JPH06321992A - Cea誘導体 - Google Patents

Cea誘導体

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Publication number
JPH06321992A
JPH06321992A JP6053936A JP5393694A JPH06321992A JP H06321992 A JPH06321992 A JP H06321992A JP 6053936 A JP6053936 A JP 6053936A JP 5393694 A JP5393694 A JP 5393694A JP H06321992 A JPH06321992 A JP H06321992A
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JP
Japan
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cea
recombinant
dna
glycoprotein
derivative
Prior art date
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Application number
JP6053936A
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English (en)
Inventor
Alexey Terskikh
テルスキク アレクセイ
Andre Pelegrin
ペルグラン アンドレ
Jean-Pierre Mach
− ピエール マシュ ジャン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
F Hoffmann La Roche AG
Original Assignee
F Hoffmann La Roche AG
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Publication date
Application filed by F Hoffmann La Roche AG filed Critical F Hoffmann La Roche AG
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/705Receptors; Cell surface antigens; Cell surface determinants
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S530/00Chemistry: natural resins or derivatives; peptides or proteins; lignins or reaction products thereof
    • Y10S530/827Proteins from mammals or birds
    • Y10S530/828Cancer

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、診断の分野で有用な組換えCEA
糖蛋白質誘導体、それをコードするDNAおよびそれら
の製造方法を提供することを目的とする。 【構成】 本発明による組換えCEA糖蛋白質誘導体
は、交差反応性CEA様抗原類を含まない;腫瘍細胞か
ら脱離するCEAの可溶性形態とは抗原的に区別されな
い;およびエタノールアミン欠損において多量に分泌さ
れる等を特徴とする組換えCEA糖蛋白質誘導体に関す
るものである。例示的には、本発明による組換えCEA
糖蛋白質誘導体は、アミノ酸配列[SEQ ID N
O:1]有している。また本発明の組換えCEA糖蛋白
質誘導体をコードするDNAは、例示的にはヌクレオチ
ド配列[SEQ ID NO:2]により表される。 【効果】 本発明の組換えCEA糖蛋白質誘導体は、例
えばテストキット等に組み込まれ、新生物性疾患等の診
断において有用な試薬が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、ガン胎児性抗原(CEA)の誘
導体に関するものである。
【0002】ガン胎児性抗原(CEA)は、最もよく研
究されているヒト腫瘍マーカーの一つであり、直腸結腸
癌等の新生物性疾患の診断において広く使用されてい
る。従って、例えばCEAの血清濃度が患者において上
昇した場合、外科的治療後のCEA濃度の低下は、腫瘍
の切除の成功を意味している。他方において、外科的治
療後の血清CEA濃度の引き続く上昇は、元の腫瘍の転
移が形成されたか、あるいは、新たな一次腫瘍が成長し
ていることを意味する。概説としてShively
J.E.およびBeatty J.D.の“CEA−関
連抗原:分子生物学および臨床的意味”、Crit.R
ev.Oncol.Hematol.2,355−39
9[1985];ならびにMach J.P.、Pel
egrinA.およびBuchegger F.の“非
造血性腫瘍におけるモノクローナル抗体による造影およ
び治療”Curr.Opin.Immunol.3,6
85−693[1991]参照。
【0003】CEA蛋白質をコードする完全cDNA配
列は、34アミノ酸残基長の先行ペプチド、108アミ
ノ酸残基長のNH2 −末端領域、178アミノ酸残基の
3個の同種的反復領域、および26アミノ酸残基の疎水
性C−末端領域からなる702アミノ酸残基のポリペプ
チドをコードしている(Zimmermann W.,
Ortlieb B.,Friedrich R.およ
びvon Kleist S.“ヒトガン胎児性抗原を
コードするcDNAクローンの単離および特徴付けは、
高度に保存的な反復構造を明らかにする”、Proc.
Natl.Acad.Sci.USA 84,2960
−2964[1987];Beauchemin
N.,Benchimol S.,Cournoyer
D.,Fuks A.およびStanners C.
P.“ヒトガン胎児性抗原の完全長機能的cDNAクロ
ーンの単離および特徴付け”,Mol.Cell.Bi
ol.7,3221−3230[1987];Oika
wa S.,Kosaki G.およびNakazat
o H.,“ガン胎児性抗原(CEA)遺伝子ファミリ
ーの一員についての遺伝子のモレキュラークローニン
グ;非特異的交差反応抗原(NCA)のシグナルペプチ
ドおよびN−末端領域配列”,Biochem.Bio
phys.Res.Commun.146,464−4
69[1987])。34アミノ酸残基長の先行ペプチ
ドは、内質小網膜を通過する移送過程にて前駆体CEA
ポリペプチドから切断される。
【0004】疎水性C−末端領域も、成熟膜結合CEA
糖蛋白質においては欠失されている。CEAは、エタノ
ールアミンを介して成熟CEAのCOOH−末端残基に
共有的に結合するホスファチジルイノシトール−グリカ
ンテイル(PI−G)によって膜に結合することが示さ
れた(Hefta S.A.,Hefta L.J.,
Lee T.D.,Paxton R.J.およびSh
ively J.E.,“ガン胎児性抗原はグリコシル
ホスファチジルイノシトール残基への共有結合により膜
に固定されている;エタノールアミン連結部位の同
定”,Proc.Natl.Acad.Sci.USA
85,4648−4652[1988])。CEA
は、翻訳後に疎水性C−末端領域が除去され、次いで第
3の反復領域の最後のアミノ酸にPI−Gアンカーが付
加される処理を受けるものと一般に考えられている。該
PI−G尾部は、ホスファチジルイノシトール−特異的
ホスフォリパーゼCによって切断され得、CEAの膜結
合形態が放出される。このように形成されるCEAの可
溶性形態は、CEAの成熟形態に存在する最後のアミノ
酸配列のカルボキシ末端(即ち、第3の反復領域の最後
のアミノ酸のカルボキシ末端)に結合するエタノールア
ミン残基を常に含み、また、多分ホスファチジルイノシ
トールグリカン尾部を含む。
【0005】PI−G固定化蛋白質のCOOH−末端領
域が、細胞表面に対する目標付けおよび固定化のために
重要であることが示唆されている(Caras I.
W.,Weddell G.N.,Davitz M.
