JPH0632743A - IgA産生促進剤 - Google Patents

IgA産生促進剤

Info

Publication number
JPH0632743A
JPH0632743A JP4188193A JP18819392A JPH0632743A JP H0632743 A JPH0632743 A JP H0632743A JP 4188193 A JP4188193 A JP 4188193A JP 18819392 A JP18819392 A JP 18819392A JP H0632743 A JPH0632743 A JP H0632743A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
peptide
sequence
iga
amino acid
mixture
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP4188193A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3163171B2 (ja
Inventor
Mamoru Tomita
守 冨田
Seiichi Shimamura
誠一 島村
Kozo Kawase
興三 川瀬
Mitsunori Takase
光徳 高瀬
Koji Yamauchi
恒治 山内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Morinaga Milk Industry Co Ltd
Original Assignee
Morinaga Milk Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Morinaga Milk Industry Co Ltd filed Critical Morinaga Milk Industry Co Ltd
Priority to JP18819392A priority Critical patent/JP3163171B2/ja
Publication of JPH0632743A publication Critical patent/JPH0632743A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3163171B2 publication Critical patent/JP3163171B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 副作用がなく、人および哺乳動物の生体内で
IgAを効率的に産生する普遍的な薬剤を提供する。 【構成】 ラクトフェリン類を加水分解したペプチド混
合物、このペプチド混合物から単離した配列番号1から
30のペプチド、化学的に合成した配列番号1から31
のペプチド、それらの薬理学的に許容される塩類、また
これらの混合物からなる群より選択されたペプチド類単
独、またはこれらのペプチド類とビフィドバクテリウム
に属する微生物の生菌とからなるIgA産生促進剤。 【効果】 人および哺乳動物の生体内で確実にIgAの
産生を促進することができ、Bifidobacterium 属に属す
る如何なる微生物を使用しても生体内で確実にIgAの
産生を促進することができ、製剤投与による副作用が全
く認められない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、IgA産生促進剤に
関するものである。さらに詳しくは、この発明は、特定
のペプチド類、またはこのペプチド類とビフィドバクテ
リウム属に属する微生物(以下ビフィズス菌と記載する
ことがある)の生菌とからなり、人および哺乳動物の感
染症の防御やアレルギー発症の予防に有効な新しいIg
A産生促進剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】IgAは血清中に存在する免疫グロブリ
ン(immunoglobulin)の一種であり、微
生物または異種の蛋白質等が気管支や小腸等の粘膜から
体の中に侵入するのを防御する作用を有する。特に、新
生児の腸管に存在するIgAは感染防御または異種蛋白
質によるアレルギ−発症の予防等に寄与することが知ら
れている。
【0003】乳児においてIgAは母乳からの摂取、お
よび自らが生産・分泌することにより供給されるが、I
gAの人乳汁中含量は高く、母乳の特長の一つとされて
いる。このため、母乳を摂取することのできない人工栄
養児においては、腸管内でのIgAが不足するため、I
gAの分泌を促進する物質が広く検索されてきた。たと
えば、ラルフ等[ジャ−ナル・オブ・イミュノロジ−
(Journal of Immunology)第132 巻、第1858ページ、19
84年。以下文献1と記載する]は、フィトヘマグルチニ
ンとともに培養して得られたヒト末梢血リンパ球培養上
清から、また、メイヤ−等[ジャ−ナル・オブ・エクス
ペリメンタル・メデイシン(Journal of Experimental
Medicine) 第156 巻、第1860ページ、1982年。以下文献
2と記載する]は、人乳から得られたTリンパ球および
マクロファ−ジ混合物の培養液から分離したBリンパ球
刺激因子(BAF)によるIgAの分泌促進を報告して
いる。さらに、新本等(特開昭64−20083号公
報。以下文献3と記載する)は、ヒトラクトフェリンに
よりヒトBリンパ球をIgA分泌細胞へ分化、誘導させ
る方法を開示している。
【0004】一方、保井等(日本農芸化学会会誌、第65
巻、第 623ページ、1991年。以下文献4と記載する)
は、ヒト糞便由来のビフィズス菌をマウスに投与し、マ
ウス腸管におけるIgA誘導性の高い特定の菌株をスク
リ−ニングしたことを報告している。また、この発明の
発明者等は先に牛ラクトフェリンとビフィズス菌および
/または乳酸菌とからなる有用細菌の腸内定着を促進す
る組成物を発明し、特許出願した(特開平1−2213
19号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記文
献1、2および3に開示された方法は、いずれも試験管
内で得られた結果であり、実際に生体内でIgA産生を
誘導することを証明したものではない。また、前記文献
4に開示された方法は、特定のビフィズス菌菌株にIg
A誘導性の活性があることを示しているにすぎず、あら
ゆるビフィズス菌に普遍的にIgAを誘導し得るもので
はない。
【0006】以上のように、生体内でIgA産生を確
実、かつ普遍的に誘導する薬剤は従来知られておらず、
感染防御またはアレルギ−発症の予防の観点からそのよ
うな薬剤の開発が強く要請されていた。この発明は、以
上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、副作用
