JPH0630776A - Dna増幅方法及びdna増幅装置 - Google Patents

Dna増幅方法及びdna増幅装置

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JPH0630776A
JPH0630776A JP18511892A JP18511892A JPH0630776A JP H0630776 A JPH0630776 A JP H0630776A JP 18511892 A JP18511892 A JP 18511892A JP 18511892 A JP18511892 A JP 18511892A JP H0630776 A JPH0630776 A JP H0630776A
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reaction
dna
reaction tube
reaction solution
tube
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JP18511892A
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Inventor
Hideo Nakano
秀雄 中野
Tsuneo Yamane
恒夫 山根
Teruyuki Nagamune
輝行 長棟
Masabumi Youda
正文 養王田
Isao Endo
勲 遠藤
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RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
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RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
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Abstract

(57)【要約】 〔構成〕DNAポリメラーゼ、鋳型DNA、プライマー
DNA、及びdNTPを含む反応液を移動相として、例
えば94℃、55℃、及び73℃に調節された加熱部が外部に
設けられた反応管内を移動させる工程を含むPCR反応
方法を用いたDNA増幅方法及び該方法に使用するDN
A増幅装置。 〔効果〕極めて正確な加熱時間でPCR法行うことがで
き、加熱時間の遅れによる酵素の失活もなく、増幅効率
が低下することがない。蒸発防止用のオイルを使用する
必要もなく、多数の試料を用いて同時に増幅反応を行な
うことができるので有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、微量の遺伝子DNAを
効率よく増幅するポリメラーゼ連鎖反応法を用いたDN
A増幅方法に関する。さらに詳しくはDNAポリメラー
ゼ、鋳型DNA、プライマーDNA、及びdNTPを含
む反応液を移動相として反応管内を移動させるDNA増
幅方法及び該方法に使用する装置に関する。
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】微量な
DNAを効率的に増幅する方法として、ポリメラーゼ連
鎖反応法(polymerase chain reaction, PCR法) が知
られている(米国特許第 4,683,202号明細書)。この方
法は、目的のDNAを熱変性し、得られた1本鎖のDN
Aに2種類のプライマーをアニーリングし、その後、D
NAポリメラーゼを作用させて2本鎖DNAを合成し、
さらにこの2本鎖DNAを熱変性して1本鎖DNAを得
た後に、プライマーのアニーリング及びDNAポリメラ
ーゼによる相補的DNAの合成というサイクルを繰り返
すことにより、指数関数的に目的DNAを増幅させるこ
とができる方法である。PCR法は、一般的には約94℃
で2本鎖DNAを解離させる工程、プライマーを約55℃
でアニーリングする工程、及び耐熱性のDNAポリメラ
ーゼを使用して約72℃で相補鎖の複製を行う工程を含む
サイクルを繰り返すことにより行われる。従って、各工
程における温度及び反応時間の管理が重要である。