A.,NussenzweigV.およびMartin
D.W.Jr.“崩壊加速因子におけるリン脂質膜ア
ンカーの結合のためのシグナル”,Science 2
38,1280−1283[1987];Hefta
L.J.,Schrewe H.,Thompson
J.A.,Oikawa S.,Nakazato
H.およびShively J.E.,“モルモット卵
巣およびマウス線維芽細胞におけるガン胎児性抗原およ
び非特異的交差反応性抗原の相補的DNAおよびゲノム
クローンの発現、ならびに膜発現生成物の特徴付け”,
Cancer Res.50,2397−2403[1
990];Hemperly J.J.,Edelma
nG.M.およびCunningham B.A.,
“膜展開領域を欠く神経細胞粘着分子(N−CAN)の
cDNAクローンはホスファチジルイノシトール中間体
を介した膜結合の証拠と一致する”,Proc.Nat
l.Acad.Sci.USA 83,9822−98
26[1986])。疎水性領域の完全または部分的削
除は、媒質中への変異蛋白質の分泌を生じうる(Ude
nfriendS.,Micanovic R.および
Kodukula K.“PI−G固定化形態生成のた
めの発生期蛋白質の構造的要求:完全細胞および細胞非
含有系における研究”Cell Biol.Int.R
ep.15,739−759[1991])。
【0006】現在使用されている標準CEA対照は、ヒ
ト腫瘍抽出物から一般に単離されている。このCEA
は、PI−Gアンカーの切断により、腫瘍の細胞表面か
ら脱落されるものと考えられている(Kuroki
M.,Murakami M.,Wakisaka
M.,Ikeda S.,Oikawa S.,Osh
imaT.,Nakazato H.,Kosaki
G.およびMatsuokaY.“Escherich
ia coliにおいて発現される組換えガン胎児性抗
原蛋白質の免疫反応性”,Immunol.Inves
t.21,241−257[1992])。ヒト腫瘍抽
出物から単離されるCEAの不利な点は、それが、腫瘍
により放出されるCEAのイムノアッセイを妨害するで
あろう交差反応性のCEA様抗原を含みうることであ
る。これらのCEA様抗原は、炎症性肝疾患および喫煙
者等の多くの非腫瘍性条件下において上昇することが知
られている。干渉性のCEA様抗原により生じる問題を
克服する努力は、CEAをコードするDNAのクローニ
ングを導いた。EP−A−263,933には、CEA
ペプチド配列をコードする種々の核酸配列が開示されて
いる。
【0007】細菌内にてCEA分子の異なる領域を発現
する努力は、細菌内で発現されるCEA領域が、多分不
完全な巻き込みのために低い抗原性を有することを示し
た(Kuroki M.,Murakami M.,W
akisaka M.,Krop Watorek
A.,Oikawa S.,Nakazato H.,
Kosaki G.およびMatsuoka Y.,
“悪性腫瘍患者の血漿中のガン胎児性抗原上に保持され
るが健常人の血漿中のそれには無いエピトープ”,Jp
n.J.Cancer Res.83,505−514
[1992])。
【0008】ヒト腫瘍抽出物の代替物として、ヒトガン
細胞系の培養培地からCEAを単離する事が提案され
た。しかしながら、CEAの完全成熟形態は、活性を持
って分泌されず、結腸癌細胞系の培養培地中に少量が離
脱することが見いだされた(下記参照)。低濃度の発現
の問題を克服するための一つの解決法は、CEAの断片
を調製することである。しかしながら、断片は当然に、
Hammarstorm等により記述されているGOL
D1−5として一般に知られているエピトープ等のCE
Aに存在する重要なエピトープを常にすべて含むもので
はない(Hammarstorm S.,Shivel
y J.E.,Paxton R.J.,Beatty
B.G.,Larson A.,Ghosh R.,
Bormer O.,Buchegger F.,Ma
ch J.P.,Burtin P.,Seguin
P.,Darboiuret B.,Degorce
F.,Sertour J.,Jolu J.P.,F
uks A.,Kalthoff H.,Schmie
gel W.,Arndt R.,Kloppel
G.,von Kleist S.,Grunert
F.,SchwartzK.,Matsuoka
Y.,Kuroi M.,Wagener C.,We
ber T.,Yachi A.,Imai K.,H
ishikawaN.およびTsujisaki M.
“ガン胎児性抗原における抗原性部位”,Cancer
Res.49,4852−4858[1989])。
【0009】本発明により解決されるべき問題は、従っ
て、交差反応性CEA様抗原非含有であって、腫瘍細胞
から脱離するCEAの可溶形態から抗原性的に区別する
ことが出来ず、従ってCEA蛋白質のすべての重要なエ
ピトープを含む一方、組換え宿主により大量に分泌され
るCEA誘導体を提供することにある。
【0010】ここにおいて、26アミノ酸の疎水性領域
をコードする3’領域を欠くCEAをコードする組換え
cDNAが、上述の要求を満たすCEA誘導体を分泌し
うることが見いだされた。前記cDNAをラットまたは
ヒトガン細胞等の適当な宿主細胞にトランスフェクトす
ることにより50〜100倍の高濃度の完全に免疫原性
のCEA糖蛋白質の培養培地中への分泌が得られる。
【0011】従って、本発明は、 (a)交差反応性CEA様抗原類を含まない; (b)腫瘍細胞から脱離するCEAの可溶性形態とは抗
原的に区別されない;および(c)エタノールアミン欠
損において多量に分泌される を特徴とする組換えCEA糖蛋白質誘導体に関するもの
である。
【0012】前記組換えCEA糖蛋白質誘導体は、前記
組換えcDNAによりトランスフェクトされた細胞か
ら、培養培地中に多量に分泌される。
【0013】“交差反応性CEA様抗原を含まない”な
る用語は、本発明の組換えCEA糖蛋白質誘導体が、前
記組換えCEA糖蛋白質誘導体をコードするcDNAを
含む組換えベクターによって形質転換された宿主細胞に
よって分泌されるという事実に関連する。それは腫瘍抽
出物から単離されたものでないため、そのような抽出物
に通常存在する交差反応性CEA様抗原を含まない。
【0014】“腫瘍細胞から脱離するCEAの可溶性形
態とは抗原的に区別されない”なる用語は、組換えCE
A糖蛋白質誘導体がCEAの天然形態と免疫学的に同等
であること、すなわちCEAに存在するすべての主要な
エピトープを含み、特に一般にGOLD1−5エピトー
プ(Hammarstorm等、[1989]前出文
献)として知られている5個のすべてのエピトープを含
むことを意味する。
【0015】“エタノールアミン欠損である”との用語
は、本発明の組換えCEA糖蛋白質が、エタノールアミ
ン残基、および多分、例えば腫瘍細胞からの脱離後、ま
たはホスファチジルイノシトール特異的ホスフォリパー
ゼによる処理後に、非トランスフェクト腫瘍細胞から得
られるようなCEAの可溶形態に通常存在するホスファ
チジルイノシトール末端部のいくらかの断片を欠損する
ことに関連する。本発明の組換えCEA糖蛋白質をコー
ドするcDNAは、CEAポリペプチドの前駆体形態に
おいて存在する疎水性C−末端部をコードする配列を欠
損するため、このcDNAから発現されるポリペプチド
は、細胞膜に固定化され得ない。全く驚くべきことに、
CEA糖蛋白質の疎水性領域の欠失は、ヒトまたはラッ
ト癌細胞において細胞表面へのCEAの輸送になんら影
響を与えず、単に細胞表面への固定化を阻害するのみで
あることが見いだされた。
【0016】本発明の好ましい組換えCEA糖蛋白質誘
導体は、下記のアミノ酸配列を有する:
【0017】
【化1】 [SEQ ID NO:1]
【0018】また本発明は、前記CEA糖蛋白質の生物
学的および免疫学的性質を本質的に変更しない削除、挿
入または置換によって上記アミノ酸配列に関連するアミ
ノ酸配列を有する機能的に同等な組換えCEA糖蛋白質
誘導体に関するものである。
【0019】蛋白質の免疫学的性質を実質的に変化させ
ないアミノ酸の置換の例は、例えば、Neurath等
の“The Proteins”,Academic
Press,New York(1979)、特にその
14頁Fig.6に記述されている。もっとも頻繁に観
察されるアミノ酸の置換は、Ala/Ser、Val/
Ile、Asp/Glu、Thr/Ser、Ala/G
ly、Ala/Thr、Ser/Asn、Ala/Va
l、Ser/Gly、Tyr/Phe、Ala/Pr
