JPH06309730A - 磁気記録再生装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 テープカセットを装着させる時に、リール台
をテープを巻取る方向に回転させ、テープのたるみをと
ることを目的とする。 【構成】 テープカセット１が挿入保持されるカセット
ホルダー２は、取付板４ａの支軸４ｂを中心に回動自在
に軸支されたリンクアーム３によって、装着位置および
取り出し位置間に亘って上昇下降させられる。一方リン
クアーム３の他端は連結部材５を介してリール駆動ロッ
ド６に連結されている。リール駆動ロッド６の片端には
ラックギア６ａがきられ、リール台７に適当なスリップ
トルクを発生させるフェルト８を介して取り付けられた
リールギア９と係合している。リールブレーキ１１は磁
気テープがたるむ方向に対して食い込み力が作用し、そ
の逆の方向に対しては逃げ力が作用するよう取り付けら
れた構成を有している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、テープカセットを装置
本体に装着させるカセットアップを有するビデオテープ
レコーダ（以下ＶＴＲと呼ぶ）などの磁気記録再生装置
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、ＶＴＲにおいては、その記録媒体
としてカセットケースに収納された磁気テープを使用す
るのが一般的であり、このようなＶＴＲには、通常、所
定のテープカセットを保持した状態で装置本体に装着す
るためのテープカセット装着装置（カセットアップ）が
備えられており、いわゆるポップアップ式のものが多く
用いられている。またテープカセットには磁気テープを
保護する目的で付けられた回動可能なリッドがあり、装
置本体に装着時にこのリッドを開いて使用することにな
る。

【０００３】図３はテープカセットとリール台の噛み合
い時の一部断面図であり、テープカセット１の内部には
磁気テープ１０が巻かれたリール１２があり、装置本体
４のリール台９と嵌合する。１３ａおよび１３ｂはリッ
ド１３を構成する前リッドおよび後リッドであり、閉じ
ているときは磁気テープ１０をカバーするようにはさみ
こむ。

【０００４】ここでテープカセット１をリール台９に装
着させた直後にテープのたるみが発生し、テープカセッ
ト本体から磁気テープがはみ出したときに、カセットア
ップが上昇するとこのリッド１３でテープ噛みを起こ
し、テープダメージという磁気記録再生装置として致命
的な問題が生ずる。このような問題点を改善するための
工夫がいろいろなされている。

【０００５】例えば特開平０２−２０１７５７号公報
「カセットテープのたるみ防止装置」にあるように、リ
ール台に強制ブレーキ機構を設けることにより、テープ
カセットの装着時および離脱時でのテープのたるみを改
善する方法の提案がなされている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従
来の構成ではカセットアップを下降させていき、テープ
カセットをリール台に装着させた直後、すなわちテープ
カセット内のリールと装置本体のリール台との嵌合が始
まる点で、リールハブの爪とリール台の爪との噛み合い
の位相差がある場合、わずかにテープカセットのリール
が回転しテープがたるんだ状態となる。このときなんら
かの原因でカセットアップが確実に装置本体に装着され
ずに上昇した場合に、リッドでテープ噛みを起こしテー
プダメージを引き起こすという問題点を有していた。

【０００７】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、テープカセットとカセットホルダーを装置本体に装
着させる時に、テープのたるみが発生した場合に、テー
プのたるみをとることができるカセットアップを有する
磁気記録再生装置を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の磁気記録再生装置は、リール台に取り付けら
れた摩擦部材と、カセットホルダーのカセット装着動作
およびカセット取り出し動作の動きを前記摩擦部材を介
して回転トルクに変換してそれを前記リール台に与える
動き伝達手段と、前記リール台に設けられたブレーキ部
材とを有し、前記ブレーキ部材は前記カセットホルダー
がカセット装着動作、およびカセット取り出し動作を行
うときに前記リール台に当接されると共に、前記ブレー
キ部材のブレーキトルクは磁気テープを巻き取る回転方
向に対しては前記回転トルクよりも小さくなるように、
またその逆の回転方向に対しては前記回転トルクよりも
大きくなるように設定されたことを備えた構成を有して
いる。

【０００９】

【作用】本発明は上記した構成により、カセット装着動
作時に、リール台をテープを巻取る方向に回転させ、テ
ープのたるみをとることができる。

【００１０】

【実施例】以下本発明の一実施例について、図面を参照
しながら説明する。

【００１１】図１は本発明の一実施例における磁気記録
再生装置のカセットホルダーがテープカセット取り出し
位置にある状態の部分断面図、図２はカセットホルダー
が装着位置にある状態の部分断面図を示すものであり、
共に（ａ）は平面図、（ｂ）は側面図である。

【００１２】図１および図２において、磁気テープ１０
が巻かれているテープカセット１が挿入保持されるカセ
ットホルダー２は、装置本体４に固定された取付板４ａ
の支軸４ｂを中心に回動自在に軸支されたリンクアーム
３によって、装着位置および取り出し位置間に亘って上
昇下降させられる。一方リンクアーム３の他端は装置本
体４上にて回動する連結部材５を介してリール駆動ロッ
ド６に連結されている。リール駆動ロッド６の片端には
ラックギア６ａがきられている。７はリール台であり、
摩擦部材として適当なスリップトルクを発生させるフェ
ルト８を介して取り付けられたリールギア９を有する。
１１はリールブレーキであり、カセットアップが上昇下
降する間は磁気テープ１０がたるむ方向に食い込み力が
作用し、巻き取る方向に逃げ力が作用するよう取り付け
られている。