がなく、人および哺乳動物の生体内でIgAを効率的、
かつ普遍的に産生する薬剤を提供することを目的として
いる。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明の発明者等は上
記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ペプ
チド類単独、またはビフィズス菌とペプチド類とからな
る組成物が、人および哺乳動物のIgA産生を効率的、
かつ普遍的に誘導することを見出し、この発明を完成し
た。
【0008】すなわち、この発明は、ラクトフェリン類
を加水分解したペプチド混合物、このペプチド混合物か
ら単離した配列番号1〜30のいずれかのペプチド、化
学的に合成した配列番号1〜31のいずれかのペプチ
ド、これらの薬理学的に許容される塩類、またはこれら
の混合物からなる群より選択されたペプチド類からなる
IgA産生促進剤を提供する。
【0009】さらにこの発明は、ラクトフェリン類を加
水分解したペプチド混合物、このペプチド混合物から単
離した配列番号1〜30のいずれかのペプチド、化学的
に合成した配列番号1〜31のいずれかのペプチド、こ
れらの薬理学的に許容される塩類、またはこれらの混合
物からなる群より選択されたペプチド類と、ビフィドバ
クテリウムに属する微生物の生菌とからなるIgA産生
促進剤を提供する。
【0010】なお、これらのIgA産生促進剤において
は、ラクトフェリン類が、哺乳類のラクトフェリン亜
鉛、ラクトフェリン鉄、ラクトフェリン銅、ラクトフェ
リン・マンガン、アポラクトフェリン、またはこれらの
混合物からなる群より選択されたものであること、およ
び[ペプチド類の重量(mg)/ビフィドバクテリウム
に属する微生物の生菌数]×109 の値が、少なくと
も0.05であること、を好ましい態様としてもいる。
【0011】次にこの発明について詳しく説明する。こ
の発明の出発物質として使用するラクトフェリン類は、
人、牛等の哺乳類の乳汁から公知の方法で分離したまま
のラクトフェリン、このラクトフェリンを公知の方法に
より化学的に処理したラクトフェリン亜鉛、ラクトフェ
リン鉄、ラクトフェリン銅、ラクトフェリン・マンガ
ン、アポラクトフェリン、またはこれらの混合物であ
り、市販品または公知の方法により調製することができ
る。すなわち、ラクトフェリンは市販品、または公知の
方法(例えば特開昭63−152400号等)により、
アポラクトフェリンは、例えば特開昭62−24993
1号記載の方法等により、ラクトフェリン亜鉛、ラクト
フェリン銅、およびラクトフェリン・マンガンは、例え
ば特開平2−191205号記載の方法等により、それ
ぞれ調製することもできる。
【0012】ペプチド類は、ラクトフェリン類を公知の
方法(例えばヨーロッパ特許出願公開第438750
号)により蛋白分解酵素または酸により加水分解して得
られるペプチド混合物、このペプチド混合物から公知の
方法(例えば高速液体クロマトグラフ等)により単離し
た配列番号1から30のペプチド、公知の方法[例えば
ペプチド自動合成装置(例えば、ファルマシアLKBバ
イオテクノロジー社製。LKB Biolynk 4170等)を用
いた固相ペプチド合成法(ジャーナル・オブ・ケミカル
・ソサイエティー・パーキンI(Journal of Chemical
Society PerkinI)、第538ページ、1981年)
等]により化学的に合成した配列番号1から31のペプ
チド、これらの薬理学的に許容される塩類、またはこれ
らの混合物である。なお、配列番号1から31のペプチ
ドは、本発明者等が既に特許出願(特願平2−1383
64号、特願平3−48196号、特願平3−9449
2号、特願平3−94493号、および特願平3−94
494号)しているものである。 この発明の製剤にお
いてはラクトフェリン類を加水分解物して得られるペプ
チド混合物、および配列番号1から31に記載のペプチ
ドをそれぞれ単独で使用することもでき、これらを任意
の割合で混合して使用することもできる。ペプチド類は
粉末状であることが望ましい。
【0013】この発明に使用するビフィズス菌は、ビフ
ィドバクテリウム(Bifidobacterium;以下B.と略記する
ことがある) 属に属し、例えばATCC等から容易に入手で
きる公知の微生物であり、ビフィドバクテリウム・イン
ファンティス(Bifidobacterium infantis)、ビフィドバ
クテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)、ビフ
ィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidobacterium breve)
、ビフィドバクテリウム・アドレッセンティス(Bifido
bacterium adolescentis)およびビフィドバクテリウム
・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum )等に属する
菌株を例示することができる。これらのビフィズス菌を
公知の方法(例えば特開平1−221319号等)によ
り培養し、凍結乾燥または真空乾燥し、乾燥ビフィズス
菌生菌が得られる。この発明に使用するビフィズス菌生
菌の形態としては、一定の生菌を含有している凍結乾燥
粉末であることが望ましい。
【0014】この発明の製剤は、ペプチド類単独、また
はペプチド類とビフィズス菌生菌とを特定の割合で含有
する。ペプチド類とビフィズス菌生菌とを併用する場合
は、後記する試験例から明らかなように、ビフィズス菌
の生菌数に対する各ペプチド類の割合を次のとおりとす
る。 ペプチド混合物の場合 [ペプチド混合物(mg)/ビフィズス菌生菌数]×109
=1〜102 ペプチドの場合 [ペプチド(mg)/ビフィズス菌生菌数]×109 =
0.05〜5 ペプチドとペプチド混合物の場合 {[ペプチド(mg)×20+ペプチド混合物(mg)]/ビフィ
ズス菌生菌数}×109 =1〜102 この発明の製剤は、ペプチド類、またはペプチド類とビ
フィズス菌生菌とを公知の方法により前記の割合で均一
に混合し、粉剤、カプセル剤に加工することができ、必
要に応じて賦形剤、その他の薬剤も混合することもでき
る。また、この発明の製剤を乳幼児用の各種用途の粉乳
等の食品に添加することもできる。
【0015】この発明の製剤の投与量は、後記する試験
例から明らかなように、ペプチド混合物は0.5mg/
kg/day以上、ペプチドは0.025mg/kg/
day以上であって、ビフィズス菌は生菌として5×1
07 個/kg/day以上である。次に試験例を示し
てこの発明を詳述する。 (試験例1)この試験は、人ラクトフェリン由来のペプ
チド混合物とビフィズス菌生菌数の適正な割合および投
与量を調べるために実施した。
【0016】3週令のマウス125匹を各群5匹ずつ2