o、Lys/Arg、Asp/Asn、Leu/Il
e、Leu/Val、Ala/Glu、Asp/Gly
およびそれらの逆である。
【0020】本発明の組換えCEA糖蛋白質は、この分
野で公知の、例えば色素、放射能、酵素、蛍光または化
学発光等の標識一つにより標識されてもよい。好ましい
標識は、放射性標識化ヨウ素( 125I)である。
【0021】本発明の組換えCEA糖蛋白質は、例えば
体液試料等の生物学的試料中のCEAを検出するための
イムノアッセイにおける標準として使用されうる。当業
者は、免疫診断の分野における一般的知識に基づいてそ
のようなイムノアッセイを配置できる立場にある。酵素
結合イムノアッセイ(ELISA)の使用が好ましい。
そのようなイムノアッセイの例は、例えばEP−A−3
46,710に記載されている。本発明の組換えCEA
糖蛋白質誘導体の標識のために使用される酵素の例は、
アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、西洋
わさびパーオキシダーゼ、グルコース−6−リン酸デヒ
ドロゲナーゼ、3−ホスフォグリセレートキナーゼ(P
GK)糖を含む。
【0022】また、本発明は、新生物性疾患の診断のた
めのイムノアッセイに関し、このイムノアッセイにおい
て、本発明の組換えCEA糖蛋白質誘導体が、好ましく
は試薬の形態の標準として使用され、ここにおいて前記
組換えCEA糖蛋白質は不活性担体物質と混合される。
そのような不活性担体物質の例は、蒸留水、安定剤を含
んでもよい緩衝剤、および診断用試薬において一般に使
用される他の添加物である。
【0023】本発明は、そのような試薬の調製方法およ
び試薬それ自体、ならびに生物学的試料中の癌細胞の存
在を測定するためのテストキットに関するものである。
このようなテストキットは、容器内に本発明による組換
えCEA糖蛋白質誘導体を、必要に応じて不活性担体、
および必要に応じてモノクローナル抗体またはポリクロ
ーナル抗体等の付加的試薬との組み合わせにおいて含
む。
【0024】本発明の組換えCEA糖蛋白質誘導体は、
好ましくは、C−末端疎水性末端部をコードする領域を
欠くcDNA断片によってコードされる。このようなc
DNA断片を得るための一方法は、CEAの完全形態を
コードするcDNAを、本発明の組換えCEA糖蛋白質
で欠損する疎水性末端部をコードする領域からすぐ上流
側で切断するための適当な制限エンドヌクレアーゼを使
用することである。次いで、該cDNA断片の3’末端
は、制限エンドヌクレアーゼにより不注意に切断された
付加的ヌクレオチドをコードする合成オリゴヌクレオチ
ド二重鎖にて修復される。好ましくは前記合成オリゴヌ
クレオチド二重鎖は、アミノ酸配列[SEQ ID N
O:1]の最後のアミノ酸残基の後で翻訳を停止させる
停止コドンを含む。制限エンドヌクレアーゼEaeI
は、前記cDNA断片の調製のためにもっとも好適な酵
素である。残念ながら、この制限エンドヌクレアーゼ
は、CEAをコードするcDNAを1以上の部位で切断
する。この問題を克服するために、CEA cDNAの
3’末端を含む800塩基対断片をBsu36Iおよび
XbaIを用いて消化し、次いでこうして得られた断片
を別個にEaeIを用いて切断することにより単離する
ことが出来る。
【0025】従って、本発明は下記のヌクレオチド配列
を有するDNA等の本発明のCEA糖蛋白質誘導体をコ
ードするDNAをも提供するものである。
【0026】
【化2】
【化3】 [SEQ ID NO:2]
【0027】上記DNA配列は、CEAをコードする遺
伝子の天然形態において存在する34アミノ酸残基長の
シグナルペプチドをコードするコドンをも含み、このシ
グナルペプチド配列は、CEA蛋白質の成熟化の過程で
切断されるものと理解される。他方において、前記DN
A配列は、CEAをコードする遺伝子の天然形態に存在
するC−末端疎水性領域をコードするコドンを明らかに
含まない。
【0028】上記に示したように、配列[SEQ ID
NO:2]を有するDNAは、CEAの完全長形態を
コードするcDNAから組換えDNA技術の方法を使用
して調製されうる。そのようなDNA配列は、化学合成
および/または適切なDNA断片を配列[SEQ ID
NO:2]を有する完全DNAが得られるように結合
することによっても調製されうる。
【0029】遺伝子コードの縮重のために、アミノ酸配
列[SEQ ID NO:1]を有する組換えCEA糖
蛋白質誘導体をコードし得る多くの可能性あるヌクレオ
チド配列(機能的同等物)が存在することが理解される
であろう。従って、本発明は、[SEQ ID NO:
2]の機能的に同等な配列にも関するものであり、その
ヌクレオチド配列は、上記に引用したように機能的に同
等なCEA糖蛋白質誘導体をコードする。このような機
能的に同等なヌクレオチド配列は、Morinaga
Y.,Franceschini T.,Inouye
S.およびInouye M.,“二重鎖プラスミド
DNAを使用するオリゴヌクレオチド−指向部位特異的
変異生成の改良”,Bio/Technology,
2,636−639[1984]に記述されるように、
本発明の例示的cDNA[SEQID NO:2]上で
のプライマー指向性部位特異的変異生成において適切な
合成オリゴヌクレオチドを使用して容易に調製されるで
あろう。
【0030】さらに、本発明は、適合する宿主細胞内に
おいて組換えCEA糖蛋白質誘導体をコードするDNA
含み、かつその発現を支配しうる組換えベクター、およ
びこのようなベクターを含む宿主細胞を提供するもので
ある。組換えベクター中に挿入されるべき本発明のヌク
レオチド配列は、組換えベクターが適切な宿主細胞内に
おいて本発明に従って組換えCEA糖蛋白質誘導体の産
生を支配しうる限り、付加的なヌクレオチドまたは断片
を含んでいてもよく、この付加的ヌクレオチドは、本発
明の組換えCEA糖蛋白質誘導体をコードする実際の構
造遺伝子の一部ではないものと理解される。
【0031】本発明による組換えCEA糖蛋白質誘導体
をコードするDNAの、クローニングベクターへの挿入
は、該DNAおよび所望のクローニングベクターの両者
が同様な制限酵素により切断された場合には、相補的D
NA末端が生成されるため、容易に行うことが出来る。
これを行うことが出来ない場合には、単鎖DNAを消化
して平滑末端を生じさせるか、または単鎖末端を適当な
DNAポリメラーゼにて埋めることにより同様な結果を
生じさせて、切断末端を修飾することが必要であろう。
このような方法でT4 DNAリガーゼ等の酵素を用い
て平滑末端の連結が行われる。別法として、所望の任意
の部位がヌクレオチド配列(リンカー)をDNA端部に
連結することによって生成されうる。このようなリンカ
ーは、制限部位認識配列をコードする特定のオリゴヌク
レオチド配列を含んでよい。切断されたベクターおよび
本発明の組換えCEA糖蛋白質誘導体をコードするDN
Aは、ホモポリマーテイリングによって修飾されてもよ
い(Morrow J.F.“組換えDNA技術”,M
ethods in Enzymology,68,3
−24[1979]参照)。
【0032】当業者に既知の多くのクローニングベクタ
ーを、本発明に従って組換えベクターを調製するために
使用することが出来る。そのようなクローニングベクタ
ーは、所望の形質転換体を選択するために使用されうる
一つ以上のマーカー活性を含む。そのようなマーカー活
性の例は、例えば、ネオマイシン耐性(下記参照)、ゲ
ネチシン耐性、およびメトトレキセート耐性である。
【0033】本発明の組換えCEA糖蛋白質誘導体をコ
ードするDNAを、クローニングベクター中に挿入する
ための多くの方法があることが理解されなければならな
い。この点に関して本質的なことは、組換えベクターが
適切な宿主細胞内において組換えCEA糖蛋白質誘導体
の発現を支配しうることである。
【0034】本発明の組換えCEA糖蛋白質誘導体をコ
ードするヌクレオチド配列を有するDNAを含む組換え
ベクターは: (a)組換えCEA糖蛋白質誘導体をコードするヌクレ
オチド配列を有するDNAをベクター中に挿入し; (b)前記ベクターを宿主細胞内にて複製し;および (c)該宿主細胞から組換えベクターを単離すること、 によって調製されうる。
【0035】適当な宿主の選択は、この技術において知
られている多くの因子によって影響を受ける。これらの
因子は、例えば選択したベクターとの適合性、組換えベ
クターによりコードされる蛋白質の毒性、所望の蛋白質
の分泌可能性、所望のCEA糖蛋白質の回収の容易性、
発現の特性、生物学的安全性および費用等を含む。これ