【0002】PCR法を自動的に行う装置として、反応
混合物を含むエッペンドルフ型サンプルチューブをアル
ミ製のブロックに設けられたウェルに挿入し、該アルミ
ブロックの温度をヒーターと冷却器を用いて変化させる
ことにより反応を行う装置が知られている(DNA Thermal
Cycler, Perkin-Elmer Cetus Instruments)。この装置
では、ヒートブロックとサンプルチューブの間の熱伝導
を促進するために、ウェルとサンプルチューブにより形
成される間隙にオイルを充填する等の工夫が施されてい
る。しかし、この手段によっても、ヒートブロックの温
度を変化させ始めてからサンプルチューブ内の反応液の
温度が目的温度に到達するまでに10ないし30秒程度
の遅れがあった。このため、この様な時間的遅れによっ
て変性過程(約94℃)の反応時間が延長され、酵素の失
活を招き、その結果増幅効率が低下してしまう問題があ
った。また、反応液の温度を水の沸点近くまで上昇させ
るため、水分の蒸発やサンプルチューブの蓋の内側での
水滴が形成されるので、これを防止するために、サンプ
ルチューブ内の反応液表面に蒸発防止用のオイルを積層
しておく必要があった。さらに、多数の試料を用いて増
幅反応を行なう場合には、各試料を別々のサンプルチュ
ーブに調製して反応させる必要があり、操作が煩雑であ
った。また、サンプルチューブを固定したバケットを3
つの異なる温度に設定された恒温槽に対して次々に機械
的に浸漬せしめるPCR装置が知られている(ThermalSe
quencer, Iwaki)。しかし、この反応装置は大がかりで
あるという欠点があった。
【0003】従って本発明は、上記の欠点のないポリメ
ラーゼ連鎖反応方法を用いたDNA増幅方法及び該方法
に使用する装置を提供することを目的とするものであ
る。
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決すべく鋭意努力した結果、ポリメラーゼ連鎖反応
反応を行うにあたり、DNAポリメラーゼ、鋳型DN
A、プライマーDNA、及びdNTPを含む反応液を移
動相として用い、外部に加熱部が設けられた反応管内を
移動させることにより、該反応液の反応温度及び反応時
間を厳密に調節することができ、効率よくポリメラーゼ
連鎖反応反応を行うことができることを見出し、本発明
を完成するに至った。すなわち本発明は、DNAポリメ
ラーゼ、鋳型DNA、プライマーDNA、及びdNTP
を含む反応液を移動相として外部に加熱部が設けられた
反応管内を移動させる工程を含むPCR反応方法を用い
たDNA増幅方法及び該方法に使用する装置を提供する
ものである。
【0004】本発明の方法に使用される反応液には、D
NAポリメラーゼ、鋳型DNA、プライマーDNA、及
びdNTPが含まれる。鋳型DNAは増幅の目的となる
DNAであり、天然型または非天然型のいずれのDNA
であってもよい。鋳型DNAは、当業者に自明の方法に
より、例えば細胞からSDSIプロテアーゼK処理により調
製される。また、コロニーから直接抽出したDNAを用
いることもできる。通常、鋳型DNAは約0.01〜100PM
、好ましくは0.1 〜10PMの濃度で使用すればよい。D
NAポリメラーゼとしては、DNA増幅に使用されるD
NAポリメラーゼとして当業者に自明ないかなるDNA
ポリメラーゼを使用してもよい。本発明の方法に好適に
使用されるDNAポリメラーゼとしては、耐熱性のDN
Aポリメラーゼを挙げることができる。例えば、耐熱酵
素の Tth(thermus thermophilus)ポリメラーゼ、Taq(th
ermus aquaticus)ポリメラーゼ等を使用することが好ま
しい。これらのDNAポリメラーゼは、通常10〜40U/m
l、好ましくは20U/mlの濃度で使用される。
【0005】プライマーDNAとしては、DNA増幅法
に使用できるプライマーDNAとして当業者に自明なも
のを使用すればよいが、例えば、20-mer程度の合成DN
Aを使用することができる。プライマーDNAは、例え
ば、約 100〜1,000 nM、好ましくは 200〜500 nMの濃度
で使用すればよい。プライマーDNAは、DNA自動合
成機を用ることにより必要に応じて当業者が容易に製造