【００１３】以上のように構成された本実施例の磁気記
録再生装置について、以下その動作を説明する。

【００１４】図１において、カセットアップを下降させ
ていくと、リンクアーム３に連動してリール駆動ロッド
６はＡ方向に移動する。ここでリール駆動ロッド６にき
られたラックギア６ａはリールギア９と噛み合ってお
り、リール台７を磁気テープ１０が巻き取られる方向に
回転させる。

【００１５】いまテープカセット１をリール台７に装着
させた直後、すなわちテープカセット内のリールと装置
本体のリール台との嵌合が始まる点で、リールハブの爪
とリール台の爪との噛み合いの位相差により、わずかに
テープカセットのリールが回転し、テープがたるんだ状
態となる場合において、フェルト８でのスリップトルク
をリールブレーキ１１の逃げ力より充分大きく取ること
により、確実にリール台７を回転させられ、磁気テープ
１０を巻き取ることができるため、テープのたるみの発
生は起こらない。従って、カセットアップが装置本体４
に装着される寸前に上昇した場合でもテープがたるまな
いため、テープダメージを引き起こすことが無くなる。

【００１６】カセットアップが装置本体４に装着された
ときは、図２に示すようにラックギア６ａとリールギア
９との噛み合いは外れるため、常時使用での負荷にはな
らない。カセットアップを上昇させていくと、再びラッ
クギア６ａとリールギア９との噛み合いが始まりテープ
がたるむ方向にリール台７は回転をしようとするが、フ
ェルト８でのスリップトルクをリールブレーキ１１の食
い込み力より小さく取ることによりリール台７の回転は
規制され、テープのたるみの発生は起こらない。

【００１７】以上のように本実施例によれば、カセット
アップの下降時にリンクアームと連動するリール駆動ロ
ッドのラックギアに係合するリールギアによりリール台
をテープを巻取る方向に回転させることによりテープの
たるみを取ることができ、テープカセット本体からテー
プがはみ出すこともなく、従って、テープカセットのリ
ッドでテープ噛みを起こすこともなくなる。

【００１８】

【発明の効果】以上のように本発明は、カセットホルダ
ーのカセット装着動作の動きをリール台に伝達して磁気
テープを巻取る回転トルクを与えることにより、テープ
カセットとカセットホルダーを装置本体に装着させる時
に、磁気テープのたるみをとることができるため、カセ
ットホルダーが確実に装着されずに上昇した場合でも、
テープ噛みなどのテープダメージを引き起こすことのな
い磁気記録再生装置を提供できるなどその実用的効果は
極めて高い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例における磁気記録再生装置の
カセットホルダーがテープカセット取り出し位置にある
状態の部分断面図

【図２】本発明の一実施例における磁気記録再生装置の
カセットホルダーが装着位置にある状態の部分断面図

【図３】テープカセットとリール台の噛み合い時の一部
断面図

【符号の説明】

１ テープカセット ２ カセットホルダー ３ リンクアーム ５ 連結部材 ６ リール駆動ロッド ７ リール台 ８ フェフト ９ リールギア １０ 磁気テープ １１ リールブレーキ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 カセット挿入位置で挿入されたテープカ
   セットをリール台に装着するカセット装着動作と前記リ
   ール台に装着された前記テープカセットを前記カセット
   挿入位置に取り出すカセット取り出し動作とを行うカセ
   ットホルダーを有する磁気記録再生装置であって、 前記リール台に取り付けられた摩擦部材と、前記カセッ
   トホルダーのカセット装着動作およびカセット取り出し
   動作の動きを前記摩擦部材を介して回転トルクに変換し
   てそれを前記リール台に与える動き伝達手段と、前記リ
   ール台に設けられたブレーキ部材とを有し、 前記ブレーキ部材は前記カセットホルダーがカセット装
   着動作およびカセット取り出し動作を行うときに前記リ
   ール台に当接されると共に、前記ブレーキ部材のブレー
   キトルクは前記テープカセット内に巻かれた磁気テープ
   を巻き取る回転方向に対しては前記回転トルクよりも小
   さくなるように、またその逆の回転方向に対しては前記
   回転トルクよりも大きくなるように設定されたことを特
   徴とする磁気記録再生装置。
2. 【請求項２】 動き伝達手段が、リール台に摩擦部材を
   介して取り付けられたリールギヤと、一端にラックギヤ
   を有しそれが前記リールギヤと噛合したリール駆動ロッ
   ドと、前記リール駆動ロッドとカセットホルダーとを連
   結する連結部材とを有することを特徴とする請求項１記
   載の磁気記録再生装置。
3. 【請求項３】 リール駆動ロッドのラックギヤはカセッ
   ト装着動作が完了した位置以外でリールギヤと噛合する
   ことを特徴とする請求項２記載の磁気記録再生装置。