らの因子の釣合を考慮しなければならず、また、すべて
の宿主が特定の組換えDNA分子の発現に対して等しく
有効であるのではないことを理解しなければならない。
本発明の組換えCEA糖蛋白質の産生のために好適な宿
主細胞は、CEA−ネガティブな細胞である。そのよう
な細胞の例は、例えば、Mach等に記述されているヒ
ト結腸癌細胞系CO115由来のサブクローンCO11
5- (Mach J.P.,CarrelS.,Mer
enda C.,SordatB.およびCerott
ini J.C.“ヌードマウスへのヒト結腸癌の移植
片におけるインビボでのガン胎児性抗原への放射標識抗
体の局在化”,Nature 248,704−706
[1974];ならびにCarrel S.,Sord
at B.およびMerenda C.“ヌードマウス
に移植されたヒト結腸癌由来の細胞系(Co−115)
の樹立”Cancer 36,3978−3984[1
976]参照)、およびCaignard等によって記
述されているラット結腸癌細胞系PROb(Caign
ard A.,Martin M.S.,Michel
M.F.およびMartin F.“同系宿主に接種
された場合のラット結腸癌の2種の細胞準母集団の間の
相互作用”,Int.J.Cancer 36,273
−279[1985])等のヒトまたはラット結腸癌細
胞系である。前記サブクローンCO115- は、直接に
蛍光標識された抗CEAモノクローナル抗体のパネルを
使用する蛍光活性化細胞選択法によって、細胞表面にC
EAおよびCEA交差反応性抗原を発現しないことが示
された。また、酵素結合免疫吸着剤アッセイによって、
トランスフェクトされないCO115-サブクローン由
来の培養培地中には、アッセイに干渉し得るCEAまた
はCEA交差反応性抗原が含有されないことが示され
た。
【0036】外来DNA断片を細胞に導入するための種
々の方法が当業者に知られている。そのような方法の例
は、マイクロインジェクション、エレクトロポレーショ
ン、トランスフェクションおよびウイルスベクターを用
いる感染である。本発明の組換えCEA糖蛋白質誘導体
をコードする組換えcDNAを細胞に導入するための好
ましい方法は、周知のカルシウムホスフェート法である
(Graham F.L.およびVan der Eb
A.J.“ヒトアデノウイルス5 DNAの感染力ア
ッセイのための新技術”Virology 54,45
6−467[1973]に最初に記述された)。ゲネチ
シン耐性トランスフェクタントは、抗CEA抗体を用い
るELISAによって、上澄中のCEA分泌について選
択されうる。一旦形質転換宿主細胞が生成されると、該
細胞母集団は、必要な栄養素を含む培養培地中で該細胞
母集団の生育に適当な条件下で、および/または組換え
DNAの高分泌に適当な条件下で増幅され、本発明の組
換えCEA糖蛋白質誘導体の大量の産生を導く。
【0037】分泌された本発明の組換えCEA糖蛋白質
誘導体は、細胞培養培地中に分泌され、これから第1に
は低速遠心分離により細胞および細胞残渣が除去され
る。こうして得られた本発明の組換えCEA糖蛋白質誘
導体は、次いで限外濾過によって濃縮される。上澄みか
らの組換えCEA糖蛋白質誘導体の最初の分離は、硫酸
ナトリウムまたはアンモニウム等の塩を用いる沈殿、限
外濾過、または当業者に周知の他の方法によって行われ
うる。更なる精製は、限定されるものではないが、ゲル
濾過、イオン交換クロマトグラフィ、調製用ディスクゲ
ルまたは膜電気泳動、等電点電気泳動、低温度有機溶媒
分画または向流分配を含む慣用の蛋白質精製技術により
行われうる。精製は、イムノアフィニティクロマトグラ
フィによっても行われうる。
【0038】従って、本発明は、上記に定義された組換
えCEA糖蛋白質誘導体の製造方法をも提供するもので
あって、その方法は: (a)ヌクレオチド配列[SEQ ID NO:2]ま
たはその同等な配列等の前記組換えCEA糖蛋白質誘導
体をコードするヌクレオチド配列を有するDNAを含む
組換えベクターを含む宿主細胞を、該DNAが発現され
る条件下で培養し;および(b)該培養物から該宿主細
胞によって産生される該組換えCEA糖蛋白質誘導体を
単離することを含んでなる、組換えCEA糖蛋白質誘導
体の製造方法である。
【0039】本発明のCEA断片をコードする組換えc
DNAの好ましい構築方法は、以下のように要約されう
る:
【0040】−第1工程において、下記の例に記述され
るようにBluescriptTMベクター等の完全長の
CEA蛋白質をコードするcDNAを含む適当なベクタ
ーを、Bsu36Iエンドヌクレアーゼを用いて固有の
部位にて消化する。次いで切断ベクターを脱ホスホリル
化し、さらにXbaIエンドヌクレアーゼを用いて固有
の部位にて消化し、0.8および4.6Kb(1Kb=
1000塩基対)の2個の断片を生成させる。
【0041】−第2工程において、ベクターDNAおよ
びCEA cDNAの5’部分を含む4.6Kb断片
を、EaeI部位から下流の第3のCEA反復部分から
成熟蛋白質において見いだされる最後のアミノ酸のコド
ンまでの終わりの43塩基対(bp)を含み、さらにT
AG停止コドンおよびXbaI粘着末端を含む合成オリ
ゴヌクレオチド二重鎖のXbaI部位に連結する。
【0042】−第3の工程は、前述の0.8Kb断片を
固有のEaeI部位にて切断することを含む。これはそ
れぞれ約0.4Kbの2個の断片を生じ、一方の断片
は、最終的組換えcDNAに保持されるべき第3のCE
A反復部位の欠失した部分を含み、他方の断片は除去さ
れるべき疎水性尾部を含む。
【0043】−第4の工程においては、ベクターが閉環
される。先行する工程において得られた2個の0.4K
b断片のうち、第3のCEA反復を含むもののみが、上
記の合成二重鎖に結合される4.6Kb断片の二重連結
および閉環のために適切な粘着末端、すなわちBsu3
6IおよびXbaIを有する。得られた構築物を例えば
BluescriptTMベクター等の適当なベクター中
で増幅することが出来る。該ベクターの正しい構築は、
StyIおよびEaeIエンドヌクレアーゼを使用する
制限分析によって検査されうる。次いで、本発明の組換
えCEA糖蛋白質誘導体をコードする組換えcDNA
は、真核性細胞においてcDNAを発現するために適切
なベクター中に再クローニングされうる。このようなベ
クターの例は、下記の例において引用される真核性発現
ベクターpRc/CMVである。このベクターpRc/
CMVは、本質的CMVプロモーターの制御下で挿入遺
伝子の高水準の安定な発現のために設計されている。該
ベクターは、牛成長ホルモンポリアデニル化シグナルお
よびSV40初期プロモーターから発現されるネオマイ
シン耐性遺伝子を含んでいる。最終的構築物の正確さ
は、制限分析により証明されうる。本発明の組換えCE
A糖蛋白質誘導体をコードする組換えcDNAの3’末
端の正確さは、配列決定によって確認されうる。
【0044】本発明の組換えCEA糖蛋白質誘導体をコ
ードする組換えcDNAおよびネオマイシン耐性遺伝子
を含んでなるベクターは、好ましくは、カルシウムホス
フェート法によるトランスフェクションを使用して、ヒ
ト結腸癌細胞系CO115(Mach J.P.ら[1
974]の前出文献;Carrel S.等[197
6]の前出文献)由来のサブクローンまたはラット結腸
癌細胞系PROb(Caignard A.等[198
5]の前出文献)由来のサブクローン等のCEA−ネガ
ティブ細胞に導入される。
【0045】本発明の組換えCEA糖蛋白質誘導体をコ
ードする組換えcDNAの挿入のために使用される宿主
細胞に依存して、形質転換された宿主細胞は、完全長C
EA蛋白質をコードするcDNAによって形質転換され
た宿主細胞よりも約50−100倍多くのCEAを脱離
させることが見いだされた。従って、例えば本発明の組
換えCEA糖蛋白質誘導体をコードする組換えcDNA
によって形質転換されたヒト結腸癌細胞系CO115由
来のサブクローンは、約7.7−13.6マイクログラ
ムCEA/106 細胞/72時間を分泌することが見い
だされた。同じ条件下において、高水準のCEA発現性
を有するものとして知られているトランスフェクトされ
ないヒト結腸癌細胞系は、約50−300倍少ないCE
Aを脱離させた。より正確には、細胞系CO112(M
ach J.P.ら[1974]の前出文献)は、約
0.045マイクログラムCEA/106 細胞/72時
間を脱離させ、また細胞系LS174T(Rutzky
L.P.,Kaya C.I.,Siciliano
M.J.,Chao M.およびKahan B.