できる。上記のDNAポリメラーゼ及びプライマーDN
Aは、本発明の方法を行うにあたり、増幅効率を最大に
すべく選択されることが好ましいが、このような選択は
当業者によれば容易になされることである。また、本明
細書において、dNTPはdATP、dGTP、dTT
P、及びdCTPの任意の割合の混合物であると定義さ
れるが、これら4種のヌクレオチドトリリン酸の等量混
合物を使用することが好ましい。例えば、反応液中に4
種のヌクレオチドトリリン酸が10〜100 μM の濃度で含
有されることが好ましい。さらに、本発明の方法に使用
される反応液は、以上の成分のほかに緩衝剤を含むこと
が好ましい。PCR法に用いられるDNAポリメラーゼ
は、一般に反応に使用される緩衝液の種類によって増幅
効率が異なるので、使用するDNAポリメラーゼの種類
に応じて、好適な緩衝剤を選択することが好ましい。D
NAポリメラーゼ、鋳型DNA、プライマーDNA、及
びdNTPの配合割合、及び緩衝剤の濃度は、目的に応
じて適宜調整すればよいが、このような調整は当業者に
より容易になされるものである。
【0006】本発明の方法は、上記の反応液中でPCR
反応を行うにあたり、この反応液を移動相として用い、
外部に加熱が設けられた反応管内を移動させることを特
徴とするDNA増幅方法である。本発明の方法に使用す
る反応管としては、反応管の内部で行われるPCR反応
に影響を与えない部材により形成されたものならば、い
かなるものを使用してもよい。例えば、テフロン、ポリ
エチレン、ガラス、ステンレス等により形成された反応
管を挙げることができる。反応管の内径は、0.02〜1 m
m、好ましくは0.05〜0.5 mmとすればよい。反応管の内
径は、一回に処理される反応液の容量に応じて適宜選択
すればよく、微小径の反応管を使用すれば微量のDNA
増幅反応を行うことができる。例えば、超微量の反応を
行う場合には、ガラスキャピラリーを反応管として使用
することができる。反応管の肉厚は、反応管の外側に設
置された加熱部から反応管内部の反応液への熱伝導が著
しく低下しない限り、いかなるものでもよい。従って、
反応管の外径は使用される部材の種類により異なるが、
一般には、0.1 〜2 mm、好ましくは0.2 〜1.5 mmとすれ
ばよい。テフロン製反応管を使用する場合には、好まし
くは内径0.3 〜0.7 mm、外径1.0 〜1.8 mm、特に好まし
くは内径0.5mm、外径1.5mmの反応管を使用すればよ
い。
【0007】該反応管内で上記の反応液を移動させるに
は、所定量の反応液を反応管内に導入した後に、空気、
窒素ガス、アルゴンガス等の気体流体、蒸留水や緩衝液
等の液体流体を反応管内に連続的に導入すればよい。該
流体を連続的に導入するにあたり、ペリスタポンプ、高
速液体クロマトグラフィー用ポンプ等が好適に使用され
る。反応液を反応管に導入するには、例えば高速液体ク
ロマトグラフィー用インジェクターを用いて、マイクロ
シリンジ等により行えばよい。また、反応管内で複数の
異なる反応液を連続的に処理する場合には、所定量の反
応液を反応管内に導入した後に、空気、窒素ガス、アル
ゴンガス等の気体流体やオイル等を導入し、さらに所定
量の反応液を導入すればよい。この操作を繰り返すこと
により、複数の反応液を混じり合わないように反応管内
を搬送させることができ、異なる成分を含む反応液を同
時に処理することができる。図1を参照しつつ、反応管
内での反応液の搬送状態を説明すると、反応液の導入に
先立って、DNAポリメラーゼ、鋳型DNA、プライマ
ーDNA、及びdNTPを含まない緩衝液(フローバッ
ファー)を反応管内に導入し、その後に少量の空気と所
定量の反応液を交互に三回繰り返して反応管に導入し、
最後にフローバッファーを連続的に反応管内に導入し
て、反応管内で反応液を移動させる。
【0008】本発明の方法では、上記の様に反応管内で
反応液を移動させるに際して、反応管の外側に設けられ
た加熱部により、反応管内を移動する反応液の温度を調
節する。一般にPCR法は、通常約94℃で2本鎖DNA
を解離させる工程(変性)、プライマーを約55℃でアニ
ーリングする工程(アニーリング)、及び耐熱性のDN
Aポリメラーゼを使用して約72℃で相補鎖の複製を行う
工程(伸長)を含むサイクルを基本単位として行われ