5群に分け、ペプチド混合物(実施例3と同一の方法に
より調製した)とビフィドバクテリウム・ロンガム(B.
longum ATCC15707) の凍結乾燥粉末(実施例1と同一の
方法により調製した。1g当り1010個の生菌を含む
標品)とを表1に示した割合で精製水1mlに溶解し、
これらの溶液を、1ml/kgの投与量でそれぞれの群
に1日1回、3週間連続して投与した。3週間後、糞便
中のIgA含量を酵素抗体法(ELISA)により測定
した。
【0017】この試験の結果は表1に示したとおりであ
り、ペプチド混合物単独の場合は1.5mg/kg/d
ay以上、ペプチド混合物とビフィズス菌の併用の場合
はペプチド混合物を0.5mg/kg/day以上およ
びビフィドバクテリウム・ロンガム凍結乾燥粉末5mg
/kg/day以上投与したとき、糞便中のIgA含量
が顕著に増加することが認められた。また、各試験動物
において副作用は全く認められなかった。この試験に使
用したビフィドバクテリウム・ロンガム凍結乾燥粉末5
mg中には、生菌が5×107 個含まれていた。な
お、ペプチド混合物およびビフィズス菌の種類を変更し
て試験したが、ほぼ同様の結果が得られた。
【0018】
【表1】
【0019】(試験例2)この試験は、牛ラクトフェリ
ン由来のペプチド混合物とビフィズス菌生菌数の適正な
割合および投与量を調べるために実施した。3週令のマ
ウス125匹を各群5匹ずつ25群に分け、ペプチド混
合物(実施例1と同一の方法により調製)とビフィドバ
クテリウム・ロンガム(B. longum ATCC15707) の凍結乾
燥粉末(実施例1と同一の方法により調製した。1g当
り1×1010個の生菌を含む標品)とを表2に示した
割合で精製水1mlに溶解し、これらの溶液を、1ml
/kgの投与量でそれぞれの群に1日1回、3週間連続
して投与した。3週間後、糞便中のIgA含量をELI
SAにより測定した。
【0020】この試験の結果は表2に示したとおりであ
り、ペプチド混合物単独の場合は1.5mg/kg/d
ay以上、ペプチド混合物とビフィズス菌の併用の場合
はペプチド混合物を5mg/kg/day以上およびビ
フィドバクテリウム・ロンガムの菌体を5mg/kg/
day投与した場合に、糞便中のIgA含量が顕著に増
加することが認められた。また、各試験動物において副
作用は全く認められなかった。この試験に使用したビフ
ィドバクテリウム・ロンガムの凍結乾燥粉末5mg中に
は、生菌が5×107 個含まれていた。なお、ペプチ
ド混合物およびビフィズス菌の種類を変更して試験した
が、ほぼ同様の結果が得られた。
【0021】
【表2】
【0022】(試験例3)この試験は、合成したペプチ
ドとビフィズス菌生菌数の適正な割合および投与量を調
べるために実施した。3週令のマウス125匹を各群5
匹ずつ25群に分け、配列番号26のペプチド(実施例
4と同一の方法により調製した)とビフィドバクテリウ
ム・ロンガム(B. longum ATCC15707) の凍結乾燥粉末
(実施例1と同一の方法により調製した。1g当り10
10個の生菌を含む標品)とを表3に示した割合で精製
水1mlに溶解し、これらの溶液を、1ml/kgの投
与量でそれぞれの群に1日1回、3週間連続して投与し
た。3週間後、糞便中のIgA含量をELISAにより
測定した。
【0023】この試験の結果は表3に示したとおりであ
り、このペプチド単独の場合は0.075mg/kg/
day以上、ペプチドとビフィズス菌の併用の場合はこ
のペプチドを0.025mg/kg/day以上および
ビフィドバクテリウム・ロンガムの凍結乾燥粉末を5m
g/kg/day投与した場合に、糞便中のIgA含量
が顕著に増加することが認められた。また、各試験動物
において副作用は全く認められなかった。この試験に使
用したビフィドバクテリウム・ロンガムの凍結乾燥粉末
5mg中には、生菌が5×107 個含まれていた。な
お、ペプチドおよびビフィズス菌の種類を変更して試験
したが、ほぼ同様の結果が得られた。
【0024】
【表3】
【0025】(試験例4)この試験は各種ビフィズス菌
のIgA産生に及ぼす影響を調べるために実施した。3
週令のマウス100匹を各群5匹ずつ20群に分け、
0.5mg/kg/dayのペプチド混合物(実施例1
と同一の方法で調製した)と表4に示す各種ビフィズス
菌の凍結乾燥粉末(菌株を変更した以外は実施例1と同
一の方法で調製した)とを種々の量で精製水に溶解し、
これらの溶液を、それぞれの群に1日1回、3週間連続
して投与した。3週間後、糞便中のIgA含量をELI
SAにより測定した。
【0026】結果は表4に示したとおりであり、ペプチ
ド混合物を0.5mg/kg/day投与した場合、ビ
フィズス菌の各凍結乾燥粉末を5mg/kg/day以
上、生菌として5×107 個/kg/day投与した
場合に、糞便中のIgA含量が顕著に増加することが認
められた。また、各試験動物において副作用は全く認め
られなかった。この試験に使用したビフィズス菌の各凍
結乾燥粉末5mg中には、生菌が5×107 個含まれ
ていた。なお、他のペプチド混合物を用いて試験した
が、ほぼ同様の結果が得られた。
【0027】
【表4】
【0028】(試験例5)この試験は、ペプチド混合物
およびペプチドの混合物と、ビフィズス菌との併用につ
いて効果を比較するために行った。3週令のマウス85
匹を各群5匹ずつ17群に分け、ペプチド混合物および
/または配列番号26のペプチド(実施例4と同一の方
法で調製した)と、ビフィドバクテリウム・ロンガム
(B. longum ATCC15707) の凍結乾燥粉末(実施例1と同
一の方法で調製した。1g当り1010個の生菌を含む
標品)とを表5に示した割合で精製水1mlに溶解し、
これらの溶液を、1ml/kgの投与量でそれぞれの群
に1日1回、3週間連続して投与した。3週間後、糞便
中のIgA含量をELISAにより測定した。
【0029】この試験の結果は表5に示したとおりであ
る。ビフィドバクテリウム・ロンガムを5mg/kg/
day投与した場合、ペプチド混合物またはペプチドか
ら一種類を選んで投与すると、ペプチド混合物は0.5
mg/kg/day、ペプチドは0.025mg/kg
/dayの投与でIgAの産生を促進した。また、ペプ
チド混合物とペプチドとを併用した試験結果から次のこ
とが明らかになった。試験番号3と試験番号5の結果と
を比較すれば、ペプチド混合物を0.5mgから0.3
mgに減少させたとき、ペプチドを0.005mg添加
したのでは、十分なIgA産生が得られない。これに対
して試験番号3と試験番号6および8の結果とを比較す
れば、ペプチド混合物を0.5mgから0.3mgおよ
び0.1mgに減少させたとき、ペプチドを0.01m
gおよび0.02mg添加した場合に十分なIgA産生
が得られる。従って、ペプチド混合物0.1部はペプチ
ド0.005部とほぼ同等の効果を有しており、ペプチ
