a、REM による固溶Sの硫化物としての固定、さらにO
量抑制によるCa、REM の有効利用に加え、さらに適量の
Cuを含有することが、熱間加工性の向上に極めて有効で
あるとの知見を得て、本発明を完成するに到った。
【0007】すなわち本発明は、C:0.03wt%以下、S
i:1.0 wt%以下、Mn:2.0 wt%以下、Cr:23.0〜27.0w
t%、Ni:4.0 〜9.0 wt%、Mo:2.0 〜6.0 wt%、Cu:
0.3 〜2.5 wt%、Al:0.01〜0.10wt%、Ca:0.0005〜0.
0100wt%、N:0.10〜0.40wt%、O:0.0080wt%以下、
P:0.04wt%以下およびS:0.005 wt%以下を含み、残
部はFeおよび不可避的不純物からなることを特徴とする
熱間加工性に優れる二相ステンレス鋼である。
【0008】また、本発明は、上記の成分組成の鋼にお
いて、Cu、Ca、SおよびOの各含有量の関係が、次式
(1)
【数2】 を満足することを特徴とする熱間加工性に優れる二相ス
テンレス鋼である。
【0009】
【作用】次に、本発明に従う2相ステンレス鋼におけ
る、各合金成分の含有量を限定した理由について説明す
る。 C:0.03wt%以下 Cは、鋼の強度を上昇させる作用があるが、その含有量
が0.03wt%をこえると、Cr炭化物の生成促進によって生
じるCr欠乏層を起因として、耐粒界腐食性が劣化するた
め、0.03%を上限とした。一方、下限についてはとくに
限定しないが、球状を確保するため、また、オーステナ
イト相を安定化させるため、0.005 wt%以上とすること
が好ましい。
【0010】Si:1.0 wt%以下 Siは、脱酸剤として有効な成分であるが、1.0 wt%をこ
えて含有するとσ相が生成しやすくなり、耐食性や靱性
が著しく劣化するため、1.0 wt%を上限とした。一方、
下限についてはとくに限定しないが、強度向上さらには
製鋼時の脱酸のために0.01wt%以上とすることが好まし
い。
【0011】Mn:2.0 wt%以下 Mnは、脱酸および脱硫に有効であり、また強度を高める
成分として有用であるが、2.0 wt%をこえて含有する
と、耐食性に悪影響を及ぼすため、2.0 wt%を上限とし
た。一方、下限についてはとくに限定しないが、強度を
確保するため、また、オーステナイト相を安定化させる
ため、0.3 wt%以上とすることが好ましい。
【0012】Cr:23.0〜27.0wt% Crは、二相ステンレス鋼の基本成分の一つであり、適当
な二相組織を得るため、Ni,Mo およびNなどとともに含
有する。また、耐食性を向上させるために重要な成分で
あり、所期する高い耐孔食性および耐隙間腐食性を得る
には、23.0wt%以上の含有が必要になる。一方、27.0wt
%をこえると、σ相が析出しやすくなって靱性が劣化さ
れるため、27.0wt%を上限とした。
【0013】Ni:4.0 〜9.0 wt% Niは、Crと同様、二相ステンレス鋼の基本成分の一つで
あり、適当な二相組織を得るため含有する。さらに、Ni
は、全面腐食に対する抵抗性の向上に有効な成分であ
り、4.0 wt%未満では十分な耐食性が得られず、一方9.
0 wt%をこえると耐食性向上効果が飽和する上、高価な
成分であるため、9.0 wt%を上限とした。
【0014】Mo:2.0 〜6.0 wt% Moは、塩化物環境における耐局部腐食性を向上させる成
分として含有させるが、その含有量が2.0 wt%未満で
は、その効果が十分に発揮されず、一方6.0 wt%をこえ
るとσ相の生成を促進して靱性を劣化し、また極めて高
価な成分であるところから、2.0 〜6.0 wt%の範囲とし
た。
【0015】Cu:0.3 〜2.5 wt% Cuは、非酸化性酸に対する耐食性の改善に有効な成分で
あるが、従来、熱間加工性を阻害する成分と見なされ、
その混入が抑制されていた。しかし、発明者らの実験に
よれば、本願発明による二相ステンレス鋼の成分系で
は、Cuを適量添加すれば、むしろ熱間加工性が向上する
ことが、新たに判明した。すなわち、後述の実施例の表
1に示した鋼1( Cu:1.0 wt%)、鋼7(Cu:0.5 wt%)、
鋼12(Cu:0.0 wt%)、鋼13 (Cu:2.8 wt%)を比較してわ
かるように、後述の高温引張試験における直径減少率か
ら、Cuの適量添加は熱間加工性を向上させる。そこで、
これらの効果を得るには、0.3 wt%以上の含有が必要で
あり、一方この含有量が2.5wt%を超えると、逆に熱間
加工性が劣化するため、0.3 〜2.5 wt%の範囲とした。
【0016】Al:0.01〜0.10wt% Alは、脱酸に有効であるが、0.01wt%未満ではその効果
に乏しく、一方含有量が0.10wt%をこえると、アルミナ
クラスターによる表面欠陥の増大またはAlN の生成によ
る耐食性の劣化の懸念があるため、0.01〜0.10wt%の範
囲とした。
【0017】Ca:0.0005〜0.0100wt% Caは、鋼中で硫化物を形成し、固溶Sを低減して熱間加
工性を改善するが、0.0005wt%未満ではその効果に乏し