る。このため、本発明の方法においては、好ましくは、
反応管の外側にそれぞれ上記3種の温度に調節された変
性工程用加熱部(94℃)、アニーリング工程用加熱部
(55℃)、及び伸長工程用加熱部(72℃)を順次設け、
反応管内を移動する反応液が上記3種の異なる温度で所
定時間加温されるようにすればよい。反応管の材質によ
っては熱伝導率が十分でない場合があるので、このよう
な場合には反応管の外側に設けられた加熱部の温度を反
応液温度よりも若干高めに設定すればよい。通常、反応
液は反応管内を一定速度で移動するように搬送されるの
で、反応管に設けられた加熱部の長さに応じて加熱時間
を調節することができる。また、加熱部の長さを一定に
しておいて反応液の移動速度を変化させて加熱時間を調
節してもよい。加熱部の長さ及び反応液の移動速度の両
者を変化させて加熱時間を調節してもよい。
【0009】図1を参照しつつ説明すると、本発明の方
法は、例えば変性工程を94℃で1分30秒、アニーリング
工程を55℃で2分、及び伸長工程を72℃で3分行う場合
に、反応管の外側に設けられた94℃、55℃、及び72℃の
加熱部の長さを3:4:6に調節して、一定速度で反応
液を搬送することにより行うことができる。反応管の外
側に設けられる加熱部としては、一定の温度を反応管に
供給できるものであればいかなるものを使用してもよい
が、例えばヒートブロック、恒温槽、加熱空気等が好適
に使用される。例えば恒温槽を使用する場合には、94
℃、55℃、及び72℃に設定された3種の恒温槽を使用
し、恒温槽内の温水またはオイル等に所定の長さの反応
管を浸漬すればよい。PCR法は、上記の変性工程、ア
ニーリング工程、及び伸長工程を基本サイクルとし、通
常、このサイクルを25〜35回繰り返すことにより行われ
る。図1に示す直線型の反応装置を使用する場合には、
94℃、55℃、及び72℃の加熱部を繰り返し設けて必要な
サイクル数の加熱処理を行えばよい。多数のサイクルを
繰り返す場合には、反応管を例えば螺旋型に加工して、
変性工程用加熱部、アニーリング工程用加熱部、及び伸
長工程用加熱部を繰り返し通過させることにより、効率
よく増幅を行うことができる。例えば加熱部として恒温
槽を使用する場合には、たとえば図2に示されるような
螺旋型に加工された反応管を、反応回数に対応する数だ
け3種類の恒温槽に繰り返し浸漬すればよい。反応管の
末端に例えばフラクションコレクターを設けることによ
り、PCRにより増幅されたDNAを含む反応液を効率
よく回収することができる。また、反応管の途中に例え
ば紫外線検出器等の検出部を設けて増幅過程をモニター
してもよい。
【0010】本発明の別の態様によれば、本発明のDN
A増幅方法を行うためのDNA増幅装置が提供される。
本発明の装置は、内部でDNAポリメラーゼ、鋳型DN
A、プライマーDNA、及びdNTPを含む反応液が移
動させるための反応管1、該反応管の外側に設けられた
加熱部2、該反応液を該反応管内で移動させるための動
力部3を備えたDNA増幅装置であり、さらに好ましく
は、該装置はバッファータンク6、反応液導入部4、及
び反応液回収部5が設けられた装置である。反応管及び
加熱部としては上記のものを使用することができ、動力
部としては、例えばHPLCポンプ等を使用すればよい。反
応液導入部としては、例えばHPLC用のインジェクター等
を、反応液回収部にはフラクションコレクター等を使用
すればよい。本発明の装置の1例を図2に示すが、本発
明の装置はこの装置に限定されることはない。
【0011】
【発明の効果】本発明の方法によれば、極めて正確な加
熱時間でPCR法行うことができ、効率よくDNA増幅
を行うことができる。本発明の方法では、加熱時間の遅
れによる酵素の失活もなく、増幅効率が低下することが
ない。また、水分の蒸発やサンプルチューブの蓋の内側
での水滴形成がないので、蒸発防止用のオイルを使用す
る必要もない。さらに、多数の試料を用いて同時に増幅
反応を行なうことができるので有用である。
【実施例】以下に、本発明を実施例によりさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるこ
とはない。
【0012】図2に示される装置を使用して本発明の方
法を実施した。反応管1としてテフロン反応管(内径0.