D.“培養ヒト結腸腺癌細胞系LS180およびLS1
74Tの縦方向の核型および遺伝的特徴の分析”,Ca
ncer Res.40,1443−1448[198
0])は、0.128マイクログラムCEA/106 細
胞/72時間を脱離させた。
【0046】本発明の組換えCEA糖蛋白質誘導体をコ
ードする組換えcDNAにてトランスフェクトされたP
RObラット癌クローンは、0.61−0.99マイク
ログラムCEA/106 細胞/72時間を分泌した。完
全長CEA−cDNAをトランスフェクトされた同じP
ROb細胞から選択されたクローンは、最大でも0.0
15マイクログラムCEA/106 細胞/72時間を脱
離するのみであった(Pelegrin A.,Ter
skikh A.,Hayoz D.,Chaland
on Y.,Olsson N.O.,Folli
S.,Buchegger F.,Kromer
B.,Schwarz K.,MartinM.,Ma
rtin F.およびMach J.P.“ラット癌細
胞内にて発現されるヒトガン胎児性抗原cDNAは、ヌ
ードラットにおける抗体の腫瘍局在化標的抗原として、
および同系ラットにおける拒絶抗原として機能しう
る”,Int.J.Cancer 52,110−11
9[1982])。従って、C−末端領域を欠失するC
EA−cDNAによるラット結腸癌PRObのトランス
フェクションは、完全長のCEA−cDNAでトランス
フェクトされた同じ細胞系由来のクローンに比べて50
倍高いCEA分泌を生じた。
【0047】上記の結果は、ヒト細胞およびラット細胞
によって分泌される本発明の組換えCEA糖蛋白質誘導
体(rCEA)の量の間に差異があることを示してい
る。転写および転写後の制御機構が、結腸癌におけるC
EA遺伝子の発現を制御することが以前提案されている
(Hauck W.およびStanners C.P.
“分化する結腸癌細胞系、Caco−2におけるガン胎
児性抗原遺伝子族の発現制御”Cancer Res.
51,3526−3533[1991])。トランスフ
ェクションに使用されたDNA構築物の同等性からみ
て、rCEAの低い分泌率は、2つの種間の転写後制御
の差異に起因するのであろう。
【0048】トランスフェクト細胞により発現されるC
EAの大きさは、ウエスタンブロットにより分析されう
る(Towbin H.,Staehelin T.お
よびGordon J.“ポリアクリルアミドゲルから
ニトロセルロースシートへの蛋白質の電気泳動的移送:
方法およびいくつかの応用”Proc.Natl.Ac
ad.Sci.USA 76,4350−4354[1
979])。このような分析は次のように行われる:細
胞培養上澄を、SDS−ポリアクリルアミドゲル、好ま
しくは7.5−15%線形勾配のSDS−ポリアクリル
アミドゲルにて電気泳動的に分離する。次いでCEA蛋
白質上の主要なエピトープを認識する抗体を使用して、
イムノブロットが行われる。この目的のために、好まし
くは 125I−標識抗−CEAモノクローナル抗体(MA
bs)のプールが使用される。典型的な例のおいて、下
記に例示されるrCEA cDNA−トランスフェクト
CO115ヒト結腸癌は、約200kDaのrCEAを
産生した。これは、ヒト結腸癌LS174Tにより産生
されるCEA蛋白質の大きさに対応する。PRObラッ
ト結腸癌にトランスフェクトした場合、同じrCEA
cDNAは、完全長CEA cDNAをPRObラット
癌細胞にトランスフェクトした場合と同様に低分子量
(約144kDa)を有するrCEAを産生する(Pe
legrin等の[1992]前出文献])。
【0049】本発明の組換えCEA糖蛋白質誘導体をコ
ードする組換えcDNAによって形質転換された宿主細
胞により産生される 125I−標識精製rCEAのエピト
ープ特徴付けは、セファロースTMに固定化された異なる
抗CEA MAbに対する前記rCEAの結合を試験す
ることによって行われうる。本発明の組換えCEA糖蛋
白質誘導体をコードする組換えcDNAにて形質転換さ
れたヒト結腸癌CO115細胞を使用する典型的な実験
において、CEA分子の5個の主要なエピトープLD1
〜5(Hammarstrom等[1989]前出文
献)について65%〜88%の範囲の結合値が見いださ
れた(下記の例参照)。このような結合値は、ヒト腫瘍
から精製される 125I−標識CEAを用いて得られる結
合値と公的に対比される。
【0050】従って、本発明は、疎水性C−末端領域を
コードする領域が除去された組換えCEA cDNAク
ローンのヒトおよびラット癌細胞へのトランスフェクシ
ョンが、完全に抗原性のrCEA分子の培地中への大量
分泌を生じることを示すものである。上述したようにC
EAは、通常、ホスファチジルイノシトール−グリカン
(PI−G)によって細胞膜に固定化され、PI−特異
的ホスフォリパーゼによって膜から切断された後にのみ
培養細胞の培地中または癌患者の血清中に脱離するであ
ろう。本発明の組換えCEA糖蛋白質誘導体は、C−末
端疎水性尾部を欠失している。従って、PI−G固定化
されず、直接に細胞外空間に分泌される。該CEA糖蛋
白質の疎水性領域の欠失は、ヒトまたはラット癌におい
て、CEAの細胞表面に向けての輸送に影響を与えるこ
となく、単に細胞表面への固定化を阻害するのみである
ことが見いだされた。本発明の組換えCEA糖蛋白質誘
導体は、5個の良く特徴付けられたエピトープGOLD
1−5を認識する。
【0051】ウエスタンブロット分析は、驚くべきこと
にトランスフェクトされたラット結腸癌から分泌された
rCEAは、ヒト結腸癌から単離された対照CEAの分
子量(約200kDa)よりも低い分子量(約144k
Da)を有する。このことは、完全長CEA cDNA
でトランスフェクトされたラット結腸癌細胞により産生
されるCEAが、PI−PLCによる切断後に同様な低
分子量を有するという観察に一致する(Pelegri
n等[1992]前出文献)。完全長CEA遺伝子でト
ランスフェクトされた異種細胞において発現された異常
な分子量を有するCEA分子は、マウスL−細胞および
モルモット卵巣細胞において観察された(Hefta等
1990)。全ヒトDNAによりトランスフェクトされ
たL−細胞で同定される分子は、トランスフェクトされ
たハムスター細胞で同定されるもの(180kDa)よ
りも低い分子量(150kDa)を有していた。不完全
なグリコシル化は、完全長CEA cDNAまたは切断
CEA cDNAのいずれによりトランスフェクトされ
たラット結腸癌細胞により発現されるCEA分子の低い
分子量について原因となるものと思われる。
【0052】本発明は、以下の例および図を参照してよ
り容易に理解されるであろう。図の内容は以下の通りで
ある。
【0053】図1:本発明による例示的組換え切断CE
A cDNAの構築の模式的概略。ブラックボックス
は、削除される疎水性領域を示す。ホスホリル化末端
は、Pにより示されている。
【0054】図2:異なるクローンおよび対照細胞系に
よるCEA分泌。CO115は、ヒト結腸癌細胞系のC
EA−ネガティブクローン;2C2,1D6,2B12
は、切断CEA−cDNA CO115誘導トランスフ
ェクタント;CO112,LS174Tは、高CEA−
発現ヒト結腸癌細胞系;PRObは、ラット結腸癌細胞
系;1H5,1A8,1G7は、切断CEA−cDNA
PROb誘導トランスフェクタント;3G7/2C1
1は、完全長CEA−cDNA PROb誘導トランス