ド混合物をこの割合でペプチドと代替し得る。なお、ペ
プチド類およびビフィズス菌の種類を変更して試験した
が、ほぼ同様の結果が得られた。
【0030】
【表5】
【0031】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:11 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド (上記配列において、Xaa はCys を除く任意のアミノ酸
残基を示す) 配列番号:2 配列の長さ:11 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド (上記配列において、Xaa はCys を除く任意のアミノ酸
残基を示す) 配列番号:3 配列の長さ:6 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド (上記配列において、Xaa はCys を除く任意のアミノ酸
残基を示す) 配列番号:4 配列の長さ:6 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド (上記配列において、Xaa はCys を除く任意のアミノ酸
残基を示す) 配列番号:5 配列の長さ:6 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド (上記配列において、Xaa はCys を除く任意のアミノ酸
残基を示す) 配列番号:6 配列の長さ:6 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド (上記配列において、Xaa はCys を除く任意のアミノ酸
残基を示す) 配列番号:7 配列の長さ:5 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド (上記配列において、Xaa はCys を除く任意のアミノ酸
残基を示す) 配列番号:8 配列の長さ:5 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド (上記配列において、Xaa はCys を除く任意のアミノ酸
残基を示す) 配列番号:9 配列の長さ:5 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド (上記配列において、Xaa はCys を除く任意のアミノ酸
残基を示す) 配列番号:10 配列の長さ:6 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド 配列番号:11 配列の長さ:5 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド 配列番号:12 配列の長さ:4 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド 配列番号:13 配列の長さ:3 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド 配列番号:14 配列の長さ:5 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド 配列番号:15 配列の長さ:4 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド 配列番号:16 配列の長さ:4 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド 配列番号:17 配列の長さ:3 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド 配列番号:18 配列の長さ:6 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド 配列番号:19 配列の長さ:5 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド 配列番号:20 配列の長さ:4 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド 配列番号:21 配列の長さ:3 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド 配列番号:22 配列の長さ:20 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド 下記配列において、2番の Cysと19番の Cysがジスル
フィド結合している。
【0032】 配列: Lys Cys Arg Arg Trp Gln Trp Arg Met Lys Lys Leu Gly Ala Pro 1 5 10 15 Ser Ile Thr Cys Val 20 配列番号:23 配列の長さ:20 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド 下記配列においてCys*は、ジスルフィド結合の形成を防
止するため、チオ−ル基を化学的に修飾したシステイン
を示す。
【0033】 配列: Lys Cys* Arg Arg Trp Gln Trp Arg Met Lys Lys Leu Gly Ala Pro 1 5 10 15 Ser Ile Thr Cys* Val 20 配列番号:24 配列の長さ:20 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド 下記配列において、2番の Cysと19番の Cysがジスル
フィド結合している。
【0034】 配列: Lys Cys Phe Gln Trp Gln Arg Asn Met Arg Lys Val Arg Gly Pro 1 5 10 15 Pro Val Ser Cys Ile 20 配列番号:25 配列の長さ:20 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド 下記配列においてCys*は、ジスルフィド結合の形成を防
止するため、チオ−ル基を化学的に修飾したシステイン
を示す。
【0035】 配列: Lys Cys* Phe Gln Trp Gln Arg Asn Met Arg Lys Val Arg Gly Pro 1 5 10 15 Pro Val Ser Cys* Ile 20 配列番号:26 配列の長さ:25 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド 下記配列において、3番の Cysと20番の Cysがジスル
フィド結合している。
