JPH06305705A - オゾン発生器用電源装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 制御操作に応じてゼロ値から直線連続的に変
化するオゾン生成量を得て、より安定的にオゾン生成量
を調整できるオゾン発生器専用の電源装置を提供する。 【構成】 無声放電式のオゾン発生器を負荷とする電源
装置において、オゾン発生器の電極間に放電電圧を印加
させるためにパルス幅と波高値とを一定とした交流矩形
波電流を出力させ、そのパルス幅と波高値を一定とした
状態で周波数のみを制御させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、主として無声放電式の
オゾン発生器を負荷とする電源装置において、制御操作
に応じて直線連続的に変化するオゾン生成量を得ること
のできる電源装置に関するものである。

【０００２】

【従来技術とその問題点】従来より、この種の無声放電
式オゾン発生器は、電極対の配置により平板型、同軸円
筒型等に区別されるが、夫々誘電体を介した電極対へ高
電圧を印加させて、電極間の無声放電でオゾン生成を行
うものである。

【０００３】この種の無声放電式オゾン発生器における
オゾン生成量は、電極間に注入される電力に比例するこ
とから、例えば、商用電源をスライダック等の単巻き変
圧器を使用して、昇圧によりオゾン生成量を調整してい
たが、図４に図示の如く、負荷とする電極間のインピー
ダンスが時間的に変化することから、オゾン生成量は必
ずしも昇圧操作に伴わず、特に低濃度のオゾン生成には
極めて不安定であった。

【０００４】

【発明の解決すべき課題】前述の如く、負荷とする電極
間のインピーダンスの変化に対処するためには、昇圧制
御による電源装置を使用せずに、先ず、一般の電機器具
用に開発されているＰＷＭ方式の電流形インバータ装置
を用いることが考慮される。

【０００５】然し乍ら、この種の電圧、周波数を夫々可
変に調整できるＰＷＭ方式の電流形インバータ装置等を
使用した場合には、定電流特性によりインピーダンスの
変化には対処できるものの、電圧調整はパルスの幅変調
で行うため、各パルスの放電電圧に達する時間的変化に
バラツキが生じ、特に低濃度のオゾンが要求される場合
には、オゾン生成量を円滑調整することができない。

【０００６】

【課題を解決すべき手段】本発明は、前述の事由に鑑み
て、オゾン発生器へ電極容量に応じた一定のパルス幅と
波高値を有した交流矩形波電流を出力させ、一定の昇圧
を行った後に注入させた際に、極めて安定したオゾン生
成が行えることに着目し、従来の如く、昇圧制御を行わ
ずに、その交流矩形波電流のパルス幅と波高値を一定と
した状態で周波数のみを制御させることにより、オゾン
発生器の電極間で発生する無声放電の回数を増減させ、
その結果、制御操作に応じて直線連続的に変化するオゾ
ン生成量を得ることを可能としたものである。

【０００７】

【発明の目的】本発明の主たる目的は、制御操作に応じ
てゼロ値から直線連続的に変化するオゾン生成量を得
て、より安定的にオゾン生成量を調整できるオゾン発生
器専用の電源装置を提供するものである。

【０００８】

【発明の構成】本発明の構成はオゾン発生器の電極間に
放電電圧を印加させるためにパルス幅と波高値とを一定
とした交流矩形波電流を出力させ、そのパルス幅と波高
値を一定とした状態で周波数のみを制御させる構成であ
る。

【０００９】

【発明の実施例〕斯る目的を達成せしめた
本発明を以下実施例の図面により説明する。 【００１０】図１は、本発明のオゾン発生器用電源装置
の一実施例の回路構成図であり、図２は、本発明のオゾ
ン発生器用電源装置の各部における波形図を示したタイ
ミングチャートであり、図３は、本発明のオゾン発生器
用電源装置による実測データーを示した概要図であり、
図４は、従来の装置による実測データーを示した概要図
である。

【００１１】本発明は、図１に図示の如く、主として無
声放電式のオゾン発生器１０を負荷とする電源装置にお
いて、オゾン生成量を連続的に且つ安定して調整できる
オゾン発生器専用の電源装置に関するものであり、前記
オゾン発生器１０の電極間に放電電圧を印加させるため
にパルス幅と波高値とを一定とした交流矩形波電流を出
力させ、そのパルス幅と波高値を一定とした状態で周波
数のみを制御させることにより、制御操作に応じてゼロ
値から直線連続的に変化するオゾン生成量を得ることを
要旨とする。