フェクタント(Pelegrin等[1991]前
出)。
【0055】図3:異なるクローンおよび対照細胞系由
来のCEAのウエスタンブロット分析。細胞培養上澄
は、CEA−分泌クローンについて直接に、あるいは、
他の細胞系についてPI−PLCによる細胞の処理後に
操作された。LS174Tは、高CEA−発現ヒト結腸
癌細胞系;CO115は、ヒト結腸癌細胞系のCEA−
ネガティブクローン;2C2,1D6,2B12は、切
断CEA−cDNA CO115誘導トランスフェクタ
ント;PRObは、ラット結腸癌細胞系;3G7/2C
11は、完全長CEA−cDNA PROb誘導トラン
スフェクタント(Pelegrin等[1991]前
出);1H5,1A8,1G7は、切断CEA−cDN
A PROb誘導トランスフェクタント。
【0056】図4:異なるCEAエピトープに対する固
定化MAbへの 125I対照CEA(□)および 125I−
rCEA(■)の結合。約5ngのCEAを、セファロ
ースTMに共有的に結合したそれぞれ5マイクログラムの
5種類の抗−CEA MAbと共に25℃にて16時間
インキュベートした。
【0057】
【実施例】別途特定しない限り、下記の百分率は、固体
中の固体混合物、液体中の液体、液体中の固体につい
て、それぞれwt/wt、vol/volおよびwt/
volに基ずく。更に別途特定しない限り完全長CEA
−cDNAを含み試薬の供給者、並びに下記の装置は、
強制的なものでない。当業者は、他の供給者から同様な
試薬または装置を選択することが出来る。
【0058】CEAの疎水性尾部をコードする領域の削
除 完全長のCEA cDNAを固有のHind IIIおよび
XbaI部位の間に含むBluescriptTM(KS
+)ベクター(Zimmermann W.,Webe
r B.,Ortlieb B.,Rudert
F.,Schempp W.,Fiebig H.,S
hively J.E.,von Kleist S.
およびThompson J.A.“ガン胎児性抗原遺
伝子のクロモゾーム局在化および種々の腫瘍における特
異的発現”Cancer Res.48,2550−2
554[1988];Pelegrin等[1992]
前出)を、エンドヌクレアーゼBsu36I(Boeh
ringer,Mannheim,Germany)を
用いて消化し、アルカリホスファターゼ(Boehri
nger)にて脱ホスホリル化した。XbaI(Pha
rmacia,Uppsala,Sweden)を用い
る第2の消化は、0.8Kbおよび0.4Kbの2個の
断片を生じ、これらを分離し、1%アガロースゲルから
電気溶出した(図1、工程1参照)。
【0059】第3のCEA反復の最後の43塩基対の両
鎖をコードする2種類のオリゴヌクレオチド、すなわち
JPM1 5’−GGCCGCAATAATTCCATAGTCA
AGAGCATCACAGTCTCTGCATAGT−
3’[SEQ ID NO:3] およびJPM2 5’−CTAGACTATGCAGAGACTGTGA
TGCTCTTGACTATGGAATTATTGC−
3’[SEQ ID NO:4] を、それぞれ市販のDNA合成装置で合成した。該オリ
ゴヌクレオチドを、セファデックスTMNAP−25カラ
ム(Pharmacia)を通して精製し、凍結乾燥
し、0.1mMのEDTAを含む10mMトリス−HC
l緩衝溶液pH7.6に溶解した。
【0060】ゲル精製およびアニーリングの後、該合成
オリゴヌクレオチドは、EaeIから下流の成熟蛋白質
に見いだされる最後のアミノ酸のコドンまでの第3のC
EA反復の43bpを含む合成二重鎖を形成する。これ
にTAG停止コドン、および3’末端を形成するXba
I粘着末端が続き、一方5’末端は、EaeI粘着末端
を有する。
【0061】該二重鎖は、1mMATP中で8℃にて一
夜インキュベートすることにより大型の4.6Kb断片
のXbaI部位に連結される(図1、工程2参照)。該
反応混合物を、合成二重鎖と連結された4.6Kb断片
を過剰量の遊離の二重鎖から精製するために1%アガロ
ースゲルで分離した。
【0062】0.8Kb断片を、EaeI(Boehr
inger)にて消化し(図1、工程3参照)、該DN
A混合物を合成二重鎖と連結した4.6Kb断片と連結
した(図1、工程4参照)。ポリヌクレオチドキナーゼ
4(Pharmacia)にてBsu36I部位をホス
ホリル化した後、該構築物を環状化し、これをE.co
li株XL1−blue(Stratagene Cl
oning Systems,La Jolla,Ca
lifornia)にトランスフェクトした。個々のク
ローンを、StyIおよびEaeIエンドヌクレアーゼ
を用いる制限にて分析した。選択されたクローンからの
DNAを増幅し、単離した。組換えCEA cDNAを
Hind IIIおよびXbaIエンドヌクレアーゼを用い
た二重消化により切断し、pRc/CMV発現ベクター
(Invitrogene,San Diego,Ca
lifornia)中にクローン化した。
【0063】更に個々のクローンを制限エンドヌクレア
ーゼStyIおよびEaeIにて調節した。選択された
クローンからのDNAを増幅、および単離し、合成二重
鎖により形成される46bp領域を含む組換えCEA
cDNAの3’末端からの約200ヌクレオチドを、T
7およびSP6プライマーを使用してUSB Sequ
encingキット(USB,Cleveland,O
hio)にて配列決定した。
【0064】細胞培養およびトランスフェクション ヒト結腸癌細胞系CO115は、公知の方法に従って株
化された(Mach等[1974]前出;Carrel
等[1976])。PRObと称されるラット結腸癌細
胞系DHD/K12/TRbは、同系BDIXラットに
おいて1,2−ジメチルヒドラジンにより誘発された移
植可能な結腸腺癌から株化された細胞系から選択された
サブクローンである(Martin F.,Caign
ardA.,Jeannin J.F.,Lecler
c A.およびMartinM.“進行性または退行性
腫瘍を形成するラット結腸癌細胞の2種の準系のトリプ
シンによる選択”,Int.J.Cancer,32,
623−627[1983])。PRObサブクローン
は、Berlin Druckrey IX/Orl
(BDIX)株のラット(Caignard等[198
5]前出)において、進行性腫瘍を誘発することが示さ
れている。ヒトおよびラット細胞系は、10%ウシ胎児
性血清(FCS)を補充したRPMI1640およびD
ulbeccoF12培地にそれぞれ維持された。リン
酸カルシウムを用いて3マイクログラムのDNAを沈殿
させ(Mammalian Transfection
Kit,Stratagene,La Jolla,
California)、10%FCSを含む10ml
の培養培地中で約3x106 の単融合付着癌細胞と共に
16時間インキュベートした。培地を除去し、次いで1
0mlの新たな培養培地を添加した。更に24時間イン
キュベートし、細胞を回収し、96穴マイクロタイター
プレートに分配し、ネオマイシン類似物G418(Gi
bco,Paisley,Scotland)を200
マイクログラム/mlの濃度で添加する前に24時間生
育させた。各ウエルからの上澄をCEAの分泌について
ELISAによりスクリーニングした(Buchegg
er F.,MettrauxC.,Accolla
R.S.,Carrel S.およびMachJ.P.