【0036】 配列: Phe Lys Cys Arg Arg Trp Gln Trp Arg Met Lys Lys Leu Gly Ala 1 5 10 15 Pro Ser Ile Thr Cys Val Arg Arg Ala Phe 20 25 配列番号:27 配列の長さ:38 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド 下記配列において、16番の Cysと33番の Cysとがジ
スルフィド結合している。
【0037】 配列: Lys Asn Val Arg Trp Cys Thr Ile Ser Gln Pro Glu Trp Phe Lys 1 5 10 15 Cys Arg Arg Trp Gln Trp Arg Met Lys Lys Leu Gly Ala Pro Ser 20 25 30 Ile Thr Cys Val Arg Arg Ala Phe 35 配列番号:28 配列の長さ:32 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド 下記配列において、10番の Cysと27番の Cysとがジ
スルフィド結合している。
【0038】 配列: Thr Ile Ser Gln Pro Glu Trp Phe Lys Cys Arg Arg Trp Gln Trp 1 5 10 15 Arg Met Lys Lys Leu Gly Ala Pro Ser Ile Thr Cys Val Arg Arg 20 25 30 Ala Phe 配列番号:29 配列の長さ:47 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド 下記配列において、配列の長さ36であって9番、26
番、及び35番に Cysを有するペプチドの、9番の Cys
と26番のCysとがジスルフィド結合し、上記配列の長
さ36のペプチドの35番の Cysが、配列の長さ11で
あって10番に Cysを有するペプチドの10番の Cysと
がジスルフィド結合している。
【0039】 配列: Val Ser Gln Pro Glu Ala Thr Lys Cys Phe Gln Trp Gln Arg Asn 1 5 10 15 Met Arg Lys Val Arg Gly Pro Pro Val Ser Cys Ile Lys Arg Asp 20 25 30 Ser Pro Ile Gln Cys Ile 35 Gly Arg Arg Arg Arg Ser Val Gln Trp Cys Ala 40 45 配列番号:30 配列の長さ:5 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド (上記配列において、 Xaaは Cysを除く任意のアミノ酸
残基を示す) 配列番号:31 配列の長さ:11 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド
【0040】
【実施例】次に実施例を示してこの発明を更に詳述する
が、この発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。 実施例1 牛乳から分離したままの市販のラクトフェリン(ベルギ
−のオレオフィナ社製)50gを精製水950gに溶解
し、得られた溶液に1規定の塩酸を添加してpHを2に
調整し、120℃で15分間加熱し、次いで冷却し、ペ
プチド混合物を含有する溶液(ペプチド混合物濃度:5
%)約1000gを得た。このペプチド混合物の分解度
は9%であった。この溶液に1規定の苛性ソ−ダを添加
してpHを6.0に調整し、生じた沈殿を濾過により除
去し、凍結乾燥し、粉末のペプチド混合物約42gを得
た。
【0041】ビフィドバクテリウム・ロンガム(B. long
um ATCC15708) をブリックス・リバー・ブロスにおいて
10代継代培養し、グルコース、酵母エキス、ペプトン
およびリン酸塩からなる滅菌した合成培地50lに接種
し、37℃で14時間培養した。培養液を遠心分離し、
菌体を集め、得られた菌液1lに市販のグルタミン酸1
00g、およびしょ糖50gを含む分散媒500mlを
添加し、凍結乾燥した。得られた粉末275gに市販の
乳糖2Kgおよび乾燥コーンスターチ2.5Kgを加
え、均一に混合して倍散し、粉末1g当り1×1010
個のビフィズス菌生菌を含む標品約4.7Kgを得た。
【0042】前記の粉末のペプチド混合物10gに、前
記のビフィズス菌生菌を含む標品100gを均一に混合
し、IgA産生促進剤を調製した。 実施例2 牛乳から分離したままの市販のラクトフェリン(ベルギ
−のオレオフィナ社製)1kgを精製水9kgに溶解
し、2モル濃度のクエン酸を添加してpHを2.5に調
整し、市販の豚ペプシン(1:10,000。和光純薬
工業社製)30gを添加して均一に混合し、37℃に1
80分間保持し、1規定の苛性ソ−ダを添加してpHを
6.0に調整し、85℃で10分間加熱して酵素を失活
させ、次いで冷却し、ペプチド混合物を含有する溶液
(ペプチド混合物濃度:10%)約10kgを得た。こ
のペプチド混合物の分解度は11.3%であった。この
ペプチド混合物含有溶液を減圧濃縮し、凍結乾燥し、粉
末のペプチド混合物約960gを得た。
【0043】この粉末のペプチド混合物100gに、実
施例1と同一の方法で調製した生菌数が1×1010個
/gのビフィドバクテリウム・ロンガム(B. longum ATC
C15708) の生菌を含む標品3000gを均一混合し、I
gA産生促進剤を調製した。 実施例3 人乳から分離したままの市販のラクトフェリン(米国シ
グマ社製)3gを精製水100gに溶解し、2モル濃度
のクエン酸を添加してpHを2.5に調整し、市販の豚
ペプシン(1:10,000。和光純薬工業社製)10
0mgを添加して均一に混合し、37℃に180分間保
持し、1モルの苛性ソ−ダでpHを7.0に調整し、8
5℃で10分間加熱して酵素を失活させ、次いで冷却
し、ペプチド混合物を含有する溶液(ペプチド混合物濃
度:10%)約100gを得た。このペプチド混合物の
分解度は11.3%であった。このペプチド混合物含有
溶液を減圧濃縮し、凍結乾燥し、粉末のペプチド混合物
約3gを得た。
【0044】この粉末のペプチド混合物3gに、実施例
1と同一の方法で調製した生菌数が1×1010個/g
のビフィドバクテリウム・ロンガム(B. longum ATCC157
08)の生菌を含む標品30gを均一混合し、IgA産生
促進剤を調製した 実施例4 市販の牛ラクトフェリン(シグマ社製)50mgを精製
水0.9mlに溶解し、0.1規定の塩酸でpHを2.
5に調整し、のち市販の豚ペプシン(シグマ社製)1m
gを添加し、37℃で6時間加水分解した。次いで0.
1規定の水酸化ナトリウムでpHを7.0に調整し、8
0℃で10分間加熱して酵素を失活させ、室温に冷却
し、15,000rpmで30分間遠心分離し、透明な
上清を得た。この上清100μlをTSKゲルODS−
120T(東ソ−社製)を用いた高速液体クロマトグラ