5mm、外形1.5mm)を使用し、加熱部2として94℃、55
℃、及び73℃に調節された温水を満たした恒温槽を用い
た。サーモスタットとして各恒温槽にタイテックサーモ
ミンダーを使用した。反応管1の末端は動力部3に接続
されており、動力部から加熱部に至る反応管の途中には
反応液導入部4が設けられている。フローバッファーは
バッファータンク6から供給されている。本実施例で
は、動力部3として日本分光製のHPLCポンプBIP-1、反
応液導入部4としてレオダイン製HPLC用インジェクター
を使用した。反応管1は、加熱部2において94℃の温水
に150 mm、55℃の温水に200 mm、73℃の温水に300 mmの
長さで順次浸漬されており、さらに72℃の温水を出た反
応管1は再度94℃、55℃、及び73℃の温水に同じ長さで
順次浸漬されるように螺旋型に加工されている。94℃の
恒温槽は2本鎖DNAを解離させるための槽であり、55
℃の恒温槽は1本鎖に解離したDNAにプライマーDN
Aをアニーリングするための槽であり、73℃の槽はプラ
イマーDNAが結合したDNAから第2鎖の複製を行わ
せる槽である。反応管及び反応管の内部の反応液も同一
の温度に保持されている。反応管1は全体で22巻きの螺
旋を形成しており、反応管1の内部を移動する反応液
は、94℃→55℃→73℃の温度サイクルで22回繰り返し処
理される。73℃の加熱部2を出た反応管1は反応液回収
部5としてフラクションコレクターに接続されており、
ここで反応液の回収が行われる。
【0013】上記の装置を使用して、フローバッファー
を反応管1の内部に注入した。フローバッファーの流量
及び加熱部の温度を安定させた後に、マイクロシリンジ
を用いて空気5μl を反応液導入部4から注入した。そ
の後反応液5μl 及び空気5μl を順次注入し、さらに
再度フローバッファーを連続的に注入して反応液を加熱
部に移動させた。反応液及びバッファー組成は以下の表
1に示す通りである。加熱処理後の反応液をフラクショ
ンコレクターで分画して、1%アガロースゲル電気泳動
で生成物を確認した。
【表1】 Tth ポリメラーゼ: フローバッファー : 67 mM Tris ・塩酸(pH 8.8)/16.6 mM (NH4)2SO4/ 6.7 mM MgCl2 反応バッファー : 67 mM Tris ・塩酸(pH 8.8)/16.6 mM (NH4)2SO4/ 6.7 mM MgCl2/10 mM 2-ME/0.2 mM dNTPs Taq ポリメラーゼ: フローバッファー : 10 mM Tris ・塩酸(pH 8.3)/50 mM KCl/ 2 mM MgCl2 反応バッファー : 10 mM Tris ・塩酸(pH 8.3)/50 mM KCl/ 2 mM MgCl2/0.2 mM dNTPs プライマーDNA(ABI DNA合成機で合成後、OPC カートリッジで精製) : UN-24 : 5'-CGCCAGGGTTTTCCCAGTCACGAC-3' UNR-24 : 5'-TTTCACACAGGAAACAGCTATGAC-3' 鋳型DNA: pNF-1 : 1.2 kb PCR プロダクト pUCtDHFR : 0.7 kb PCR プロダクト pBluescript KS+ : 0.23 kb PCR プロダクト
【0014】試験例1 鋳型DNAとして20 ng/μl(10 nM)のpNF-1 を用い、2
種類のDNAポリメラーゼを用いて本発明の方法を実施
した。結果を表2に示す。表中、+の数は増幅の程度を
示し、+の数が多いほど、増幅の程度が高いことを示
す。
【表2】 No. ポリメラーゼ 流速 線速度 処理時間 増幅度 μl/min. mm/min. 94 ℃−55℃−73℃ 例1 Tth 20 102 1'30"- 2' - 3' +++ 例2 Taq 20 102 1'30"- 2' - 3' ++ 例3 Tth 40 204 45" - 1'- 1'30" ++例4 Tth 60 306 30" - 40" - 1' +