“ガン胎児性抗原(CEA)の異なるエピトープに対す
る3種のモノクローナル抗体を使用するサンドイッチ酵
素免疫アッセイ”,Immunol.Lett.5,8
5−91[1982])。
【0065】モノクローナル抗体 MAb B93、35、B17、およびCE25は、C
EAにたいして特異的である。それらは交差反応性抗原
にも顆粒球にも結合しない(Buchegger
F.,Pelegrin A.,Delaloye
B.,Bischof−Delaloye A.および
Mach J.P.“ 131I 標識F(ab’)2はヌ
ードマウスにおける大型ヒト結腸癌移植片の放射免疫治
療において完全な抗CEA抗体より効果的かつ非毒性で
ある”,J.Nucl.Med.31,1035−10
44[1984])。MAb192は、非特異的交差反
応性抗原(NCA)と交差反応する抗CEA抗体である
(Buchegger F.,Schreyer
M.,Carrel S.およびMach J.P.
“モノクローナル抗体は、抗原性および組織分配におい
て先に記述した55kDのNCAと区別される95kD
のCEA交差反応性抗原(NCA−95)を同定す
る”,Int.J.Cancer 33,643−64
9[1984])。5種のMAb(B93、35、B1
7、CE25および192)は、CEA分子上の最近同
定されたGold1−5エピトープの一つと特異的に反
応する(Hammarstrom等[1989]前
出)。
【0066】CEA産生のアッセイ CEA cDNAトランスフェクトヒトまたはラット癌
クローン由来、または非トランスフェクトヒト結腸癌由
来の同数の細胞(5x105 )を、10%FCS RP
MI培地中で24穴培養プレート(Falcon,Be
cton Dickinson,USA)の各ウエルに
添加した。18時間後、完全培地を1mlの血清非含有
培地に置き換え、これはCEA分泌を阻害することなく
細胞増殖を顕著に低減した。上澄を回収し、次いで更に
72時間インキュベートした。上澄中のCEAの量を、
3種の抗−CEA MAbを使用して、酵素結合免疫吸
着アッセイ(ELISA)により測定した(Buche
gger等[1982]前出)。
【0067】CEA精製および 125Iによる標識 rCEAを、血清非含有培養上澄から、MAb B17
を固定化したセファロースTMを容れた免疫吸着剤カラム
にてアフィニティ精製した。50mlの血清非含有培養
上澄のバッチを4mgのB17 MAbを含む2mlの
セファロースTMカラムに流速2ml/時にてかけた。結
合したCEAをH2 O中の3Mアンモニウムチオシアネ
ートを用いてカラムから溶離させ、直ちに0.1Mトリ
ス緩衝溶液pH7.4に対して透析した。
【0068】CEAを肝臓転移から、過塩素酸法を用い
て抽出した(Krupey J.,Wilson
T.,Freedman S.O.およびGold
P.“大量腫瘍組織殻のヒト消化系の精製ガン胎児性抗
原の調製”Immunochem.9,617−622
[1972];Fritsche R.およびMach
J.P.“正常人結腸粘液から抽出したガン胎児性抗
原(CEA)の単離および特徴付け”Immunoch
em.14,119−127[1977])。略述すれ
ば、1容の組織を3容の0.03Mリン酸緩衝液、pH
7.0に、Sorvall Omnimixer(So
rvall,Newton,CT,USA)中で4℃に
て10分間、8000rpmにてホモジナイズした。粗
製のホモジネートを0.6Mの過塩素酸にて20分間抽
出し、10,000rpmにて10分間遠心分離した。
上澄を脱イオン水に対して透析し、凍結乾燥し、トリス
緩衝溶液に溶解させ、セファデックスTMG−200カラ
ム、次いでセファロースTM6Bカラム上でゲル濾過して
精製した。
【0069】20マイクログラムの精製CEAおよびr
CEAのバッチを、クロラミンT法を用いて1mCiの
125Iにて標識した。ヨウ素の取り込みは、約30−4
0%であった。 125I- 標識CEAおよびrCEAを、
セファデックスTMG−200カラム上でのゲル濾過にて
更に精製した。
【0070】エピトープの特徴付け CEA分子上の異なるエピトープを、直接結合アッセイ
により分析した。約5ngの 125I−CEAを、CNB
r−セファロースTM(Pharmacia)に結合され
たそれぞれ5マイクログラムの5種の抗−CEA MA
bと共に25℃にて16時間インキュベートした。特異
的結合の百分率を、MAbに結合した放射能を測定する
ことにより決定した。 125I−CEAの非特異的結合
を、セファロースTMに結合された無関係なIgGを用い
て同様にインキュベートすることにより測定した。
【0071】ウエスタンブロット分析 rCEAを分泌する選択されたトランスフェクトクロー
ン由来の細胞培養物上澄を、更に処理することなくウエ
スタンブロットにて分析した。膜結合CEAを合成する
対照の非トランスフェクトヒト結腸癌細胞(5−10x
106 )を、0.5−1.0単位のホスファチジルイノ
シトール特異的ホスフォリパーゼC(PI−PLC)
(Boehringer Mannheim,Germ
any)を用いて1mg/mlのBSAおよび20mM
のEDTAを含むRPMI培地中で37℃にて1時間処
理した。
【0072】約100ngのCEAを含む細胞培養上澄
の試料を、7.5−15%の線形勾配のSDS−PAG
Eゲル上で走らせ、ニトロセルロース膜(Millip
ore,Bedford,MA)に移した。ビオチン化
SDS−PAGE標準(Bio−Rad,Richmo
nd,CA)を分子量決定のために使用した。膜を、4
種の 125I−標識抗CEA MAb(35,CE25,
B93およびB17)並びに 125I−標識アビジンのプ
ールを用いて、4℃にて一夜インキュベートし、次いで
オートラジオグラフィにかけた。
【0073】
【配列表】
配列番号:1 (i)配列の特徴 (A)配列の長さ:642 (B)配列の型:アミノ酸 (C)鎖の数:単鎖 (D)トポロジー:unknown (ii)分子型:蛋白質 (iii )ハイポセティカル:NO (iii )アンチセンス:NO (v )断片の型:C−末端 (vi)起源 (A)生物名:ホモサピエンス (xi)配列:SEQ ID NO:1
【表1】
【表2】
【表3】
【0074】配列番号:2 (i)配列の特徴 (A)配列の長さ:2031 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:二本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (i)分子型:DNA(Genomic) (iii)ハイポセティカル:NO (iii)アンチセンス:NO (vi)起源 (A)生物名:ホモサピエンス (xi)配列:SEQ ID NO:2
【表4】
【表5】
【0075】配列番号:3 (i)配列の特徴 (A)配列の長さ:46 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:単鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii)分子型:cDNA (iii)ハイポセティカル:NO (iii)アンチセンス:NO (vi)起源 (A)生物名:ホモサピエンス (xi)配列:SEQ ID NO:3
【表6】
【0076】配列番号:4 (A)配列の長さ:46 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:単鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii)分子型:cDNA (iii)ハイポセティカル:NO (iii)アンチセンス:NO (vi)起源 (A)生物名:ホモサピエンス (xi)配列:SEQ ID NO:4