フィ−にかけ、0.8ml/分の流速で試料注入後10
分間0.05%TFA(トリフルオロ酢酸)を含む20
%アセトニトリルで溶出し、次いで30分間0.05%
TFAを含む20〜60%のアセトニトリルのグラジエ
ントで溶出し、24〜25分の間に溶出する画分を集
め、真空乾燥した。この乾燥物を2%(W/V)の濃度
で精製水に溶解し、再度TSKゲルODS−120T
(東ソ−社製)を用いた高速液体クロマトグラフィ−に
かけ、0.8ml/分の流速で試料注入後10分間0.
05%TFAを含む24%アセトニトリルで溶出し、の
ち30分間0.05%TFAを含む24〜32%のアセ
トニトリルのグラジエントで溶出し、33.5〜35.
5分の間に溶出する画分を集めた。上記の操作を25回
反復し、真空乾燥し、ペプチド約1.5mgを得た。
【0045】このペプチドを6N塩酸で加水分解し、ア
ミノ酸分析計を用いて常法によりアミノ酸組成を分析し
た。同一の試料を気相シ−クェンサ−(アプライド・バ
イオシステムズ社製)を用いて25回のエドマン分解を
行ない、25個のアミノ酸残基の配列を決定した。また
DTNB(5,5−ジチオ−ビス(2−ニトロベンゾイ
ック・アシド))を用いたジスルフィド結合分析法[ア
ナリティカル・バイオケミストリ−(Analytical Bioch
emistry )、第67巻、第493頁、1975年]によ
りジスルフィド結合が存在することを確認した。
【0046】その結果、このペプチドは、25個のアミ
ノ酸残基からなり、3番目と20番目のシステイン残基
がジスルフィド結合し、3番目のシステイン残基からN
−末端側に2個のアミノ酸残基が、20番目のシステイ
ン残基からC−末端側に5個のアミノ酸残基が、それぞ
れ結合した、配列番号26のアミノ酸配列を有している
ことが確認された。
【0047】このペプチド粉末10mgに、ビフィドバ
クテリウム・ビフィダム(B. bifidum ATCC15696)を用い
たことを除き、実施例1と同一の方法で調製した生菌数
が1×1010個/gのビフィドバクテリウム・ビフィ
ダムの生菌を含む標品20gを均一混合し、IgA産生
促進剤を調製した。 実施例5 ペプチド自動合成装置(ファルマシアLKBバイオテク
ノロジ−社製。LKBBiolynx4170)を用
い、シェパ−ド等[ジャ−ナル・オブ・ケミカル・ソサ
イエティ−・パ−キンI(Journal of Chemical Societ
y Perkin I)、第538頁、1981年]による固相
ペプチド合成法に基づいて配列番号31のアミノ酸配列
を有するペプチドを次のようにして合成した。
【0048】アミン官能基を9−フルオレニルメトキシ
カルボニル基で保護したアミノ酸に、N,N−ジシクロ
ヘキシルカルボジイミドを添加して所望のアミノ酸の無
水物を生成させ、このFmoc−アミノ酸無水物を合成に用
いた。ペプチド鎖を製造するためにC−末端のリジン残
基に相当するFmoc−リジン無水物を、そのカルボキシル
基を介し、ジメチルアミノピリジンを触媒としてウルト
ロシンA樹脂(ファルマシアLKBバイオテクノロジ−
社製)に固定する。次いでこの樹脂をピペリジンを含む
ジメチルホルムアミドで洗浄し、C−末端アミノ酸のア
ミン官能基の保護基を除去する。のちアミノ酸配列のC
−末端から2番目に相当するFmoc−リジン無水物を前記
C−末端アミノ酸残基を介して樹脂に固定されたリジン
の脱保護アミン官能基にカップリングさせた。以下同様
にして順次メチオニン、アルギニン、トリプトファン、
グルタミン、トリプトファン、アルギニン、アルギニ
ン、スレオニン、およびリジンを固定した。全部のアミ
ノ酸のカップリングが終了し、所望のアミノ酸配列のペ
プチド鎖が形成された後、94%TFA、5%フェノ−
ル、および1%エタンジオ−ルからなる溶媒でアセトア
ミドメチル以外の保護基の除去およびペプチドの脱離を
行ない、高速液体クロマトグラフイ−によりペプチドを
精製し、この溶液を濃縮し、乾燥し、粉末のペプチドを
得た。
【0049】このようにして得たペプチドを6N塩酸で
加水分解し、アミノ酸分析計を用いて常法によりアミノ
酸組成を分析した。同一の試料を気相シ−クェンサ−
(アプライド・バイオシステムズ社製)を用いてエドマ
ン分解を行ない、11個のアミノ酸残基の配列を決定し
た。その結果このペプチドは11個のアミノ酸残基から
なり、配列番号31のアミノ酸配列を有することを確認
した。
【0050】この合成によって調製した粉末のペプチド
100mgに、ビフィドバクテリウム・ブレ−ベ(B. br
eve ATCC15700)を用いたことを除き、実施例1と同一の
方法で調製した生菌数が1.2×1010個/gのビフ
ィドバクテリウム・ブレ−ベの生菌を含む標品20gを
均一混合し、IgA産生促進剤を調製した。 実施例6 実施例2と同一の方法で調製したペプチド混合物300
mg、実施例3と同一の方法で調製したペプチド10m
g、および実施例5と同一の方法で調製した生菌数が1
×1010個/gのビフィドバクテリウム・ブレ−ベの
生菌を含む標品2gを均一混合し、IgA産生促進剤を
調製した。 実施例7 実施例1と同一の方法で調製した1×1010個/gの
ビフィドバクテリウム・ロンガム(B. longum ATCC 1570
7)の生菌を含む標品、実施例2と同一の方法で調製した
粉末のペプチド混合物、市販の乳糖、乾燥コ−ンスタ−
チ、および脱脂粉乳を次の配合比率でV型混合機を用い
て均一に混合し、IgA産生促進剤を調製した。
【0051】 ビフィドバクテリウム・ロンガムの標品 10(g) 粉末のペプチド混合物 1 乳糖 40 乾燥コ−ンスタ−チ 19 脱脂粉乳 30 実施例8 実施例5と同一の方法で調製した1×1010個/gの
ビフィドバクテリウム・ブレ−ベ(B. breve ATCC15700)
の生菌を含む標品、実施例5と同一の方法により調製し
た粉末のペプチド、市販のデキストリン、コ−ンスタ−
チ、脱脂粉乳、およびアスコルビン酸ナトリウムを次の
配合比率でV型混合機を用いて均一に混合し、IgA産
生促進剤を調製した。
【0052】 ビフィドバクテリウム・ブレ−ベの標品 10.0(g) 実施例5のペプチドの凍結乾燥粉末 0.05 デキストリン 50.0 乾燥コ−ンスタ−チ 10.0 脱脂粉乳 26.95 アスコルビン酸ナトリウム 3.0
【0053】
【発明の効果】この発明によって奏せられる効果は、次
のとおりである。 (1) 人および哺乳動物の生体内で確実にIgAの産生を
促進することができる。 (2) Bifidobacterium 属に属する如何なる微生物を使用
しても生体内で確実にIgA抗体の産生を促進すること
ができる。 (3) この発明の製剤投与による副作用は全く認められな
い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山内 恒治 神奈川県鎌倉市玉縄4−2−2 ガーデン ハイツ鎌倉玉縄405