く、一方0.0100wt%をこえると、その効果は飽和し、逆
に形成された硫化物による表面欠陥増加が懸念されるた
め、0.0005〜0.0100wt%の範囲に限定した。
【0018】N:0.10〜0.40wt% Nは、二相組織を形成するのに重要な成分であり、また
強度上昇および耐孔食性の向上に大きく寄与する。しか
し、0.10wt%未満ではその効果に乏しく、一方0.40wt%
をこえると、熱間加工性が劣化するため、0.10〜0.40wt
%の範囲とした。
【0019】O:0.0080wt%以下 Oは、Caと反応し酸化物系介在物を形成し、耐食性の劣
化ならびに上述のCaの含有目的に寄与する有効Ca量を低
下させるため、0.0080wt%以下に抑制する必要がある。
【0020】P:0.04wt%以下 Pは、鋼中に不可避に混入する不純物であり、0.04wt%
をこえて含有すると耐食性を劣化するため、0.04wt%に
抑制する。
【0021】S:0.005 wt%以下 Sは、鋼中に不可避に混入する不純物であり、熱間加工
性を阻害する成分である。すなわち、その含有量が0.00
5 wt%をこえると、CuまたはCaを含有しても熱間加工性
の向上がはかられない上、溶接性も悪化するため、0.00
5 wt%以下に抑制する。
【0022】以上の各成分を上記の範囲に従って含有す
ることにより、例えば傾斜ロールを用いる、いわゆる傾
斜圧延方式による造管において必要となる熱間加工性が
得られる。
【0023】さらに、熱間加工性に大きな影響を及ぼす
Cu,S,CaおよびOは、上記した各成分範囲において、
上記した式(1) の値が10以上になる関係の下に、含有す
ることによって、より優れた熱間加工性を付与すること
ができる。すなわち、後述する実施例に示した高温引張
試験において、上記(1) の値が10以上になる関係の下に
含有することで、傾斜圧延による造管に必要とされる、
60%以上の直径減少率が得られる。
【0024】なお、本発明にかかる二相ステンレス鋼の
製造方法は、従来の常法に従う方法でよく、例えば所定
成分組成の溶鋼を造塊して鋼塊とし、この鋼塊を熱間圧
延して造管用の鋼素材とするか、または溶湯から連続鋳
造にて鋼素材を直接製造するようにしてもよい。
【0025】
【実施例】表1に示す成分組成になる100 kgの鋼塊を、
15mm厚に熱間圧延し、この熱延板からJIS Z2201 準じた
丸棒引張試験片を採取し、この試験片を1250℃で100 秒
間以上保持したのち、10℃/sで1000℃まで冷却し、そ
の温度に10秒間保持した後、高速(100 mm/s)での高
温引張試験を行い、その直径減少率にて熱間加工性を評
価した。この評価結果を、表1に併記する。なお、傾斜
圧延法による造管を行うには、上記引張試験による直径
減少率が60%以上は必要であるため、この値を判断基準
とした。
【0026】
【表1】
【0027】表1から明らかなように、本発明に従う成
分組成の鋼を用いた試験片は、全て60%以上の直径減少
率が得られた。中でも、上記式(1) が10以上となる規制
を適用した鋼においては、より高い直径減少率が得られ
た。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、従
来問題となっていた二相ステンレス鋼の熱間加工性を向
上することができ、例えば傾斜圧延法による造管などの
熱間加工が容易になる。従って、近年の油井環境の苛酷
化に伴う高耐食性合金の需要増加を考慮すると、本発明
による二相ステンレス鋼製品の安定製造が果たす産業へ
の寄与は、極めて大きいものがある。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C:0.03wt%以下、 Si:1.0 wt%以
    下、 Mn:2.0 wt%以下 Cr:23.0〜27.0wt%、 Ni:4.0 〜9.0 wt%、 Mo:2.0 〜6.0 wt%、 Cu:0.3 〜2.5 wt%、 Al:0.01〜0.10wt%、 Ca:0.0005〜0.0100wt%、N:0.10〜0.40wt%、 O:0.0080wt%以下、 P:0.04wt%以下 およびS:0.005 wt%以下を含み、残部はFeおよび不可
    避的不純物からなることを特徴とする熱間加工性に優れ
    る二相ステンレス鋼。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の成分組成の鋼において、
    Cu、Ca、SおよびOの各含有量の関係が、次式 【数1】 を満足することを特徴とする熱間加工性に優れる二相ス
    テンレス鋼。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111893370A (zh) * 2020-07-09 2020-11-06 洛阳双瑞特种装备有限公司 一种高湿热海洋环境用高氮双相不锈钢制备方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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