【００１２】即ち、本発明の電源装置は、具体的には、
図１に図示の如く、オゾン発生器１０の電極間に放電電
圧を印加させるために、パルス幅と波高値とを一定とし
た交流矩形波電流を出力させる単安定マルチバイブレー
タ５．６と、そのパルス幅と波高値を一定とした状態で
周波数のみを制御させるコンバータ部４を備えたもので
ある。

【００１３】図１は、本発明のオゾン発生器用電源装置
の一実施例の回路構成図であって、この回路構成におい
て、オゾン発生器用電源装置は、主としてＡＣ１００Ｖ
の商用電源を入力させる入力端子、外部信号を入力する
入力端子１、調整ダイヤル２、切換スイッチ３、コンバ
ータ部４、単安定マルチバイブレータ５．６、ドライブ
出力回路７．８、昇圧トランス９、負荷とするオゾン発
生器１０、直流安定化電源１１で構成されている。

【００１４】入力端子１は外部信号の入力電流及び制御
信号を送入する端子であり、制御信号にてオゾン生成量
をコントロールすることができる。また、入力電流を可
変調整させる調整ダイヤル２は、操作性を鑑みてダイヤ
ルに可変抵抗器を取付けたものを使用し、切換スイッチ
３は外部操作(自動)と内部操作(手動)の切換を行うもの
である。

【００１５】コンバータ部４は、入力電流または入力電
圧の何れか一方を送入することで発振し、また、入力電
流を変化させることにより、発振周波数を広範囲に且つ
連続的に可変調整させるＶＦコンバータ等のパルス発生
回路を有した発振部である。

【００１６】単安定マルチバイブレータ５．６は、前段
のコンバータ部４の出力パルスをトリガすることにより
矩形波電流（＋）（−）を発生させる矩形波パルス発生
部であり、一方の単安定マルチバイブレータ５は、コン
デンサーＣ１と可変抵抗器Ｒ１、他方の単安定マルチバ
イブレータ６は、コンデンサーＣ２と可変抵抗器Ｒ２を
備えて構成されている。

【００１７】前記単安定マルチバイブレータ５は、前段
のコンバータ部４のパルス信号の入力を受けて動作し、
後縁で矩形波(＋)パルスを発振させるもので、可変抵抗
器Ｒ１はそのパルス幅を調整させるものである。

【００１８】前記単安定マルチバイブレータ６は、単安
定マルチバイブレータ５の矩形波(＋)パルスの後縁で矩
形波(−)パルスを発振させるもので、可変抵抗器Ｒ２
は、前記単安定マルチバイブレータ５と同様に、そのパ
ルス幅を負荷とするオゾン発生器１０の電極容量に応じ
て調整させるものである。

【００１９】ドライブ出力回路７．８は、前段の単安定
マルチバイブレータ５．６の矩形波(＋)．(−)パルス波
形をダーリントントランジスタを介して昇圧トランス９
に入力するダイレクトドライブであり、ドライブ出力回
路７は(＋)サイドのパルスドライブ出力回路、ドライブ
出力回路８は(−)サイドのパルスドライブ出力回路であ
る。

【００２０】昇圧トランス９は、ドライブ出力回路７か
ら入力された(−)パルス波形と、ドライブ出力回路８か
ら入力された後縁の(＋)パルス波形を重ね、その波形を
変えずに電圧比と電流比を変えて昇圧された交流矩形波
電流としてオゾン発生器１０へ出力される。

【００２１】オゾン発生器１０は、回路上、等価的にキ
ャパシタと見なされる無声放電式の金属電極対であっ
て、平板型、同軸円筒型等の金属電極対を誘電体、及び
放電空間である空隙を介して対峙させたものである。

【００２２】直流安定化電源１１は本発明における制御
動作を安定させるためのもので、負荷変動を防止する役
割を有する。

【００２３】本発明は、前述の回路構成から成る電源装
置を用いることにより、オゾン発生器１０の電極間に放
電電圧を印加させるパルス幅と波高値とを一定とした交
流矩形波電流を出力させ、そのパルス幅と波高値を一定
とした状態で周波数のみを制御させるものであって、以
下、図２のタイミングチャートを用いて説明する。