【表7】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による例示的組換え切断CEA cDN
Aの構築の模式図である。ブラックボックスは、削除さ
れる疎水性領域を示す。ホスホリル化末端は、Pにより
示されている。
【図2】異なるクローンおよび対照細胞系によるCEA
分泌を表すグラフである。CO115は、ヒト結腸癌細
胞系のCEA−ネガティブクローン;2C2,1D6,
2B12は、切断CEA−cDNA CO115誘導ト
ランスフェクタント;CO112,LS174Tは、高
CEA−発現ヒト結腸癌細胞系;PRObは、ラット結
腸癌細胞系;1H5,1A8,1G7は、切断CEA−
cDNA PROb誘導トランスフェクタント;3G7
/2C11は、完全長CEA−cDNAPROb誘導ト
ランスフェクタント(Pelegrin等[1991]
前出)
【図3】異なるクローンおよび対照細胞系由来のCEA
のウエスタンブロット分析を示す図である。細胞培養上
澄は、CEA−分泌クローンについて直接に、あるい
は、他の細胞系についてPI−PLCによる細胞の処理
後に操作された。LS174Tは、高CEA−発現ヒト
結腸癌細胞系;CO115は、ヒト結腸癌細胞系のCE
A−ネガティブクローン;2C2,1D6,2B12
は、切断CEA−cDNA CO115誘導トランスフ
ェクタント;PRObは、ラット結腸癌細胞系;3G7
/2C11は、完全長CEA−cDNA PROb誘導
トランスフェクタント(Pelegrin等[199
1]前出);1H5,1A8,1G7は、切断CEA−
cDNA PROb誘導トランスフェクタント。
【図4】異なるCEAエピトープに対する固定化MAb
への 125I対照CEA(□)および 125I−rCEA
(■)の結合を示すグラフである。約5ngのCEA
を、セファロースTMに共有的に結合したそれぞれ5マイ
クログラムの5種類の抗−CEA MAbと共に25℃
にて16時間インキュベートした。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07K 15/14 8318−4H C12N 5/10 15/12 C12P 21/02 C 8214−4B G01N 33/53 D 8310−2J 33/574 E 8310−2J //(C12P 21/02 C12R 1:91) (72)発明者 アンドレ ペルグラン フランス国モントプリエ,スクアル ミュ リロ,フォンテン サン.クレマン 10 (72)発明者 ジャン − ピエール マシュ スイス国ローザンヌ,アヴニュ ドゥ ヴ ァルモン 20

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)交差反応性CEA様抗原類を含ま
    ない;(b)腫瘍細胞から脱離するCEAの可溶性形態
    とは抗原的に区別されない;および(c)エタノールア
    ミン欠損を特徴とする組換えCEA糖蛋白質誘導体。
  2. 【請求項2】 配列番号1[SEQ ID NO:1]
    のアミノ酸配列を有するか、またはその対立遺伝子変異
    物もしくは機能的同等物である請求項1に記載の組換え
    CEA糖蛋白質誘導体。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の組換えCEA
    糖蛋白質誘導体をコードするDNA。
  4. 【請求項4】 配列番号2[SEQ ID NO:2]
    のヌクレオチド配列の全部もしくは一部を有する請求項
    1または2に記載の組換えCEA糖蛋白質誘導体をコー
    ドするDNA、またはその機能的同等物。
  5. 【請求項5】 請求項1または2に記載の組換えCEA
    糖蛋白質誘導体をコードするヌクレオチド配列を有する
    DNAを含み、適合する宿主細胞内で前記DNAの発現
    を支配可能である組換えベクター。
  6. 【請求項6】 請求項1または2に記載の組換えCEA
    糖蛋白質誘導体をコードするヌクレオチド配列を有する
    DNAを含む組換えベクターを含んでなり、前記DNA
    の発現を支配可能である形質転換宿主細胞。
  7. 【請求項7】 診断目的のための請求項1または2に記
    載の組換えCEA糖蛋白質誘導体。
  8. 【請求項8】 請求項1または2に記載の組換えCEA
    糖蛋白質誘導体および不活性担体物質を含んでなる新生
    物疾患診断用試薬。
  9. 【請求項9】 請求の範囲1または2に記載の組換えC
    EA糖蛋白質誘導体の製造に際し、(a)ヌクレオチド
    配列[SEQ ID NO:2]またはその同等な配列
    等の前記組換えCEA糖蛋白質誘導体をコードするヌク
    レオチド配列を有するDNAを含む組換えベクターを含
    む宿主細胞を、該DNA換えベクターを含む宿主細胞が
    発現される条件下で培養し;および(b)該培養物から
    該宿主細胞によって産生される該組換えCEA糖蛋白質
    誘導体を単離することを含んでなる、組換えCEA導体
    を単離することを含んでなる、組換え糖蛋白質誘導体の
    製造方法。
  10. 【請求項10】 請求の範囲1または2に記載の組換え
    CEA糖蛋白質誘導体をコードするヌクレオチド配列を
    有するDNAを含む組換えベクターの製造に際し、
    (a)組換えCEA糖蛋白質誘導体をコードするヌクレ
    オチド配列を有するDNAをベクターに挿入し;(b)
    前記ベクターを宿主細胞内にて複製させ;および(c)
    該組換えベクターを宿主細胞から単離することを含んで
    なる、組換えベクターの製造方法。
  11. 【請求項11】 請求の範囲1または2に記載の組換え
    CEA糖蛋白質誘導体を、不活性担体物質と混合するこ
    とを含んでなる、生物学的試料中の新生物性疾患の診断
    用試薬の製造方法。
  12. 【請求項12】 生物学的試料中のCEA濃度を、請求
    の範囲1または2に記載の組換えCEA糖蛋白質誘導体
    を使用してイムノアッセイにて測定することを含んでな
    る、生物学的試料中の新生物性疾患の診断方法。
  13. 【請求項13】 請求項9に記載の製造方法により製造
    される請求項1または2に記載の組換えCEA糖蛋白質
    誘導体。
  14. 【請求項14】 請求項10に記載の製造方法により製
    造される請求項1または2に記載の組換えCEA糖蛋白
    質誘導体をコードするヌクレオチド配列を有するDNA
    を含んでなる組換えベクター。
  15. 【請求項15】 容器中に請求項1または2に記載の組
    換えCEA糖蛋白質を、必要に応じて不活性担体物質と
    の組み合わせにおいて含み、および必要に応じてCEA
    に対するモノクローナルまたはポリクローナル抗体を含
    んでなる、新生物性疾患診断用テストキット。
JP6053936A 1993-03-25 1994-03-24 Cea誘導体 Pending JPH06321992A (ja)

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AT938102142 1993-03-25

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EP0618292A1 (en) 1994-10-05
CA2116640A1 (en) 1994-09-26
US5672513A (en) 1997-09-30

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