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラクトフェリン類を加水分解したペプチ
    ド混合物、このペプチド混合物から単離した配列番号1
    〜30のいずれかのペプチド、化学的に合成した配列番
    号1〜31のいずれかのペプチド、それらの薬理学的に
    許容される塩類、またはこれらの混合物からなる群より
    選択されたペプチド類からなるIgA産生促進剤。
  2. 【請求項2】 ラクトフェリン類を加水分解したペプチ
    ド混合物、このペプチド混合物から単離した配列番号1
    〜30のいずれかのペプチド、化学的に合成した配列番
    号1〜31のいずれかのペプチド、それらの薬理学的に
    許容される塩類、またはこれらの混合物からなる群より
    選択されたペプチド類と、ビフィドバクテリウムに属す
    る微生物の生菌とからなるIgA産生促進剤。
  3. 【請求項3】 ラクトフェリン類が、哺乳類のラクトフ
    ェリン、ラクトフェリン亜鉛、ラクトフェリン鉄、ラク
    トフェリン銅、ラクトフェリン・マンガン、アポラクト
    フェリン、またはこれらの混合物からなる群より選択さ
    れたものである請求項1または2のIgA産生促進剤。
  4. 【請求項4】 [ペプチド類の重量(mg)/ビフィド
    バクテリウムに属する微生物の生菌数]×109 の値
    が、少なくとも0.05である請求項2のIgA産生促
    進剤。
JP18819392A 1992-07-15 1992-07-15 IgA産生促進剤 Expired - Lifetime JP3163171B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18819392A JP3163171B2 (ja) 1992-07-15 1992-07-15 IgA産生促進剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18819392A JP3163171B2 (ja) 1992-07-15 1992-07-15 IgA産生促進剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0632743A true JPH0632743A (ja) 1994-02-08
JP3163171B2 JP3163171B2 (ja) 2001-05-08