【００２４】図２は、本発明の図１に図示の回路構成図
で表わされたオゾン発生器用電源装置の各部における波
形図を示したタイミングチャートである。

【００２５】図２において、Ｐ１はコンバータ部４によ
り発振されたパルス幅の狭い発振パルスの波形図であ
り、この発振パルスの周波数は調整ダイヤル２による入
力電流の変化により制御されている。

【００２６】Ｐ２は単安定マルチバイブレータ５で発生
した矩形波(＋)パルスの波形図であり、この矩形波(＋)
パルスは、可変抵抗器Ｒ１で負荷１０に応じて調整され
たゲート幅で、前段のコンバータ部４の発振波の後縁で
スタートする。

【００２７】Ｐ３は、単安定マルチバイブレータ６で発
生した矩形波(−)パルスの波形図であり、この矩形波
(−)パルスは、Ｐ２の矩形波(＋)パルスの後縁でスター
トする。また、Ｐ２の矩形波(＋)パルスと同様に可変抵
抗器Ｒ２でゲート幅が調整される。

【００２８】Ｐ４は、矩形波(＋)パルスと矩形波(−)パ
ルスがドライブ出力回路７．８で昇圧された後の昇圧ト
ランス９の一次側における倍電圧コレクター波の波形図
であり、負荷が容量負荷であるため、電流に対して電圧
の位相が略半サイクル遅れた交流波と成っている。

【００２９】Ｐ５は、Ｐ４の交流波が更に昇圧された昇
圧トランス９の二次側における高電圧高電流波の波形図
であり、この高電圧高電流波によりオゾン発生器１０の
電極対に放電電圧が印加される。

【００３０】本発明の電源装置によりオゾン生成量を変
えるには、調整ダイヤル２により入力電流を変化させ、
コンバータ部４により発振されるパルスの周波数を変化
させれば良く、この際、図１に示した安定化電源１１の
使用によりＰ５に示した電圧Ｖ１は一定の状態に維持さ
れている。

【００３１】前記オゾン発生器１０の電極間へＰ５で示
した高圧交流波が出力されると、オゾン発生器１０の電
極間にはその周期に応じて無声放電が繰り返し生じるも
のであり、従って、出力波の周波数を変化させることに
より、無声放電の回数は増減し、オゾン生成量も変化す
る。その際、図３に図示の如く、周波数の制御操作に応
じてゼロ値から直線連続的に変化するオゾン生成量を得
ることができる。

【００３２】

【発明の効果】本発明の電源装置は、前述の如く構成し
たもので、負荷とするオゾン発生器の電極間へパルス幅
と波高値とを一定とした交流矩形波電流を出力させ、そ
の周波数を制御することによりオゾン生成量を調整する
ため、制御操作に応じてゼロ値から直線連続的に変化す
るオゾン生成量を得ることができるものであり、又、電
圧の波高値が限界値を越えて絶縁体を破壊すること等の
ない操作性、機能性に優れた画期的で有意義な発明であ
る。

【００３３】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のオゾン発生器用電源装置の一実施例の
回路構成図である。

【図２】本発明のオゾン発生器用電源装置の各部におけ
る波形図を示したタイミングチャートである。

【図３】本発明のオゾン発生器用電源装置による実測デ
ーターを示した概要図である。

【図４】従来の装置による実測データーを示した概要図
である。

【符号の説明】 １ 入力端子 ２ 調整ダイヤル ３ 切換スイッチ ４ コンバータ部 ５ 単安定マルチバイブレータ ６ 単安定マルチバイブレータ ７ ドライブ出力回路 ８ ドライブ出力回路 ９ 昇圧トランス １０ オゾン発生器 １１ 直流安定化電源

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】無声放電式のオゾン発生器を負荷とする電
   源装置において、前記オゾン発生器の電極間に放電電圧
   を印加させるためにパルス幅と波高値とを一定とした交
   流矩形波電流を出力させ、そのパルス幅と波高値を一定
   とした状態で周波数のみを制御させることにより、制御
   操作に応じてゼロ値から直線連続的に変化するオゾン生
   成量を得ることを特徴とするオゾン発生器用電源装置。