【0015】試験例2 鋳型DNAとしてpNF-1 を用い(0.5% Triton X-100 で
100 ℃、5分間処理したもの)、鋳型DNAの濃度を変
化させて本発明の方法を実施した。ポリメラーゼとして
Tthポリメラーゼを用い、流速 40 μl/min.、線速度 2
04 mm/min.、処理時間(94 ℃−55℃−73℃) 45" - 1'-
1'30" とした。比較例としてシータス社のサーマルサイ
クラーを用いて同様の実験を行った。結果を表3に示
す。
【表3】 No. 鋳型DNA濃度 増幅度 ng/μl 例5 1 +++ 例6 0.1 + 比較例1 0.02 + 比較例2 0.2 + 比較例3 0.4 ++ 比較例4 1.0 +++比較例5 2.0 +++ 試験例3 鋳型DNAとして 1 ng/μl のpNF-1 (1.2 kbpフラグメ
ント) 、pBluescriptKS+ (0.23 kbp フラグメント) 、
及び pUCtDHFR(0.7 kbp フラグメント) を用いて、連続
処理を行った。pNF-1 を含む反応液5μl 、pBluescrip
t KS+ を含む反応液5μl 、及び pUCtDHFR を含む反応
液5μl を10分間隔でインジェクトした。各反応液間
は空気で分離した。DNAポリメラーゼとして Tthポリ
メラーゼを用い、流速40μl/min.、線速度 204 mm/mi
n.、処理時間(94 ℃−55℃−73℃)45" - 1'- 1'30" と
した。その結果、各PCRにおけるクロスコンタミネー
ションはほとんどなく、良好な増幅が可能であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施するためのDNA増幅装置
の概念図である。
【図2】本発明の方法を実施するためのDNA増幅装置
を示す図である。
【符号の説明】
1 反応管 2 加熱部 3 動力部 4 反応液導入部 5 反応液回収部 6 バッファータンク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 養王田 正文 埼玉県和光市広沢2番1号 理化学研究所 内 (72)発明者 遠藤 勲 埼玉県和光市広沢2番1号 理化学研究所 内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 DNAポリメラーゼ、鋳型DNA、プラ
    イマーDNA、及びdNTPを含む反応液を移動相とし
    て外部に加熱部が設けられた反応管内を移動させる工程
    を含むPCR反応を用いたDNA増幅方法。
  2. 【請求項2】 該加熱部が異なる温度に調節された複数
    の加熱部を含む請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 約94℃、約55℃、及び約73℃に調節され
    た3種の加熱部を含む請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 該反応液を一定速度で反応管内を移動さ
    せる請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 DNAポリメラーゼ、鋳型DNA、プラ
    イマーDNA、及びdNTPを含む反応液を内部で移動
    させるための反応管、該反応管の外側に設けられた加熱
    部、該反応液を移動させるための動力部を備えたDNA
    増幅装置。
  6. 【請求項6】 さらに、バッファータンク、反応液導入
    部、及び反応液回収部が設けられた請求項5記載の装
    置。
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