Family

ID=16219401

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18819392A Expired - Lifetime JP3163171B2 (ja) 1992-07-15 1992-07-15 IgA産生促進剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3163171B2 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1995014485A1 (fr) * 1993-11-23 1995-06-01 Kabushiki Kaisha Wado Doctors Group Composition adjuvante de flore intestinale et appareil et systeme de production
EP0692256A1 (en) * 1994-07-12 1996-01-17 Kabushiki Kaisha Yakult Honsha Fetus fixation enhancer and diet for mother animals
JPH09215472A (ja) * 1996-02-09 1997-08-19 Morinaga Milk Ind Co Ltd 吸収促進性糖類組成物
WO1998044940A1 (en) * 1997-04-10 1998-10-15 Agennix, Inc. Use of lactoferin in the treatment of allergen induced disorders
JP2001064181A (ja) * 1999-08-27 2001-03-13 Otsuka Pharmaceut Co Ltd 免疫賦活組成物
JP2004275189A (ja) * 2003-02-28 2004-10-07 Nichimo Co Ltd 複数微生物の共培養方法、微生物由来製剤の製法および微生物由来製剤
JP2005089388A (ja) * 2003-09-18 2005-04-07 Biofuerumin Seiyaku Kk 免疫賦活作用増強剤
US9421219B2 (en) 2012-03-02 2016-08-23 Matsutani Chemical Industry Co., Ltd. Methods and compositions for preventing allergy and infection
WO2017069167A1 (ja) * 2015-10-19 2017-04-27 株式会社明治 乳児向けの抗アレルギー剤
WO2017069163A1 (ja) * 2015-10-19 2017-04-27 株式会社明治 乳児向けの感染防御剤

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1995014485A1 (fr) * 1993-11-23 1995-06-01 Kabushiki Kaisha Wado Doctors Group Composition adjuvante de flore intestinale et appareil et systeme de production
EP0692256A1 (en) * 1994-07-12 1996-01-17 Kabushiki Kaisha Yakult Honsha Fetus fixation enhancer and diet for mother animals
US5910305A (en) * 1994-07-12 1999-06-08 Kabushiki Kaisha Yakult Honsha Process for enhancing fetus fixation of a pregnant animal to prevent abortion
JPH09215472A (ja) * 1996-02-09 1997-08-19 Morinaga Milk Ind Co Ltd 吸収促進性糖類組成物
WO1998044940A1 (en) * 1997-04-10 1998-10-15 Agennix, Inc. Use of lactoferin in the treatment of allergen induced disorders
JP2001064181A (ja) * 1999-08-27 2001-03-13 Otsuka Pharmaceut Co Ltd 免疫賦活組成物
JP2004275189A (ja) * 2003-02-28 2004-10-07 Nichimo Co Ltd 複数微生物の共培養方法、微生物由来製剤の製法および微生物由来製剤
JP2005089388A (ja) * 2003-09-18 2005-04-07 Biofuerumin Seiyaku Kk 免疫賦活作用増強剤
US9421219B2 (en) 2012-03-02 2016-08-23 Matsutani Chemical Industry Co., Ltd. Methods and compositions for preventing allergy and infection
WO2017069167A1 (ja) * 2015-10-19 2017-04-27 株式会社明治 乳児向けの抗アレルギー剤
WO2017069163A1 (ja) * 2015-10-19 2017-04-27 株式会社明治 乳児向けの感染防御剤

Also Published As

Publication number Publication date
JP3163171B2 (ja) 2001-05-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Bhat et al. Bioactive peptides from egg: a review
US6506389B2 (en) Adherence factors of non pathogenic microorganisms and applications thereof for screening microorganisms for specific probiotic properties; novel pharmaceutical compositions and food additives comprising such microorganisms and adherence factors
Reyes‐Díaz et al. Immunomodulation by hydrolysates and peptides derived from milk proteins
US20040071714A1 (en) Lactic acid bateria capable of reducing an individual's tendency to develop allergic reactions
JPH0586094A (ja) ペプチドおよびその製造方法
JPH0632743A (ja) IgA産生促進剤
US20030165505A1 (en) Nucleic acid and corresponding protein entitled 161P2F10B useful in treatment and detection of cancer
NZ568964A (en) Method of increasing the production of bacteriocins using inducer peptides
JP3174611B2 (ja) 免疫賦活組成物
JPH06184197A (ja) 非経口及び経口投与に適した、免疫調節作用をもつ半合成誘導体
JP2001131084A (ja) 生体コラーゲン合成促進剤
JPH0773507B2 (ja) 低分子量ペプチド組成物およびその製造方法
JPH01221319A (ja) 有用細菌の腸内定着を促進する組成物
KR20130113961A (ko) 항바이러스제로서 락타드헤린-유래 펩타이드
CN106831947B (zh) 一种牡蛎来源的新型功能肽及其用途
JPH0892112A (ja) サイトカイン産生促進剤
AU727676B2 (en) Novel adherence factors of non pathogenic microorganisms and applications thereof for screening microorganisms for specific probiotic properties; novel pharmaceutical compositions and food additives comprising such microorganisms and adherence factors
JP3859270B2 (ja) アポトーシス誘導剤
JPH1059864A (ja) 経口がん転移抑制剤
JPS6344900A (ja) グリコペプチド抗生物質
KR20040008130A (ko) 면역 증강제
JP3738042B2 (ja) 非経口用抗腫瘍剤
JPH09216834A (ja) 骨形成促進及び骨吸収防止剤
Lee et al. Reduction of interlukin-8 by peptides from digestive enzyme hydrolysis of hen egg lysozyme
JPH08176190A (ja) ペプチド誘導体と、その用途

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080223

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090223

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100223

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100223

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110223

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120223

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120223

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130223

Year of fee payment: 12

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130223

Year of fee payment: 12